JPH08276608A - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

記録方法及び記録装置

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Publication number
JPH08276608A
JPH08276608A JP10786395A JP10786395A JPH08276608A JP H08276608 A JPH08276608 A JP H08276608A JP 10786395 A JP10786395 A JP 10786395A JP 10786395 A JP10786395 A JP 10786395A JP H08276608 A JPH08276608 A JP H08276608A
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JP
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recording material
dye
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Application number
JP10786395A
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English (en)
Inventor
Shuji Sato
修司 佐藤
Eiki Hirano
栄樹 平野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヘッドベース102 上のスペーサ82に共通の液
化染料供給路84が設けられ、スペーサ82の側面(第1の
壁)82a及びヘッドベース102 の露出面(第2の壁)102
aは液化染料に対して濡れ性の大きい材料からなり、第
2の壁 102aの第1の壁82aから離れた位置に液化染料
を弾く(濡れ性の小さい)材料からなる液止め部197 が
設けられ、液止め部197 近くの第2の壁 102a上に複数
の発熱体75が液化染料供給方向に沿って位置している。 【効果】 上記のように、気化染料に対して濡れ性が互
いに異なる部分の配置により、液化染料22に表面張力が
付与され、液化染料供給路中の液化染料は、液面が液化
染料供給方向に直交する断面で逆抛物線になって断面積
が小さくなり、毛細管現象によって液化染料の供給が効
率的になる。また、上記のような液面によって発熱体上
の液化染料の高さが所定の高さになる。これらの結果、
発熱体上には液化染料が常に過不足なく存在するように
なり、常に良好な記録がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録方法及び記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。これに対応して、色々な方
式のプリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料が分散してなるインク層が塗
布されたインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体とを一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱を加え、この加熱に応
じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写さ
せる方式がある。
【0004】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
についてそれぞれ繰り返すことによって、フルカラー画
像を得るようにしたいわゆる熱転写方式は、小型化、保
守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位
な画像を得る優れた技術として注目を集めてはいる。
【0005】図32は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)1とプ
ラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム4b上にインク層4aを設けたインクシート4と、
紙5b上に染着樹脂層(染料受容層)5aを設けた被記
録紙(被転写体)5とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられる。
【0006】そして、サーマルヘッド1によって選択的
に加熱されたインク層4a中のインク(転写染料)が、
被転写体5の染着樹脂層5aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直
交させて固定して配したライン方式や、サーマルヘッド
を記録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリア
ル方式が採用されている。
【0007】ところで、本出願人は、上記した如き熱転
写記録方式の利点を生かしつつ、廃棄物及び転写エネル
ギーを低減し、プリンタを小型、軽量化するために、図
33に示すような非接触方式の染料気化型レーザビームプ
リンタ(LBP)を既に提案した。
【0008】この記録方式によれば、熱溶融性の染料層
22を気化部17に有する記録ヘッド(例えばシリアル型の
プリンタヘッド)40と、気化した(或いは昇華した)染
料32を受容する受容層50aを持つ被記録体(印画紙)50
との間に1μm〜1mmの範囲の微小空隙17aを設けてい
る。
【0009】そして、レーザ光Lの照射によって、記録
ヘッド40の気化部17の染料収容部37に収容した液化染料
22をその沸点近傍まで選択的に加熱して気化させ、気化
染料32を空隙17a内で飛翔させて、気化穴23から被記録
体である印画紙50上に転写し、連続的な階調を持つ画像
を得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、
マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞ
れ繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0010】なお、この記録方式では、印画紙50を記録
ヘッド40に対して例えば上方側で対向させ、気化部17の
上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光さ
れたレーザ光Lを照射して気化染料32を上方に飛翔若し
くは移行させるのがよい。
【0011】この場合、転写染料が加熱手段により空隙
17aを移動するためには、気化現象の他に、高出力レー
ザが照射された時にしばしば見られ、染料分子の結合が
効率よく切断されてそのエネルギーを利用して非常に大
きい速度でエッチングされる現象や、沸騰や爆発により
発生したガスのエネルギーを利用して非常に大きい速度
でエッチングされる現象も利用できる(こうした気化機
構以外の転写機構をアブレーションと称する:以下、同
様)。
【0012】また、レーザ光透過性のあるヘッドベース
14に染料溜め15を設け、ヘッドベース14上に固定した蓋
体13との間に液化染料22を収容し、ここから染料供給路
27を経て気化部17に液化染料22を供給する。この場合、
気化部17への染料の供給効率及び気化効率の向上のため
に、発熱によって生じる染料の表面張力低下による染料
逃げを防止し、毛細管現象を利用して継続的な染料の供
給及び保持を行うために、小さなビーズ21からなるビー
ズ集合体20を気化部17に設けている。
【0013】そして、上記の空隙11を保持し、X方向
(紙面垂直方向)に移動する印画紙50をガイドするため
に、蓋体13上に保護板(図示せず)を固定している。こ
の保護板には、上記の染料の液化状態を保持するための
ヒータが埋設されていてよいが、ここではヒータ26は染
料収容部(上記の染料供給路27)内に配設する。
【0014】固体染料収納槽41内の固形粉末状の熱溶融
性染料42は、逆止弁44によって供給口43から供給され、
ヒータ26により融解点まで加熱されて溶融(液化)され
る。この液化染料22は、ビーズ集合体20による毛細管現
象によって気化部17のビーズ集合体20の上面に定量ずつ
高速に供給される。
【0015】また、このプリンタヘッドを含むプリンタ
全体は、例えばフルカラー用として図34に示すように、
イエロー、マゼンタ、シアンの各染料溜め15Y、15M、
15Cをそれぞれ共通のベース14に設けて各染料供給部又
は供給ヘッド部37Y、37M、37Cを構成し、そこから各
色の染料を12〜24個の多数のドットを形成する列状の気
化部17Y、17M、17Cに供給する。
【0016】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する(36はレーザ光Lを直角方向に導
くためのミラー)。
【0017】集光レンズとしては、図示したレンズ系で
もよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使
用してよい。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出
射位置が上記の各気化部17C、17M、17Yに相当するよ
うに屈折経路が変化するように形成されたものである。
なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコント
ロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35
によって十分に放熱できるようになっている。
【0018】なお、モノカラー印刷の場合は、図35に示
すように、1次元レーザアレイ30を作製し、それぞれの
レーザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすること
によって、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得ら
れる(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の
速度となる)。
【0019】上記した各プリンタヘッドはいずれも、染
料収容部37を記録ドット数に対応した個数分だけ液化染
料22をドット状に収容すると共に、レーザ18も記録ドッ
ト数の各発光点を有するアレイ状に配したものである。
レーザ18に依らない上記の熱転写方式のプリンタでも、
サーマルヘッド1の加熱部も同様にドット状に配列され
ている。
【0020】上記したように、この染料気化型レーザビ
ームプリンタによれば、記録に消費される染料について
は、その失われた分だけを染料溜めから溶融状態で気化
部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、
適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に
移動することにより、気化部へ連続的に供給することが
できる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しない
ために、可能となる。従って、記録に関与する気化部
は、繰り返して多数回使用できるので、上述した熱転写
方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであ
るのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0021】また、気化型又はアブレーション型である
ために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで
記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に上述し
た熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生
じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッド
のみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電
力が低減する。同時に、染料の供給に上述したインクシ
ートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリ
ンタを小型、軽量化できる。
【0022】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、上述の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利であ
る。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しない
ために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではな
く、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能で
ある。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が
著しく広がる。
【0023】また、染料の気化(或いは昇華)のための
熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用
いることを基本としているが、半導体レーザは電力から
光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れ
ているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高
い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱
転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー
利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利に
なるという特徴も有する。
【0024】更に、従来のインクジェット方式のカラー
プリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは出
力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記の
記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、カ
ラービデオカメラ等で作りだされた電気的な画像を半導
体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換し、
銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調を持
つフルカラー画像を形成することができる。
【0025】なお、この染料気化型の記録方法に適した
転写体としてのヘッド40は、転写時に瞬間的に加わる熱
量に対して十分耐える性質と、気化部(転写部)へ毛細
管現象により自発的に液状の染料を供給するための表面
積が大きくかつ転写時にも強固に染料を保持することの
できる構造(図33での20)とを有することが好ましい。
また、適当な保温装置を設けることによって、融点が室
温以上である染料又は染料混合物の使用も可能になる。
【0026】また、この記録方法に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。特に、アブレーシ
ョン機構が気化機構よりも優位を占める場合は、直接染
料のように分子量が大きくて気化速度が小さい染料や、
カーボンブラックや顔料でさえも転写は可能である。融
点が室温以上にある染料でも、染料同士を混合すること
により、或いは染料と揮発性の低分子量物質を混合する
ことにより、融点は低下する。
【0027】また、この記録方法に適した印画紙は、転
写染料と適当な相溶性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
像層内部に浸透させる方式も可能である。
【0028】染料転写方式の加熱手段は、大別して、熱
ヘッドによる方法と、レーザ光と、レーザ光の波長領域
を含む波長領域に吸収を示し、光エネルギーを熱エネル
ギーに変換する材料(光熱変換体)(図示せず)とレー
ザ光とを組み合わせる方法とが挙げられる。
【0029】レーザ光を使用する場合には、解像度が著
しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上
がり、この結果、熱効率が向上するという特徴がある。
特に、マルチレーザを使用することによって、1画面を
転写する時間は大幅に短縮される。
【0030】但し、光熱変換体は、連続的に光エネルギ
ーのレーザ光を吸収するために耐熱性を十分に満足する
ものでなければならない。従って、この方式に用いる光
熱変換体としては、レーザの発光波長に一致する吸収を
示す金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄
膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を直接転写部に設ける
他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸
収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系
色素又は有機金属系色素等の如く耐熱性の優れた染料又
は顔料を転写染料に均一に分散して使用してもよい。
【0031】
【発明に至る経過】また、本出願人は、インクシート及
び感熱ヘッドを必要としないで、省電力、小型化及び低
コストを図った他の昇華型カラービデオプリンタを特願
平5−236541号、特願平4−300587号、特願平5−1124
1 号、特願平5−12106 号等において提案している。
【0032】このプリンタの類似構造を図36〜図40によ
って具体的に説明する(但し、図33のヘッドと共通する
部分には共通符号を付す。)と、ヘッド部60は、分散染
料としての固形粉末状の昇華染料42を収納する染料槽41
と、下側に位置する高強度材からなる耐摩耗性の保護層
61と、中央に位置するスペーサ62と、上側に位置するヘ
ッドベース63とによって構成されている。なお、図37
は、図36とは上下を逆にして示したものである。
【0033】そして更に、染料収納槽41内の固形粉末状
の染料42を加熱液化して導く液化染料供給路64と、この
液化染料供給路64に沿って所定間隔毎に複数配置され、
この液化染料供給路64から導かれた液化分散染料22を気
化熱によって気化させる各気化部17と、この気化部内に
て染料22の液面下に設けた気化用発熱体65と、それを支
える断熱材66と、発熱体65上において染料22の保持及び
供給を行う多孔性構造体である小柱体80の群とを有して
いる。断熱材66の両側面には発熱体の電極65A、65Bが
設けられ、図示省略した構造を介して取り出されている
(但し、ヒータ68との間の絶縁構造は図示省略)。
【0034】保護層61は、印画紙50に軽圧で接触する際
に各気化部17の気化穴23内に汚れや塵、埃や異物等が混
入するのを防止する機能を有しており、熱伝導率がよ
く、耐熱性、耐摩耗性に優れたタンタル等の金属系やガ
ラス系の材料によって形成されている。また、保護層61
には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複
数の穴61aをエッチング技術等の微細加工により形成し
てある。
【0035】スペーサ62は、例えばガラス系やセラミッ
ク系、ポリエチレン系樹脂、タンタル等の金属系で形成
され、材料や厚み及びその組み合わせにより、液化分散
染料22の溶融温度の調整と、保護層61への伝熱による印
画紙50の染料受容層50aの温度の調整とを行う機能を有
している。
【0036】なお、印画紙50は、実際には、セルロース
系の樹脂などによって形成され、分散染料を吸収する染
料受容層50aと、ベース材50bとからなっている。ベー
ス材50bは、耐熱性が強く、非吸湿性の良いポリプロピ
レン層と、ベース紙と、ポリプロピレン層に対するバラ
ンスをとり、印画紙50が反らないようにするための別の
ポリプロピレン層とが積層された構造になっており、ま
た、光吸収層(これは省略可能である。)が設けられて
いてもよい。
【0037】スペーサ62には、図36、図37、図39に示す
ように、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の
複数の穴62aをそれぞれ形成していると共に、染料収納
槽41(イエロー用41Y、マゼンタ用41M、シアン用41
C)側からヘッドベース63の他端側に延びて各気化部17
の気化穴23に連通する複数の溝穴64を形成している。
【0038】更に、保護層61とスペーサ62との間には染
料液止め層67が設けられている。この染料液止め層67
は、耐熱性があって化学的に安定しているフッ素系やシ
リコン系の樹脂材料によって形成され、液化分散染料22
が保護層61の壁面を経由して外部へ漏れて印画紙50の染
料受容層50aに付着するのを防止するものである。
【0039】また、図36、図37、図38に示すように、液
止め層67には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角
柱状の複数の穴67aをそれぞれ形成している。なお、保
護層61と染料液止め層67とスペーサ62とは、耐熱性があ
る接着剤でそれぞれ接着されている。
【0040】ヘッドベース63は、融点が高く、熱成形性
がなく、低熱伝導性である例えばガラス、セラミックス
等によってなるべく薄く形成されている。また、図36に
示すように、ヘッドベース63の各染料収納槽41側には、
各液化染料供給路64に連通する供給口(接続穴)43を形
成している。
【0041】更に、ヘッドベース63の各液化染料供給路
64側の面には、各染料槽41内まで板状のヒータ(発熱
体)68を取り付けている。このヒータ68は、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電により50℃
〜300 ℃の熱を発して固形粉末状の分散染料42を液化す
ると共に、液化状態で保温する機能を有する。
【0042】図35に示すように、ヒータ68の一方の端部
は、上方に垂直に折り曲げられて各染料収納槽41内に挿
入されていると共に、その他方の端部は各液化染料導入
部64の終端部側まで伸びている。また、図40に示すよう
に、ヒータ68はヘッドベース63の全面に配置されてお
り、スペーサ62及び保護層61を保温して印画紙50の染料
受容層50aも加熱できるようになっている。
【0043】図36〜図40に示した上記のプリンタヘッド
60によれば、図33〜図35に示したプリンタヘッド40で述
べた特長を有している上に、このプリンタヘッド40と比
較すると、以下に述べるような利点を有している。
【0044】まず、各気化部17における気化のための染
料加熱は、レーザ光Lを使用するのではなく、各気化部
に設けた発熱体65の発熱によって行っているので、高価
な半導体レーザ(特に並列に複数本設けるマルチレーザ
アレイ)の代わりに低コストの発熱体の使用が可能とな
り、また、気化効率はレーザの電気光変換効率に依存せ
ずにヒータの発熱を直接利用することになり、全体とし
ての効率が向上する。
【0045】しかしながら、本発明者がプリンタヘッド
60について検討を加えた結果、次に述べるような改善す
べき点が残されていることを見出した。
【0046】図36、図39、図40に示したプリンタヘッド
60の構造では、液化染料供給路64は、その壁面に対する
液化染料22の濡れ性についての配慮がなされておらず、
液化染料22の気化部17への供給が必ずしも効率的にはな
されないことがあり、このため、気化部17での液化染料
が不足して記録が良好にはなされないという問題がとき
として起こっていた。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、記録材移行部(例えば
前記の気化部)へ記録材(例えば前記の液化染料)を効
率的に供給し、常に良好な記録がなされる記録方法及び
記録装置を提供することを目的としている。
【0048】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、被記録体
に対向する記録材移行部から前記被記録体へ記録材を移
行させて記録を行うに際し、共通の記録材供給路内に前
記記録材移行部を複数個設け、これらの記録材移行部か
ら前記被記録体へ前記記録材を移行させる記録方法に係
るものである。
【0049】第一の発明において、共通の記録材供給路
において、記録材の表面張力を利用して前記記録材を記
録材移行部へ供給することが望ましい。
【0050】また、第一の発明において、記録材に対し
て濡れ性が互いに異なる材料を共通の記録材供給路にお
いて記録材供給方向に沿って配置することが望ましい。
【0051】また、第一の発明において、各記録材移行
部に記録材を吸引保持することができる。
【0052】また、第一の発明において、被記録体に対
して間隙を隔てて記録材移行部を対向させ、この記録材
移行部から前記間隙を通して前記被記録体へ記録材を移
行させることが望ましい。
【0053】上記において、記録材移行部で記録材を気
化又はアブレーションさせ、この気化又はアブレーショ
ンした記録材を被記録体へ移行させることが望ましい。
【0054】第二の発明は、被記録体に対向する記録材
移行部から前記被記録体へ記録材を移行させて記録を行
うに際し、共通の記録材供給路から複数個の前記記録材
移行部へ前記記録材を導き、複数個の前記記録材移行部
の夫々に前記記録材を保持させ、複数個の前記記録材移
行部から前記被記録体へ前記記録材を移行させる記録方
法であって、前記記録材に対し、濡れ性が互いに異なる
材料を前記共通の記録材供給路において記録材供給方向
に沿って配置し、これらの濡れ性が互いに異なる材料に
よって前記記録材に対する表面張力を付与して前記記録
材を供給する記録方法に係るものである。
【0055】第二の発明において、各記録材移行部に記
録材を吸引保持することが望ましい。
【0056】また、第二の発明において、被記録体に対
して間隙を隔てて記録材移行部を対向させ、この記録材
移行部から前記間隙を通して前記被記録体へ記録材を移
行させることが望ましい。
【0057】上記において、記録材移行部で記録材を気
化又はアブレーションさせ、この気化又はアブレーショ
ンした記録材を被記録体へ移行させることが望ましい。
【0058】第三の発明は、被記録体に対向する複数個
の記録材移行部へ記録材を供給するための共通の記録材
供給路を有し、この記録材供給路内に複数個の前記記録
材移行部が設けられている記録装置に係るものである。
【0059】第三の発明において、記録材の表面張力を
利用した記録材保持手段が、記録材供給路内に記録材供
給方向に沿って設けられるように構成することが望まし
い。
【0060】上記において、記録材保持手段が、互いに
交差する壁面で形成されることが望ましい。
【0061】更に上記において、互いに交差する壁面の
一方の壁面に、他方の壁面よりも記録材に対して濡れ性
が小さい材料層が設けられているように構成することが
望ましい。
【0062】また、上記において、濡れ性が小さい材料
層が壁面の交差点から離れた位置に存在するように構成
することもできる。
【0063】また、第三の発明において、上記のように
使用される濡れ性が小さい材料層が溝に充填されて形成
されることが望ましい。
【0064】なお、上記に替えて、濡れ性が小さい材料
層が壁面上に設けられているように構成することもでき
る。
【0065】また、第三の発明において、ベース部と、
このベース部と一体のスペーサ部とを有し、このスペー
サ部に前記ベース部に接して記録材供給路が設けられ、
濡れ性の小さい材料層が前記ベース部の一部に設けられ
ているように構成することが望ましい。
【0066】また、第三の発明において、濡れ性の小さ
い材料層の近傍に、被記録体へ記録材を移行させるため
の移行エネルギー付与箇所が設けられているように構成
することが望ましい。
【0067】そして、上記において、その移行エネルギ
ー付与は発熱体によって行われるように構成することが
望ましい。
【0068】なお、上記に替えて、移行エネルギー付与
は加熱ビームによって行われるように構成することもで
きる。
【0069】また、第三の発明において、共通の記録材
供給路内に、液状記録材を被記録体に飛翔させて記録を
行うための記録材飛翔用構造体が設けられ、この記録材
飛翔用構造体によって記録材移行部が構成されているこ
とが望ましい。
【0070】また、第三の発明において、毛細管現象を
生ずる多孔性構造物が記録材飛翔用構造体に設けられて
いることが望ましい。
【0071】上記において、多孔性構造物は、小柱体の
集合体によって形成されるように構成することが望まし
い。
【0072】また、第三の発明において、液状記録材が
気化又はアブレーションして前記液状記録材と非接触状
態で対向した被記録体へ飛翔するように構成することが
望ましい。
【0073】第四の発明は、被記録体に対向する複数個
の記録材移行部へ記録材を供給するための共通の記録材
供給路を有し、この共通の記録材供給路と前記各記録材
移行部とが記録材導入路によって連通していて、前記記
録材の表面張力を利用した記録材保持手段が、前記共通
の記録材供給路内に記録材供給方向に沿って設けられて
いる記録装置に係るものである。
【0074】第四の発明において、記録材保持手段が、
記録材供給路の互いに交差する壁面で形成されているこ
とが望ましい。
【0075】また、第四の発明において、互いに交差す
る壁面の一方の壁面に、他方の壁面よりも記録材に対し
て濡れ性が小さい材料層が設けられているように構成す
ることが望ましい。
【0076】上記において、濡れ性の小さい材料層が壁
面の交差点から離れた位置に存在するように構成するこ
ともできる。
【0077】上記において、上記のように使用される濡
れ性の小さい材料層が溝に充填されて形成されることが
望ましい。
【0078】なお、上記に替えて、濡れ性の小さい材料
層が壁面上に設けられているように構成することもでき
る。
【0079】また、第四の発明において、ベース部と、
このベース部と一体のスペーサ部とを有し、このスペー
サ部に前記ベース部に接して記録材供給路が設けられ、
濡れ性の小さい材料層が前記ベース部の一部に設けられ
ているように構成することが望ましい。
【0080】また、第四の発明において、記録材移行部
に、被記録体へ記録材を移行させるための移行エネルギ
ー付与箇所が設けられているように構成することが望ま
しい。
【0081】上記において、その移行エネルギー付与が
発熱体によって行われるように構成することが望まし
い。
【0082】なお、上記に替えて、移行エネルギー付与
が加熱ビームによって行われるように構成することもで
きる。
【0083】また、第四の発明において、液状記録材を
被記録体に飛翔させて記録を行うための記録材飛翔用構
造体によって記録材移行部が構成されていることが望ま
しい。
【0084】また、第四の発明において、毛細管現象を
生ずる多孔性構造物が記録材飛翔用構造体に設けられて
いることが望ましい。
【0085】上記において、多孔性構造物は、小柱体の
集合体によって形成されるように構成されることが望ま
しい。
【0086】また、第四の発明において、液状記録材が
気化又はアブレーションして前記液状記録材と非接触状
態で対向した被記録体へ飛翔するように構成することが
望ましい。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明が以下の実施例のみに限定されるものでないことは
勿論である。以下の実施例1〜実施例11は、第一の発明
に基づく記録方法及び第三の発明に基づく記録装置を、
非接触の染料気化型プリンタ(例えばビデオプリンタ:
以下、同様)に適用した例である。
【0088】<実施例1>図1はこの例によるプリンタ
ヘッド70の拡大断面図(図4のI−I線断面図)、図2
は同平面図(図1のII−II線断面図)、図3は同一部破
砕平面図、図4は図3のIV−IV線断面図、図5は同一部
破砕斜視図、図6〜図8は記録の機構を説明するための
説明図である。
【0089】まず、図1〜図4により、本実施例による
発熱体方式のプリンタヘッド70の特徴的構成を説明す
る。
【0090】このプリンタヘッド70は、下側に位置する
ヘッドベース102 と;中央に位置するスペーサ82と;そ
の上に、染料液化兼液化染料保温用ヒータ68及び液止め
層97を挟み、高強度材からなる耐摩耗性の保護層91と;
によって長方形の本体が形成されている。そして、この
本体の長手方向の一方端に分散染料としての固形粉末状
の染料42を収納する染料収納槽41を配置して全体が構成
されている。
【0091】そして、図3及び図4に示すように、スペ
ーサ82には先に図33及び図38で示したのと同様に、長手
方向に共通の液化染料供給路84がイエロー用84Y、マゼ
ンタ用84M、シアン用84Cごとに設けられ、その一端側
が染料槽41内に設けた夫々の染料収納槽としてのイエロ
ー用41Y、マゼンタ用41M、シアン用41Cに連通してい
る。
【0092】本実施例において特筆すべき特徴は、先に
図32以降で示したプリンタヘッド40、60等が共通の液化
染料供給路から連通する気化部77(図33、図37〜図39参
照)を液化染料供給路84の近傍に別設して熱転写記録す
るのに対し、本実施例は液化染料供給路84Y、84M、84
C自体に染料の気化部77が形成されて記録する方式とし
ていることである。
【0093】次に、本実施例による記録の原理を説明す
る。図1は上記した液化染料供給路84の一つを抽出して
示した断面図、図2はその平面図である。
【0094】液化染料供給路84は、スペーサ82に形成さ
れた溝のなす第1の壁82aと他方の壁82b及び、ベース
材102 の上面がこの溝に面し溝の底部となっている第2
の壁102aとにより構成されている。そして、図1に示
すように、スペーサ82の他方の壁82bの壁面に沿って第
2の壁 102aの片側には液止め部197 が帯状に埋設され
ている。この液止め部197 には耐熱性を有する弗素系や
シリコン系樹脂の材料が使用されているので、濡れ性が
低く液化染料22を弾く作用を有する。然し、反対に第1
の壁82a及び第2の壁 102aは濡れ性の高い材料からな
っているので、液化染料22に浸り易い。
【0095】各染料収納槽41Y、41M、41Cから夫々の
染料供給路84へ流入する液化染料22は、液化染料供給路
84の入口において、図3のプリンタヘッドの平面図に示
すように、液止め部の一方端 197a部に弾かれて予め第
1の壁82a及び第2の壁 102a側に片寄って液化染料供
給路84へ流入する。従って、互いに濡れ性の異なる材料
の上記のような配置により、染料収納槽41から流入した
液化染料供給路84内の液化染料22は、図1に示すよう
に、液止め部197 に突き離されたように第1の壁82a及
び第2の壁 102aによって形成されたL字型の壁側に偏
在し、液化染料22の液面は断面で逆抛物線状の曲面を形
作る。
【0096】つまり、液化染料22は、液化染料自体に付
与された表面張力により、自然にこのような断面形状を
形成しながら濡れ性の良い第1の壁82a及び第2の壁 1
02a面に保持され、流れを形成する。この流れの方向に
直交する液化染料断面は面積が小さくなり、毛細管現象
によってこの流れが促進され、液化染料22の供給が効率
的になされる。
【0097】第2の壁 102aのほぼ中央部には発熱体
(例えばP−Si等からなる)75が設けられ、アルミニ
ウム等を用いた電極94、95によって導電、発熱するよう
になっている。そして、図1においてA部を拡大して示
すように、逆抛物線状に形成されて保持される液体染料
層22の厚さTが上記発熱体75の箇所において10μmとな
っている。即ち、液体染料層22の厚みTが10μmになる
位置に発熱体75が配置されている。液化染料の上記厚み
Tを保持するには、液化染料の供給量に過不足があって
はならない。そこで、図4に示すように、液化染料供給
路84の最上流部にセンサ43を配置し、センサ43の検出結
果に基づいて、図示しない制御手段によって液化染料供
給量を制御する。
【0098】この発熱体167 は図3に示すように、各染
料供給路64Y、64M、64Cの第1の壁82a面に所定間隔
で多数(例えば64個)配設されている。そして、発熱体
75が設置されている箇所の上でのヒータ層68、液止め層
97及び保護層91には長方形の気化穴68a、97a、91aが
設けられて気化部77を形成している。図4(図3のIV−
IV線断面図)及び図5(一部を破砕して示した斜視図)
はこの形状を示している。
【0099】次に、図6〜図8によってこの例による記
録の原理を説明する。図6(a)は、プリンタヘッドの
要部を抽出した断面図であり、同図(b)はその断面斜
視図であり、上記のようにして保持されている液化染料
22の状態等を示した拡大図である。このように保持され
ている液化染料供給路84内の液化染料22は、通電による
発熱体75の発熱によりその上部付近の液化染料が加熱さ
れて気化する。図7はその状態を示している。液化染料
22が気化してなる気化染料22Aは、図示の如く上方へ飛
翔して被記録体(例えば印画紙50の染料受容層50a)へ
付着して記録がなされる。
【0100】従って、気化によって消費される発熱体75
上の液化染料22の液面は一時的に部分的な凹部22bを形
成する。この凹部22bは図7及び図8に示すように最初
の液面と凹部との境22a、22aにリング状に盛り上がっ
た境が形成され、更に発熱体75の部分は中央部で大部分
が消失した状態が形成される。図7におけるこの凹部に
示した仮想線は、消費前の液化染料面を表している。
【0101】このようにして行われる熱転写は選択的に
ドット状に行われ、消費した液化染料は、液化染料22の
前述した流れによって直ちに補給されるので、液化染料
が不足することはない。本実施例におけるこのような記
録方法が従来の記録方法との根本的な相違点である。
【0102】この例にあっては、前述した気化方法及び
毛細管現象を利用しての効率的な液化染料供給により、
発熱体75上において、液化染料は常に過不足なく所定量
が存在しているので、常に良好な記録が保証される。ま
た、各気化部を構成する発熱体を、共通の液化染料供給
路内に設けているので、これら発熱体への液化染料供給
が、液化染料導入のための分岐路が存在しないことによ
り、直接的になされて効率的である。更に、ビーズの集
合体や小柱体の集合体が必要なくて、構造が簡単にな
る。
【0103】<実施例2>図9はこの例によるプリンタ
ヘッド70の図2と同様の平面図、図10は図9のX−X線
断面図である。
【0104】この例では、液化染料供給路84の底面の中
央に液止め部197 を設け、発熱体75及び気化部77を液止
め部197 の両側に交互に設けている。この例では、図10
に示すように、液止め部197 を中心にして前記実施例1
の図1に示した断面逆抛物線状の液面が左右対称に形成
されて液化染料が保持されることとなる。この例では、
前記実施例1におけると同様の効果が奏せられる上に、
気化部の密度が高くなって記録結果の解像度が高くなる
という効果が奏せられる。
【0105】<実施例3>この例では、図11に示すよう
に、前記実施例1が液止め部197 を第2の壁 102aに埋
設したのに替えて、液止め部197 を前記実施例1におけ
ると同じ位置において第2の壁 102a上に例えば印刷に
よって突出させて設けたものである。従って、これ以外
は前記実施例1と同じ構成になっており、全く同じ機能
を有し、同様の効果が奏せられる。この例では、液止め
部埋設用の溝を加工する必要がなく、装置の製造が簡単
になる。
【0106】<実施例4>この例では、図12に示すよう
に、前記実施例1の図1の構造に加えて、第1の壁82a
上端にも別の液止め部 197Aを埋設して増設しており、
その他の部分は前記実施例1におけると同様の構成とし
ている。従って、前記実施例1と同じ機能があると共
に、液化染料22が第1の壁82a上端から流出するのを防
ぐ機能を更に備えている。
【0107】<実施例5>この例によるプリンタヘッド
70は、図13に示すように、前記実施例5における突出型
の液止め部197 を設けたのに加えて、上記各実施例と異
なる点は、第1の壁82a及び第2の壁 102aに各壁面本
来の濡れ性よりも更に高い濡れ性を有する材料(例えば
ポリエステル系樹脂)による塗布層182 が設けられてい
る。これ以外の各部は前記各例と同じ構成になってい
る。
【0108】従って、本例の場合は、濡れ性のよい塗布
層182 のため液化染料の供給が前記各例よりも一層効率
的になり、気化によって消費した液化染料の補充が極め
てスムーズに行われるので、記録のスピードアップが可
能となる。
【0109】<実施例6>この例は、前記実施例5に更
に改良を加えた例である。即ち、この例によるプリンタ
ヘッド70は、図14に示すように、前記の実施例5の図13
に加えて、第1の壁82aと第2の壁 102aとの交差部近
傍の領域だけを、濡れ性のよい塗布層182よりも更に濡
れ性のよい材料(例えばポリエステル系樹脂)による塗
布層183 によって構成している。
【0110】従って、供給される液化染料22は、塗布層
161 に接する極めて狭い領域において流れの主流が形成
され、この狭い領域による強い毛細管作用によって更に
滑らかな流れとなって、更に液化染料の供給が効率的に
なされ、記録の一層のスピード化が実現することにな
る。
【0111】<実施例7>この例は、前記実施例1の発
熱体75を蛇行した形状とした例である。図2と同様の部
分平面図である図15に示すように、この例によるプリン
タヘッド70は、発熱体75が蛇行パターンに形成され、こ
のパターンが前記実施例1と同じく第2の壁面に設けら
れている点が異なり、他の部分は前記実施例1と同様に
構成されている。
【0112】従って、本例も前記実施例1におけると同
様の効果を奏すると共に、発熱体75が蛇行状であること
から液化染料22に対する加熱領域が広くなり、効率的な
加熱を行うことができる。
【0113】<実施例8>この例では、液化染料を気化
させるためのエネルギーを、発熱体の発熱によるのに替
えて、レーザ光の照射によっている。図16は、この例に
よるプリンタヘッド70の気化部及びその周辺の図1と同
様の断面図である。この例では、発熱体及びその電極を
設けておらず、これらに替えて、ベース材102 の外側に
半導体レーザ18及びレンズ19を配置している。そして、
ベース材102 には透明な石英ガラスが用いられている。
それ以外の部分は前記実施例1と同様の構成になってい
る。この例では、半導体レーザ18から出射し、レンズ19
で集光されたレーザ光Lが、液化染料22の液止め部197
近傍の部分を照射し、この照射位置で液化染料を気化す
るようにしている。
【0114】本例も前記実施例1と同様の機能を有する
と共に、レーザ光密度を光学系(レンズ19)で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能であり、気化熱効率が
よく、記録のスピード化が実現できる。
【0115】<実施例9>この例によるプリンタヘッド
70は、図17に示すように、液化染料供給路84中の発熱体
75上に多孔性構造体としての小柱体80の群を立設し、気
化構造体101 を形成している。その他は、前記実施例1
におけると同様である。
【0116】この例にあっては、第1、第2の壁82a、
102a及び液止め部197 によって液面が断面で逆抛物線
になって供給される液化染料22(破線で示される)は、
発熱体75上で各小柱体80による毛細管作用により、小柱
体間の空隙92に各小柱体80の上面迄吸引される。
【0117】これにより、発熱体75上の液化染料は、液
化染料供給路84にて供給される液化染料22の量に関係な
く、小柱体80の高さと同じ高さに保持され、発熱体75上
には正確に一定量の液化染料が存在することになる。そ
の結果、発熱体75の発熱によって気化し、気化構造体10
1 から印画紙50(仮想線で示す)に飛翔する染料の1ド
ット当たりの記録濃度にバラツキが実質的に起こらず、
更に一層良好な記録結果が得られる。
【0118】<実施例10>この例は、図17に示した前記
実施例9の気化構造体に改良を加えた例である。
【0119】この実施例によるプリンタヘッド70によれ
ば、図18に示すように、図17に示した例と比べると、気
化構造部101 において発熱体75が、ベース材としてのス
ペーサ82の表面82Aを部分的に突出させてなる幅細の突
出部82Bの上面82Cに設けられていること、従って、小
柱体80とスペーサ表面82Aとの中間高さhのレベルに設
けられていることが異なっている。突出部分82Bはスペ
ーサ82と一体のものであり、その上面82Cと同じ高さレ
ベルhにおいて発熱体75の一対の電極94、95が設けられ
ている。その他の構成部分は前記した実施例1と同様で
ある。各小柱体80は、スペーサ82をリアクティブイオン
エッチング(RIE)加工して形成される。
【0120】このように、発熱体75がスペーサ82の突出
部82B上に設けられることによって、発熱体から発生す
る熱は幅細の突出部82Bを介してしか伝達されないの
で、その熱がスペーサ82側へ伝達される面積が図1及び
図2の例に比べて小さくなっている。換言すれば、図17
の例の場合は、発熱体75がスペーサ82の表面82Aに直接
設けられているために、発熱体75の熱はスペーサ82(こ
れは断熱材として作用する。)側へ下方だけでなく横方
向にも伝達されるが、これに比べて本例の場合は突出部
82Bを介するためにスペーサ82側への伝熱量が減少する
ことになる。
【0121】この結果、発熱体75が小柱体80とは分離さ
れて設けられていることによる上述した作用効果(即
ち、小柱体80を通しての放熱がなく、また、小柱体80の
熱的ストレスを抑制すること、及び小柱体80の加工容易
性、その量の削減)が得られるのは勿論であるが、これ
に加えて、上記した突出部82Bによる伝熱の抑制で、発
熱体75による加熱効率を更に向上させることができる。
【0122】しかも、発熱体75は突出部分82Bの上面82
Cに設けられ、染料22の液面の近くに存在しているた
め、発熱体75の熱は染料気化を直接左右する液面領域を
効率的に加熱することにより、染料22の気化効率を一層
向上させることができる。即ち、発熱体75の表面(熱を
発生する面)を十二分に活用することが可能となる。
【0123】また、上記突出部分82B上には小柱体80と
の間に段差部分110 が存在しているので、ここに染料22
を効果的に保持、供給でき、かつ、段差部分110 へは一
方向からでも染料を供給できるので、その導入口84’も
1つですみ、またその位置もあまり制約されない。
【0124】その他、小柱体80の群による毛細管作用や
気化構造部101 による作用効果も、上記した実施例9と
同様に得られる。
【0125】この実施例において上記の発熱体75の幅
(突出部分82Bの幅)w及びその高さhは種々に選択し
てよいが、上記した加熱効率の点で(2/3)h≧w≧
(1/3)hなる関係を満たしているのがよい。例え
ば、h=6μm、w=3μmであってよい。なお、小柱
体80の高さは20μm以下、径は10μm以下、間隙92は20
μm以下としてよい。
【0126】<実施例11>この例は、図16のレーザ光L
の照射による染料気化と、図18の小柱体80の群との双方
を採用した例である。図19は、図16、図18と同様のプリ
ンタヘッド主要部の断面図である。
【0127】この例によるプリンタヘッド70にあって
は、前記実施例8及び実施例9による効果が併せ奏せら
れ、良好な記録が高速で得られる。
【0128】次の実施例12〜実施例16は、第二の発明に
基づく記録方法及び第四の発明に基づく記録装置を、非
接触の染料気化型プリンタに適用した例である。これら
の実施例では、気化部を、液化染料供給路中には設け
ず、これに連通する染料収容部に気化部を設けている。
【0129】<実施例12>この例によるプリンタヘッド
70では、図20に断面図で、図21に平面図で示すように、
スペーサ82の下面に溝を設け、この溝とベース材102 の
上面とによって液化染料供給路84を形成し、スペーサ82
上に絶縁板73を被着し、絶縁板73上に、液止め層97、保
護層91をこの順に設けている。そして、絶縁板73の一部
をRIE加工して小柱体80の群を設け、各小柱体80間に
空隙92を形成すると共に、前記実施例10(図18)と同様
にスペーサ82に突出部82Bを設け、此処に発熱体75を設
けて気化構造体101 を構成している。
【0130】この気化構造体101 は、所定ピッチで設け
られている。空隙92は、液化染料を収容し、絶縁板73に
染料収容部87が形成される。染料収容部87と液化染料供
給路84とは、染料導入口84’によって連通するようにし
てある。この例では、気化構造体101 を、上記のように
図18に示したそれと同じ構造としている。なお、液化染
料供給路84は、気化部を設けていないことを除いては、
図1、図2の前記実施例1におけると同様である。
【0131】この例にあっては、図18に示した前記実施
例10によると同様の効果が奏せられる上に、液化染料供
給路84中には発熱体や小柱体の群が存在しないので、液
化染料22は、液化染料供給路84中にて抵抗を受けずに流
れ、液化染料22の供給が、前記の各実施例におけるより
も一層効率的になされる。
【0132】<実施例13>図22に示すように、この例に
よるプリンタヘッド70は図20、図21に示した前記実施例
12と基本的な構造は同じであるが、製造過程において、
第2の壁 102a及び第1の壁82aから染料導入口84’の
壁面に至る部分に、図13に示したと同様の濡れ性の良い
塗布層182(例えばポリエステル系樹脂からなる層)が設
けられている点が異なる。
【0133】従って、本例の場合は、先に図13により示
した前記実施例5と同じく、液化染料22の主流部が滑ら
かな流れを形作り、前記実施例12におけるよりも液化染
料22の供給が更にスムーズになって記録の高速化が可能
となる。
【0134】この例では、上記に加えて、第1の壁82a
と第2の壁 102aとの交差部近傍の領域だけを、更に濡
れ性のよい材料(例えばポリエステル系樹脂)による塗
布層183 によって構成している。これにより、液化染料
の供給が更に一層良くなり、記録の一層の高速化を図る
ことができる。
【0135】<実施例14>この例によるプリンタヘッド
70は、図23に示すように、気化構造体101 を、図17に示
した前記実施例9における気化構造体と同様の構造と
し、その他は図23に示した前記実施例13のプリンタヘッ
ドと同様の構造としている。即ち、発熱体75をスペーサ
82上に直接設け、その上に小柱体80の群を立設してい
る。
【0136】この例にあっては、スペーサ82に突出部
(図22の82B)を設ける必要がなく、プリンタヘッドの
製造が、前記実施例13におけるよりも簡単になる。
【0137】<実施例15>図24に示すように、この例に
よるプリンタヘッド70は、気化構造体を小柱体80の群と
し、発熱体を設けていない。そして、この気化用発熱体
に替えて、半導体レーザ18及びレンズ19を配し、半導体
レーザ18から出射してレンズ19により集光されたレーザ
光Lを、気化構造体101 の液化染料に照射してこれを気
化させ、印画紙50に向けて飛翔させるようにしている。
【0138】この例にあっては、図16に示した前記実施
例8による効果と、図23に示した前記実施例14による効
果との双方が併せ奏せられ、良好な記録を高速に行うこ
とができる。
【0139】<実施例16>この例は、先に図36〜図40に
示したプリンタヘッド60と略同様の構造とし、これに図
9、図10に示した前記実施例2による液化染料供給路の
構造を採用した例である。図25〜図27はこの例によるプ
リンタヘッドを示すもので、図25はプリンタヘッド70の
主要部の断面図(図26の XXV−XXV 線拡大断面図)、図
26は同一部破砕斜視図、図27は同気化部及びその周辺の
拡大断面斜視図である。
【0140】この例では、気化構造体101 を断熱材ブロ
ック66上に設け、これらを液化染料供給路64の両側に位
置し、これに連通する四角形の穴62aに取付け、液化染
料供給路64の長手方向中心線上に液化染料を弾く材料か
らなる液止め部167 を突条として設けている。
【0141】図25に示すように、ベース63及びスペーサ
62に設けられた液化染料供給路64では、液化染料22は、
中央の液止め部167 に弾かれ、両側のスペーサ壁面62
b、62cに濡れてこれら壁面に沿って上昇し、液止め部
167 の両側に互いに対称な形状になり、毛細管作用が働
いて液化染料供給路64を効率良く通る。此処で液化染料
22の液面は、液止め部167 の左右に断面で互いに対称に
逆抛物線の形をとる。そして、液化染料22は、図26に示
す染料導入口64aを通って断熱材ブロック66上の気化構
造体101 へ供給される。液止め部167 は、突条に設ける
のに替えて、仮想線で示すようにベース壁面63aの溝に
埋設しても良い。
【0142】次に、図27により、この例による気化部17
の構造について説明する。この例によるプリンタヘッド
70は、図37に示した例と比べると、気化部17において断
熱材66及び発熱体75(更には小柱体80の群)からなる気
化構造物101 が形成されている点では同様であるが、基
本的に異なることは、小柱体80の群が発熱体75とは分離
して設けられていることである。
【0143】即ち、発熱体75は、断熱材ブロック66の上
面66Aにおいて一方端から他方端にかけて局部的に矩形
状に設けられていると共に、小柱体80の群は発熱体75の
両側において発熱体75とは分離されて設けられている。
【0144】このように構成することによって、図20、
図21に示した前記実施例12と同様に、発熱体75の熱は小
柱体80を介して逃げることはなく、効率よく加熱に用い
ることができ、小柱体80の群の毛細管作用による染料の
保持及び供給効率と発熱体75上の段差部分110 での染料
の保持効果によって染料を十二分に気化させ、供給する
ことができる。
【0145】しかも、発熱体75の熱は小柱体80へ直接伝
わることはないから、小柱体80が熱的ストレスにより破
損することもない。
【0146】なお、小柱体80及び発熱体75のサイズ、間
隔、厚み等は、前記実施例12で述べたものと同じであっ
てよい。また、この実施例のヘッド70においては、発熱
体75の電極94A、95Aは断熱材66の側面上からその周辺
域へ延び、またそれらの電極94A、95A上には配線メタ
ル94B、95Bが設けられている。
【0147】また、断熱材ブロック66は接着剤111 によ
って、染料液化用ヒータ68を設けたベース63に固定され
ている。染料収容部17を形成したスペーサ62は接着剤11
2 によってベース63上に固定されるが、染料収容部17内
に気化構造物101 が位置するようにしておく。なお、ス
ペーサ62上には、液止め層67及び保護層61を設けている
点は、図37で述べたと同様である。
【0148】なお、小柱体80や各層62、63は、ガラスで
形成したが、他の材質でも形成可能である。例えば、ポ
リイミド等の高分子材、セラミックス系、シリコン系、
金属系等又はこれらの組み合わせで形成することもでき
る。高分子材を使用できるのは、プリンタヘッド70を印
画紙50に対して押し付けない構造としているため、大き
な圧力を受けないことに依るものであり、また、発熱体
75の作動時に熱放散も少なく、熱的絶縁性が良好とな
る。
【0149】また、この例によるプリンタヘッド70によ
れば、気化構造部101 において発熱体75が、下地材とし
ての断熱材ブロック66の表面66Aを部分的に突出させて
なる幅細の突出部66Bの上面66Cに設けられているこ
と、従って、小柱体80と断熱材表面66Aとの中間高さレ
ベルに設けられている。突出部分66Bは断熱材66と一体
のものであり、その上面66Cと同じ高さレベルにおいて
発熱体75の一対の電極94、95が設けられている。
【0150】このように、発熱体75が断熱材66の突出部
分66B上に設けられることによって、発熱体から発生す
る熱は幅細の突出部分66Bを介してしか伝達されないの
で、その熱が断熱材66側へ伝達される面積が小さくなっ
ている。
【0151】この結果、発熱体75が小柱体80とは分離さ
れて設けられていることによる上述した作用効果(即
ち、小柱体80を通しての放熱がなく、また、小柱体80の
熱的ストレスを抑制すること、及び小柱体80の加工容易
性、その量の削減)が得られるのは勿論であるが、これ
に加えて、上記した突出部分66Bによる伝熱の抑制で、
発熱体75による加熱効率を更に向上させることができ
る。
【0152】しかも、発熱体75は突出部分66Bの上面66
Cに設けられ、染料22の液面の近くに存在しているた
め、発熱体75の熱は染料気化を直接左右する液面領域を
効率的に加熱することにより、染料22の気化効率を一層
向上させることができる。即ち、発熱体75の表面(熱を
発生する面)を十二分に活用することが可能となる。
【0153】また、上記突出部分66B上には小柱体80と
の間に段差部分110 が存在しているので、ここに染料22
を効果的に保持、供給でき、かつ、段差部分110 へは一
方向からでも染料を供給できるので、その導入路64aも
1つですみ、またその位置もあまり制約されない。
【0154】その他、小柱体80の群による毛細管作用に
よる作用効果も、前記実施例9〜15と同様に得られる。
【0155】この例において、上記の発熱体75の幅(突
出部分66Bの幅)w及びその高さhは種々に選択してよ
いが、上記した加熱効率の点で(2/3)h≧w≧(1
/3)hなる関係を満たしているのがよい。例えば、h
=6μm、w=3μmであってよい。なお、小柱体80の
高さは20μm以下、径は10μm以下、間隙92は20μm以
下としてよい。
【0156】なお、気化部17及び気化構造体101 は、本
例のように液化染料供給路64の両側に設けるのではな
く、前記実施例12(図20及び図21参照)と同じように液
化染料供給路64の片側にのみ設けることもできる。この
場合は、例えば図25において左側のみに設けるとすれ
ば、液化染料供給路64の一方の側壁62cは、仮想線で示
すように、液止め部167 に接する位置とするのが良い。
【0157】次に、記録装置(プリンタ)の構造を図28
〜図31によって説明する。図28及び図29はプリンタヘッ
ドとそのスキャン状態を示す概略裏面図、図30はプリン
タヘッドを下方から見た概略斜視図であり、いずれもシ
リアル方式のプリンタ又はプリンタヘッドについての例
を示している。
【0158】この染料気化型プリンタにおいて、多色印
刷を行うために、プリンタヘッド部を例えば3組(黒色
用のものを別に用意する場合は4組)用意し、夫々のヘ
ッド部を小型化して近接させ、多色印刷用のヘッド部と
している。即ち、図28に示すように、各色用のプリンタ
ヘッド70Y、70M、70Cを、ヘッドのスキャン方向Yに
並設する。
【0159】なお、モノカラー印刷の場合は、図29に示
すように、プリンタヘッド部70は1列で良い。
【0160】図30に示すように、このプリンタ200 にお
いて、各色のヘッド部Y、M、Cからなるプリンタヘッ
ド70は、シリアル型ヘッドとして、送りねじ機構からな
るヘッド送り軸201 とヘッド支軸202 により印画紙50の
紙送り方向Xと直交するヘッド送り方向Yに往復移動自
在にしてある。
【0161】また、プリンタヘッド70の上側には、印画
紙50を挟むように支持するヘッド受けローラ(プラテン
ローラ)203が回転自在に設けられている。そして、印画
紙50は、紙送り駆動ローラ204 と従動ローラ205 との間
に挟持されて紙送り方向Xに移動するようになってい
る。なお、プリンタヘッド70は、フレキシブルハーネス
206 を介して図示しない駆動制御部に接続されている。
【0162】1ラインの印画が終了したら、ヘッド支え
を兼ねた紙送り駆動ローラ204 で印画紙50を1ライン分
送る。印画スタートは1色毎に順次に行われるが、3ド
ット以降は同時に印画される。なお、複数の発熱体75が
ある場合は、交互に稼働させ、選択された発熱体75は印
画に供される一方、非印画の発熱体75は余熱を利用して
染料の液化や保温に使用し、温度をコントロールするこ
とができる。
【0163】図31は、ライン型に構成されたヘッド70を
有するカラービデオプリンタ200 を示すものであり、印
画紙50の幅方向に亘って各色のヘッド部Y、M、Cが並
置されている。
【0164】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0165】例えば、上述した液化染料供給路に設ける
液止め部は、その形状を変えたり、埋設型を突出型に変
更することもでき、また、この逆の型に変えることも可
能である。
【0166】また、上述した発熱体(ヒータ)75の形
状、材質、サイズ等については、種々のもの或いは組み
合わせを採用することができ、ポリ−Siの層とメタル
配線とを両用することや適宜SiNやSiO2 等の絶縁
膜を付着して保護膜を形成することもできる。
【0167】また、気化部に形成すべき多孔性構造は、
上述したものに限らず、例えば柱体の場合はその高さ、
平面又は断面形状、密度等を変化させてよいし、また、
その形成箇所も微細パターン化又は多孔質化、或いは表
面積の拡大等が要求される箇所であれば適用可能であ
る。多孔性構造としては、柱状体以外にも、壁状体や、
図33に示したビーズ集合体、繊維体等で形成したもので
あってもよい。
【0168】また、染料気化型の転写方式に限らず、既
述したアブレーションによる転写方式も可能であり、い
ずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写されるもの
である。
【0169】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応した発熱体や気化
部の数は種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等
も上述したものに限定されることはない。
【0170】また、染料収容部、染料供給通路をはじ
め、ヘッドやプリンタの構造や形状は、前記以外の適宜
の構造、形状としてよく、ヘッドを構成する各部分の材
料には、他の適宜の材料を使用してよい。記録染料につ
いても、マゼンタ、イエロー、シアンの3色として(更
には、黒を加えた)フルカラーの記録を行うほか、2色
印刷、1色のモノカラー又は白黒の記録を行うことがで
きる。
【0171】また、染料の加熱に発熱体又はレーザを使
用する以外にも、これらの発熱体とレーザとを組み合わ
せることもできる。この場合は、各加熱手段のパワーを
下げても良好に気化を実現することができる。
【0172】また、上述の例のように、固体染料を一旦
液状にし、これを気化させて記録を行う他、染料溜めに
液化染料(室温にて液状)を収容することができる。上
述したプリンタにおいて、ヘッド上方からレーザ光を照
射してその下側に位置する被記録紙に記録を行ってもよ
いし、この逆方向(下から上)に記録を行ってもよい。
【0173】なお、本発明は、記録材とこの記録材を溶
解若しくは分散させかつ加熱により体積膨張する物質
(即ち、キャリア)とを含有する記録液を供給し、加熱
により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、
この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ
移行させるインクジェット方式にも適用可能である。
【0174】
【発明の作用効果】第一の発明に基づく記録方法及び第
三の発明に基づく記録装置は、共通の記録材供給路内に
記録材移行部を複数個設けているので、各記録材移行部
への記録材の供給が、記録材導入のための分岐路が存在
しないことにより直接的になって効率的になされ、その
結果、良好な記録が保証される。
【0175】また、第二の発明に基づく記録方法及び第
四の発明に基づく記録装置は、共通の記録材供給路から
複数の記録材移行部へ記録材を導くに当たり、記録材に
対して濡れ性が互いに異なる材料を共通の記録材供給路
において記録材供給方向に沿って配置し、これらの濡れ
性が互いに異なる材料によって記録材にて表面張力を付
与するようにしているので、この表面張力によって毛細
管現象が記録材に起こり、この毛細管現象によって各記
録材移行部への記録材の供給が効率的になされ、その結
果、良好な記録が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によるプリンタヘッドの主要部の断面
図(図2のI−I線断面図)である。
【図2】同図1の平面図(図1のII−II線断面図)であ
る。
【図3】同プリンタヘッドの一部破砕平面図である。
【図4】同図3の断面図(図3のIV−IV線断面図)であ
る。
【図5】同図3の斜視図である。
【図6】同プリンタヘッドの主要部の拡大図で、(a)
は断面図、(b)は斜視図である。
【図7】同熱転写記録時の染料の状態を示す要部の拡大
断面図である。
【図8】同図7の平面図である。
【図9】実施例2によるプリンタヘッドの主要部を示す
平面図である。
【図10】同図9のXX−XX線断面図である。
【図11】実施例3によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図12】実施例4によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図13】実施例5によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図14】実施例6によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図15】実施例7によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図16】実施例8によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図17】実施例9によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図18】実施例10によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図19】実施例11によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図20】実施例12によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図21】同プリンタヘッドの平面図である。
【図22】実施例13によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図23】実施例14によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図24】実施例15によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図25】実施例16によるプリンタヘッドの主要部を示す
断面図である。
【図26】同プリンタヘッドの一部破砕斜視図である。
【図27】同気化構造体を示す拡大断面斜視図である。
【図28】本発明のプリンタヘッドとそのスキャン状態を
示す概略裏面図である。
【図29】同他のプリンタヘッドの同様のスキャン状態を
示す概略裏面図である。
【図30】同プリンタヘッドを下方から見た概略斜視図で
ある。
【図31】同プリンタヘッドを有する他のプリンタの概略
斜視図である。
【図32】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
正面図である。
【図33】本発明の完成前に案出されたプリンタの概略断
面図である。
【図34】同プリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図35】同他のプリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図36】本発明の案出前に出願されたプリンタの概略断
面図(図39の XXXVI−XXXVI 線断面図)である。
【図37】同プリンタのヘッドの主要部分の拡大断面斜視
図である。
【図38】同プリンタのヘッドの一部分の斜視図である。
【図39】同プリンタのヘッドの他の一部分の斜視図であ
る。
【図40】同プリンタヘッドの一部分の平面図である。
【符号の説明】
17・・・気化部 22・・・液化染料 22A・・・気化染料 50・・・印画紙 61、91・・・保護層 62、82・・・スペーサ 63、102 ・・・ベース 64、84・・・液化染料供給路 67、97・・・液止め層 68、75・・・ヒータ 70・・・プリンタヘッド 73・・・絶縁板 75・・・発熱体 80・・・小柱体 82a・・・第1の壁 101 ・・・気化構造体 102a・・・第2の壁 167 、197 ・・・液止め部

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体に対向する記録材移行部から前
    記被記録体へ記録材を移行させて記録を行うに際し、共
    通の記録材供給路内に前記記録材移行部を複数個設け、
    これらの記録材移行部から前記被記録体へ前記記録材を
    移行させる記録方法。
  2. 【請求項2】 共通の記録材供給路において、記録材の
    表面張力を利用して前記記録材を記録材移行部へ供給す
    る、請求項1に記載された記録方法。
  3. 【請求項3】 記録材に対して濡れ性が互いに異なる材
    料を共通の記録材供給路において記録材供給方向に沿っ
    て配置する、請求項2に記載された記録方法。
  4. 【請求項4】 各記録材移行部に記録材を吸引保持す
    る、請求項1に記載された記録方法。
  5. 【請求項5】 被記録体に対して間隙を隔てて記録材移
    行部を対向させ、この記録材移行部から前記間隙を通し
    て前記被記録体へ記録材を移行させる、請求項1に記載
    された記録方法。
  6. 【請求項6】 記録材移行部で記録材を気化又はアブレ
    ーションさせ、この気化又はアブレーションした記録材
    を被記録体へ移行させる、請求項5に記載された記録方
    法。
  7. 【請求項7】 被記録体に対向する記録材移行部から前
    記被記録体へ記録材を移行させて記録を行うに際し、共
    通の記録材供給路から複数個の前記記録材移行部へ前記
    記録材を導き、複数個の前記記録材移行部の夫々に前記
    記録材を保持させ、複数個の前記記録材移行部から前記
    被記録体へ前記記録材を移行させる記録方法であって、
    前記記録材に対し、濡れ性が互いに異なる材料を前記共
    通の記録材供給路において記録材供給方向に沿って配置
    し、これらの濡れ性が互いに異なる材料によって前記記
    録材に対する表面張力を付与して前記記録材を供給する
    記録方法。
  8. 【請求項8】 各記録材移行部に記録材を吸引保持す
    る、請求項7に記載された記録方法。
  9. 【請求項9】 被記録体に対して間隙を隔てて記録材移
    行部を対向させ、この記録材移行部から前記間隙を通し
    て前記被記録体へ記録材を移行させる、請求項7に記載
    された記録方法。
  10. 【請求項10】 記録材移行部で記録材を気化又はアブレ
    ーションさせ、この気化又はアブレーションした記録材
    を被記録体へ移行させる、請求項9に記載された記録方
    法。
  11. 【請求項11】 被記録体に対向する複数個の記録材移行
    部へ記録材を供給するための共通の記録材供給路を有
    し、この記録材供給路内に複数個の前記記録材移行部が
    設けられている記録装置。
  12. 【請求項12】 記録材の表面張力を利用した記録材保持
    手段が、記録材供給路内に記録材供給方向に沿って設け
    られている、請求項11に記載された記録装置。
  13. 【請求項13】 記録材保持手段が、互いに交差する壁面
    からなっている、請求項12に記載された記録装置。
  14. 【請求項14】 互いに交差する壁面の一方の壁面に、他
    方の壁面よりも記録材に対して濡れ性が小さい材料層が
    設けられている、請求項13に記載された記録装置。
  15. 【請求項15】 濡れ性が小さい材料層が壁面の交差点か
    ら離れた位置に存在している、請求項14に記載された記
    録装置。
  16. 【請求項16】 濡れ性が小さい材料層が溝に充填されて
    いる、請求項14に記載された記録装置。
  17. 【請求項17】 濡れ性が小さい材料層が壁面上に設けら
    れている、請求項14に記載された記録装置。
  18. 【請求項18】 ベース部と、このベース部と一体のスペ
    ーサ部とを有し、このスペーサ部に前記ベース部に接し
    て記録材供給路が設けられ、濡れ性の小さい材料層が前
    記ベース部の一部に設けられている、請求項14に記載さ
    れた記録装置。
  19. 【請求項19】 濡れ性の小さい材料層の近傍に、被記録
    体へ記録材を移行させるための移行エネルギー付与箇所
    が設けられている、請求項14に記載された記録装置。
  20. 【請求項20】 移行エネルギー付与が発熱体によって行
    われるように構成された、請求項19に記載された記録装
    置。
  21. 【請求項21】 移行エネルギー付与が加熱ビームによっ
    て行われるように構成された、請求項19に記載された記
    録装置。
  22. 【請求項22】 共通の記録材供給路内に、液状記録材を
    被記録体に飛翔させて記録を行うための記録材飛翔用構
    造体が設けられ、この記録材飛翔用構造体によって記録
    材移行部が構成されている、請求項11に記載された記録
    装置。
  23. 【請求項23】 毛細管現象を生ずる多孔性構造物が記録
    材飛翔用構造体に設けられている、請求項22に記載され
    た記録装置。
  24. 【請求項24】 多孔性構造物が小柱体の集合体によって
    形成されている、請求項23に記載された記録装置。
  25. 【請求項25】 液状記録材が気化又はアブレーションし
    て前記液状記録材と非接触状態で対向した被記録体へ飛
    翔するようにした、請求項22に記載された記録装置。
  26. 【請求項26】 被記録体に対向する複数個の記録材移行
    部へ記録材を供給するための共通の記録材供給路を有
    し、この共通の記録材供給路と前記各記録材移行部とが
    記録材導入路によって連通していて、前記記録材の表面
    張力を利用した記録材保持手段が、前記共通の記録材供
    給路内に記録材供給方向に沿って設けられている記録装
    置。
  27. 【請求項27】 記録材保持手段が、記録材供給路の互い
    に交差する壁面からなっている、請求項26に記載された
    記録装置。
  28. 【請求項28】 互いに交差する壁面の一方の壁面に、他
    方の壁面よりも記録材に対して濡れ性が小さい材料層が
    設けられている、請求項27に記載された記録装置。
  29. 【請求項29】 濡れ性の小さい材料層が壁面の交差点か
    ら離れた位置に存在している、請求項28に記載された記
    録装置。
  30. 【請求項30】 濡れ性の小さい材料層が溝に充填されて
    いる、請求項28に記載された記録装置。
  31. 【請求項31】 濡れ性の小さい材料層が壁面上に設けら
    れている、請求項28に記載された記録装置。
  32. 【請求項32】 ベース部と、このベース部と一体のスペ
    ーサ部とを有し、このスペーサ部に前記ベース部に接し
    て記録材供給路が設けられ、濡れ性の小さい材料層が前
    記ベース部の一部に設けられている、請求項26に記載さ
    れた記録装置。
  33. 【請求項33】 記録材移行部に、被記録体へ記録材を移
    行させるための移行エネルギー付与箇所が設けられてい
    る、請求項26に記載された記録装置。
  34. 【請求項34】 移行エネルギー付与が発熱体によって行
    われるように構成されている、請求項33に記載された記
    録装置。
  35. 【請求項35】 移行エネルギー付与が加熱ビームによっ
    て行われるように構成されている、請求項33に記載され
    た記録装置。
  36. 【請求項36】 液状記録材を被記録体に飛翔させて記録
    を行うための記録材飛翔用構造体によって記録材移行部
    が構成されている、請求項26に記載された記録装置。
  37. 【請求項37】 毛細管現象を生ずる多孔性構造物が記録
    材飛翔用構造体に設けられている、請求項36に記載され
    た記録装置。
  38. 【請求項38】 多孔性構造物が小柱体の集合体によって
    形成されている、請求項37に記載された記録装置。
  39. 【請求項39】 液状記録材が気化又はアブレーションし
    て前記液状記録材と非接触状態で対向した被記録体へ飛
    翔するようにした、請求項36に記載された記録装置。
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