JPH08291437A - 異繊度混繊糸使い織編物およびその製造方法 - Google Patents

異繊度混繊糸使い織編物およびその製造方法

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JPH08291437A
JPH08291437A JP7092591A JP9259195A JPH08291437A JP H08291437 A JPH08291437 A JP H08291437A JP 7092591 A JP7092591 A JP 7092591A JP 9259195 A JP9259195 A JP 9259195A JP H08291437 A JPH08291437 A JP H08291437A
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woven
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multifilament yarn
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JP7092591A
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Seiji Morita
精次 森田
Norimichi Nagaoka
徳恭 長岡
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 太繊度マルチフィラメント糸と塩基性染料可
染性ポリマからなる細繊度マルチフィラメント糸の芯鞘
構造糸で構成され、太繊度糸と細繊度糸との単糸繊度、
フィラメント数の比および単糸繊度の比をそれぞれ特定
化した異繊度混繊糸使いの織編物。異収縮混繊糸中の分
割成分ポリマが熱水可溶性で、複合糸の被分割セグメン
トおよび高収縮糸の単糸繊度およびフィラメント数の比
率を特定化した織編物の製造方法。 【効果】 特定の混繊糸、特に塩基性染料可染性の超極
細繊度かつ多フィラメント糸を鞘部とする芯鞘構造糸で
構成されているため、発色性に富みドライタッチ、十分
ソフトで染めイラツキ等の欠点がなく、緻密感、ぬめり
感、膨らみ、腰、反撥性、ドレープ性等の諸特性が良好
で、高級感に富んだ織編物が、効率的な製造方法のもと
で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異繊度混繊糸使い織編物
およびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は太繊度マルチフィラメント糸が芯部、塩基性染料可染
性ポリマからなる細繊度マルチフィラメント糸が鞘部と
なる芯鞘構造糸で構成される異繊度混繊糸使い織編物で
あって、細繊度マルチフィラメント糸のフィラメント数
が極めて多く、極細糸でも発色性が良好でドライタッ
チ、ソフトで緻密感があり、膨らみ、腰、反撥性、ドレ
ープ性等を兼ね備えた高級織編物およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】高収縮マルチフィラメント糸と低収縮マ
ルチフィラメント糸を混繊した異収縮混繊糸を用いた織
編物は、それを熱処理すると収縮率の差に基づく糸長差
が発現し、かつ高収縮マルチフィラメント糸が芯部に、
低収縮マルチフィラメント糸が鞘部となって織編物は膨
らみを発現し、さらにソフト感やドレープ性が付与され
た高級織編物とする技術がよく知られている。そして混
繊する高収縮マルチフィラメント糸および低収縮マルチ
フィラメント糸についても種々のポリマ、繊度、フィラ
メント数および断面形状のものが用いられており、様々
な風合、外観をもった織編物として実用化されている。
さらに織編物の特徴を広げるべく混繊すべき原糸につい
てもその範囲が次々に拡大している。
【0003】かかる異収縮混繊糸に関して、たとえば特
開平2−19528号公報および特開平3−59130
号公報などで、大きな収縮差を付与したり、ドライなタ
ッチを付与すべくポリマからの改良を提案した。しか
し、繊度構成は通常の1〜3d程度の衣料用フィラメン
トの一般的なもので、高発色性及びドライ感が不足し、
またソフトで緻密感のある高級な風合を得ることはでき
なかった。
【0004】また高収縮マルチフィラメント糸の単糸繊
度を太繊度とし、低収縮マルチフィラメント糸の単糸繊
度を細繊度として、織編物のソフト感と腰、張り等を強
調することも知られている。すなわち、特公昭61−1
9730号公報には1d未満の低収縮マルチフィラメン
ト糸と1〜3dの高収縮マルチフィラメント糸との混繊
糸が開示されているが、高収縮マルチフィラメント糸の
単糸繊度が小さく、織編物に腰や反発性はもちろん高発
色性及びドライ感も十分に付与することができない欠点
がある。
【0005】さらに特公昭61−40778号公報には
太繊度の高収縮マルチフィラメント糸と極細繊度の低収
縮マルチフィラメント糸の混繊糸を織編物とし、それを
起毛して起毛布帛とする技術が開示されている。この
際、低収縮マルチフィラメント糸を分割型複合糸として
もよい旨の記述もあるが、ここで開示される技術では極
細繊度糸の太繊度糸の対するフィラメント数の比が高々
2倍であり、それぞれの繊度のフィラメントが群となっ
て表面を形成するので得られる織編物は、表面はソフト
感が不足し、繊度差のため染差が大きく染めイラツキ等
の欠点が生じるばかりか、起毛しても良好な毛羽感や外
観品位が得られず発色性、ドライ感も不十分であった。
【0006】他方、特開昭52−91962号公報には
極細繊度の島成分をもつ海島複合マルチフィラメント糸
に収縮差を付与して混繊し、織物としてから海成分を除
去し、起毛して立毛織物とする技術が開示されている
が、この種の織物はソフト感が強すぎて、起毛しない場
合もあり、この際においても特殊な用途にしか展開でき
ない欠点がある。
【0007】一方発色性に優れたポリマとして塩基性可
染型ポリエステルが良く知られている。従来から塩基性
可染型ポリエステルとして、特公昭34−10497号
公報などで金属スルホネート基を有するイソフタル酸成
分、たとえば5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を
共重合させたものが知られている。
【0008】しかし、このものでは発色性を満足なレベ
ルに上げるためには金属スルホネート基を有するイソフ
タル酸成分(以下S成分と略す)を多量に共重合したも
のでなければならない。S成分を多量に共重合したポリ
マはS成分の増粘作用のため、繊維として必要な重合度
のポリマは溶融粘度が高く、紡糸を困難ならしめてい
た。したがって多量のS成分を共重合したポリマを通常
の方法で紡糸するためには、溶融粘度を通常紡糸できる
範囲にまで低下させるためポリマの重合度を低くしてお
く必要がある。しかしながらその結果、糸強度が低下し
製糸性、高次工程通過性の低下を生じる欠点および用途
が限定される欠点があった。
【0009】また難溶解性ポリエステルを溶解性ポリエ
ステルによって複数に分割した分割型複合繊維は、溶解
性ポリエステルを溶解除去することで極細繊維が得られ
る特徴を生かし広く活用されている。また溶解性ポリエ
ステルを繊維表面の特定箇所に配した複合繊維から溶解
性ポリエステルを溶解除去すれば、通常の紡糸方法では
得られない変形度の大きい変形断面繊維が得られること
も知られている。
【0010】かかる複合繊維は、溶解性ポリエステルの
溶解除処理として、通常ポリエステル繊維織編物分野で
用いるアルカリ減量加工が好適に適用されている。その
溶解性ポリエステルにはアルカリ易溶解性ポリエステル
が用いられ、そのアルカリ易溶解性ポリエステルにはポ
リエチレンテレフタレートに5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を共重合させたポリエステルを用いるのが一般
的である(例えば特開昭54−6965号公報、特公昭
62−61686号公報など)。
【0011】一方、前記複合繊維には、アルカリを用い
ず熱水のみで溶解する溶解性ポリマも提案されている
が、やはりポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸を共重合させたポリエステルが基
本となっている(例えば特公昭64−6286号公報な
ど)。
【0012】ところが、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を共重合させた溶解性ポリエステルは、その共重合
量の増量とともにアルカリ易溶性ないし熱水溶解性が増
加するが、延伸工程では伸びにくくなって、延伸倍率を
低く設定することが必要となる。その5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸を共重合させた溶解性ポリエステルを
一成分とした複合繊維においても、同様に延伸倍率を低
く設定せざるを得ないため、延伸工程で一方の難溶解性
成分ポリエステルの配向充分に上げることができず、こ
のため複合繊維の強度が小さく、かつ溶解性ポリエステ
ルを溶解除去した後の繊維の強度も小さくなるという欠
点になる。複合繊維は強度が小さいと製糸工程、製織物
工程で糸切れや毛羽立ちが多く、生産性ばかりでなく、
得られる織編物の品位も不良となる。また溶解性ポリエ
ステルを溶解除去した後の繊維の強度が小さいと織編物
の引裂強力が小さく、この点でも実用性の乏しいものと
なる。特に溶解性ポリエステルを繊維表面の特定箇所に
配した複合繊維においては、溶解性ポリエステルを溶解
除去して得られた変形断面繊維の強度が低いと、フィブ
リル化や外力による断面形状の変形が大きくなり、これ
に由来する欠点も増大して、更に実用性が乏しい等の欠
点となるのである。
【0013】このように、従来技術では細繊度の低収縮
フィラメントに対応する成分として分割型複合マルチフ
ィラメント糸を用いる異収縮繊維使いの織編物は知られ
ているものの、高発色性でドライタッチの十分ソフトで
緻密感があり、かつ膨らみや腰といった風合と外観品位
を兼ね備えた高級感のある織編物は、未だに得られてい
なかったのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解消し、特に十分高級感のある織編物
として、高発色、ドライ感、ソフト感、腰、張りおよび
ドレープ性は勿論のこと、染めイラツキ等の欠点がな
く、緻密な外観等、従来技術では達成できなかった特徴
のある異繊度混繊糸使いの織編物およびその効果的な製
造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1)単糸繊度が4〜10dの太繊度マルチフィラメン
ト糸が芯部、単糸繊度が0.05〜0.5dの塩基性染
料可染性ポリマからなる細繊度マルチフィラメント糸が
鞘部となる芯鞘構造糸で構成される異繊度混繊糸使い織
編物であって、 該細繊度マルチフィラメント糸の該太
繊度マルチフィラメント糸に対するフィ ラメント数の
比が20倍以上で、かつ該太繊度マルチフィラメント糸
の該細繊 度マルチフィラメント糸に対する単糸繊度の
比が15倍以上であることを特徴 とする異繊度混繊糸
使い織編物。 (2)分割型複合の低収縮マルチフィラメント糸と太繊
度の高収縮マルチフィラメント糸との異収縮混繊糸であ
って、該分割型複合マルチフィラメント糸の被分割セグ
メントが塩基性染料可染性ポリマからなる繊度が0.0
5〜0.5dで、分割成分が熱水可溶性ポリマであっ
て、該高収縮マルチフィラメント糸の単糸繊度が4〜1
0dであり、該分割型複合マルチフィラメント糸の該高
収縮マルチフィラメント糸に対するフィラメント数の比
が4倍以上で、かつ該高収縮マルチフィラメント糸のフ
ィラメント数に対する該被分割セグメントの数の比が2
0倍以上の異収縮混繊糸を織編物となし、次いで分割処
理および熱処理を施すことを特徴とする異繊度混繊糸使
い織編物の製造方法。によって達成することができる。
【0016】すなわち、本発明の異繊度混繊糸使い織編
物は、太繊度マルチフィラメント糸を芯部とし、細繊度
マルチフィラメント糸を鞘部とする芯鞘構造糸で構成さ
れる。この芯鞘構造糸の中央部には相対的に太繊度のフ
ィラメント糸が多く分布し、外周部には相対的に細繊度
のフィラメント糸が多く分布した構造であって、ソフト
感、緻密感、イラツキのない外観付与等にとって効果的
である。
【0017】そしてその太繊度マルチフィラメント糸は
単糸繊度が4〜10dが必要であり、一方の細繊度マル
チフィラメント糸は単糸繊度が0.05〜0.5dが必
要である。すなわち、織編物に腰・張り、反撥性を付与
するために太繊度マルチフィラメント糸の単糸繊度は4
d以上が必要で、好ましくは5d以上である。またこの
単糸繊度が大きくなり過ぎると織編物は粗硬な風合とな
るため10d以下が必要で、好ましくは9d以下であ
る。一方、塩基性染料可染性の細繊度マルチフィラメン
ト糸は織編物の表面を形成し、発色性、風合、外観に直
接関係する。このためその単糸繊度はソフト感、緻密感
を発揮させる観点から0.5d以下が必要で、好ましく
は0.4d以下である。またこの単糸繊度があまり小さ
くなるとソフト感が強調されすぎてぬめった風合となる
ため0.05d以上が必要で、好ましくは0.06d以
上である。
【0018】そして織編物のソフト感、緻密性を向上さ
せ、染めイラツキを減少させて外観品位を良好なものと
する観点から、細繊度マルチフィラメント糸の太繊度マ
ルチフィラメント糸に対するフィラメント数の比が20
倍以上が必要で、好ましくは25倍以上である。また織
編物のソフト感と腰・張り及び反撥性を両立させる観点
から、太繊度マルチフィラメント糸の細繊度マルチフィ
ラメント糸に対する単糸繊度の比が15倍以上が必要
で、好ましくは18倍以上である。
【0019】なお、上記した太繊度マルチフィラメント
糸と細繊度マルチフィラメント糸の間には熱処理したと
きの収縮率の差に基づく糸長差が適度にあると、織編物
としての膨らみや反撥性の向上にとって好ましいことで
ある。その糸長差は5%以上が好ましく、7%以上がよ
り好ましい。
【0020】本発明の織編物において、異繊度混繊糸を
構成する太繊度マルチフィラメント糸および/または細
繊度マルチフィラメント糸用のポリマは、強度、寸法安
定性、ソフト感と腰・張りおよびドレープ性等の優れた
特性を付与する観点から、ポリエステルポリマが好まし
い。
【0021】以下詳細は後述するが塩基性染料可染性の
細繊度ポリマ、太繊度ポリマ及び熱水可溶性ポリマに用
いるポリマもポリエステルポリマが好ましく使用でき
る。すなわち、異繊度混繊糸を形成するポリマがポリエ
ステルであると、太繊度マルチフィラメント糸を高収縮
成分とする異収縮混繊糸を製造する際に、芯部に太繊度
マルチフィラメント糸を配置させ易いので好ましい。
【0022】まず、塩基性染料可染性の低収縮ポリマに
ついて説明する。前記した如く細繊度マルチフィラメン
ト糸は0.5d以下の超極細糸となるため通常のポリエ
ステルでは鮮明な発色性が不十分となる。そこで本発明
に用いる発色性良好な塩基性染料可染性ポリマについて
説明する。塩基性染料可染性とは金属スルホネート基を
含有するイソフタル酸成分を全ジカルボン酸成分に対し
て0.7〜2.4モル%及び分子量90〜6000のポ
リアルキレングリコール成分(以下G成分と略す)をポ
リエステルに対して0.2〜10重量%共重合されてい
る必要があり固有粘度(IV)が0.64以上の改質ポ
リエステルで形成されていることが望ましい。
【0023】該改質ポリエステルはS成分を多量に共重
合させて染色性を高めたものよりも糸強度が高く、塩基
性染料に良好な発色性と耐光性を示すものである。S成
分としては、次式で示される化合物であり、具体的には
ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート、ビ
ス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスルホ)イ
ソフタレート、ビス−4−ヒドロキシブチル(5−ナト
リウムスルホ)イソフタレート、ジメチル(5−リチウ
ムスルホ)イソフタレートなどである。
【0024】
【化1】 (但し、式中MはNa、Li、Kなどのアルカリ金属を
示し、A,A’は水素、アルキル基または−(CH2
nOHを示し、nは2以上の整数を示す) 好ましいS成分としては、ジメチル(5−ナトリウムス
ルホ)イソフタレート、ビス−2−ヒドロキシエチル
(5−ナトリウムスルホ)イソフタレートである。 S
成分は改質ポリエステル酸成分に対し0.7〜2.4モ
ル%共重合させることが望ましい。共重合量が0.7モ
ル%未満では繊維の塩基性染料による染色性および発色
性が不足であり、2.4モル%を越えると溶融粘度が著
しく大きくなるために溶融紡糸する際に適正な濾過がで
きず、その結果糸強度も低くなる。
【0025】G成分としては、分子量が90〜6000
のものであることが好ましく、分子量が90未満の物は
耐光性を満足させる共重合量では、繊維の染色性および
発色性が不足であり、また分子量が小さいため改質ポリ
エステルの融点が低くなることに起因して、繊維の高次
加工性が不良となる。
【0026】一方、分子量が6000を越えるG成分で
は改質ポリエステル中に均一に共重合し難いので、耐光
性を満足させる共重合分量では、得られる繊維の染色性
および発色性が不足となる。また、改質ポリエステルの
耐酸化分解性が低下すること、得られる布帛の抗フロテ
ィング性が低下するなどの欠点が発生する。好ましいG
成分の分子量は、100〜4000であり、更に好まし
くは、100〜1200である。
【0027】前記した分子量が90〜6000のG成分
の代表例としては、HO−(CH4−CH6 −O)mR
−O−(CH4 −CH6 −O)nH(式中Rは炭素原子
数3〜20の直鎖、環状、側鎖を有する二価の脂肪族炭
化水素基、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン
基などの二価の芳香族炭化水素基、m、nは同一または
異なる整数で1≦m+n≦100である)で示されるグ
リコール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加
物および次式で示されるポリアルキレングリコールなど
があげられる。 A(CnH4 nO)mH 式中AはCeH2 e+1 OまたはOH、eは1〜1
0、nは2〜5、mは2〜65の整数を示す。
【0028】前記G成分としては、ポリアルキレングリ
コールが好ましい。これはポリアルキレングリコールの
減粘効果が他のG成分より大きいため、良好な糸特性を
持つ繊維を得るために必要な重合度を持つ改質ポリエス
テルを得るには他のG成分よりは有利なことによる。そ
してポリアルキレングリコールとしては、両末端にOH
基を有するポリエチレングリコールがより好ましい。こ
れはアルキレンオキサイド単位が短いほど、またグリコ
ールをランダムに共重合するほど発色性向上効果、減粘
効果が大きいためである。
【0029】G成分の共重合量は改質ポリエステルに対
して0.2〜10重量%の範囲とすることが望ましい。
G成分の共重合量が0.2重量%未満では、改質ポリエ
ステル繊維の発色性が不満足であり、10重量%を越え
ると染色布の耐光性および耐酸化分解性が低下する。
【0030】本発明における細繊度ポリマの改質ポリエ
ステルの固有粘度は0.64以上であることが望まし
い。固有粘度が0.64未満では糸強力が弱くなり過
ぎ、逆にあまりにも高い固有粘度では溶融紡糸時の溶融
粘度が高くなり過ぎ、紡糸温度を高くしなければならず
複合紡糸が困難となるので固有粘度は0.8以下にする
のが好ましい。
【0031】また前記改質ポリエステルには、本発明の
効果を阻害しない範囲で艶消剤、、抗酸化剤、蛍光増白
剤、難燃剤、紫外線吸収剤などよく知られた添加剤が含
有されていてもよい。
【0032】また太繊度ポリマとして第3成分を共重合
したポリエステルが好ましく使用できる。より詳細は後
述する。
【0033】上記の異繊度混繊糸を構成する太繊度マル
チフィラメント糸は、その糸表面に糸長手方向に連続す
る凹状の溝のある形状が好ましい。そのためには糸表面
の複数箇所から糸内部方向に熱水可溶性ポリマを先細り
状に配置しておくのがより好ましい。このような表面形
状の太繊度マルチフィラメント糸を用いた織編物にはキ
シミ感のある風合と吸水性の機能が兼ね備わり、従来品
にないソフトでキシミ感と吸水性のある織編物が得られ
ることになる。凹状の溝は複数とすると溝効果を高める
上で好ましい。
【0034】またこの凹状の溝は入口幅の平均長Wが細
繊度マルチフィラメント糸の平均径R(糸の断面形状が
異形の場合は最大径の平均値)より大きくなると、織編
物において細繊度マルチフィラメントが凹状の溝の中に
入り込み易くなり、溝効果と細繊度の効果を十分発揮し
難くなる。このためW/Rは5倍以下が好ましく、4倍
以下がより好ましく、3倍以下が一層好ましい。
【0035】次に熱水可溶性ポリマについて説明する。
本発明でいう熱水可溶性とは、98℃の通常の水溶液中
で実質的に溶解される特性を意味し、また熱水難溶性と
は前記条件下で実質的に溶解されない特性であることを
意味する。
【0036】上記熱水可溶性ポリマは、第3成分とし5
−ナトリウムスルホイソフタル酸をポリエチレンテレフ
タレートに共重合した共重合ポリエステルが好ましく活
用できるが、単に5−ナトリウムスルホイソフタル酸の
みの共重合では多量の共重合を要し、かつ前述したよう
に延伸しにくい欠点が生じることがある。熱水可溶性ポ
リマを延伸しやすくかつ熱水可溶性を向上させるために
は、該第3成分とともに第4成分を共重合させることが
望ましい。この第4成分の中でも製糸性を低下させず、
かつ熱水可溶性を効率的に向上できるものとしてイソフ
タル酸を好ましく用いることができる。すなわち熱水可
溶性ポリマとしては第3成分として5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を8〜14モル%、第4成分としてイソ
フタル酸を10〜33モル%を主たる構成成分であるエ
チレンテレフタレートに共重合した共重合ポリエステル
であることが好ましい。5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸の共重合量が8モル%より少ないと熱水可溶性が低
下し、14モル%より多いと複合繊維の強度が低下し易
く、また冷水でも溶解し易くなる等のため、製糸、高次
工程での取扱いが困難になる場合がある。また、イソフ
タル酸の共重合が10モル%より少ないと熱水可溶性が
低下したり、溶解処理時に不溶物が残り易く、33モル
%より多いと製糸性が充分得られにくいため、複合繊維
の強度が小さくなる等の欠点が生じる場合がある。
【0037】次に、本発明の異繊度混繊糸使い織編物の
製造方法について説明する。すなわち、本発明の異繊度
混繊糸使い織編物は、例えば低収縮成分の塩基性染料可
染性である細繊度の分割型複合の低収縮マルチフィラメ
ント糸と、太繊度の高収縮マルチフィラメント糸で構成
する異収縮混繊糸を製織編し、しかる後熱水処理により
熱水可溶性ポリマを溶出除去するとともに熱処理による
収縮差発現を施すことにより製造することができる。
【0038】本発明における分割型複合マルチフィラメ
ント糸とは、分割成分ポリマによって被分割成分ポリマ
が複数の被分割セグメントに分割された断面形状をもつ
複合マルチフィラメント糸である。この分割成分ポリマ
には分割処理をより確実とするために熱水可溶性ポリマ
が望ましい。通常のポリエステル糸に適用されているア
ルカリ水溶液による分解処理は熱水可溶性ポリマだけで
なく、塩基性染料可染性ポリマからなる細繊度フィラメ
ント糸も少なからず影響を受け、この為布帛の強度低下
をきたしフロスティング、フィブリル化等の欠点が生じ
実用に適さなくなる。更に天然繊維、例えばウール、絹
との交織編物においては著しく天然繊維を損傷させ実用
に適さなくなる。
【0039】また分割型複合マルチフィラメント糸とし
ては被分割セグメントを安定して超極細繊度とする観点
から、海島型複合マルチフィラメント糸が好ましい。図
1は海島型の分割複合マルチフィラメント糸の断面形状
を例示するもので、図において被分割成分ポリマは分割
成分ポリマ2によって8個の島状の被分割セグメント1
に分割されている。
【0040】被分割セグメントの繊度は0.05〜0.
5dであることが必要である。分割処理後の被分割セグ
メントは織編物の表面を形成し、風合、外観に直接関係
するもので、その繊度は織編物のソフト感や緻密感を発
揮させる観点から0.5d以下が必要で、好ましくは
0.4d以下である。また被分割セグメントの繊度があ
まり小さくなるとソフト感が強調され過ぎ、ぬめった風
合いとなるため0.05d以上が必要で、好ましくは
0.06d以上である。
【0041】低収縮マルチフィラメント糸は混繊糸中で
低収縮成分となるが、一方の太繊度の高収縮マルチフィ
ラメント糸の単糸繊度は4〜10dが必要である。混繊
糸からなる織編物に十分な腰・張りおよび反撥性を付与
するためには単糸繊度が4d以上が必要で、好ましくは
5d以上である。またその単糸繊度があまり大きくなる
と織編物が粗硬な風合となるため10d以下が必要で、
好ましくは9d以下である。また高収縮マルチフィラメ
ント糸の単糸繊度は、織編物のソフト感、腰・張りおよ
び反撥性等を一層発揮させる観点から、被分割セグメン
トの単糸繊度の15倍以上とするのが望ましい。
【0042】分割型複合マルチフィラメント糸のフィラ
メント数は、高収縮マルチフィラメント糸のフィラメン
ト数の4倍以上で、かつ被分割セグメントの数が高収縮
マルチフィラメント糸のフィラメント数の20倍以上で
あることが好ましい。分割型複合マルチフィラメント糸
のフィラメント数(BF数)および被分割セグメント数
(BS数)が少ないほど、分割処理後の混繊糸からなる
織編物において被分割セグメントの表面形成比率が低下
しソフト感や緻密感および外観品位が低下するようにな
る。このため織編物のソフト感や緻密感を向上させ、染
めイラツキ等を減少させる観点から、BF数は高収縮マ
ルチフィラメント糸のフィラメント数(KF数)の4倍
以上、好ましくは5倍以上で、かつBS数がKF数の2
0倍以上が必要で、好ましくは25倍以上である。
【0043】なお、分割型複合マルチフィラメント糸
(低収縮糸)と高収縮マルチフィラメント糸の収縮特性
は、異収縮混繊糸としての膨らみを十分発現させるため
に沸水収縮率および160℃乾熱収縮率のいずれか一方
で5%以上の差のあることが好ましく、7%以上の差の
あることがより好ましい。さらに織編物に対して粗硬感
がなく十分な膨らみを付与するためには、高収縮マルチ
フィラメント糸の沸水収縮率を15%以上、分割型複合
マルチフィラメント糸の沸水収縮率を10%以下とし、
かつ両収縮率の差が7%以上あることが一層好ましい。
【0044】本発明における異収縮混繊糸を構成する分
割型複合フィラメント糸および/または高収縮マルチフ
ィラメント糸のポリマは、熱処理による収縮差を糸や織
編物の膨らみへ容易に交換できる点、織編物に対しドレ
ープ性を付与させ易い点および寸法安定性の点等からポ
リエステルポリマが好ましい。
【0045】高収縮マルチフィラメント糸のポリエステ
ルポリマには第3成分を共重合させたポリエステルが好
ましい。その第3成分には、例えばシュウ酸、セバシン
酸、フタル酸およびイソフタル酸などのジカルボン酸
類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールお
よびネオペンチルグリコールなどのグリコール類の他、
ビスフェノールAおよびビスフェノールスルフォンなど
が挙げられるが、製糸性や高収縮特性の発現性等の観点
からイソフタル酸やビスフェノールAが特に好ましい。
また第3成分の共重合量は高収縮特性を十分付与するた
めに2モル%以上が好ましく、また共重合量があまり多
くなると、収縮差付与処理において織編物の収縮が過度
となって粗硬になり易く、このため20モル%以下にと
どめることが好ましい。
【0046】高収縮マルチフィラメント糸は、その糸表
面の複数箇所から糸内部方向に熱水可溶性ポリマを先細
り状に配置させておくのがより好ましい。このような断
面形状の高収縮マルチフィラメント糸は、織編後におい
て熱水可溶性ポリマの少なくとも1部を溶解除去したと
き、特有のキシミ感のある風合と吸水性の機能が備わ
り、従来品にないソフトでキシミ感と吸水性のある織編
物が得られることになる。図2にこのような高収縮複合
マルチフィラメント糸の断面形状の一例を示した。三葉
断面の3箇所凸状部分から糸内部方向に易溶解成分を先
細り状に配置させた形状の高収縮複合マルチフィラメン
ト糸である。すなわち、図2の高収縮複合マルチフィラ
メント糸は3つの先細り状セグメント3と高異形セグメ
ント4で形成され、高異形セグメントは高収縮フィラメ
ント糸のポリマで構成されている。
【0047】またこの高収縮複合マルチフィラメント糸
はその糸表面の先細り状セグメントと高異形セグメント
の境界点どうしを結ぶ線分(高異形セグメントの先細り
状溝の入口幅に相当する)の平均長さをWとしたとき、
Wが分割型複合フィラメント糸の被分割セグメントの平
均径R(断面形状が異形の場合は最大径の平均値)より
大きくなると、織編物においては高収縮マルチフィラメ
ント糸の溝の中に被分割セグメントが入り込み易くな
り、溝効果と被分割セグメントの細繊度の効果を減少さ
せる傾向がある。このため溝効果と細繊度の効果を十分
に発揮させる上からW/Rは5倍以下が好ましく、4倍
以下がより好ましく、3倍以下が一層好ましい。
【0048】本発明における高収縮複合マルチフィラメ
ント糸の熱水可溶性ポリマは前述した分割型複合マルチ
フィラメント糸の分割成分ポリマと同じものとすること
が望ましく、同じものとすることにより、複合紡糸口金
混繊時にポリマ種が1種減少でき生産性が向上するとと
もに紡糸機、パック、口金が単純化できる。更に高次加
工における分割処理時にアルカリ処理等の薬液処理の必
要がなくなり工程の簡略化が可能となる。同時に溶解処
理時の制約が著しく減少し、特に織編物の分割、溶解処
理による強度低下が抑制されることになる。
【0049】本発明における異収縮混繊糸は、分割型複
合マルチフィラメント糸が異収縮混繊糸のより外側に、
高収縮マルチフィラメント糸がより内側に分布している
ことが、被分割セグメントの効果を十分発揮させる点お
よび染めイラツキを軽減させる点等から好ましいことで
ある。このような混繊糸の配列とするためには、後述す
る紡糸方法の如く分割型複合マルチフィラメント糸と高
収縮マルチフィラメント糸を同時に紡糸する方法が好ま
しく、さらに一つの口金装置において分割型複合マルチ
フィラメント糸の吐出孔をより外側に、高収縮マルチフ
ィラメント糸の吐出孔をより内側に配列させて紡糸する
方式がより好ましい。
【0050】次に、本発明における異収縮混繊糸とし
て、分割型複合マルチフィラメント糸と複合高収縮マル
チフィラメント糸を同時に紡糸する口金装置の一例につ
いて、図3を参照しながら説明する。図3に示す口金装
置は上板11と下板12の2枚のプレートで構成され、
左側半分が図1に示す如き海島型の分割型複合マルチフ
ィラメント糸用であり、右側半分が図2の如き三葉断面
複合高収縮マルチフィラメント糸用である。
【0051】先ず、海島型の分割型複合マルチフィラメ
ント糸の複合紡糸部分を説明する。被分割セグメント用
成分ポリマAは導入孔13、上板吐出孔14から開孔部
17に導入される。導入孔13、上板吐出孔14の孔数
が被分割セグメント(島)の数に対応する。分割成分ポ
リマBはポリマ溜15から突起部16を経て開孔部17
に導入され、ここで両ポリマAおよびBに海島型の複合
流を形成させて、吐出孔18から海島型の分割型複合マ
ルチフィラメント糸として吐出させる。
【0052】次に、三葉断面複合高収縮マルチフィラメ
ント糸の複合紡糸部分を説明する。高異形セグメント用
成分ポリマCは開孔部19、上板吐出孔20から開孔部
24に導入される。一方の先細り状セグメント用成分ポ
リマDはBと同一の熱水可溶性ポリマが好ましく、ポリ
マ溜21から突起部22上の溝23を経て開孔部24に
導入され、ここで両ポリマCおよびDに複合流を形成さ
せて、吐出孔25から三葉断面複合高収縮マルチフィラ
メント糸として吐出させる。上板吐出孔20、溝23お
よび吐出孔25の好ましい形状をそれぞれ図4〜6に示
した。なお、被分割セグメント用成分ポリマAと分割成
分ポリマBは仕切板26で区切ってあり、高異形セグメ
ント用成分ポリマCと先細り状セグメント用成分ポリマ
Dは仕切板27で区切ってある。
【0053】むろん、上記異収縮混繊糸は低収縮の分割
型複合マルチフィラメント糸と太繊度の高収縮マルチフ
ィラメント糸をそれぞれ個別の口金装置から紡糸・延伸
した後、混繊してもよい。また紡糸、延伸は別工程でも
連続工程であっても構わないし、高速紡糸法も十分適用
することができる。
【0054】収縮率差を有する低収縮糸と高収縮糸を混
繊した本発明の異収縮混繊しは、その収縮率差及び繊度
差を有するがゆえに延伸巻上げ工程においてタルミを発
現しやすく、製織、製編時の工程通過性の低下をひき起
こす一因となる。これを防止するために本発明糸は交絡
を有することが好ましく、その交絡数は5個/m〜80
個/m、好ましくは5〜70個/mである。交絡数が8
0個/mを越えるとこれを用いてなる織編物は粗硬いな
風合となり好ましくない。一方交絡数が5個/m以下に
なると工程通過性の低下を防止できない。
【0055】以上説明した異収縮混繊糸は、通常の方式
に従って製織編する。しかる後織編物を熱水で(分割成
分ポリマと先細り状セグメントポリマとを)溶解除去す
ると共に、収縮率差を発現させ、次いで乾熱処理で更に
収縮差を発現させ続いてカチオンもしくは分散染料にて
染色仕上げを施す。
【0056】この際、織編物は異収縮混繊糸を経糸また
は緯糸の少なくとも一方に使用するのが好ましく、本発
明の効果を十分発揮させるために経糸緯糸の全て使用す
るのがより好ましい。また織編物はその表面の50%以
上を該混繊糸で構成させるものが好ましく、表面の全て
を構成させるものがより好ましく、織編物全てに使用す
ることが一層好ましい。勿論、該混繊糸は本発明の効果
を防げない範囲で撚糸、交絡などの糸加工を施すことが
できる。
【0057】そして、製織編後に行う熱処理は湿熱およ
び/または乾熱処理によって異収縮混繊糸の収縮差を発
現させるが、このとき湿熱処理とより高温の乾熱処理を
併用すると、大きな収縮差を発現させる上で好ましい。
また分割処理は分割型複合マルチフィラメント糸の分割
成分ポリマと被分割セグメントを分割するもので、分割
処理を十分に行なうためには分割成分ポリマの溶解除去
が望ましい。その溶解除去処理には分割成分ポリマは熱
水可溶性ポリマが必要で熱水処理を施す。すなわち、分
割成分ポリマが熱水可溶性ポリマで、被分割セグメント
および/または高収縮マルチフィラメント糸用のポリマ
がポリエステルの場合には、予め熱水処理で熱水可溶性
ポリマを溶解除去し、次に通常のアルカリ減量処理より
軽度の5〜10%のアルカリ減量処理も行なうことが可
能である。この様に塩基性染料可染性の極細フィラメン
ト糸を損傷しない範囲で減量処理を行なうと織編物の反
撥性およびドレープ性等が一層向上するため好ましい。
【0058】なお、織編物の熱水処理による収縮差発現
と分割処理はその順序を問わない。また分割処理を加熱
状態で行なう場合には熱水処理と分割処理を一工程で行
うこともできる。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0060】実施例1 被分割セグメント用成分ポリマAとして酸成分にテレフ
タル酸(98.3モル%)とジメチル−5−ナトリウム
スルホイソフタル酸(1.7モル%)、グリコール成分
分子量800のポリエチレングリコールを2.5重量%
共重合したポリエステル(固有粘度を0.68〜0.7
0に調整したもの)を、分割成分ポリマBおよび先細り
状セグメント用成分ポリマDとして5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を12モル%、イソフタル酸を23モル
%共重合したポリエチレンテレフテレート(固有粘度
0.62)、高異形セグメント用成分Cとしてイソフタ
ル酸を10モル%共重合したポリエチレンテレフタレー
ト(固有粘度0.67に調整したもの)をそれぞれ用意
した。
【0061】図3〜6に示す複合口金を使用し、成分ポ
リマAと成分ポリマBからなる分割型複合マルチフィラ
メント糸および成分ポリマCと成分ポリマDからなる複
合高収縮マルチフィラメント糸を同時紡糸混繊した。複
合口金は中央部分に複合高収縮マルチフィラメント糸用
吐出孔を5個、周辺部に分割型複合マルチフィラメント
糸用吐出孔を30個(被分割セグメント240個)配置
したものを用い、紡糸速度1500m/min、紡糸温
度290℃で紡糸した。成分ポリマAと成分ポリマBの
比率(重量比)は85/15で、分割型複合フィラメン
ト糸の断面形状は図1に示す如きである。一方成分ポリ
マDと成分ポリマCの比率(重量比)は15/85で、
複合高収縮フィラメントの断面形状は図2に示す如きで
ある。
【0062】混繊複合未延伸糸を800m/min、1
45℃で延伸し、次いでエアー交絡ノズルにて交絡数が
30個/mとなるようにエアー圧力を調整し沸水収縮率
8%の分割型複合マルチフィラメント糸と、沸水収縮率
19%の複合高収縮マルチフィラメント糸との異収縮混
繊糸を得た。この混繊糸は複合高収縮マルチフィラメン
ト糸の方が相対的に混繊糸の中央側に分布していた。
【0063】上記異収縮混繊糸に経糸用、緯糸用ともに
200T/mの撚りを施し、経緯使いで平織物とした。
その平織物を98℃の熱水中で成分ポリマBおよび成分
ポリマDを溶解除去すると共に、収縮差を発現させた。
次いで98℃のアルカリ水溶液中で5%の減量処理を施
し、続いて180℃の乾熱処理をして収縮差をさらに発
現させ、しかる後に通常のポリエステル織物のような染
色仕上げを行った。
【0064】上記平織物を構成する混繊糸は太繊度マル
チフィラメント糸が芯部、細繊度マルチフィラメント糸
が鞘部となって染めイラツキのない均斉な外観となり、
また8〜9%の糸長差が発現していた。得られた織物の
構成糸の単糸繊度と風合の関係を表1に示した。
【0065】なお、表中の単糸繊度は上記染色加工後の
織編物を構成する糸についての測定値である(したがっ
て、細繊度マルチフィラメント糸は分割型複合マルチフ
ィラメント糸の被分割セグメント分に相当する)。
【0066】
【表1】 表1において、水準2〜4および水準7、8は極細糸で
ありながら発色性が良好でドライッタッチ、かつソフト
で緻密感に優れ、膨らみ、腰、反撥性およびドレープ性
が良好であるばかりでなく、さらっとした触感を呈し、
かつキシミ感、吸水性も優れた高級感に富む織物であっ
た。水準3は風合が特に優れていた。水準1は腰、反撥
性が不十分で、水準5は粗硬感が強く、水準6はソフト
感が強すぎてぬめり感があり、水準9はソフト感が不十
分であった。なお細繊度フィラメント糸の径に対する太
繊度フィラメント糸表面の溝の入口幅の比は0.7〜
2.8倍の範囲で、細繊度フィラメント糸の太繊度フィ
ラメント糸表面の溝への入り込みは殆ど見られなかっ
た。
【0067】実施例2 実施例1と同様の成分ポリマを用いて太繊度マルチフィ
ラメント糸の細繊度マルチフィラメント糸へのフィラメ
ント数の比および単糸繊度の比の効果を表2に示すとお
り確認した。なお、表中のフィラメント数および単糸繊
度は最終処理後の織編物構成糸についての測定値である
(したがって、細繊度マルチフィラメント糸は分割型複
合マルチフィラメント糸の被分割セグメント分に相当す
る)。
【0068】
【表2】 フィラメント数の比は水準10〜12に示すように、混
繊糸の芯部となる太繊度マルチフィラメント糸を鞘部の
細繊度マルチフィラメント糸が十分に覆うほど、染めイ
ラツキが軽減し外観品位が向上し、フィラメント数の比
が20倍より大きい水準10、11が良好である。単糸
繊度の比は、ソフト感と腰・張り、反撥性という逆の特
性を両立させるのに必要な15倍以上である水準14、
15が本発明の目的に合致している。なお、細繊度マル
チフィラメントの径に対する太繊度マルチフィラメント
糸表面の溝の入口幅の比は1.0〜1.6倍の範囲で、
細繊度フィラメントの太繊度フィラメント糸表面の溝へ
の入り込みは殆ど見られなかった。
【0069】比較例1 被分割セグメント用成分ポリマAの染色性、ドライタッ
チを明確にするための比較例である。被分割セグメント
用成分ポリマAに塩基性染料可染性成分を共重合してい
ない通常のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.
66,Tio2 0.5重量%)を用いた以外は実施例1
の水準No.3と同様に製糸、製織、溶解処理、収縮発
現、分散染料にて染色仕上げ加工を実施した。得られた
製品は発色性が不足しておりドライタッチも不十分であ
った。なお、カチオン染料では当然のことながら染色で
きなかった。
【0070】比較例2 分割成分ポリマBと先細り状セグメント成分ポリマDの
溶解性を明確にするための比較例である。分割成分ポリ
マBと先細り状セグメント成分ポリマDには5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を5モル%共重合させたポリマ
を用い、その他は実施例1の水準No.3に準じて実施
した。該ポリマでは当然のことであるが100℃の熱水
では分割不可で先細り状の溝も生じなかった。熱水では
分割、溶出ができないので通常のアルカリ減量処理条件
のNaOH濃度が30g/lである100℃の水溶液で
B、D成分が除去できるまでアルカリ処理を実施した。
成分ポリマB、成分ポリマDは溶解できたが、極細フィ
ラメントとなったA成分もアルカリ処理による影響を受
けて布帛が脆化し強力低下が著しく実用に適さないもの
となった。
【0071】
【発明の効果】本発明の異繊度混繊糸使い織編物は、極
めてソフトで染めイラツキ等の欠点がなく、超極細フィ
ラメント糸であるにもかかわらず発色性、ドライタッチ
に富み、また緻密感があり、膨らみ、腰、反撥性および
ドレープ性等の諸特性が良好であり、風合および外観が
優れた十分高級感に富む織編物である。
【0072】また該織編物を構成する混繊糸の太繊度マ
ルチフィラメント糸において、溶解性ポリマを糸表面か
ら糸内部方向に先細り状に配置させることにより、織編
物に十分ソフトでかつさらっとした特有の風合を備える
ことができる。さらに該太繊度マルチフィラメント糸の
表面形状を高異型化すれば、織編物にキシミ感や吸水性
を備えることができる。
【0073】さらに該混繊糸の分割ポリマは熱水可溶性
ポリマを用いており、織編物の分割ないし溶解処理にお
ける強度低下十分抑制することができ、該複合繊維は溶
解除去処理が熱水処理であり特別な化学処理を要しない
ため、多くの他種繊維、特に化学処理による変化を忌避
する天然繊維と十分混用することができる等、特にポリ
エステルの織編物分野において顕著な効果を奏するので
ある。
【0074】また本発明の製造方法によれば、織編物中
で混繊糸の芯鞘構造が強調され、本発明の異繊度混繊糸
使い織編物の上記効果をより高めることができる。更に
混繊糸の紡糸に同一口金装置、同一紡糸方式を採用すれ
ば混繊糸の芯鞘構造がより強調され、本発明の上記効果
は一層顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における分割型複合糸の断面形状例を示
す図である。
【図2】本発明における高収縮複合糸の断面形状例を示
す図である。
【図3】本発明における異収縮混繊糸製造用口金装置の
一例を示す概略図である。
【図4】図3の口金装置における高収縮複合糸用部分の
上板吐出孔形状を示す図である。
【図5】図3の口金装置における高収縮複合糸用部分の
下板上部に設けられたD成分流入用の溝形状を示す図で
ある。
【図6】図3の口金装置における高収縮複合糸用部分の
下板下部に設けられた複合糸の吐出孔形状を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:被分割セグメント 2:分割成分 3:先細り状セグメント 4:高異形セグメント 11:上板 12:下板 13:導入孔 14:上板吐出孔 15:ポリマ溜 16:突起部 17:開孔部 18:下板吐出孔 19:開孔部 20:上板吐出孔 21:ポリマ溜 22:突起部 23:溝 24:開孔部 25:下板吐出孔 26:仕切板 27:仕切板 A:被分割セグメント用成分ポリマ B:分割成分ポリマ C:高異形セグメント用成分ポリマ D:先細り状セグメント用成分ポリマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/22 D02G 3/22 3/26 3/26 3/34 3/34 3/38 3/38

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度が4〜10dの太繊度マルチフ
    ィラメント糸が芯部、単糸繊度が0.05〜0.5dの
    塩基性染料可染性ポリマからなる細繊度マルチフィラメ
    ント糸が鞘部となる芯鞘構造糸で構成される異繊度混繊
    糸使い織編物であって、該細繊度マルチフィラメント糸
    の該太繊度マルチフィラメント糸に対するフィラメント
    数の比が20倍以上で、かつ該太繊度マルチフィラメン
    ト糸の該細繊度マルチフィラメント糸に対する単糸繊度
    の比が15倍以上であることを特徴とする異繊度混繊糸
    使い織編物。
  2. 【請求項2】 異繊度混繊糸を構成する糸条がポリエス
    テルである請求項1記載の異繊度混繊糸使い織編物。
  3. 【請求項3】 細繊度フィラメント糸の塩基性染料可染
    性ポリマが金属スルホネート基を含有するイソフタル酸
    成分を全ジカルボン酸成分に対して0.7〜2.4モル
    %、及び分子量90〜6000のポリアルキレングリコ
    ール成分をポリエステルに対して0.2〜10重量%共
    重合した改質ポリエステルよりなる請求項1または2記
    載の異繊度混繊糸使い織編物。
  4. 【請求項4】 太繊度マルチフィラメント糸が糸表面に
    糸長手方向に連続する凹状の溝がある請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の異繊度混繊糸使いの織編物。
  5. 【請求項5】 異繊度混繊糸が5〜80ケ/mの交絡を
    有する請求項1〜4のいずれか1項記載の異繊度混繊糸
    使い織編物。
  6. 【請求項6】 分割型複合の低収縮マルチフィラメント
    糸と太繊度の高収縮マルチフィラメント糸との異収縮混
    繊糸であって、該分割型複合マルチフィラメント糸の被
    分割セグメントが塩基性染料可染性ポリマからなる繊度
    が0.05〜0.5dで、分割成分が熱水可溶性ポリマ
    であって、該高収縮マルチフィラメント糸の単糸繊度が
    4〜10dであり、該分割型複合マルチフィラメント糸
    の該高収縮マルチフィラメント糸に対するフィラメント
    数の比が4倍以上で、かつ該高収縮マルチフィラメント
    糸のフィラメント数に対する該被分割セグメントの数の
    比が20倍以上の異収縮混繊糸を織編物となし、次いで
    分割処理および熱処理を施すことを特徴とする異繊度混
    繊糸使い織編物の製造方法。
  7. 【請求項7】 異収縮混繊糸を構成する糸条がポリエス
    テルである請求項6記載の異繊度混繊糸使い織編物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 低収縮マルチフィラメント糸である分割
    型複合糸の被分割セグメントが塩基性染料可染性ポリマ
    であって、該塩基性染料可染性ポリマが金属スルホネー
    ト基を含有するイソフタル酸成分を全ジカルボン酸成分
    に対して0.7〜2.4モル%、及び分子量90〜60
    00のポリアルキレングリコール成分をポリエステルに
    対して0.2〜10重量%共重合した改質ポリエステル
    である請求項6または7記載の異繊度混繊糸使い織編物
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 高収縮マルチフィラメント糸がその表面
    の複数箇所から糸内部方向に熱水可溶性ポリマを先細り
    状に配置させた断面形状である請求項6〜8のいずれか
    1項記載の異繊度混繊糸使い織編物の製造方法。
  10. 【請求項10】 熱水可溶性ポリマが5−ナトリウムス
    ルホイソフタル酸を8〜14モル%、イソフタル酸を1
    0〜33モル%共重合した改質ポリエステルである請求
    項6〜9のいずれか1項記載の異繊度混繊糸使い織編物
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 異収縮混繊糸が5〜80ケ/mの交絡
    を有する請求項6〜10のいずれか1項記載の異繊度混
    繊糸使い織編物の製造方法。
  12. 【請求項12】 分割型複合マルチフィラメント糸と高
    収縮マルチフィラメント糸を同一の口金から紡糸して複
    合混繊した請求項6〜11記載の異繊度混繊糸使い織編
    物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008174861A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Teijin Fibers Ltd カチオン可染極細ポリエステル混繊糸
JP2008174871A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Teijin Fibers Ltd カチオン可染性極細混繊糸
JP2019131913A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 Kbセーレン株式会社 複合繊維

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