JPH08156433A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH08156433A
JPH08156433A JP6331649A JP33164994A JPH08156433A JP H08156433 A JPH08156433 A JP H08156433A JP 6331649 A JP6331649 A JP 6331649A JP 33164994 A JP33164994 A JP 33164994A JP H08156433 A JPH08156433 A JP H08156433A
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JP
Japan
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recording
dye
heating element
recording material
heat
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JP6331649A
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English (en)
Inventor
Shuji Sato
修司 佐藤
Toshimasa Kobayashi
俊雅 小林
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 印画紙50に対向する染料収容部87に設けられ
た下地材82上(特に断熱材上)に、染料22の保持及び供
給を行うための多孔性構造体(例えば小柱体80の群)
と、染料22を加熱して飛翔させるための発熱体75(例え
ば電気抵抗体)とが互いに分離されてそれぞれ設けられ
ているプリンタヘッド70又はプリンタ200 。 【効果】 熱転写記録方式の特長を生かしながら、染料
等の記録材を十分に加熱して良好に飛翔させ、記録性能
を向上させ、また、記録材の冷却も効果的に行うと共
に、多孔性構造体の破損を防止して装置の信頼性を向上
させたプリンタヘッド及びプリンタを提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。これに対応して、色々な方
式のプリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料が分散してなるインク層が塗
布されたインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体とを一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱を加え、この加熱に応
じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写さ
せる方式がある。
【0004】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
についてそれぞれ繰り返すことによって、フルカラー画
像を得るようにしたいわゆる熱転写方式は、小型化、保
守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位
な画像を得る優れた技術として注目を集めてはいる。
【0005】図55は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)1とプ
ラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム12b上にインク層12aを設けたインクシート12と、
紙40b上に染着樹脂層(染料受容層)40aを設けた被記
録紙(被転写体)40とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられる。
【0006】そして、サーマルヘッド1によって選択的
に加熱されたインク層12a中のインク(転写染料)が、
被転写体20の染着樹脂層20aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直
交させて固定して配したライン方式や、サーマルヘッド
を記録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリア
ル方式が採用されている。
【0007】ところで、本出願人は、上記した如き熱転
写記録方式の利点を生かしつつ、廃棄物及び転写エネル
ギーを低減し、プリンタを小型、軽量化するために、図
56に示すような非接触方式の染料気化型レーザビームプ
リンタ(LBP)を既に提案した。
【0008】この記録方式によれば、熱溶融性の染料層
22を気化部17に有する記録ヘッド(例えばシリアル型の
プリンタヘッド)40と、気化した(或いは昇華した)染
料32を受容する受容層50aを持つ被記録体(印画紙)50
との間に1μm〜1mmの範囲の微小空隙17aを設けてい
る。
【0009】そして、レーザ光Lの照射によって、記録
ヘッド40の気化部17の染料収容部37に収容した液化染料
22をその沸点近傍まで選択的に加熱して気化させ、気化
染料32を空隙17a内で飛翔させて、気化穴23から被記録
体である印画紙50上に転写し、連続的な階調を持つ画像
を得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、
マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞ
れ繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0010】なお、この記録方式では、印画紙50を記録
ヘッド40に対して例えば上方側で対向させ、気化部17の
上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光さ
れたレーザ光Lを照射して気化染料32を上方に飛翔若し
くは移行させるのがよい。
【0011】この場合、転写染料が加熱手段により空隙
17aを移動するためには、気化現象の他に、高出力レー
ザが照射された時にしばしば見られ、染料分子の結合が
効率よく切断されてそのエネルギーを利用して非常に大
きい速度でエッチングされる現象や、沸騰や爆発により
発生したガスのエネルギーを利用して非常に大きい速度
でエッチングされる現象も利用できる(こうした気化機
構以外の転写機構をアブレーションと称する:以下、同
様)。
【0012】また、レーザ光透過性のあるヘッドベース
14に染料溜め15を設け、ヘッドベース14上に固定した蓋
体13との間に液化染料22を収容し、ここから染料通路27
を経て気化部17に液化染料22を供給する。この場合、気
化部17への染料の供給効率及び気化効率の向上のため
に、発熱によって生じる染料の表面張力低下による染料
逃げを防止し、毛細管現象を利用して継続的な染料の供
給及び保持を行うために、小さなビーズ21からなるビー
ズ集合体20を気化部17に設けている。
【0013】そして、上記の空隙17aを保持し、X方向
(紙面垂直方向)に移動する印画紙50をガイドするため
に、蓋体13上に保護板(図示せず)を固定している。こ
の保護板には、上記の染料の液化状態を保持するための
ヒータが埋設されていてよいが、ここではヒータ26は染
料収容部(上記の通路27)内に配設する。
【0014】固体染料収納槽41内の固形粉末状の熱溶融
性染料42は、逆止弁44によって供給口43から供給され、
ヒータ26により融解点まで加熱されて溶融(液化)され
る。この液化染料22は、ビーズ集合体20による毛細管現
象によって気化部17のビーズ集合体20の上面に定量ずつ
高速に供給される。
【0015】また、このプリンタヘッドを含むプリンタ
全体は、例えばフルカラー用として図57に示すように、
イエロー、マゼンタ、シアンの各染料溜め15Y、15M、
15Cをそれぞれ共通のベース14に設けて各染料供給部又
は供給ヘッド部37Y、37M、37Cを構成し、そこから各
色の染料を12〜24個の多数のドットを形成する列状の気
化部17Y、17M、17Cに供給する。
【0016】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する(36はレーザ光Lを直角方向に導
くためのミラー)。
【0017】集光レンズとしては、図示したレンズ系で
もよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使
用してよい。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出
射位置が上記の各気化部17C、17M、17Yに相当するよ
うに屈折経路が変化するように形成されたものである。
なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコント
ロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35
によって十分に放熱できるようになっている。
【0018】なお、モノカラー印刷の場合は、図58に示
すように、1次元レーザアレイ30を作製し、それぞれの
レーザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすること
によって、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得ら
れる(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の
速度となる)。
【0019】上記した各プリンタヘッドはいずれも、染
料収容部37を記録ドット数に対応した個数分だけ液化染
料22をドット状に収容すると共に、レーザ18も記録ドッ
ト数の各発光点を有するアレイ状に配したものである。
レーザ18に依らない上記の熱転写方式のプリンタでも、
サーマルヘッド1の加熱部も同様にドット状に配列され
ている。
【0020】上記したように、この染料気化型レーザビ
ームプリンタによれば、記録に消費される染料について
は、その失われた分だけを染料溜めから溶融状態で気化
部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、
適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に
移動することにより、気化部へ連続的に供給することが
できる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しない
ために、可能となる。従って、記録に関与する気化部
は、繰り返して多数回使用できるので、上述した熱転写
方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであ
るのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0021】また、気化型又はアブレーション型である
ために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで
記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に上述し
た熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生
じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッド
のみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電
力が低減する。同時に、染料の供給に上述したインクシ
ートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリ
ンタを小型、軽量化できる。
【0022】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、上述の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利であ
る。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しない
ために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではな
く、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能で
ある。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が
著しく広がる。
【0023】また、染料の気化(或いは昇華)のための
熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用
いることを基本としているが、半導体レーザは電力から
光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れ
ているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高
い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱
転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー
利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利に
なるという特徴も有する。
【0024】さらに、従来のインクジェット方式のカラ
ープリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは
出力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記
の記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、
カラービデオカメラ等で作りだされた電気的な画像を半
導体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換
し、銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調
を持つフルカラー画像を形成することができる。
【0025】なお、この染料気化型の記録方法に適した
転写体としてのヘッド40は、転写時に瞬間的に加わる熱
量に対して十分耐える性質と、気化部(転写部)へ毛細
管現象により自発的に液状の染料を供給するための表面
積が大きくかつ転写時にも強固に染料を保持することの
できる構造(図56での20)とを有することが好ましい。
また、適当な保温装置を設けることによって、融点が室
温以上である染料又は染料混合物の使用も可能になる。
【0026】また、この記録方法に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。特に、アブレーシ
ョン機構が気化機構よりも優位を占める場合は、直接染
料のように分子量が大きくて気化速度が小さい染料や、
カーボンブラックや顔料でさえも転写は可能である。融
点が室温以上にある染料でも、染料同士を混合すること
により、或いは染料と揮発性の低分子量物質を混合する
ことにより、融点は低下する。
【0027】また、この記録方法に適した印画紙は、転
写染料と適当な相溶性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
像層内部に浸透させる方式も可能である。
【0028】染料転写方式の加熱手段は、大別して、熱
ヘッドによる方法と、レーザ光と、レーザ光の波長領域
を含む波長領域に吸収を示し、光エネルギーを熱エネル
ギーに変換する材料(光熱変換体)(図示せず)とレー
ザ光とを組み合わせる方法とが挙げられる。
【0029】レーザ光を使用する場合には、解像度が著
しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上
がり、この結果、熱効率が向上するという特徴がある。
特に、マルチレーザを使用することによって、1画面を
転写する時間は大幅に短縮される。
【0030】但し、光熱変換体は、連続的に光エネルギ
ーのレーザ光を吸収するために耐熱性を十分に満足する
ものでなければならない。従って、この方式に用いる光
熱変換体としては、レーザの発光波長に一致する吸収を
示す金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄
膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を直接転写部に設ける
他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸
収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系
色素又は有機金属系色素等の如く耐熱性の優れた染料又
は顔料を転写染料に均一に分散して使用してもよい。
【0031】
【発明に至る経過】また、本出願人は、インクシート及
び感熱ヘッドを必要としないで、省電力、小型化及び低
コストを図った他の昇華型カラービデオプリンタを特願
平5−236541号、特願平4−300587号、特願平5−1124
1 号、特願平5−12106 号等において提案している。
【0032】このプリンタの類似構造を図59〜図63によ
って具体的に説明する(但し、図54のヘッドと共通する
部分には共通符号を付す。)と、ヘッド部60は、分散染
料としての固形粉末状の昇華染料42を収納する染料槽41
と、下側に位置する高強度材からなる耐摩耗性の保護層
61と、中央に位置するスペーサ62と、上側に位置するヘ
ッドベース63とによって構成されている。なお、図60
は、図59とは上下を逆にして示したものである。
【0033】そして更に、染料収納槽41内の固形粉末状
の昇華染料42を加熱液化して導く液化染料導入部64と、
この液化染料導入部64に沿って所定間隔毎に複数配置さ
れ、この液化染料導入部64から導かれた液化分散染料22
を気化熱によって気化させる各気化部17と、この気化部
内にて染料22の液面下に設けた気化用発熱体65と、それ
を支える断熱材(ブロック)66と、発熱体65上において
染料22の保持及び供給を行う多孔性構造体である小柱体
80の群とを有している。断熱材66の両側面には発熱体の
電極65A、65Bが設けられ、図示省略した構造を介して
取り出されている(但し、ヒータ68との間の絶縁構造は
図示省略)。
【0034】保護層61は、印画紙50に軽圧で接触する際
に各気化部17の気化穴23内に汚れや塵、埃や異物等が混
入するのを防止する機能を有しており、熱伝導率がよ
く、耐熱性、耐摩耗性に優れたタンタル等の金属系やガ
ラス系の材料によって形成されている。また、保護層61
には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複
数の穴61aをエッチング技術等の微細加工により形成し
てある。
【0035】スペーサ62は、例えばガラス系やセラミッ
ク系、ポリエチレン系樹脂、タンタル等の金属系で形成
され、材料や厚み及びその組み合わせにより、液化分散
染料22の溶融温度の調整と、保護層61への伝熱による印
画紙50の染料受容層50aの温度の調整とを行う機能を有
している。
【0036】なお、印画紙50は、実際には、セルロース
系の樹脂などによって形成され、分散染料を吸収する染
料受容層50aと、ベース材50bとからなっている。ベー
ス材50bは、耐熱性が強く、非吸湿性の良いポリプロピ
レン層と、ベース紙と、ポリプロピレン層に対するバラ
ンスをとり、印画紙50が反らないようにするための別の
ポリプロピレン層とが積層された構造になっており、ま
た光吸収層(これは省略可能である。)が設けられてい
てもよい。
【0037】スペーサ62には、図59、図60、図62に示す
ように、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の
複数の穴62aをそれぞれ形成していると共に、染料収納
槽41(イエロー用41Y、マゼンタ用41M、シアン用41
C)側からヘッドベース63の他端側に延びて各気化部17
の気化穴23に連通する複数の溝穴64を形成している。
【0038】更に、保護層61とスペーサ62との間には染
料液止め層67が設けられている。この染料液止め層67
は、耐熱性があって化学的に安定しているフッ素系やシ
リコン系の樹脂材料によって形成され、液化分散染料22
が保護層61の壁面を経由して外部へ漏れて印画紙50の染
料受容層50aに付着するのを防止するものである。
【0039】また、図59、図60、図61に示すように、液
止め層67には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角
柱状の複数の穴67aをそれぞれ形成している。なお、保
護層61と染料液止め層67とスペーサ62とは、耐熱性があ
る接着剤でそれぞれ接着されている。
【0040】ヘッドベース63は、融点が高く、熱成形性
がなく、低熱伝導性である例えばガラス、セラミックス
等によってなるべく薄く形成されている。また、図59に
示すように、ヘッドベース63の各染料収納槽41側には、
各液化染料導入部64に連通する供給口(接続穴)43を形
成している。
【0041】更に、ヘッドベース63の各液化染料導入部
64側の面には、各染料槽41内まで板状のヒータ(発熱
体)68を取り付けている。このヒータ68は、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電により50℃
〜300 ℃の熱を発して固形粉末状の分散染料42を液化す
ると共に、液化状態で保温する機能を有する。
【0042】図59に示すように、ヒータ68の一方の端部
は、上方に垂直に折り曲げられて各染料収納槽41内に挿
入されていると共に、その他方の端部は各液化染料導入
部64の終端部側まで伸びている。また、図63に示すよう
に、ヒータ68はヘッドベース63の全面に配置されてお
り、スペーサ62及び保護層61を保温して印画紙50の染料
受容層50aも加熱できるようになっている。
【0043】図59〜図63に示した上記のプリンタヘッド
60によれば、図56〜図58に示したプリンタヘッド40で述
べた特長を有している上に、このプリンタヘッド40と比
較すると、以下に述べるような利点を有している。
【0044】まず、各気化部17における気化のための染
料加熱は、レーザ光Lを使用するのではなく、各気化部
に設けた発熱体65の発熱によって行っているので、高価
な半導体レーザ(特に並列に複数本設けるマルチレーザ
アレイ)の代わりに低コストの発熱体の使用が可能とな
り、また、気化効率はレーザの電気光変換効率に依存せ
ずにヒータの発熱を直接利用することになり、全体とし
ての効率が向上する。
【0045】しかしながら、本発明者がプリンタヘッド
60について検討を加えた結果、次に述べるような改善す
べき点が残されていることを見出した。
【0046】プリンタヘッド60のヘッド構造において、
図59及び図60に示すように、気化部17において断熱材66
及び発熱体65(更には数μmサイズの小柱体80の群)か
らなる気化構造物81を形成しているが、多数の小柱体80
を発熱体65上に設けているために、ヘッド作動時に発熱
体65から生じる染料気化用の熱が多数の小柱体80を通し
て逃げ、周囲へ放出され易くなり、また、発熱体65の全
表面を染料の加熱に直接用いていないことになる。この
結果、染料の気化効率が低下してしまうので、不利であ
る。
【0047】しかも、小柱体80は発熱体65の上に設けら
れているために、発熱体65の熱を直接受け、熱的にスト
レスが加わって破損し易くなる。また、小柱体80の個数
も多くなり、その加工が面倒である。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した熱転写記録方式の特長を生かしながら、染料等の記
録材を十分に加熱して良好に飛翔させて記録性能を向上
させ、また記録材の冷却も効果的に行うと共に、多孔性
構造体の破損を防止して装置の信頼性を向上させた記録
装置を提供することにある。
【0049】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、被記録
体に対向する記録材収容部に設けられた下地材上(特に
断熱材上)に、記録材の保持及び供給を行うための多孔
性構造体(例えば小柱体の群)と、前記記録材を加熱し
て飛翔させるための発熱体(例えば電気抵抗体)とが互
いに分離されてそれぞれ設けられている記録装置に係る
ものである。
【0050】本発明の記録装置によれば、下地材上に多
孔性構造体と発熱体とが互いに分離されてそれぞれ設け
られているので(しかも、下地に断熱材が存在している
と)、発熱体から生じる熱は多孔性構造体へは実質的に
逃げること(周囲への放熱又は熱放出が生じること)は
なく、また、発熱体の表面はその上に多孔性構造体が存
在していないために記録材の加熱に直接用いられ、十分
に活用できることになる。これによって、発熱体による
記録材に対する加熱効率を高め、その飛翔効率(特に気
化効率)を高めて記録性能を向上させることができる。
【0051】また、発熱体が作動しない非加熱時には、
記録材の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出できる
ため、効果的に記録材の冷却を行うことができる。
【0052】そして、多孔性構造体は発熱体とは分離さ
れているため、例えば隣接して配されていても、多孔性
構造体には加熱による熱的ストレスが実質的に加わるこ
とはなく、その破損が発生せず、信頼性を向上させるこ
とができる。また、多孔性構造体の占有面積を減らし、
その加工等がより容易となる。
【0053】上記の多孔性構造体は、その毛細管作用で
記録材の逃げを抑制し、記録材を効果的に保持及び定量
供給し、熱を効率良く伝えることを可能にし、気化又は
アブレーション効率を向上させることができ、また記録
材の定量供給により気化又はアブレーション量を一定と
して高画質の記録が得られる。
【0054】この記録装置において、発熱体が下地材の
表面に設けられていると、発熱体は多孔性構造体よりも
凹んで位置することになるため、この凹み部分(段差部
分)に記録材が保持されてその逃げの発生を抑え、その
供給効率を向上させることができる場合がある。
【0055】本発明はまた、下地材(特に上記した断熱
材)の表面が部分的に突出しており、この突出部分上に
上記した発熱体(例えば電気抵抗体)が設けられ、か
つ、前記断熱材上に上記した多孔性構造体(例えば小柱
体の群)が設けられている記録装置も提供するものであ
る。
【0056】この記録装置によれば、発熱体が下地材の
突出部分上に設けられているため、発熱体が下地材の表
面に設けられている場合に比べて、発熱体から生じる熱
が下地材側へ伝達される面積は前記突出部分の面積分と
なって減少することになり、また、突出部分の高さによ
って発熱体の熱が記録材の表面域へ十分に伝わり、発熱
体の表面を十二分に活用できることになる。これによっ
て、発熱体から発生する熱が下地材へ逃げる(これは、
下地材が断熱材であっても生じ得る。)割合を減少さ
せ、発熱体による記録材に対する加熱効率を高め、その
飛翔効率(特に気化効率)を高めて記録性能を向上させ
ることができる。
【0057】また、発熱体が作動しない非加熱時には、
記録材の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出できる
ため、効果的に記録材の冷却を行うことができる。
【0058】この記録装置において、上記多孔性構造体
は、上記したようにその毛細管作用によって記録材の保
持及び定量供給に寄与するが、発熱体が多孔性構造体よ
りも低い位置に配されている(即ち、上記突出部分の高
さが多孔性構造体の高さよりも低い)ことが望ましい。
この場合には、突出部分が多孔性構造体よりも凹んで位
置することになるため、この凹み部分(段差部分)に記
録材が保持されてその逃げの発生を抑え、その供給効率
を向上させることができる。
【0059】そして、多孔性構造体は発熱体とは分離さ
れて設けられている(例えば隣接して配されている)
と、上記したと同様に、加熱による熱的ストレスが実質
的に加わることはなく、その破損が発生せず、信頼性を
向上させることができる。また、多孔性構造体の占有面
積又は量を減らし、その加工等がより容易となる。
【0060】また、記録材を加熱するために発熱体が設
けられているので、その発熱体への通電によって記録材
を効率良く加熱できると共に、レーザを使用する必要が
ないために低コスト化が可能となる。
【0061】そして、本発明の記録装置は、記録材を加
熱して被記録体へ飛翔させる熱転写方式のものであるか
ら、既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品
位化、高階調性等の特長を有している。
【0062】特に、この記録装置が、記録材が加熱によ
って気化又はアブレーションし、記録材と非接触状態で
対向配置された被記録体へ飛翔するように構成されるこ
とが望ましい。即ち、間隙を通して記録材を被記録体に
飛翔させるように構成されるのがよく、既述した非接触
方式の染料気化型プリンタ用の記録ヘッドに好適であ
る。
【0063】なお、本発明の記録装置は、上述したプリ
ンタヘッドの如き記録ヘッドのみならず、この記録ヘッ
ドを組み込んだプリンタも包含する概念である(以下、
同様)。
【0064】本発明の記録装置においては、記録材を加
熱により被記録体へ飛翔させるための記録材飛翔用構造
体(例えば、断熱材と小柱体群等の多孔性構造体と発熱
体とからなる微小な気化構造物)と、記録材収容部へ前
記記録材を供給するための記録材供給構造部(例えば、
液化染料供給通路を有するスペーサ部材)とを有し、前
記記録材飛翔用構造体が前記記録材供給構造部上に一体
に設けられているのがよい。
【0065】即ち、こうした一体化構造は肉厚に形成さ
れることになり、記録材供給構造部及び微小な記録材飛
翔用構造体を加工するときの機械的強度が十分となり、
割れや破壊を生じることなく、取扱い性、加工性及び信
頼性、更には歩留り及びコストパフォーマンスを向上さ
せることができる。
【0066】また、記録材飛翔用構造体を記録材供給構
造部上でパターニングによって形成し、このパターニン
グ後にそのまま残せばよいから、接着剤等を用いて個々
に固定する必要はなくなり、位置合わせを容易かつ高精
度に行え、記録特性を改善することができる。
【0067】こうした記録装置を効果的に製造する方法
として、記録材収容部となる第1素材(例えばSiO2
層)と記録材供給構造部となる第2素材(例えば石英ガ
ラス板)とを一体化する工程と、前記第2素材に記録材
供給路を形成する工程と、前記記録材供給路が開口した
記録材収容部を前記第1素材に形成する工程と、この第
1素材の前記記録材収容部に記録材飛翔用構造体(例え
ば小柱体群)を形成する工程とを有する製造方法が望ま
しい。上記記録材供給路を有する記録材供給構造部を更
に補強材(例えば石英ガラス板)に固定することが望ま
しい。
【0068】また、上記と同様の理由から、記録材飛翔
用構造体が記録材気化又はアブレーション部に配され、
記録材供給路を有するスペーサ部材上に一体に設けられ
ていることもよい。
【0069】この場合、記録材供給構造部が更に補強材
に固定されていると、記録装置の機械的強度は一層向上
する。
【0070】本発明の記録装置において、上記した記録
材飛翔用構造体が、上記した記録材供給構造部に形成さ
れた記録材収容部内に取り付けられていてもよい。
【0071】この場合、具体的には、記録材供給構造部
がベース材に固定され、このベース材上に記録材収容部
が形成され、この記録材収容部内において前記ベース材
上に記録材飛翔用構造体が取り付けられている。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明が以下の実施例のみに限定されるもので
ないことは勿論である。
【0073】図1〜図10は、本発明を非接触方式の染料
気化型プリンタ(例えばビデオプリンタ:以下、同様)
に適用した第1の実施例を示すものである。
【0074】まず、図1及び図2について、本実施例に
よるプリンタヘッド70の特徴的構成を説明する。
【0075】このプリンタヘッド70の染料気化部77にお
いては、厚さが20μm以下、例えば6〜15μmのSiO
2 層からなる絶縁板73に染料収容部87が凹状に形成さ
れ、この収容部に絶縁板73の微細加工による幅及び径が
10μm以下(例えば1〜2μm)、間隔が20μm以下
(例えば1〜2μm)、高さが20μm以下(例えば6〜
15μm)の微細な小円柱状の小柱体80の群が気化構造体
101 の一部として設けられている。
【0076】この小柱体80は、収容部87の底面からその
上面に至るまでの高さに設けられ、かつ、各小柱体間に
は微小空隙92を有しており、この空隙によって全体とし
て多孔性構造を構成している。空隙92は、その毛細管作
用によって収容部87内で液化染料22を保持すると同時
に、プリンタの1ドット分の時系列的動作に必要な十分
な量の液化染料22を上方(気化面又は液面)へ供給する
作用をなすものである。
【0077】そして、この小柱体80の群は左右の2つに
分けられ、その中間の小柱体のない領域において染料収
容部87の底面に厚さが例えば1μmの発熱体75が局部的
に矩形状に設けられている。従って、発熱体75は小柱体
80とは別々の領域に互いに分離して設けられ、これらが
それぞれ下記のスペーサ82上に直接配されていることに
なる。
【0078】発熱体75はカーボンやポリシリコン等のシ
リコン系化合物で染料収容部87の底面87A又はスペーサ
82の表面82A上に形成されていて、その両側には一対の
アルミニウム電極94と95が設けられている。
【0079】電極94−95間にマトリックス駆動によって
画像信号に基づく信号電圧が印加され、これによる通電
で発熱体75において50〜500 ℃の発熱を生じ、この熱で
液化染料22を効率良く加熱して気化させるものである。
そして、絶縁板73下に石英ガラスからなるスペーサ82が
一体化して設けられているために、スペーサ82が断熱材
として作用し、上記の発熱体75による熱は効率よく染料
の加熱に用いられる。
【0080】スペーサ82には、液化染料22の供給通路84
が形成され、これが染料導入口84’として染料収容部87
の底面に開口している。従って、液化染料22は、連続的
に通路84及び導入口84’を介して染料収容部87内に導入
され、気化構造体101 へ供給されることになる。
【0081】ここで注目すべきことは、上記したように
染料収容部87内において発熱体75と小柱体80とがスペー
サ82上に互いに分離されてそれぞれ設けられていること
である。
【0082】即ち、スペーサ82上に、多孔性構造体であ
る小柱体80の群と発熱体75とが互いに分離されてそれぞ
れ設けられている(しかも、下地に断熱材としても機能
するスペーサ82が存在している)ので、発熱体75から生
じる熱は多孔性構造体へは実質的に逃げること(周囲へ
の放熱又は熱放出が生じること)はなく、また、発熱体
75の表面はその上に多孔性構造体は存在していないため
に染料22の加熱に直接用いられ、十分に活用できること
になる。これによって、発熱体75による染料22に対する
加熱効率を高め、その気化効率を高めて記録性能を向上
させることができる。
【0083】また、発熱体75が作動しない非加熱時に
は、染料22の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出で
きるため、効果的に染料22の冷却を行うことができる。
【0084】そして、多孔性構造体(小柱体80の群)は
発熱体75とは分離されているため、隣接して配されてい
ても、多孔性構造体には加熱による熱的ストレスが実質
的に加わることはなく、その破損が発生せず、信頼性を
向上させることができる。また、多孔性構造体の占有面
積又は量を減らし、その加工等がより容易となる。
【0085】上記の多孔性構造体は、小柱体80の群から
なっているので、各小柱体間の毛細管作用で染料22の逃
げを抑制し、染料22を気化領域に効果的に保持及び定量
供給し、熱を効率良く伝えることを可能にし、気化又は
アブレーション効率を向上させることができ、また染料
22の定量供給により気化又はアブレーション量を一定と
して高画質の記録が得られる。
【0086】また、発熱体75は、スペーサ82の表面(染
料収容部87の底面)に設けられているので、発熱体75は
多孔性構造体(小柱体80の群)よりも凹んで位置するこ
とになり、この凹み部分(段差部分)110、即ち発熱体75
上に導入口84’からの染料22をスムーズに供給すること
ができる。従って、導入口84’が1箇所であっても染料
22の供給を十分に行える。仮に、図60に示したと同様
に、発熱体75上に小柱体80が一様に設けられている場合
は、染料22を一方側から供給することが困難となり、図
60のように四方から発熱体上に供給したり、或いは染料
導入口や供給用の溝が2箇所以上必要となる。
【0087】また、上記段差部分110 に染料22をスムー
ズに供給し、そこに保持し易くなり、段差部分のパター
ンによっては(例えばその周囲が小柱体80で囲まれる如
くになっていると)、染料の保持を一層十分に行い、そ
の逃げを十分に防止することができる。
【0088】また、発熱体75が作動しない非加熱時に
は、染料22の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出で
きるため、効果的に染料の冷却を行うことができる。
【0089】本例のプリンタヘッド70においては、上記
の絶縁板73はスペーサ82上に一体化されているので、こ
の一体化構造は、絶縁板73又はスペーサ82が単独である
場合に比べて肉厚であって、機械的強度が大きくなって
いる。
【0090】従って、染料収容部87や小柱体80、更には
染料通路84等を加工するときの機械的強度が十分とな
り、割れや破壊を生じることなく、取扱い性、加工性及
び信頼性、更には歩留り及びコストパフォーマンスを向
上させることができる。
【0091】また、小柱体80及び染料収容部87をスペー
サ82上での絶縁板73のパターニングによって形成し、こ
のパターニング後にそのまま残して気化構造体101 を形
成できるから、これを接着剤等によって個々に固定する
必要はなくなり、パターニング時の位置合わせのみでよ
いために小柱体80及び染料収容部87、更には導入口84’
の位置合わせを容易かつ高精度に行え、記録特性を改善
することができる。
【0092】そして、スペーサ82は更に、石英ガラス板
からなる底板102 に接合、固定されているので、この底
板102 が補強材として作用し、ヘッドの機械的強度が一
層十分となっている。但し、この底板102 は必ずしも設
けなくてよく、スペーサ82の下面には染料収納槽(図示
せず)を直接取り付けてもよい。
【0093】上記の電極94及び95は発熱体75と共にスペ
ーサ82の上面に設けられるが、それら電極84及び85を含
む上面には、フッ素系又はシリコン系樹脂からなる染料
液止め層97が設けられ、液化染料22の上方への漏れを防
止している。更にこの液止め層97上には、既述した保護
層61と同等のタンタルやガラス等からなる保護層91が設
けられている。各層91、97には気化用の開口91a、97a
が形成されている。
【0094】上記のように構成された染料気化部77は、
図1及び図2では1ドット分示したが、ヘッド70におい
て実際には、図59〜図63に示したと同様に、フルカラー
用として各色(イエローY、マゼンタM、シアンC)毎
に複数ドットが配置される。従ってこの場合、図1及び
図2の構造がライン状に配設される。図示省略したが、
これらの各気化部には、各収納槽から染料供給路84を経
て各色の液化染料が供給される。
【0095】そして、印画紙50をカラー印画する際に、
画像信号に応じて発熱体75により熱が発生する。この気
化熱により、各気化部の染料が気化し、保護層91の穴91
aを通り、印画紙50の受容層50aにY、M、Cの順で転
写される。
【0096】本実施例によるプリンタヘッド70は、図59
に示したヘッド60と同様、染料22を加熱して間隙を通し
て印画紙50へ飛翔させる熱転写方式のものであるから、
既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品位
化、高階調性等の特長を有している。染料の液化、保温
用のヒータ(図59でのヒータ68)等については図示省略
したが、図59で述べたと同様に採用されてよい。
【0097】なお、小柱体80や各層73、82、102 は、ガ
ラスで形成したが、他の材質でも形成可能である。例え
ば、ポリイミド等の高分子材、セラミックス系、シリコ
ン系、金属系等又はこれらの組み合わせで形成すること
もできる。高分子材を使用できるのは、プリンタヘッド
70を印画紙50に対して押し付けない構造としているた
め、大きな圧力を受けないことに依るものであり、ま
た、発熱体75の作動時に熱放散も少なく、熱的絶縁性が
良好となる。
【0098】次に、本実施例によるヘッド70の製造方法
の一例を図3〜図10について説明する。
【0099】まず、図3のように、石英ガラス板からな
るスペーサ材82上にCVD(化学的気相成長法)等によ
ってポリシリコン(P−Si)103を厚さ1μm程度に成
膜する。
【0100】次いで、図4のように、ポリシリコン層10
3 をフォトリソグラフィでパターニングし、発熱体75を
スペーサ材82上に形成し、更にアルミニウムを真空蒸着
法等によって全面に被着し、これをフォトリソグラフィ
でパターニングして発熱体75の一対のアルミニウム電極
94及び95を形成する。
【0101】次いで、図5のように、全面にスパッタ法
等によってSiO2 層73を厚さ6〜15μmに成膜する。
【0102】次いで、図6のように、SiO2 層73上に
真空蒸着法又はスパッタ法によってクロム等の金属薄膜
104 を全面に被着し、これを所定パターンのフォトレジ
ストをマスクとしてパターニングし、染料収容部となる
パターン87’と小柱体となるパターン80’をそれぞれ形
成する。このパターニング法に代えて、まずフォトレジ
ストを所定パターンに形成し、この上に金属薄膜104 を
被着し、リフトオフによって金属薄膜104 を図6の形状
にパターニングしてもよい。
【0103】次いで、図7のように、パウダービームエ
ッチング(PBE)によってスペーサ材82を裏面から加
工し、染料供給通路84を面方向に形成する。この場合、
スペーサ材82が厚いときには、裏面を研磨して厚みを調
整してから通路84を加工してよい。
【0104】次いで、図8のように、引き続いてパウダ
ービームエッチング(PBE)によって染料収容部パタ
ーン87’の位置に染料供給通路84に通じる染料導入穴8
4’をSiO2 層73の厚みを貫通して形成する。
【0105】次いで、図9のように、金属薄膜104 をマ
スクとしてリアクティブイオンエッチング(RIE)を
行い、SiO2 層73に染料収容部87と小柱体80の群とを
それぞれ形成する。この際、小柱体80の群を発熱体75の
両側に発熱体75と分離させる。また、染料導入口84’
は、染料供給通路84を染料収容部87に開口させるように
なる。
【0106】次いで、図10のように、スペーサ材82の裏
面に石英板からなる底板102 を融着によって固定する。
この固定は、低融点ガラスや接着剤等で行うこともでき
る。この後は、上面に必要な層を形成し、図1のヘッド
を完成する。
【0107】以上のように、スペーサ82の上面に設けた
SiO2 層73に対し小柱体80を微細加工し、スペーサ82
の裏面に溝加工して通路84を形成し、更に、微細加工で
厚み方向に穴84’を加工して通路84と連結した構造とす
る加工工程を行うことにより、安定かつ低コストに加工
を行え、また、位置合わせや強度が向上し、精度が良
く、信頼性の高い気化部構造が得られる。
【0108】図11は、本発明を非接触方式の染料気化型
プリンタに適用した第2の実施例を示すものである。
【0109】この実施例では、図1及び図2の例と比べ
て、発熱体75が蛇行状パターンに形成され、このパター
ン間及び周囲に小柱体80が設けられている点が異なり、
他の部分は同様に構成されている。
【0110】従って、この実施例でも、発熱体75と小柱
体80とは互いに分離して設けられるために、上記した第
1の実施例と同様の作用効果が得られると共に、発熱体
75が蛇行状であることから染料に対する加熱領域を拡
げ、均一な加熱を行うことができる。
【0111】図12〜図32は、本発明を非接触方式の染料
気化型プリンタに適用した第3の実施例を示すものであ
る。
【0112】この実施例によるプリンタヘッド70は、図
12に示すように、図60に示した例と比べると、気化部17
において断熱材66及び発熱体75(更には小柱体80の群)
からなる気化構造物101 が形成されている点では同様で
あるが、基本的に異なることは、小柱体80の群が発熱体
75とは分離して設けられていることである。
【0113】即ち、発熱体75は、断熱材ブロック66の上
面66Aにおいて一方端から他方端にかけて局部的に矩形
状に設けられていると共に、小柱体80の群は発熱体75の
両側において発熱体75とは分離されて設けられている。
【0114】このように構成することによって、上記し
た第1の実施例と同様に、発熱体75の熱は小柱体80を介
して逃げることはなく、効率よく加熱に用いることがで
き、小柱体80の群の毛細管作用による染料の保持及び供
給効率と発熱体75上の段差部分110 での染料の保持効果
によって染料を十二分に気化させ、供給することができ
る。
【0115】しかも、発熱体75の熱は小柱体80へ直接伝
わることはないから、小柱体80が熱的ストレスにより破
損することもない。
【0116】なお、小柱体80及び発熱体75のサイズ、間
隔、厚み等は、上記した第1の実施例で述べたものと同
じであってよい。また、この実施例のヘッド70において
は、発熱体75の電極94A、95Aは断熱材66の側面上から
その周辺域へ延び、またそれらの電極94A、95A上には
配線メタル94B、95Bが設けられている。
【0117】また、断熱材ブロック66は接着剤111 によ
って、染料液化用ヒータ68を設けたベース63に固定され
ている。染料収容部17を形成したスペーサ62は接着剤11
2 によってベース63上に固定されるが、染料収容部17内
に気化構造物101 が位置するようにしておく。なお、ス
ペーサ62上には、液止め層67及び保護層61を設けている
点は、図60で述べたと同様である。
【0118】なお、小柱体80や各層62、63は、ガラスで
形成したが、他の材質でも形成可能である。例えば、ポ
リイミド等の高分子材、セラミックス系、シリコン系、
金属系等又はこれらの組み合わせで形成することもでき
る。高分子材を使用できるのは、プリンタヘッド70を印
画紙50に対して押し付けない構造としているため、大き
な圧力を受けないことに依るものであり、また、発熱体
75の作動時に熱放散も少なく、熱的絶縁性が良好とな
る。
【0119】次に、本実施例によるヘッド70の製造方法
の一例を図13〜図32について説明する。
【0120】まず、図13のように、石英ガラス板66上に
真空蒸着法等によって発熱体となるポリシリコン(P−
Si)75を厚さ1μm程度に成膜する。
【0121】次いで、図14のように、ポリシリコン層10
3 及び石英ガラス板66をパウダービームエッチングでパ
ターニングし、断熱部としての断熱材66とこの上の発熱
体75とを所定パターンに加工する。
【0122】次いで、図15のように、断熱材66の周辺部
に、上記の染料収容部17に対応した凹部113 を有するパ
ターンにフォトレジスト114 を形成した後、アルミニウ
ム115 を真空蒸着法等によって全面に斜め蒸着する。
【0123】次いで、図16のように、凹部113 にフォト
レジスト116 を充填して表面を平坦とする。
【0124】次いで、図17のように、断熱材66及び発熱
体75を含む表面上にフォトレジスト117 を所定パターン
に形成し、これをマスクにしてパウダービームエッチン
グを行い、アルミニウム層115 のうち余分な部分をフォ
トレジスト116 及び114 の一部と共に除去する。
【0125】次いで、図18のように、レジスト117 、11
6 、114 をすべて除去した後、図19のように、フォトレ
ジスト118 を所定パターンに形成し、これをマスクにア
ルミニウム層115 をエッチングして整形する。
【0126】次いで、図20のように、レジスト118 を除
去し、別のフォトレジスト119 を所定パターンに形成し
た後、全面に配線用のアルミニウム120 をスパッタリン
グによって被着させる。これによって、アルミニウム層
115 上には配線としてのアルミニウム層94B、95Bを形
成する。
【0127】次いで、リフトオフによってフォトレジス
ト119 と共にその上のアルミニウム層120 を除去した
後、図21及び図30のように、断熱材66上に開口部121 を
有するようにフォトレジスト122 を所定パターンに形成
し、これをマスクにしてアルミニウム層120 及び115 を
選択的にエッチングし、両側にアルミニウム電極94A及
び95Aを分離し、これらの間に発熱体75を露出させる。
【0128】次いで、フォトレジスト122 を除去した
後、図22及び図31のように、発熱体75の選択エッチング
のためにクロム等のメタルマスク123 を所定パターンに
形成し、これを用いて発熱体75をエッチングしてパター
ニングする。
【0129】次いで、図23のように、フォトレジスト
(ポリビニルアルコール等)124を断熱材66の高さ(実際
にはアルミニウム層120 の高さ)まで充填する。
【0130】次いで、図24のように、全面にスパッタ法
等によってSiO2 層125 を厚さ6〜15μmに成膜す
る。
【0131】次いで、図25のように、断熱材66の上方に
おいてSiO2 層125 上に小柱体加工用の微細なメタル
マスク126 を形成し、更に、図26のように、SiO2
125の余分な部分をエッチングによって除去し、しかる
後にレジスト124 を除去する。
【0132】次いで、図27及び図32のように、マスク12
6 を用いてSiO2 層125 をエッチングし、上記した小
柱体(例えば小円柱体)80を発熱体75の両側に形成し、
気化構造部101 を作製する。
【0133】次いで、メタルマスク123 を除去した後、
図28のように、気化構造部101 をベース63上に接着剤11
1 等によって固定し、更に、染料収容部17内に気化構造
部101 が位置するように位置合わせしながらスペーサ62
を接着剤112 等によってベース63上に固定する。
【0134】次いで、図29のように、スペーサ62上に液
止め層67及び保護層61を形成し、図12に示した如きプリ
ンタヘッド70を完成する。
【0135】このようにして、本実施例によるヘッド70
を再現性良く微細加工によって作製することができる。
【0136】図33は、本発明を非接触方式の染料気化型
プリンタに適用した第4の実施例を示すものである。
【0137】この実施例では、図12の例と比べて、発熱
体75が蛇行状パターンに形成され、このパターン間及び
周囲に小柱体80が設けられている点が異なり、他の部分
は同様に構成されている。
【0138】従って、この実施例でも、発熱体75と小柱
体80とは互いに分離して設けられるために、上記した第
3の実施例と同様の作用効果が得られると共に、発熱体
75が蛇行状であることから染料に対する加熱領域を拡
げ、均一な加熱を行うことができる。
【0139】図34〜図46は、本発明を非接触方式の染料
気化型プリンタに適用した第5の実施例を示すものであ
る。
【0140】この実施例によるプリンタヘッド70によれ
ば、図34及び図35に示すように、図1及び図2に示した
例と比べると、気化構造部101 において発熱体75が、ベ
ース材としてのスペーサ82の表面82Aを部分的に突出さ
せてなる幅細の突出部82Bの上面82Cに設けられている
こと、従って、小柱体80とスペーサ表面82Aとの中間高
さhのレベルに設けられていることが異なっている。突
出部分82Bはスペーサ82と一体のものであり、その上面
82Cと同じ高さレベルhにおいて発熱体75の一対の電極
94、95が設けられている。その他の構成部分は上記した
第1の実施例と同様である。
【0141】このように、発熱体75がスペーサ82の突出
部分82B上に設けられることによって、発熱体から発生
する熱は幅細の突出部分82Bを介してしか伝達されない
ので、その熱がスペーサ82側へ伝達される面積が図1及
び図2の例に比べて小さくなっている。換言すれば、図
1及び図2の例の場合は、発熱体75がスペーサ82の表面
82Aに直接設けられているために、発熱体75の熱はスペ
ーサ82(これは断熱材として作用する。)側へ下方だけ
でなく横方向にも伝達されるが、これに比べて本例の場
合は突出部分82Bを介するためにスペーサ82側への伝熱
量が減少することになる。
【0142】この結果、発熱体75が小柱体80とは分離さ
れて設けられていることによる上述した作用効果(即
ち、小柱体80を通しての放熱がなく、また、小柱体80の
熱的ストレスを抑制すること、及び小柱体80の加工容易
性、その量の削減)が得られるのは勿論であるが、これ
に加えて、上記した突出部分82Bによる伝熱の抑制で、
発熱体75による加熱効率を更に向上させることができ
る。
【0143】しかも、発熱体75は突出部分82Bの上面82
Cに設けられ、染料22の液面の近くに存在しているた
め、発熱体75の熱は染料気化を直接左右する液面領域を
効率的に加熱することにより、染料22の気化効率を一層
向上させることができる。即ち、発熱体75の表面(熱を
発生する面)を十二分に活用することが可能となる。
【0144】また、上記突出部分82B上には小柱体80と
の間に段差部分110 が存在しているので、ここに染料22
を効果的に保持、供給でき、かつ、段差部分110 へは一
方向からでも染料を供給できるので、その導入口84’も
1つですみ、またその位置もあまり制約されない。
【0145】その他、小柱体80の群による毛細管作用や
気化構造部101 とスペーサ82との一体化構造による作用
効果も、上記した第1の実施例と同様に得られる。
【0146】この実施例において上記の発熱体75の幅
(突出部分82Bの幅)w及びその高さhは種々に選択し
てよいが、上記した加熱効率の点で(2/3)h≧w≧
(1/3)hなる関係を満たしているのがよい。例え
ば、h=6μm、w=3μmであってよい。なお、小柱
体80の高さは20μm以下、径は10μm以下、間隙92は20
μm以下としてよい。
【0147】次に、本実施例によるヘッド70の製造方法
の一例を図36〜図46について説明する。
【0148】まず、図36のように、図3及び図4で述べ
たと同様に石英ガラス板からなるスペーサ材82上にCV
D(化学的気相成長法)等によってポリシリコン(P−
Si)103 を厚さ1μm程度に成膜し、ポリシリコン層
103 をフォトリソグラフィでパターニングして発熱体75
をスペーサ材82上に形成し、更にアルミニウムを真空蒸
着法等によって全面に被着し、これをフォトリソグラフ
ィでパターニングして発熱体75の一対のアルミニウム電
極94及び95を形成する(図42参照)。そして更に、全面
に絶縁用にSiO2 膜127 を1μm程度の厚みにスパッ
タする(但し、このSiO2 膜127 は、以下の図では省
略することがある)。
【0149】次いで、図37のように、発熱体部及び配線
部の選択エッチング用のメタルマスク128 を所定パター
ンに形成する。これは、クロム等を全面にスパッタ等で
成膜し、フォトリソグラフィで加工することによって形
成できる。
【0150】次いで、図38及び図43のように、マスク12
8 によってSiO2 膜127 をエッチングすると共に発熱
体75を幅細に加工し、かつ、スペーサ82の表面域もエッ
チングする。これによって、図34及び図35に示した突出
部分82Bを形成する。
【0151】次いで、図39及び図44のように、全面にス
パッタ法等によってSiO2 層73を厚さ1〜15μmに成
膜する。
【0152】次いで、図6で述べたように、SiO2
73上に真空蒸着法又はスパッタ法等によってクロム等の
金属薄膜104 を全面に被着し、これを所定パターンのフ
ォトレジストをマスクとしてパターニングし、染料収容
部となるパターン87’と小柱体となるパターン80’とを
それぞれ形成する。このパターニング法に代えて、まず
フォトレジストを所定パターンに形成し、この上に金属
薄膜104 を被着し、リフトオフによって金属薄膜104 を
図6の形状にパターニングしてもよい。
【0153】次いで、図7で述べたように、パウダービ
ームエッチング(PBE)によってスペーサ材82を裏面
から加工し、染料供給通路84を面方向に形成する。この
場合、スペーサ材82が厚いときには、裏面を研磨して厚
みを調整してから通路84を加工してよい。
【0154】次いで、図8で述べたように、引き続いて
パウダービームエッチング(PBE)によって染料収容
部パターン87’の位置に染料供給通路84に通じる染料導
入穴84’をSiO2 層73の厚みを貫通して形成する。
【0155】次いで、マスクメタル128 をエッチングで
除去し、図45に示すように、その上のSiO2 層73の一
部分をリフトオフする。このマスクメタルの除去は必ず
しも行う必要はない。
【0156】次いで、図40及び図46のように、金属薄膜
104 をマスクとしてリアクティブイオンエッチング(R
IE)を行い、SiO2 層73に染料収容部87と小柱体80
の群とをそれぞれ形成する。この際、小柱体80の群を発
熱体75の両側に発熱体75とは分離させる。また、染料導
入口84’は、染料供給通路84を染料収容部87に開口させ
るようになる。
【0157】次いで、図41のように、スペーサ材82の裏
面に石英板からなる底板102 を融着によって固定する。
この固定は、低融点ガラスや接着剤等で行うこともでき
る。この後は、上面に必要な層を形成し、図1のヘッド
を完成する。
【0158】以上のように、スペーサ82の上面に設けた
SiO2 層73に対し小柱体80を微細加工し、スペーサ82
の裏面に溝加工して通路84を形成し、更に、微細加工で
厚み方向に穴84’を加工して通路84と連結した構造とす
る加工工程を行うことにより、安定かつ低コストに加工
を行え、また、位置合わせや強度が向上し、精度が良
く、信頼性の高い気化部構造が得られる。また、発熱体
75と小柱体80との段差部分110 は、図38での選択エッチ
ング量と図39のスパッタ量で決めることができる。
【0159】なお、この実施例において、図示省略した
が、図11に示したと同様に、発熱体75を蛇行させて設け
てもよい。
【0160】図47〜図52は、本発明を非接触方式の染料
気化型プリンタに適用した第6の実施例を示すものであ
る。
【0161】この実施例によるプリンタヘッド70によれ
ば、図47及び図48に示すように、図12に示した例と比べ
ると、気化構造部101 において発熱体75が、下地材とし
ての断熱材ブロック66の表面66Aを部分的に突出させて
なる幅細の突出部66Bの上面66Cに設けられているこ
と、従って、小柱体80と断熱材表面66Aとの中間高さh
のレベルに設けられていることが異なっている。突出部
分66Bは断熱材66と一体のものであり、その上面66Cと
同じ高さレベルhにおいて発熱体75の一対の電極94、95
が設けられている。その他の構成部分は上記した第3の
実施例と同様である。
【0162】このように、発熱体75が断熱材66の突出部
分66B上に設けられることによって、発熱体から発生す
る熱は幅細の突出部分66Bを介してしか伝達されないの
で、その熱が断熱材66側へ伝達される面積が図12の例に
比べて小さくなっている。換言すれば、図12の例の場合
は、発熱体75が断熱材66の表面66Aに直接設けられてい
るために、発熱体75の熱は断熱材66側へ下方だけでなく
横方向にも伝達されるが、これに比べて本例の場合は突
出部分66Bを介するために断熱材66側への伝熱量が減少
することになる。
【0163】この結果、発熱体75が小柱体80とは分離さ
れて設けられていることによる上述した作用効果(即
ち、小柱体80を通しての放熱がなく、また、小柱体80の
熱的ストレスを抑制すること、及び小柱体80の加工容易
性、その量の削減)が得られるのは勿論であるが、これ
に加えて、上記した突出部分66Bによる伝熱の抑制で、
発熱体75による加熱効率を更に向上させることができ
る。
【0164】しかも、発熱体75は突出部分66Bの上面66
Cに設けられ、染料22の液面の近くに存在しているた
め、発熱体75の熱は染料気化を直接左右する液面領域を
効率的に加熱することにより、染料22の気化効率を一層
向上させることができる。即ち、発熱体75の表面(熱を
発生する面)を十二分に活用することが可能となる。
【0165】また、上記突出部分66B上には小柱体80と
の間に段差部分110 が存在しているので、ここに染料22
を効果的に保持、供給でき、かつ、段差部分110 へは一
方向からでも染料を供給できるので、その導入口84’も
1つですみ、またその位置もあまり制約されない。
【0166】その他、小柱体80の群による毛細管作用に
よる作用効果も、上記した第3の実施例と同様に得られ
る。
【0167】この実施例において上記の発熱体75の幅
(突出部分66Bの幅)w及びその高さhは種々に選択し
てよいが、上記した加熱効率の点で(2/3)h≧w≧
(1/3)hなる関係を満たしているのがよい。例え
ば、h=6μm、w=3μmであってよい。なお、小柱
体80の高さは20μm以下、径は10μm以下、間隙92は20
μm以下としてよい。
【0168】次に、本実施例によるヘッド70の製造方法
の一例を図49〜図52について説明する。
【0169】この製造方法においては、まず、図13〜図
21で述べた各工程は同様に実施し、断熱材66上にメタル
マスク123 を形成する。
【0170】次いで、図49のように、メタルマスク123
を用いて発熱体75を選択的にエッチングすると共に、そ
の下地の断熱材66の表面もエッチングし、突出部分66B
を形成する。
【0171】次いで、図23で述べたように、フォトレジ
スト(ポリビニルアルコール等)124を断熱材66の高さ
(実際にはアルミニウム層120 の高さ)まで充填した
後、図24で述べたように、全面にスパッタ法等によって
SiO2 層125 を厚さ6〜15μmに成膜する。
【0172】次いで、図50のように、断熱材66の上方に
おいてSiO2 層125 上に小柱体加工用の微細なメタル
マスク126 を形成する。
【0173】次いで、図26で述べたように、SiO2
125 の余分な部分をエッチングによって除去し、しかる
後にレジスト124 を除去した後、図51のようにマスク12
6 を用いてSiO2 層125 をエッチングし、上記した小
柱体(例えば小円柱体)80を発熱体75の両側に形成し、
気化構造部101 を作製する。
【0174】次いで、メタルマスク123 を除去した後、
図52のように、気化構造部101 をベース63上に接着剤11
1 等によって固定し、更に、染料収容部17内に気化構造
部101 が位置するように位置合わせしながらスペーサ62
を接着剤112 等によってベース63上に固定する。
【0175】次いで、図29で述べたように、スペーサ62
上に液止め層67及び保護層61を形成し、図47に示した如
きプリンタヘッド70を完成する。
【0176】このようにして、本実施例によるヘッド70
を再現性良く微細加工によって作製することができる。
【0177】なお、この実施例において、図示省略した
が、図33に示したと同様に、発熱体75を蛇行させて設け
てもよい。
【0178】上記した第1〜第6の実施例による各ヘッ
ド70を有するカラービデオプリンタ200 は、図53に示す
ように、縦方向(X方向)の紙送りと、X方向と直交方
向のヘッドの横方向(Y方向)スキャンとによって、印
刷を行うものであり、これらの縦方向の紙送りと横方向
のヘッドスキャンは交互に行うように構成されている。
【0179】このプリンタ200 において、各色のヘッド
部Y、M、Cからなるプリンタヘッド70は、シリアル型
ヘッドとして、送りねじ機構からなるヘッド送り軸201
とヘッド支軸202 により印画紙50の紙送り方向Xと直交
するヘッド送り方向Yに往復移動自在にしてある。
【0180】また、ヘッド70に対して、印画紙50を挟む
ように支持する紙送りローラ203 が回転自在に設けられ
ている。なお、ヘッド70は、フレキシブルハーネス204
を介してヘッド駆動回路基板(図示せず)等に接続され
ている。
【0181】1ラインの印画が終了したら、ヘッド支え
を兼ねた紙送り駆動ローラ203 で印画紙50を1ライン分
送る。印画スタートは1色毎に順次に行われるが、3ド
ット以降は同時に印画される。なお、複数の第一発熱体
75がある場合は、交互に稼働させ、選択された発熱体75
は印画に供される一方、非印画の発熱体75は余熱を利用
して染料の液化や保温に使用し、温度をコントロールす
ることができる。
【0182】図54は、ライン型に構成されたヘッド70を
有するカラービデオプリンタ200 を示すものであり、印
画紙50の幅方向に亘って各色のヘッド部Y、M、Cが並
置されている。
【0183】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0184】例えば、上述した発熱体(ヒータ)75の形
状、材質、サイズ等については、種々のもの或いは組み
合わせを採用することができ、ポリ−Siの層とメタル
配線とを両用することや適宜SiNやSiO2 等の絶縁
膜を付着して保護膜を形成することもできる。ベース材
をアルミニウム、セラミックス等の高熱伝導材で形成
し、発熱体75、断熱材、ベース材によってヘッドの熱特
性を調整してもよい。
【0185】また、気化部に形成すべき多孔性構造は、
上述したものに限らず、例えば柱体の場合はその高さ、
平面又は断面形状、密度等を変化させてよいし、また、
その形成箇所も微細パターン化又は多孔質化、或いは表
面積の拡大等が要求される箇所であれば適用可能であ
る。多孔性構造体としては、柱状体以外にも、壁状体
や、図56に示したビーズ集合体、繊維体等で形成したも
のであってもよい。
【0186】また、染料気化型の転写方式に限らず、既
述したアブレーションによる転写方式も可能であり、い
ずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写されるもの
である。
【0187】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応した発熱体や気化
部の数は種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等
も上述したものに限定されることはない。
【0188】また、染料収容部、染料供給通路をはじ
め、ヘッドやプリンタの構造や形状は、前記以外の適宜
の構造、形状としてよく、ヘッドを構成する各部分の材
料には、他の適宜の材料を使用してよい。記録染料につ
いても、マゼンタ、イエロー、シアンの3色として(更
には、黒を加えた)フルカラーの記録を行うほか、2色
印刷、1色のモノカラー又は白黒の記録を行うことがで
きる。
【0189】また、染料の加熱に発熱体とレーザとを組
み合わせることもできる。この場合は、各加熱手段のパ
ワーを下げても良好に気化を実現することができる。
【0190】また、上述の例のように、固体染料を一旦
液状にし、これを気化させて記録を行う他、固体染料を
レーザ光によって加熱して直接気化(即ち、昇華)させ
て記録を行うことができるし、染料溜めに液化染料(室
温にて液状)を収容することができる。上述したプリン
タにおいて、ヘッド上方からレーザ光を照射してその下
側に位置する被記録紙に記録を行ってもよいし、この逆
方向(下から上)に記録を行ってもよい。
【0191】なお、本発明は、記録材とこの記録材を溶
解若しくは分散させかつ加熱により体積膨張する物質
(即ち、キャリア)とを含有する記録液を供給し、加熱
により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、
この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ
移行させるインクジェット方式にも適用可能である。
【0192】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、被記録体
に対向する記録材収容部に設けられた下地材上(特に断
熱材上)に、記録材の保持及び供給を行うための多孔性
構造体(例えば小柱体の群)と、前記記録材を加熱して
飛翔させるための発熱体(例えば電気抵抗体)とが互い
に分離されてそれぞれ設けられているので、発熱体から
生じる熱は多孔性構造体へは実質的に逃げること(周囲
への放熱又は熱放出が生じること)はなく、また、発熱
体の表面はその上に多孔性構造体が存在していないため
に記録材の加熱に直接用いられ、十分に活用できること
になる。これによって、発熱体による記録材に対する加
熱効率を高め、その飛翔効率(特に気化効率)を高めて
記録性能を向上させることができる。
【0193】また、発熱体が作動しない非加熱時には、
記録材の熱を多孔性構造体を経由して周囲へ放出できる
ため、効果的に記録材の冷却を行うことができる。
【0194】そして、多孔性構造体は発熱体とは分離さ
れているため、例えば隣接して配されていても、多孔性
構造体には加熱による熱的ストレスが実質的に加わるこ
とはなく、その破損が発生せず、信頼性を向上させるこ
とができる。また、多孔性構造体の占有面積を減らし、
その加工等がより容易となる。
【0195】そして、本発明の記録装置は、記録材を加
熱して被記録体へ飛翔させる熱転写方式のものであるか
ら、既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品
位化、高階調性等の特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】同プリンタヘッドの主要部の作製工程の一段階
を示す斜視図である。
【図4】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図5】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図6】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図7】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図8】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図9】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図10】同作製工程の更に他の段階を示す斜視図であ
る。
【図11】本発明の第2の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の平面図である。
【図12】本発明の第3の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面斜視図である。
【図13】同プリンタヘッドの主要部の作製工程の一段階
を示す断面図(図12のA−A線断面図:以下、同様)で
ある。
【図14】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図15】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図16】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図17】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図18】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図19】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図20】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図21】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図22】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図23】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図24】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図25】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図26】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図27】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図28】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図29】同作製工程の更に他の段階を示す断面図であ
る。
【図30】同作製工程の一段階を示す平面図である。
【図31】同作製工程の他の段階を示す平面図である。
【図32】同作製工程の更に他の段階を示す平面図であ
る。
【図33】本発明の第4の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面斜視図である。
【図34】本発明の第5の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面図である。
【図35】図34の一部分の拡大図である。
【図36】同プリンタヘッドの主要部の作製工程の一段階
を示す斜視図である。
【図37】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図38】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図39】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図40】同作製工程の他の段階を示す斜視図である。
【図41】同作製工程の更に他の段階を示す斜視図であ
る。
【図42】同作製工程の一段階を示す平面図及び断面図
(断面はB−B線断面図:以下、同様)である。
【図43】同作製工程の他の段階を示す平面図及び断面図
である。
【図44】同作製工程の他の段階を示す平面図及び断面図
である。
【図45】同作製工程の他の段階を示す平面図及び断面図
である。
【図46】同作製工程の更に他の段階を示す平面図及び断
面図である。
【図47】本発明の第6の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面斜視図である。
【図48】図47のXXXXVIII−XXXXVIII線断面図である。
【図49】同プリンタヘッドの主要部の作製工程の他の段
階を示す断面図(この断面は図47のC−C線断面図:以
下、同様)、平面図及び断面図(この断面は同平面図の
D−D線断面図:以下、同様)である。
【図50】同作製工程の他の段階を示す断面図、平面図及
び断面図である。
【図51】同作製工程の他の段階を示す断面図、平面図及
び断面図である。
【図52】同作製工程の更に他の段階を示す断面図、平面
図及び断面図である。
【図53】本発明の実施例によるプリンタヘッドを有する
プリンタの概略斜視図である。
【図54】同プリンタヘッドを有する他のプリンタの概略
斜視図である。
【図55】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
正面図である。
【図56】本発明の完成前に案出されたプリンタの概略断
面図である。
【図57】同プリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図58】同他のプリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図59】本発明の案出前に出願されたプリンタの概略断
面図(図62の XXXXXIX−XXXXXIX 線断面図)である。
【図60】同プリンタのヘッドの主要部分の拡大断面斜視
図である。
【図61】同プリンタのヘッドの一部分の斜視図である。
【図62】同プリンタのヘッドの他の一部分の斜視図であ
る。
【図63】同プリンタヘッドの一部分の平面図である。
【符号の説明】
22・・・液化染料 32・・・気化染料 50・・・印画紙 66・・・断熱材 66B、82B・・・突出部分 70・・・プリンタヘッド 73・・・絶縁板 75・・・発熱体 77・・・気化部 80・・・小柱体 82・・・スペーサ 84、84’・・・染料供給通路又は染料導入口 87・・・染料収容部 91・・・保護層 92・・・空隙 94、95・・・電極 97・・・液止め層 101 ・・・気化構造体 102 ・・・底板 110 ・・・段差部分 200 ・・・プリンタ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体に対向する記録材収容部に設け
    られた下地材上に、記録材の保持及び供給を行うための
    多孔性構造体と、前記記録材を加熱して飛翔させるため
    の発熱体とが互いに分離されてそれぞれ設けられている
    記録装置。
  2. 【請求項2】 発熱体が下地材の表面に設けられてい
    る、請求項1に記載した記録装置。
  3. 【請求項3】 下地材が断熱材である、請求項1又は2
    に記載した記録装置。
  4. 【請求項4】 下地材の表面が部分的に突出しており、
    この突出部分上に請求項1に記載した発熱体が設けら
    れ、かつ、前記下地材上に請求項1に記載した多孔性構
    造体が設けられている記録装置。
  5. 【請求項5】 発熱体が多孔性構造体よりも低い位置に
    配されている、請求項3に記載した記録装置。
  6. 【請求項6】 下地材が断熱材である、請求項4又は5
    に記載した記録装置。
  7. 【請求項7】 多孔性構造体と発熱体とが互いに分離さ
    れてそれぞれ設けられている、請求項4〜6のいずれか
    1項に記載した記録装置。
  8. 【請求項8】 多孔性構造体と発熱体とが互いに隣接し
    て配されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載し
    た記録装置。
  9. 【請求項9】 多孔性構造体が小柱体の群からなり、発
    熱体が電気抵抗体からなっている、請求項1〜8のいず
    れか1項に記載した記録装置。
  10. 【請求項10】 断熱材、多孔性構造体及び発熱体からな
    り、記録材収容部の記録材を加熱により被記録体へ飛翔
    させるための記録材飛翔用構造体と、前記記録材収容部
    へ前記記録材を供給するための記録材供給構造部とを有
    し、前記記録材飛翔用構造体が前記記録材供給構造部上
    に一体に設けられている、請求項1〜9のいずれか1項
    に記載した記録装置。
  11. 【請求項11】 記録材飛翔用構造体が記録材気化又はア
    ブレーション部に配され、記録材供給路を有するスペー
    サ部材上に一体に設けられている、請求項10に記載した
    記録装置。
  12. 【請求項12】 記録材供給構造部が更に補強材に固定さ
    れている、請求項10又は11に記載した記録装置。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載した記録材飛翔用構造体
    が、請求項10に記載した記録材供給構造部に形成された
    記録材収容部内に取り付けられている、請求項1〜9の
    いずれか1項に記載した記録装置。
  14. 【請求項14】 記録材供給構造部がベース材に固定さ
    れ、このベース材上に記録材収容部が形成され、この記
    録材収容部内において前記ベース材上に記録材飛翔用構
    造体が取り付けられている、請求項13に記載した記録装
    置。
  15. 【請求項15】 記録材が気化又はアブレーションし、記
    録材と非接触状態で対向配置された被記録体へ飛翔する
    ようにした、請求項1〜14のいずれか1項に記載した記
    録装置。
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