JPH08245652A - 多官能性有機シロキサンマクロマー及びそれを用いた眼科医療用ソフト材料 - Google Patents

多官能性有機シロキサンマクロマー及びそれを用いた眼科医療用ソフト材料

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JPH08245652A
JPH08245652A JP7048379A JP4837995A JPH08245652A JP H08245652 A JPH08245652 A JP H08245652A JP 7048379 A JP7048379 A JP 7048379A JP 4837995 A JP4837995 A JP 4837995A JP H08245652 A JPH08245652 A JP H08245652A
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group
formula
iii
hydrocarbon
nhcoo
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JP7048379A
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English (en)
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Naoki Morita
直喜 森田
Junichi Iwata
淳一 岩田
Seiichiro Igawa
誠一朗 井川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な多官能性有機シロキサンマクロマーの
提供とそれを利用してつくられるところの眼科医療用材
料の耐汚れ付着性の改善と物性バランスの向上。 【構成】 特定の構造と分子量を持つ、新規な多官能性
有機シロキサンマクロマー及び叉は共重合可能なモノマ
ーからなる共重合体。 【効果】 新規な多官能性有機シロキサンマクロマーを
成分として作成したこの眼科医療用材料は、酸素透過性
が高く、耐タンパク質汚れ性に優れ、機械強度、変形戻
り性等の物性バランスも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な多官能性有機シロ
キサンマクロマーとそれを用いた眼科医療用ソフト材料
に関するものである。更に詳しく言えば、本発明は涙液
中の蛋白等の汚れ付着性が少なく、且つ酸素透過性、形
態維持性等の物性バランスが良く、例えばソフトコンタ
クトレンズ、ソフト眼内レンズ、人工角膜などとして適
する実質的に非含水な眼科医療用材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリシロキサン化合物はジメ
チルシリコーン化合物に代表されるように耐熱性、化学
的安定性、電気絶縁性、柔軟性、潤滑性、撥水性などの
特異な機能を生かして、単独にあるいは他の材料の改質
等に工業的に広く利用されている。例えば重合性シロキ
サン化合物である両末端に3−メタクリロキシプロピル
基を有するポリジメチルシロキサンは、その重合性を利
用してアクリルポリマーやポリスチレン等の種々のポリ
マーの改質に使用されている。さらにシロキサン重合体
は高いガス透過性を示すことからガス選択透過膜にも利
用され、また生体に対する影響も小さいため生体材料や
医療材料としても巾広く使われている。例えば、その優
れた酸素透過性と柔軟性、光学的透明性を生かし、コン
タクトレンズへの応用も検討されており、多くの特許が
提案されている(例えば、特公昭62−36046号公
報、特開昭63−29741号公報、特開昭63−85
719号公報、特開平2−188717号公報)。コン
タクトレンズの中でもソフトコンタクトレンズに関して
紹介してみるとソフトコンタクトレンズは含水性ソフト
コンタクトレンズと非含水性ソフトコンタクトレンズに
分けられる。
【0003】含水性ソフトコンタクトレンズは、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドンなど
の親水性モノマーを主成分として重合した共重合体から
なり、切削あるいはキャスト法によりレンズを作成しこ
れを生理食塩中で膨潤処理した約40〜70%の含水率
のレンズである。非含水性ソフトコンタクトレンズとし
ては、例えば、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基
で封鎖されたポリジメチルシロキサンとメチルハイドロ
ジエンポリシロキサンとの混合物に、白金系の触媒を加
え、モールディング法で加熱硬化させる方法で得られる
シリコーンラバーレンズと両末端にメタクリロキシ基の
ような重合性基を付加したポリパーフルオロエーテルを
主成分とした重合体からなるソフトコンタクトレンズと
ハードコンタクトレンズとの中間の弾性率を有する可と
う性レンズが知られている(特開54−81363号公
報、特開昭58−127914号公報)。
【0004】また(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリ
ル酸エステルを共重合させたハードな基体より、切削し
てレンズを作成し、これをエステル化及び/叉はエステ
ル交換処理を行い、装用感の良好な非含水性ソフトコン
タクトレンズも製造されている(特開昭48−7504
7号公報)。含水性コンタクトレンズは、装用感が良好
で、高含水型になると酸素透過性が高くなる等の長所を
もっているが、破損しやすく、耐久性が劣ること、及び
涙液中の成分によって汚染されやすく細菌の繁殖の恐れ
があるため、定期的に煮沸消毒をしなければならない
等、取扱い上不便なことが多い。
【0005】非含水性コンタクトレンズにも、それぞれ
次のような問題点が見られる。まず、シリコーンレンズ
については、開発当初はレンズ表面の疎水性を改善する
ために施した親水下処理層が剥離したり、弾力性が大き
すぎるために角膜への固着が起こるなどの欠点があっ
て、広く実用化されるまでには到らなかったが、最近で
は表面親水下処理技術の進歩、レンズデザインの変更、
及び機械的性質の改良などにより、前期欠点はかなり改
善されてはいるもののまだ必ずしも十分に満足しうるも
のではなく、広く一般に用いられるに到っていないのが
実状である。
【0006】次に、ポリパーフルオロエーテルを主成分
とした非含水性レンズは、ソフトコンタクトレンズとい
うよりもセミハードタイプに近い為、ソフトコンタクト
レンズのような装用感が得られず、角膜上でのレンズの
動きも満足できるものではない。また(メタ)アクリル
酸エステルを主体としたソフトコンタクトレンズは、酸
素透過性に劣る為、長時間の装用には適していない。多
官能ポリシロキサンを主体とする材料は、何れも涙液中
の成分による汚染性を考慮しておらず、シリコーンレン
ズにより近い材料である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状のもとで、汚れ付着性が少なく、且つ酸素透過性が高
く、光学的、機械的特性、形態維持性に優れた実質的に
非含水な眼科医療用ソフト材料とそれを作成するための
多官能性有機シロキサンマクロマーを提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の医療用ソフト材
料は特定の構造と分子量を有する新規な多官能性有機シ
ロキサンマクロマーとそれを主成分として重合して得ら
れる共重合体からなる材料によりその目的を達成しう
る。すなわち、本発明は以下のとおりである。 1.下記化7で表されることを特徴とする多官能性有機
シロキサンマクロマー。
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、R1は水素又はメチル基、R2〜R
5は各々炭素数1〜12の炭化水素基又はトリメチルシ
ロキシ基である。Yは下記化2に示す構造単位(I)〜
(III)からなり、(I)/(II)=1/10〜1
0/1、〔(I)+(II)〕/(III)=100/
1〜100/20であって、(I)+(II)=7〜3
00である。m及びnはそれぞれ同一又は異なる1〜2
0の整数、pは0〜20の整数、lはmが0のときは0
でありmが1以上のときは1である。 Xは−NHCOO
−基又は−OOCHN−R10−NHCOO−基(R10
炭素数4〜13の炭化水素基)である。〕
【0011】
【化8】
【0012】〔R6及びR7は各々炭素数1〜12の炭化
水素基、R8及びR9はそれぞれ1〜12の炭化水素基又
はフッ素置換された炭化水素基であり、その少なくとも
一方はフッ素置換された炭化水素基である。R10及びR
11は各々炭素数1〜12の炭化水素基又はビニル基、ス
チリル基、アリル基であって、その少なくとも一方はビ
ニル基、スチリル基、アリル基である。〕 2.上記化7で表わされる多官能性有機シロキサンマク
ロマーの1種叉は2種以上を該多官能有機シロキサンマ
クロマーのみで叉は共重合可能なモノマーの1種叉は2
種以上と共に重合させて得られる3次元架橋重合体。
【0013】3.上記化7で表わされる多官能性有機シ
ロキサンマクロマーの1種叉は2種以上を該多官能有機
シロキサンマクロマーのみで叉は共重合可能なモノマー
の1種叉は2種以上と共に重合させて得られる眼科医療
用ソフト材料。 4.下記化9で表わされる多官能性有機シロキサンマク
ロマーの1種叉は2種以上を該多官能有機シロキサンマ
クロマーのみで叉は共重合可能なモノマーの1種叉は2
種以上と共に重合させて得られる眼科医療用ソフト材
料。
【0014】
【化9】
【0015】〔式中、R1は水素又はメチル基、Yは下
記化4に示す構造単位(I’)〜(III’)からな
り、(I’)/(II’)=1/10〜10/1、
〔(I’)+(II’)〕/(III)=100/1〜
100/20であって、(I’)+(II’)=7〜3
00である。m及びnはそれぞれ同一又は異なる1〜2
0の整数、pは0〜20の整数、lはmが0のときは0
でありmが1以上のときは1である。 Xは−NHCOO
−基又は−OOCHN−R10−NHCOO−基(R10
炭素数4〜13の炭化水素基)である。〕
【0016】
【化10】
【0017】5.下記化11で表わされる多官能性有機
シロキサンマクロマーの1種叉は2種以上並びにアクリ
ル酸フルオロアルキルエステル、メタクリル酸フルオロ
アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル及びメ
タクリル酸アルキルエステルから選ばれた1種叉は2種
以上を主成分とした共重合体からなる眼科医療用ソフト
材料。
【0018】
【化11】
【0019】〔式中、R1は水素又はメチル基、Yは下
記化4に示す構造単位(I’)〜(III’)からな
り、(I’)/(II’)=1/10〜10/1、
〔(I’)+(II’)〕/(III)=100/1〜
100/20であって、(I’)+(II’)=7〜3
00である。m及びnはそれぞれ同一又は異なる1〜2
0の整数、pは0〜20の整数、lはmが0のときは0
でありmが1以上のときは1である。 Xは−NHCOO
−基又は−OOCHN−R10−NHCOO−基(R10
炭素数4〜13の炭化水素基)である。〕
【0020】
【化12】
【0021】以下本発明を詳細に説明する。(1)式で
表される多官能性有機シロキサンマクロマーは、その分
子量が増大する時、側鎖の官能基数が同じであれば、主
鎖の官能基間鎖が長くなるため、酸素透過性が向上し、
また凝集エネルギーを低下させると共にガラス転移点も
低くなるため、ソフトコンタクトレンズとした時、柔ら
かさ並びにゴム弾性で示される物性に大きな効果をもた
らす。(1)式中R1 は水素叉はメチル基であり、
2、R3、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜12の炭化
水素基叉はトリメチルシロキシ基であり、各々は同一の
ものでの良いし異なるものであっても良い。コンタクト
レンズの柔らかさ、弾力性、強度及び汚れ付着性などか
ら炭素数1〜3の炭化水素基叉はトリメチルシロキシ基
が好ましい。mおよびnは1〜20の整数及びPは0〜
20の整数であり、20を越えて大きくなると、他のモ
ノマーとの相溶性が悪くなり白濁しやすくなるので好ま
しくない。
【0022】分子量を決定する当該マクロマーのシロキ
サニル単位である(1)式中のYの構造は、上記化8中
の(I)、(II)及び(III)で示される。該構造
単位(I)、(II)及び(III)はそれぞれ次のよ
うな特徴をもっている。構造単位(I)は、分子内でそ
の数が増える程、酸素透過性を増大させる効果があり、
またガラス転移点を低下させる効果もあるので、レンズ
にした時の戻り性(レンズを変形させたときにもとに戻
ろうとする性質)等の物性に欠かせない構造である。し
かしながら、構造単位(I)が連続的に分子内に存在す
ると疎水性の性質から、涙液中の蛋白質等の吸着が起こ
り、汚れやすい原因となる。
【0023】次に構造単位(II)は、シロキサニル基
の側鎖の少なくとも一方はフッ素置換された炭化水素基
であり、側鎖にフッ素置換された炭化水素基をもつこと
によりフッ素原子に起因する臨界表面張力の低下が起こ
る。このことから本発明のコンタクトレンズ材料は撥
水、撥油性の性質を持ち、これはコンタクトレンズ表面
が涙液中の蛋白質や脂質、無機成分などによって汚染さ
れることを抑制する効果を有し、汚染物質が付着しても
剥がれ易い性質を持っている。しかしながら構造単位
(II)は、構造単位(I)程、酸素透過性を増大させ
る傾向は大きくなく、分子内に多く存在し過ぎると希望
する酸素透過性が得られにくくなる。構造単位(II
I)は、シロキサニル基の側鎖の少なくとも一方はビニ
ル基、アリル基、スチリル基等の重合性基であり、側鎖
に重合性基をもつことにより分子内での架橋効率が上が
り形態維持性や強度等の物性向上につながる。
【0024】しかしながら構造単位(III)が分子内
に多く存在すると酸素透過性を減少させたり、硬度を上
げる原因となる。上述のように、分子内に存在する構造
単位(I)、(II)及び(III)の数は、あまり多
すぎると該マクロマーが白濁して得られたり、共重合可
能なモノマーとの相溶性が悪化し、相分離を起こした
り、重合時に白濁したりする。またその数が少ないと酸
素透過性が低下するばかりでなく、柔らかさや屈曲性、
形態維持性等が劣る原因となる。以上の理由より、分子
内に含まれる構造単位(I)及び(II)の存在比と存
在数は構造単位(I):構造単位(II)の比が1:1
0ないし10:1好ましくは1:8ないし8:1が良
く、構造単位(I)、(II)の合計数は7〜300で
好ましくは20〜220が良い。
【0025】分子内に含まれる構造単位(III)は構
造単位(I)、(II)の合計数との比で表され、構造
単位(I)+(II):構造単位(III)の比が10
0:1ないし100:20好ましくは100:2ないし
100:10がよい。構造単位(I)のシロキサニル基
の側鎖は、それぞれ炭素数1〜12の炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基が良い。構造単位(II)のシ
ロキサニル基の側鎖は、少なくとも一方がフッ素置換さ
れた炭化水素基であることが必要であり、例えば3,
3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,2,2−テ
トラヒドロパーフルオロオクチル基、1,1,2,2−
テトラヒドロパーフルオロデシル基などが挙げられ、中
でもトリフルオロプロピル基が好ましい。構造単位(I
II)のシロキサニル基の側鎖は少なくとも一方が重合
性基を含んでいることが必要であり、ビニル基、アリル
基、スチリル基などが挙げられ中でもビニル基が好まし
い。
【0026】次に(1)式中のXは単官能イソシアネー
トあるいは、2官能イソシアネートの残基を表し、それ
ぞれ−NHCOO−基や−OOCNH−R8 −NHCO
O−基(R8 は炭素数4〜13の2価の炭化水素基であ
り、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、叉は芳香族
炭化水素基である。)である。これらウレタン結合を分
子構造中に含むことにより、強度や水濡れ性を改善する
ことができる。2官能イソシアネートの残基として例え
ばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネ
ートメチルカプロエート、3−イソシアネートメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、ジシジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートな
どの残基が有り、なかでもヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートの残基が好ましい。
【0027】(1)式で表される多官能性有機シロキサ
ンマクロマーは、例えば、1,3−ビス−(4−ヒドロ
キシアルキル)テトラメチルジシロキサンとオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン及び1,3,5−トリメチル
トリフルオロプロピルシクロトリシロキサンとテトラビ
ニルテトラメチルシクロテトラシロキサンとの開環挿入
反応によって得られるポリシロキサン構造を有するジオ
ールと、例えば、当量のイソシアネートエチルメタクリ
レート叉は、2倍当量のジイソシアネートを反応させる
ことによって得られる。この得られた多官能性有機シロ
キサンマクロマーの構造はNMR(核磁気共鳴スペクト
ル)及びIR吸収スペクトルから解析することができ
る。
【0028】また、分子内に含まれる構造単位(I)、
(II)及び(III)の存在比と存在数は,NMR
(核磁気共鳴スペクトル)を測定することにより求める
ことができる。例えば構造単位(I)がジメチルシロキ
サンであり、構造単位(II)がメチル−トリフルオロ
プロピルシロキサン、構造単位(III)がビニルメチ
ルシロキサンの場合、NMRスペクトル上に表れるメチ
ル基、トリフルオロプロピル基、ビニル基に関するプロ
トン吸収の積分値を測定し、更に同じ分子内に含まれる
メチレン基に関するプロトン吸収の積分値を測定するこ
とから求められる。
【0029】本発明の医療用ソフト材料は(1)式で表
される多官能性有機シロキサンマクロマー1種叉は2種
以上を該多官能性有機シロキサンマクロマーのみでまた
は共重合可能なモノマーの1種または2種以上と共に重
合させて得られる橋かけ重合体からなる。医療用ソフト
材料の目標性能、例えば要求される酸素透過性、柔らか
さ、汚れの付着しにくさ、強度などに応じて、(1)式
の中のYを構成する構成単位の種類及び結合数、並びに
Xを構成する残基が選択される。
【0030】共重合可能なモノマーを以下に説明する。
本発明において共重合可能なモノマーとして用いられる
アクリル酸フルオロアルキルエステル及びメタクリル酸
フルオロアルキルエステルは、フッ素原子に起因する臨
界表面張力の低下により、撥水、撥油性の性質を持ち、
これはコンタクトレンズ表面が涙液中の蛋白質や脂質な
どの成分によって汚染されることを抑える効果がある。
【0031】これらアクリル酸フルオロアルキルエステ
ル、メタクリル酸フルオロアルキルエステルの具体例と
しては、トリフルオロエチルアクリレート、テトラフル
オロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアク
リレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、ヘキ
サフルオロブチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレー
ト、オクタフルオロペンチルアクリレート、ノナフルオ
ロペンチルアクリレート、ドデカフルオロペンチルアク
リレート、ドデカフルオロオクチルアクリレート、トリ
デカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロ
ヘプチルアクリレート及びこれらのアクリレート類に対
するメタクリレート類等があげられ、好ましくはトリフ
ルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロ
ピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリ
レート、トリフルオロエチルアクリレート、テトラフル
オロエチルアクリレート、ドデカフルオロオクチルアク
リレートが用いられる。これらのモノマーは1種もちい
てもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0032】また本発明において共重合可能なモノマー
として用いられるアクリル酸アルキルエステルモノマー
及びメタクリル酸アルキルエステルモノマーは、多官能
性有機シロキサンマクロマーと(メタ)アクリル酸フル
オロアルキルエステルとの相溶性を改善する効果があり
その使用範囲を大きく広げる役割をする。これらアクリ
ル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステ
ルの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、n−プロピルアクリレート、nブチルアクリ
レート、tert−ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチル
アクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−ノニル
アクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルア
クリレート、n−ラウリルアクリレート、トリデシルア
クリレート、n−ドデシルアクリレート、シクロペンチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ス
テアリルアクリレート及びこれらのアクリレート類に対
応するメタクリレート類等があげられ、好ましくはn−
ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−
ラウリルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレー
ト等が用いられる。これらのモノマーは1種もちいても
よいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0033】さらに機械的性質、表面濡れ性、寸法安定
性などを向上させるために、所望に応じ、以下に述べる
モノマーを共重合させることができる。機械的性質を向
上させるためのモノマーとしては、例えばスチレン、t
ert−ブチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳
香族ビニル化合物等が挙げられる。表面濡れ性を向上さ
せるためのモノマーとしては、例えばメタクリル酸、ア
クリル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、
ポリエチレングリコールメタクリレート、N,N´−ジ
メチルアクリルアミド、N,N´−ジエチルアクリルア
ミド、N−メチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ダイ
アセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、Nビ
ニルNメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0034】寸法安定性を向上させるためのモノマーと
しては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタク
リレート、アクリルメタクリレート及びこれらのメタク
リレート類に対応するアクリレート類、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。これ
らのモノマーは1種もちいてもよいし、2種以上組み合
わせて用いても良い。ソフト材料の光学特性、酸素透過
性、機械的強さ、変形回復性、眼に装用したときの汚れ
付着性、涙液中での寸法安定性とその径時変化などの特
性バランスを良くするため、これら共重合可能なモノマ
ーを組み合わせた混合モノマーを使用することができ
る。
【0035】本発明の多官能性有機シロキサンマクロマ
ーと共重合可能な混合モノマーの例としては、トリフル
オロエチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、
メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレートの組み合わせ等があ
る。本発明の医療用ソフト材料として用いられる共重合
体は、例えば単量体混合物を鋳型に充填して公知の方法
でラジカル重合させるキャスト重合法、回転する半面鋳
型内に単量体混合物を仕込んで重合させる方法、叉は共
重合体を低温で冷凍切削する方法等によりコンタクトレ
ンズ等に成型することができる。
【0036】共重合の方法は、光重合開始剤を単量体混
合物中に存在させ、紫外線を照射して重合させる方法叉
はアゾ化合物や有機過酸化物を用いて重合させる方法が
良い。
【0037】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。なお、各物性及び分子量はつぎのようにし
て求めた。 (1)酸素透過係数 理化精機工業(株)製の気体透過率測定装置K−315
−Nを用いた。試料片は直径30mm、厚さ0.3mm
の円盤状のものを測定に供した。測定は25℃の恒温
室、試料片セット場所35℃で測定した。 (2)機械強度 島津(株)製引張り試験機AGS−50Bを用いて、引
張強度、伸び、初期応力からの弾性率を測定した。測定
は25℃の恒温室、試験片は5mm巾20mm長0.3
mm厚を用いた。
【0038】(3)汚れ付着性 蛋白質汚れはトリス塩酸バッファー液(PH=7.4)
中にリゾチーム(0.3%)、アルブミン(0.4
%)、グロブリン(0.3%)溶解させ、この混合溶液
中に試験片を浸漬し(37℃ 3Hr)、精製水中に浸
漬し乾燥後、表面赤外分光分析を行いアミドの吸収量を
測定した。吸収が大きい程、汚れ付着が大きい。脂質に
よる汚れは試験片をオレイン酸中に浸漬し膨潤率を測定
した。
【0039】(4)圧縮変形戻りテスト 鋳型を用いて作成したソフトコンタクトレンズを純水中
に浸漬し、その上部にガラス板を乗せさらにそのうえか
ら50gの重量をもつサンプル瓶を置き、レンズを3時
間室温で圧縮変形させる。3時間後、サンプル瓶とガラ
ス板を除き、その1分後のレンズのサイズを測定(S
2)する。始めのサイズを(S1)として、1分後の変
形量は次式で求められる。 S2−S1=△St1(mm) この△St1で変形戻り量を比較する。 (5)分子量は、NMRおよびGPCにより求めた。
【0040】
【実施例1】 (マクロマーAの合成 ) 1,3−ビス−(4−ヒドロキシプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン10.7g、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン190g、1,3,5−トリメチルトリフル
オロプロピルシクロトリシロキサン100g、1,3,
5,7−テトラビニル1,3,5,7−テトラメチルシ
クロテトラシロキサン11.05g、トルエン174
g、2,6−ジ−ter−ブチル−P−クレゾール30
mg、水酸化セシウム100mgをフラスコのなかに仕
込み還流温度で12Hr反応させた。
【0041】その後、酢酸で中和後、イソプロピルアル
コールで溶解洗浄した。その後、メタノールを加えて分
液ロートで抽出した。処理を繰り返すことにより両末端
に水酸基をもつ有機シロキサンジオール119gを得
た。得られたマクロマーについてNMR(核磁気共鳴ス
ペクトル)分析を行った結果、下記化13に示された構
造であることが確認された。
【0042】
【化13】
【0043】この有機シロキサンジオールを50g、ア
セトン100g、2−イソシアネートエチルメタクリレ
ート4.7g、ジブチルスズジラウリレート5適を褐色
丸底フラスコに仕込みN2雰囲気中で撹拌しながら還流
温度で2Hr反応した。反応後、精製水を1.5g加え
撹拌を続けた。 冷却後、メタノールを加え、洗浄分離
を繰り返し、ウレタン結合を含む有機シロキサンマクロ
マー46gを得た。得られたマクロマーについてNMR
(核磁気共鳴スペクトル)分析及びIR分析を行った結
果、下記化14(マクロマーA)に示されたウレタン結
合を含む多官能有機シロキサンマクロマーであることを
確認した。図1にNMRスペクトル図、図2にIRスペ
クトル図を添付した。
【0044】
【化14】
【0045】(重合体の作成)上記化14(マクロマー
A)に示されたウレタン結合を含む多官能有機シロキサ
ンマクロマー55重量部、トリフロロエチルアクリレー
ト(以下3FAとする)45重量部、メタクリル酸(以
下MAAとする)4重量部、エチレングリコールジメタ
クリレート(以下EDとする)1重量部、及びベンジル
ジメチルケタール(チバガイギー社製、商品名I−65
1)0.5重量部を添加し、窒素雰囲気中でマグネチッ
クスターラーにて約1時間撹拌し、溶解混合させた。
【0046】その後、窒素雰囲気中で、シリコーンゴム
製のガスケットを間に入れた2枚のガラス板(厚さ10
mm、巾60mm、長さ90mm)により組み込んだセ
ル中に前期反応液を注入し、該セルを40〜50℃の温
度において紫外線を2時間照射して、透明な共重合体を
得た。このようにして得られた共重合体について、酸素
透過係数、引っ張り強度、汚れ付着性を測定した。結果
を表1に示した。
【0047】
【比較例1】下記化15で表される有機シロキサンジオ
ールを実施例1と同じように2−イソシアネートエチル
メタクリレ−トと反応させ、精製して下記化16(マク
ロマーB)で表されるウレタン結合を含む有機シロキサ
ンマクロマーを得た。
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】上記化16(マクロマーB)に示されたウ
レタン結合を含む有機シロキサンマクロマー55重量
部、3FA45重量部、MAA4重量部、ED1重量部
及びベンジルジメチルケタール0.5重量部を添加し、
実施例1と同じように重合して、透明な共重合体を得
た。その共重合体について、物性を測定した結果を表1
に示す。
【0051】
【実施例2及び比較例2】上記化14(マクロマー
A)、化16(マクロマーB)に示されたウレタン結合
を含む有機シロキサンマクロマー各80重量部にそれぞ
れトリフロロエチルメタクリレート(以下3FM)10
重量部、n−ブチルアクリレート(以下n−BA)5重
量部、MAA3重量部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(以下HEMA)2重量部、ED0.5重量部、及び
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキサイド0.5重量部を添加し、実施例1と同じ
ように重合して、透明な共重合体を得た。その共重合体
について、物性を測定した結果を表1に示す。次に射出
成型によって作成したポリプロピレン製の凹凸鋳型(レ
ンズ直径13.7mm)に前記各モノマー混合液を注入
充填し、紫外線を2時間照射し重合した。重合後鋳型か
ら取りだしたレンズは透明で柔軟性を示し、強度もまず
良好なものが得られた。この取りだした各レンズについ
て、圧縮変形戻り性を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
【比較例3】下記化17(マクロマーC)で示されたマ
クロマー55重量部に、3FA25重量部、n−BA2
0重量部、MAA6重量部、ED4重量部及びベンジル
ジメチルケタール0.5重量部を添加し、実施例1と同
じように重合して、透明な共重合体を得た。その共重合
体について、物性を測定した結果を表1に示す。
【0053】
【化17】
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の新規な多官能性有機シロキサン
マクロマー使用して作成した眼科医療用ソフト材料は、
タンパク質等の耐汚れ性に優れ、且つ酸素透過性、機械
的強度、変形戻り性等の物性バランスに優れた材料であ
りコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜用として好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた多官能性有機シロキサンマ
クロマー(マクロマーA)のNMRスペクトル図であ
る。
【図2】実施例1で得られた多官能性有機シロキサンマ
クロマー(マクロマーA)のIRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 65/32 NQJ C08G 65/32 NQJ 77/08 NUG 77/08 NUG C08L 83/04 LRM C08L 83/04 LRM G02C 7/04 G02C 7/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されることを特徴とする多
    官能性有機シロキサンマクロマー。 【化1】 〔式中、R1は水素又はメチル基、R2〜R5は各々炭素
    数1〜12の炭化水素基又はトリメチルシロキシ基であ
    る。Yは下記化2に示す構造単位(I)〜(III)か
    らなり、(I)/(II)=1/10〜10/1、
    〔(I)+(II)〕/(III)=100/1〜10
    0/20であって、(I)+(II)=7〜300であ
    る。m及びnはそれぞれ同一又は異なる1〜20の整
    数、pは0〜20の整数、lはmが0のときは0であり
    mが1以上のときは1である。 Xは−NHCOO−基又
    は−OOCHN−R10−NHCOO−基(R10は炭素数
    4〜13の炭化水素基)である。〕 【化2】 〔R6及びR7は各々炭素数1〜12の炭化水素基、R8
    及びR9はそれぞれ1〜12の炭化水素基又はフッ素置
    換された炭化水素基であり、その少なくとも一方はフッ
    素置換された炭化水素基である。R10及びR11は各々炭
    素数1〜12の炭化水素基又はビニル基、スチリル基、
    アリル基であって、その少なくとも一方はビニル基、ス
    チリル基、アリル基である。〕
  2. 【請求項2】 請求項1で表わされる多官能性有機シロ
    キサンマクロマーの1種叉は2種以上を該多官能性有機
    シロキサンマクロマーのみで叉は共重合可能なモノマー
    の1種叉は2種以上と共に重合させて得られる3次元架
    橋重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1で表わされる多官能性有機シロ
    キサンマクロマーの1種叉は2種以上を該多官能性有機
    シロキサンマクロマーのみで叉は共重合可能なモノマー
    の1種叉は2種以上と共に重合させて得られる眼科医療
    用ソフト材料。
  4. 【請求項4】 多官能性有機シロキサンマクロマーが下
    記化3で表わされる請求項3記載の眼科医療用ソフト材
    料。 【化3】 〔式中、R1は水素又はメチル基、Yは下記化4に示す
    構造単位(I’)〜(III’)からなり、(I’)/
    (II’)=1/10〜10/1、〔(I’)+(I
    I’)〕/(III)=100/1〜100/20であ
    って、(I’)+(II’)=7〜300である。m及
    びnはそれぞれ同一又は異なる1〜20の整数、pは0
    〜20の整数、lはmが0のときは0でありmが1以上
    のときは1である。 Xは−NHCOO−基又は−OOC
    HN−R10−NHCOO−基(R10は炭素数4〜13の
    炭化水素基)である。〕 【化4】
  5. 【請求項5】 下記化6で表わされる多官能性有機シロ
    キサンマクロマーの1種叉は2種以上並びにアクリル酸
    フルオロアルキルエステル、メタクリル酸フルオロアル
    キルエステル、アクリル酸アルキルエステル及びメタク
    リル酸アルキルエステルから選ばれた1種叉は2種以上
    を主成分とした共重合体からなる眼科医療用ソフト材
    料。 【化5】 〔式中、R1は水素又はメチル基、Yは下記化6に示す
    構造単位(I’)〜(III’)からなり、(I’)/
    (II’)=1/10〜10/1、〔(I’)+(I
    I’)〕/(III)=100/1〜100/20であ
    って、(I’)+(II’)=7〜300である。m及
    びnはそれぞれ同一又は異なる1〜20の整数、pは0
    〜20の整数、lはmが0のときは0でありmが1以上
    のときは1である。 Xは−NHCOO−基又は−OOC
    HN−R10−NHCOO−基(R10は炭素数4〜13の
    炭化水素基)である。〕 【化6】
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