JPH08247260A - 差動装置の潤滑構造 - Google Patents

差動装置の潤滑構造

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JPH08247260A
JPH08247260A JP8190895A JP8190895A JPH08247260A JP H08247260 A JPH08247260 A JP H08247260A JP 8190895 A JP8190895 A JP 8190895A JP 8190895 A JP8190895 A JP 8190895A JP H08247260 A JPH08247260 A JP H08247260A
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JP
Japan
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oil
ring gear
axle housing
reservoir
differential
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JP8190895A
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Kazuyuki Tokuda
和行 徳田
Akinori Homan
昭徳 寳満
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 差動装置におけるオイルの撹拌損失の低下と
確実な潤滑とを達成する。 【構成】 差動装置の潤滑構造であって、リングギヤ1
6によって掻き上げた潤滑油Oを流入させるオイルリザ
ーバ22と第1オイル通路23とが、駆動軸5を収容し
ている受け部6の周囲に形成されるとともに、第1オイ
ル通路22が、受け部6内のフロント軸受7と開口端側
のオイルシール13との間に連通し、かつオイルリザー
バ23が、前記フロント軸受7とオイルシール13との
間の部分および前記アクスルハウジング2のうちリング
ギヤ16を収容している部分に連通している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等の車両の最
終減速機として用いられている差動装置(ディファレン
シャル装置)における潤滑構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のディファレンシャル装置は、周
知のように密閉構造の筐体であるデフキャリヤの内部に
駆動軸と一体のドライブピニオンと大径のリングギヤと
が噛み合って収容され、このリングギヤを取り付けてあ
るデフケースに左右のサイドギヤに噛合するピニオンを
保持させた構成である。そしてバンジョー型のディファ
レンシャル装置においては、サイドギヤに連結した左右
の車軸をアクスルハウジングの内部に挿通し、左右の車
輪に動力を伝達するように構成されている。
【0003】この種のディファレンシャル装置では、強
制潤滑方式を採用することが困難であるから、従来一般
には、はねかけ潤滑方式が採用されている。すなわちデ
フキャリヤおよびアクスルハウジングの内部に潤滑油を
所定レベルまで入れておき、リングギヤの歯面はリング
ギヤをこの潤滑油に浸漬させることにより行い、かつ他
の歯面や軸受などに対しては、リングギヤが回転するこ
とによって潤滑油を掻き上げてその飛沫を供給すること
により、それらの部分の潤滑を行っている。
【0004】このような潤滑方式では、リングギヤによ
って掻き上げられた潤滑油がデフキャリヤの内面などを
伝って流下することにより、各軸受や歯面などに潤滑油
を供給するものであるが、目的とする軸受や歯面に強制
的に潤滑油を導くものではないので、車両の挙動や潤滑
油の状態などによっては潤滑不足が生じる可能性があ
る。そのため例えば実開昭63−48054号公報に記
載された装置では、リングギヤを収容している部分の天
井部にリブを形成し、リングギヤによって掻き上げた潤
滑油をそのリブによって軸受部などの所定の目的とする
箇所に導くように構成している。したがってこのような
構成であれば、リングギヤによって掻き上げた潤滑油を
効果的に被潤滑箇所に供給できるので、必要とする潤滑
油の量をある程度は少なくすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報に記載さ
れた装置においては、リングギヤによって掻き上げた潤
滑油が被潤滑箇所に効果的に供給されるものの、潤滑油
はリブによって被潤滑箇所に導かれた後、デフキャリヤ
の底部などの油溜めに直ちに還流するから、リングギヤ
は常時、一定量以上の潤滑油を掻き上げ続ける必要があ
る。すなわち油溜めにはリングギヤの一部が浸る程度の
レベルにまで潤滑油を供給しておく必要があるので、リ
ングギヤによる潤滑油の撹拌が激しく生じ、撹拌抵抗に
よる動力損失が大きくなる不都合がある。
【0006】特にレクレーショナルビークル(RV車)
のように車高が高いことによりディファレンシャル装置
のノーズ角(ドライブピニオンの軸線と地上水平面との
なす角度)が大きい場合には、ドライブピニオンを支持
している軸受に対する潤滑油の供給量を確保するために
多量の潤滑油を油溜めに入れておく必要があるので、潤
滑油の撹拌損失が大きくなる。またリングギヤの回転数
が増大すると、掻き上げられる潤滑油の量も増大するの
で、ドライブピニオンの周囲やこれを支持している軸受
の周囲は多量の潤滑油で満たされることになる。そのた
め車速が増大することに伴ってドライブピニオンやこれ
を支持している軸受による潤滑油の撹拌抵抗が増大し、
結局はこれが動力損失の一因になる不都合があった。
【0007】このような不都合を解消するためにデフキ
ャリヤおよびアクスルハウジング内の油溜めにおける潤
滑油の量を可及的に少なくすることが考えられる。この
ようにすれば、リングギヤなどによる撹拌損失が少なく
なるが、車両が傾斜地を走行している場合や高速旋回走
行している場合などにおいては、潤滑油がアクスルハウ
ジングの車軸部に流入してしまうことがあるので、この
ような場合には、油溜めの油面が低下してリングギヤに
よる潤滑油の掻き上げ量が必要以上に少なくなってしま
い、その結果、ドライブピニオンを支持している軸受な
どの潤滑が不足するおそれがある。したがって結局は、
デフキャリヤおよびアクスルハウジングにおける油溜め
にある程度以上の潤滑油を用意する必要があり、リング
ギヤやドライブピニオンなどの撹拌抵抗に起因する動力
損失を低下させることは困難であった。
【0008】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、撹拌損失を低減でき、しかも良好な潤滑
を維持することのできる差動装置の潤滑構造を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、アクスルハウジングにデフキャリヤ
が突出して設けられるとともに、該デフキャリヤの内部
に設けた筒状の受け部の内周側に駆動軸を回転自在に支
持するフロント軸受とリヤ軸受とが配置され、さらに前
記受け部の開口端がオイルシールで封止されるととも
に、前記駆動軸の端部に設けた駆動ギヤに噛合したリン
グギヤが前記アクスルハウジングの内部に収容され、そ
のリングギヤによりアクスルハウジング内のオイルを掻
き上げて潤滑するように構成した差動装置の潤滑装置に
おいて、前記リングギヤによって掻き上げた潤滑油を流
入させるオイルリザーバと第1オイル通路とが、前記受
け部の周囲に形成されるとともに、前記第1オイル通路
が、前記フロント軸受とオイルシールとの間に連通し、
かつオイルリザーバが、前記フロント軸受とオイルシー
ルとの間の部分および前記アクスルハウジングのうちリ
ングギヤを収容している部分に連通していることを特徴
とするものである。
【0010】またこの発明では、前記オイルシールとフ
ロント軸受との間の部分と、フロント軸受とリヤ軸受と
の間の部分とを連通させる第2オイル通路を設けること
ができる。
【0011】
【作用】したがって、この発明にあっては、駆動軸を回
転することによりその駆動ギヤと噛合うリングギヤが回
転して、デフキャリヤおよびアクスルハウジングの内部
に収容されるオイルが掻き上げられる。そしてアクスル
ハウジングからデフキャリヤ側に飛散するオイルが、そ
のデフキャリヤ内に設けられた第1オイル通路とオイル
リザーバとに流入する。第1オイル通路は、オイルシー
ルとフロント軸受の間の部分に連通しているため、この
第1オイル通路に流入したオイルは、オイルシールとフ
ロント軸受とに供給されてこれらを潤滑かつ冷却する。
【0012】またオイルリザーバは、オイルシールとフ
ロント軸受との間の部分に連通しているため、第1オイ
ル通路における余剰のオイルがオイルリザーバに流入
し、ここに一時的に貯留されるとともに、順次、アクス
ルハウジングのうちリングギヤを収容している部分に還
流する。また一方、第1オイル通路を介した潤滑油の供
給が低下した場合には、オイルリザーバ内のオイルがフ
ロント軸受とオイルシールとの間に流入し、これらフロ
ント軸受およびオイルシールを潤滑かつ冷却する。
【0013】したがってリングギヤが回転している間
は、オイルの一部がリザーバに貯留されるので、アクス
ルハウジングのうちリングギヤを収容している箇所にお
けるオイルのレベルが低下し、したがってリングギヤに
よるオイルの撹拌が緩和されるとともに、リングギヤの
回転数が増大しても駆動軸を保持している受け部内での
オイルが過剰になることがなく、この点でも撹拌損失が
抑制される。
【0014】またオイルシールとフロント軸受との間の
部分と、フロント軸受とリヤ軸受との間の部分とを連通
する第2オイル通路を設ければ、第1オイル通路のオイ
ルあるいはリザーバのオイルが、第2オイル通路により
リヤ軸受にも供給されてこの軸受を潤滑かつ冷却する。
【0015】
【実施例】つぎにこの発明を図に示す実施例に基づいて
説明する。図1ないし図7は、この発明をバンジョー型
ディファレンシャル装置に適用した第1の実施例を示
し、ディファレンシャル装置1は、図7に示すように断
面円形のアクスルハウジング2を備え、このアクスルハ
ウジング2の前方に円錐状に突出したデフキャリヤ3が
一体に設けられている。そしてその全体は密閉構造に構
成されている。さらにデフキャリヤ3には、車両前後方
向に向けて駆動軸5が挿入されており、エンジンから変
速機を介して出力される動力が、この駆動軸5を介して
入力されるようになっている。
【0016】図1および図2に示すように、デフキャリ
ヤ3は、その外壁部3aの内部に筒状の受け部6が設け
られ、この受け部6の内側の前後に二箇所にテーパロー
ラ型軸受7,8が嵌合固定されている。なお、これらの
軸受7,8の間隔はスペーサ9によって一定間隔に保持
されている。そしてドライブピニオン10と一体の駆動
軸5がこれら2個の軸受7,8によって回転自在に支持
されている。
【0017】また受け部6のフロント軸受7の前方には
所定の円筒部11を挟んで開口端12が設けられ、この
開口端12はオイルシール13によって液密状態に封止
されている。また駆動軸5のデフキャリヤ3から突出し
た端部には、例えばプロペラ軸(図示せず)と連結する
フランジ14がボルトによって連結されている。
【0018】ドライブピニオン10は、デフケース15
の外周部に一体化させたリングギヤ16に噛合してい
る。このデフケース15はアクスルハウジング2の内部
に設けた軸受17によって回転自在に支持されている。
その内部には、二対のピニオン18がピニオン軸19に
自転自在に保持されており、これらのピニオン18が左
右のサイドギヤ20に噛合している。そしてこれらのサ
イドギヤ20のそれぞれに、アクスルハウジング2に挿
通した車軸21が連結されており、ピニオン18が回転
することにより左右の車輪の差動回転を許容するように
なっている。
【0019】前記アクスルハウジング2およびデフキャ
リヤ3内の底部に所定量のオイルOが収容され、リング
ギヤ16の一部がそのオイルOに浸漬されている。また
リングギヤ16は、図1の矢印方向に回転するので、オ
イルOはこのリングギヤ16によって掻き上げられると
ともにその接線方向に飛散する。
【0020】このため図1ないし図4に示すように、デ
フキャリヤ3の上方開口部3bからデフキャリヤ3の内
部において上側の部分に延出して第1のオイル通路22
が形成されている。また前方から見た右側の側部には、
容量の大きいオイルリザーバ23が形成されている。そ
してこれら第1のオイル通路22およびオイルリザーバ
23のいずれも、リングギヤ16によって飛散させられ
たオイルを捕集するように構成されている。
【0021】これら第1オイル通路22およびオイルリ
ザーバ23について説明すると、デフキャリヤ3の外壁
部3aは、前記受け部6に対して上方と、正面から見て
右側(図2の下側)とに膨らんでおり、その外壁部3a
の上方に膨らんだ部分の内面と受け部6の上部外面との
間に第1オイル通路22が形成されている。またオイル
リザーバ23は、デフキャリヤ3の外壁部3aのうち図
2の下側に膨らんでいる部分の内側の部分であり、リン
グギヤ16を収容している部分とは、デフキャリヤ3の
上部内面に達しない高さの堰24によって区画されてい
る。
【0022】この堰24は、前記受け部6のリヤ側(リ
ングギヤ16側)の端部とデフキャリヤ3のアクスルハ
ウジング2側の端部とを連結した状態に形成されてお
り、その下端はデフキャリヤ3に連続して一体化されて
いる。このオイルリザーバ24とアクスルハウジング2
の内部のうちリングギヤ16を収容している部分とを連
通するために、図5に示すように、堰24の下端部に流
出口25が形成されている。
【0023】また第1オイル通路22とオイルリザーバ
23とを区画するために、受け部6の上部外面のうちオ
イルリザーバ23側に寄った位置に、受け部6の長手方
向に沿ってリブ26が形成されている。このリブ26は
デフキャリヤ3の外壁部3aの内面に達しない高さであ
って、受け部6のリヤ側の端部において前記堰24と連
続し、またフロント側の端部は、図5に示すように、デ
フキャリヤ3の端部の手前でオイルリザーバ23側に屈
曲している。したがって第1オイル通路22は、受け部
6の上側にそのリヤ側端部からフロント側端部にかけて
その軸線方向に沿いかつフロント側で屈曲した凹部とし
て形成されている。
【0024】そしてそのフロント側で屈曲した部分に、
フロント軸受7とオイルシール13との間の円筒部11
に開口する流入口27が形成されている。なお、この流
入口27の部分では、リブ26の高さが先端側に向けて
徐々に低く形成され、この部分で第1オイル通路22は
オイルリザーバ23に連通している。
【0025】上記のオイルリザーバ23のフロント側の
部分には、このオイルリザーバ23および第1オイル通
路22に対して隔絶された第2オイル通路28が形成さ
れている。この第2オイル通路28は、前記円筒部11
からフロント軸受7とリヤ軸受8との間の間隙部にオイ
ルを流すためのものである。すなわち受け部6の側部外
面とデフキャリヤ3における外壁部3aの側部内面とを
連結するように仕切り壁29が一体に形成され、この仕
切り壁29によりオイルリザーバ23および第1オイル
通路22から隔絶された中空部が形成されている。そし
て受け部6の側壁部には、その中空部と前記円筒部11
とを連通させる流出口30、およびフロント軸受7とリ
ヤ軸受8との間の間隙部と前記中空部とを連通させる流
入口31が形成されている。したがってこの中空部がこ
れら流出口30および流入口31と共に第2オイル通路
28を形成している。
【0026】なお、各軸受7,8に対するオイルの供給
は、前記流入口28,31や流出口30を介して行わ
れ、またオイルリザーバ23からアクスルハウジング2
内へのオイルの還流は、前記流出口25を介して行われ
るので、これらの流入口28,31や流出口25,30
の開口面積は、各軸受7,8に対するオイルの供給量を
必要十分に確保する面積に設定されている。
【0027】つぎに上述した潤滑構造の作用について説
明する。駆動軸5に伝達された動力は、ドライブピニオ
ン10からリングギヤ16に伝達され、リングギヤ16
およびこれと一体のデフケース15が回転させられる。
さらにこのデフケース15からピニオン18および左右
のサイドギヤ20ならびに車軸21を介して左右の車輪
に動力が伝達される。その場合、ピニオン18が自転す
ることにより、左右の車輪の差動が行われる。そのリン
グギヤ16の一部がアクスルハウジング2のオイルOに
浸っているから、リングギヤ16の歯面の潤滑が行わ
れ、またリングギヤ16の図の矢印方向の回転に伴いオ
イルOが掻き上げられ、かつアクスルハウジング2の内
部全体に飛散させられるため、飛散したオイルOによっ
て他の部分が潤滑される。
【0028】またアクスルハウジング2に一体化されて
いるデフキャリヤ3の内部には、デフキャリヤ3の上方
開口部3bと連通する第1のオイル通路22とオイルリ
ザーバ23とが設けられているため、リングギヤ16に
よってその接線方向に飛散させられるオイルOの一部
は、前記上方開口部3bからこれら第1のオイル通路2
2とオイルリザーバ23とに流入する。第1オイル通路
22に流入したオイルOは、ここを通って駆動軸5の先
端側に流れ、さらにこの第1オイル通路22の先端部に
形成してある流入口27から、オイルシール13とフロ
ント軸受7との間の円筒部11に流入する。その結果、
デフキャリヤ3の前端側のオイルシール13とフロント
軸受7とが、このオイルOによって確実に潤滑かつ冷却
される。またオイルリザーバ23に流入したオイルO
は、ここに一時的に貯留された後に流出口25からアク
スルハウジング2のうちリングギヤ16を収容している
部分に還流する。
【0029】前記オイルシール13とフロント軸受7と
の間の円筒部11に流入したオイルOの一部は、フロン
ト軸受7の内部を軸線方向に流れてリヤ軸受8側に至る
が、その多くは、流出口30から第2オイル通路28を
経て流入口31から2個の軸受7,8の間に流入する。
したがってリヤ軸受8に対しては、フロント軸受7を通
過したオイルOおよび第2オイル通路28を経たオイル
Oが供給され、このオイルOによりリヤ軸受8が潤滑か
つ冷却される。そしてリヤ軸受8を通過したオイルO
は、アクスルハウジング2の内部に戻る。こうしてデフ
キャリヤ3内の2個の軸受7,8がオイルOにより確実
に潤滑かつ冷却され、この2個の軸受7,8により駆動
軸5が良好に回転支持される。
【0030】ところで飛散するオイルOの量は、リング
ギヤ16の回転数に依存し、駆動軸5と共にリングギヤ
16の回転数が上昇すると、それに合わせてオイルの飛
散量が増大する。したがって高回転時には第1および第
2のオイル通路22,28を流れるオイル量が多くな
り、2個の軸受7,8には多量のオイルOが供給されて
積極的に潤滑かつ冷却され、このため高速回転する駆動
軸5が適切に支持される。
【0031】また高速回転時においては、第1オイル通
路22における多量のオイルOの一部が、流入口27の
直前でオイルリザーバ23に分かれて流入する。このた
め各軸受7,8や駆動軸5の周囲にオイルOが過剰に供
給されることがなく、その結果、軸受7,8や駆動軸5
による撹拌損失が低く抑えられる。
【0032】さらにリングギヤ16が所定の回転数以上
の回転数で回転している時には、流出口25からアクス
ルハウジング2のうちリングギヤ16を収容している箇
所へのオイルOの戻り量に対して、オイルリザーバ23
に流入するオイルOの量および第1オイル通路22から
分流するオイルOの量が多くなるので、オイルリザーバ
23にオイルOが次第に溜まり、その量が増加する。こ
のためアクスルハウジング2の底部のオイルOの量は、
オイルリザーバ23で保持される量の分だけ減少して油
面が低下し、それに伴いリングギヤ16がオイルOの撹
拌の度合いが低下し、すなわちリングギヤ16によるオ
イルOの撹拌損失が低下する。
【0033】通常の走行中には、上記のようにある程度
の量のオイルOがオイルリザーバ23に保持されてお
り、したがって車両の旋回走行時にアクスルハウジング
2のオイルOの一部が横加速度の作用により車軸方向に
一時的に移動して、リングギヤ16により掻き上げられ
るオイル量が大幅に減少したとしても、オイルリザーバ
23のオイルOが流入口27からフロント軸受7に供給
され、更に第2オイル通路28を経てリヤ軸受8にも供
給される。このようにリングギヤ16によるオイルOの
掻き上げ量が減少しても、オイルリザーバ23に保持し
てあるオイルOによってデフキャリヤ3内の潤滑を行う
から、軸受7,8の焼き付きなどの不都合を未然に防止
することができる。またこの場合、オイルリザーバ23
の流出口25からアクスルハウジング2にオイルOが一
定の流量で還流し、このオイルOがリングギヤ16等に
かかるので、リングギヤ16側の潤滑不足も回避され
る。
【0034】ところでオイルOは、軸受7,8等から熱
を奪うことに加え、リングギヤ16等によって剪断作用
を受けるから、その温度が次第に上昇するが、オイルリ
ザーバ23に保持されたオイルOは、外気に接している
外壁部3aに触れることにより効果的に冷却される。そ
の結果、オイルOの劣化が抑制される。なお、デフキャ
リヤのケース外壁にフィンを付加して表面積を拡大し、
オイルの冷却効果を向上させることも可能である。
【0035】つぎにこの発明の他の実施例について説明
する。上述のようにリングギヤ16によるオイルOの撹
拌損失の低下や軸受7,8の継続的な潤滑などの作用
は、オイルリザーバ23に常時所定量のオイルOを保持
することにより得られる。これに対してオイルリザーバ
23に保持されるオイルOの量は、リングギヤ16によ
るオイルOの掻き上げ量とオイルリザーバ23から流出
口25を介してアクスルハウジング2内に還流するオイ
ルOの量とによって決まる。さらに潤滑不足がいずれか
の箇所で生じれば、オイルOの温度上昇が顕著になる。
したがってオイルリザーバ23とアクスルハウジング2
との間に前記流出口25に、所定温度以上で開き動作す
る形状記憶合金製の弁体を設けることが好ましい。この
ような構成であれば、通常時はオイルリザーバ23にオ
イルOを貯留し、オイルOの温度上昇の形で潤滑の要求
が現れた場合には、オイルリザーバ23からオイルOを
アクスルハウジング2内に還流させてリングギヤ16に
よってはねかけ潤滑を積極的に行うことになる。すなわ
ちオイルリザーバ23に対するオイルOの貯留を優先的
に行うことになるから、前述した実施例におけるような
撹拌損失の低減や軸受7,8の良好な潤滑などがより確
実に行われる。
【0036】またオイルリザーバの形成状態やレイアウ
トに関する他の実施例として、図8に示すようにオイル
リザーバを別体で形成して、軸受ケースに組付けるよう
構成してもよい。この図8に示す構成をより具体的に説
明すると、リングギヤから飛散したオイルを捕集するオ
イル捕集部50が、デフキャリヤ3のうち前記第1オイ
ル通路22と同様な位置に形成され、このオイル捕集部
50に連通する流入口51aおよびアクスルハウジング
2のうちリングギヤ16を収容している部分に連通した
流出口51bとを開口させた接合面51が、デフキャリ
ヤ3のうち前記オイル捕集部50の側部に設けられてい
る。またオイルシールとフロント軸受との間の前記円筒
部の側部に流入口52aを備えた接合面52が形成され
ている。
【0037】一方、オイルリザーバ53はデフキャリヤ
3とは別体の箱形に形成され、このオイルリザーバ53
に流入口54aと流出口54bとを備えた接合面54
と、流入口55aを備えた接合面55とが形成されてい
る。そしてこのオイルリザーバ53は、その各接合面5
4,55をデフキャリヤ3の2箇所の前記接合面51,
52に図示しないシール材を介して当接させ、その状態
でボルトなどの締結手段でデフキャリヤ3に対して固定
される。
【0038】したがって、この実施例にあっても、リン
グギヤにより飛散させられたオイルが、オイル捕集部5
0で捕集されてオイルリザーバ53に一旦保持される。
そしてオイルリザーバ53からオイルが流入口52a,
55aを経てフロント軸受等に供給され、また流出口5
1b,54bからアクスルハウジング2にオイルが還流
させられる。
【0039】さらにオイルリザーバのレイアウトに関し
ては、図9に示すようにオイルリザーバ23をデフキャ
リヤ3の前から見て受け部6の左側に設けることもでき
る。また図10に示すようにオイルリザーバ23を受け
部6の両側に配置することもできる。
【0040】ディファレンシャル装置として、バンジョ
ー型以外に独立懸架型にも適応できる。この独立懸架型
では、デフキャリヤの左右両側から車軸のみが突設さ
れ、車両旋回時にデフキャリヤ内のオイルがタイヤ側に
移動しない構造である。このため車両旋回時の耐焼付き
性の効果は少ないが、これ以外は同様の効果を得ること
ができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の差動装置
の潤滑構造によれば、リングギヤによって掻き上げられ
たオイルを第1オイル通路を介して軸受に導く一方、デ
フキャリヤの内部に設けたオイルリザーバに一時的に貯
留するように構成したから、アクスルハウジングのうち
リングギヤを収容している箇所での油面を下げてリング
ギヤによるオイルの撹拌損失を低減できるうえに、第1
オイル通路を流れるオイルの一部をオイルリザーバに供
給できるので、軸受などに対するオイルの過剰な供給お
よびそれに伴う撹拌損失を低減でき、さらにリングギヤ
によるオイルの掻き上げ量が減少した場合には、オイル
リザーバ内のオイルによって軸受などの潤滑を行うとが
できる。したがってこの発明によれば、オイルを過剰に
撹拌することに起因する動力損失を防止し、かつアクス
ルハウジング内の油面の低下に拘らず良好な潤滑を確保
することができるなどの実用上優れた効果を得ることが
できる。
【0042】また、この発明の差動装置の潤滑構造で
は、オイルシールとフロント軸受との間の部分と、フロ
ント軸受とリヤ軸受との間の部分とを、第2オイル通路
により連通させれば、駆動軸のリヤ軸受にもオイルを充
分供給して良好に潤滑かつ冷却することができ、車両旋
回時のリヤ軸受の焼付けを有効に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を説明するためのディファ
レンシャル装置の縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】デフキャリヤの正面図である。
【図4】第1および第2のオイル通路ならびにオイルリ
ザーバの配置状態を示す断面図である。
【図5】第1および第2のオイル通路ならびにオイルリ
ザーバの形状を示す切欠き斜視図である。
【図6】デフキャリヤの斜視図である。
【図7】バンジョー型ディファレンシャル装置の全体の
外観斜視図である。
【図8】この発明の第2の実施例の分解斜視図である。
【図9】この発明の第3の実施例のデフキャリヤの正面
図である。
【図10】この発明の第4の実施例のデフキャリヤの正
面図である。
【符号の説明】
2 アクスルハウジング 3 デフキャリヤ 5 駆動軸 6 受け部 7 フロント軸受 8 リヤ軸受 10 ドライブピニオン 11 円筒部 12 開口端 13 オイルシール 16 リングギヤ 22 第1オイル通路 23 オイルリザーバ 28 第2オイル通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクスルハウジングにデフキャリヤが突
    出して設けられるとともに、該デフキャリヤの内部に設
    けた筒状の受け部の内周側に駆動軸を回転自在に支持す
    るフロント軸受とリヤ軸受とが配置され、さらに前記受
    け部の開口端がオイルシールで封止されるとともに、前
    記駆動軸の端部に設けた駆動ギヤに噛合したリングギヤ
    が前記アクスルハウジングの内部に収容され、そのリン
    グギヤによりアクスルハウジング内のオイルを掻き上げ
    て潤滑するように構成した差動装置の潤滑構造におい
    て、 前記リングギヤによって掻き上げた潤滑油を流入させる
    オイルリザーバと第1オイル通路とが、前記受け部の周
    囲に形成されるとともに、前記第1オイル通路が、前記
    フロント軸受とオイルシールとの間に連通し、かつオイ
    ルリザーバが、前記フロント軸受とオイルシールとの間
    の部分および前記アクスルハウジングのうちリングギヤ
    を収容している部分に連通していることを特徴とする差
    動装置の潤滑構造。
  2. 【請求項2】 前記オイルシールとフロント軸受との間
    の部分と、フロント軸受とリヤ軸受との間の部分とを連
    通させる第2オイル通路が設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の差動装置の潤滑構造。
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