JPH08332185A - 骨粗鬆症診断方法及び該方法に用いられる装置 - Google Patents

骨粗鬆症診断方法及び該方法に用いられる装置

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JPH08332185A
JPH08332185A JP14073395A JP14073395A JPH08332185A JP H08332185 A JPH08332185 A JP H08332185A JP 14073395 A JP14073395 A JP 14073395A JP 14073395 A JP14073395 A JP 14073395A JP H08332185 A JPH08332185 A JP H08332185A
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bone
ultrasonic wave
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ultrasonic
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JP14073395A
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Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Masashi Kuriwaki
真史 栗脇
Yasuyuki Kubota
康之 久保田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨密度や骨弾性率を推定して、骨粗鬆症の進
行状況を診断する。 【構成】 超音波振動子の送受波面に超音波遅延スペー
サを接合してなるトランスデューサ1を生体に当て、送
受波面を骨Mbに向けて所定の角度範囲内で振り動かし
ながら、超音波インパルスAiを断続的に発射すると共
に、皮膚表面からの表面エコーAe1、骨表面からの骨
エコーAe2を逐次受波する。装置本体2内のCPU
は、受波された骨エコーAe2の中から最大レベルを抽
出した後、抽出した最大骨エコーレベル、これと対をな
す表面エコーレベル、このときのエコー到達時間差に基
づいて、超音波の減衰度を考慮した骨Mbの音響インピ
ーダンスを算出する。骨Mbの音響インピーダンスは、
骨Mbの[弾性率×密度]の平方根で表され、骨密度が
増加(減少)すると、弾性率も(増加)低下するので、
骨密度や骨弾性率を判断する上で、良い指標となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波インパルスを
人体の所定の部位の骨組織に当てて骨粗鬆症を診断する
骨粗鬆症診断方法及び該方法に用いられる装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】骨粗鬆症とは、骨のカルシウムが抜け出
してスカスカになり、変形したり少しのショックで折れ
易くなる病気である。骨粗鬆症を診断する手段の一つと
して、従来、特開平2−104337号公報に記載され
ているような超音波により診断する装置が知られてい
る。この超音波による診断装置では、骨組織中での音速
が、骨密度に経験上比例するとみなせるとして、超音波
パルスを被験者の皮膚から測定部位の骨組織に向けて発
射し、当該骨組織を透過してきた超音波パルスを受波し
て、骨組織中での音速を測定する。そして、骨組織中で
の音速が遅い程、骨粗鬆症が進行していると診断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、骨組織中で
の音速は、厳密に言うと、骨密度に比例するのではな
く、[骨の弾性率/骨密度]の平方根で与えられる。し
かも、骨密度が増加すれば弾性率も上昇する関係にある
ため、骨密度の増加に対して音速は敏感には応答でき
ず、音速と骨密度との相関係数は、けっして高くはな
い。したがって、音速情報に基づく上記従来の診断装置
では、骨粗鬆症の進行状況を確実に判断するには無理が
あった。一方、骨弾性率の状況から骨粗鬆症を診断でき
るという意見もある。
【0004】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、骨密度や骨弾性率の状態を正確に推定し、骨
粗鬆症の進行状況を確実に診断できる骨粗鬆症診断方法
及び該方法に用いられる装置を提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る骨粗鬆診断方法は、超音
波振動子の超音波送受波面に送信残響が静まるまで必要
なエコーの戻りを遅延させるための超音波遅延スペーサ
を接合してなる超音波送受波器を生体に当て、上記超音
波送受波面の法線を骨に向け、かつ骨の法線に対して所
定の角度範囲内で振り動かしながら、超音波インパルス
を断続的に発射すると共に、上記生体表面からの第1の
エコー、上記骨表面からの第2のエコーを逐次受波し、
受波された第2のエコーの中から最大レベルを抽出した
後、抽出された第2のエコーの最大レベル、これと対を
なす第1のエコーのレベル、及び、この第1のエコーが
受波されてから第2のエコーが受波されるまでのエコー
到達時間差に基づいて、生体の軟組織と骨との界面での
反射係数を算出し、算出された該反射係数から骨密度又
は骨弾性率の状況を推定して骨粗鬆症を診断することを
特徴としている。
【0006】また、請求項2記載の発明に係る骨粗鬆症
診断方法は、超音波振動子の超音波送受波面に送信残響
が静まるまで必要なエコーの戻りを遅延させるための超
音波遅延スペーサを接合してなる超音波送受波器を生体
の表面に当て、上記超音波送受波面の法線を骨に向け、
かつ骨の法線に対して所定の角度範囲内で振り動かしな
がら、超音波インパルスを断続的に発射すると共に、上
記生体表面からの第1のエコー、上記骨表面からの第2
のエコーを逐次受波し、受波された第2のエコーの中か
ら最大レベルを抽出した後、抽出された第2のエコーの
最大レベル、これと対をなす第1のエコーのレベル、及
び、この第1のエコーが受波されてから第2のエコーが
受波されるまでのエコー到達時間差に基づいて、上記骨
の音響インピーダンスを算出し、算出された該音響イン
ピーダンスから骨密度又は骨弾性率の状況を推定して骨
粗鬆症を診断することを特徴としている。
【0007】また、請求項3記載の発明は、超音波振動
子の超音波送受波面に送信残響が静まるまで必要なエコ
ーの戻りを遅延させるための超音波遅延スペーサを接合
してなる超音波送受波器を備え、請求項1記載の骨粗鬆
診断方法に用いられる骨粗鬆診断装置であって、受波さ
れた上記第2のエコーの中から最大レベルを抽出する最
大レベル抽出手段と、該最大レベル抽出手段によって抽
出された第2のエコーの最大レベル、これと対をなす第
1のエコーのレベル、及びこのときの上記エコー到達時
間差を少なくとも記憶するエコー情報記憶手段と、該エ
コー情報記憶手段に記憶された各データに基づいて、上
記生体の軟組織と骨との界面での反射係数を算出する算
出手段と、該算出手段によって算出された結果を出力す
る出力手段とからなることを特徴としている。
【0008】また、請求項4記載の発明は、超音波振動
子の超音波送受波面に送信残響が静まるまで必要なエコ
ーの戻りを遅延させるための超音波遅延スペーサを接合
してなる超音波送受波器を備え、請求項2記載の骨粗鬆
診断方法に用いられる骨粗鬆診断装置であって、受波さ
れた上記第2のエコーの中から最大レベルを抽出する最
大レベル抽出手段と、該最大レベル抽出手段によって抽
出された第2のエコーの最大レベル、これと対をなす第
1のエコーのレベル、及びこのときの上記エコー到達時
間差を少なくとも記憶するエコー情報記憶手段と、該エ
コー情報記憶手段に記憶された各データに基づいて、上
記骨の音響インピーダンスを算出する算出手段と、該算
出手段によって算出された結果を出力する出力手段とか
らなることを特徴としている。
【0009】
【作用】この発明の構成において、超音波送受波器を生
体に当て、超音波送受波面の法線を上記骨に向け、かつ
骨の法線に対して所定の角度範囲内で振り動かしなが
ら、超音波インパルスを断続的に発射する。発射の度に
送信残響が生じるが、送受波面に超音波遅延スペーサが
設けられているため、生体表面から戻ってくる第1のエ
コー及び骨から戻ってくる第2のエコーは、送信残響に
重なることなく、受波される。最大レベル抽出手段で
は、逐次受波された第2のエコーの中から最大レベルを
抽出する。最大レベルが受波されるのは、骨の法線と超
音波送受波面の法線とが一致したときであり、したがっ
て、垂直反射の第2のエコーが送受波面に垂直に入射す
るときである。算出手段では、抽出された第2のエコー
の最大レベル、これと対をなす第1のエコーのレベル、
及び、これらの間のエコー到達時間差に基づいて、生体
の軟組織を往復することによる超音波の減衰度を考慮し
た生体の軟組織と骨との界面での反射係数又は/及び骨
の音響インピーダンスを算出する。この算出に用いられ
る反射係数及び音響インピーダンスの算出式は、第2の
エコーが垂直反射の場合に成立する簡素な式であり、ま
た、第2のエコーが垂直反射の場合には、再現性の良い
測定データが得られ、この結果、安定した算出結果を得
ることができる。
【0010】この発明の構成によれば、超音波の軟組織
往復による減衰度(エコー時間差の関数)も考慮される
ので、骨の音響インピーダンスを確実に測定できる。骨
の音響インピーダンスは、骨の[弾性率×密度]の平方
根で表されるので、骨密度の増加に伴って弾性率が上昇
すると、これらの相乗効果を受けるために、敏感に応答
して顕著に増加する。逆に、骨密度が減少して、弾性率
が低下すると、音響インピーダンスは、これらの相乗効
果を受けて、敏感に応答して顕著に減少する。それゆ
え、骨の音響インピーダンスは、骨密度や骨弾性率を判
断する上で、良い指標となる。したがって、操作者は、
出力手段によって出力される骨の音響インピーダンスの
値から、骨粗鬆症の進行状況を確実に推定することがで
きる。例えば、音響インピーダンスが、その年齢層の平
均値から著しく小さい場合には、骨粗鬆症が悪化してい
ることが判る。また、骨の音響インピーダンスを骨密度
や骨弾性率の指標とする代わりに、通常は、骨の音響イ
ンピーダンスの単調増加関数とみなして差し支えない生
体の軟組織と骨の界面での反射係数を骨密度や骨弾性率
の指標としても、上述したと同様の効果を得ることがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図1は、この発明の一実施例である骨粗
鬆症診断装置の電気的構成を示すブロック図、図2は、
同装置の外観図、図3は、同装置の使用状態を示す図、
図4は、同装置による骨粗鬆症診断の様子を示す図、図
5は、同装置の動作処理手順を示すフローチャート、図
6は同装置の動作を説明するための図である。図1乃至
図4に示すように、この例の骨粗鬆症診断装置は、被験
者Mの測定部位である骨Mbに向けて、指向性の良い超
音波インパルスAiを発射すると共に、エコー(反射
波)を受波して受波信号(電気信号)に変換する超音波
トランスデューサ(以下、単に、トランスデューサとい
う)1と、このトランスデューサ1に半波インパルスの
電気信号を入力すると共に、トランスデューサ1から供
給される各種エコーの受波信号(電気信号)を処理し
て、骨粗鬆症診断の指標となる骨Mbの音響インピーダ
ンス情報を提供する装置本体2と、これらを接続するケ
ーブル3とから概略なっている。
【0012】上記トランスデューサ1は、図示しない
が、チタンジルコン酸鉛(PZT)からなる円板状の厚
み振動型圧電素子の両面に図示せぬ電極層を積層して形
成される超音波振動子1aの超音波送受波面X(以下、
単に、送受波面という)に、超音波遅延スペーサ1bを
接合してなっている。超音波遅延スペーサ1bは、送信
残響Anの残存中に、皮膚、筋肉、脂肪等で構成される
軟組織Maや骨Mbの表面Y,Zから、エコーAe1,
Ae2が送受波面Xに戻ってこないように、これらのエ
コーAe1,Ae2の到達を遅延させるための部材であ
り、例えばポリエチレンバルクが用いられる。ここで、
超音波振動子1aとしては、平面波の状態でエコーAe
1,Ae2を受けるのが測定感度上好ましいことから、発
射された超音波インパルスAiが平面波に近い状態で骨
Mbに向かって伝搬できるように、送受波面Xのなるべ
く大きなものを用いるのが好ましい。
【0013】上記装置本体2は、パルス送出部4と、整
合回路5と、増幅器6と、波形整形器7と、A/D変換
器8と、計時回路9と、CPU(中央処理装置)10
と、ROM11と、RAM12と、レベルメータ13
と、表示器14とから構成されている。パルス送出部4
は、整合回路5を介してトランスデューサ1に接続さ
れ、中心周波数略2.5MHzの半波インパルスの電気
信号を所定の周期で生成して、断続的にトランスデュー
サ1に送信する。整合回路5は、ケーブル3を介してト
ランデューサ1に接続され、トランデューサ1と装置本
体2との間で最大のエネルギ効率で信号の受け渡しを行
う。増幅器6は、整合回路5の出力信号を所定の増幅度
で増幅した後、波形整形器7に入力する。波形整形器7
は、図示せぬ検波回路とローパスフィルタ(LPF)と
から構成され、増幅器6の出力信号(増幅された受波信
号)を検波処理・フィルタ処理を施して波形整形した
後、A/D変換器8に入力する。
【0014】A/D変換器8は、図示せぬレベル検出回
路、サンプルホールド回路等を備え、波形整形器7の出
力信号(波形整形された各種受波信号)のレベルや到来
時刻等を検出して、軟組織Maの表面(以下、皮膚表面
ともいう)Yから先に戻ってくるエコーAe1(以下、
表面エコーという)と、骨表面Zから遅れて戻ってくる
エコーAe2(以下、骨エコーという)とを順次抽出
し、対をなして抽出された表面エコーAe1及び骨エコ
ーAe2の受波信号をそれぞれデジタルの表面エコー信
号E1及び骨エコー信号E2に変換し、デジタルに変換さ
れた表面エコー信号E1及び骨エコー信号E2をCPU1
0に逐次入力すると共に、表面エコーAe1を抽出した
ときは、表面エコー抽出信号ETを生成して、計時回路
9に与える。上述のことから明らかなように、ここで、
デジタルの表面エコー信号E1は、表面エコーAe1が送
受波面Xにまで戻ってきたときの当該表面エコーAe1
のレベル値(表面エコーレベル)を示し、一方、デジタ
ルの骨エコー信号E2は、骨エコーAe2が送受波面Xに
まで戻ってきたときの当該骨エコーAe2のレベル値
(骨エコーレベル)を示している。計時回路9は、図示
せぬクロック発生器と計数回路とから構成され、A/D
変換器8から表面エコー抽出信号ETの供給を受ける度
に、計数回路をリセットして計時を開始し、経過時間
(計数値)はCPU10に与えられる。
【0015】CPU10は、ROM11に記憶された処
理プログラムをRAM12を用いて実行することによ
り、装置各部を制御して、骨粗鬆症診断の指標となる骨
Mbの音響インピーダンスZzの算出処理を行う。すな
わち、CPU10は、 A/D変換器8の出力信号
(表面エコー信号E1及び骨エコー信号E2)を逐次取り
込むと共に、骨エコー信号E2の取り込み時点に、計時
回路9から経過時間を読み込んで、エコー到達時間差T
nを計測する。ここで、エコー到達時間差Tnとは、表
面エコーAe1の到達時間を基準時間に設定した場合に
おける、骨エコーAe2の到達時間の遅れを意味し、エ
コー到達時間差Tnに軟組織Ma中での音速を乗じて得
られる値が、軟組織Maの厚みの2倍、すなわち超音波
が軟組織Maを往復する道のりに相当する。次に、
取り込んだ骨エコー信号E2の中から最大骨エコーレベ
ルE2maxを抽出し、抽出された最大骨エコーレベルE2m
ax、これと対をなす表面エコーレベルE1、このときの
エコー到達時間差Tn等に基づいて、骨Mbの音響イン
ピーダンスZzを算出する。
【0016】ROM11は、CPU10の各種処理プロ
グラム及び骨Mbの音響インピーダンスZzを算出する
ための演算サブプログラムを格納する。RAM12は、
CPU10の作業領域が設定されるワーキングエリア
と、各種データを一時記憶するデータエリアとを有し、
このデータエリアには、今回取り込んだ表面エコーレベ
ルE1、骨エコーレベルE2、このときのエコー到達時間
差Tnを記憶する今回抽出データメモリエリアや、これ
まで取り込んだ骨エコーレベルE2の中から抽出された
最大骨エコーレベルE2max、これと対をなす表面エコー
レベルE1、及びこのときのエコー到達時間差Tn等を
一時記憶する最大値抽出データメモリエリアや、測定続
行か否かの情報を記憶する測定続行フラグ等が設定され
ている。レベルメータ13は、CPU10によって制御
され、RAM12の今回抽出データメモリエリアに記憶
されている今回抽出の骨エコーレベルE2(骨エコーA
e2の現在レベル13a)と、RAM12の最大値抽出
データメモリエリアに記憶されている最大骨エコーレベ
ルE2max(骨エコーAe2の最大レベル13b)とを液
晶指針パターンにより同時表示する。表示器14は、C
RTディスプレイ又は液晶ディスプレイからなり、CP
U10によって算出された骨Mbの音響インピーダンス
Zzや算出途中の結果を表示する。
【0017】次に、図3乃至図6を参照して、この例の
動作処理手順について説明する。上記構成の装置を用い
て、骨粗鬆症を診断するには、測定対象として、なるべ
く平面波の骨エコーAe2が得易い形状・部位の骨Mb
を選択する。例えば、踵や膝蓋骨上等は、湾曲が少な
く、皮膚の近くにあり、平面波の骨エコーAe2が得易
いので、測定対象として好適である。測定対象の骨Mb
を選択した後、装置に電源を投入すると、CPU10
は、まず、ステップSP10(図5)において、装置各
部のイニシャライズを行う。このイニシャライズは、R
AM12内のデータエリア、RAM12内に設定された
各種メモリエリア、レジスタのクリア及び各種フラグの
リセット並びに周辺回路の初期設定となる各種変数の初
期設定等である。例えば、RAM12に設定された今回
抽出データメモリエリア、最大値抽出データメモリエリ
ア、測定続行フラグ等の内容は、それぞれ、「0」の状
態に初期設定される。
【0018】ここで、操作者は、図3に示すように、測
定対象の骨Mbを覆っている軟組織Maの表面(皮膚表
面)Yに、例えば水やゼリー等の超音波カップリング材
15を塗って、超音波が被験者Mの体内に注入され易い
状態にした後、超音波カップリング材15の上からトラ
ンスデューサ1を皮膚表面Yに密着させ、かつ送受波面
Xを測定対象の骨Mbに向けた状態で、測定開始スイッ
チをオンとする。
【0019】測定開始スイッチがオンとされると(ステ
ップSP11)、CPU10は、測定続行フラグの内容
を「1」に書き改めた後(測定続行フラグを立てた
後)、これより、図5に示す処理手順に従って診断動作
を開始する。CPU10は、ステップSP12におい
て、パルス送出部4を制御して、半波インパルスの電気
信号をトランスデューサ1に送出させる。トランスデュ
ーサ1は、パルス送出部4から半波インパルスの電気信
号を受けると、超音波振動子1aの送受波面Xから被験
者Mの骨Mbに向けて指向性の良い超音波インパルスA
iを発射する。発射された超音波インパルスAiは、超
音波遅延スペーサ1bの中を送受波面Xの法線方向に進
み、図4に示すように、超音波遅延スペーサ1bと軟組
織Maとの界面Y(厳密には、図3に示すように、超音
波遅延スペーサ1bと超音波カップリング材15との界
面)において、一部は反射して表面エコーAe1とな
り、残りは軟組織Ma内に進入する。このうち、表面エ
コーAe1は、超音波遅延スペーサ1b内を逆向きに進
んで、超音波振動子1aの送受波面Xで受波される(な
お、表面エコーAe1が受波される時点では、送信残響
Anは静まっている)。一方、軟組織Ma内に進入した
超音波インパルスAiは、減衰しながらも測定対象の骨
Mbに向かって伝搬し、骨表面Zにおいて、一部は反射
して骨エコーAe2となり、残りは骨Mb内に進入して
一部は吸収され一部は透過する。このうち、骨エコーA
e2は、逆の経路を辿って、再び超音波遅延スペーサ1
b内に入り、超音波振動子1aの送受波面Xで受波され
る。
【0020】トランスデューサ1は、各種のエコーA
n,Ae1,Ae2を逐次受波すると、受波信号(電気信
号)に変換し、変換により生成された受波信号をケーブ
ル3を介して装置本体2(整合回路5)に送出する。増
幅器6は、整合回路5から出力される受波信号を所定の
増幅度で増幅した後、波形整形器7に入力する。波形整
形器7は、増幅器6の出力信号を検波・フィルタ処理を
施して波形整形した後、A/D変換器8に入力する。
【0021】ここで、CPU10は、A/D変換器8を
制御して、波形整形器7の出力信号のレベル等を検出さ
せ、先に戻ってくる表面エコーAe1と、遅れて戻って
くる骨エコーAe2とを順次抽出させ、対をなして抽出
された表面エコーAe1、骨エコーAe2の受波信号をデ
ジタルの表面エコー信号E1、骨エコー信号E2に変換さ
せる(ステップSP13)。なお、A/D変換器8は、
表面エコーAe1を抽出したときは、表面エコー抽出信
号ETを生成して計時回路9に与える。CPU10は、
A/D変換器8から互いに対をなす表面エコー信号E1
及び骨エコー信号E2を取り込むと共に、骨エコー信号
E2の取り込み時点に、計時回路9から経過時間を読み
込んで、このときのエコー到達時間差Tnを計測した
後、今回抽出の表面エコーレベルE1、骨エコーレベル
E2、エコー到達時間差Tnとして、RAM12の今回
抽出データメモリエリアに記憶した後(ステップSP1
4)、レベルメータ13を制御して、今回抽出の骨エコ
ーレベルE2(骨エコーAe2の現在レベル13a)と、
RAM12の最大値抽出データメモリエリアに記憶され
ている最大骨エコーレベルE2max(骨エコーAe2の最
大レベル13b)とを液晶指針パターンにより同時表示
させる(ステップSP15)。
【0022】次に、CPU10は、ステップSP16に
移り、RAM12内の今回抽出データメモリエリアから
今回抽出の骨エコーレベルE1を読み出すと共に、最大
値抽出データメモリエリアから最大骨エコーレベルE2m
axを読み出して、今回抽出の骨エコーレベルが、最大骨
エコーレベルE2maxよりも大きいか否かを判断する。こ
の判断の結果が、「YES」のとき、すなわち、今回抽
出の骨エコーレベルE2が最大骨エコーレベルE2maxよ
りも大きいときは、ステップSP17へ進み、最大値抽
出データメモリエリアの記憶内容(最大骨エコーレベル
E2max等)を今回抽出骨データメモリエリアの記憶内容
(今回抽出の骨エコーレベルE2等)で書き換えた後、
ステップSP18へ進む。一方、ステップSP16にお
ける判断の結果が、「NO」のとき、すなわち、今回抽
出の骨エコーレベルE2が最大骨エコーレベルE2maxよ
りも小さいときは、ステップSP18へ直接飛ぶ。ステ
ップSP18では、CPU10は、RAM12内の測定
続行フラグを見て、測定続行か否かを判断する。測定続
行フラグが立っていれば(測定フラグの内容が「1」の
ときは)、CPU10は測定継続と判断して、ステップ
SP12へ戻り、上述の処理(ステップSP12〜SP
18)を繰り返す。なお、操作者が、測定終了スイッチ
を押すまで、測定続行フラグの内容は「1」に保たれ
る。
【0023】操作者は、CPU10が上述の処理(ステ
ップSP12〜SP18)を繰り返す間、図3矢印Rで
示すように、トランスデューサ1を、皮膚表面Yに当て
がい、かつ測定対象である骨Mbに向けた状態で、時に
コマの歳差運動のように円を描いて、時にシーソのよう
に前後に左右に斜め方向に振りながら、レベルメータ1
3の液晶指針パターンが最大に振れる状態を目指す。レ
ベルメータ13の液晶指針パターンが最大に振れるとき
は、図6(a)に示すように、測定部位である骨Mbの
法線とトランスデューサ1の送受波面Xの法線とが一致
するとき、すなわち、平面波の超音波インパルスAiが
骨表面Zに垂直入射するとき(超音波インパルスAiの
波面が骨表面Zに対して略平行に揃っているとき)であ
る。
【0024】何故なら、両法線が一致するときには、同
図(a)に示すように、骨表面Zで垂直反射した骨エコ
ーAe2は、送受波面Xに垂直に戻ってくるため、骨エ
コーAe2の波面も送受波面Xに対して略平行に揃い、
それゆえ、受波位置の違いによる骨エコーAe2の位相
のずれが最小となるので、受波信号は、山と谷との打ち
消し合いが少なく、したがって、最大レベルの骨エコー
Ae2が受波されることとなるからである。これに対し
て、両法線が不一致のとき、同図(b)に示すように、
送受波面Xで骨エコーAe2の波面が不揃いのため、受
波信号は、山と谷とが打ち消し合って、小さくなる。こ
こで、大事なことは、骨エコーAe2のうち、抽出した
いのは、垂直反射で戻ってくる骨エコーAe2である、
ということである。何故なら、後述のアルゴリズムに適
用される数式は、計算の正確性・簡素化のため、骨エコ
ーAe2が略垂直反射の場合に成立する式だからであ
る。ただ、骨表面Zで垂直反射した骨エコーAe2は、
上述したように、受波信号が最大レベルとなるので、垂
直反射の骨エコーAe2を抽出するために、レベルメー
タ13を参照しながら、最大レベルの骨エコーAe2を
抽出するのである。なお、レベルメータ13の液晶指針
パターンは、骨Mbの法線と送受波面Xの法線との不一
致が、はなはだしいときは、敏感に変化するが、両法線
が略一致するときは、変化が鈍くなるため、垂直反射の
骨エコーAe2は、容易にかつ再現性良く抽出できる。
一方、表面エコーAe1は、超音波振動子1aの送受波
面Xと超音波遅延スペーサ1bの先端面とが、互いに平
行関係を有するように設定されているので、同図
(a),(b)に示すように、常に垂直反射である。
【0025】操作者は、レベルメータ13の液晶指針パ
ターンの振れ具合を見て、最大レベルの骨エコーAe2
を抽出できたと判断すると、測定終了スイッチを押下す
る。測定終了スイッチが押下されると、CPU10は、
割り込み処理により、測定続行フラグの内容を「0」に
書き換えて、測定続行フラグを下ろす。測定続行フラグ
が下ろされると、CPU10は、測定終了と判断し(ス
テップSP18)、パルス送出部4を制御して、トラン
スデューサ1への半波インパルス(電気信号)の送信を
停止させる。そして、最大値抽出データメモリエリアか
ら、記憶内容(最大骨エコーレベルE2max等)を読み出
して、表示器14に表示する(ステップSP19)。
【0026】この後、CPU10は、最大値抽出データ
メモリエリアに記憶されているデータ(最大骨エコーレ
ベルE2max、これと対をなす表面エコーレベルE1、及
びこのときのエコー到達時間差Tn)を用いて、骨Mb
の音響インピーダンスZzの算出処理を実行する。この
算出処理は、まず、軟組織Ma中での超音波の減衰度A
(Tn)を算出し(ステップSP20)、次いで、得られ
た減衰度A(Tn)等から軟組織Ma・骨Mbの界面での
反射係数Rを算出した後(ステップSP21)、得られ
た反射係数R等から骨Mbの音響インピーダンスZzを
算出する(ステップSP23)という手順で行われる。
【0027】[1]超音波の軟組織往復による減衰度A
(Tn)の算出 CPU10は、まず、最大値抽出データメモリエリアの
中からエコー到達時間差Tnを読み出し、読み出された
エコー到達時間差Tn[sec]の値を式(1)に代入し
て、軟組織Ma内での超音波の減衰度A(Tn)を算出す
る(ステップSP20)。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、減衰度A(Tn)とは、超音波が軟
組織Ma内を往復する際に受ける減衰の程度、すなわ
ち、超音波が皮膚表面Yから骨表面Zにまで伝搬し、骨
表面Zで反射して再び皮膚表面Yに戻ってくるまでに受
ける減衰の程度を意味する(A(Tn)が小さい程、減
衰大を意味する)。また、減衰度A(Tn)は、エコー到
達時間差Tnの関数であり、関係式は、実験もしくはシ
ミュレーションによって求めることができる。超音波
が、軟組織Ma内で減衰を受けるのは、第1に、この例
で使用する超音波は、完全な平面波ではなく、球面波成
分も多分に含み、この球面波成分により音響エネルギが
拡散(超音波拡散)するからであり、第2に、軟組織M
aとの摩擦で、音響エネルギが熱エネルギに変換(超音
波吸収)されるためである。超音波拡散に起因する減衰
の程度は、トランスデューサ1の開口、超音波の周波
数、軟組織Maの音速等から、計算や実験により求める
ことができる。また、超音波吸収に起因する減衰の程度
は、超音波の周波数を低くすれば小さくなり、周波数が
充分に低くなくとも、軟組織Maの代表的な吸収定数
(単位長当たりの超音波の減衰率)を用いることができ
る。なお、超音波の減衰度A(Tn)を与える式(1)
は、超音波の使用中心周波数を2.5MHzに設定し、
トランスデューサ1の開口を15mmに設定した場合に
成立する実験式である。
【0030】[2]軟組織Ma・骨Mbの界面での反射
係数Rの算出 次いで、CPU10は、最大値抽出データメモリエリア
の中から最大骨エコーレベルE2max、これと対をなす表
面エコーレベルE1を読み出し、式(1)を用いて算出
された減衰度A(Tn)と共に、式(2)に代入して、超
音波が軟組織Maの媒質側から骨Mbに垂直入射する場
合の軟組織Ma・骨Mbの界面での反射係数Rを算出す
る(ステップSP21)。式(1)は計測値のみからな
り、例えば、軟組織の音響インピーダンス等の物性値を
含んでいない。
【0031】
【数2】
【0032】ただし、 h=E2max/P・Q・B・Vi S=E1/P・Q・B・Vi ここで、 P:トランスデューサ1に単位電気信号(電圧、電流、
散乱パラメータ等)を印加したときに、トランスデュー
サ1から出力される超音波インパルスの超音波遅延スペ
ーサ1bの先端面における音圧 Q:超音波遅延スペーサ1bの先端面に単位入射音圧の
エコーが垂直入射したときにトランスデューサ1から出
力される受波信号(電気信号)の振幅 B:増幅器6の振幅増幅度と波形整形器7の振幅増幅度
との積 Vi:装置使用時、パルス送出部4からトランスデュー
サ1に加えられる電気信号の振幅 なお、P,Q,Viは、いずれも周波数の関数である
が、ここでは、中心周波数(例えば2.5MHz)での
成分を用いる。P,Q,Viについては、予め、これら
の測定値、設定値をROM11に書き込んで置く。
【0033】式(2)は、次のようにして導かれる。ま
ず、パルス送出部4から、半波インパルスの電気信号
(振幅Vi)をトランスデューサ1に送出すると、トラ
ンスデューサ1は、超音波振動子1aの送受波面Xから
被験者Mの骨Mbに向けて超音波インパルスAiを発射
する。この超音波インパルスAiは、音圧PViで超音
波遅延スペーサ1bの先端面に達し、ここで、大半は、
皮膚表面Yから軟組織Ma内に注入されるが、一部は表
面エコーAe1となって、再び逆の経路を辿りトランス
デューサ1に受波される。
【0034】表面エコーAe1の音圧P(e1)は、式
(3)で与えられる。
【数3】 P(e1)=D・P・Vi ……(3) ただし、 D=(Zy−Zx)/(Zy+Zx) ここで、 Zx:超音波遅延スペーサ1bの音響インピーダンス
(既知) Zy:軟組織Maの音響インピーダンス D:超音波が、超音波遅延スペーサ1bの媒質側から軟
組織Maに垂直入射する場合の超音波遅延スペーサ1b
・軟組織Maの界面での反射係数
【0035】音圧P(e1)の表面エコーAe1が、トラン
スデューサ1の超音波振動子1aに受波されると、トラ
ンスデューサ1は、振幅Q・P(e1)の受波信号を出力す
る。この受波信号は、増幅器6(及び波形整形器7)で
増幅度Bで増幅されて、表面エコー信号E1として、A
/D変換器8にてデジタル変換される。それゆえ、表面
エコーレベルE1は、式(4)で与えられる。
【0036】
【数4】
【0037】軟組織Maの音響インピーダンスZyは、
式(4)を整理することにより、式(5)で与えられ
る。
【0038】
【数5】
【0039】ただし、 s=E1/P・Q・B・Vi 一方、音圧PViの超音波インパルスAiは、超音波遅
延スペーサ1bの先端面(皮膚表面Y)からPVi・T1
2の音圧で軟組織Ma内に注入される。ここで、T12
は、超音波遅延スペーサ1bの媒質から軟組織Maの媒
質へ垂直入射する超音波の音圧の透過率である。軟組織
Ma内に注入された音圧PVi・T12の超音波インパル
スAiは、骨表面Zに対して垂直に入射する場合、骨表
面Zで垂直反射して骨エコーAe2となって、トランス
デューサ1に戻ってくる。超音波振動子1aの送受波面
Xにまで戻ってきた骨エコーAe2の音圧P(e21)は、
式(1)より求めた超音波の軟組織Ma往復による減衰
度A(Tn)を考慮すれば、式(6)で与えられる。な
お、超音波が軟組織Maの媒質側から超音波遅延スペー
サ1bに入射する際の反射成分及び超音波遅延スペーサ
1b内での減衰成分は無視して考える。
【0040】
【数6】 P(e2)=P・Vi・T12・T21・R・A(Tn) ……(6) ここで、 T21:軟組織Maの媒質から超音波遅延スペーサ1bの
媒質へ垂直入射する超音波の音圧の透過率 R:超音波が軟組織Maの媒質側から骨Mbに垂直入射
する場合の軟組織Ma・骨Mbの界面での反射係数
【0041】音圧P(e2 )の骨エコーAe2が、トラン
スデューサ1の超音波振動子1aに受波されると、トラ
ンスデューサ1は、振幅Q・P(e2)の受波信号を出力す
る。この受波信号は、増幅器6(及び波形整形器7)で
増幅度Bで増幅されて、最大骨エコー信号E2maxとし
て、A/D変換器8にてデジタル変換される。それゆ
え、最大骨エコーレベルE2maxは、式(7)で与えられ
る。
【数7】 E2max=P・Vi・T12・T21・R・A(Tn)・B・Q ……(7) ここで、超音波遅延スペーサ1bから軟組織Maへの音
圧の透過率T12は、式(8)で与えられる。
【数8】 T12=2Zx/(Zy+Zx) ……(8) また、軟組織Maから超音波遅延スペーサ1bへの音圧
の透過率T21は、式(9)で与えられる。
【数9】 T21=2Zy/(Zy+Zx) ……(9) 式(8),(9)を用いて、式(7)を整理すれば、最
大骨エコーレベルE2maxは、式(10)で与えられる。
【0042】
【数10】
【0043】そこで、式(5)と式(10)とから、軟
組織Ma・骨Mbの界面での反射係数Rを導く式(2)
が得られる。
【0044】再び、図5のフローチャートの説明に戻れ
ば、CPU10は、式(2)を用いて、軟組織Ma・骨
Mbの界面での反射係数Rを算出した後(ステップSP
21)、算出結果を表示器14に表示する(ステップS
P22)。
【0045】[3]骨Mbの音響インピーダンスZzの
算出 この後、CPU10は、骨Mbの音響インピーダンスZ
z(N・s/m3)を式(11)を用いて算出し(ステッ
プSP23)、算出結果を表示器14に表示する(ステ
ップSP24)。
【0046】
【数11】
【0047】ここで、 Zz:骨Mbの音響インピーダンス Zx:超音波遅延スペーサ1bの音響インピーダンス
【0048】上記構成によれば、超音波遅延スペーサ1
bによって、送信残響Anの影響が排除される上、超音
波の軟組織往復による減衰度A(Tn)も考慮されるの
で、骨Mbの音響インピーダンスZzを確実に測定でき
る。骨Mbの音響インピーダンスZzは、骨Mbの[弾
性率×密度]の平方根で表されるので、骨密度の増加に
伴って弾性率が上昇すると、これらの相乗効果を受ける
ために、敏感に応答して顕著に増加する。逆に、骨Mb
の密度が減少して、弾性率が低下すると、音響インピー
ダンスZzは、これらの相乗効果を受けて、敏感に応答
して顕著に減少する。それゆえ、骨Mbの音響インピー
ダンスZzは、骨密度を判断する上で、良い指標とな
る。したがって、操作者は、表示器14に表示されてい
る骨Mbの音響インピーダンスZzの値から、骨粗鬆症
の進行状況を確実に推定できる。例えば、音響インピー
ダンスが、その年齢層の平均値から著しく小さい場合に
は、骨Mbの骨粗鬆症が悪化していることが判る。加え
て、上記構成によれば、レベルメータ13には、骨エコ
ーAe2の現在レベル13aを表示すると共に、骨エコ
ーAe2の最大レベル13bも表示されるので、最大レ
ベルを容易に探索できる。また、変位(トランスデュー
サ1の振れ)に対して変化の鈍る垂直反射の骨エコーA
e2を利用するので、測定データの抽出が容易であり、
かつ再現性良く抽出できる。また、RAM12には、今
回抽出されたデータのみを記憶する今回抽出データメモ
リエリア、最大骨エコーレベル及び関係データのみを記
憶する最大値抽出データメモリエリアが設定されている
ので、記憶容量の小さい安価なRAMを使用することが
できる。
【0049】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、骨は人間
のものに限定されない。同様に、測定部位は、踵や膝蓋
骨上等に限定されない。また、トランスデューサを構成
する超音波振動子は、厚み振動型に限らず、撓み振動型
でも良い。また、超音波振動子の送受波面は、大きなも
のに限定されない。また、使用中心周波数は、2.5M
Hzに限らない。また、減衰度A(Tn)を与える式
(1)は、一例であり、超音波の使用中心周波数や、ト
ランスデューサの開口が変われば、変化し得る。また、
骨粗鬆症診断の指標(音響インピーダンス)を出力する
出力装置としては、表示器に限らず、プリンタを用いて
も良い。また、エコー波形を観察するために、時間波形
表示装置(例えば、デジタルオシロスコープ)を備えて
も良い。
【0050】また、骨弾性率の状況から骨粗鬆症を診断
できるという意見があるが、骨の音響インピーダンス
は、骨の[弾性率×密度]の平方根で表されるので、骨
弾性率の指標ともなり得る。また、骨の音響インピーダ
ンスを骨密度や骨弾性率の指標とする代わりに、通常
は、骨の音響インピーダンスの単調増加関数とみなして
差し支えのない軟組織Ma・骨Mbの界面での反射係数
を骨密度や骨弾性率の指標としても、上述したと同様の
効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の構成によれば、超音波遅延スペーサによって、送信
残響の影響が排除される上、生体の軟組織を往復するこ
とによる超音波の減衰度(エコー到達時間差の関数)も
考慮されるので、骨の音響インピーダンスを確実に測定
できる。加えて、変位(超音波送受波器の振れ)に対し
て変化の鈍る垂直反射の骨エコー(第2のエコー)を利
用するので、測定データの抽出が容易であり、かつ再現
性良く抽出できる。骨の音響インピーダンスは、骨の
[弾性率×密度]の平方根で表されるので、骨密度の増
加に伴って弾性率が上昇すると、これらの相乗効果を受
けるために、敏感に応答して顕著に増加する。逆に、骨
の密度が減少して、弾性率が低下すると、音響インピー
ダンスは、これらの相乗効果を受けて、敏感に応答して
顕著に減少する。それゆえ、骨の音響インピーダンス
は、骨密度や骨弾性率を判断する上で、良い指標とな
る。したがって、操作者は、表示器に表示されている骨
の音響インピーダンスの値から、骨粗鬆症の進行状況を
確実に推定できる。例えば、音響インピーダンスが、そ
の年齢層の平均値から著しく小さい場合には、骨の骨粗
鬆症が悪化していることが判る。また、骨の音響インピ
ーダンスを骨密度や骨弾性率の指標とする代わりに、通
常は、骨の音響インピーダンスの単調増加関数とみなし
て差し支えない生体の軟組織と骨の界面での反射係数を
骨密度や骨弾性率の指標としても、上述したと同様の効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である骨粗鬆症診断装置の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の外観を示す図である。
【図3】同装置の使用状態を示す図である。
【図4】同装置による骨粗鬆症診断の様子を示す図であ
る。
【図5】同装置の動作処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図6】同装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 トランスデューサ(超音波送受波器) 1a 超音波振動子 1b 超音波遅延スペーサ 7 波形整形器(最大エコーレベル抽出手段の一
部) 8 A/D変換器(最大エコーレベル抽出手段の一
部) 9 計時回路 10 CPU(最大エコーレベル抽出手段の一部、
反射係数算出手段、音響インピーダンス算出手段) 11 ROM(最大エコーレベル抽出手段の一部、
反射係数算出手段、音響インピーダンス算出手段) 12 RAM(エコー情報記憶手段) 14 表示器(出力手段) Ai 超音波インパルス Ma 軟組織 Mb 骨 X 送受波面(超音波送受波面) Y 軟組織の表面(皮膚表面) Z 骨表面 Ae1 表面エコー(第1のエコー) Ae2 骨エコー(第2のエコー)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子の超音波送受波面に送信残
    響が静まるまで必要なエコーの戻りを遅延させるための
    超音波遅延スペーサを接合してなる超音波送受波器を生
    体に当て、前記超音波送受波面の法線を骨に向け、かつ
    骨の法線に対して所定の角度範囲内で振り動かしなが
    ら、超音波インパルスを断続的に発射すると共に、前記
    生体表面からの第1のエコー、前記骨表面からの第2の
    エコーを逐次受波し、受波された第2のエコーの中から
    最大レベルを抽出した後、抽出された第2のエコーの最
    大レベル、これと対をなす第1のエコーのレベル、及
    び、この第1のエコーが受波されてから第2のエコーが
    受波されるまでのエコー到達時間差に基づいて、前記生
    体の軟組織と骨との界面での反射係数を算出し、算出さ
    れた該反射係数から骨密度又は骨弾性率の状況を推定し
    て骨粗鬆症を診断することを特徴とする骨粗鬆症診断方
    法。
  2. 【請求項2】 超音波振動子の超音波送受波面に送信残
    響が静まるまで必要なエコーの戻りを遅延させるための
    超音波遅延スペーサを接合してなる超音波送受波器を生
    体の表面に当て、前記超音波送受波面の法線を骨に向
    け、かつ骨の法線に対して所定の角度範囲内で振り動か
    しながら、超音波インパルスを断続的に発射すると共
    に、前記生体表面からの第1のエコー、前記骨表面から
    の第2のエコーを逐次受波し、受波された第2のエコー
    の中から最大レベルを抽出した後、抽出された第2のエ
    コーの最大レベル、これと対をなす第1のエコーのレベ
    ル、及び、この第1のエコーが受波されてから第2のエ
    コーが受波されるまでのエコー到達時間差に基づいて、
    前記骨の音響インピーダンスを算出し、算出された該音
    響インピーダンスから骨密度又は骨弾性率の状況を推定
    して骨粗鬆症を診断することを特徴とする骨粗鬆症診断
    方法。
  3. 【請求項3】 超音波振動子の超音波送受波面に送信残
    響が静まるまで必要なエコーの戻りを遅延させるための
    超音波遅延スペーサを接合してなる超音波送受波器を備
    え、請求項1記載の骨粗鬆診断方法に用いられる骨粗鬆
    診断装置であって、受波された前記第2のエコーの中か
    ら最大レベルを抽出する最大レベル抽出手段と、該最大
    レベル抽出手段によって抽出された第2のエコーの最大
    レベル、これと対をなす第1のエコーのレベル、及びこ
    のときの前記エコー到達時間差を少なくとも記憶するエ
    コー情報記憶手段と、該エコー情報記憶手段に記憶され
    た各データに基づいて、前記生体の軟組織と骨との界面
    での反射係数を算出する算出手段と、該算出手段によっ
    て算出された結果を出力する出力手段とからなることを
    特徴とする骨粗鬆症診断装置。
  4. 【請求項4】 超音波振動子の超音波送受波面に送信残
    響が静まるまで必要なエコーの戻りを遅延させるための
    超音波遅延スペーサを接合してなる超音波送受波器を備
    え、請求項2記載の骨粗鬆診断方法に用いられる骨粗鬆
    診断装置であって、受波された前記第2のエコーの中か
    ら最大レベルを抽出する最大レベル抽出手段と、該最大
    レベル抽出手段によって抽出された第2のエコーの最大
    レベル、これと対をなす第1のエコーのレベル、及びこ
    のときの前記エコー到達時間差を少なくとも記憶するエ
    コー情報記憶手段と、該エコー情報記憶手段に記憶され
    た各データに基づいて、前記骨の音響インピーダンスを
    算出する算出手段と、該算出手段によって算出された結
    果を出力する出力手段とからなることを特徴とする骨粗
    鬆症診断装置。
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