JPH0824571B2 - 耐熱性制限酵素の調製法 - Google Patents

耐熱性制限酵素の調製法

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JPH0824571B2
JPH0824571B2 JP3291848A JP29184891A JPH0824571B2 JP H0824571 B2 JPH0824571 B2 JP H0824571B2 JP 3291848 A JP3291848 A JP 3291848A JP 29184891 A JP29184891 A JP 29184891A JP H0824571 B2 JPH0824571 B2 JP H0824571B2
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正人 三宅
泰男 浅田
勝 白木
栄 加藤
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性酵素の調製法に
関する。
【従来の技術】制限酵素の調製法は現在までに様々な方
法が報告されているが、それらはいずれもイオン交換カ
ラムクロマトグラフィー等による分離操作を2回以上行
うために複雑な操作を必要とするほか、最終的な酵素の
収量も少ないものであった。このように、生物から微量
にしか分離できない制限酵素は遺伝子工学的に重要なも
のであっても経済的な分離・調製法が存在せず、商業化
できなかった。
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、特に
耐熱性の制限酵素の調製法に関し、簡便な操作で、高い
活性純度を有する上記酵素を高収率で得ることのできる
新規な調製法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、鋭
意研究の結果、目的とする耐熱性制限酵素が失活しはじ
める最低温度で、夾雑するエンドヌクレアーゼが実質的
に失活する時間加熱処理することにより、簡便な操作
で、高い活性純度を有する耐熱性制限酵素を高収率で調
製できることを見い出し本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、耐熱性制限酵素が失活しはじめる最
低温度で、夾雑するエキソヌクレアーゼが実質的に失活
するまで加熱処理することを特徴とする耐熱性制限酵素
の調製法にある。耐熱性制限酵素としては好熱性藍藻シ
ネココッカス・エロンガタス(Synechococc
us elongatus)由来の耐熱性制限酵素Se
l Iが用いられる。また、加熱処理は60℃で10分
間行われる。以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
調製法は、Bst I、Spl I等種々の耐熱性制限
酵素の調製に適用できるが、以下においては、好熱性藍
藻シネココッカス・エロンガタス(Synechoco
ccus elongatus)(FERM P−12
393)の菌体中に存在する耐熱性制限酵素Sel I
の調製を例にとり、本発明を具体的に説明する。このS
el Iは、本発明者等が始めて単離に成功した新規な
酵素であり、以下表1に示す酵素学的性質を有する。 本発明により、耐熱性の制限酵素Sel Iを得るに
は、まず、培養した好熱性藍藻を集菌し、超音波破砕
後、30,000G 30分間の遠心分離操作により制
限酵素含有可溶性タンパク質画分を得る。次いで、陰イ
オン交換カラムとしてQ−セファロースファーストフロ
ーゲルカラムを用い、0mM NaCl条件で前述の制
限酵素含有溶性タンパク質画分をカラムに吸着させる。
次に、0mMから100mMまでの濃度勾配をつけたT
E緩衝液(10mM Tris−HCl,1mM ED
TA,pH8.0,0mM−100mM NaCl)で
吸着物質を溶出させると、NaCl濃度85mMのTE
緩衝液で制限酵素Sel Iは溶出される。この溶液中
にはわずかにエキソヌクレアーゼが混入している。そこ
でこのエキソヌクレアーゼ除去の手段として、Sel
Iが失活しはじめる最低温度で、このエキソヌクレアー
ゼが実質的に失活するまで加熱処理する。具体的には6
0℃で10分間加熱処理する。このようにして高い活性
純度を有するSelIを得ることができる。本発明の調
製法の特徴を以下に説明する。カラムによる分離操作は
手間と時間がかかり、従来法のようにこれを繰り返すこ
とは目的物の損失を大きくする。本発明の調製法は、カ
ラムによる分離操作は1回しか用いていない。その結
果、操作が簡素化され、目的物である制限酵素の損失は
きわめて少ない。陰イオン交換カラムによって分離され
た制限酵素試料中には微量のエキソヌクレアーゼが混入
している。これを除去するために用いた熱処理は本発明
を特徴づけている。すなわち本発明は、陰イオン交換カ
ラムによる分離と熱処理を組み合わせることで、精製品
と同等の活性純度のSel I溶液を得るものであり、
上記したSel Iの調製における具体的加熱温度であ
る60℃という温度は、Sel Iが失活しはじめる最
低温度である。エキソヌクレアーゼについても同様であ
る。そこで、この温度による熱処理を適当な時間だけ試
料に施せば、エキソヌクレアーゼを失活させ、しかも、
Sel Iの失活を最小限に抑えることができる。その
時間が10分間である。このことはSel Iとエキソ
ヌクレアーゼの60℃に対する失活速度が等しく、今、
Sel Iとエキソヌクレアーゼが9:1の割合で存在
すると仮定するとSel Iが1減ると、エキソヌクレ
アーゼも1減り、この時、Sel I活性は純化された
ことになる。実際のサンプル(カラムで分画したもの)
中にはSel Iはエキソヌクレアーゼに比べて圧倒的
に優先して存在している。これはSel Iサンプルを
用いて1時間、4時間、over nightでDNA
を消化させたとき、アガロースゲル電気泳動のパターン
に差が認められなかったことで確認できた。実験的に熱
によるSel I活性の純化効果を調べてみると、60
℃、10分以上の熱処理でエキソヌクレアーゼは無視で
きるレベルにまで活性を低下させることができた。この
定性評価法として、Cutting−Ligation
−Recutting法を用いた。定量法としては、反
応液量50μL、反応温度50℃、反応時間1時間なる
条件で、λ−DNAをSel Iで消化したときに生ず
るOD260nmの変化からユニットを算出する方法を
用いた。式は、ΔOD260nm×50μg〔U:ユニ
ット〕(1U:1時間に1μgのλDNAを完全消化す
るにちょうど足りる活性)である。こうして分離された
Sel I試料は、3段階のカラムによって精製された
Sel I試料と同等の活性純度であった。即ち、我々
が発明した方法によって分離されたSel I試料によ
って切断されたDNAはリガーゼによって再び接合で
き、接合されたDNAはまたSel Iによって切断す
ることができた。これは一般的な、制限酵素の活性純度
の定性評価法である。以上、本発明について、耐熱性藍
藻シネココッカス・エロンガタス(Synecho−c
occus elongatus)由来のSel Iを
例に説明したが、加熱に対する酵素の失活条件の差異を
利用する本発明の調製法は、このSel Iのみにとど
まらず、夾雑酵素と加熱に対する失活条件に差異を有す
る種々の耐熱性の制限酵素の調製にも適用できる。
【発明の効果】従来から行われている制限酵素分離法を
用いてSel Iを調製する場合においては、湿菌体2
0gから得られる制限酵素量は100units程度で
あった。この方法はイオン交換カラムによる分離操作を
3回も行うために酵素の損失が大きかったものと考えら
れる。これに対し、本発明の調製によれば、カラムによ
る分離が1回のみのため操作が簡便な上に、従来からの
方法の10倍以上の収量が得られるものである。したが
って、本発明の調製法は遺伝子操作技術において重要な
位置を占める耐熱性の制限酵素を提供する手段として極
めて有用なものである。
【実施例】好熱性藍藻シネココッカス・エロンガタス
(Synechococcus elongatus)
(FERM P−12393)の菌体0.01gを以下
表2の培地に接種し、温度50℃で168時間培養を行
った。 得られたシネココッカス・エロンガタス(Synech
ococcus elongatus)の湿菌体20g
をTE緩衝液40mlに懸濁し、超音波破砕後、30,
000G 30分間遠心分離を行い、その上清を制限酵
素含有可溶タンパク質画分(1)とした。次に、内径2
0mm,高さ60mmのカラムに充填されたQ−セファ
ロースファーストフローゲルに上記画分(1)を吸着さ
せた。非吸着成分をTE緩衝液(0mM NaCl)で
洗い流したのち、流速2.5ml/分、2時間、0mM
から200mMまでのNaCl濃度勾配をつけたTE緩
衝液で吸着成分を流出させた。その結果、60mMから
80mMのNaCl濃度で制限酵素Sel Iは溶出さ
れた。ここで得られた酵素溶液(2)15ml中には微
量のエキソヌクレアーゼが含まれていた。そこで、これ
を失活させるために熱処理を行った。酵素溶液(2)1
5mlを入れた試験管を60℃の湯に10分間浸した。
得られた酵素液(3)中の制限酵素量は1000uni
ts以上であった。ただし、1unitsとは、酵素反
応液50μl中、50℃で1時間に1μgのλDNAを
完全に分解する酵素量を意味する。また、λDNA,p
BR322,φ×174をこの酵素液(3)で消化後電
気泳動し、得られたバンドパターンを検討したところ、
アシネトバクター(Acinetobacter)sp
由来の制限酵素AccII(至適pH7.5,至適温度
37℃/60mM NaCl)と一致した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 好熱性藍藻シネココッカス・エロンガタ
    ス(Synechococcus elongatu
    s)を培養し、集菌し、超音波破砕後、遠心分離により
    得たタンパク質画分を陰イオン交換カラムに吸着させ、
    NaCl濃度85mMのTE緩衝液で溶出した制限酵素
    SelIを、60℃で10分間加熱処理することを特徴
    とする、下記の酵素学的性質を有する耐熱性制限酵素S
    elIの高収量調製法。作用 :DNAの塩基配列CGCGの5’側を切断 基質特異性:CGCG 至適pH :pH6.5 至適温度 :50〜55℃ 金属イオンの要求:Mg 2+ のみ要求 失活温度 :70℃、10分
JP3291848A 1991-08-20 1991-08-20 耐熱性制限酵素の調製法 Expired - Lifetime JPH0824571B2 (ja)

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