JPH088043A - 均熱装置 - Google Patents

均熱装置

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JPH088043A
JPH088043A JP16601394A JP16601394A JPH088043A JP H088043 A JPH088043 A JP H088043A JP 16601394 A JP16601394 A JP 16601394A JP 16601394 A JP16601394 A JP 16601394A JP H088043 A JPH088043 A JP H088043A
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far
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infrared radiation
heating element
radiation plate
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JP16601394A
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English (en)
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Seiju Maejima
正受 前嶋
Kuniyuki Nakayama
邦之 中山
Koichi Saruwatari
光一 猿渡
Yukihiko Kurosawa
幸彦 黒沢
Takeshi Saito
健 斎藤
Shuichi Matsumoto
秀一 松本
Noriyasu Baba
規泰 馬場
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍食品の解凍装置あるいは押花を製造する
ための装置などとして、対象物を100℃以下の低温の
温度域に、一定の温度で均一に加熱することができる均
熱装置を提供する。 【構成】 アルミニウム合金からなる基板の少なくとも
表側の面に灰色ないし黒色を呈する厚さ5〜50μmの
陽極酸化皮膜が形成されて、遠赤外線放射板が構成さ
れ、かつその遠赤外線放射板の裏面側に、正の抵抗温度
係数を有する抵抗発熱体を備えた自己制御型温度ヒータ
が設けられた構成とした。また、特に自己制御型温度ヒ
ータの発熱体を、導電性カーボン粒子を架橋ポリマー中
に分散させた抵抗発熱体で構成した。冷凍食品の解凍装
置のほか、押花製造装置としても用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷凍食品の解凍や押
花の作成などのために各種物品を100℃以下の低温領
域で加熱、加温するための均熱装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】魚類や肉などの冷凍食品の解凍方法とし
ては従来から種々の方法が知られている。そのうちでも
自然解凍は比較的魚肉等の風味を劣化させるおそれは少
ないものの、解凍完了までに著しい長時間を要する。そ
こで大型の冷凍魚類を大量に扱う魚市場などでは、水や
温水、熱水を直接冷凍魚類にかけて解凍することが行な
われているが、この場合でも大型のマグロなどでは解凍
に1時間前後の長時間を要し、また魚肉の風味を損なっ
てしまうことが多いという欠点がある。
【0003】一方最近では熱伝導性が良好でかつ食品衛
生上も問題の少ないアルミニウム厚板を用いた解凍板が
実用化されている。この解凍板は、その上に冷凍魚等を
載置しておくだけで冷凍魚等から熱を奪い取り、これに
よって解凍させるものであり、比較的短時間で解凍する
ことができるとされている。しかしながらこのようなア
ルミニウム厚板からなる解凍板では、その熱容量を大き
くして長時間にわたって冷凍食品から熱を奪い取るべ
く、板厚を少なくとも5cm以上とする必要があり、そ
のため重量が大きく、取扱い等に支障を来たす問題があ
るほか、大型の冷凍食品では充分には解凍時間が短縮さ
れず、また周囲の温度の影響を受け、周囲の温度が低い
場合には解凍が充分に進行しない問題も生じる。
【0004】一方、アルミニウム板の代りにセラミック
板を用い、セラミックの遠赤外線放射機能を利用した解
凍板も実用化されている。しかしながらセラミック板を
用いた解凍板もその重量が大きく、また解凍時間の短縮
には必ずしも充分ではなく、さらに周囲の温度が低い場
合に解凍が容易に進行しない問題がある。
【0005】また前述のようなアルミニウム板やセラミ
ック板における解凍面に対し反対側の面に接するように
温水を保持する構成として、その温水の保有熱を冷凍食
品に伝達させて解凍するいわゆる“湯たんぽ”方式の解
凍装置も実用化されているが、このような湯たんぽ方式
の解凍装置では、温水の注入や排出の手間を要し、取扱
いが不便であるばかりでなく、熱容量が小さいため温水
の温度が次第に低下し、それに伴なって解凍の進行が遅
くなってしまう問題がある。
【0006】そこで最近では、遠赤外線放射機能を有す
るセラミック板とニクロム線ヒータ等の電気ヒータとを
組合せた解凍装置が提案されている。具体的には、セラ
ミック板における一方の板面にニクロム線等の電気ヒー
タを配設して、セラミック板をその電気ヒータにより加
熱するように構成し、他方の板面を解凍面として冷凍食
品をその解凍面上に載置するようにしたものである。こ
のような解凍装置によれば、電気ヒータにより適切な温
度に維持されたセラミック板から放射する遠赤外線によ
って、食品の風味、食感を損なうことなく短時間で解凍
することが可能とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように遠赤外線
放射機能を有するセラミック板と電気ヒータを組合せた
従来の解凍装置においては、サーモスタット等の温度セ
ンサを設けておいて、電気ヒータに流す電流をオンオフ
制御することによってセラミック板の温度を一定に保と
うとする構成が一般的である。しかしながらこのように
温度センサを用いて電気ヒータをオンオフ制御する解凍
装置では、セラミック板の温度の変動幅が大きく、通常
は±5℃程度も変動し、そのため最適な解凍温度に維持
することができず、食品の風味を損なったり、また解凍
時間が変動したりしてしまう問題がある。またセラミッ
ク板は一般に熱伝導率が低く、一方ニクロム線等の線状
の電気ヒータでは局部的に加熱されてしまうことが多
く、その場合セラミック板の温度分布が不均一となり、
そのための解凍も均一に行なわれにくくなるという問題
もある。さらにセラミック板は加工が困難なため、その
形状の自由度が少ないという問題もある。
【0008】また前述のような遠赤外線放射機能を有す
るセラミック板と電気ヒータとを組合せた従来の解凍装
置の欠点のうち、温度変動の問題を解決するため、オン
オフ制御を比例制御方式に変えることも考えられるが、
この場合は大幅なコスト上昇を招く新たな問題が発生
し、また前記の問題以外は解決され得ない。
【0009】一方、冷凍食品の解凍以外の目的でも、各
種物品を100℃以下の低温領域で一定温度に加温、加
熱することが望まれる場合があり、その一つとしては、
例えば生花を挟んで押圧しながら低温域で加温しつつ生
花中の水分を除去して、押花を作ることがあるが、この
ような押花の作成に適した均熱装置は従来存在していな
かった。すなわち、押花の作成にあたっては、変色の発
生を防止するためには40℃以下の低温域で加温するこ
とが望ましいが、このような低温域で安定して均一に加
温するための装置は従来は実用化されていなかった。
【0010】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、冷凍食品の解凍、あるいは押花の作成などの
ために、各種の物品を100℃以下の低温域の一定の温
度に均一に加温、加熱することができ、かつ形状の自由
度も大きい均熱装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、請求項1の発明の均熱装置は、アルミニウム
合金からなる基材の少なくとも表側の面に灰色ないし黒
色を呈する厚さ5〜50μmの陽極酸化皮膜が形成され
て、遠赤外線放射板が構成され、かつその遠赤外線放射
板の裏面側に、正の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体を
備えた自己制御型温度ヒータが設けられた構成としてい
る。
【0012】また請求項2の発明の均熱装置は、請求項
1に記載の均熱装置において、前記基板のアルミニウム
合金が、Mnを0.3〜4.3wt%含有し、残部が実
質的にAlよりなる構成とされているものである。
【0013】さらに請求項3の発明の均熱装置は、請求
項1に記載の均熱装置において、前記基板のアルミニウ
ム合金が、Siを1〜25wt%含有し、残部が実質的
にAlよりなる構成とされているものである。
【0014】そしてまた請求項4の発明の均熱装置は、
請求項1に記載の均熱装置において、前記自己制御型温
度ヒータの発熱体が、導電性カーボン粒子を架橋ポリマ
ー中に分散させた抵抗発熱体で構成されているものであ
る。
【0015】一方請求項5の発明の均熱装置は、請求項
1に記載の均熱装置において、前記遠赤外線放射板の表
側の面に冷凍食品を載置して、その冷凍食品を解凍する
ための解凍装置とされたものである。
【0016】また請求項6の発明の均熱装置は、請求項
1に記載の均熱装置において、前記遠赤外線放射板の表
側の面に生花を押付けて、その生花を押花とするための
押花製造装置とされたものである。
【0017】
【作用】この発明の均熱装置を、例えば冷凍食品の解凍
装置として使用するにあたっては、解凍すべき冷凍食品
を遠赤外線放射板の表側の面(陽極酸化皮膜が形成され
ている側の面)に載置するとともに、自己制御型温度ヒ
ータの抵抗発熱体に電流を流す。これによって抵抗発熱
体が発熱し、遠赤外線放射板が加熱される。遠赤外線放
射板は、アルミニウム合金からなる基材の少なくとも表
側の面に陽極酸化皮膜を形成したものであり、この陽極
酸化皮膜はセラミックの一種であるアルミナ(Al2
3 )からなりしかも灰色〜黒色を呈しているため、遠赤
外線を放射する。そして遠赤外線放射板の熱が直接冷凍
食品に伝達されると同時に、その遠赤外線放射板から発
生する遠赤外線が冷凍食品に吸収されて、冷凍食品の解
凍が進行する。
【0018】ここで、自己制御型温度ヒータの抵抗発熱
体は正の抵抗温度係数を有するため、温度が高くなれば
それに伴なって抵抗発熱体の電気抵抗が大きくなり、そ
のため抵抗発熱体の両端に加えられる電圧が一定であれ
ば抵抗発熱体を流れる電流が減少し、これによって抵抗
発熱体の発熱量も減少することになる。したがってある
一定の温度でバランスが保たれて、その一定温度に抵抗
発熱体の温度が維持され、遠赤外線放射板も一定の温度
に加熱・維持されることになる。なお抵抗発熱体の抵抗
温度係数は、周囲温度(解凍装置の場合には冷凍食品に
よって与えられる温度)に、抵抗発熱体自身の発熱によ
る温度上昇分を加えた温度に対しての抵抗の係数である
から、正の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体からなる自
己制御型温度ヒータは、周囲温度の高低にかかわらず一
定の温度に自己制御されることになる。すなわち、例え
ば解凍開始初期の如く周囲温度が低い場合には大きな発
熱量が生じて急速に温度上昇し、一方解凍後期の如く周
囲温度が高くなった場合には発熱量が少なくなるから、
周囲温度(特に解凍装置の場合の冷凍食品の温度)の如
何にかかわらず、一定の温度に維持することができるの
である。なおこの一定の保持温度は、抵抗発熱体の構成
材料の種類や構成材料の配合比等によって変えることが
できる。
【0019】前述のようにして自己制御型温度ヒータが
一定の温度で発熱し、これによって遠赤外線放射板が一
定の温度に加熱されるとともに、一定量の遠赤外線を放
射する。そして解凍装置として用いた場合、前述のよう
に遠赤外線が冷凍食品に吸収されて、解凍が進行するこ
とになる。このような冷凍食品の解凍の場合、加熱温度
は常温(10〜40℃程度)が適当である。そしてまた
遠赤外線による冷凍食品の解凍時には、先ず食品周囲の
氷が解凍され、続いて食品内部が解凍されるが、食品内
部の解凍時においては遠赤外線が食品の蛋白質等の成分
に作用して、その食品成分を変質させることなく、自然
解凍に近い状態で解凍することができる。また押花製造
装置として用いる場合、遠赤外線放射板上に生花を押付
け、前記同様に自己制御型温度ヒータの抵抗発熱体に電
流を流して発熱させ、遠赤外線放射板の熱を生花に与え
ると同時に、遠赤外線放射板からの遠赤外線を生花に加
えることにより、押花を得ることができる。この場合の
加熱温度としては、変色を避けるために40℃以下が適
切であるが、既に述べたようにこの発明の均熱装置で
は、40℃以下の低温領域でも安定して均一に加熱する
ことができる。
【0020】ここで、自己制御型温度ヒータに用いる抵
抗発熱体としては、架橋ポリマー、例えばポリオレフィ
ン、フッ素樹脂等に導電性カーボン粉末粒子を混和した
ものを用いることが適切である。このような抵抗発熱体
においては、発熱体自身の温度変化によってポリマーが
熱膨張、熱収縮を繰返す。そしてポリマーの膨張・収縮
によって各導電性カーボン粒子の中心間距離が変化し、
これにより隣り合う導電性カーボン粒子同士の接触面積
が変化して、抵抗発熱体全体としての電気抵抗が変化す
る。具体的には、抵抗発熱体全体に電流が流れてジュー
ル発熱し、その抵抗発熱体の温度が上昇してポリマーが
熱膨張すれば、それに伴なって導電性カーボン粒子の中
心間距離が増大し、その結果隣り合う導電性カーボン粒
子同士の接触面積が小さくなり、抵抗発熱体全体として
の電気抵抗が大きくなり、電流が減少して発熱量が減少
することになる。またこの抵抗発熱体の抵抗値には周囲
温度も影響を与える。したがってこのような自己制御型
温度ヒータを用いれば、既に述べたように周囲温度の高
低にかかわらず一定の温度に維持される。この場合の温
度の変動は構成材料によっても若干異なるが、通常は±
1℃の範囲内であり、したがって従来の一般的なニクロ
ム線ヒータを用いた温度センサによる制御方式の場合の
±5℃程度の温度差と比較して、格段に温度の変動が少
ない。また抵抗発熱体の内部の抵抗変化によって温度が
一定に維持されるところから、場所による温度のばらつ
きも少なく、±1℃以内の均一な温度分布が得られる。
【0021】一方遠赤外線放射板は、前述のようにアル
ミニウム合金を基板とし、灰色〜黒色を呈する陽極酸化
皮膜を形成したものである。このようにアルミニウム合
金基板表面に形成した灰色〜黒色の陽極酸化皮膜(Al
2 3 皮膜)は遠赤外線放射効率が高い。特に基材のア
ルミニウム合金として、請求項2で規定したようなMn
0.3〜4.3wt%を含有するAl−Mn系合金や請
求項3で規定したようなSiを1〜25%含有するAl
−Si系合金を用いた場合には、遠赤外線放射特性が著
しく優れる。
【0022】すなわち、前述のAl−Mn系合金の場
合、Al−Mn系金属間化合物が微細に析出しており、
この微細な金属間化合物粒子は陽極酸化処理後も陽極酸
化皮膜中に分散した状態で残り、また請求項3で規定し
たようなSiを1〜25wt%含有するAl−Si系合
金の場合、Si含有量や熱処理条件に応じて初晶Si、
共晶Siあるいは析出Siとして金属Si粒子が合金中
に分散しており、このような金属Si粒子も陽極酸化処
理後の陽極酸化皮膜中に分散した状態で残る。そしてこ
れらの陽極酸化皮膜中の金属間化合物粒子や金属Si粒
子などの分散粒子によって入射光が散乱・吸収されて遠
赤外線放射特性が向上し、また陽極酸化処理時において
多孔質な陽極酸化皮膜が成長する過程で、ポアが枝分か
れした構造となり、このような枝分かれポア構造によっ
て入射光に対する陽極酸化皮膜内での散乱吸収が助長さ
れ、遠赤外線放射特性が一層向上する。そのため特に1
00℃以下の低温度域でも優れた遠赤外線放射特性を示
す。例えば、25μm厚の陽極酸化皮膜を形成したA1
050,A5052等の通常の純アルミニウム系のアル
ミニウム板を用い、その陽極酸化皮膜を有機塗料で染色
した従来の遠赤外線放射板の場合、20〜30℃程度の
温度域における遠赤外線放射率が70〜75%であるの
に対し、Al6 Mnが分散したAl−2%Mn合金に2
5μm厚の陽極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射板の場
合は、20〜30℃の温度域で90%もの遠赤外線放射
率を示し、また波長依存性についても前者では8μm以
下の短波長域で放射率が低くかつ不安定であるのに対
し、後者は8μm以下の波長域でも安定して高レベルの
放射率を示す。そしてまた前述のようなAl−Mn系合
金やAl−Si系合金を基材として用いた場合、陽極酸
化皮膜中に分散して存在する金属間化合物粒子や金属S
i粒子は応力の緩和点としても機能し、また前述のよう
なポアの枝分かれ構造は歪の吸収能力が高く、そのため
クラックが生じにくいとともに仮にクラックが発生して
もその伝播が阻止され、耐ヒートクラック性が良好とな
る。
【0023】また遠赤外線放射板の基材部分は熱伝導率
が高いアルミニウム合金で構成されているため、自己制
御型温度ヒータによって加えられる熱を板内全体に均一
に伝達し、そのため遠赤外線放射板の板内の温度が均一
となるとともに、表面の遠赤外線放射用の陽極酸化皮膜
から放射される遠赤外線放射量も均一となり、冷凍食品
等の加熱対象物を均一に加熱することができる。
【0024】ここで、陽極酸化皮膜の厚みが5μm未満
では、充分な遠赤外線放射特性が得られず、一方50μ
mを越えれば、陽極酸化処理に著しい長時間を要するよ
うになり、経済的に無駄となるだけである。したがって
陽極酸化皮膜の膜厚は5〜50μmの範囲内とした。な
お陽極酸化処理にあたっては、前述のようなAl−Mn
系合金やAl−Si系合金においては、通常の硫酸浴を
用いた電解によって、前述のような遠赤外線放射特性の
優れた陽極酸化皮膜を形成することができる。
【0025】
【実施例】図1〜図3にこの発明の一実施例の均熱装置
を示し、また図4にこの発明の均熱装置に用いられる自
己制御型温度ヒータの一例を示す。
【0026】図1〜図3において、収納ケース1は上面
を開放した有底の矩形薄箱状に作られており、この収納
ケース1の上部開口端側には、全体として矩形の平板状
をなす遠赤外線放射板2が水平に固定されている。この
遠赤外線放射板2は前述のようなAl−Mn系もしくは
Al−Si系などのアルミニウム合金を基材2Aとし、
その基材2Aの表側の面に図3に示すように陽極酸化皮
膜2Bを形成したものである。基材2Aの裏面側には後
述する自己制御型温度ヒータ3を位置決めするための蛇
行状の凹溝5を区画形成するため、突条部7が形成され
ている。この突条部7は、基材2Aと一体に形成して
も、あるいは基材2Aとは別体に作って適宜の接合手段
によって基材2Aに固定しても良い。
【0027】前記凹溝5内には、その蛇行方向に沿って
図4に示すような自己制御型温度ヒータ3が配設されて
いる。この自己制御型温度ヒータ3は、平行な一対の導
電芯線3A,3B間にまたがって正の抵抗温度係数を有
する抵抗発熱体3Cが設けられており、その抵抗発熱体
3C、導電芯線3A,3Bの全体を覆うようにフッ素樹
脂等からなる絶縁被覆3Dが設けられている。そしてこ
のような自己制御型温度ヒータ3の一端側の部分には、
導電芯線3A,3Bがコネクタ4に接続されて、外部か
ら給電されるように構成されている。また自己制御型温
度ヒータ3における他端の部分(端末部)3Eは適宜絶
縁等の端末処理がなされている。ここで、正の抵抗温度
係数を有する抵抗発熱体3Cとしては、既に述べたよう
に例えばポリオレフィンあるいはフッ素樹脂等の架橋ポ
リマーに導電性カーボン粉末粒子を混和したものが用い
られる。なお絶縁被覆3D上には、図示しないスズメッ
キ銅線からなる編組を設けても良く、またその場合、ス
ズメッキ銅線編組上にフッ素樹脂等からなるさらに別の
図示しない絶縁被覆を設けても良い。
【0028】さらに自己制御型温度ヒータ3が位置する
部分と収納ケース1の底面との間には、発泡ウレタン樹
脂等の断熱材9が配設されている。
【0029】以上の実施例の均熱装置において、コネク
タ4を介して自己制御型温度ヒータ3の導電芯線3A,
3B間に電圧が印加されれば、導電芯線3A,3B間の
抵抗発熱体3Cに電流が流れてその電気抵抗により発熱
し、遠赤外線放射板2が加熱される。ここで、抵抗発熱
体3Cは、架橋ポリマーに導電性カーボン粉末粒子を混
練したものが用いられており、このような抵抗発熱体3
Cにおいては、既に述べたように温度変化によって架橋
ポリマーが熱膨張、熱収縮し、これによって各導電性カ
ーボン粒子の中心間温度が変化して、隣り合う導電性カ
ーボン粒子の接触面積が変化し、導電芯線間における抵
抗発熱体3Cの電気抵抗が変化する。したがって前述の
ように温度によって発熱量が変化し、周囲温度の高低に
かかわらず一定の温度に維持される。また導電芯線3
A,3B間の抵抗発熱体3Cの電気抵抗は、自己制御型
温度ヒータ3の長さ方向のいずれの部分でも同じである
ため、自己制御型温度ヒータ3の長さ方向の温度分布も
均一となり、しかもこの自己制御型温度ヒータ3は、遠
赤外線放射板2の裏面側のほぼ全面に蛇行状に設けられ
ていてかつ遠赤外線放射板2の基材部分はアルミニウム
合金で作られていて熱伝導性が良好であるため、遠赤外
線放射板2自体もその板内全体が均一に加熱され、遠赤
外線放射線が均一に放射され、冷凍食品等の加熱対象物
が均一に加熱される。
【0030】したがって遠赤外線放射板2上に冷凍食品
を載置しておけば、既に述べたように食品の品質を劣化
させてその風味を損なうことなく、短時間で均一に解凍
することができる。また遠赤外線放射板2上に生花を載
置して押付ければ、押花を製造することができる。
【0031】なお場合によっては遠赤外線放射板2は、
アルミニウム合金からなる基材の表裏両面に陽極酸化皮
膜を形成したものであっても良いが、自己制御型温度ヒ
ータ3から基材2Aへの熱伝達を良好にするためには、
実施例で示したように表側の面のみに選択的に陽極酸化
皮膜2Bを形成しておくことが望ましい。
【0032】また遠赤外線放射板2の表側の陽極酸化皮
膜2Bを形成した面、すなわち冷凍食品等の加熱対象物
を載置する面には、テフロン、シリコン等の如く遠赤外
線を透過しかつ非粘着性の優れた被覆層を数μm〜数十
μmの厚さでコーティングしても良く、この場合には冷
凍食品等の加熱対象物の剥離性を向上させることができ
る。
【0033】
【発明の効果】この発明の均熱装置によれば、冷凍食品
の解凍等のために100℃以下の比較的低温の領域で各
種物品を加熱、加温するための均熱装置として、遠赤外
線放射率の高い灰色〜黒色の陽極酸化皮膜を形成したア
ルミニウム合金板を遠赤外線放射板として用いかつ正の
抵抗温度係数を有する抵抗発熱体を備えた自己制御型温
度ヒータを用いているため、周囲温度の高低にかかわら
ず、少ない温度変動幅で予め設定した100℃以下の低
温の温度域の温度に安定して加熱することができるとと
もに、場所による温度の大きなばらつきが生じるおそれ
も少なく、均一かつ一定の温度に加熱することができ
る。またこの均熱装置では、遠赤外線放射板の基材とし
てアルミニウム合金を用いているため、形状の自由度も
大きく、またその加工も容易である。
【0034】さらにこの発明の均熱装置を特に解凍装置
として用いた場合、直接的な熱伝達ばかりでなく、遠赤
外線の吸収により冷凍食品の解凍が進行するため、食品
の風味を損なうおそれが少なく、また自己制御型温度ヒ
ータを用いているため解凍開始当初の昇温速度が速く、
早期に解凍に必要な温度に達するため、解凍時間が短縮
され、また解凍がある程度進行しても同じ温度に自己制
御されるため、過熱による危険がないとともに、特に過
熱防止のための安全装置も不要で低コスト化を図ること
ができる。またこの発明の均熱装置は、40℃以下の低
温域での過熱も安定して可能なため、押花を得るための
装置として使用した場合も、花の変色を招くおそれがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の均熱装置を示す部分切欠
斜視図である。
【図2】図1に示される実施例の均熱装置において、遠
赤外線放射板および自己制御型温度ヒータの部分を示す
底面図である。
【図3】図1に示される実施例の均熱装置の一部拡大縦
断面図である。
【図4】この発明の均熱装置に用いられる自己制御型温
度ヒータの一例を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1 遠赤外線放射板 2A 基材 2B 陽極酸化皮膜 3 自己制御型温度ヒータ 3A,3B 導電芯線 3C 抵抗発熱体
フロントページの続き (72)発明者 黒沢 幸彦 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 斎藤 健 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 松本 秀一 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 馬場 規泰 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金からなる基材の少なく
    とも表側の面に灰色ないし黒色を呈する厚さ5〜50μ
    mの陽極酸化皮膜が形成されて、遠赤外線放射板が構成
    され、かつその遠赤外線放射板の裏面側に、正の抵抗温
    度係数を有する抵抗発熱体を備えた自己制御型温度ヒー
    タが設けられていることを特徴とする均熱装置。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム合金が、Mnを0.3
    〜4.3wt%含有し、残部が実質的にAlよりなる構
    成とされている、請求項1に記載の均熱装置。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム合金が、Siを1〜2
    5wt%含有し、残部が実質的にAlよりなる構成とさ
    れている、請求項1に記載の均熱装置。
  4. 【請求項4】 前記自己制御型温度ヒータの発熱体が、
    導電性カーボン粒子を架橋ポリマー中に分散させた抵抗
    発熱体で構成されている、請求項1に記載の均熱装置。
  5. 【請求項5】 前記遠赤外線放射板の表側の面に冷凍食
    品を載置して、その冷凍食品を解凍するための解凍装置
    とされた、請求項1に記載の均熱装置。
  6. 【請求項6】 前記遠赤外線放射板の表側の面に生花を
    押付けて、その生花を押花とするための押花製造装置と
    された、請求項1に記載の均熱装置。
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