JPS6316484B2 - - Google Patents
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- JPS6316484B2 JPS6316484B2 JP55067742A JP6774280A JPS6316484B2 JP S6316484 B2 JPS6316484 B2 JP S6316484B2 JP 55067742 A JP55067742 A JP 55067742A JP 6774280 A JP6774280 A JP 6774280A JP S6316484 B2 JPS6316484 B2 JP S6316484B2
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- yarn
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- composite yarn
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- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
本発明は二成分複合糸の製造方法に関し、特に
シヤリ味風合を有する織編物に適した異形断面糸
を容易につくることができる二成分複合糸の製造
方法に関する。 糸の状態でセリシンを精練除去した後、製織し
て得られる先練絹織物は優れたシヤリ味風合を1
つの大きな特徴として従来より広く使用されてい
る。合成繊維から得られる織編物は通常ヌメリ感
が強く、先練絹織物のようなシヤリ味を有しな
い。合成繊維織偏物にシヤリ味を付与するため糸
に撚を加えたり、融着加工を施したりすることな
どで、ある程度成功しているものの加工コストが
高い、品位が悪いなどの欠点がある。 また、合成繊維の断面形状を5〜8葉断面、異
形度の大きい断面などとすることにより織編物に
ある程度のシヤリ味を付与することは可能である
が、先練絹織物並のシヤリ味を付与するに至つて
いない。しかも、これらの異形断面糸を製造する
方法は、ほとんど紡糸口金の吐出孔の形状を工夫
することによりなされているもので、糸の断面形
状を円形から変形して異形度を大きくしようとす
る程紡糸口金の吐出孔の形状を大きく変形し、紡
出する糸を急冷する必要があるが、異形度には限
界があり、かつ繊度が小さくなる程困難であると
いう欠点、さらに紡糸、延伸などの製糸性が悪化
する欠点がある。 これらの従来技術の欠点を改良する技術とし
て、特公昭39−29636号公報に、一方成分により
他方成分を複数個に分割した分割型複合糸の他方
成分を溶解除去することにより、異形度の大きい
異形断面糸とする技術が開示されている。この特
許の実施例の中に一方成分をポリエチレンテレフ
タレート、他方成分をナイロン66として分割型複
合糸を蟻酸で処理し、ナイロン66を溶解除去し四
葉断面糸とする例があるが、ポリエチレンテレフ
タレートとナイロン66とからなる分割型複合糸で
は両成分が剥離し易く、紡糸、延伸、編成、製織
など溶解処理以前の工程で剥離に基づく糸切れな
どのトラブルを発生させる欠点があり、さらにポ
リアミドを溶解するのには腐蝕性の強い酸性溶液
が必要であるという欠点がある。 また、一方成分をポリエチレンテレフタレート
とポリエチレンオキシドグリコールの共重合体と
し、他方成分をポリエチレンテレフタレートとし
た分割型複合糸をカセイソーダ水溶液で処理し、
共重合体を溶解除去しポリエチレンテレフタレー
トからなる分割糸とする例があるが、ここで、も
し一方成分と他方成分のポリマを入れ替えた分割
型複合糸とし、カセイソーダ水溶液で処理し多葉
断面糸としても、かかる共重合体を用いる際に
は、ポリエチレンオキシドグリコールを多量に共
重合して使用しなければ完全に溶出することがで
きず、また多量に用いれば製糸性が低下する欠点
が生ずる。 さらに、他方成分を溶解除去した後の糸の横断
面形状に対し、シヤリ味を強調し、ギラツイた光
択を防止する配慮が全くない欠点があつた。 また、特公昭53−37927号公報には第一成分が
フイラメントの横断面の中心より放射状に分岐す
る薄層の放射型部分とくさび状でその先端がフイ
ラメントの中心に向つているくさび型部分を形成
し、第二成分が放射型部分により独立するセグメ
ント部分に分割接合され、かつセグメント部分は
夫々対応する一つのくさび型部分と接合された分
割型複合糸が開示されている。 しかし、このような分割型複合糸を製造するた
めの口金装置は複雑にならざるを得ず、かつ安定
した複合紡糸をすることが困難になる欠点、それ
ぞれの成分としては相互親和性の乏しい、または
溶解性もしくは分解性の異なるポリマの一般的な
例が挙げられているだけで、製糸高次加工工程で
の成分間の剥離に基づくトラブルを防止する配慮
のない欠点、さらに織編物において第一成分を除
去すると残つた第二成分は放射型部分と接触して
いた平面が外周部分に出てくるようになるためギ
ラツイた光沢を示し、品位が悪いという欠点があ
つた。 本発明者らは、上述のような従来技術の欠点を
改善し、シヤリ味風合を有する織編物に適した異
形断面糸を容易につくることができる二成分複合
糸につき鋭意検討した結果、次のような本発明に
至つた。 すなわち、本発明は複合糸の一方成分が重心を
含み、他方成分を複数個に分割した形状の横断面
を有する二成分複合糸を複合紡糸口金にて紡糸す
る際に、上部開口部、放射状形成孔、下部開口
部、吐出孔および下部開口部の内周面に至る流入
孔で構成し、かつ下部開口部の内周面における流
入孔を前記放射状形成孔の端部と端部との間に位
置させた複合紡糸口金装置を用いて、一方成分の
ポリマを上部開口部から、他方成分のポリマを流
入孔からそれぞれ供給して紡糸し、他方成分を糸
内部方向に漸次幅の減少する先細りのくさび状の
形状とし、一方成分を形成するポリマをポリエス
テルまたはポリアミドとし、他方成分を形成する
ポリマを2.4モル%以上の金属スルホネート含有
エステル単位を共重合したポリエステルとしたこ
とを特徴とする二成分複合糸の製造方法である。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明における一方成分を形成するポリエステ
ルの種類はテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタリン―2,6―ジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン
酸などの脂肪族カルボン酸またはこれらのエステ
ル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサン1,4―ジメタノール
などのジオール化合物とから合成されるポリエス
テルであり、特に構成単位の80モル%以上がエチ
レンテレフタレート単位であるポリエステルが好
ましい。 また、上記ポリエステル成分にポリアルキレン
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、メトキシポリアルキレングリコール、ビスフ
エノールA、スルホイソフタル酸などを添加ある
いは共重合しても良い。ただし、金属スルホネー
トを含む場合はポリエステル中に含有する酸成分
に対し3モル%以下とし、かつ他方成分における
スルホネート量よりも3モル%以上少なくするこ
とが好ましい。 本発明における一方成分を形成するポリアミド
ポリマとはナイロン6、ナイロン66、ナイロン
4、ナイロン5、ナイロン10、ナイロン11、ナイ
ロン12、ナイロン6―10、芳香環を有するポリア
ミド、脂肪環を有するポリアミド、異節環を含む
ポリアミド、ヘテロ原子をを有するポリアミド、
共重合ナイロンなどを意味し、特にナイロン6、
ナイロン66を好適に用いることができる。 本発明の複合糸の他方成分を形成するポリエス
テルとは、
シヤリ味風合を有する織編物に適した異形断面糸
を容易につくることができる二成分複合糸の製造
方法に関する。 糸の状態でセリシンを精練除去した後、製織し
て得られる先練絹織物は優れたシヤリ味風合を1
つの大きな特徴として従来より広く使用されてい
る。合成繊維から得られる織編物は通常ヌメリ感
が強く、先練絹織物のようなシヤリ味を有しな
い。合成繊維織偏物にシヤリ味を付与するため糸
に撚を加えたり、融着加工を施したりすることな
どで、ある程度成功しているものの加工コストが
高い、品位が悪いなどの欠点がある。 また、合成繊維の断面形状を5〜8葉断面、異
形度の大きい断面などとすることにより織編物に
ある程度のシヤリ味を付与することは可能である
が、先練絹織物並のシヤリ味を付与するに至つて
いない。しかも、これらの異形断面糸を製造する
方法は、ほとんど紡糸口金の吐出孔の形状を工夫
することによりなされているもので、糸の断面形
状を円形から変形して異形度を大きくしようとす
る程紡糸口金の吐出孔の形状を大きく変形し、紡
出する糸を急冷する必要があるが、異形度には限
界があり、かつ繊度が小さくなる程困難であると
いう欠点、さらに紡糸、延伸などの製糸性が悪化
する欠点がある。 これらの従来技術の欠点を改良する技術とし
て、特公昭39−29636号公報に、一方成分により
他方成分を複数個に分割した分割型複合糸の他方
成分を溶解除去することにより、異形度の大きい
異形断面糸とする技術が開示されている。この特
許の実施例の中に一方成分をポリエチレンテレフ
タレート、他方成分をナイロン66として分割型複
合糸を蟻酸で処理し、ナイロン66を溶解除去し四
葉断面糸とする例があるが、ポリエチレンテレフ
タレートとナイロン66とからなる分割型複合糸で
は両成分が剥離し易く、紡糸、延伸、編成、製織
など溶解処理以前の工程で剥離に基づく糸切れな
どのトラブルを発生させる欠点があり、さらにポ
リアミドを溶解するのには腐蝕性の強い酸性溶液
が必要であるという欠点がある。 また、一方成分をポリエチレンテレフタレート
とポリエチレンオキシドグリコールの共重合体と
し、他方成分をポリエチレンテレフタレートとし
た分割型複合糸をカセイソーダ水溶液で処理し、
共重合体を溶解除去しポリエチレンテレフタレー
トからなる分割糸とする例があるが、ここで、も
し一方成分と他方成分のポリマを入れ替えた分割
型複合糸とし、カセイソーダ水溶液で処理し多葉
断面糸としても、かかる共重合体を用いる際に
は、ポリエチレンオキシドグリコールを多量に共
重合して使用しなければ完全に溶出することがで
きず、また多量に用いれば製糸性が低下する欠点
が生ずる。 さらに、他方成分を溶解除去した後の糸の横断
面形状に対し、シヤリ味を強調し、ギラツイた光
択を防止する配慮が全くない欠点があつた。 また、特公昭53−37927号公報には第一成分が
フイラメントの横断面の中心より放射状に分岐す
る薄層の放射型部分とくさび状でその先端がフイ
ラメントの中心に向つているくさび型部分を形成
し、第二成分が放射型部分により独立するセグメ
ント部分に分割接合され、かつセグメント部分は
夫々対応する一つのくさび型部分と接合された分
割型複合糸が開示されている。 しかし、このような分割型複合糸を製造するた
めの口金装置は複雑にならざるを得ず、かつ安定
した複合紡糸をすることが困難になる欠点、それ
ぞれの成分としては相互親和性の乏しい、または
溶解性もしくは分解性の異なるポリマの一般的な
例が挙げられているだけで、製糸高次加工工程で
の成分間の剥離に基づくトラブルを防止する配慮
のない欠点、さらに織編物において第一成分を除
去すると残つた第二成分は放射型部分と接触して
いた平面が外周部分に出てくるようになるためギ
ラツイた光沢を示し、品位が悪いという欠点があ
つた。 本発明者らは、上述のような従来技術の欠点を
改善し、シヤリ味風合を有する織編物に適した異
形断面糸を容易につくることができる二成分複合
糸につき鋭意検討した結果、次のような本発明に
至つた。 すなわち、本発明は複合糸の一方成分が重心を
含み、他方成分を複数個に分割した形状の横断面
を有する二成分複合糸を複合紡糸口金にて紡糸す
る際に、上部開口部、放射状形成孔、下部開口
部、吐出孔および下部開口部の内周面に至る流入
孔で構成し、かつ下部開口部の内周面における流
入孔を前記放射状形成孔の端部と端部との間に位
置させた複合紡糸口金装置を用いて、一方成分の
ポリマを上部開口部から、他方成分のポリマを流
入孔からそれぞれ供給して紡糸し、他方成分を糸
内部方向に漸次幅の減少する先細りのくさび状の
形状とし、一方成分を形成するポリマをポリエス
テルまたはポリアミドとし、他方成分を形成する
ポリマを2.4モル%以上の金属スルホネート含有
エステル単位を共重合したポリエステルとしたこ
とを特徴とする二成分複合糸の製造方法である。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明における一方成分を形成するポリエステ
ルの種類はテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタリン―2,6―ジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン
酸などの脂肪族カルボン酸またはこれらのエステ
ル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサン1,4―ジメタノール
などのジオール化合物とから合成されるポリエス
テルであり、特に構成単位の80モル%以上がエチ
レンテレフタレート単位であるポリエステルが好
ましい。 また、上記ポリエステル成分にポリアルキレン
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、メトキシポリアルキレングリコール、ビスフ
エノールA、スルホイソフタル酸などを添加ある
いは共重合しても良い。ただし、金属スルホネー
トを含む場合はポリエステル中に含有する酸成分
に対し3モル%以下とし、かつ他方成分における
スルホネート量よりも3モル%以上少なくするこ
とが好ましい。 本発明における一方成分を形成するポリアミド
ポリマとはナイロン6、ナイロン66、ナイロン
4、ナイロン5、ナイロン10、ナイロン11、ナイ
ロン12、ナイロン6―10、芳香環を有するポリア
ミド、脂肪環を有するポリアミド、異節環を含む
ポリアミド、ヘテロ原子をを有するポリアミド、
共重合ナイロンなどを意味し、特にナイロン6、
ナイロン66を好適に用いることができる。 本発明の複合糸の他方成分を形成するポリエス
テルとは、
【式】なる構成単位を含有する
ものであつて、
【式】は2価のアリレン基の
金属スルホネート塩か、または―X―が少なくと
も3つの原子によつて、―So3M基より離される
ような性質の2価のアルキレン基の金属スルホネ
ート塩であり、また―X―は
も3つの原子によつて、―So3M基より離される
ような性質の2価のアルキレン基の金属スルホネ
ート塩であり、また―X―は
【式】―O―
(CH2)n[O(CH2)n]m―O―および
【式】よりなる群より選ばれ
る2価の基であり、また―Y―は―X―と同じも
のかまたは水素である。金属スルホネートはポリ
エステルを形成する酸成分の1つの水素を置換
し、導入したものであることが好ましい。 なお、nおよびmは整数であつて、nは1より
大であり、Mは金属である。これらのポリエステ
ルの主成分の好ましい部類は、テレフタル酸また
はそのエステル生成用誘導体と、式HO(CH2)
pOHを有するポリメチレングリコール(ただし、
pは2〜10の整数)とから製造されるものであつ
て、ポリエチレンテレフタレートが好適である。
スルホネート金属塩誘導体を含有するポリエステ
ルには、約10モル%までのグリコール類または他
のエステル類、あるいはオキシカルボン酸類を含
有させることもできる。含有し得る化合物として
は、たとえば酸成分としてイソフタル酸、フタル
酸、ナフタリン―2,6―ジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸およびアジピン酸およびアジピ
ン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸など
であり、ジオールとしてジエチレングリコール、
1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサン―1,4―ジメタノールなど
を挙げることができる。 なお、金属スルホネートを有するポリエステル
として全構成単位の2.4モル%以上がエチレン5
―ソジユームスルホイソフタレートであり、かつ
70モル%以上がエチレンテレフタレートからなる
ポリエステルを好適に用いることができる。 また、金属スルホネート含有エステル単位の共
重合量は3モル%以上が好ましく、二成分複合糸
を安定して製糸するために、20モル%以下が好ま
しく、10モル%以下がより好ましい。 なお、一方成分および他方成分を形成するポリ
マには、本発明の効果を阻害しない範囲で艶消
剤、抗酸化剤、螢光増白剤、難燃剤、紫外線吸収
剤などよく知られている添加剤を含有せしめるこ
とも可能である。 本発明においては、二成分複合糸を複合紡糸口
金にて紡糸する際に、上部開口部、放射状形成
孔、下部開口部、吐出孔および下部開口部の内周
面に至る流入孔で構成し、かつ下部開口部の内周
面における流入孔を前記放射状形成孔の端部と端
部との間に位置させた複合紡糸口金装置を用い
て、一方成分のポリマを上部開口部から、他方成
分のポリマを流入孔からそれぞれ供給して紡糸
し、他方成分を糸内部方向に漸次幅の減少する先
細りのくさび状の形状とする必要がある。 このような断面形状の複合糸を、好ましく製造
できる口金装置について図面に沿つて説明する。
第7図は第2図に示す断面形状の複合糸を製造す
るための口金装置の断面図であり、上板1および
下板2よりなつている。図中Aは一方成分のポリ
マ、Bは他方成分のポリマであり、ポリマAは上
板1の上部開口部3、放射状形成孔4を通過して
下板2の下部開口部8への流入し、一方、ポリマ
Bは上板1と下板2の間に、流体溜5より突起溝
6で形成された流入孔7を通過して、下板2の下
部開口部8へ流入する。ここで放射状形成孔4の
形状は第8図に示すような形状をしており、流入
孔7は第9図に示すように、下板2の上面に同心
円状平坦部に3つの溝を放射状に設け、上板1の
下面とにより形成している。 放射状形成孔の放射状部分の数は、他方成分の
横断面における数と対応する。本発明において、
他方成分の横断面における数は前記したように、
2個以上で構成されるので放射状部分の数は2個
以上である。放射状部分の数が2個の場合には、
放射状形成孔が直線の形状も含むものである。下
板2の下部開口部8へ流入した他方成分のポリマ
Bは、一方成分のポリマAにより3つに分割され
た形となり、吐出孔9より吐出された複合糸の断
面形状は第2図の如くとなる。第1図、第3図あ
るいはこれらの断面形状を有する複合糸は放射状
形成孔4、流入孔7、吐出孔9などの形状を適宜
変更することにより容易に得られることは十分理
解されよう。 複合糸を紡糸、延伸あるいは編成、製織など他
方成分を溶解除去する以前の工程を通過させる際
に、毛羽発生や糸切れが発生するとそれぞれの工
程における生産性が低下し好ましいことではな
い。これらの工程で最も毛羽や糸切れを発生し易
い工程は複合糸を織物のタテ糸に用いる場合であ
り、その際、複合糸は織機上で筬や綜絖などによ
り繰返し擦過され、複合糸の一方成分と他方成分
の耐剥離性が小さいと両成分は剥離し、剥離した
単繊維あるいはフイブリルが切断し毛羽となり、
さらには毛羽が一層発生し切断に至る。ここでタ
テ糸切れがなく製織性を良くするには、複合糸を
形成する他方成分中に含有する金属スルホネート
の量を増加させるほど好ましく、しかも驚くべき
ことに2.4モル%付近を境にし急激に向上するも
ので、製織性が良好である目安であるタテ糸106
m当り糸切れ回数を1回以下とすることが可能と
なる。また、複合糸を形成する他方成分のアルカ
リ処理による溶解性は早いもの程好ましいもので
あり、他方成分中に含有する金属スルホネートの
量を増加させる程、他方成分の溶解時間は早くな
つており、しかも2.4モル%付近を境にして急激
に溶解時間が短くなつており、溶解速度の点から
も他方成分が2.4モル%以上の金属スルホネート
含有エステル単位を含むポリエステルポリマであ
ることが必要である。 本発明で得られる二成分複合糸の横断面の例を
図面により説明する。 第1〜3図は本発明によつて得られる二成分複
合糸の代表的な横断面を示す図である。 第1図において、一方成分Aにより他方成分B
は2つに分割されており、他方成分Bは糸中心方
向に漸次幅の減少する先細りのくさび状の形状で
2個所相対する位置関係に配置されている。かか
る形状の複合糸から他方成分Bを溶解除去するこ
とにより、一方成分はほとんど、あるいはまつた
く形状を変化させることなく、第4図のように2
つの半円の直線部分の中央付近を接合させたかの
如くの変形度の大きい二葉断面糸とすることが可
能である。第2図、第3図に例示する複合糸は、
一方成分Aにより他方成分Bがほぼ等間隔でそれ
ぞれ3つ、6つに分割されており、他方成分Bは
糸中心方向に漸次幅の減少する先細りのくさび状
の形状を呈している。これらの複合糸から他方成
分Bを溶解除去することにより、一方成分はほと
んど、あるいはまつたく形状を変化させることな
く、それぞれ第5図、第6図の如くの変形度の大
きい三葉、六葉断面糸とすることが可能である。
他方成分の形状は、ギラツイた光沢を生じること
なくシヤリ味を発揮させるために、糸内部方向に
漸次幅の減少する先細りのくさび状とする必要が
ある。糸内部方向に幅が実質的に一定であつた
り、増加するようなことがあると、他方成分を溶
解除去して得られる異形断面糸は隣接する溝では
さまれた突起状部分の外力によつて変形し易い欠
点、はなはだしき場合には欠落してしまう欠点が
あるので、この点からも他方成分の形状は、糸内
部方向に漸次幅の減少する先細りのくさび状とす
る必要がある。 本発明においては、複合糸を形成する一方成分
と他方成分の比率すなわち複合比は、他方成分の
量によつて異形度が大きく変化するものであり、
一方成分:他方成分は重量比で60:40〜99:1の
範囲が好ましく、70:30〜98:2の範囲がより好
ましい。 本発明における複合糸の一方成分の他方成分と
接しない横断面外周の形状は特に限定されない
が、他方成分を除去した場合に糸中心部より見て
外側に凸状となる外周面に平面部があるとギラツ
イた光沢となるので平面でないことが好ましい。
このために複合糸の横断面外周の形状は円形であ
ることが好ましい。 また、当然のことながら一方成分は重心を含む
複合糸横断面において一体であり、他方成分除去
後も一体であることが必要である。 糸中心方向に漸次幅の減少する先細りのくさび
状の形状である他方成分の横断面における個数は
2個以上であれば特に限定されないが、20個を越
えると安定した複合紡糸が困難となるので20個以
内とすることが好ましい。 他方成分の形状としては、他方成分を除去した
後の織編物でのシヤリ味と良好な光沢および外力
に対して安定した安定した断面形状を十分付与さ
せるためにくさび度Kと溝度Hが十分な因子とな
る。 第10図は糸横断面におけるくさび度Kを溝度
Hを説明するためのモデル図である。すなわち、
第10図において、くさび度Kは1個の他方成分
Bにおける、糸の重心Gと重心Gからもつとも遠
い点Xとの線分をGXとし、重心Gと重心Gに最
も近い点Yとの線分をGYとした場合、線分の長
さ比GX/GY(=K)で定義するものであつて、
1.2≦K≦15の範囲にあることが好ましく、1.5≦
K≦6範囲にあることがより好ましい。溝度Hは
1個の他方成分Bにおいて、両成分の外周上にお
ける境界点どうしを結ぶ線分を最大溝幅Sとし、
他方成分の中でもつとも重心に近い点Yから線分
への垂線Tとした場合、それぞれの線分の長さの
比S/T(=H)定義するものであつて0.08≦K
≦0.8の範囲にあることが好ましい。 また、1個の他方成分の線分の長さの複合糸外
周に占める割合は、他方成分除去後の織編物にお
いてギラツイた光沢を生じさせないため、8%以
下とすることが好ましい、5%以下とすることが
より好ましい。一横断面における他方成分の線分
Sの長さの和の複合糸外周に占る割合も同様に30
%以下とすることが好ましく、25%以下とするこ
とがより好ましい。 以上説明したように本発明により得られる二成
分複合糸は、他方成分を溶解除去するまでの取扱
いが容易であり、溶解除去はきわめてすみやかに
行なうことが可能で、他方成分の溶解除去後は糸
横断面における十分な異形度を有し、外力に対し
ても断面形状は安定しており、適度な光沢と十分
なシヤリ味を織編物に付与させることが可能で、
かつ繊度が1デニール以下というような細繊度の
糸とすることが可能である。 また、従来異形断面糸を仮撚加工すると仮撚加
工する前の異形断面形状が大きく変化してしま
い、好ましい光沢を有する糸とすることが困難で
あつたが、本発明により得られる二成分複合糸に
おいては、仮撚加工しても複合糸としての断面形
状は変化するものの、他方成分を溶解除去した後
の糸の断面形状は大きな異形度を保持させ、かつ
異形断面形状は外力に対して安定であり、シヤリ
味を有する糸とすることが可能である。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 一方成分として硫酸粘度2.4のナイロン6、他
方成分として25℃オルトクロロフエノール中、固
有粘度0.60のエチレン5―ソジユームスルホイソ
フタレート(2.4モル%)/エチレンテレフタレ
ート(97.6モル%)共重合ポリエステルを第7〜
9図に示す口金装置を用いて、紡糸温度280℃、
紡糸速度、1100m/minにて複合紡糸して第2図
に示ような横断面を有する二成分複合糸を得た。
この二成分複合糸において、一方成分が全体に占
る割合は85重量%であり、くさび度Kは8.0、溝
度Hは0.2であり、1個の他方成分の線分Sの長
さの複合糸外周に占る割合は5%であつた。 引続き延伸速度400m/min、熱ピン100℃、延
伸倍率3.4倍で通常の延伸を行ない、70デニール
72フイラメントの延伸糸とした。この延伸糸をタ
テ、ヨコ使いとして通常の織工程を通しタフタと
した。製織後の織物を構成する糸には両成分が剥
離している部分はなく、製織時のタテ糸切れは
0.4回/106mと少なかつた。織物をNaOH濃度が
30g/で100℃の水溶液でアルカリ処理を20分
行ない他方成分を完全に溶解除去した後、通常の
ナイロン6の染色工程を通した。得られた織物は
先練絹織物様のシヤリ味を有し、かつ適度な光沢
とソフトな風合と感触に優れ、染色均一性の良好
な織物であつた。 なお、織物を構成する糸は60デニール72フイラ
メントであり、断面形状は第5図に示す如きであ
つた。 実施例 2 一方成分として25℃オルトクロロフエノール
中、固有粘度0.67のポリエチレンテレフタレー
ト、他方成分として25℃オルトクロロフエノール
中、固有粘度0.57のエチレン5―ソジユールスル
ホイソフタレート(5モル%)/エチレンテレフ
タレート(95モル%)共重合ポリエステルを用
い、第7〜9図に示す口金装置を用いて、紡糸温
度295℃、紡糸速度1000m/minにて複合紡糸し
て第2図に示すような横断面を有する二成分複合
糸を得た。この二成分複合糸において一成分が全
体に占る割合は85重量%であり、くさび度Kは
7.0、溝度Hは0.15であり、1個の他方成分の線
分Sの長さの複合糸外周に占る割合は4%であつ
た。 引続き、延伸速度400m/min、熱ピン120℃、
延伸倍率3.5倍で延伸を行ない、50デニール48フ
イラメントの延伸糸とした。この延伸糸をタテ、
ヨコ使いとしてタフタとした時の製織時のタテ糸
切れは0.2回/106mと少なかつた。 また、織物を構成する糸には、両成分が剥離し
ている部分はなかつた。織物をNaOH濃度が30
g/で100℃の水溶液で25分間アルカリ処理を
行ない、他方成分を完全に溶解除去した後、通常
ポリエチレンテレフタレートの染色工程を通し
た。得られた織物は先練絹織物様の優れたシヤリ
味を有し、かつ適度な光沢とソフトな風合と感触
に優れ、染色均一性の良好な織物であつた。な
お、織物を構成する糸は41デニール48フイラメン
トであり、断面形状は第5図に示す如きであつ
た。 比較実施例 1 他方成分として25℃オルトクロロフエノール
中、0.60のエチレン5―ソジユームスルホイソフ
タレート(2.0モル%)/エチレンテレフタレー
ト(98.0モル%)共重合ポリエステルを用いた他
は実施例1に準じて紡糸、延伸、製織した。 延伸糸をアルカリ処理したときの他方成分の溶
解に必要な時間は実施例1の延伸糸との場合の約
3倍の45分の長時間を必要とした。製織時には両
成分の剥離が生じ、剥離に基づく毛羽、タテ糸切
れが発生し、タテ糸切れは2.5回/106mと不良で
あつた。 また、織物をアルカリ処理して他方成分を完全
除去するのに60分ときわめて長時間の処理が必要
であつた。
のかまたは水素である。金属スルホネートはポリ
エステルを形成する酸成分の1つの水素を置換
し、導入したものであることが好ましい。 なお、nおよびmは整数であつて、nは1より
大であり、Mは金属である。これらのポリエステ
ルの主成分の好ましい部類は、テレフタル酸また
はそのエステル生成用誘導体と、式HO(CH2)
pOHを有するポリメチレングリコール(ただし、
pは2〜10の整数)とから製造されるものであつ
て、ポリエチレンテレフタレートが好適である。
スルホネート金属塩誘導体を含有するポリエステ
ルには、約10モル%までのグリコール類または他
のエステル類、あるいはオキシカルボン酸類を含
有させることもできる。含有し得る化合物として
は、たとえば酸成分としてイソフタル酸、フタル
酸、ナフタリン―2,6―ジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸およびアジピン酸およびアジピ
ン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸など
であり、ジオールとしてジエチレングリコール、
1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサン―1,4―ジメタノールなど
を挙げることができる。 なお、金属スルホネートを有するポリエステル
として全構成単位の2.4モル%以上がエチレン5
―ソジユームスルホイソフタレートであり、かつ
70モル%以上がエチレンテレフタレートからなる
ポリエステルを好適に用いることができる。 また、金属スルホネート含有エステル単位の共
重合量は3モル%以上が好ましく、二成分複合糸
を安定して製糸するために、20モル%以下が好ま
しく、10モル%以下がより好ましい。 なお、一方成分および他方成分を形成するポリ
マには、本発明の効果を阻害しない範囲で艶消
剤、抗酸化剤、螢光増白剤、難燃剤、紫外線吸収
剤などよく知られている添加剤を含有せしめるこ
とも可能である。 本発明においては、二成分複合糸を複合紡糸口
金にて紡糸する際に、上部開口部、放射状形成
孔、下部開口部、吐出孔および下部開口部の内周
面に至る流入孔で構成し、かつ下部開口部の内周
面における流入孔を前記放射状形成孔の端部と端
部との間に位置させた複合紡糸口金装置を用い
て、一方成分のポリマを上部開口部から、他方成
分のポリマを流入孔からそれぞれ供給して紡糸
し、他方成分を糸内部方向に漸次幅の減少する先
細りのくさび状の形状とする必要がある。 このような断面形状の複合糸を、好ましく製造
できる口金装置について図面に沿つて説明する。
第7図は第2図に示す断面形状の複合糸を製造す
るための口金装置の断面図であり、上板1および
下板2よりなつている。図中Aは一方成分のポリ
マ、Bは他方成分のポリマであり、ポリマAは上
板1の上部開口部3、放射状形成孔4を通過して
下板2の下部開口部8への流入し、一方、ポリマ
Bは上板1と下板2の間に、流体溜5より突起溝
6で形成された流入孔7を通過して、下板2の下
部開口部8へ流入する。ここで放射状形成孔4の
形状は第8図に示すような形状をしており、流入
孔7は第9図に示すように、下板2の上面に同心
円状平坦部に3つの溝を放射状に設け、上板1の
下面とにより形成している。 放射状形成孔の放射状部分の数は、他方成分の
横断面における数と対応する。本発明において、
他方成分の横断面における数は前記したように、
2個以上で構成されるので放射状部分の数は2個
以上である。放射状部分の数が2個の場合には、
放射状形成孔が直線の形状も含むものである。下
板2の下部開口部8へ流入した他方成分のポリマ
Bは、一方成分のポリマAにより3つに分割され
た形となり、吐出孔9より吐出された複合糸の断
面形状は第2図の如くとなる。第1図、第3図あ
るいはこれらの断面形状を有する複合糸は放射状
形成孔4、流入孔7、吐出孔9などの形状を適宜
変更することにより容易に得られることは十分理
解されよう。 複合糸を紡糸、延伸あるいは編成、製織など他
方成分を溶解除去する以前の工程を通過させる際
に、毛羽発生や糸切れが発生するとそれぞれの工
程における生産性が低下し好ましいことではな
い。これらの工程で最も毛羽や糸切れを発生し易
い工程は複合糸を織物のタテ糸に用いる場合であ
り、その際、複合糸は織機上で筬や綜絖などによ
り繰返し擦過され、複合糸の一方成分と他方成分
の耐剥離性が小さいと両成分は剥離し、剥離した
単繊維あるいはフイブリルが切断し毛羽となり、
さらには毛羽が一層発生し切断に至る。ここでタ
テ糸切れがなく製織性を良くするには、複合糸を
形成する他方成分中に含有する金属スルホネート
の量を増加させるほど好ましく、しかも驚くべき
ことに2.4モル%付近を境にし急激に向上するも
ので、製織性が良好である目安であるタテ糸106
m当り糸切れ回数を1回以下とすることが可能と
なる。また、複合糸を形成する他方成分のアルカ
リ処理による溶解性は早いもの程好ましいもので
あり、他方成分中に含有する金属スルホネートの
量を増加させる程、他方成分の溶解時間は早くな
つており、しかも2.4モル%付近を境にして急激
に溶解時間が短くなつており、溶解速度の点から
も他方成分が2.4モル%以上の金属スルホネート
含有エステル単位を含むポリエステルポリマであ
ることが必要である。 本発明で得られる二成分複合糸の横断面の例を
図面により説明する。 第1〜3図は本発明によつて得られる二成分複
合糸の代表的な横断面を示す図である。 第1図において、一方成分Aにより他方成分B
は2つに分割されており、他方成分Bは糸中心方
向に漸次幅の減少する先細りのくさび状の形状で
2個所相対する位置関係に配置されている。かか
る形状の複合糸から他方成分Bを溶解除去するこ
とにより、一方成分はほとんど、あるいはまつた
く形状を変化させることなく、第4図のように2
つの半円の直線部分の中央付近を接合させたかの
如くの変形度の大きい二葉断面糸とすることが可
能である。第2図、第3図に例示する複合糸は、
一方成分Aにより他方成分Bがほぼ等間隔でそれ
ぞれ3つ、6つに分割されており、他方成分Bは
糸中心方向に漸次幅の減少する先細りのくさび状
の形状を呈している。これらの複合糸から他方成
分Bを溶解除去することにより、一方成分はほと
んど、あるいはまつたく形状を変化させることな
く、それぞれ第5図、第6図の如くの変形度の大
きい三葉、六葉断面糸とすることが可能である。
他方成分の形状は、ギラツイた光沢を生じること
なくシヤリ味を発揮させるために、糸内部方向に
漸次幅の減少する先細りのくさび状とする必要が
ある。糸内部方向に幅が実質的に一定であつた
り、増加するようなことがあると、他方成分を溶
解除去して得られる異形断面糸は隣接する溝では
さまれた突起状部分の外力によつて変形し易い欠
点、はなはだしき場合には欠落してしまう欠点が
あるので、この点からも他方成分の形状は、糸内
部方向に漸次幅の減少する先細りのくさび状とす
る必要がある。 本発明においては、複合糸を形成する一方成分
と他方成分の比率すなわち複合比は、他方成分の
量によつて異形度が大きく変化するものであり、
一方成分:他方成分は重量比で60:40〜99:1の
範囲が好ましく、70:30〜98:2の範囲がより好
ましい。 本発明における複合糸の一方成分の他方成分と
接しない横断面外周の形状は特に限定されない
が、他方成分を除去した場合に糸中心部より見て
外側に凸状となる外周面に平面部があるとギラツ
イた光沢となるので平面でないことが好ましい。
このために複合糸の横断面外周の形状は円形であ
ることが好ましい。 また、当然のことながら一方成分は重心を含む
複合糸横断面において一体であり、他方成分除去
後も一体であることが必要である。 糸中心方向に漸次幅の減少する先細りのくさび
状の形状である他方成分の横断面における個数は
2個以上であれば特に限定されないが、20個を越
えると安定した複合紡糸が困難となるので20個以
内とすることが好ましい。 他方成分の形状としては、他方成分を除去した
後の織編物でのシヤリ味と良好な光沢および外力
に対して安定した安定した断面形状を十分付与さ
せるためにくさび度Kと溝度Hが十分な因子とな
る。 第10図は糸横断面におけるくさび度Kを溝度
Hを説明するためのモデル図である。すなわち、
第10図において、くさび度Kは1個の他方成分
Bにおける、糸の重心Gと重心Gからもつとも遠
い点Xとの線分をGXとし、重心Gと重心Gに最
も近い点Yとの線分をGYとした場合、線分の長
さ比GX/GY(=K)で定義するものであつて、
1.2≦K≦15の範囲にあることが好ましく、1.5≦
K≦6範囲にあることがより好ましい。溝度Hは
1個の他方成分Bにおいて、両成分の外周上にお
ける境界点どうしを結ぶ線分を最大溝幅Sとし、
他方成分の中でもつとも重心に近い点Yから線分
への垂線Tとした場合、それぞれの線分の長さの
比S/T(=H)定義するものであつて0.08≦K
≦0.8の範囲にあることが好ましい。 また、1個の他方成分の線分の長さの複合糸外
周に占める割合は、他方成分除去後の織編物にお
いてギラツイた光沢を生じさせないため、8%以
下とすることが好ましい、5%以下とすることが
より好ましい。一横断面における他方成分の線分
Sの長さの和の複合糸外周に占る割合も同様に30
%以下とすることが好ましく、25%以下とするこ
とがより好ましい。 以上説明したように本発明により得られる二成
分複合糸は、他方成分を溶解除去するまでの取扱
いが容易であり、溶解除去はきわめてすみやかに
行なうことが可能で、他方成分の溶解除去後は糸
横断面における十分な異形度を有し、外力に対し
ても断面形状は安定しており、適度な光沢と十分
なシヤリ味を織編物に付与させることが可能で、
かつ繊度が1デニール以下というような細繊度の
糸とすることが可能である。 また、従来異形断面糸を仮撚加工すると仮撚加
工する前の異形断面形状が大きく変化してしま
い、好ましい光沢を有する糸とすることが困難で
あつたが、本発明により得られる二成分複合糸に
おいては、仮撚加工しても複合糸としての断面形
状は変化するものの、他方成分を溶解除去した後
の糸の断面形状は大きな異形度を保持させ、かつ
異形断面形状は外力に対して安定であり、シヤリ
味を有する糸とすることが可能である。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 一方成分として硫酸粘度2.4のナイロン6、他
方成分として25℃オルトクロロフエノール中、固
有粘度0.60のエチレン5―ソジユームスルホイソ
フタレート(2.4モル%)/エチレンテレフタレ
ート(97.6モル%)共重合ポリエステルを第7〜
9図に示す口金装置を用いて、紡糸温度280℃、
紡糸速度、1100m/minにて複合紡糸して第2図
に示ような横断面を有する二成分複合糸を得た。
この二成分複合糸において、一方成分が全体に占
る割合は85重量%であり、くさび度Kは8.0、溝
度Hは0.2であり、1個の他方成分の線分Sの長
さの複合糸外周に占る割合は5%であつた。 引続き延伸速度400m/min、熱ピン100℃、延
伸倍率3.4倍で通常の延伸を行ない、70デニール
72フイラメントの延伸糸とした。この延伸糸をタ
テ、ヨコ使いとして通常の織工程を通しタフタと
した。製織後の織物を構成する糸には両成分が剥
離している部分はなく、製織時のタテ糸切れは
0.4回/106mと少なかつた。織物をNaOH濃度が
30g/で100℃の水溶液でアルカリ処理を20分
行ない他方成分を完全に溶解除去した後、通常の
ナイロン6の染色工程を通した。得られた織物は
先練絹織物様のシヤリ味を有し、かつ適度な光沢
とソフトな風合と感触に優れ、染色均一性の良好
な織物であつた。 なお、織物を構成する糸は60デニール72フイラ
メントであり、断面形状は第5図に示す如きであ
つた。 実施例 2 一方成分として25℃オルトクロロフエノール
中、固有粘度0.67のポリエチレンテレフタレー
ト、他方成分として25℃オルトクロロフエノール
中、固有粘度0.57のエチレン5―ソジユールスル
ホイソフタレート(5モル%)/エチレンテレフ
タレート(95モル%)共重合ポリエステルを用
い、第7〜9図に示す口金装置を用いて、紡糸温
度295℃、紡糸速度1000m/minにて複合紡糸し
て第2図に示すような横断面を有する二成分複合
糸を得た。この二成分複合糸において一成分が全
体に占る割合は85重量%であり、くさび度Kは
7.0、溝度Hは0.15であり、1個の他方成分の線
分Sの長さの複合糸外周に占る割合は4%であつ
た。 引続き、延伸速度400m/min、熱ピン120℃、
延伸倍率3.5倍で延伸を行ない、50デニール48フ
イラメントの延伸糸とした。この延伸糸をタテ、
ヨコ使いとしてタフタとした時の製織時のタテ糸
切れは0.2回/106mと少なかつた。 また、織物を構成する糸には、両成分が剥離し
ている部分はなかつた。織物をNaOH濃度が30
g/で100℃の水溶液で25分間アルカリ処理を
行ない、他方成分を完全に溶解除去した後、通常
ポリエチレンテレフタレートの染色工程を通し
た。得られた織物は先練絹織物様の優れたシヤリ
味を有し、かつ適度な光沢とソフトな風合と感触
に優れ、染色均一性の良好な織物であつた。な
お、織物を構成する糸は41デニール48フイラメン
トであり、断面形状は第5図に示す如きであつ
た。 比較実施例 1 他方成分として25℃オルトクロロフエノール
中、0.60のエチレン5―ソジユームスルホイソフ
タレート(2.0モル%)/エチレンテレフタレー
ト(98.0モル%)共重合ポリエステルを用いた他
は実施例1に準じて紡糸、延伸、製織した。 延伸糸をアルカリ処理したときの他方成分の溶
解に必要な時間は実施例1の延伸糸との場合の約
3倍の45分の長時間を必要とした。製織時には両
成分の剥離が生じ、剥離に基づく毛羽、タテ糸切
れが発生し、タテ糸切れは2.5回/106mと不良で
あつた。 また、織物をアルカリ処理して他方成分を完全
除去するのに60分ときわめて長時間の処理が必要
であつた。
第1図、第2図、第3図は本発明によつて得ら
れる二成分複合糸の横断面形状の例を示すもので
あり、第4図、第5図、第6図はそれぞれ第1
図、第2図、第3図に示す二成分複合糸から他方
成分を溶解除去して得られる異形断面糸の断面形
状を示すものである。第7図は本発明において二
成分複合糸を好ましく製造できる口金装置の断面
図であり、第8図と第9図は、それぞれ第7図の
口金装置のうちの上板の放射状形成孔形状と下板
に設けられた流入孔形状を示すものである。第1
0図は糸横断面におけるくさび度Kと溝度Hを説
明するためのモデル図である。 1…上板、2…下板、3…上部開口部、4…放
射状形成孔、5…液体溜、6…突起部、7…流入
孔、8…下部開口部、9…吐出孔、A…一方成
分、B…他方成分。
れる二成分複合糸の横断面形状の例を示すもので
あり、第4図、第5図、第6図はそれぞれ第1
図、第2図、第3図に示す二成分複合糸から他方
成分を溶解除去して得られる異形断面糸の断面形
状を示すものである。第7図は本発明において二
成分複合糸を好ましく製造できる口金装置の断面
図であり、第8図と第9図は、それぞれ第7図の
口金装置のうちの上板の放射状形成孔形状と下板
に設けられた流入孔形状を示すものである。第1
0図は糸横断面におけるくさび度Kと溝度Hを説
明するためのモデル図である。 1…上板、2…下板、3…上部開口部、4…放
射状形成孔、5…液体溜、6…突起部、7…流入
孔、8…下部開口部、9…吐出孔、A…一方成
分、B…他方成分。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 複合糸の一方成分が重心を含み、他方成分を
複数個に分割した形状の横断面を有する二成分複
合糸を複合紡糸口金にて紡糸する際に、上部開口
部、放射状形成孔、下部開口部、吐出孔および下
部開口部の内周面に至る流入孔で構成し、かつ下
部開口部の内周面における流入孔を前記放射状形
成孔の端部と端部との間に位置させた複合紡糸口
金装置を用いて、一方成分のポリマを上部開口部
から、他方成分のポリマを流入孔からそれぞれ供
給して紡糸し、他方成分を糸内部方向に漸時幅の
減少する先細りのくさび状の形状とし、一方成分
を形成するポリマをポリエステルまたはポリアミ
ドとし、他方成分を形成するポリマを2.4モル%
以上の金属スルホネート含有エステル単位を共重
合したポリエステルとしたことを特徴とする二成
分複合糸の製造方法。 2 他方成分を形成するポリマが2.4モル%以上
がエチレン5―ソジユームスルホイソフタレート
単位であり、かつ70モル%以上がエチレンテレフ
タレート単位からなるポリエステルである特許請
求の範囲第1項記載の二成分複合糸の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6774280A JPS56165015A (en) | 1980-05-23 | 1980-05-23 | Conjugated filaments of two component |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6774280A JPS56165015A (en) | 1980-05-23 | 1980-05-23 | Conjugated filaments of two component |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56165015A JPS56165015A (en) | 1981-12-18 |
| JPS6316484B2 true JPS6316484B2 (ja) | 1988-04-08 |
Family
ID=13353699
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6774280A Granted JPS56165015A (en) | 1980-05-23 | 1980-05-23 | Conjugated filaments of two component |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56165015A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0219647U (ja) * | 1988-07-26 | 1990-02-08 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5898425A (ja) * | 1981-12-01 | 1983-06-11 | Toray Ind Inc | ポリエステル2成分複合繊維 |
| JP2546802B2 (ja) * | 1987-12-21 | 1996-10-23 | 鐘紡株式会社 | 複合繊維 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56112535A (en) * | 1980-02-04 | 1981-09-04 | Kuraray Co | Knitted fabric with excellent water absorbability |
-
1980
- 1980-05-23 JP JP6774280A patent/JPS56165015A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0219647U (ja) * | 1988-07-26 | 1990-02-08 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56165015A (en) | 1981-12-18 |
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