JPH08267946A - 直描型平版印刷用原版 - Google Patents

直描型平版印刷用原版

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JPH08267946A
JPH08267946A JP7323495A JP7323495A JPH08267946A JP H08267946 A JPH08267946 A JP H08267946A JP 7323495 A JP7323495 A JP 7323495A JP 7323495 A JP7323495 A JP 7323495A JP H08267946 A JPH08267946 A JP H08267946A
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JP
Japan
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zinc oxide
group
acid
image
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Application number
JP7323495A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tashiro
宏 田代
Eiichi Kato
栄一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オフセット原版として全面一様な地汚れはも
ちろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の優れた
直描型平版印刷用原版を提供することであり、更に、静
電転写方式による電子写真式複写機からの描画によって
も、印刷汚れのない鮮明な画像の印刷物を得ることので
きる直描型平版印刷用原版を提供することである。 【構成】 耐水性支持体上に、酸化亜鉛及び結着樹脂を
含有する画像受理層を有する直描型平板印刷用原版にお
いて、該酸化亜鉛が特定の脂肪族カルボン酸基含有の酸
化亜鉛より成ることを特徴とする直描型平版印刷用原
版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直描型平版印刷用原版
に関し、更に詳しくは軽印刷用に好適な直描型平版印刷
用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、事務用印刷原版として、支持体上
に画像受理層を有する直描型平版印刷用原版が広く用い
られている。このような印刷原版に製版、即ち画像形成
を行うには、一般に画像受理層に油性インキを手書きに
より描画するか、タイプライター、インクジェット方式
あるいは転写型感熱方式等で印字する方法が採用されて
いる。その他、普通紙電子写真複写機(PPC)を用い
て帯電、露光及び現像の工程を経て感光体上に形成した
トナー画像を画像受理層に転写定着する方法も近年使わ
れ始めた。いずれにしても製版後の印刷原版は不感脂化
液(いわゆるエッチ液)で表面処理して非画像部を不感
脂化し、印刷版として平版印刷に供せられる。従来の直
描型平版印刷用原版は、紙等の支持体の両面に裏面層及
び中間層を介して表面層が設けられていた。裏面層又は
中間層はPVAや澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマ
ルジョン等の水分散性樹脂と顔料で構成されている。表
面層は顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で構成される。
【0003】このような直描型平版印刷用原版の代表例
は、米国特許2,532,865号明細書に記載される
ように画像受理層をPVA等のような水溶性樹脂バイン
ダー、シリカ、炭酸カルシウム等のような無機顔料、及
びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物等のよう
な耐水化剤を主成分として構成したものである。更に、
直描型平版印刷用原版の画像受理層に用いる結着剤とし
て、分解によりカルボキシル基、ヒドロキシル基、チオ
ール基、アミノ基、スルホン基又はホスホノ基を生成す
る官能基を有すると共に、熱/光で硬化する官能基を含
有し予め架橋されている樹脂を用いる(特開平1−22
6394号、同1−269593号、同1−28848
8号各公報)、上記官能基含有樹脂と熱/光硬化性樹脂
を併用する(特開平1−266546号、同1−275
191号、同1−309068号各公報)、上記官能基
含有樹脂と架橋剤を併用する(特開平1−267093
号、同1−271292号、同1−309067号各公
報)ことにより、非画像部の親水性向上、画像受理層の
膜強度の向上、更に耐印刷性の改良が検討されている。
【0004】又、画像受理層中に、無機顔料及び結着剤
とともに、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基のよ
うな親水性基を含有した1μm以下の微小粒径の樹脂粒
子を含有させる(特開平4−201387号、同4−2
23196号各公報)あるいは、分解により上記の様な
親水性基を生成する官能基を含有する微小径樹脂粒子を
含有させる(特開平4−319491号、同4−353
495号、同5−119545号、同5−58071
号、同5−69684号各公報)ことにより非画像部の
親水性を向上させる事が検討されている。
【0005】他方、画像受理層中の無機顔料として酸化
亜鉛を用い、画像を形成した後非画像部を不感脂化処理
して印刷版とする方式の直描型平版印刷用原版におい
て、酸化亜鉛として、湿式法で製造された酸化亜鉛を用
いる、更に乾式で製造された酸化亜鉛と併用する(特開
平5−246166号、同5−254267号各公報)
あるいはフェロシアン基を少量含有した酸化亜鉛を用い
る(特開平6−72058号公報)ことにより、特に静
電転写方式の製版に用いる場合に、印刷用原版にトナー
画像を充分に転写させ且つ印刷汚れを抑制させることが
検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
にして得られた従来の印刷版は印刷耐久性を向上するた
めに耐水化剤の添加量を多くしたり疎水性樹脂を使用し
たりして疎水性を増大させると、耐刷性は向上するが親
水性が低下して印刷汚れが発生し、他方親水性を良くす
ると耐水性が劣化し耐刷性が低下するという問題があっ
た。特に30℃以上の高温での使用環境下では、オフセ
ット印刷に使用する浸し水に表面層が溶解し、耐刷性の
低下及び印刷汚れの発生など欠点があった。更に、直描
型平版印刷の場合油性インキ等を画像部として画像受理
層に描画するものであり、印刷用原版の受理層と油性イ
ンキの接着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性
が充分で上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時
に画像部の油性インキが欠落してしまい、結果として耐
刷性が低下してしまうという問題も未だ充分に解決され
る所まで至っていない。
【0007】又、最近の微細な乾式トナーを用いた電子
写真方式による高解像度の複写画像形成、例えば、レー
サープリンター等による画像受理層への静電転写による
描画では、特に、転写後の非画像部の地汚れ防止と画像
部の画像再現性を両立させ、得られる印刷物が地汚れの
ない鮮明な画像となる事が望まれている。
【0008】本発明は以上の様な従来の直描型平版印刷
用原版の有する問題点を改良するものである。本発明の
目的は、オフセット原版として全面一様な地汚れはもち
ろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の優れた直
描型平版印刷用原版を提供することである。本発明の他
の目的は、静電転写方式による電子写真式複写機からの
描画によっても、印刷汚れのない鮮明な画像の印刷物を
得ることのできる直描型平版印刷用原版を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、耐水性支
持体上に、酸化亜鉛及び結着樹脂を含有する画像受理層
を有する直描型平版印刷用原版において、該酸化亜鉛が
ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル
基から選ばれる少なくとも1種の極性基を含有する炭素
数6個以内の脂肪族カルボン酸基含有の酸化亜鉛より成
ることを特徴とする直描型平版印刷用原版によって達成
される事を見い出した。本発明における上記、特定の脂
肪族カルボン酸(以下該カルボン酸という)基含有の酸
化亜鉛とは、酸化亜鉛粒子と、該カルボン酸もしくは該
カルボン酸塩とを化学反応処理することで酸化亜鉛粒子
の一部が、カルボン酸亜鉛に化学的に改質されたものを
言う。
【0010】本発明の画像受理層は、上記の様な該カル
ボン酸基含有の酸化亜鉛粒子を主として含有するもので
あり、この事により、特に乾式トナーを用いた電子写真
複写機あるいは感熱転写方式の複写機からの画像形成に
おいて、欠落のない画像及び非画像部の汚れのない製版
物が得られ、且つ不感脂化処理をして印刷版とした後オ
フセット印刷した印刷物も地汚れのない鮮明な画像を得
ることが可能となる。本発明の画像受理層は該カルボン
酸基含有酸化亜鉛粒子が分散されたものであり、その表
面は、好ましくはベック平滑度で30〜120(秒/1
0cc)、より好ましくは40〜100(秒/10c
c)の範囲に調整されている。これにより、非画像部の
トナー飛散あるいはインク付着による汚れが実用上問題
とならず、且つ画像部のトナーあるいはインク付着が均
一且つ充分になされ、細線、細文字の再現性やベタ部の
均一性が良好となる。
【0011】これに対して、該カルボン酸処理をしてい
ない酸化亜鉛粒子を用いた画像受理層では、上記のベッ
ク平滑度の範囲においても非画像部の汚れが発生する。
両者の製版後の非画像部を200倍の光学顕微鏡で観察
すると、単位面積当たりの飛散トナーの付着数はほぼ同
数であるが、付着したトナーの大きさに大きな違いがあ
り、15μm以上の大きなトナー粒子数が、本発明のも
のは従来のものに比べ約60%以下と著しく少なくな
る。この結果、地汚れは実用上問題とならないレベルに
抑制される。更に、最終目的である不感脂化処理を施し
た印刷版を作成し印刷した場合に、本発明による印刷版
は微少な飛散トナーの不感脂化が充分に進行し、非画像
部の汚れがより少なく実用上全く問題とならないもので
あり、且つ細線、細文字の再現性及びベタ部の均一性に
優れた画像の印刷物を提供することができる。
【0012】この様な本発明の優れた効果を発する主な
理由の1つとして、本発明の画像受理層表面の形状によ
る効果が挙げられる。即ち、触針式表面粗さ計での測定
による三次元表面粗さ及びSEMによる表面写真を調べ
た所、該カルボン酸処理しない酸化亜鉛を用いた画像受
理層に比べて、本発明の画像受理層は、凹凸の形成が高
く且つ間隔が密な表面状態を形成している。具体的に
は、ISO−468で定義される。表面中心平均粗さS
Raが1.36〜2.0μmの範囲で且つ表面粗さの密
度を表示する平均波長Sλaが45μm以下の範囲であ
る。この事により、電子写真製版後の非画像部への飛散
トナーの付着及び付着トナーの定着時の太りが抑制され
るものと推定される。
【0013】他の理由として、本発明の画像受理層の水
との接触角を調べて見ると未処理酸化亜鉛から成る原版
の接触角が90°なのに比べて、70°以下であり著し
く親水性の改良された表面となっている。これにより、
迅速処理を行なう不感脂化処理時に、不感脂化処理液と
の膜表面の濡れ性が向上し、且つ疎水性表面を有する未
処理酸化亜鉛粒子に比較し、親水性のカルボン酸基を表
面に修飾した本発明の粒子自身が極めて親水性が向上し
ていることによって不感脂化が充分に進行し易くなり、
非画像部の親水化が充分に行なわれるのである。以上の
様にして、該カルボン酸と化学処理して得られた酸化亜
鉛粒子を用いる本発明の画像受理層は、表面の形状が特
定の状態に制御され且つ親水性を保つこと等の相乗効果
によって良好な印刷物を与えることができる直描型平版
印刷用原版となる。該カルボン酸基含有酸化亜鉛を製造
するために用いられる酸化亜鉛は、例えば日本顔料技術
協会編「新版顔料便覧」319頁、(株)誠文堂、(1
968年刊)に記載の如く、酸化亜鉛、亜鉛華、湿式亜
鉛華あるいは活性亜鉛華として上市されているもののい
ずれでもよい。即ち、酸化亜鉛は、出発原料及び製造方
法により、乾式法としてフランス法(間接法)アメリカ
法(直接法)及び湿式法と呼ばれるものがあり、例え
ば、正同化学(株)、堺化学(株)、白水化学(株)、
本荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三井金属工業
(株)等の各社から市販されているものが挙げられる。
湿式法で得られた酸化亜鉛を用いた方が、地カブリが更
に軽減され好ましい。
【0014】本発明に供せられる該カルボン酸は、それ
自身あるいは該カルボン酸塩のいずれでもよい。該カル
ボン酸としては、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ
基、カルボキシル基が選ばれる少なくとも1種の極性基
を含有する炭素数6個以下の脂肪族カルボン酸が挙げら
れる。即ち、ギ酸、酢酸プロピオン酸、酢酸、吉草酸、
カプロン酸等のアルカンカルボン酸類及びプロペンカル
ボン酸、ブテンカルボン酸、ペンテンカルボン酸、ヘキ
センカルボン酸等のアルケンカルボン酸類中に、置換基
として上記した、極性基を少なくとも1種含有する化合
物であり、更に、他の置換基を含有してもよい。他の置
換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素)、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基)、シアノ基、ホルミル基、炭素数
1〜40のアルキル基置換のカルボン酸エステル基(例
えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基
等)、アルキルチオール基(メチルチオール基、エチル
チオール基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピ
オニル基等)、アルカンスルホニル基(例えばメタンス
ルホニル基等)、アミド基等が挙げられる。
【0015】更に具体的には、多塩基酸類(例えば、修
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、
アジピン酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、イ
タコン酸、フマール酸、ムコン酸、カルボキシメチルメ
ルカプトプロピオン酸、フルオロコハク酸、クロロコハ
ク酸、ジクロロコハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコ
ハク酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、メチ
ルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、メチルメルカプト
マレイン酸、シアノマロン酸、カルボキシメチルコハク
酸、メトキシカルボニルエチルコハク酸、3−メチルグ
ルタル酸、等)、オキシカルボン酸類(例えば、グリコ
ール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、オキシ酪酸、グリセ
リン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、
グルコン酸、ガラクタル酸、マンデル酸3,4−ジヒド
ロキシ酪酸等)、アミノカルボン酸類及びその誘導体
(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イ
ソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチ
ン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシ
ン、アルギニン、N−(2−カルボキシエチルカルバモ
イル)セリン、アミノ酪酸、等)、チオグリコール酸、
メルカプトプロピオン酸、3,4−ジメルカプト酪酸等
が挙げられる。本発明に供せられる該カルボン酸として
は、これらの具体例に限定されるものではない。又、こ
れらの化合物は1種でもよいし、2種以上を併用しても
よい。2種以上を混合使用する場合には、その結果とし
て、1×10-4モル(酸化亜鉛100g当たり)以内を
用いる。
【0016】本発明の該カルボン酸は、塩として用いて
もよく、具体的な塩としては、無機塩(例えばリチウ
ム、ナトリウム、カリウム等の塩)、アンモニウム塩、
あるいは有機塩基との塩〔例えば1級アミン、2級アミ
ン又は3級アミン(炭化水素基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル
基、シクロオクチル基、ベンジル基、フェネチル基等
で、又これらの炭化水素基は、ヒドロキシ基、ハロゲン
原子、シアノ基、アルコキシ基、アミド基等の置換基を
含有していてもよい)、アニリン類(例えばアニリン、
N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−
エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−N
−ブチルアニリン等)、あるいはヘテロ原子含有の環状
窒素化合物(例えば、ピリジン、モルホリン、ピペラジ
ン、ピリジン等)〕が挙げられる。これらの塩化合物
は、多塩基酸の場合には、一部あるいは全てが塩であっ
てもよく、又形成する塩は同じでも異なってもよい。あ
るいは、本発明において、下記の様にして、酸化亜鉛表
面を改質する際には、該カルボン酸は、相当するカルボ
ン酸無水物として用いてもよい。
【0017】酸化亜鉛中に含有される該カルボン酸基の
含有量は、酸化亜鉛100gあたり、該カルボン酸基が
1.0×10-4モル〜1.0×10-1モルであることが
好ましい。鮮明な複写画像の画像部と地汚れのない非画
像部とから成る印刷物を得るにはこの範囲は適当であ
る。より好ましくは2.0×10-4〜5.0×10-2モ
ルである。
【0018】本発明の該カルボン酸基含有の酸化亜鉛
は、酸化亜鉛粉体を、好ましくは該カルボン酸、カルボ
ン酸塩もしくはカルボン酸無水物を溶解する分散媒中に
分散させた後、酸性条件下で、所定量の本発明の化合物
を加えて混合することにより得られる。酸化亜鉛微粒子
表面でプロトンとの界面反応により亜鉛イオンが生成
し、これが迅速に該カルボン酸イオンとキレート反応を
生じ、このキレート化合物が分散媒に不溶性のため、速
やかに微粒子表面に沈殿固定し、本発明の表面部分が化
学改質された酸性亜鉛粒子となるか、あるいは、カルボ
ン酸無水物が酸化亜鉛表面に吸着し酸化亜鉛と化学反応
し、該キレート化合物を表面に形成すると考えられる。
基本的に酸化亜鉛/カルボン酸量とともに、分散物系中
のプロトンの存在量を調節することで、容易にキレート
化物量を制御することができる。
【0019】又、酸化亜鉛を分散する分散媒とカルボン
酸を溶解する分散媒とは必ずしも溶解しなくてもよく、
即ち、不均一系においても、分散機により、ミクロな状
態に両者が分散されていれば、同様な処理を進行させる
ことが可能である。具体的には、酸化亜鉛粉体を分散媒
とともに酸性条件下に、該カルボン酸もしくは、その酸
塩とともに従来公知の湿式分散媒を用いて分散した後、
遠心分離等で分散物を補集し、充分水洗した後、乾燥し
て所望の粉体を得ることができる。この際、酸化亜鉛粉
体の分散性を向上もしくは調節するために、従来公知の
分散剤を併用することが好ましい。あるいは、上記の様
に、該カルボン酸処理した分散物を、分別して単離する
ことなく画像受理層の結着樹脂、更には他の添加物を加
えて、再分散して画像受理層用途工分散物を調製し、支
持体上に塗工する方法、又、酸化亜鉛、結着樹脂他の添
加剤を分散媒とともに予め分散した後、所定量の該カル
ボン酸、その塩もしくは酸無水物を加えて混合して塗工
用分散物を調製し、支持体に塗布する方法等があげられ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】本発明の画像受理層に供される結着樹脂と
しては、従来の結着樹脂として知られている全てのもの
が利用できる。代表的なものは塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
メタクリレート共重合体、メタクリレート共重合体、ア
クリレート共重合体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
ブチラール、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂等、ま
た水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、
ポリアミド、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これ
らの樹脂は単独で用いてもよいし2種以上を併用しても
よい。本発明の画像受理層に供される結着樹脂の分子量
は、好ましくは103 〜10 6 、より好ましくは5×1
03 〜5×105 である。また、この樹脂のガラス転移
点は好ましくは−10℃〜120℃、より好ましくは0
℃〜90℃である。本発明の画像受理層には、上記した
成分とともに、他の構成成分を含有してもよい。
【0021】含有されてもよい他の成分として本発明に
供される表面改質された酸化亜鉛の他に無機顔料として
は、例えば、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭
酸マグネシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ等が挙
げられる。これらの無機顔料の中で、酸化亜鉛を併用す
る場合には、本発明の表面改質酸化亜鉛100重量部に
対して、好ましくは10〜90重量部の割合で用いるこ
とができる。より好ましくは20〜80重量部である。
又は他の無機顔料を併用する場合は、本発明の表面改質
酸化亜鉛に対して20重量部を越えない範囲で用いるこ
とができる。更には、該画像受理層の不感脂化向上のた
めに、特開平4−201387号、同4−223196
号、同4−319491号、同5−58071号、同4
−353495号、同5−119545号各公報等に記
載の特定の官能基を含有する樹脂粒子を含有させてもよ
い。これら他の無機顔料あるいは樹脂粒子が上記の使用
範囲の中で用いられることで不感脂化処理による非画像
部の不感脂化(親水性)が充分になされ、印刷物の地汚
れが抑制され、又、画像部が画像受理層と充分に密着
し、印刷枚数が多くなっても画像の欠損を生じることな
く充分な印刷性を得ることができる。
【0022】画像受理層中の顔料/結着樹脂の割合は、
一般に顔料100重量部に対して、結着樹脂が10〜2
5重量部の割合であり、好ましくは13〜22重量部の
割合である。この範囲において、本発明の効果が有効に
発現するとともに、印刷時における膜強度の保持あるい
は不感脂化処理時の高い親水性の維持がなされる。その
他、画像受理層には、膜強度をより向上させるために架
橋剤を添加してもよい。特に、結着樹脂として、水溶性
樹脂を用いる場合には、架橋剤を併用して膜を硬化し、
耐水性を向上させることが好ましい。
【0023】架橋剤としては、通常架橋剤として用いら
れる化合物を挙げることができる。具体的には、山下晋
三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(19
81年)、高分子学会編「高分子データハンドブック、
基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化合
物を用いることができる。
【0024】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、有機シラン系化合物(例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン等のシランカップリング剤等)、ポリ
イソシアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソシ
アナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフ
ェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、高分子ポリイソシア
ナート等)、ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブ
タンジオール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシエチレングリコール、1,1,1−トリメチロー
ルプロパン等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレ
ンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミ
ン、フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N
−アミノエチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類
等)、チタネートカップリング系化合物(例えばテトラ
ブトキシチタネート、テトラクロロエポキシチタネー
ト、イソプロピルトリステアロイルチタネート等)、ア
ルミニウムカップリング系化合物(例えばアルミニウム
ブチレート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミ
ニウムオキシドオクテート、アルミニウムトリス(アセ
チルアセテート)等)、ポリエポキシ基含有化合物及び
エポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」
昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹
脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化
合物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫
編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(196
9年刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリ
レート系化合物〔例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏
延編「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三
「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年
刊)等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0025】本発明では、画像受理層中での架橋反応を
促進させるために、必要に応じて反応促進剤を添加して
もよい。架橋反応が官能基間の化学結合を形成する反応
様式の場合には、例えば有機酸類(酢酸、プロピオン
酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等)、フェノール類(フェノール、クロロフェノー
ル、ニトロフェノール、シアノフェノール、ブロモフェ
ノール、ナフトール、ジクロロフェノール等)、有機金
属化合物(アセチルアセトナートジルコニウム塩、アセ
チルアセトンジルコニウム塩、アセチルアセトコバルト
塩、ジラウリン酸ジブトキシスズ等)、ジチオカルバミ
ン酸化合物(ジエチルジチオカルバミン酸塩等)、チノ
ウラムジスルフィド化合物(テトラメチルチノウラムジ
スルフィド等)、カルボン酸無水物(無水フタル酸、無
水マレイン酸、無水コハク酸、ブチルコハク酸無水物、
3,3′,4,4′−テトラカルボン酸ベンゾフェノン
ジ無水物、トリメリット酸無水物等)等が挙げられる。
架橋反応が重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過
酸化物、アゾビス系化合物等)が挙げられる。
【0026】結着樹脂は、画像受理層組成物を塗布した
後、光及び/又は熱硬化されることが好ましい。熱硬化
を行なうためには、例えば、乾燥条件を従来の受理層作
製時の乾燥条件より厳しくする。例えば、乾燥条件を高
温度及び/又は長時間とするか、あるいは塗布溶剤の乾
燥後、更に加熱処理することが好ましい。例えば60℃
〜150℃で5〜120分間処理する。上述の反応促進
剤を併用すると、より穏やかな条件で処理することがで
きる。
【0027】樹脂中の特定の官能基を光照射で硬化する
方法としては、化学的活性光線で光照射する工程を入れ
る様にすればよい。化学的活性光線としては、可視光
線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、γ線、α線など
いずれでもよいが、好ましくは紫外線、より好ましくは
波長310nmから波長500nmの範囲の光線であ
る。一般には低圧、高圧あるいは超高圧の水銀ランプ、
ハロゲンランプ等が用いられる、光照射の処理は通常5
cm〜50cmの距離から10秒〜10分間の照射で充
分に行うことができる。
【0028】本発明の画像受理層は耐水性支持体上に設
けられる。耐水性支持体としては、耐水化処理を施した
紙、プラスチックフィルムあるいは金属箔をラミネート
した紙又はプラスチックフィルム等を用いることができ
る。本発明では支持体と画像受理層との間に耐水性及び
層間接着性を向上する目的で中間層を、また画像受理層
とは反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコ
ート層(裏面層)を設けることができる。ここで中間層
はアクリル樹脂、エチレン−ブタジエン共重合体、メタ
アクリル酸エステル−ブカジエン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のエマルジョン型樹脂;エポキシ樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の
溶剤型樹脂;前述のような水溶性樹脂等の少なくとも1
種を主成分として構成されるが、必要に応じて無機顔料
や耐水化剤を添加することができる。バックコート層の
構成も中間層とほぼ同様である。
【0029】電子写真製版として用いられる場合には、
本発明の印刷原版の地汚れをいっそう低減するため、印
刷原版としての画像受理層が体積固有抵抗が108 〜1
013Ωcmとなるように、画像受理層、中間層及び/又
はバックコート層に導電剤を添加することができる。導
電剤としては、無機系のものでも有機系のものでもいず
れでもよく、単独もしくは2種以上を併用してもよい。
無機系のものとしては、例えば、Na,K,Li等の1
価金属の塩、Mg,Ca,Ba,Zn,Ti,Co,N
i,Zr,Al,Si等の多価金属の塩又は酸化物ある
いはアンモニウム塩等が挙げられる。有機系のものとし
ては、低分子化合物でも高分子化合物でもいずれでもよ
く、従来、導電化剤、帯電防止剤あるいは界面活性剤等
に用いられる化合物が挙げられる。例えば、金属セッケ
ン(例えば有機カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸の
金属塩等)、4級塩化合物(4級アンモニウム塩、ホス
ホニウム塩等)、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活
性剤、カチオン界面活性剤、アルコール化合物(例え
ば、アセチレン−1,2−ジオールキシリレンジオー
ル、ビスフェノールA等の結晶性化合物)等、公知の材
料を、単独もしくは2種以上を任意に混合して、用いる
ことができる。
【0030】これらの導電剤の添加量は各層に使用され
るバインダー量の3〜40重量%、好ましくは5〜20
重量%である。本発明の直描型平版印刷用原版を作るに
は一般に、支持体の一方の面に、必要あれば中間層成分
を含む溶液を塗布乾燥して中間層を形成後、画像受理層
成分を含む溶液を塗布乾燥して画像受理層を形成し、更
に必要あれば他方の面にバックコート層成分を含む溶液
を塗布乾燥してバックコート層を形成すればよい。なお
画像受理層、中間層、バックコート層の塗布量は、それ
ぞれ1〜30g/m2 、特に6〜20g/m2 が適当で
ある。
【0031】本発明の直描型平版印刷用原版を用いた印
刷版の作成は、上記した構成の直描型平版印刷用原版
に、公知技術により画像を形成・定着して製版した後、
不感脂化液で表面処理して非画像部を不感脂化して行わ
れる。酸化亜鉛の不感脂化は、従来よりこの種の不感脂
化処理液として、フェロシアン塩、フェリシアン塩を主
成分とするシアン化合物含有処理液、アンミンコバルト
錯体、フィチン酸及びその誘導体、グアニジン誘導体を
主成分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオンとキレー
トを形成する無機酸あるいは有機酸を主成分とした処理
液、あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液等が知ら
れている。例えは、シアン化合物含有処理液として、特
公昭44−9045号、同46−39403号、特開昭
52−76101号、同57−107889号、同54
−117201号各公報等に記載のものが挙げられる。
【0032】フィチン酸系化合物含有処理液としては、
特開昭53−83807号、同53−83805号、同
53−102102号、同53−109701号、同5
3−127003号、同54−2803号、同54−4
4901号各公報等に記載のものが挙げられる。コバル
ト錯体等の金属錯体系化合物含有処理液としては、特開
昭53−104301号、同53−140103号、同
54−18304号、特公昭43−28404号各公報
に記載のものが挙げられる。無機又は有機酸含有処理液
としては、特公昭39−13702号、同40−103
08号、同43−28408号、同40−26124
号、特開昭51−118501号各公報等に記載のもの
が挙げられる。グアニジン化合物含有処理液としては、
特開昭56−111695号公報等に記載のものが挙げ
られる。水溶性ポリマー含有の処理液としては、特開昭
52−126302号、同52−134501号、同5
3−49506号、同53−59502号、同53−1
04302号、特公昭38−9665号、同39−22
263号、同40−763号、同40−2202号、特
開昭49−36402号各公報等に記載のものが挙げら
れる。
【0033】以上のいずれの不感脂化処理においても、
表面層中の酸化亜鉛がイオン化して亜鉛イオンとなり、
このイオンが不感脂化処理液中のキレートを形成する化
合物とキレート化反応を生じ、亜鉛キレート化物を形成
し、これが表面層中に沈着して親水化されるものと考え
られている。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。 (実施例1)乾式酸化亜鉛(SAZEX−2000:堺
化学(株)製商品名)100g、下記構造の結着樹脂
(A−1)3.2g、結着樹脂(A−2)12.8g、
シュウ酸4gの水溶液10g及びトルエン174gの混
合物をホモジナイザー〔日本精機(株)製〕で、回転数
7×103 r.p.m.で5分間分散し、画像受理層用
組成物を得た。
【0035】結着樹脂A−1
【化1】
【0036】結着樹脂A−2
【化2】
【0037】軽印刷用電子写真式平版印刷原版として用
いられているELP−1型マスター〔富士写真フィルム
(株)製商品名〕の支持体を用い、この上に上記組成物
をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥
して、塗布量12g/m2 の画像受理層を形成し直描型
平版印刷用原版を得た。
【0038】(比較例1)実施例1において用いたシュ
ウ酸4.0を除いた他は、実施例1と全く同様にして直
描型平版印刷原版を作成した。
【0039】(比較例2)比較例1において、実施例1
で作成した原版の表面のベック平滑度がほぼ同じになる
様に分散条件を調整した地は、比較例1と同様にして直
描型平版印刷原版を作成した。以上の様にして作成した
実施例1及び比較例1〜2の各印刷原版を用いて、下記
に述べるように乾式トナーを用いたレーザープリンター
により製版し、不感脂化処理をして印刷版を作成し、印
刷を行なったところ、表−1に示す様な結果を得た。
【0040】
【表1】
【0041】表−1に示した評価項目は以下の通りであ
る。 注1)画像受理層の平滑性:印刷原版をベック平滑度試
験機〔熊谷理工(株)製〕を用い、空気容量10ccの
条件にてその平滑度(秒/10cc)を測定した。
【0042】注2)三次元表面粗さ:印刷原版を三次元
粗さ測定装置(SE−3FK、(株)小坂研究所製商品
名)及び三次元粗さ解析装置(SPA−11、(株)小
坂研究所製商品名)を用いて、その三次元表面粗さを下
記条件下で測定した。 測定条件 測定長 X軸:2.5mm、 Y軸:0.4mm 軸サンプリングピッチ:0.05μm 傾斜補正あり、カットオフなし 測定値 表面/中心平均粗さ : SRa(μm) 平均波長 :Sλa(μm) これらの測定は、ISO−468の基準に従がい、具体
的には、例えば奈良治郎「表面粗さの測定・評価法」
(株)総合技術センター(1983年刊)に詳述されて
いる。
【0043】注3)表面濡れ性 印刷原版の表面に、蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表
面接触角(度)を、表面接触角計〔CA−D,協和界面
科学(株)製商品名〕を用いて測定した。本値が低い
程、水への濡れ性がよく、親水性であることを示す。
【0044】注4)製版画質 印刷原版を、AM−Straight Imaging
Systemとして市販されている:乾式トナーを用
いたレーザープリンター(AMSIS・1200−J
Plate Setter−商品名−)を通して得られ
た製版物の複写画像について20倍のルーペを用いて目
視評価した。
【0045】注5)印刷画質 印刷原版を、注4)と同一の操作で製版した後、不感脂
化処理液(SICS、日本エーエム社(株)製)を全自
動印刷機(AM−2850、エーエム社(株)製商品
名)のエッチャー部に入れ、湿し水として、不感脂化処
理液(SICS)を蒸留水で4倍に希釈した溶液を、湿
し水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、
印刷機に製版物を通して印刷を行なった。印刷10枚目
の印刷物の印刷画像(地カブリ、画像部のベタ均一性)
を20倍のルーペを用いて目視評価した。
【0046】注6)耐刷性 上記注5)と同様に操作して印刷し、印刷物の地汚れも
しくは画像の欠落が目視で判別できるまでの印刷枚数を
調べた。
【0047】表−1に示す様に、同一支持体上に設けた
各原版の画像受理層において、本発明の原版と全く同じ
分散条件で得られた比較例1では原版の平滑性は、ベッ
クの平滑度に著しい差を生じた。又、比較例2で前記の
ように、本発明の原版と同等のベック平滑度を得るため
には、分散条件を調整しなければならなかった。この事
は、酸化亜鉛粒子の分散性が異なっていることが影響し
ていると考えられる。更に、これら各原版の表面粗さを
調べて見ると、表面凹凸の大きさを表わす中心平均粗さ
SRaと凹凸の間隔の目安となる平均波長Sλaの各数
値から、ベック平滑性が同等である本発明の原版と比較
例2の原版とではSRaはほぼ同じだがSλaに大きな
差があり、本発明のものが密に凹凸を形成していた。
【0048】又、表面層の濡れ性を水との接触性で測定
した所、本発明のものは値が低く、親水性が高くなっ
た。他方、表面処理をしない酸化亜鉛を主とした比較例
1〜2の表面は、接触角が高くなった。次に原版を実際
に製版し更に表面を不感脂化処理しな印刷版として、オ
フセット印刷を行ない、その結果について比較検討した
所、本発明の原版のみが、製版画質及び印刷画質ともに
良好であった。即ち、レーザープリンターからの乾式ト
ナー転写により得られた本発明の製版物は、細線・細文
字の欠落がなく、ベタ部も均一で、トナー転写のムラは
全く認められず、且つ非画像部も、トナー飛散による地
カブリも微かで実用上問題のない良好なものであった。
【0049】これに対して、表面処理をしない湿式酸化
亜鉛を用いた比較例1の製版物は、画像ベタ部で微かに
ムラが発生し、非画像部の地カブリが増加し、実用でき
るレベルには到達しなかった。又、ベック平滑度が同等
であった比較例2は、転写された画像部(細線・細文字
の再現性及びベタの均一性)は良好であったが、非画像
部のカブリが比較例1よりも劣化し、著しく多くなっ
た。
【0050】次に、製版物を不感脂化処理して印刷版と
し、その性能を得られた印刷物で評価した所、本発明に
よる印刷版のみが、細線・細文字の欠落及びベタ部のム
ラのない画像を有し、非画像部のインキ汚れも実用上問
題のない良好な印刷物を3000枚以上提供した。他
方、比較例1及び2は、非画像部の地汚れが刷り出しか
ら生じてしまい、3000枚刷ってもそれは変わらなか
った。
【0051】これらの結果から、供せられる酸化亜鉛粒
子に起因する画像受理層の特性と、製版・印刷における
画像性能とに密接な関係があると考えられる。即ち、本
発明に供せられる該カルボン酸により表面の一部を化学
修飾された酸化亜鉛は、未処理の酸化亜鉛と比べ、画像
受理層分散物調製の分散条件の結果から、粒度分布が比
較的均一で且つ、その表面の凹凸が密な状態のものが得
られる。これに対し、該カルボン酸で表面改質されてい
ない酸化粒子は、上記の様な表面状態を形成することが
できず、プリンターからのトナー転写転写時に、非画像
部へのトナー飛散の傾向が顕著になったと考えられる。
【0052】又ベック平滑度がほぼ同等だが、三次元表
面粗さから分る如く、比較例2に較べ本発明の原版は、
凹凸が密な状態で形成されている。更に、製版後の非画
像部の地汚れとなっている部分を、200倍の光学顕微
鏡を用いて観察した所、地汚れとなっている飛散したト
ナー部の数は、単位面積(1mm2 )当たり15個と同
数であるが、そのトナーが15μm以上の大きさの数を
調べて見ると本発明のものは0〜1個と少ないのに対
し、比較例2では4〜5個と極めて多くなっていた。
【0053】これらのことから、本発明の原版を製版し
た時には、飛散トナーの非画像への付着を抑制し且つ加
熱ローラーによる定着においても、トナー粒子の太りが
防止され、その結果として、目視した時の地汚れの悪さ
に大きな影響を及ぼしたと考えられる。又、印刷物にお
ける実施例1と比較例2の地汚れの差は、上記製版物上
の飛散トナーの大きさと対応し、15μm以下の小さな
飛散トナーは不感脂化処理時に親水化されるが、粗大粒
子のトナーは残存し、インキ汚れを引き起こすこと、更
には、疎水性酸化亜鉛の表面が親水性に改質されたこと
で、本発明の表面は親水性が向上し、不感脂化処理液と
の濡れ性が著しく良化し、迅速処理が行なわれる不感脂
処理でも、容易に且つ充分に親水化されたこと等による
と考えられる。以上のように、本発明の印刷原版のみが
良好な印刷物を得ることができる。
【0054】(実施例2)湿式酸化亜鉛〔AZO:正同
化学(株)製商品名〕100g、分散剤〔キャリボンL
−400,三洋化成(株)製商品名〕1g及びグルコン
酸5.5gを溶解しアンモニア水でpH4.0に調整し
た水溶液150gの混合物を、ダイノミル分散機を用い
て、回転数3×103 r.p.m.で30分間分散した
後ガラスビーズを濾別した。この分散物に、結着樹脂と
して、アクリレートエマルジョン〔AE932、日本合
成ゴム(株)製商品名〕15g(固形分量として)を加
えて、ホモジナイザーで1×103 r.p.mで1分間
更に分散して画像受理層組成物を作成した。支持体とし
て、A.M−Straight Imaging Ma
sterSIM〔日本・エーエム社(株)製商品名〕用
として用いられる耐水化処理された紙支持体を用い、そ
の上に、上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、8
0℃で1分間乾燥して、塗布量10g/m2 で、ベック
平滑度58(秒/10cc)の画像受理層を設けた。
【0055】この印刷原版を、実施例1と同様にして、
製版し、不感脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷
を行なった。得られた印刷物は、実施例1と同様に、非
画像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も
3000枚以上と良好なものであった。又、感熱転写方
式のプリンター〔Write Movell、関東電子
(株)製商品名〕を用いて製版して得られた製版画像
は、非画像部へのインクリボンからのインク転移は少な
く、実用上問題とならない程度であった。更に、前記と
同様にSICSの処理液で不感脂化処理して印刷版と
し、オフセット印刷を行なった。得られた印刷物は、非
画像の汚れは微かで実用上全く問題とならず、画像部も
細線・細文字の欠落のないものであった。こうした良好
な印刷物が1000枚以上得られた。
【0056】(実施例3)湿式酸化亜鉛(AZO)10
0g、分散剤〔デモールEP,花王(株)製商品名〕
1.5g(固形分量として)及びシュウ酸6gを溶解し
アンモニア水でpH4.0に調整した水溶液150gの
混合物を、直径0.7〜1mmのガラスビーズ150g
とともに、ダイノシル分散機を用いて、回転数6×10
3 r.p.m.で15分間分散した後ガラスビーズを濾
別した。この分散物を遠心分離機で沈降物を補集し充分
水洗した後、減圧下に乾燥し固体粉末90gを得た。
【0057】上記処理した酸化亜鉛60g、酸化亜鉛
(AZO)40g、デモールEP1.2g(固形分量と
して)及び水150gの混合物を、直径0.7〜1mm
のガラスビーズ150gとともに、ダイノミル分散機
で、回転数3×103 r.p.m.で30分間分散した
後、ガラスビーズを濾別し、更にこの分散物に結着樹脂
として、アクリルエマルジョン〔セビアン−A4648
8,ダイセル化学工業(株)製商品名〕15g(固形分
量として)を加えて、攪拌機にて1×103 r.p.
m.で1分間攪拌して、画像受理層用分散物とした。
【0058】これを、実施例2で用いたと同様のSIM
用紙支持体上にワイヤバーを用いて塗布し、100℃、
1分間乾燥して塗布量12g/m2 で、ベック平滑度7
5(秒/10cc)の画像受理層を形成した。この印刷
原版は、実施例1と同様にして、製版し、不感脂化処理
して印刷版とし、オフセット印刷を行なった。得られた
印刷物は、実施例1と同様に、非画像部の汚れのない鮮
明な画質のものであり、耐刷性も3000枚以上と良好
なものであった。
【0059】(実施例4)乾式酸化亜鉛〔正同化学
(株)製〕100g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム1g、リンゴ酸10g、及び水140gの混合物を
0.1規定塩酸水溶液でpH3.0に調整した後、この
混合物をホモジナイザー分散機〔日本精機(株)製〕で
回転数1×103 r.p.m.で5分間分散した後、直
ちに10%水酸化ナトリウム水溶液でこの分散物のpH
を7.0に中和した。遠心分離機で分散物を遠心分離し
て、酸化亜鉛粒子を沈降させ、デカンテーションにより
沈殿物を取り出し、充分水洗した後、この粒状物を減圧
にて乾燥し、白色粉末190gを得た。この粉体を、ケ
イ光X線分析により、Zn/ 比を測定して得られた
結果より求めた酸化亜鉛100重量部中のカルボン酸基
含有量は、7.0×10-2モルであり、反応が進行した
ことを示している。
【0060】〈印刷原版の作成〉上記処理した酸化亜鉛
100g、下記構造の結着樹脂(A−3)12g及び結
着樹脂(A−4)3g及びトルエン250gの混合物を
ホモジナイザー分散機で、回転数7×103 にr.p.
m.で7分間分散し画像受理層用組成物を得た。この分
散物を、前記のSIM用支持体上に、ワイヤバーで塗布
し、温度110℃で30秒間加熱して乾燥して塗布量1
2g/m2 で、ベック平滑度60(秒/10cc)の画
像受理層を形成した。
【0061】結着樹脂A−3
【化3】
【0062】結着樹脂A−4
【化4】
【0063】この印刷原版を、実施例1と同様にして、
製版し不感脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷を
行なった。得られた印刷物は、実施例1と同様に、非画
像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も3
000枚以上と良好なものであった。
【0064】(実施例5)湿式酸化亜鉛(AZO)30
g、乾式酸化亜鉛(SAZEX−2000)70g、ポ
リスチレンスルホン酸ナトリウム1g、酒石酸6gを溶
解し、アンモニア水でpH4.0に調整した水溶液13
0gを、実施例3と同様の方法で分散した後分散物を濾
集した。この分散物にアクリルエマルジョン(AE93
2)14g(固形分量として)と水50gを加えて、1
×103 r.p.m.で1分間攪拌して画像受理層用分
散物とした。この分散物をSIM用紙支持体上にワイヤ
ーバーで塗布し、温度100℃で10分間乾燥して塗布
量12g/m2 で、ベック平滑度65(秒/10cc)
の画像受理層を形成した。この印刷原版を、実施例1と
同様にして、製版し、不感脂化処理して印刷版としオフ
セット印刷を行なった結果、非画像部に汚れのない鮮明
な画質の印刷物が3000枚以上得られた。又、実施例
2と同様に、感熱プリンターで製版して印刷版とし、印
刷した所、同様に、非画像部に汚れのない鮮明な画質の
印刷物が1000枚以上得られた。
【0065】(実施例6)実施例4で用いた、表面処理
した酸化亜鉛100g、下記構造の結着樹脂(A−5)
14g、下記内容のアクリル酸樹脂粒子分散物1.5g
(固形分量として)及びトルエン230gの混合物を、
ホモジナイザー分散機で回転数7×103r.p.m.
で7分間分散した。
【0066】結着樹脂A−5
【化5】
【0067】アクリル酸樹脂粒子分散物 アクリル酸10g、AA−6(東亜合成化学(株)製商
品名:メチルメタクリレートのマクロモノマー)2g及
びメチルエチルケトン55gの混合溶液を、窒素気流下
に温度60℃に加温した。これに2,2′−アゾビス
(イソバレロニトリル)0.2gを加え3時間反応さ
せ、更に前記開始剤0.1gを加えて4時間反応させ
た。得られた分散物は、反応率95%で、分散樹脂粒子
の平均粒径は0.20μmの単分散性良好なものであっ
た(粒径測定:CAPA−500(堀場製作所製商品
名)。この分散物を、SIM用紙支持体上にワイヤーバ
ーで塗布し、温度100℃で1分間乾燥して塗布量12
g/m2 で、ベック平滑度65(秒/10cc)の画像
受理層を形成した。この印刷原版を、実施例1と同様に
して、製版し、不感脂化処理して印刷版とし、オフセッ
ト印刷を行なった。得られた印刷物は、実施例1と同様
に非画像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷
性も3000枚以上と良好なものであった。
【0068】(実施例7〜14)実施例1において、シ
ュウ酸4gの代わりに、下記表−2の各化合物を5×1
0-2モルを用いた他は、実施例1と同様に操作して直描
型平版印刷用原版を作成した。各原版の表面のベック平
滑度は50〜60(秒/10cc)の範囲であった。
【0069】
【表2】 この印刷原版を、実施例1と同様にして、製版し、不感
脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷を行った。得
られた印刷物は、実施例1と同様に非画像部の汚れのな
い鮮明な画質のものであり、耐刷性も3000枚以上と
良好なものであった。
【0070】
【発明の効果】本発明により、オフセット原版として全
面一様な地汚れはもちろん点状の地汚れも発生させない
不感脂化性の優れた直描型平版印刷用原版を提供するこ
とができる。更に、静電転写方式による電子写真式複写
機からの描画によっても、印刷汚れのない鮮明な画像の
印刷物を得ることのできる直描型平版印刷用原版を提供
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に、酸化亜鉛及び結着樹
    脂を含有する画像受理層を有する直描型平版印刷用原版
    において、該酸化亜鉛がヒドロキシル基、チオール基、
    アミノ基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも1種
    の極性基を含有する炭素数6個以下の脂肪族カルボン酸
    基含有の酸化亜鉛より成ることを特徴とする直描型平版
    印刷用原版。
  2. 【請求項2】 前記酸化亜鉛が、上記脂肪族カルボン酸
    基を酸化亜鉛100gあたり、1.0×10-4モル〜
    5.0×10-1モル含有して成る酸化亜鉛であることを
    特徴とする請求項1に記載の直描型平版印刷用原版。
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