JPH08277151A - 硬化性無機質組成物 - Google Patents

硬化性無機質組成物

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JPH08277151A
JPH08277151A JP7599195A JP7599195A JPH08277151A JP H08277151 A JPH08277151 A JP H08277151A JP 7599195 A JP7599195 A JP 7599195A JP 7599195 A JP7599195 A JP 7599195A JP H08277151 A JPH08277151 A JP H08277151A
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JP
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inorganic
weight
inorganic powder
parts
alkali metal
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JP7599195A
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Katsuzo Nitta
勝三 新田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • C04B12/00Cements not provided for in groups C04B7/00 - C04B11/00
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化時間を著しく短縮することが出来ると共
に、強度が高く、耐久性に優れる無機質硬化体を得るこ
との出来る硬化性無機質組成物を提供する。 【構成】 (a)粒径が20μm以下の粉体を80重量
%以上含有するフライアッシュ、(b)400〜100
0℃で焼成された粒径が20μm以下の粉体を80重量
%以上含有するフライアッシュ、(c)フライアッシュ
又は粘土を溶融し気体中で噴霧して得られる無機質粉
体、(d)粘土に0.1〜30kwh/kgの機械的エ
ネルギーを作用させて得られる無機質粉体、(e)上記
(d)の無機質粉体を100〜750℃で加熱して得ら
れる無機質粉体、及び、(f)メタカオリンからなる群
より選ばれる1種以上の無機質粉体100重量部に対
し、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部、アルカリ金
属硼酸塩1〜100重量部、及び、水10〜1000重
量部が含有されている硬化性無機質組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性無機質組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリの存在下で加熱により硬
化する無機質組成物に関しては種々の提案が成されてお
り、例えば、特開平4−59648号公報では、アルカ
リ金属珪酸塩水溶液15〜30重量部、無機固体成分1
5〜40重量部および充填剤30〜70重量部よりなる
主材100重量部と、有機処理された有機ベントナイト
5〜20重量部とよりなる無機成形体用組成物が提案さ
れている。
【0003】又、特開平4−6138号公報では、アル
カリ金属珪酸塩水溶液、無機固体成分および充填剤を混
練し、混練物を型内に注入して加熱することにより硬化
せしめて、無機成形体を製造する方法であって、硬化完
了後に無機成形体を型内または型外で略室温まで冷却
し、この冷却状態の無機成形体の表面を、アルカリ水溶
液で洗浄することを特徴とする無機成形体の製造法が提
案されている。
【0004】しかし、上記二つの提案に記載されている
無機固体成分のうち、産業廃棄物であり、その有効利用
方法が求められているフライアッシュ等はアルカリとの
反応性が低いので、建材に適応する品質を有する硬化体
を得ることは困難であり、又、得られた硬化体は耐熱
性、耐候性等が乏しいものであるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、硬化時間を著しく短縮すること
が出来ると共に、強度が高く、耐水性、耐熱性及び耐候
性等の耐久性に優れる無機質硬化体を得ることの出来る
硬化性無機質組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による硬化性無機
質組成物は、(a)粒径が20μm以下の粉体を80重
量%以上含有するフライアッシュ、(b)400〜10
00℃で焼成された粒径が20μm以下の粉体を80重
量%以上含有するフライアッシュ、(c)フライアッシ
ュ又は粘土を溶融し気体中で噴霧して得られる無機質粉
体、(d)粘土に0.1〜30kwh/kgの機械的エ
ネルギーを作用させて得られる無機質粉体、(e)上記
(d)の無機質粉体を100〜750℃で加熱して得ら
れる無機質粉体、及び、(f)メタカオリンからなる群
より選ばれる1種もしくは2種以上の無機質粉体100
重量部に対し、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部、
アルカリ金属硼酸塩1〜100重量部、及び、水10〜
1000重量部が含有されていることを特徴とし、その
ことにより上記目的が達成される。
【0007】本発明においてフライアッシュとは、JI
S A−6201に規定されているように、微粉炭燃焼
ボイラーから集塵器で採取される微小な灰の粒子を言
い、シリカ45%以上、湿分1%以下、強熱減量5%以
下、比重1.95以上、比表面積2700cm2 /g以
上、44μm標準篩を75%以上が通過するものが好適
に用いられる。
【0008】又、本発明において粘土とは、細かい含水
珪酸塩鉱物の集合体であって、適当量の水と混練りする
と可塑性を生じ、乾けば剛性を示し、高温で焼くと焼結
するような物質を言い、化学組成的には、SiO2 5〜
85重量%、Al2 3 90〜10重量%を含有するも
のが好適に用いられる。
【0009】上記粘土の具体例としては、特に限定され
るものではないが、カオリナイト、ディッカナイト、ナ
クライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、白雲母、イラ
イト、フェンジャイト、海緑石、セラドナイト、パラゴ
ライト、ブランマライト等の雲母粘土鉱物、モンモリナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サボナイト、ソ
ーコナイト等のスメクタイト、緑泥岩、パイロフィライ
ト、タルク、バーミキュライト、ろう石、ばん土頁岩等
が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用
いられる。
【0010】本発明においては、無機質粉体として、
(a)粒径が20μm以下の粉体を80重量%以上含有
するフライアッシュが用いられる。
【0011】上記フライアッシュは、粒径が20μm以
下、好ましくは10μm以下、の粉体を80重量%以上
含有していることが必要である。粒径が20μm以下の
粉体を80重量%以上含有しないフライアッシュを用い
ると、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低下するため、
得られる無機質硬化体の機械的強度が乏しくなる。
【0012】上記粒径が20μm以下の粉体を80重量
%以上含有するフライアッシュを得る方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、湿式沈澱分級
法、風力分級法、比重による分級法等の通常行われてい
る分級技術やジェット粉砕機、ボール媒体ミル、ロール
転動型粉砕機等の粉砕機による粉砕技術等を利用する方
法等が挙げられ、好適に採用される。
【0013】上記方法において、風力、篩、動力等を利
用する乾式分級機が粉砕機内に備わった内部分級方式の
粉砕分級システムや上記粉砕機と分級機を連続化した閉
回路粉砕方式の粉砕分級システム等を用いると、粉砕処
理効率が向上するので好ましく、なかでもジェット粉砕
機と風力粉砕機が組み合わされた粉砕分級システムを用
いると、粉砕処理効率、粉砕処理量ともに向上するので
より好ましい。
【0014】又、本発明においては、無機質粉体とし
て、(b)400〜1000℃で焼成された粒径が20
μm以下の粉体を80重量%以上含有するフライアッシ
ュが用いられる。
【0015】上記フライアッシュの焼成温度が400℃
未満であると、フライアッシュ中の未燃カーボンを充分
に除去することが出来ないので、得られる無機質硬化体
の色が黒くなって外観が悪くなり、逆に、フライアッシ
ュの焼成温度が1000℃を超えると、フライアッシュ
の結晶化が進行し、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低
下するため、得られる無機質硬化体の機械的強度が乏し
くなる。
【0016】上記400〜1000℃で焼成された粒径
が20μm以下の粉体を80重量%以上含有するフライ
アッシュを得る方法としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、前記(a)の粒径が20μm以下の粉
体を80重量%含有するフライアッシュを用いて、これ
を400〜1000℃で常法により焼成する方法等が挙
げられ、好適に採用される。
【0017】又、本発明においては、無機質粉体とし
て、(c)フライアッシュ又は粘土を溶融し気体中で噴
霧して得られる無機質粉体が用いられる。
【0018】上記フライアッシュ又は粘土を溶融し気体
中で噴霧して無機質粉体を得る方法としては、特に限定
されるものではないが、例えば、セラミックコーティン
グに用いられる溶射技術を応用する方法等が挙げられ、
好適に採用される。
【0019】上記溶射技術は、好ましくは2000〜1
6000℃の温度で材料粉末を溶融し、30〜800m
/秒の速度で噴霧させるものであり、具体的方法として
は、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶射法、爆発溶
射法、アーク溶射法等が挙げられ、好適に採用される。
【0020】上記で得られる無機質粉体の比表面積は、
特に限定されるものではないが、0.05〜100m2
/gであることが好ましく、なかでも0.1〜60m2
/gであることがより好ましい。
【0021】又、本発明においては、無機質粉体とし
て、(d)粘土に0.1〜30kwh/kgの機械的エ
ネルギーを作用させて得られる無機質粉体が用いられ
る。
【0022】上記粘土の平均粒径は、特に限定されるも
のではないが、機械的エネルギーを有効に利用するため
には、平均粒径が0.05〜500μmであることが好
ましく、なかでも0.1〜100μmであることがより
好ましい。
【0023】上記で言う機械的エネルギーを作用させる
とは、物質に圧縮力、剪断力、衝撃力等を加えることに
よって表面積の増加やその他の構造変化等を起こさせる
所謂メカノケミストリーを意味する。
【0024】上記粘土に機械的エネルギーを作用させる
具体的方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば、粉砕の機構において衝撃、摩擦、圧縮、剪断等
が複合したボール媒体ミル(ボールミル、振動ミル、遊
星ミル等)、媒体攪拌型ミル、ローラミル、乳鉢等の粉
砕機や衝撃、摩擦等が主体であるジェット粉砕機等の粉
砕装置を用いる方法が挙げられ、好適に採用される。
【0025】上記機械的エネルギーは、乾式法で作用さ
せても良いし、湿式法で作用させても良い。又、セメン
トクリンカーや珪砂、石灰石等の粉砕時に使用されるメ
チルアルコール等のアルコール類やトリエタノールアミ
ン等のエタノールアミン類等の液体系粉砕助剤、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の固体系
粉砕助剤及びアセトン蒸気等の気体系粉砕助剤等の各種
粉砕助剤の1種もしくは2種以上を併用しても良い。
【0026】本発明においては、上記粘土に作用させる
機械的エネルギーは、0.1〜30kwh/kgである
ことが必要である。尚、ここで言う機械的エネルギーと
は、粘土を粉砕装置に入れて運転する時に投入した電力
を粘土の単位重量当たりで表したものである。
【0027】粘土に作用させる機械的エネルギーが0.
1kwh/kg未満であると、得られる無機質粉体の活
性が上がらず、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低いも
のとなり、逆に粘土に作用させる機械的エネルギーが3
0kwh/kgを超えると、粉砕装置に対する負荷が大
きくなり、媒体としてのボールや容器等の摩耗が激しく
なると共に、得られる無機質粉体がコンタミで汚染され
たり、生産性やコスト等の面でも不利となる。
【0028】又、粘土に作用させる単位時間当りの機械
的エネルギーは、0.01〜40kw/kgであること
が好ましい。粘土に作用させる単位時間当りの機械的エ
ネルギーが0.01kw/kg未満であると、得られる
無機質粉体の活性が上がらず、アルカリ金属珪酸塩との
反応性が低いものとなり、逆に40kw/kgを超える
と、粉砕装置に対する負荷が大きくなり、媒体としての
ボールや容器等の磨耗が激しくなると共に、得られる無
機質粉体がコンタミで汚染されたり、生産性やコスト等
の面でも不利となる。
【0029】さらに、本発明においては、無機質粉体と
して、(e)上記(d)の無機質粉体を100〜750
℃で加熱して得られる無機質粉体が用いられる。
【0030】本発明においては、上記(d)の無機質粉
体に対する加熱温度は、100〜750℃、好ましくは
200〜600℃、であることが必要である。
【0031】上記(d)の無機質粉体に対する加熱温度
が100℃未満であると、加熱による効果を得られず、
逆に750℃を超えると、無機質粉体の結晶化が促進さ
れ、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低下する。
【0032】又、上記(d)の無機質粉体に対する加熱
方法は、特に限定されるものではないが、熱風乾燥機、
ロータリーキルン等の従来公知の加熱装置を用い、上記
温度範囲で常法により加熱すれば良い。
【0033】さらに又、本発明においては、無機質粉体
として、(f)メタカオリンが用いられる。
【0034】上記メタカオリンとは、カオリン鉱物を5
00〜900℃、好ましくは600〜800℃、で加熱
脱水処理して得られる化学式Al2 Si2 7 で示され
る無機質粉体である。
【0035】上記カオリン鉱物とは、化学式Al2 Si
2 5 (OH)2 で示される1:1層状珪酸塩であり、
具体的には、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライ
ト、ハロサイト等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられる。
【0036】上記カオリン鉱物の加熱脱水処理温度が5
00℃未満であると、カオリン鉱物の水酸基が離脱しな
いので、メタカオリンへの変性が起こらず、逆に、90
0℃を超えると、メタカオリンの結晶化が起こり、アル
カリ金属珪酸塩との反応性が低下する。
【0037】又、上記加熱脱水処理時間は、特に限定さ
れるものではないが、5分〜10時間であることが好ま
しい。加熱脱水処理時間が5分未満であると、メタカオ
リンへの変性が起こらず、逆に10時間を超えると、も
はやそれ以上の効果を得られないにもかかわらずエネル
ギーの浪費となる。
【0038】上記で得られるメタカオリンには、前記
(d)の無機質粉体の場合と同様の方法で機械的エネル
ギーを作用させても良い。
【0039】又、上記メタカオリンの平均粒径は、特に
限定されるものではないが、機械的エネルギーを有効に
利用するためには、平均粒径が0.05〜500μmで
あることが好ましく、なかでも0.1〜100μmであ
ることがより好ましい。
【0040】本発明による硬化性無機質組成物は、上述
した(a)〜(f)からなる群より選ばれる1種もしく
は2種以上の無機質粉体(以下、単に「無機質粉体」と
記す)100重量部に対し、アルカリ金属珪酸塩1〜3
00重量部が含有されていることが必要である。
【0041】上記アルカリ金属珪酸塩とは、一般式M2
O・nSiO2 で示される塩であり、上式中、Mはカリ
ウム、ナトリウム及びリチウムからなる群より選ばれる
1種もしくは2種以上の金属を表す。
【0042】又、上式中、nは、特に限定されるもので
はないが、0.05〜8であることが好ましく、0.1
〜3であることがより好ましく、なかでも0.5〜2.
5であることが特に好ましい。上記nが0.05未満で
あると、得られる無機質硬化体の耐久性が低下し、逆に
nが8を超えると、アルカリ金属珪酸塩を水溶液にした
時の粘度が上昇するため、無機質粉体との混合が困難に
なることがある。
【0043】上記アルカリ金属珪酸塩は、前記無機質粉
体100重量部に対し、1〜300重量部、好ましくは
2〜250重量部、なかでもより好ましくは10〜15
0重量部、含有されていることが必要である。
【0044】無機質粉体100重量部に対するアルカリ
金属珪酸塩の含有量が1重量部未満であると、無機質粉
体との反応性が低くなり、逆に300重量部を超える
と、得られる無機質硬化体の機械的強度が低下する。
【0045】本発明においては、上記アルカリ金属珪酸
塩は、無機質粉体に対しそのままの状態で配合されても
良いし、又、予め水溶液とした状態で配合されても良い
が、混合を均一に行うためには予め水溶液とした状態で
配合される方が好ましい。
【0046】上記アルカリ金属珪酸塩の水溶液濃度は、
特に限定されるものではないが、1〜70重量%である
ことが好ましい。アルカリ金属珪酸塩の水溶液濃度が1
重量%未満であると、無機質粉体との反応性が低下し、
逆に70重量%を超えると、均一な混合が困難となる。
【0047】上記アルカリ金属珪酸塩の水溶液を得る方
法は、特に限定されるものではなく、アルカリ金属珪酸
塩をそのまま水に溶解しても良いし、又、アルカリ金属
水酸化物水溶液に珪砂、珪石粉等のSiO2 含有成分を
前記一般式のnが所定の数となるように溶解しても良
い。
【0048】又、本発明による硬化性無機質組成物は、
前述した無機質粉体100重量部に対し、アルカリ金属
硼酸塩1〜100重量部が含有されていることが必要で
ある。
【0049】上記アルカリ金属硼酸塩とは、一般式xM
2 O・yB2 3 ・zH2 Oで示される塩であり、y/
x=1/3、0.5、1、2、2.5又は4のいずれか
の関係を満たすものである。尚、上式中、Mはカリウム
及びナトリウムからなる群より選ばれる1種もしくは2
種の金属を表し、x及びyは正の整数を表し、又、zは
0もしくは正の整数を表す。
【0050】上記アルカリ金属硼酸塩は、前記無機質粉
体100重量部に対し、1〜100重量部含有されてい
ることが必要である。
【0051】無機質粉体100重量部に対するアルカリ
金属硼酸塩の含有量が1重量部未満であると、得られる
無機質硬化体の耐久性が乏しくなり、逆に100重量部
を超えると、得られる無機質硬化体の機械的強度が低下
する。
【0052】本発明においては、上記アルカリ金属硼酸
塩は、前記アルカリ金属珪酸塩の場合と同様、無機質粉
体に対しそのままの状態で配合されても良いし、又、予
め水溶液とした状態で配合されても良いが、混合を均一
に行うためには予め水溶液とした状態で配合される方が
好ましい。
【0053】さらに、本発明による硬化性無機質組成物
は、前述した無機質粉体100重量部に対し、水10〜
1000重量部、好ましくは20〜750重量部、なか
でもより好ましくは30〜400重量部、が含有されて
いることが必要である。
【0054】無機質粉体100重量部に対する水の含有
量が10重量部未満であると、無機質粉体と混合するこ
とが不可能となり、逆に1000重量部を超えると、得
られる無機質硬化体の機械的強度が低下する。
【0055】本発明による硬化性無機質組成物には、上
述した各成分以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で
必要に応じ、充填材や補強繊維等の1種もしくは2種以
上が含有されていても良い。
【0056】上記充填材としては、特に限定されるもの
ではないが、水に溶解せず、硬化性無機質組成物の硬化
反応を阻害しないものが好ましく、例えば、珪砂、川砂
等のセメントモルタル用骨材、シリカフラワー、シリカ
ヒューム、ベントナイト、高炉スラグ等の混合セメント
用混合材、セピオライト、ウォラストナイト、マイカ等
の天然鉱物、炭酸カルシウム、珪藻土等が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0057】又、得られる無機質硬化体の軽量化を図る
ために、シリカバルーン、パーライト、フライアッシュ
バルーン、シラスバルーン、ガラスバルーン、発泡焼成
粘土等の無機質発泡体やフェノール樹脂、ウレタン樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン
等の有機質樹脂の発泡体等の1種もしくは2種以上が充
填材として用いられても良い。
【0058】上記充填材の含有量は、特に限定されるも
のではないが、前記無機質粉体100重量部に対し、充
填材700重量部以下であることが好ましく、なかでも
100〜500重量部であることがより好ましい。無機
質粉体100重量部に対する充填材の含有量が700重
量部を超えると、得られる無機質硬化体の機械的強度が
低下する。
【0059】又、上記補強繊維としては、得られる無機
質硬化体に付与したい性能に応じ任意のものが用いられ
て良く、特に限定されるものではないが、例えば、ビニ
ロン繊維、セルロース繊維、ポリアミド繊維、ポリエス
テル繊維、ポリプロピレン繊維、カーボン繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、鋼繊維等
が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用
いられる。
【0060】上記補強繊維の繊維径及び繊維長は、特に
限定されるものではないが、繊維径1〜500μm、繊
維長1〜15mmであることが好ましい。
【0061】上記補強繊維の繊維径が1μm未満である
と、混合時に再凝集し、交絡によるファイバーボールが
形成され易くなって、最終的に得られる無機質硬化体の
強度が充分向上せず、逆に500μmを超えると、無機
質硬化体に対する引張強度向上等の補強効果が乏しくな
る。
【0062】又、上記補強繊維の繊維長が1mm未満で
あると、無機質硬化体に対する引張強度向上等の補強効
果が乏しくなり、逆に15mmを超えると、補強繊維の
分散性や配向性が低下し、最終的に得られる無機質硬化
体の強度が充分向上しない。
【0063】上記補強繊維の含有量は、特に限定される
ものではないが、前記無機質粉体100重量部に対し、
補強繊維10重量部以下であることが好ましい。無機質
粉体100重量部に対する補強繊維の含有量が10重量
部を超えると、補強繊維の分散性が低下し、最終的に得
られる無機質硬化体の強度が却って低下する。
【0064】本発明による硬化性無機質組成物から無機
質硬化体を得る方法は、特別なものではなく、例えば、
所定量の無機質粉体、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金
属硼酸塩、水、及び、必要に応じて用いられる充填材、
補強繊維等を均一に混合して得られた硬化性無機質組成
物を、注型、押圧成形等の従来公知の成形方法で所望の
形状に賦形した後、硬化させることにより、所望の形状
及び性能を有する無機質硬化体を得ることが出来る。
【0065】上記硬化温度は常温でも良いが、硬化反応
を促進し、得られる無機質硬化体の機械的強度等をより
向上させるためには、50〜200℃程度の温度範囲で
加熱硬化させることが好ましい。
【0066】
【作用】本発明による硬化性無機質組成物は、(a)粒
径が20μm以下の粉体を80重量%以上含有するフラ
イアッシュ、(b)400〜1000℃で焼成された粒
径が20μm以下の粉体を80重量%以上含有するフラ
イアッシュ、(c)フライアッシュ又は粘土を溶融し気
体中で噴霧して得られる無機質粉体、(d)粘土に0.
1〜30kwh/kgの機械的エネルギーを作用させて
得られる無機質粉体、(e)上記(d)の無機質粉体を
100〜750℃で加熱して得られる無機質粉体、及
び、(f)メタカオリンからなる群より選ばれる1種も
しくは2種以上の無機質粉体100重量部に対し、アル
カリ金属珪酸塩1〜300重量部、アルカリ金属硼酸塩
1〜100重量部、及び、水10〜1000重量部が含
有されている。
【0067】上記無機質粉体は、微細な粒径を有する粉
体であって、比表面積が増大されているか又は活性が向
上されており、且つ、実質的に完全非晶質化されている
と共に、アルカリ金属硼酸塩の硬化促進剤的作用と相俟
って、硬化性無機質組成物中の無機質粉体とアルカリ金
属珪酸塩との反応性が高められているので、硬化時間を
著しく短縮することが出来ると共に、高い強度を有する
無機質硬化体を得ることが出来る。
【0068】又、アルカリ金属硼酸塩による硬化体微構
造の緻密化により、耐水性、耐熱性及び耐候性等の耐久
性に優れる無機質硬化体を得ることが出来る。
【0069】さらに、無機質粉体として焼成した無機質
粉体を用いれば、未燃カーボンが除去されるので、優れ
た外観を有する無機質硬化体を得ることも出来る。
【0070】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0071】1.無機質粉体の準備 (1)無機質粉体(A)、(B)及び(C)の作製 フライアッシュ(JIS A−6201相当品、平均粒
径20μm、関電化工社製)を分級機(型式:TC−1
5、日清エンジニアリング社製)により分級して、粒径
が10μm以下の粉体を100%含有する無機質粉体
(A)、粒径が20μm以下の粉体を100%含有する
無機質粉体(B)、及び、粒径が20μmを超える粉体
を100%含有する無機質粉体(C)を得た。
【0072】(2)無機質粉体(D)の作製 無機質粉体(A)を600℃で焼成し、粒径が10μm
以下の粉体を100%含有する無機質粉体(D)を得
た。
【0073】(3)無機質粉体(E)の作製 フライアッシュ(JIS A−6201相当品、平均粒
径20μm、比表面積1.8m2 /g、関電化工社製)
を3000℃で溶融し、80m/秒の速度で大気中に噴
霧した後、回収して無機質粉体(E)を得た。得られた
無機質粉体(E)は、平均粒径14.8μm、比表面積
9.5m2 /gであり、X線回折分析により結晶性のピ
ークは確認されず、実質的に完全非晶質体であった。
【0074】(4)無機質粉体(F)の作製 カオリン(化学組成SiO2 :45.7%、Al
2 3 :38.3%、平均粒径8μm、比表面積5.8
2 /g)を2500℃で溶融し、50m/秒の速度で
大気中に噴霧した後、回収して無機質粉体(F)を得
た。得られた無機質粉体(F)は、平均粒径14.8μ
m、比表面積2.0m2 /gであり、X線回折分析によ
り結晶性のピークは確認されず、実質的に完全非晶質体
であった。
【0075】(5)無機質粉体(G)の作製 上記と同様のカオリン1.7kgと粉砕助剤(トリエタ
ノールアミンの25%エタノール溶液)10gを、商品
名「ウルトラファインミルAT−20」(ジルコニアボ
ールφ10mmを使用、ボール充填率85容量%、三菱
重工社製)に供給し、25kwh/kg(8時間×3.
125kw/kg)の機械的エネルギーを作用させて無
機質粉体(G)を得た。
【0076】(6)無機質粉体(H)の作製 上記で得られた無機質粉体(G)を300℃で3時間加
熱して無機質粉体(H)を得た。
【0077】(7)無機質粉体(I)の作製 メタカオリン(商品名「SATINTONE−SP3
3」、平均粒径3.3μm、比表面積13.9m2
g、エンゲルハード社製)そのものを無機質粉体(I)
として用いた。
【0078】(8)無機質粉体(J)の作製 上記と同様のメタカオリン1.7kgと粉砕助剤(トリ
エタノールアミンの25%エタノール溶液)10gを無
機質粉体(G)の作製で用いた「ウルトラファインミル
AT−20」に供給し、9.9kwh/kg(3時間×
3.3kw/kg)の機械的エネルギーを作用させて無
機質粉体(J)を得た。
【0079】2.アルカリ金属珪酸塩の準備 アルカリ金属珪酸塩として、下表に示す6種類のアルカ
リ金属珪酸塩を用いた。
【0080】3.アルカリ金属硼酸塩の準備 アルカリ金属硼酸塩として、下記2種類のアルカリ金属
硼酸塩を用いた。 I.四硼酸二ナトリウム十水和物(和光純薬工業社製) II.四硼酸二カリウム四水和物(和光純薬工業社製)
【0081】(実施例1)
【0082】(1)硬化性無機質組成物の作製 表1に示すように、上記で準備した無機質粉体(A)1
00部、アルカリ金属珪酸塩()〔金属の種類:カリ
ウム、M2 O/SiO2 =1/1.4(モル比)〕65
部、アルカリ金属硼酸塩(I)(四硼酸二ナトリウム十
水和物)10部、珪砂(ブレーン値:5000cm2
g、住友セメント社製)300部及び水70部をオムニ
ミキサーに供給し、5分間混合して硬化性無機質組成物
を得た。
【0083】(2)無機質硬化体の成形 上記で得られた硬化性無機質組成物を150mm×50
mm×10mmの型枠内に注入した後、型枠ごと85℃
の熱風乾燥機中で10時間加熱して硬化性無機質組成物
を硬化させた。次いで、硬化物を脱型し、50℃で10
時間乾燥して無機質硬化体を得た。
【0084】(3)評価 上記で得られた無機質硬化体の性能(硬化状態、耐
熱水性、耐候性)を以下の方法で評価した。その結果
は表1に示すとおりであった。
【0085】硬化状態:得られた無機質硬化体の外観
を目視で観察して、下記判定基準で硬化状態を評価し
た。 〔判定基準〕 ○‥‥充分に硬化しているもの △‥‥硬化不充分なもの ×‥‥硬化せず、脱型時に破壊したもの
【0086】耐熱水性:得られた無機質硬化体を98
℃の熱水中に2時間浸漬した後、取り出して常温で24
時間乾燥し、外観を目視で観察して、下記判定基準で耐
熱水性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥異常が認められなかったもの ×‥‥表面に粉が発生している等の異常が認められたも
【0087】耐候性:得られた無機質硬化体を、JI
S K−5400に準拠して、500時間の促進耐候性
試験に供した後、外観を目視で観察して、下記判定基準
で耐候性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥異常が認められなかったもの ×‥‥表面にシミによる汚染が発生している等の異常が
認められたもの
【0088】(実施例2〜7、及び、比較例1〜4)
【0089】硬化性無機質組成物を表1に示す配合組成
としたこと以外は実施例1と同様にして、10種類の硬
化性無機質組成物及び無機質硬化体を得た。
【0090】上記で得られた10種類の無機質硬化体の
性能を実施例1と同様にして評価した結果は表1に示す
とおりであった。
【0091】(実施例8〜15、及び、比較例5〜8)
【0092】硬化性無機質組成物を表2に示す配合組成
としたこと以外は実施例1と同様にして、12種類の硬
化性無機質組成物及び無機質硬化体を得た。
【0093】上記で得られた12種類の無機質硬化体の
性能を実施例1と同様にして評価した結果は表2に示す
とおりであった。
【0094】(実施例16〜23、及び、比較例9〜1
0)
【0095】硬化性無機質組成物を表3に示す配合組成
としたこと以外は実施例1と同様にして、10種類の硬
化性無機質組成物及び無機質硬化体を得た。
【0096】上記で得られた10種類の無機質硬化体の
性能を実施例1と同様にして評価した結果は表3に示す
とおりであった。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の硬化性無機
質組成物によれば、硬化時間を著しく短縮することが出
来ると共に、強度が高く、耐水性、耐熱性及び耐候性等
の耐久性に優れる無機質硬化体を容易に得ることが出来
る。又、焼成した無機質粉体を用いれば、優れた外観を
有する無機質硬化体を得ることも出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)粒径が20μm以下の粉体を80
    重量%以上含有するフライアッシュ、(b)400〜1
    000℃で焼成された粒径が20μm以下の粉体を80
    重量%以上含有するフライアッシュ、(c)フライアッ
    シュ又は粘土を溶融し気体中で噴霧して得られる無機質
    粉体、(d)粘土に0.1〜30kwh/kgの機械的
    エネルギーを作用させて得られる無機質粉体、(e)上
    記(d)の無機質粉体を100〜750℃で加熱して得
    られる無機質粉体、及び、(f)メタカオリンからなる
    群より選ばれる1種もしくは2種以上の無機質粉体10
    0重量部に対し、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量
    部、アルカリ金属硼酸塩1〜100重量部、及び、水1
    0〜1000重量部が含有されていることを特徴とする
    硬化性無機質組成物。
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