JPH0827622A - ポリベンザゾールモノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

ポリベンザゾールモノフィラメントおよびその製造方法

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JPH0827622A
JPH0827622A JP15462494A JP15462494A JPH0827622A JP H0827622 A JPH0827622 A JP H0827622A JP 15462494 A JP15462494 A JP 15462494A JP 15462494 A JP15462494 A JP 15462494A JP H0827622 A JPH0827622 A JP H0827622A
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dope
polybenzazole
polymer
monofilament
wire
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JP15462494A
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Yoshihiko Teramoto
喜彦 寺本
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量な高弾性率線材及びその製造方法を提供
すること。 【構成】 断面積が0.025mm2 相当以上で、弾性
率が100GPa相当以上のポリベンザゾール線材。お
よびこれらを成形する方法として、溶融したポリマー溶
液から得られたフィラメントを十分に冷却した後、適量
な歪み条件下で脱溶媒をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い熱安定性を有する
軽量な高弾性率線材に有用なポリベンザゾールモノフィ
ラメントに関するものである。ポリベンザゾール線材
は、ネット、スクリーン、ブラシ、ガット、テンション
メンバー、ゴム補強材、その他一般の産業資材として用
いることができる。
【0002】
【従来の技術】ライオトロピック液晶性のポリベンズオ
キサゾールとポリベンズチアゾールポリマーは熱可塑性
を示めさない。これらは、特表63-500529 号公報に示さ
れたようなドライ・ジェット・ウェット・スピニング法
により繊維化される。すなわち、ポリベンザゾールポリ
マーと酸溶媒を含むドープを紡糸口金より押し出し、エ
アギャップで引き伸ばし、溶媒を希釈し、ポリマーを溶
解させない非溶媒と接触させることによって凝固する方
法による。
【0003】しかしながら、これまではポリベンザゾー
ル繊維の高強力・高弾性率化を念頭に研究が進められて
きた為に、ポリベンザゾール線材の性能や製造方法につ
いては試みられることがなかった。そのため、単糸繊度
で高々10dpf以下の繊維製造に関する技術はあった
が、線材として十分な曲げ硬さや、耐磨耗性を発揮でき
る15dpf以上で良好な繊維形態と力学特性を有する
ポリベンザゾール繊維については知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた機械
特性を有するポリベンザゾールモノフィラメント及びこ
れらを製造する方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、単糸繊
度が15dpf以上、初期弾性率が700g/d以上で
あることを特徴とするポリベンザゾールモノフィラメン
ト。及びそれらを、酸溶媒とポリベンザゾールポリマー
からなるドープから単糸デニールが15dpf以上のポ
リベンザゾールモノフィラメントの製造方法において、
次の工程から成ることを特徴とするポリベンザゾールモ
ノフィラメントの製造方法。 (1)ポリマー濃度7wt%以上のドープを口金より押
し出しドープフィラメントを形成し、 (2)このドープフィラメントを非凝固性流体中もしく
は冷却固体に接触させてドープの固化温度以下に冷却
し、次いで (3)該フィラメントをおよそ0.15%以上の引き伸
ばしを与えつつ大部分の酸溶媒を除去し、その後乾燥す
る。 (4)洗浄したフィメントを乾燥させる。 である。
【0006】本発明のポリベンザゾールポリマーとはラ
イオトロピック液晶性ポリベンザゾールポリマー、すな
わちポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾールも
しくはこれらの共重合ポリマーを含む紡糸原液を使用す
る。ここで使用するポリベンザゾールポリマーとは、Wo
lfe らの「Liquid Crystalline Polymer Compositions,
Process and Products」U.S.Patent 4,703,103(October
27,1987) ;Wolfe らの「Liquid Crystalline Polymer
Compositions,Process and Products」U.S.Patent 4,5
33,692(August 6,1985) ;Wolfe らの「Liquid Crystal
line Poly(2,6-Benzothiazole) Compositions,Process
and Products」U.S.Patent 4,533,724(August 6,1985)
;Wolfe らの「Liquid Crystalline Polymer Composit
ions,Process and Products」U.S.Patent 4,533,693(Au
gust 6,1985) ;Evers 「Thermoxdatively Stable Arti
culated p-Benzobisoxazole p-Benzobisthiazole Polym
ers」U.S.Patent 4,359,567(November 16,1982);Tsai
らの「Method for Making Heterocyclic Block Copolym
er Compositions,Process and Products」U.S.Patent4,
578,432(March 25,1986) ;11 Ency.Poly.Sci.& Eng.,
「Polybenzothiazolesand Polybenzoxazoles 」,601(J.
Wiley & Sons 1988) and W.W.Adams ら「TheMaterials
Science and Engineering of Rigid-Rod Polymers」(Ma
terials Research Society 1989) に記載されているよ
うなPBO、PBTおよびPBO、PBTのランダム、
シーケンシャル、ブロック共重合ポリマー。
【0007】ポリマーは化学構造式1(a)に代表されるよ
うなAB型 かつ/または 化学構造式1(b)に代表され
るようなAA/BB型単位であってもよい。
【0008】
【化1】
【0009】ここに、各々のArはライオトロピック液
晶ポリマー(すなわち”臨界濃度点以上で液晶ドメイン
を形成する)ポリベンザゾールポリマーから選ばれた芳
香属基を表わす。芳香属基はピリジニレン基のようなヘ
テロ環であってもよい、但し炭素で環を形成している事
が好ましい。芳香属基は縮合した多環基環若しくは縮合
していない多環基であってもよい、但し1つの6員環が
好ましい。大きさは制約はないが、芳香属基は18個以
下の炭素原子を含む事が好ましく、より好ましくは12
個以下の炭素原子を含む事が好ましく、さらに好ましく
は6個以下の炭素原子を含む事が好ましい。AA/BB
型単位のAr1は1,2,4,5-フェニレン構造もしくはその類
似体である事が好ましい。AB型単位のAr は1,3,4-フ
ェニレン構造もしくはその類似体である事が好ましい。
各々のZは互いが無関係に酸素原子もしくは硫黄原子で
ある。各々のDMは互いが無関係に直接結合もしくはラ
イオトロピック液晶ポリマーとなるポリベンザゾールの
中から選ばれた2価の有機構造である。2価の構造単位
としては、前述の芳香属基(Ar )が好ましい。特に、
1,4-フェニレン構造もしくはその類似体が好適である。
各々のアゾール環の窒素原子とZ構造は隣接する芳香属
基の炭素原子と結合して、5員アゾール環と芳香属基が
縮合した形になっている。AA/BB型単位のアゾール
環は、引用文献中の11 Ency.Poly.Sci.& Eng.,「Polybe
nzothiazoles and Polybenzoxazoles 」,601(J.Wiley &
Sons 1988) に図示されているシス型もしくはトランス
型の何れであってもよい。
【0010】ポリマーはAB−PBZ繰り返し単位もし
くはAA/BB−PBZ繰り返し単位で構成される事が
好ましく更に好ましくは本質的にAA/BB−PBZ繰
り返し単位で構成される事が好ましい。ポリマー中のア
ゾール環はZが酸素原子であるオキサゾール環である事
が好ましい。
【0011】本発明で用いる繰り返し単位は構造式2
(a)-(h) に示したものが好ましい。より好ましくは構造
式2(a)-(f) に示したものが良く、更に好ましくは構造
式2(a)-(d) に示したものが好適である。
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】各々のポリマーは少なくとも平均でおよそ
25以上の繰り返し単位を有する事が好ましい、より好
ましくは少なくともおよそ50以上の繰り返し単位を有
する事が好ましく、更に好ましくは少なくともおよそ1
00以上の繰り返し単位を有する事が好ましい。AA/
BB−PBZ剛直鎖の極限粘度数は、25℃メタンスル
フォン酸の測定で、少なくともおよそ10dl/g以上であ
る事が好ましい、より好ましくは少なくともおよそ15
dl/g以上である事が好ましく、更に好ましくは少なくと
もおよそ20dl/g以上である事が好ましい。ある用途に
対しては極限粘度数は、少なくともおよそ25もしくは
30dl/gであることが最適である。極限粘度数は、60
dl/gであってもよいが、40dl/gである事が好ましい。
半剛直なAB−PBZポリマーの極限粘度数は、少なく
ともおよそ5dl/g以上である事が好ましい、より好まし
くは少なくともおよそ10dl/g以上である事が好まし
く、更に好ましくは少なくともおよそ15dl/g以上であ
る事が好ましい。
【0015】このポリマーあるいはコポリマーは溶媒に
溶解し溶液若しくはドープとする。ポリベンツオキサゾ
ールとポリベンゾチアゾールはクレゾールに解けるが、
溶解可能な酸を溶媒として用いることが好ましい。酸は
非酸化性がよい。好ましい溶媒の例として、ポリ燐酸、
メタンスルフォン酸、硫酸およびこれらの混合物が挙げ
られる。酸は、ポリ燐酸およびまたはメタンスルフォン
酸がより好ましく。更に好ましくはポリ燐酸がよい。
【0016】ドープはドープの液晶ドメインを形成する
のに十分な濃度のポリマーを含む必要がある。ポリマー
濃度は少なくともおよそ7重量パーセント以上である事
が好ましい、より好ましくは少なくともおよそ10重量
パーセント以上である事が好ましく、更により好ましく
は少なくともおよそ14重量パーセント以上が好適であ
る。最大ポリマー濃度は主として、ポリマーの溶解性や
ドープ粘度といった実施可能性の制約を受ける。ポリマ
ー濃度30重量パーセントのドープを用いることはほと
んどなく、通常は20重量パーセント以下のドープを使
用する。
【0017】本発明に適したポリマーもしくはコポリマ
ーおよびドープは次のような公知の手法で合成される。
合成手法としては、Wolfe らのU.S.Patent 4,533,693(A
ugust 6,1985) ;SybertらのU.S.Patent 4,772,678(Sep
tember 20,1988) ;HarrisのU.S.Patent 4,847,350(Jul
y 11,1989);Gregory のU.S.Patent 5,089,591(Februar
y 18,1992);Ledbetter らの”An Integrated Laborato
ry Process for Preparing Rigid Rod Fibers from Mon
omaers" 「The Materials Science and Engineering o
f Rigid-Rod Polymers」の253-64頁(Materials Researc
h Society 1989) に記載されている。要するに、適正な
AA型とBB型あるいはAB型のモノマーを酸化性がな
く脱水性の酸溶媒中で非酸素雰囲気下で、勢い良く高せ
ん断速度で撹はんさせながら、温度は120℃以下から
少なくともおよそ190℃迄ステップワイズもしくはラ
ンプ制御で昇温させながら反応させる。AA型モノマー
の例としてテレフタル酸およびこれらの類似体が挙げら
れる。BB型モノマーの例として、主に酸の塩として保
管される4,6-ジアミノレゾルシノール、2,5-ジアミノヒ
ドロキノン、2,5-ジアミノ-1,4- ジチオベンゼンおよび
これらの類似体が挙げられる。AB型モノマーの例とし
て主に酸の塩として保管される3-アミノ-4-ヒドロキシ
ベンゾイックアシド、3-ヒドロキシ-4- アミノベンゾイ
ックアシド、3-アミノ-4- トリベンゾイックアシド、3-
チオ-4- アミノベンゾイックアシドおよびこれらの類似
体が挙げられる。
【0018】本発明はライオトロピック液晶性ポリベン
ザゾールポリマー溶液を用いるが溶液調整の段階あるい
は凝固段階で第3成分を加えることができる、第3成分
として金属・セラミックス等の無機粒子及びフィラーあ
るいはポリアミド、エポキシその他の樹脂、染料等を用
いることができる。ポリベンザゾール線材は、優れた機
械特性を発揮するためにその重量の90%以上がポリベ
ンザゾールであることが望ましい。ポリベンザゾールポ
リマー中に残留溶媒やこれらの塩が少量含まれることが
ある。これらの量は重量比で5%以下が好ましい、製造
工程で十分な抽出を行うことで1%以下にする事ができ
るが、生産性の観点から3%程度以下にすることで十分
である。残留溶媒は主に酸が用いられるが、乾燥工程に
導く前に中和処理を施すことが好ましい。中和処理は、
カリゥム、ナトリュウム等のアルカリ金属やアルカリ土
類金属のイオンを含むアルカリ性溶液或はアンモニア水
溶液等と接触させた後過剰なアルカリを水洗する事で実
施することができる。
【0019】線材の断面積は0.0025mm2 以上で
あることが十分な単繊維強力・引張抵抗を発揮する上で
好ましい。とりわけ、曲げ硬さを向上させるうえで重用
である。単繊維の曲げ硬さを向上させることで多数の繊
維を撚り合わせることなくプラスチックやゴムの補強材
として好適な形状を保つことができるようになる。本発
明の線材の断面形状は真円であっても楕円や多角形であ
ってもよい。ポリベンザゾール線材は容易に切断出来な
い為に断面積を正確に求めることが難しいので、線密度
(デニール)で断面積を代表させることにする。ポリベ
ンザゾール線材の密度は、1.55g/cm2 であり、
これから計算される断面積0.0025mm2 の線密度
は15デニールである。線材の線密度を大きくすればす
るほど用途が広がるが、極めて太いポリベンザゾール線
材では、凝固工程での分子配向の乱れが大きくなり弾性
率が低下する傾向を示す。十分な弾性率を発揮するには
2000デニール以下が好ましく、より好ましくは50
0デニール以下、さらに好ましくは150デニール以下
が良い。
【0020】ポリベンザゾール線材の弾性率はより高い
ものが望まれるが高強度スチールで得られる200GP
aを越えるものは単繊維が15デニール以上では困難で
ある。しかしながらポリベンザゾール線材の比重はスチ
ールの比重に対して5分の1以下であるので100GP
a(およそ700g/d)であっても、重量当たり2倍
以上の補強効果がえられる。従って、700g/d以
上、より好ましくは1000g/d以上、最も好ましく
は1400g/d以上の線材を提供することは、線材お
よびこれを用いた複合材料の軽量化を実施するうえで極
めて重用である。
【0021】ポリベンザゾール線材の代表的な製造工程
は以下の通りである。
【0022】ドープを口金より押し出しドープ・フィラ
メントを形成する。この際、口金の開口面積は、線材の
引取速度とドープの吐出線速度との比がおよそ8対1か
らおよそ70対1になるように選定する。このドープを
形成する際の延伸比がおよそ8より小さいとドープフィ
ラメントの分子配向が不十分になり、線材の弾性率が低
下してしまう。またおよそ70より大きくなると伸長流
動不安定現象が起こり易くなり完成した線材の直径変動
が顕著になることがある。ドープ・フィラメントを形成
する際の好ましい延伸比はおよそ12から40である。
口金からドープを吐出する温度は、口金内の流動安定性
および伸長流動において発生する張力に影響が現れる。
最適な温度はドープのポリマー濃度、ポリベンザゾール
の重合度により大きく左右される。好ましいドープの吐
出温度は、例えば130℃から180℃である。
【0023】ドープ・フィラメントを非凝固性流体中も
しくは冷却固体に接触させてドープの固化温度以下に冷
却した後に溶媒を抽出する凝固工程に導く。ドープの固
化温度とは溶媒の種類に依存するが、ポリ燐酸溶媒の場
合およそ85℃である。ドープが十分に冷却される前に
凝固を開始すると凝固が急激に進むために延伸で進んだ
分子配向が大きく乱れてしまう。これは、ドープの大部
分を占める溶媒分子の緩和に起因してポリベンザゾール
ポリマーの著しい緩和が起きてしまうためであると考え
られる。ドープフィラメントの冷却には常温の空気・液
体或は気体の窒素もしくは冷却固体(ロール、ピン等)
が用いられる。冷却固体の温度は結露しない範囲ででき
るだけ低温にする事が好ましく、ドープとの摩擦を減ら
す目的でテフロン等の非粘着性の材料でコートする事が
好ましい。特に100デニール以上の太い線材を造る場
合には気流冷却と固体による熱伝導冷却を併用すること
が好ましい。
【0024】凝固液はドープ中の溶媒を洗い出すことが
できる有機溶媒もしくは水が好ましいが分子量の大きな
ものは、繊維中に入ってドープ溶媒を運び出さないので
洗浄の効率が悪い。凝固液の濃度及び温度は線材の機械
特性に影響を与えるが、常温の水も用いることができ
る。しかしながらドープ中の大部分を占める溶媒がフィ
ラメントから抜け出す際にポリベンザゾール分子鎖の配
向に乱れが生じる。これを回復させる手段として凝固段
階でおよそ0.15%以上およそ3%以下の引き伸ばし
を与える方法を発明した。ここにある凝固段階とは、フ
ィラメント中の残留溶媒量がポリベンザゾールポリマー
に対して、およそ3.0%からおよそ30%であり、フ
ィラメント内に5%以上の凝固液が浸透した段階をあら
わす。即ち、フィラメントの表面だけが凝固した段階で
ストレッチを開始した場合には凝固が進行した表層だけ
に応力集中が起き内外層差ができて好ましくない。また
溶媒が殆ど存在しなくなるまで凝固を進めた後でストレ
ッチを与えると、凝固時の配向緩和が一部不可逆的であ
るためにストレッチの効果が低減すると考えられる。凝
固段階での引き伸ばしがおよそ0.15%に満たない場
合には凝固時の配向乱れからの回復が不十分である。お
よそ3%以上引き伸ばした場合にはフィラメント内部の
欠陥を大きく成長させてしまい、製造工程での破断に到
らない場合でも線材の強度が低下する。また、ストレッ
チは1度に与えてもよいが複数回に分けて行ってもよ
い。この場合のストレッチ量は乾燥前と凝固開始時との
速度比で定義する。
【0025】洗浄工程で溶媒および残留塩を十分に取り
除くには長い時間を要する。そこで製造設備の負担を低
減するために、残留溶媒量がおよそ5%以下の線材をバ
ッチ式で後水洗することも可能である。ただし線材の工
程張力をコントロールした状態で出来る限りフィラメン
ト中の残留物を減らすことが好ましい。
【0026】洗浄された繊維は公知の方法により乾燥さ
せる。乾燥の方法としては加熱炉を通すあるいは過熱蒸
気を用いるあるいは減圧下にさらす方法高周波を用いる
方法等が利用できる。乾燥は繊維へのダメージを避ける
ために300℃以下の温度で行う事が望ましい。本発明
ではこれらの方法を合わせて用いることができる。乾燥
工程は無張力下で行ってもよいが、より高い弾性率を得
る為には張力を与えて緊張下で乾燥させる事が好まし
い。およそ300℃以下の乾燥条件では5g/d程度の
張力を与えることができる。また、同じ張力を与えても
高い温度で乾燥させるほど線材の弾性率は高くなる。乾
燥工程で張力を与える方法としてはスプリングで広がる
様に造られたスプールに巻き付けてオーブンで処理する
方法、オンライン工程の歪み率を設定する方法等が利用
できる。
【0027】本発明では必要に応じて熱処理を行うこと
ができる。例えば、良く知られた加熱炉の中を張力下で
通過させるポリベンザゾールの熱処理手法がある。Chen
evy,のU.S.Patent4,554,119(November 19,1985) の例に
見られる手法を合わせて用いることができる。熱処理に
より線材の弾性率は飛躍的に向上させることができる。
熱処理の効果はこればかりでなく、繊維構造がより緻密
になり線材の平衡水分率が低くなる等の利点がある。熱
処理に必要な張力は2g/dから10g/dが適当であ
るが、これらは熱処理炉の温度および変形速度に依存す
る。弾性率を飛躍的に向上させるのに必要な熱処理にお
ける好適な引き伸ばし率は0.6%から8%であり、よ
り好ましくは1.2%から5%の引き伸ばしを実施す
る。
【0028】本発明で得られる線材の平均の引っ張り強
度は少なくともおよそ10g/d以上が好ましく、より
好ましくはおよそ15g/d以上、最も好ましくはおよ
そ25g/d以上が良い。強力を高めるには、凝固条
件、乾燥条件、熱処理条件を最適化する必要がある。最
も強力に寄与するのはポリマーの分子量である。高い強
力を必要とする場合極限粘度数で25dl/g以上、さ
らに高い強力を必要とする場合30dl/g以上、より
高い強力が望まれる場合には35dl/g以上のポリマ
ーを利用することができる。
【0029】ポリベンザゾール線材は、用途に応じてそ
の表面特性を改善する事が望まれる。ポリベンザゾール
線材は用途に応じて、耐候性を上げるための紫外線吸収
剤の付与、電子線照射その他の物理改質により、接着
性、表面張力、色調を改善する。或は、セラミックス塗
布による硬度・耐磨耗性の向上、エラストマー塗布によ
る表層の弾性化等の表面改質を実施することができる。
【0030】ポリベンザゾール線材の断面形状は、真
円、アスペクト比が10以下の楕円或は矩形が好まし
い。さらに、多条溝、5角から8角の多角形のような任
意の形態をとってもよいが、容易に裂けてしまわない形
状が好ましい。また、製造された線材は実質的に曲率が
小さくなっていることが好ましい。
【0031】
【実施例】以下の実施例は説明だけの目的であり、これ
らにより本発明の明細書および特許請求の範囲の何れに
対しても制約を与えるものではない。特に断りがない場
合には分量およびパーセンテージはすべて重量で示す。
ポリベンザゾールの極限粘度数は30℃のメタンスルフ
ォン酸溶液に対して求めた。
【0032】実施例1−5及び比較例1 極限粘度数28dl/gのシス−ポリベンツオキサゾー
ルの14.7重量%を溶かしたポリ燐酸(五酸化二燐重
量%84.3)溶液を、2軸押し出し機中で170℃で
混合・脱気する。ドープは1孔から10孔の表−1の孔
径の紡糸口金より、160℃で押し出され、長さ50c
m20℃のクエンチゾーンに続き、冷水により30℃に
保たれた直径21cmの2本の冷却ロールに通した後、
1mの凝固槽を通し、直径50cmの7連ロールに導い
た。7連ロールは表面速度が順に速くなるように駆動さ
れ、フィラメントが通る部分には水洗液をスプレーノズ
ルより吹き付けて水洗を行った。入口より第1番目のロ
ーラー速度は冷却ロール速度(紡速)に対して0.2%
速く、第7番目のロールは冷却ロール速度に対して1.
4%速くなるように設定した。線材は流水中に振り落と
され2日から7日間洗浄された後、120℃のオーブン
で乾燥させてから巻き取る。さらに、590℃の電気炉
で緊張熱処理を実施した。
【0033】
【表1】
【0034】表−1に示すように、熱処理後の弾性率を
見ると、極めて太い線材においては本発明の要件である
700g/dに到達できない。
【0035】実施例6,7及び比較例2 極限粘度数26dl/gのシス−ポリベンツオキサゾー
ルの14.7重量%を溶かしたポリ燐酸(五酸化二燐重
量%84.3)溶液を、2軸押し出し機中で170℃で
混合・脱気する。ドープは10孔の孔径0.6mmの紡
糸口金より、155℃で押し出される。長さ50cm2
0℃のクエンチゾーンに続き、冷水により30℃に保た
れた速度150m/分で回転する1対の冷却ロールに通
した後、1mの凝固槽を通し、直径50cmの7連ロー
ルに導いた。7連ロールは表面速度が順に速くなるよう
に駆動され、フィラメントが通る部分には水洗液をスプ
レーノズルより吹き付けて水洗を行った。入口より第1
番目のローラー速度は冷却ロール速度に対して0.2%
速く、第7番目のロールは冷却ロール速度に対して1.
4%速くなるように設定した。線材は流水中に振り落と
され2日間洗浄された後、120℃のオーブンで乾燥さ
せてから巻き取った(実施例6)。クエンチを通した後
冷却ロールを介さず凝固槽に直接ドープフィラメントを
通した(実施例7)実験及び、クエンチを用いずに凝固
槽に直接ドープフィラメントを通した(比較例2)以外
は全く同じ凝固・水洗・乾燥工程を経た実験を行った。
上記の3つの実験で凝固槽に入る直前のフィラメント温
度をインフラメトリックス社製のIR THERMAL IMAGING R
ADIOMETER Model 760 を用いて計測した。ドープフィラ
メントの放射率は0.78を用いた。
【0036】
【表2】
【0037】表−2に示すように、凝固槽に入るドープ
フィラメント温度がドープの固化温度よりも高い場合に
は弾性率ばかりでなく強度も著しく低下する。尚、ドー
プの固化温度はおよそ85℃である。
【0038】実施例8−10及び比較例3 極限粘度数30dl/gのシス−ポリベンツオキサゾー
ルの14.7重量%を溶かしたポリ燐酸(五酸化二燐重
量%84.3)溶液を、2軸押し出し機中で170℃で
混合・脱気する。ドープは10孔の孔径0.6mmの紡
糸口金より、175℃で押し出される。長さ50cm2
0℃のクエンチゾーンに続き、冷水により30℃に保た
れた直径21cmの2本の冷却ロール(速度150m/
分)に通した後、1mの凝固槽を通し、直径50cmの
7連ロールに導いた。7連ロールは表面速度が順に速く
なるように駆動され、フィラメントが通る部分には水洗
液をスプレーノズルより吹き付けて水洗を行った。入口
より第1番目のローラー速度は冷却ロール速度に対して
0.1%速く設定した。第7番目のロールが冷却ロール
速度に対して表−3に示した引き伸ばし率に相当するよ
うに速くなるように、個々のロールの速度を設定した。
線材は流水中に振り落とされ2日間洗浄された後、12
0℃のオーブンで乾燥させてから巻き取った。
【0039】
【表3】
【0040】引き伸ばし率が0.1%(7連ロール間の
速度が一定)では線材の弾性率が低下してしまう。
【0041】
【発明の効果】本発明により従来高強度スチール等しか
用いることができなかった高度な寸法安定性が要求され
る用途での軽量化が可能となる。また、タイヤその他の
複合材料においても軽量で形態安定性に優れた補強材を
提供する事ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における製造工程の概略図。
【符号の説明】
1:紡糸口金、2:ドープフィラメント、3:クエンチ
装置、4:冷却ロール、5:凝固槽、6:水洗ロール、
7:水洗用スプレーノズル、8:振り落とし装置、9:
水洗槽である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度が15dpf以上、初期弾性率
    が700g/d以上であることを特徴とするポリベンザ
    ゾールモノフィラメント。
  2. 【請求項2】 酸溶媒とポリベンザゾールポリマーから
    なるドープから単糸デニールが15dpf以上のポリベ
    ンザゾールモノフィラメントを製造する方法において、
    次の工程から成ることを特徴とするポリベンザゾールモ
    ノフィラメントの製造方法。 (1)ポリマー濃度7wt%以上のドープを口金より押
    し出しドープフィラメンを形成し、 (2)このドープフィラメントを非凝固性流体中もしく
    は冷却固体に接触させてドープの固化温度以下に冷却
    し、次いで (3)該フィラメントをおよそ0.15%以上の引き伸
    ばしを与えつつ大部分の酸溶媒を除去し、その後乾燥す
    る。 (4)洗浄したフィメントを乾燥させる。
JP15462494A 1994-07-06 1994-07-06 ポリベンザゾールモノフィラメントおよびその製造方法 Pending JPH0827622A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100792622B1 (ko) * 2005-12-02 2008-01-09 주식회사 코오롱 라이오셀 장섬유사 제조를 위한 수세 및 건조장치 그리고그 장치를 이용한 수세 및 건조 방법

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KR100792622B1 (ko) * 2005-12-02 2008-01-09 주식회사 코오롱 라이오셀 장섬유사 제조를 위한 수세 및 건조장치 그리고그 장치를 이용한 수세 및 건조 방법

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