JPH08245949A - 乾式摩擦材とその製造方法 - Google Patents

乾式摩擦材とその製造方法

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JPH08245949A
JPH08245949A JP7078288A JP7828895A JPH08245949A JP H08245949 A JPH08245949 A JP H08245949A JP 7078288 A JP7078288 A JP 7078288A JP 7828895 A JP7828895 A JP 7828895A JP H08245949 A JPH08245949 A JP H08245949A
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powder
hard
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metal powder
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JP7078288A
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Katsuyoshi Kondo
勝義 近藤
Yoshie Kouno
由重 高ノ
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/025Compositions based on an organic binder
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
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    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦摺動時の押し付け荷重が小さい場合で
も、相手材と局所的に接触する、いわゆる片当りの現象
を防止し、乾式摺動条件下において0.3以上の摩擦係
数を安定して発現する摩擦材を提供する。 【構成】 硬質粒子分散型金属粉末1が熱硬化性樹脂2
の中に分散して保持されている。ここで、この金属粉末
1は、金属素地3と、その中に均一に分散された硬質粒
子4で構成される。硬質粒子分散型金属粉末1の含有量
は、体積基準で20%以上90%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾式で用いられる金属粉
末分散型樹脂摩擦材とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、乾式下で使用される摩擦クラッチおよびブレーキ用
材料としてアスベスト系摩擦材料に代わり青銅系焼結合
金が開発されており、例えば特開昭58−126948
号公報においては、青銅系焼結合金で高い摩擦係数を得
るために硬質粒子を添加することが記載されている。
【0003】しかしながら、これらの焼結材料では合金
中に分散している硬質粒子と素地との間には反応層がな
く、隙間が存在する。そのため、高速・高荷重の摺動条
件では摩擦時に素地から硬質粒子が脱落するために高い
摩擦係数を安定して確保することができなくなり、また
脱落部を起点として相手材と焼付きを生じ、さらには脱
落粒子のかみ込みや相手材を攻撃するといった問題があ
る。一方、摩擦材の機械的特性の観点から上記の隙間は
焼結体の強度・靱性の低下を誘発するといった問題が生
じる。
【0004】そこで、本発明者らは各種硬質粒子をCu
−Sn系合金粉末もしくは混合粉末と機械的に合金化す
ることで、銅合金粉末の素地中に硬質粒子を微細且つ均
一に分散させることに成功し、その結果、乾式下での摩
擦摺動特性と機械的特性の両方を兼ね備えた焼結摩擦材
に関する特願平4−317756号「焼結摩擦材」を出
願した。
【0005】しかしながら、この焼結摩擦材を含めたこ
れまでの金属製摩擦材料は一般に、剛性が大きい為に低
荷重が付加されるような部品に適用した場合、摩擦材或
いはクラッチ材の摺動面が相手側の摺動面と均一に接触
しない、いわゆる「片当り現象」を生じる。その結果、
本来摩擦材料が有する摩擦係数を十分発揮することがで
きず、また片当たり現象の為、摩擦係数が安定しないと
いった問題がある。
【0006】一方、剛性を小さくして片当たり現象を抑
制し、均一接触を実現すべく開発された材料が樹脂系摩
擦材料或いはぺーバー摩擦材料である。しかしながら、
両者は金属製摩擦材に比べて耐熱性・耐摩耗性に劣るた
めに、ブレーキ材やクラッチ材のような乾式摺動部品へ
の適用には限界があった。また、金属製摩擦材料に比べ
て熱伝導率が小さいため、摩擦摺動面で発生した摩擦熱
がその部分に籠もり、摩擦材全体に伝達・分散しない結
果、熱による樹脂成分或いは紙材の劣化現象が著しく、
長期使用に耐えられないといった問題もある。
【0007】従って、本発明の目的は、摩擦摺動時の押
し付け荷重が小さい場合でも、相手材と局所的に接触す
る、いわゆる片当りの現象を生じることなく、相手鋼材
の摺動面と摩擦材の摺動面が均一に接触することによ
り、乾式摺動条件下において0.3以上の摩擦係数を発
現し、且つ耐熱性・耐摩耗性・耐焼付き性に優れた乾式
摩擦材を経済性よく創製することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記の問題を解決する為に種々の実験・検討を行った結
果、樹脂をマトリックスとした摩擦材の内部に、耐熱性
・耐摩耗性および耐焼き付き性に優れた硬質粒子分散型
金属粉末を均一に分散することで、乾式摺動下において
鋼材を相手材として摩擦摺動した際に、片当たり現象や
焼付き現象を生じることなく、0.3以上の摩擦係数を
安定して発現できる摩擦材を開発した。本発明による乾
式摩擦材およびその製造方法に関する構成は以下の通り
である。
【0009】{摩擦材の構成} (1) 硬質粒子が粉末素地中に均一に分散した硬質粒子分
散型金属粉末を体積基準で20%以上90%以下含有
し、残部が熱硬化性樹脂からなる摩擦材であって、銅材
を相手材として乾式下において摩擦摺動した際に、0.
3以上の摩擦係数を安定して発現する。 (2) 熱硬化性樹脂がネットワークを形成し、硬質粒子分
散型金属粉末を固着した組織を有する。即ち、硬質粒子
分散型金属粉末が熱硬化性樹脂中に均一に分散されてい
る。 (3) 摩擦材中の気孔率を50容量%以下とする。
【0010】(4) 摩擦材中に、黒鉛,MoS2 ,CaF
2 ,WS2 ,BNより選択された少なくとも1種からな
る固体潤滑剤を体積基準で30%以下含有する。 (5) 硬質粒子分散型金属粉末の金属素地として、銅また
は銅合金を用いる。 (6) 硬質粒子分散型金属粉末の金属素地として、アルミ
またはアルミ合金を用いる。 (7) 硬質粒子分散型金属粉末における硬質粒子の含有量
を、重量基準で5%以上80%以下とする。 (8) 硬質粒子分散金属粉末中の硬質粒子として、Si粉
末、Mo粉鉄系金属間化合物、酸化物粒子、窒化物粒
子、炭化物粒子より選択された1種以上を用いる。
【0011】(9) 硬質粒子分散型金属粉末に、金属素地
を100とした場合、重量基準で20%以下のSnを含
有する。 (10)硬質粒子分散型金属粉末に、金属素地を100とし
た場合、重量基準で、Fe,Ni,Crより選択された
1種以上を合計で5%以上含有する。 (11)硬質粒子の最大粒径は50μm以下とする。 (12)熱硬化性樹脂として、フェノール系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド・イミド系樹
脂、メラミン系樹脂から選択された1種以上を用いる。 (13)硬質粒子分散型金属粉末の平均粒径を30μm以上
250μm以下とする。
【0012】{摩擦材の製造方法} (14)硬質粒子分散型金属粉末および熱硬化粉末を準備す
る工程、両粉末を所定の組成に配合した後、V型ミキサ
ー、ニーダ、ボールミルから選択された粉末混合する工
程、続いて該混合物粉末を加熱された閉 金型内で加圧
・固化する工程、を行う。 (15)硬質粒子分散型金属粉末、熱硬化性樹脂粉末および
固体潤滑材を準備する工程、これらの粉末を所定の組成
に配合した後、V型ミキサー、ニーダ、ボールミルから
選択された粉末混合機を用いて均一に混合する工程、続
いて該混合粉末を加熱された閉塞金型内で加圧・固化す
る工程、を行う。
【0013】(16)混合粉末を加熱された閉塞金型内で加
圧・固化する工程を、硬質粒子分散型金属粉末の拡散・
焼結温度よりも低い温度域で、且つ樹脂成分の溶融・溶
解開始温度よりも低い温度域において行う。 (17)硬質粒子分散型金属粉末を準備する工程として、金
属素地と硬質粒子からなる混合粉末を準備し、これらの
混合粉末に対して機械的合金化法(メカニカルアロイン
グ法)、機械的混合法(メカニカルグラインディング
法)、造粒法のいずれかの機械的混合・粉砕処理を施
す。これにより、該硬質粒子を最大粒径50μm以下に
粉砕し、且つ同時に該合金粉末の素地内部に均一に分散
させる。 (18)硬質粒子分散型金属粉末を準備する工程として、金
属素地の溶湯中に最大粒径50μm以下の硬質粒子を添
加・混合・攪拌し、噴霧法(アトマイズ法)により該硬
質粒子を金属地の内部に均一に分散させる。
【0014】
【作用】本発明による摩擦材は、上述したような優れた
摩擦摺動特性を発現するわけであるが、これは摩擦抵抗
・調整剤として添加する粒子が、従来の樹脂製或いは紙
製摩擦材で使用されていた単なる硬質成分、例えば酸化
物や窒化物等の粒子やガラス繊維、セラミックファイバ
ー等ではなく、微細な硬質粒子が金属粉末の素地中に均
一に分散した複合金属粉末、いわゆる硬質粒子分散型金
属粉末を使用したことにあり、これが本発明の摩擦材に
おける最大の特徴である。
【0015】しかも、この硬質粒子分散型金属粉末は、
粉末間で金属的に結合せずに、単独で樹脂素地中に均一
に分散して存在する。なぜならば、金属合金粉末が金属
的に結合した状態、つまり粉末同士が拡散・焼結した状
態であると、摩擦材の剛性が増大して、たとえ樹脂成分
が介在しても、低荷重下での摩擦摺動においては局所的
な片当たり現象が生じるからである。
【0016】本発明摩擦材の模式図を図1に示す。硬質
粒子分散型金属粉末1は金属素地3とそこに分散された
硬質粒子4で構成され、この金属粉末1が熱硬化性樹脂
2の中に保持されている。このように、硬質粒子分散型
金属粉末1は粉末同士間で金属的に結合せず、粉末が単
独の状態で熱硬化性樹脂2の中に均一に分散されてい
る。この構成により、片当たり現象を抑え、耐摩耗性・
耐焼付き性を著しく改善できることを見いだした。ま
た、該金属粉末中に分散する硬質粒子4の含有量を調整
することにより、摩擦材が発現する摩擦係数を制御する
こともできる。その結果、例えば約10kgf/cm2 程度の
低い荷重が負荷された場合でも、摩擦材の摺動面が十分
変形して、局所的な片当たり現象を生じることなく、相
手材の摺動面と均一に接触することが可能となり、0.
3を越えるような高摩擦係数を安定して発現できること
が確認できた。
【0017】また、樹脂製或いは紙製摩擦材に比べて金
属粉末を含有することで、摩擦材の熱伝導率が向上し、
その結果、摩擦摺動面で発生した摩擦熱がその摺動面に
籠もることはなく、摩擦材全体に伝達・分散する為、本
発明による摩擦材においては摩擦熱による劣化現象が進
行しにくくなるといった利点も有する。
【0018】そこで、本発明者らは、このような低剛性
と高摩擦係数および耐摩耗性・耐焼付き性を同時に実現
するために必要な金属粉末および樹脂粉末の成分組成、
硬質粒子の大きさ・添加量、摩擦材の気孔率、さらに
は、このような摩擦材を創製するための適正条件などを
種々の実験・検討を行うことにより明らかにした。それ
らの適正範囲は、上述した通りであるが、その設定理由
についての詳細を以下に説明する。
【0019】先ず、硬質粒子分散型金属粉末の特徴とそ
の製造方法について以下に説明する。本発明者らは、上
述したような優れた摩擦摺動特性を発現させる為には、
図1の模式図に示したような組織構造を有する硬質粒子
分散型金属粉末を使用することが有効であることを見い
出した。本発明が対象とする具体的な硬質粒子分散型金
属粉末としては、銅(Cu)或いはアルミ(A1)合金
からなる粉末素地の内部に、微細な硬質粒子が均一に分
散し、しかも素地と強固に結合・固定した組織が挙げら
れる。
【0020】このような組織構造を有することで、摺動
時における硬質粒子の脱落は抑制され、長期にわたり安
定した摩擦摺動状況が実現できることが判った。すなわ
ち、本発明における硬質粒子分散型金属粉末は、摩擦材
において摺動面内に微細且つ均一に分散して、常温およ
び高温での摩擦摺動時において相手材との凝着発生を抑
制し、耐焼付き性を向上させると共に、相手材の素地表
面と直接接触して摩擦抵抗を生じさせることで摩擦係数
はを向上させる役割を有する。但し、このような効果を
発現するための条件としては、摩擦摺動時に硬質粒子が
金属合金粉末の素地から脱落しないことである。
【0021】そして、本発明者らは種々の実験・検討を
繰り返した結果、上述したような硬質粒子分散型金属合
金粉末を経済的に製造する方法として、粉末の機械的
混合・粉砕合金化処理法、噴霧法(アトマイズ法)の
適用が有効であることが判った。先ず、の粉末の機械
的混合・粉砕合金化処理法は、メカニカルアロイング法
やメカニカルグラインディング法、造粒法等を代表とす
る粉末の処理法である。本発明が対象とする金属素地の
具体例は銅合金およびアルミ合金粉末であり、具体的な
方法としては先ず、所定の組成を有する銅合金粉末、或
いはアルミ合金粉末と、硬質粒子との混合粉末を準備す
る。そして、これに対して上記の高エネルギー粉砕処理
法を適用することにより、硬質粒子を微細に粉砕すると
同時に、金属合金粉末の素地中に微細な硬質粒子を均一
に分散させることで硬質粒子分散型金属粉末を創製する
ことができる。
【0022】尚、この機械的な粉末混合・粉砕処理は従
来のボールミル粉砕や混合のような湿式法ではなく、乾
式法で行う。また、場合によってはPCA(Process Con
trolAgent) としてステアリン酸やアルコールなどを少
量添加することで過度の凝集を防ぐこともある。処理装
置はアトライターやボールミルが適当である。前者は粉
砕率に優れていることから高速処理には適しており、ま
た後者は長時間処理が必要となるが雰囲気制御が容易で
あり、投入エネルギーの設計さえ適切に行えば、短時間
で目標とする粉末の組織構造が実現できることから、比
較的経済性に優れた製法である。
【0023】次に、の噴霧法(アトマイズ法)は、所
定の組成を有する銅合金或いはアルミ合金の溶湯中に硬
質粒子を攪拌・分散させ,これをアトマイズ法により噴
霧することで、内部に硬質粒子が均一に分散した金属合
金粉末を作製する方法である。尚、この方法では硬質粒
子を微細に粉砕できないため、事前に目標とする粒度分
布を有する微細な硬質粒子(具体的には、最大粒径50
μm以下の硬質粒子)を準備する必要がある。
【0024】尚、或いはの製法により得られた硬質
粒子分散型金属粉末においては、素地を構成する銅合金
或いはアルミ合金と硬質粒子との界面に反応層が形成さ
れる。その結果、硬質粒子は素地中に強固に固定され、
摩擦摺動面から脱落することはなく、焼付きや摩耗損傷
が抑えられる。
【0025】次に、本発明の摩擦材中に分散する上記の
硬質粒子分散型金属粉末の添加量を上記の如く限定した
理由について説明する。硬質粒子分散型金属粉末を添加
する目的として、第一に粉末素地中に分散する硬質粒子
が摺動時に摩擦抵抗粒子となり、摩擦係数を向上させ
る、第二に粉末素地(銅合金やアルミ合金など)が摩擦
熱の耐熱性・耐摩耗性・耐焼付き性を向上させる、第三
に金属粉末を含有することで摩擦材の熱伝導率が向上
し、摩擦熱が摺動面だけに籠もることなく摩擦材全体に
分散できる為、熱による摩擦材の劣化現象を抑制でき
る、といったことが挙げられる。
【0026】また、この硬質粒子分散型金属粉末の周囲
を摩擦材の素地となる樹脂成分がネットワーク状に取り
込み、そのアンカーリング効果により上記の金属粉末を
強固に固着・保持することで、摩擦摺動時に該金属粉末
が摩擦素地から脱落することを防止する。そして、同時
に樹脂のもつ軟質且つ低剛性の特性により、金属粉末が
相手材の摺動面と均一に接触して摩擦摺動することが可
能となり、その結果、上述したような優れた摩擦摺動特
性を発現することができる。
【0027】従って、本発明の摩擦材に対して、上記の
硬質粒子分散型金属粉末の添加量が20体積%未満の場
合、上述したような高摩擦係数および耐熱性・耐摩耗性
・耐焼付き性を十分に得ることができなくなる。一方、
添加量が90体積%を越える場合、摩擦材の素地を構成
する樹脂の量が10体積%未満と少なくなり、摩擦材全
体の剛性が大きくなるため、低荷重下において相手材の
摺動面は均一に接触できなくなり、その結果、上述した
ような高摩擦係数および耐摩耗性・耐焼付き性を得るこ
とができなくなる。
【0028】また、硬質粒子分散型金属粉末の粒径につ
いては、平均粒径が30μmよりも小さい場合、樹脂粉
末と混合した際に該金属粉末が部分的に凝集した状態に
なる。このような混合粉末を成形・固化すると、金属粉
末を摩擦材中に均一に分散させることが困難となり、そ
の結果、凝集部から金属粉末が脱落し、安定した摩擦摺
動特性を得ることが困難となる。一方、上記金属粉末の
平均粒径が250μmを越える場合、樹脂粉末と混合し
た後、摩擦材に圧縮成形する際に、圧縮性が損なわれ
て、その結果、摩擦材の端部に欠けが発生したり、摩擦
材内部の空孔が不均一に分散するために不均一組織が生
じるといった問題が生じる。
【0029】次に、本発明は硬質粒子分散型金属粉末の
素地を構成する銅合金或いはアルミ合金に関する合金組
成を上記の如く設定した限定理由について以下に説明す
る。尚、各元素の添加量の数値は、該金属粉末中の素地
領域全体を100とした場合の各元素の添加量を重量基
準で示した。
【0030】{硬質粒子分散型金属粉末の素地がアルミ
(A1)の場合}Fe,Ni,Cr; これらの遷移系
金属元素はA1との微細な金属間化合物(A16 Fe,
A113Fe4 ,A13 Fe,A16 Ni,A13 Ni,
A13 Cr,A1Cr等)を形成し、粉末素地中に均一
に分散することで、粉末の耐熱性・硬度を向上させる効
果がある。このような効果を発現するためには、Fe,
Ni,Crから選択された1以上を、合計5重量%以上
含有する必要がある。つまり、合計添加量が5重量%未
満では十分な耐熱性・硬度が得られず、その結果、摩擦
材として用いた場合、目標とする摩擦摺動特性を発現す
ることが困難となる。
【0031】{硬質粒子分散型金属粉末の素地が銅(C
u)の場合}Sn; SnはCuと共に粉末の素地を形
成し、粉末の強度および靱性を向上させる作用があり、
また、高温での相手材との耐焼付き性を向上させる作用
がある。よって、摩擦摺動条件がより過酷な場合、粉末
素地中へのSnの添加は有効である。尚、その添加量が
20重量%を越えて添加すると硬くて脆い相が析出する
ために、相手材を著しく攻撃するといった問題が生じ
る。従って、本発明の銅合金粉末中の素地における適正
なSn添加量は20重量%以下である。尚、Sn以外に
も他の金属元素の添加も有効であり、例えばZnやNi
を粉末中に添加することで金属の耐硫化腐食性が著しく
向上することも見いだした。
【0032】次に、硬質粒子の大きさ・添加量・種類に
関して記述する。乾式摺動下において相手材との焼き付
き現象や摩耗損傷を引き起こすことなく、0.3以上の
高い摩擦係数を安定して確保できる摩擦材を創製するた
めには、硬質粒子分散型金属粉末中に分散する硬質粒子
の大きさ・添加量に関して、以下に記述するような適正
範囲があることを見いだした。すなわち、銅合金粉末或
いはアルミ合金粉末を金属素地とした場合、最大粒径が
50μm以下の硬質粒子が5〜80重量%含有され、均
一に素地中に分散されることで、安定した高摩擦係数が
確保できることを確認した。
【0033】このような適正範囲外で硬質粒子を添加し
た場合の問題点を次に記載する。硬質粒子の添加量が5
重量%未満では、摩擦摺動時の接触抵抗が小さいため
に、乾式摺動下において0.3を越えるような高摩擦係
数は得られない。一方、その添加量が80重量%を越え
ても、摩擦係数をさらに向上させる効果はない。また、
相手材の攻撃性の観点からも、このような範囲での硬質
粒子の添加は相手材を著しく摩耗させるために好ましく
ない。また、硬質粒子の最大粒径が50μmを越える
と、相手材を著しく摩耗させることから好ましくない。
従って、最大粒径50μm以下の硬質粒子を5〜80重
量%、粉末素地中に均一に分散させることが有効であ
る。
【0034】本発明の摩擦材に適した硬質粒子は、Si
粒子、Mo粒子、鉄系金属間化合物、酸化物粒子、窒化
物粒子、炭化物粒子より選択された1種以上から構成さ
れる。具体的には、鉄系金属間化合物はFeMo,Fe
Cr,FeTi,FeW,FeB等から、酸化物はAl
23 ,SiO2 ,TiO2 ,Cr23 等から、窒化
物はAlN,Si34 ,BN等から、炭化物粒子とし
てはSiC,TiC,WC,CrC等から選択する。
尚、上記の硬質粒子の中で、Si粒子と鉄系金属間化合
物は脆性であることから、他の硬質粒子に比べて粉砕性
がよりすぐれており、上記の機械的混合、粉砕処理に
適した硬質粒子である。
【0035】次に、本発明の摩擦材の素地を構成する樹
脂成分に関して、上記の如く限定した理由について説明
する。樹脂粉末は硬質粒子分散型金属粉末を混合した
後、加圧・加熱成形することにより、一旦溶解・融解さ
れ、ネットワーク状に摩擦材の素地を構成し、同時に金
属粉末の周囲を取り囲む。これにより、摩擦摺動時に該
金属粉末が摩擦材の摺動面から脱落することはなく、樹
脂素材中に金属粉末を強固に固着する効果を奏する。ま
た、樹脂のもつ軟質且つ低剛性の特性により、金属粉末
が相手材の摺動面と均一に接触して、優れた摩擦摺動特
性を発現させる効果を有する。
【0036】本発明者らは種々の実験・検討を繰り返し
た結果、上記のような特性を発現させる樹脂成分として
は、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ポリアミド・イミド系樹脂、メラミン系樹脂等の
熱硬化性樹脂が適用できることが判った。また、これら
の樹脂成分は、単独で用いても、適宜選択された2種以
上を併用してもよい。尚、例えばテフロン(PTFE)
等の熱可塑性樹脂を摩擦材の素地に用いた場合、摺動時
の摩擦熱による温度上昇の影響で樹脂が使用中に著しく
軟化し、摩擦材として使用できなくなるといった問題が
生じる。
【0037】次に、本発明の摩擦材中に分散する固体潤
滑剤の種類と添加量に関して、上記の如く限定した理由
について説明する。固体潤滑剤は摩擦材の摺動面に分散
して、より過酷な摩擦摺動条件下において、相手材に対
する摩擦材の攻撃性を改善すると共に、滑り速度・加圧
力等の摺動条件が大きく変動する場合でも、乾式摺動下
において0.3以上の摩擦係数を安定させる効果があ
り、更には摺動面間の潤滑性を改善することで摺動時の
振動・びびり等の抑制に対しても効果がある。上記の効
果を有する固体潤滑剤としては、経済的にも問題の少な
い黒鉛、MoS2 、CaF2 、WS2 およびBNのうち
少なくとも1種が好適で、30体積%以下の添加が有効
である。尚、添加量が30体積%を越えて添加しても、
上記の効果は変わらない。
【0038】次に、本発明の摩擦材の気孔率を上記の如
く限定した理由について以下に説明する。摩擦材中に分
散する空孔は、樹脂成分と同様に、摩擦材全体の剛性を
小さくするとで、相手材の摺動面と摩擦材の摺動面とを
均一に接触させる効果があり、安定した摩擦摺動状況を
実現させるといった役割をもつ。従って、摩擦材を使用
する条件によっては、摩擦材中に空孔を保有させること
により、上記の効果を発現させることで優れた摩擦摺動
特性を得ることができる。本発明者らは、気孔(空孔)
が均一に存在し、その気孔率が増加すると、上記の効果
はより顕著に現れることを見い出した。しかし、気孔率
が50容量%を越えることその効果は飽和し、かえっ
て、摩擦材の機械的な強度低下を誘発するといった問題
が生じるとを確認した。従って、摩擦材における気孔率
は50容量%以下とすることが好ましい。
【0039】次に、本発明の摩擦材の製造条件を上記の
ごとく設定した限定理由について以下に説明する。製造
方法としては、先ず、上述したように機械的混合・粉砕
処理法、或いは噴霧法(アトマイズ法)により作製した
硬質粒子分散金属粉末と樹脂成分をそれぞれ所定の組成
に配合した後、V型ミキサー、ニーダー、ボールミル等
の粉末混合機により両者を均一に混合する。そして、こ
の混合粉末を樹脂粉末の溶融・溶解温度付近に加熱した
閉塞金型に充填し、加圧・成形することにより目標とす
る摩擦材を創製する。
【0040】本発明の摩擦材においては、硬質粒子分散
型金属粉末同士を金属学的に結合させずに、粉末単独で
分散させることが特徴であるが、金型温度が高くなる
と、金属粉末同士間で拡散・焼結現象が生じ、その結
果、上述したように摩擦材全体の剛性が著しく増大し、
低荷重下において摩擦材と相手材摺動面との均一接触を
阻害する。例えば、銅合金粉末では約700℃付近か
ら、またアルミ合金粉末では450℃付近から、それぞ
れの金属粉末間において拡散・焼結現象が生じる。
【0041】また、金型温度が高くなると、樹脂成分が
変質し、その結果、目標とする摩擦材の特性が得られな
くなる。従って、金型温度は樹脂粉末が溶融・融解する
温度付近で、しかも金属粉末が拡散・焼結を開始する温
度よりも低い温度域に保持する必要がある。樹脂成分に
よりその溶融・融解開始温度は異なるものの、一般には
約100〜150℃付近である。尚、必要に応じて摩擦
材中に固体潤滑剤を添加する場合は、所定量の固体潤滑
成分を金属粉末および樹脂粉末と共に配合し、この混合
粉末を上述した同様の固化製法に基づいて摩擦材を創製
することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 〈実施例1〉表1および表2に示す成分組成、気孔率を
有する摩擦材を作製し、リングオンディスク試験機を用
いて、乾式摺動下(大気中)にて連続1時間の摩擦摺動
試験を実施し、試験開始直後、開始から15分後、30
分後および終了直前における摩擦係数μ値と試験中にお
けるμ値の変動幅(最大摩擦係数−最小摩擦係数)を測
定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】ここで、摩擦材および相手材(S35C鋼
材)の摺動面の面粗度は7s以下とし、試験中において
は、滑り速度:10m/秒、加圧力:5kgf/cm2 とそれ
ぞれ一定とした。また、リングは外径φ50×内径φ4
0×厚み3mmの形状に、相手材は外径φ60×厚み5mm
の円盤形状にそれぞれ機械加工した試料を使用した。
【0046】表1および表2中の成分組成に関しては、
気孔部を除いた摩擦材を100体積%とした際、これを
構成する硬質粒子分散型金属粉末(X)、固体潤滑成分
(Y)、樹脂成分(Z)の比率をそれぞれ体積%で表示
している(X+Y+Z=100体積%)。一方、硬質粒
子分散型金属粉末においては、硬質粒子の含有量X1,
残部量(金属粉末の素地)X2 はそれぞれ重量%で表示
している(X1 +X2=100重量%)。更に、硬質粒
子分散型金属粉末の素地を構成する銅合金或いはアルミ
合金に含有される元素については、素地全体を100と
した場合の重量%で表示している。尚、表2中の硬質分
散型金属粉末の製法として、Iは機械的混合・粉砕処理
法を、IIは噴霧法(アトマイズ法)を意味する。
【0047】ここで、表2中の記号A〜Nはそれぞれ以
下の成分粒子を意味する。 硬質粒子群 −A;FeMo、B;Al23 、C;A
lN、D;SiC 固体潤滑剤群−E;黒鉛、F;MoS2 、G;CaF
2 、H;WS2 I;BN 樹脂成分群 −J;フェノール系樹脂、K;エポキシ系
樹脂、L;ポリイミド系樹脂、M;ポリアミド・イミド
系樹脂、N;メラミン系樹脂
【0048】尚、No. 34とNo. 35は所定の硬質粒子
と樹脂粉末のみを混合し、固化し得た摩擦材である。ま
た、No. 36とNo. 37は、金属素地と硬質粒子を単に
配合し、この混同粉末を樹脂成分粉末と共に加熱・固化
し得た摩擦材で、機械的混合・粉砕処理法或いは噴霧法
(アトマイズ法)は行っていない。表3に本発明の摩擦
材の評価結果をNo. 1〜20に、比較材をNo. 21〜3
9に示す。
【0049】
【表3】
【0050】これに見るように、本発明による摩擦材に
おいては、素地を構成するCu合金或いはA1合金粉末
中に分散する硬質粒子の最大粒径は全て50μm以下で
あり、その摩擦摺動特性に関しては、全て0.3を越え
る摩擦係数μを安定して確保できている。また、摩擦材
および相手材の摩耗量も少なく、耐摩耗性・耐焼付き性
・相手攻撃性に優れていることが確認できた。
【0051】一方、比較例のNo. 21〜39において
は、以下のような問題が認められた。 No. 21:金属粉末の含有量が5体積%と少ない為、十
分な摩擦係数と耐摩耗性が得られない。 No. 22:金属粉末の含有量が13体積%と少ない為、
十分な摩擦係数と耐摩耗性が得られない。 No. 23:銅合金粉末の含有量が94体積%と少ない
為、摩擦材の剛性が大きくなり片当たり現象を生じ、そ
の結果、摩擦係数の安定性にかける。 No. 24:固体潤滑剤が37体積%と多い為、摩擦材の
強度が低下し、その結果、摩擦試験中に試料の破損が生
じた。 No. 25:樹脂粉末に熱可塑性樹脂であるテフロンを用
いた為、摩擦試験中に摩擦熱による試料の変形が生じ
た。
【0052】No. 26:摩擦材中の気孔率が60体積%
と多い為、摩擦材の強度が低下し、その結果、摩擦試験
中に試料の破損が生じた。 No. 27:銅粉末中のSnが25重量%と多い為、銅合
金粉末が著しく硬化して相手材を攻撃し、最終的には焼
付き現象を生じた。 No. 28:アルミ粉末素地中に遷移金属元素を含有しな
い為、耐熱性および硬度が低下し、その結果、相手材と
焼付き現象を生じた。 No. 29:アルミ粉末素地中の遷移金属元素の含有量が
3重量%と少ない為、耐熱性および硬度が低下し、その
結果、相手材と焼付き現象を生じた。 No. 30:銅合金粉末中に硬質粒子を含有しない為、試
験開始直後では十分なμ値が得られず、更に試験を継続
した結果、相手材と焼付き現象を生じた。
【0053】No. 31:硬質粒子が85重量%と多い
為、相手材を攻撃し、最終的には焼付き現象が生じた。 No. 32:硬質粒子が2重量%と少ない為、試験開始直
後では十分なμ値が得られず、更に試験を継続した結
果、相手材と焼付き現象を生じた。 No. 33:硬質粒子が85重量%と多い為、相手材を攻
撃し、最終的には焼付き現象が発生した。 No. 34:硬質粒子のみが単体で樹脂成分中に分散した
為、摩擦試験中に素地から脱落し、その結果、相手材を
攻撃すると共に焼付き現象を生じた。 No. 35:硬質粒子のみが単体で樹脂成分中に分散した
為、摩擦試験中に素地から脱落し、その結果、相手材を
攻撃した。
【0054】No. 36:硬質粒子分散型銅合金粉末を使
用しなかった為、摩擦試験中に摺動面から硬質粒子が脱
落し、その結果相手材を攻撃した。 No. 37:硬質粒子分散型アルミ合金粉末を使用しなか
った為、摩擦試験中に摺動面から硬質粒子が脱落し、そ
の結果、相手材を攻撃すると共に焼付き現象を生じた。 No. 38:硬質粒子の最大粒径が82μmと大きい為、
相手材を攻撃し、最終的には焼付き現象が発生した。 No. 39:硬質粒子の最大粒径が95μmと大きい為、
相手材を攻撃し、最終的には焼付き現象が発生した。
【0055】〈実施例2〉表1中に記載のNo. 3の本発
明摩擦材について、光学顕微鏡による組織観察結果を図
2に示す。(A)に示すように、摩擦材中に均一に分散
する硬質粒子分散型銅合金粉末は、摩擦材中をネットワ
ーク状に張り巡るフェノール系樹脂成分により、その周
囲を取り囲まれており、樹脂の素地に強固に固定されて
いることが判る。また、(B)に示すように、硬質粒子
分散型銅合金粉末においては、金属素地の内部に均一に
微細な硬質粒子(FeMo)が分散しており、本摩擦材
が目標とする組織構造を有しているとが判る。
【0056】〈実施例3〉表1中に記載のNo. 12およ
びNo. 16の組成を有するそれぞれの混合粉末をV型ミ
キサーにより十分に攪拌・混合した後、表4に記載した
キュア条件に基づいて摩擦材を作製した。そして、成形
固化し得た摩擦材について、実施例1と同様の摩擦試験
方法により、乾式条件下での摩擦係数μを、試験開始直
後、15分後および終了直前において測定した。その結
果を表4に示す。尚、本発明の実施例はNo. 1〜6、比
較例はNo. 7〜10である。
【0057】
【表4】
【0058】これに見るように、いずれの実施例(No.
1〜6)樹脂成分の変質や固化不良もなく、摩擦試験に
おいて0.3を越える摩擦係数が安定して発現してお
り、良好な摩擦材を創製することができた。一方、比較
例No. 7〜10に関しては、以下のような問題が生じ
た。 No. 7;金型温度が23℃と低い為、樹脂成分粉末が溶
解・融解せずに、粉末を固化できない。 No. 8;金型温度が75℃と低い為、樹脂成分粉末が溶
解・融解せずに、粉末を固化できない。 No. 9;金型温度が600℃と高い為、樹脂成分が変質
する一方、アルミ合金粉末が局部的に焼結し、目標とす
る組織構造を有した良好な摩擦材を創製できない。 No. 10;加圧力が10 kg/cm2 と小さい為、樹脂成分
が十分に固化できず、良好な摩擦材を創製できない。
【0059】 〔発明の名称〕以上説明したように、本発明による乾式
摩擦材は低剛性であるために、摩擦摺動時の押しつ加重
が小さい場合でも、相手材の摺動面と均一に接触するこ
とが可能となる。その結果、乾式下において0.3以上
摩擦係数を安定して発現すると共に、耐摩耗性・耐焼付
き性に優れる。また、硬質粒子分散型金属粉末が摩擦材
内部に均一に分散する為、摩擦材の熱電伝導率が向上
し、摩擦熱が摺動面に籠もることなく摩擦材全体に分散
でき、その結果、熱による劣化現象を抑制することがで
きる。従って、例えば、乾式条件下で用いられるカーエ
アコン用電磁クラッチ材や自動車或いは自動二輪用ブレ
ーキ材に適用できる。さらに、本発明製造方法によれ
ば、上記特性の摩擦材を効率的かつ経済的に製作するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明摩擦材の組織を示す模式図である。
【図2】本発明摩擦材の粒子構造を示す写真で、(A)
は硬質粒子分散型銅合金粉末が樹脂中に分散された状態
を、(B)は硬質粒子分散型銅合金粉末を拡大した状態
を示す。
【符号の説明】
1 硬質粒子分散型金属粉末 2 熱硬化性樹脂 3 金属素地 4 硬質粒子 5 空孔

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質粒子が金属素地中に均一に分散され
    た硬質粒子分散型金属粉末を体積基準で20%以上90
    %以下含有し、残部が熱硬化性樹脂からなる摩擦材であ
    って、鋼材を相手材として乾式下において摩擦摺動した
    際に、0.3以上の摩擦係数を安定して発現することを
    特徴とする乾式摩擦材。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂と、金属素地中に均一に分
    散した硬質粒子を包含する硬質粒子分散型金属粉末とを
    含有する摩擦材であって、前記金属粉末は、熱硬化性樹
    脂中に均一に分散され、体積基準で20%以上90%以
    下含有されていることを特徴とする乾式摩擦材。
  3. 【請求項3】 摩擦材中の気孔率が50容量%以下であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の乾式摩擦
    材。
  4. 【請求項4】 黒鉛,MoS2 ,CaF2 ,WS2 ,B
    Nより選択された1種以上からなる固体潤滑剤を体積基
    準で30%以下含有することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の乾式摩擦材。
  5. 【請求項5】 硬質粒子分散型金属粉末の金属素地が、
    銅または銅合金であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の乾式摩擦材。
  6. 【請求項6】 硬質粒子分散型金属粉末の金属素地が、
    アルミまたはアルミ合金であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の乾式摩擦材。
  7. 【請求項7】 硬質粒子分散型金属粉末には、重量基準
    で5%以上80%以下の硬質粒子が含有されていること
    を特徴とする請求項5または6記載の乾式摩擦材。
  8. 【請求項8】 硬質粒子分散型金属粉には、銅合金の金
    属素地を100とした場合、重量基準で20%以下のS
    nが含有されていることを特徴とする請求項5記載の乾
    式摩擦材。
  9. 【請求項9】 硬質粒子分散型金属粉末には、アルミ合
    金の金属素地を100とした場合、Fe,Ni,Crか
    ら選択された1種以上の元素が重量基準で合計5%以上
    含有されていることを特徴とする請求項6記載の乾式摩
    擦材。
  10. 【請求項10】 硬質粒子は、Si粉末、Mo粉末、鉄
    系金属間化合物、酸化物粒子、窒化物粒子、炭化物粒子
    より選択された1種以上からなることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の記載の乾式摩擦材。
  11. 【請求項11】 硬質粒子の最大粒径は50μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
    の乾式摩擦材。
  12. 【請求項12】 熱硬化性樹脂は、フェノール系樹脂、
    エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド・イミ
    ド系樹脂、メラミン系樹脂より選択された1種以上から
    なることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
    の乾式摩擦材。
  13. 【請求項13】 硬質粒子分散型金属粉末の平均粒径
    が、30μm以上250μm以下であることを特徴とす
    る請求項1〜12のいずれかに記載の乾式摩擦材。
  14. 【請求項14】 硬質粒子分散型金属粉末および熱硬化
    性樹脂粉末を準備する工程、両粉末を所定の組成に配合
    した後、V型ミキサー、ニーダ、ボールミルから選択さ
    れた粉末混合機を用いて均一に混合する工程、続いて該
    混合粉末を加熱された閉塞金型内で加圧・固化する工
    程、を行うことを特徴とする乾式摩擦材の製造方法。
  15. 【請求項15】 硬質粒子分散型金属粉末、熱硬化性樹
    脂粉末および固体潤滑剤を準備する工程、これら粉末を
    所定の組成に配合した後、V型ミキサー、ニーダ、ボー
    ルミルから選択された粉末混合機を用いて均一に混合す
    る工程、続いて該混合粉末を加熱された閉塞金型内で加
    圧・固化する工程、を行うことを特徴とする乾式摩擦材
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 混合粉末を加熱された閉塞金型内で加
    圧・固化する工程を、硬質粒子分散型金属粉末の拡散・
    焼結温度よりも低い温度域で、且つ熱硬化性樹脂成分の
    溶融・溶解開始温度よりも低い温度域にて行うことを特
    徴とする請求項14または15記載の乾式摩擦材の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 硬質粒子分散型金属粉末を準備する工
    程として、金属素地と硬質粒子からなる混合粉末を準備
    し、これらの混合粉末に対して機械的合金化法(メカニ
    カルアロイング法)、機械的混合法(メカニカルグライ
    ンディング法)、造粒法のいずれかの機械的混合・粉砕
    処理を施すことにより、該硬質粒子を最大粒径50μm
    以下に粉砕し、且つ同時に該硬質粒子を金属素地の内部
    に均一に分散させることを特徴とする請求項14〜16
    のいずれかに記載の乾式摩擦材の製造方法。
  18. 【請求項18】 硬質粒子分散型金属粉末を準備する工
    程として、金属素地の溶湯中に、最大粒径50μm以下
    の硬質粒子を添加・混合・攪拌し、噴霧法(アトマイズ
    法)により該硬質粒子を金属素地の内部に均一に分散さ
    せることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記
    載の乾式摩擦材の製造方法。
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