JPH084069B2 - 薄膜半導体素子及びその形成法 - Google Patents

薄膜半導体素子及びその形成法

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JPH084069B2
JPH084069B2 JP60297834A JP29783485A JPH084069B2 JP H084069 B2 JPH084069 B2 JP H084069B2 JP 60297834 A JP60297834 A JP 60297834A JP 29783485 A JP29783485 A JP 29783485A JP H084069 B2 JPH084069 B2 JP H084069B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機能性膜、殊に薄膜半導体、光起電力素
子、電子写真用の像形成部材党の多層構成の薄膜半導体
素子及びその形成法に関する。
〔従来の技術〕 従来機能性膜、殊に非晶質乃至多結晶質の半導体膜
は、所望される物理的特性や用途等の観点から個々に適
した成膜方法が採用されている。
例えば、必要に応じて、水素原子(H)やハロゲン原
子(X)等の補償剤で不対電子が補償された非晶質や多
結晶の非単結晶シリコン(以後「NON−Si(H,X)」と略
記し、その中でも殊に非晶質シリコンを示す場合には
「A−Si(H,X)」、多結晶質シリコンを示す場合には
「poly−Si(H,X)」と記す)膜等のシリコン系堆積膜
(尚、俗に言う微結晶シリコンは、A−Si(H,X)の範
囲にはいることは断るまでもない)の形成には、真空蒸
着法,プラズマCVD法,熱CVD法,反応スパツタリング
法,イオンプレーテイング法,光CVD法などが試みられ
ており、一般的には、プラズマCVD法が広く用いられ、
企業化されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
而乍ら、従来から一般化されているプラズマCVD法に
よるシリコン系堆積膜の形成に於ての反応プロセスは、
従来のCVD法に比較してかなり複雑であり、その反応機
能も不明な点が少なくない。又、その堆積膜の形成パラ
メーターも多く(例えば、基体温度,導入ガスの流量と
比,形成時の圧力,高周波電力,電極構造,反応容器の
構造,排気の速度,プラズマ発生方式など)これらの多
くのパラメーターの組み合せによるため、時にはプラズ
マが不安定な状態になり、形成された堆積膜に著しい悪
影響を与えることが少なくなかった。そのうえ、装置特
有のパラメーターを装置ごとに選定しなければならず、
したがって製造条件を一般化することがむずかしいとい
うのが実状であった。
他方、シリコン系堆積膜として電気的,光学的特性を
各用途毎に十分に満足させ得るものを発現させるために
は、現状ではプラズマCVD法によって形成することが最
良とされている。
而乍ら、シリコン系堆積膜の応用用途によっては、大
面積化,膜厚均一性,膜品質の均一性を十分満足させて
再現性のある量産化を図らねばならないため、プラズマ
CVD法によるシリコン系堆積膜の形成においては、量産
装置に多大な設備投資が必要となり、またその量産の為
の管理項目も複雑になり、管理許容幅も狭く、装置の調
整も微妙であることから、これらのことが、今後改善す
べき問題点として指摘されている。
又、プラズマCVD法の場合には、成膜される基体の配
されている成膜空間に於いて高周波或いはマイクロ波等
によって直接プラズマを生成している為に、発生する電
子や多数のイオン種が成膜過程に於いて膜にダメージを
与え膜品質の低下、膜品質の不均一化の要因となってい
る。
特に多層構成の半導体素子を作成する場合に於ては各
層間に生じる界面欠陥は得られる半導体素子の特性を悪
化させる要因となっている。例えば電子写真用感光体を
例に挙げると第4図に示す様にAl製基体400の上に、電
荷注入阻止層(第1層,Bをドーピングした非晶質シリコ
ン層)401,感光層(第2層,ドーピングされていない非
晶質層)402,表面保護層(第3層,非晶質シリコンカー
バイド層)403が堆積されている。夫々の堆積層を形成
させるための原料ガスの種類,流量,あるいはプラズマ
の放電強度は極端に異なるので、通常は第1層と第2層
の間及び第2層と第3層との間に於て放電を止めて完全
にガスの交換を行ったり、又は連続的にガスの種数,流
量あるいはプラズマの放電強度を徐々に変化させた変化
層を設けたり、あるいは各堆積層の堆積室を別々に設け
たりすることにより、各堆積層間に生ずる界面の影響を
低減させる努力がなされている。しかし、いずれの場合
に於ても満足のゆく特性の変化向上は認められていな
い。
上述の如く、シリコン系堆積膜の形成に於ては、解決
されるべき点は、まだまだ残っており、その実用可能な
特性,均一性を維持させながら低コストな装置で省エネ
ルギー化を図って量産化できる形成方法を開発すること
が切望されている。殊に、薄膜トランジスター,光起電
力素子,電子写真用像形成部材等の多層構成薄膜半導体
における界面特性を向上させた半導体素子の開発及びそ
の堆積膜の形成法の開発が切望されている。
〔目的〕
本発明の目的は、上述した堆積膜形成法の欠点を除去
すると同時に、従来の形成方法によらない新規な半導体
素子及び堆積膜形成法を提供するものである。
本発明の他の目的は、省エネルギー化を計ると同時に
膜品質の管理が容易で、大面積に亘って界面特性の向上
がなされた多層構成堆積膜が得られる堆積膜形成法を提
供するものである。
本発明の更に別の目的は、生産性、量産性に優れ、高
品質で電気的,光学的,半導体的等の物理特性に優れた
膜が簡便に得られる堆積膜形成法を提供することでもあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の薄膜半導体素子は、価電子制御された半導体
薄膜を有する多層構造の薄膜半導体素子であって、 前記価電子制御された半導体の少なくとも一層を基体
上に熱CVD法によって形成した第1の半導体と、 該第1の半導体上にSiH4と、F2と、を1/5〜50/1の流
量比で導入して反応室内を0.05〜10Torrにさせ化学接触
させることで励起状態の前駆体を含む複数の前駆体を化
学的に生成し、これらの前駆体の内少なくとも1つの前
駆体を堆積膜構成要素の供給源として前記基体が室温〜
700℃に保持された前記第1の半導体上に形成した第2
の半導体と、を有することを特徴とする。
又、本願の価電子制御された半導体素子を有する多層
構造の薄膜半導体を形成する形成法は、 価電子制御された半導体の少なくとも一層を基体上に
熱CVD法によって第1の半導体を形成する工程と、 該第1の半導体上にSiH4と、F2と、を1/5〜50/1の流
量比で導入して反応室内を0.05〜10Torrにさせ化学接触
させることで励起状態の前駆体を含む複数の前駆体を化
学的に生成し、これらの前駆体の内少なくとも1つの前
駆体を堆積構成要素の供給源として前記基体が室温〜70
0℃に保持された前記第1の半導体上に第2の半導体を
形成する工程と、を有することを特徴とする。
〔作用〕
上記によれば、界面特性の向上がなされた多層構成の
堆積膜が省エネルギー化と同時に大面積化,膜厚均一
性,膜品質の均一性を十分満足させて管理の簡素化と量
産化を図り、量産装置に多大な設備投資も必要とせず、
またその量産の為の管理項目も明確になり、管理許容幅
も広く装置の調整も簡単に形成される。
本発明の薄膜半導体素子の形成法に於て、使用される
堆積膜(半導体薄膜)形成用の気体状原料物質は、気体
状ハロゲン系酸化剤との接触により酸化作用をうけるも
のであり、目的とする堆積膜の種類,特性,用途等によ
って所望に従って適宜選択される。本発明に於ては、上
記の気体状原料物質及び気体状ハロゲン系酸化剤は、堆
積室内に導入されて接触をする際に気体状とされるもの
であればよく、通常の場合は、気体でも液体でも固体で
あっても差支えない。
堆積膜形成用の原料物質あるいはハロゲン系酸化剤が
液体又は固体である場合には、Ar,He,N2,H2等のキヤリ
アーガスを使用し、必要に応じては熱も加えながらバブ
リングを行なって反応空間に堆積膜形成用の原料物質及
びハロゲン系酸化剤を気体状として導入する。
この際、上記気体状原料物質及び気体状ハロゲン系酸
化剤の分圧及び混合比は、キヤリアーガスの流量あるい
は堆積膜形成用の原料物質及び気体状ハロゲン系酸化剤
の蒸気圧を調節することにより設定される。
本発明に於て使用される堆積膜形成用の原料物質とし
ては、例えば、半導体性或は電気的絶縁性のシリコン堆
積膜やゲルマニウム堆積膜等のテトラヘドラル系と堆積
膜を得るのであれば、直鎖状、及び分岐状の鎖状シラン
化合物,環状シラン化合物,鎖状ゲルマニウム化合物等
が有効なものとして挙げることが出来る。
具体的には、直鎖状シラン化合物としてはSinH
2n+2(n=1,2,3,4,5,6,7,8)、分岐状鎖状シラン化合
物としては、SiH3SiH(SiH3)SiH2SiH3,環状シラン化合
物としてはSinH2n(n=3,4,5,6)、鎖状ゲルマン化合
物としては、GemH2m+(m=1,2,3,4,5)等が挙げられ
る。この他、例えばスズの堆積膜を作成するのであれば
SnH4等の水素化スズを有効な原料物質として挙げること
が出来る。
勿論、これ等の原料物質は1種のみならず2種以上混
合して使用することもでき、又、熱CVDによる堆積膜を
形成する場合の原料ガスとしても使用できる。
本発明に於いて使用されるハロゲン系酸化剤は、反応
空間内に導入される際気体状とされ、同時に反応空間内
に導入される堆積膜形成用の気体状原料物質に接触する
だけで効果的に酸化作用をする性質を有するもので、
F2,Cl2,Br2,I2等のハロゲンガス、発生期状態の弗素,
塩素,臭素等が有効なものとして挙げることが出来る。
これ等のハロゲン系酸化剤は気体状で、前記の堆積膜
形成用の原料物質の気体と共に所望の流量と供給圧を与
えられて反応空間内に導入されて前記原料物質と混合衝
突することで化学的接触をし、前記原料物質に酸化作用
をして励起状態の前駆体を含む複数種の前駆体を効率的
に生成する。生成される励起状態の前駆体及び他の前駆
体は、少なくともそのいずれか1つが形成される堆積膜
の構成要素の供給源として働く。
生成される前駆体は分解して又は反応して別の励起状
態の前駆体又は別の励起状態にある前駆体になって、或
いは必要に応じてエネルギーを放出はするがそのままの
形態で成膜空間に配設された基体表面に触れることで基
体表面温度が比較的低い場合には三次元ネツトワーク構
造の堆積膜が基体表面温度が高い場合には結晶室の堆積
膜が作成される。
本発明に於ては、堆積膜形成プロセスが円滑に進行
し、高品質で所望の物理特性を有する膜が形成される可
く、成膜因子としての、原料物質及びハロゲン系酸化剤
の種類と組み合せ、これ等の混合比、混合時の圧力,流
量,成膜空間内圧,ガスの流型,成膜温度(基体温度及
び雰囲気温度)が所望に応じて適宜選択される。これ等
の成膜因子は有機的に関連し、単独で決定されるもので
はなく相互関連の下に夫々に応じて決定される。本発明
に於て、反応空間に導入される堆積膜形成用の気体状原
料物質と気体状ハロゲン系酸化剤との量の割合は、上記
成膜因子の中、関連する成膜因子との関係に於て適宜所
望に従って決められるが、導入流量比で、好ましくは、
1/20〜100/1が適当であり、より好しくは1/5〜50/1とさ
れるのが望ましい。
反応空間に導入される際の混合時の圧力としては前記
気体状原料物質と前記気体状ハロゲン系酸化剤との接触
を確率的により高める為には、より高い方が良いが、反
応性を考慮して適宜所望に応じて最適値を決定するのが
良い。前記混合時の圧力としては、上記の様にして決め
られるが、夫々の導入時の圧力として、好ましくは1×
10-7気圧〜5気圧、より好ましくは1×10-6気圧〜2気
圧とされるのが望ましい。
成膜空間内の圧力、即ち、その表面に成膜される基体
が配設されている空間内の圧力は、反応空間に於て生成
される励起状態の前駆体(E)及び場合によって該前駆
体(E)より派生的に生ずる前駆体(D)が成膜に効果
的に寄与する様に適宜所望に応じて設定される。
成膜空間の内圧力は、成膜空間が反応空間と開放的に
連続している場合には、堆積膜形成用の気体状原料物質
と気体状ハロゲン系酸化剤との反応空間での導入圧及び
流量との関連に於て、例えば作動排気或は、大型の排気
装置の使用等の工夫を加えて調整することが出来る。
或は、反応空間と成膜空間の連結部のコンダクタンス
が小さい場合には、成膜空間に適当な排気装置を設け、
該装置の排気量を制御することで成膜空間の圧力を調整
することが出来る。
又、反応空間と成膜空間が一体的になっていて、反応
位置と成膜位置が空間的に異なるだけの場合には、前述
の様に差動排気するか或は、排気能力の充分ある大型の
排気装置を設けてやれば良い。
上記のようにして成膜空間内の圧力は、反応空間に導
入される気体状原料物質と気体状ハロゲン酸化剤の導入
圧力との関係に於て決められるが、好ましくは0.001Tor
r〜100Torr,より好ましくは0.01Torr〜30Torr,最適には
0.05〜10Torrとされるのが望ましい。
ガスの流型に就いては、反応空間への前記堆積膜形成
用の原料物質及びハロゲン系酸化剤の導入の際にこれ等
が均一に効率良く混合され、前記前駆体(E)が効率的
に生成され且つ成膜が支障なく適切になされる様に、ガ
ス導入口と基体とガス排気口との幾何学的配置を考慮し
て設計される必要がある。この幾何学的な配置の好適な
例の1つが第1図に示される。
成膜時の基体温度(Ts)としては、使用されるガス種
及び形成される堆積膜の種数と要求される特性に応じ
て、個々に適宜所望に従って設定されるが、非晶質の膜
を得る場合には好ましくは室温から450℃、より好まし
くは50〜400℃とされるのが望ましい。異に半導体性や
光導電性等の特性がより良好なシリコン堆積膜を形成す
る場合には、基体温度(Ts)は70〜350℃とされるのが
望ましい。また、多結晶の膜を得る場合には、好ましく
は200〜700℃、より好ましくは300〜600℃とされるのが
望ましい。
成膜空間の雰囲気温度(Tat)としては、生成される
前記前駆体(E)及び前記前駆体(D)が成膜に不適当
な化学種に変化せず、且つ効率良く前記前駆体(E)が
生成される様に基体温度(Ts)との関連で適宜所望に応
じて決められる。
第5図に示すものは従来の熱CVD法による、価電子制
御剤によりドーピングされた半導体特性を有する堆積膜
形成装置の概略構成図である。
堆積膜の形成は堆積室501の内部で行なわれる。
堆積室501の内部に置かれる503は支持体の配置される
支持台である。
504は支持体加熱用のヒーターであり、導線505によっ
て該ヒーター504に給電される。堆積室501内に原料ガ
ス、価電子制御剤となる不純物元素を成分とする化合物
のガス、及び必要に応じて使用されるキヤリアーガス等
のガスを導入するためのガス導入管内が堆積室501に連
結されている。このガス導入管517の他端は堆積膜形成
用原料ガス及び必要に応じて使用されるキヤリアーガス
等のガスを供給するためのガス供給源509,510,511,512
に連結されている。ガス供給源509〜512から堆積室501
に向って流出する各々のガスの流量を計測するため、対
応するフローメータ515−1〜514−4が対応する分岐し
たガス導入管517−1〜517−4の途中に設けられる。各
々のフローメータの前後にはバルブ51−1〜514−4,516
−1〜516−4が設けられ、これらのバルブを調節する
ことにより、所定の流量のガスを供給しうる。513−1
〜513−4は圧力メータであり、対応するフローメータ
の高圧側の圧力を計測するためのものである。
フローメータを通過した各々のガスは混合されて、不
図示の排気装置によって減圧下にある堆積室501内へ導
入される。なお、圧力メータ518は混合ガスの場合には
その総圧が計測される。
堆積室501内を減圧にしたり、導入されたガスを排気
するために、ガス供給管520が堆積室501に連結されてい
る。ガス排気管の他端は不図示の排気装置に連結され
る。
本発明に於いて、ガス供給源509〜512の個数は適宜、
増減されうるものである。
つまり、単一の原料ガスを使用する場合にはガス供給
源は1つで足りる。しかしながら、2種の原料ガスを混
合して使用する場合、単一の原料ガス(接触ガスあるい
はキヤリアーガス等)を混合する場合には2つ以上必要
である。
なお、原料の中には常温で気体にならず、液体のまま
のものもあるので、液体原料を用いる場合には、不図示
の気化装置が設置される。気化装置には加熱沸騰を利用
するもの、液体原料中にキヤリアーガスを通過させるも
の等がある。気化によって得られた原料ガスはフローメ
ータを通って堆積室501内に導入される。
521は必要に応じて原料ガス等を外部より加熱するた
めに設けられた加熱装置で、通常赤外線ランプ、ニクロ
ムヒーター、シリコンユニツト等の電熱発熱体等が用い
られる。
こうした装置を用いて、例えば価電子制御剤によりド
ーピングされた堆積膜を形成する場合、適当な基体502
を支持台503上に設置し、排気装置(図示せず)を用い
て排気管を介して成膜室501内を排気し、減圧する。
次いで基体を250℃〜350℃に加熱し、必要に応じて赤
外線ランプ等521を点灯させ、ガス供給用ボンベよりSi3
H8,N2O,N2等の原料ガス及び価電子制御剤となるB2H6,PH
3等の原料ガス導入管517を介して成膜室501内に導入
し、成膜室内の圧力を所定圧力に保ちつつ、基体502上
にA−Si:H:O:B膜を形成する。
本発明に於て価電子制御剤によってドーピングされた
堆積膜と、価電子制御剤によりドーピングされない半導
体特性を有する堆積膜との堆積膜形成法は本質的に異な
るものではあるが同一の堆積膜形成装置内に両者の堆積
膜形成手段を配設することができる。この場合にはいず
れか一方の堆積膜形成手段を用いている場合には、他方
の堆積膜形成手段は中止させておく。
又、前記両者の堆積膜形成手段をゲートバルブ等を隔
てて隣接させて、連続的に堆積膜の形成を行なうことも
出来る。
本発明に於て使用される価電子制御剤としては、シリ
コン系半導体膜及びゲルマニウム系半導体膜の場合に
は、p型の価電子制御剤、所謂p型不純物として働く周
期率表第III族Aの元素、例えばB,Al,Ga,In,Tl等を含む
化合物、及びn型の価電子制御剤、所謂n型不純物とし
て働く周期率表第V族Aの元素、例えばN,P,As,Sb,Bi等
を含む化合物を挙げることが出来る。
具体的には、NH3,HN3,N2H5N3,N2H4,NH4N3,PH3,P2H4,A
sH3,SbH3,BiH3,B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12,Al
(CH33,Al(C2H53,Ga(CH33,In(CH3等を有
効なものとして挙げることが出来る。
本発明に於いて使用される基体としては、形成される
堆積膜の用途に応じて適宜所望に応じて選択されるもの
であれば導電性でも電気絶縁性であっても良い。導電性
基体としては、例えば、NiCr、ステンレス、Al、Cr、M
o、Au、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pd等の金属又はこれ
等の合金が挙げられる。
電気絶縁性基体としては、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、セルローズアセテート、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシー
ト、ガラス、ゼラミツク等が通常使用される。これらの
電気絶縁性基体は、好適には少なくともその一方の表面
が導電処理され、該導電処理された表面側に他の層が設
けられるのが望ましい。
例えばガラスであければ、その表面がNiCr、Al、Cr、
Mo、Au、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pd、In2O3、SnO2、I
TO(In2O3+SnO2)等の薄膜を設ける事によって導電処
理され、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フイ
ルムであれば、NiCr、Al、Ag、Pb、Zn、Ni、Au、Cr、M
o、Ir、Nb、Ta、V、Ti、Pt等の金属で真空蒸着、電子
ビーム蒸着、スパツタリング等で処理し、又は前記金属
でラミネート処理して、その表面が導電処理される。支
持体の形状としては、円筒状、ベルト状、板状等、任意
の形状とし得、所望によって、その形状が決定される。
基体は、基体と膜との密着性及び反応性を考慮して上
記の中より選ぶのが好ましい。更に両者の熱膨張の差が
大きいと膜中に多量の歪が生じ、良品質の膜が得られな
い場合があるので、両者の熱膨張の差が近接している基
体を選択して使用するのが好ましい。
又、基体の表面状態は、膜の構造(配向)や錐状組織
の発生に直接関係するので、所望の特性が得られる様な
膜構造と膜組織となる様に基体の表面を処理するのが望
ましい。
第1図は本発明の堆積膜形成法を具現するに好適な装
置の1例を示すものである。
第1図に示す堆積膜形成装置は、装置本体、排気系及
びガス供給系の3つに大別される。
装置本体には、ガス導入用と配管及び外部加熱装置が
設けられている。
101〜108は夫々、成膜する際に使用されるがガスが充
填されているボンベ、101a〜108aは夫々ガス供給ポイ
プ、101b〜108bは夫々各ボンベからのガスの流量調整用
のマスフロコントローラー、101c〜108cはそれぞれガス
圧力計、101d〜108d及び101e〜108eは夫々バルブ、101f
〜108fは夫々対応するガスボンベ内の圧力を示す圧力計
である。
120は真空チヤンバーであって、上部にガス導入用の
配管が設けられ、配管の下流に反応空間が形成される構
造を有し、且つ該配管のガス排出口に対向して、基体11
8が設置される様に基体ホールダー112が設けられた成膜
空間が形成される構造を有する。ガス導入用の配管は、
三重同心円配置構造となっており、中よりガスボンベ10
1,102よりのガスが導入される第1のガス導入管109、ガ
スボンベ103〜105よりのガスが導入される第2のガス導
入管110及びガスボンベ106〜108よりのガスが導入され
る第3のガス導入管111を有する。
各ガス導入管の反応空間へのガス排出には、その位置
が内側の管になる程基体の表面位置より遠い位置に配さ
れる設計とされている。即ち、外側の管になる程その内
側にある管を包囲する様に夫々のガス導入管が配設され
ている。
各導入管への各ボンベからのガスの供給は、ガス供給
パイプライン123〜125によって夫々なされる。
各ガス導入管、各ガス供給パイプライン及び真空チヤ
ンバー120はメイン真空バルブ119を介して不図示の真空
排気装置により真空排気される。
基体118は基体ホルダー112を上下に移動させることに
よって各ガス導入管の位置より適宜所望の距離に設置さ
れる。
本発明の場合、この基体とガス導入管のガス排出口の
距離は、形成される堆積膜の種類及びその所望される特
性、ガス流量、真空チヤンバーの内圧等を考慮して適切
な状態になる様に決められるが、好ましくは、数mm〜20
cm、より好ましくは5mm〜15cm程度とされるのが望まし
い。
113は、基体118を成膜時に適当な温度に加熱したり、
或は、成膜前に基体118を予備加熱したり、更には、成
膜後、膜をアニールする為に加熱する基体加熱ヒーター
である。
基体加熱ヒーター113は、導線114により電源115によ
り電力が供給される。
116は、基体温度(Ts)の温度を測定する為の熱電対
で温度表示装置117に電気的に接続されている。
126は外部から原料ガス等の加熱用に設けられた赤外
線ランプであり、電源127に接続されている。
以下、実施例に従って、本発明を具体的に説明する。
参考例1 第1図に示した堆積膜形成装置を使って、第2図に示
す薄膜トランジスター(以下「TFT」という)を作製し
た。
前記TFTは、コーニング社製7059ガラス234,非晶質シ
リコン層(第1層、厚さ7000Å)233,リンを高濃度にド
ープした非晶質シリコン層(第2層、厚さ500Å)232,
酸化シリコン層(第3層、厚さ1000Å)231,Al電極228,
229,230から構成されている。
本実験においては、リンを高濃度にドーピングした非
晶質シリコン層232の堆積にあたってはボンベ102に充填
されているSi3H8ガスを流量15sccmで、ガス導入管109よ
り、ボンベ103に充填されているPH3/Heガス(PH3濃度10
00ppm)を流量3sccmでガス導入管110より、ボンベ107に
充填されているHeガスを流量30sccmで、ガス導入管111
より導入し、基体温度を300℃に保ちつつ、外部より赤
外線ランプ126を400℃に加熱し、リンを高濃度にドーピ
ングした非晶質シリコン層を形成させた。
非晶質シリコン層233及び酸化シリコン層231は堆積膜
形成用の気体状原料物質と、該原料物質に酸化作用する
性質を有する気体状ハロゲン系酸化剤とを真空チヤンバ
ー120内で混合反応させることにより堆積させた。
非晶質シリコン層233は、ボンベ101に充填されている
SiH4ガスを流量20sccmでガス導入管109より、ボンベ104
に充填されているF2ガスを流量10sccm,ボンベ107に充填
されているHeガスを流量100sccmでガス導入管111より真
空チヤンバー120内に導入した。
このとき、真空チヤンバー120内の圧力を真空バルブ1
19の開閉度を調整して0.7Toorにした。ガス導入口111と
基体との距離は3cmに設定した。SiH4ガスとF2ガスの混
合域で青白い発光が強くみられた。
酸化シリコン層231は、ボンベ101に充填されているSi
H4ガスを流量10Sccmでガス導入管109より、ボンベ106に
充填されているN2Oガスを流量3sccm,ボンベ107に充填さ
れているHeガスを流量20sccmでガス導入管111より真空
チヤンバー102内に導入した。
このとき、真空チヤンバー120内の圧力を真空バルブ1
19の開閉度を調整して0.3Torrにした。
全層の形成にあたって基板温度は300℃に設定した。
本参考例によって作製したTFTは従来品より14%程度
改善されたon,off比を示した。
実施例1 第1図に示した堆積膜形成装置を用い、本発明の堆積
膜形成法に従って第3図に示す太陽電池を作製した。
前記太陽電池は透明電極を蒸着したコーニング7059ガ
ラス300,P型の非晶質シリコン層(第1層,厚さ500Å)
301,i型の非晶質シリコン層(第2層,厚さ1μm)30
2,n型の非晶質シリコン層(第3層,厚さ500Å)303,Al
電極304から構成されている。
第1層301は参考例1で行ったと同じ熱CVDにより、続
いて第2層,第3層は実施例1と同じ、堆積膜形成用の
気体状原料物質と該原料物質に酸化作用する性質を有す
る気体状ハロゲン系酸化剤とを真空チヤンバー120内で
混合反応させることにより堆積させた。
本実施例による成膜条件を第1表に示した。
こうして得られた太陽電池は従来品より13%向上した
交換効率を示した。
実施例2 第1図に示した堆積膜形成装置を用い、本発明の堆積
膜形成法に従って、第4図に示す電子写真用像形成部材
を作製した。
第4図に示す前記電子写真用像形成部材はAl製基体40
0、電荷注入防止層(第1層,Bをドーピングした非晶質
シリコン層0.5μm)401、感光層(第2層,非晶質シリ
コン層18μm)402、表面保護層(第3層,非晶質シリ
コンカーバイド層0.1μm)403から構成されている。
参考例1で示した方法により、第2表に示す成膜条件
によって電子写真用像形成部材を作製した。
本実施例によって得られた電子写真用像形成部材は、
従来品よりも25%以上向上した帯電特性を示し、画像欠
陥の数も10%程度減少した。
〔効果〕 以上の詳細な説明及び各実施例より、本発明の堆積膜
形成法によれば、界面特性の向上がなされた多層構成堆
積膜が省エネルギー化を計ると同時に膜品質の管理が容
易で大面積に亘って均一物理特性の堆積膜が得られる。
又、生産性、量産性に優れ、高品質で電気的、光学的、
半導体的等の物理特性に優れた多層構成膜を簡便に得る
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に用いた成膜装置の模式的概略
図である。第2図は本発明の参考例に用いた薄膜トラン
ジスターの層構成の模式的概略図である。第3図は本発
明の実施例に用いた太陽電池の層構成の模式的概略図で
ある。第4図は本発明の実施例に用いた電子写真用像形
成部材の層構成の模式的概略図である。第5図は一般的
なプラズマCVD法で用いられる堆積膜形成装置の模式的
概略図である。 101〜108……ガスボンベ、 101a〜108a……ガスの導入管、 101b〜108b……マスフロメーター、 101c〜108c……ガス圧力計、 101d〜108d及び101e〜108e……バルブ、 101f〜108f……圧力計、 109,110,111……ガス導入管、 112……基体ホルダー、 113……基体加熱用ヒーター、 116……基体温度モニター用熱電対、 118……基体、 119……真空排気バルブ、 120……真空チヤンバー、 123〜125……ガス供給用パイプ、 228……Al電極(ソース)、 229……Al電極(ゲート)、 230……Al電極(ドレイン)、 231……絶縁層、 232……n型半導体層、 233……i型半導体層、 234……ガラス基板、 300……透明電極をコーテイングしたガラス基板、 301……p型半導体層、 302……感光層、 303……n型半導体層、 304……Al電極、 400……Al基板、 401……電荷注入阻止層、 402……感光層、 403……表面保護層、 501……堆積室、 502……支持体、 503……支持台、 504……ヒーター、 505……導線、 506−1,506−2,506−3……ガスの流れ、 509〜512……ガス供給源、 513−1〜513−4,518……圧力メーター、 514−1〜514−4,516−1〜516−4,521……バルブ、 515−1〜515−4……フローメーター、 517−1〜517−4……ガス導入管、 520……ガス排気管、 521……外部加熱装置。 を夫々表わしている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−165728(JP,A) 特開 昭60−244022(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】価電子制御された半導体薄膜を有する多層
    構造の薄膜半導体素子であって、 前記価電子制御された半導体の少なくとも一層を基体上
    に熱CVD法によって形成した第1の半導体と、 該第1の半導体上にSiH4と、F2と、を1/5〜50/1の流量
    比で導入して反応室内を0.05〜10Torrにさせ化学接触さ
    せることで励起状態の前駆体を含む複数の前駆体を化学
    的に生成し、これらの前駆体の内少なくとも1つの前駆
    体を堆積膜構成要素の供給源として前記基体が室温〜70
    0℃に保持された前記第1の半導体上に形成した第2の
    半導体と、を有することを特徴とする薄膜半導体素子。
  2. 【請求項2】価電子制御された半導体薄膜を有する多層
    構造の薄膜半導体を形成する形成法であって、 前記価電子制御された半導体の少なくとも一層を基体上
    に熱CVD法によって第1の半導体を形成する工程と、 該第1の半導体上にSiH4と、F2と、を1/5〜50/1の流量
    比で導入して反応室内を0.05〜10Torrにさせ化学接触さ
    せることで励起状態の前駆体を含む複数の前駆体を化学
    的に生成し、これらの前駆体の内少なくとも1つの前駆
    体を堆積膜構成要素の供給源として前記基体が室温〜70
    0℃に保持された前記第1の半導体上に第2の半導体を
    形成する工程と、を有することを特徴とする薄膜半導体
    素子の形成法。
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