JPH0885221A - 記録装置及びその製造方法 - Google Patents

記録装置及びその製造方法

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JPH0885221A
JPH0885221A JP24890594A JP24890594A JPH0885221A JP H0885221 A JPH0885221 A JP H0885221A JP 24890594 A JP24890594 A JP 24890594A JP 24890594 A JP24890594 A JP 24890594A JP H0885221 A JPH0885221 A JP H0885221A
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dye
recording material
heating element
recording
heat
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JP24890594A
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English (en)
Inventor
Osamu Matsuda
修 松田
Toshimasa Kobayashi
俊雅 小林
Shuji Sato
修司 佐藤
Nobuyoshi Seto
順悦 瀬戸
Kenji Shinozaki
研二 篠崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 記録材収容部(例えば、染料気化部77を含む
領域)と、この記録材収容部に対して被記録体(例え
ば、印画紙50)を対向させる被記録体支持手段(例え
ば、紙送りローラ103 等)と、前記記録材を加熱して前
記被記録体へ移行させるための加熱手段(例えば、発熱
体175 )とを有し、この加熱手段が前記記録材収容部の
少なくとも深さ方向に延びる発熱体 175Aからなり、か
つ、この発熱体が前記記録材の保持及び供給を行う多孔
性構造体(例えば、柱状体)を形成しているプリンタヘ
ッド70及びプリンタ100 。 【効果】 熱転写記録方式の特長を生かしながら、染料
等の記録材に対して効率良く熱を伝えることを可能にし
て気化効率を向上させ、かつ、熱の逃げを抑制して加熱
効率を上げ(それでも熱が逃げる場合、この余熱を染料
液化に利用できる。)、冷却用フィン等を小さくしてコ
スト低減も図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録装置及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。これに対応して、色々な方
式のプリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料が分散してなるインク層が塗
布されたインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体とを一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱を加え、この加熱に応
じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写さ
せる方式がある。
【0004】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
についてそれぞれ繰り返すことによって、フルカラー画
像を得るようにしたいわゆる熱転写方式は、小型化、保
守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位
な画像を得る優れた技術として注目を集めてはいる。
【0005】図33は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)1とプ
ラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム12b上にインク層12aを設けたインクシート12と、
紙40b上に染着樹脂層(染料受容層)40aを設けた被記
録紙(被転写体)40とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられる。
【0006】そして、サーマルヘッド1によって選択的
に加熱されたインク層12a中のインク(転写染料)が、
被転写体20の染着樹脂層20aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直
交させて固定して配したライン方式や、サーマルヘッド
を記録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリア
ル方式が採用されている。
【0007】他方、昇華性染料を用いた画像記録方法と
しては、従来から様々な方法が提案されている。その一
例として、特公昭62−162593号公報に示されたものが提
案されている。このような方式を用いた装置を図34に示
すと、昇華性染料4を一次加熱器5で加熱し、染料4を
液化する。この液化染料を一次加熱器5と印刷ヘッド6
とで構成された染料供給路10の毛細管構造にて二次加熱
部7へ導き、ここで染料を更に加熱し、染料蒸気8にし
て印画紙50へ転写する。なお、図中の2はサーマルプレ
ート、11Aは電極、11Bは保護層である。
【0008】しかし、この方式では、液化された染料が
毛細管現象によりノズル9に入るが、その効率が悪く、
染料がノズル9より外へ漏れる場合がある。また、一般
的に知られているように、液体(染料)を加熱すると、
図35のように、表面張力が温度により異なるため、逃げ
16が発生する。この構造も後述する図43に示す現象と同
じであり、図35のように染料が低温側へ逃げてしまい、
殆ど染料蒸気が発生しなくなり易い。
【0009】ところで、本出願人は、上記した如き熱転
写記録方式の利点を生かしつつ、廃棄物及び転写エネル
ギーを低減し、プリンタを小型、軽量化するために、図
36に示すような非接触方式の染料気化型レーザビームプ
リンタ(LBP)を既に提案した。
【0010】この記録方式によれば、熱溶融性の染料層
22を気化部17に有する記録ヘッド(例えばシリアル型の
プリンタヘッド)40と、気化した(或いは昇華した)染
料32を受容する受容層50aを持つ被記録体(印画紙)50
との間に1μm〜1mmの範囲の微小空隙17aを設けてい
る。
【0011】そして、レーザ光Lの照射によって、記録
ヘッド40の気化部17の染料収容部37に収容した液化染料
22をその沸点近傍まで選択的に加熱して気化させ、気化
染料32を空隙17a内で飛翔させて、気化穴23から被記録
体である印画紙50上に転写し、連続的な階調を持つ画像
を得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、
マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞ
れ繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0012】なお、この記録方式では、印画紙50を記録
ヘッド40に対して例えば上方側で対向させ、気化部17の
上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光さ
れたレーザ光Lを照射して気化染料32を上方に飛翔若し
くは移行させるのがよい。この場合、転写染料が加熱手
段により空隙17aを移動するためには、気化現象の他
に、高出力レーザが照射された時にしばしば見られ、染
料分子の結合が効率よく切断されてそのエネルギーを利
用して非常に大きい速度でエッチングされる現象や、沸
騰や爆発により発生したガスのエネルギーを利用して非
常に大きい速度でエッチングされる現象も利用できる
(こうした気化機構以外の転写機構をアブレーションと
称する:以下、同様)。
【0013】また、レーザ光透過性のあるヘッドベース
14に染料溜め15を設け、ヘッドベース14上に固定した蓋
体13との間に液化染料22を収容し、ここから染料通路27
を経て気化部17に液化染料22を供給する。この場合、気
化部17への染料の供給効率及び気化効率の向上のため
に、発熱によって生じる染料の表面張力低下による染料
逃げを防止し、毛細管現象を利用して継続的な染料の供
給及び保持を行うために、小さなビーズ21からなるビー
ズ集合体20を気化部17に設けている。
【0014】そして、上記の空隙11を保持し、X方向
(紙面垂直方向)に移動する印画紙50をガイドするため
に、蓋体13上に保護板(図示せず)を固定している。こ
の保護板には、上記の染料の液化状態を保持するための
ヒータが埋設されていてよいが、ここではヒータ26は染
料収容部(上記の通路27)内に配設する。
【0015】固体染料収納槽41内の固形粉末状の熱溶融
性染料42は、逆止弁44によって供給口43から供給され、
ヒータ26により融解点まで加熱されて溶融(液化)され
る。この液化染料22は、ビーズ集合体20による毛細管現
象によって気化部17のビーズ集合体20の上面に定量ずつ
高速に供給される。
【0016】また、このプリンタヘッドを含むプリンタ
全体は、例えばフルカラー用として図37に示すように、
イエロー、マゼンタ、シアンの各染料溜め15Y、15M、
15Cをそれぞれ共通のベース14に設けて各染料供給部又
は供給ヘッド部37Y、37M、37Cを構成し、そこから各
色の染料を12〜24個の多数のドットを形成する列状の気
化部17Y、17M、17Cに供給する。
【0017】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する(36はレーザ光Lを直角方向に導
くためのミラー)。
【0018】集光レンズとしては、図示したレンズ系で
もよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使
用してよい。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出
射位置が上記の各気化部17C、17M、17Yに相当するよ
うに屈折経路が変化するように形成されたものである。
なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコント
ロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35
によって十分に放熱できるようになっている。
【0019】なお、モノカラー印刷の場合は、図38に示
すように、1次元レーザアレイ30を作製し、それぞれの
レーザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすること
によって、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得ら
れる(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の
速度となる)。
【0020】上記した各プリンタヘッドはいずれも、染
料収容部37を記録ドット数に対応した個数分だけ液化染
料22をドット状に収容すると共に、レーザ18も記録ドッ
ト数の各発光点を有するアレイ状に配したものである。
レーザ18に依らない上記の熱転写方式のプリンタでも、
サーマルヘッド1の加熱部も同様にドット状に配列され
ている。
【0021】上記したように、この染料気化型レーザビ
ームプリンタによれば、記録に消費される染料について
は、その失われた分だけを染料溜めから溶融状態で気化
部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、
適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に
移動することにより、気化部へ連続的に供給することが
できる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しない
ために、可能となる。従って、記録に関与する気化部
は、繰り返して多数回使用できるので、上述した熱転写
方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであ
るのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0022】また、気化型又はアブレーション型である
ために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで
記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に上述し
た熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生
じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッド
のみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電
力が低減する。同時に、染料の供給に上述したインクシ
ートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリ
ンタを小型、軽量化できる。
【0023】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、上述の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利であ
る。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しない
ために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではな
く、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能で
ある。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が
著しく広がる。
【0024】また、染料の気化(或いは昇華)のための
熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用
いることを基本としているが、半導体レーザは電力から
光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れ
ているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高
い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱
転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー
利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利に
なるという特徴も有する。
【0025】さらに、従来のインクジェット方式のカラ
ープリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは
出力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記
の記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、
カラービデオカメラ等で作りだされた電気的な画像を半
導体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換
し、銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調
を持つフルカラー画像を形成することができる。
【0026】なお、この染料気化型の記録方法に適した
転写体としてのヘッド40は、転写時に瞬間的に加わる熱
量に対して十分耐える性質と、気化部(転写部)へ毛細
管現象により自発的に液状の染料を供給するための表面
積が大きくかつ転写時にも強固に染料を保持することの
できる構造(図36での20)とを有することが好ましい。
また、適当な保温装置を設けることによって、融点が室
温以上である染料又は染料混合物の使用も可能になる。
【0027】また、この記録方法に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。特に、アブレーシ
ョン機構が気化機構よりも優位を占める場合は、直接染
料のように分子量が大きくて気化速度が小さい染料や、
カーボンブラックや顔料でさえも転写は可能である。融
点が室温以上にある染料でも、染料同士を混合すること
により、或いは染料と揮発性の低分子量物質を混合する
ことにより、融点は低下する。
【0028】また、この記録方法に適した印画紙は、転
写染料と適当な相溶性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
像層内部に浸透させる方式も可能である。
【0029】染料転写方式の加熱手段は、大別して、熱
ヘッドによる方法と、レーザ光と、レーザ光の波長領域
を含む波長領域に吸収を示し、光エネルギーを熱エネル
ギーに変換する材料(光熱変換体)(図示せず)とレー
ザ光とを組み合わせる方法とが挙げられる。
【0030】レーザ光を使用する場合には、解像度が著
しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上
がり、この結果、熱効率が向上するという特徴がある。
特に、マルチレーザを使用することによって、1画面を
転写する時間は大幅に短縮される。
【0031】但し、光熱変換体は、連続的に光エネルギ
ーのレーザ光を吸収するために耐熱性を十分に満足する
ものでなければならない。従って、この方式に用いる光
熱変換体としては、レーザの発光波長に一致する吸収を
示す金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄
膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を直接転写部に設ける
他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸
収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系
色素又は有機金属系色素等の如く耐熱性の優れた染料又
は顔料を転写染料に均一に分散して使用してもよい。
【0032】
【発明に至る経過】また、本出願人は、インクシート及
び感熱ヘッドを必要としないで、省電力、小型化及び低
コストを図った他の昇華型カラービデオプリンタを特願
平5−236541号、特願平4−300587号、特願平5−1124
1 号、特願平5−12106 号において提案している。
【0033】このプリンタの類似構造を図39〜図41によ
って具体的に説明する(但し、図36のヘッドと共通する
部分には共通符号を付す。)と、ヘッド部60は、分散染
料としての固形粉末状の昇華染料42を収納する染料槽41
と、下側に位置する高強度材からなる耐摩耗性の保護層
61と、中央に位置するスペーサ62と、上側に位置するヘ
ッドベース63とによって構成されている。
【0034】そして更に、染料収納槽41内の固形粉末状
の昇華染料42を加熱液化して導く液化染料導入部64と、
この液化染料導入部64に沿って所定間隔毎に複数配置さ
れ、この液化染料導入部64から導かれた液化分散染料22
を気化熱によって気化させる各気化部17と、この気化部
内にて染料22の液面下に設けた気化用発熱体65と、それ
を支える断熱材66とを有している。
【0035】保護層61は、印画紙50に軽圧で接触する際
に各気化部17の気化穴23内に汚れや塵、埃や異物等が混
入するのを防止する機能を有しており、熱伝導率がよ
く、耐熱性、耐摩耗性に優れたタンタル等の金属系やガ
ラス系の材料によって形成されている。また、保護層61
には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複
数の穴61aをエッチング技術等の微細加工により形成し
てある。
【0036】スペーサ62は、例えばガラス系やセラミッ
ク系、ポリエチレン系樹脂、タンタル等の金属系で形成
され、材料や厚み及びその組み合わせにより、液化分散
染料22の溶融温度の調整と、保護層61への伝熱による印
画紙50の染料受容層50aの温度の調整とを行う機能を有
している。
【0037】なお、印画紙50は、図44に示すように実際
には、セルロース系の樹脂などによって形成され、分散
染料を吸収する染料受容層50aと、耐熱性が強く、非吸
湿性の良いポリプロピレン層50bと、ベース紙50cと、
ポリプロピレン層50bに対するバランスをとり、印画紙
50が反らないようにするためのポリプロピレン層50dと
が積層された構造になっている。なお、50eは光吸収層
(これは省略可能である。)である。
【0038】スペーサ62には、図39、図40に示すよう
に、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複数
の穴62aをそれぞれ形成していると共に、染料収納槽41
(イエロー用41Y、マゼンタ用41M、シアン用41C)側
からヘッドベース63の他端側に延びて各気化部17の気化
穴23に連通する複数の溝穴27を形成している。
【0039】更に、保護層61とスペーサ62との間には染
料液止め層67が設けられている。この染料液止め層67
は、耐熱性があって化学的に安定しているフッ素系やシ
リコン系の樹脂材料によって形成され、液化分散染料22
が保護層61の壁面を経由して外部へ漏れて印画紙50の染
料受容層50aに付着するのを防止するものである。ま
た、図39、図41に示すように、液止め層67には、各気化
部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複数の穴67aを
それぞれ形成している。なお、保護層61と染料液止め層
67とスペーサ62とは、耐熱性がある接着剤でそれぞれ接
着されている。
【0040】ヘッドベース63は、融点が高く、熱成形性
がなく、低熱伝導性である例えばガラス、セラミックス
等によってなるべく薄く形成されている。また、図39に
示すように、ヘッドベース63の各染料収納槽41側には、
各液化染料導入部64に連通する供給口(接続穴)43を形
成している。
【0041】更に、ヘッドベース63の各液化染料導入部
64側の面には、各染料槽41内まで板状のヒータ(発熱
体)68を取り付けている。このヒータ68は、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電により50℃
〜300 ℃の熱を発して固形粉末状の分散染料42を液化す
ると共に、液化状態で保温する機能を有する。図39に示
すように、ヒータ68の一方の端部は、上方に垂直に折り
曲げられて各染料収納槽41内に挿入されていると共に、
その他方の端部は各液化染料導入部64の終端部側まで伸
びている。また、図42に示すように、ヒータ68はヘッド
ベース63の全面に配置されており、スペーサ62及び保護
層61を保温して印画紙50の染料受容層50aも加熱できる
ようになっている。
【0042】図39〜図42に示した上記のプリンタヘッド
60によれば、図36〜図38に示したプリンタヘッド40で述
べた特長を有している上に、このプリンタヘッド40と比
較すると、以下に述べるような利点を有している。
【0043】まず、各気化部17における気化のための染
料加熱は、レーザ光Lを使用するのではなく、各気化部
に設けた発熱体65の発熱によって行っているので、高価
な半導体レーザ(特に並列に複数本設けるマルチレーザ
アレイ)の代わりに低コストの発熱体の使用が可能とな
り、また、気化効率はレーザの電気光変換効率に依存せ
ずにヒータの発熱を直接利用することになり、全体とし
ての効率が向上する。
【0044】しかしながら、本発明者がプリンタヘッド
60について検討を加えた結果、次に述べるような改善す
べき点が残されていることを見出した。
【0045】即ち、プリンタヘッド60のヘッド構造にお
いては、発熱体65が液化染料22の液面下(即ち、染料の
表面近傍)に配されているため、発熱による染料の温度
上昇が染料22の深さ方向に十分に生じず、特に染料液面
(表面)で不十分となり易い。しかも、染料22と発熱体
65との接触面積が小さく、熱伝達効率が不十分となるた
め、突沸を生じ易く、安定した染料の気化を行えないこ
とがある。
【0046】なお、図43に示すように、発熱体65によっ
て染料22に対して局部的に熱を加えると、表面張力が温
度により変化するため、温度の低い方に染料22が引きつ
けられて染料が矢印16の方向に逃げ易くなる。このた
め、気化効率が悪くなることがある。
【0047】そして、染料22の逃げ16に伴って分散染料
22の気化部17の液面が一定せず、更には、断熱層66へ熱
が逃げるために効率が悪くなること、熱の逃げが多いた
めに冷却用フィン等による冷却を十分に行うことが必要
になる等の問題もある。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した熱転写記録方式の特長を生かしながら、染料等の記
録材に対して効率良く熱を伝えることを可能にして気化
効率を向上させ、かつ、熱の逃げを抑制して加熱効率を
上げ(それでも熱が逃げる場合、この余熱を染料液化に
利用できる。)、冷却用フィン等を小さくしてコスト低
減も図ることのできる記録装置、及びその製造方法を提
供することにある。
【0049】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、被記録
体(例えば、後述の印画紙50)に対向する記録材収容部
(例えば、後述の染料気化部77を含む領域)と、この記
録材収容部の記録材を加熱して前記被記録体へ移行させ
るための加熱手段(例えば、後述の発熱体175)とを有
し、この加熱手段が前記記録材収容部の少なくとも深さ
方向に延びる発熱体(例えば、後述の柱状発熱体 175
A)からなっている記録装置に係るものである。
【0050】本発明の記録装置によれば、記録材収容部
の少なくとも深さ方向に延びる発熱体が配されているの
で、記録材を表面域は勿論のこと、その深さ方向におい
て迅速に温度上昇させ、発熱による加熱効率を高め、気
化等による記録材の転写効率を向上させることができ
る。しかも、レーザを使用する必要がないため、低コス
ト化が可能となる。この場合、発熱体と記録材とは深さ
方向において十分な面積で接触し合うことが、記録材の
温度上昇に有利であるだけでなく、突沸を生じ難くな
り、安定した飛翔を行わせることができる。
【0051】そして、上記の発熱体が多数の柱状体、小
球(ビーズ)状体、多孔質状体等の多孔状構造からなっ
ている場合には、この多孔状構造がその毛細管作用によ
って記録材の保持及び供給を行い、これによって記録材
の逃げを抑制し、記録材を効果的に保持及び定量供給
し、発熱体による熱を効率良く伝えることを可能にし、
気化効率を向上させることができ、また記録材の定量供
給により気化量を一定として高画質の記録が得られる。
【0052】そして、この毛細管構造によって熱の逃げ
を抑制して加熱効率を上げ(それでも熱が逃げる場合、
この余熱を染料液化に利用したり、被記録体の加熱に用
いて記録材定着用の熱源としても利用でき、定着エネル
ギーを削減できる。)、冷却用フィン等を小さくしてコ
スト低減も図ることができる。
【0053】なお、本発明の記録装置は、記録材を加熱
して被記録体へ移行させる熱転写方式のものであるか
ら、既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品
位化、高階調性等の特長を有している。本発明の記録装
置は、上述したプリンタヘッド、及びこのプリンタヘッ
ドを組み込んだプリンタも包含する概念である(以下、
同様)。
【0054】本発明の記録装置において、上記の発熱体
は柱状に形成されてよいが、この柱状体は発熱体自体に
よって形成されていたり、或いは柱状の絶縁体の表面に
発熱体が被着されていてもよい。この場合、柱状の発熱
体又は絶縁体が記録材収容部の構成層(例えば、後述の
ポリシリコン層83又はシリコン層73)と同一材料からな
っていると、その加工又は形成が容易となる。
【0055】また、上記の発熱体の比抵抗が記録材収容
部の深さ方向又は面方向で変化していると、記録材の飛
翔効率を決める最表面側及び最適位置での加熱効率を高
めることができる。
【0056】また、発熱体が柱状の発熱体であるとき、
その上部及び下部にそれぞれ電流供給用の電極が設けら
れてよい。この場合、多数の柱状の発熱体に共通の上部
電極及び下部電極が記録材収容部内において所定の幅及
び長さに亘って設けられてよい。
【0057】また、上部電極に記録材の通過孔(例え
ば、後述の通過孔150 )が気化用の孔として形成されて
いるのがよい。この記録材の通過孔の大きさ又は分布が
記録材収容部の深さ方向又は面方向で変化していると、
記録材の飛翔方向や飛翔量をコントロールすることがで
きる。
【0058】また、上記の記録材収容部への記録材供給
通路に、記録材の逆流防止機構(例えば、後述のボール
弁121 )が設けられていると、気化部から記録材が逃げ
るのを効果的に防止し、気化部への供給を安定に行うこ
とができる。
【0059】本発明の記録装置は、発熱体が通電によっ
て発熱し、この熱によって記録材が気化又はアブレーシ
ョンし、記録材と非接触状態で対向配置された被記録体
へ飛翔するように構成されることが望ましい。即ち、間
隙を通して記録材を被記録体に移行(特に飛翔)させる
ように構成されるのがよく、上述の非接触方式の染料気
化型プリンタ用の記録ヘッドに好適である。
【0060】この場合、記録材収容部が複数個配され、
これらのそれぞれにおいて記録材を加熱するように構成
され、前記複数個の記録材収容部に設けられた各発熱体
のうち、選択された発熱体が記録材の気化又はアブレー
ションに使用される間、選択されない発熱体が記録材の
保温又は液化に使用されることができる。但し、記録材
の液化は本来、別に設けた発熱体によって行うことがで
きる。
【0061】また、上記の多孔性構造体については、柱
状体、壁状体、微小粒子の集合体、多孔性物質、繊維状
体等、種々の形態をとり得るが、気化部の底面から上方
へ延びる柱状体又は壁状体とするのが微細加工性(リソ
グラフィの適用が可能)の点で望ましい。
【0062】上記の発熱体を支持する支持体(例えば、
後述のベース73)は、ガラスで形成することができる
が、他の材質でも形成可能である。例えば、高分子材で
形成することもできるが、これは、記録装置を被記録体
に押し付けない構造とすれば大きな圧力を受けないこと
に依るものであり、また、発熱体の作動時に熱放散(放
熱)も少なく、熱的絶縁性が良好となる。
【0063】なお、本発明において記録材として使用可
能な固化分散染料、液化分散染料、気化分散染料、分散
染料を総称して「気化性染料」と称するが、その定義を
次の通りとする。
【0064】即ち、25℃から分解温度までの温度範囲に
おいて、その蒸気圧が0.01パスカル以上となる温度領域
が存在する染料を「気化性染料」と定義する。但し、気
相において染料分子が平均会合数nで会合している場合
には、上記蒸気圧をその平均会合数nで割った値が0.01
パスカル以上であるものを気化性染料とする。こうした
気化性染料は加熱によって気化染料となるものであり、
上記の定義に従った実用的な染料例としては、市販され
ているHSR−2031、ESC−155 、ESC−655 など
がある。
【0065】本発明は更に、上記した本発明の各記録装
置を製造する方法として、発熱体材料を記録材収容部の
位置においてリソグラフィにより所定パターンに加工
し、発熱体を形成する工程を有する、記録装置の製造方
法も提供するものである。
【0066】この製造方法においては、記録材収容部の
位置において下部電極を形成した後、この下部電極上に
発熱体材料を被着し、この発熱体材料をリソグラフィに
より所定パターンに加工し、これによって形成された発
熱体の上部にリソグラフィにより上部電極を形成するこ
とができる。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明が以下の実施例のみに限定されるもので
ないことは勿論である。
【0068】実施例1 図1〜図17は、本発明を非接触方式の染料気化型プリン
タ(例えばビデオプリンタ:以下、同様)に適用した第
1の実施例を示すものである。
【0069】まず、図1及び図2について、本実施例に
よるプリンタヘッド70の特徴的構成を説明する。
【0070】このプリンタヘッド70の染料気化部77にお
いては、ガラスのベース73上のポリシリコン層83に染料
収容部87が凹状に形成され、この収容部に構成層83と同
材質のポリ−Siからなる多数の微細な柱状体 175Aが
ヒータ部として例えば1〜10μm(特に1〜2μm)の
直径及び間隔で以て高さ例えば1〜20μm(特に6〜10
μm)に設けられ、ヒータ175 を構成している。柱状体
175Aは角柱状であるときは、径が5μm以下、特に2
μm以下とするのがよい。
【0071】染料収容部87の染料層22の厚みが柱状体 1
75Aの高さより薄い場合は、染料が毛細管現象により柱
状体全体に亘って染料が浸み込んだ状態になり、また、
染料層22が柱状体 175Aより厚い場合には、ヒータが染
料中に埋没した状態になる。
【0072】この柱状体 175Aは、収容部87の底面から
その上面に至るまでの高さに設けられ、かつ、各柱状体
175A間には幅狭の空隙82を交互に有しており、この空
隙によって全体として多孔性構造体を構成している。空
隙82は、その毛細管作用によって収容部87内で液化染料
22を保持すると同時に、プリンタの1ドット分の時系列
的動作に必要な十分な量の液化染料22を上方へ供給する
作用をなすものである。
【0073】ヒータ部(柱状体)175Aの上下の両端に
は、電極84及び85がそれぞれ、例えば蒸着による金属薄
膜(Au、Al等)によって形成されていて、ヒータ部
175Aのポリ−Siに対しオーミック電極をなしてい
る。これらの電極84−85間に電流を流すことによって、
ポリ−Si柱状体 175Aを微小ヒータとして働かせる。
この微小ヒータによる加熱領域(柱状体の集合領域)は
10〜200 μmのサイズ(特に、10〜100 μmのサイズ)
とするのが気化効率及びドットサイズの点で望ましい
が、これは後述するように必要な精細度によって選択す
ることができる。
【0074】そして、上部電極としての電極85には、ヒ
ータ175 の幅方向においてヒータ部175A間に直径1〜
2μmの貫通孔150 が多数形成されている。これらの貫
通孔150 は、ヒータ175 によって気化した染料を上方へ
通過させるものであり、また、上記した多孔性構造体と
同様に染料の保持及び供給にも寄与している。
【0075】なお、ポリ−Si層83上には、SiO2
の絶縁層86が設けられてよい。これは、電極を電気的に
絶縁するが、これは熱的絶縁作用も有してもよい。ま
た、絶縁層86上には、フッ素系又はシリコン系樹脂から
なる染料液止め層97が設けられてよいが、これは液化染
料22の上方への漏れを防止している。更にこの液止め層
97上には、既述した保護層61と同等のタンタルやガラス
等からなる保護層81が設けられてよい。各層81、86、97
には気化用の開口81a、86a、97aが形成されている。
【0076】上記のように構成されたヘッド70を実際の
気化器として動作させる場合、微小ヒータ175 の柱状体
175Aの側面から毛細管現象で吸い上げられた溶融・液
体染料22は、深さ方向全体に亘って、柱状のヒータ部 1
75Aで50〜300 ℃に加熱され、電極85の上部の孔150 及
び電極84の周辺から気化し、被記録材に付着し、非接触
で印画紙上にプリントすることができる。その際、柱状
体 175Aの周辺に浸潤した染料22は、逃げることなく効
率良く加熱気化される。また、この熱は、染料収容部87
の深さ方向に亘る柱状発熱体 175Aによるものであるた
めに、染料全体に十二分に保持され、ベース73への放散
による影響は殆どない。
【0077】また、染料22は柱状体 175Aの側方を通じ
て染料補給路64’から供給可能であり、プリンタの1ド
ット分の時系列的動作に十分な量の補給がなされる。
【0078】なお、本例におけるポリ−Siのヒータ部
175Aは極微細な柱状体として形成されているが、ヘッ
ド70は印画紙とは非接触であるため、従来の熱転写プリ
ンタのように大きな機械的強度を有する必要はなく、図
1のように上面に適当な保護用の蓋81を設けることによ
って、十分に実用に供することができる。なお、ヒータ
175 を構成するポリ−Siの機械的強度は最近のマイク
ロマシーンの研究に見られるように意外に大きく、数μ
m厚のヒータであっても作製プロセス中の安定性は問題
とはならない。
【0079】上記のように構成された染料気化部77は、
ヘッド70において実際には、図3及び図4に示すように
フルカラー用として各色(イエローY、マゼンタM、シ
アンC)毎に複数ドット分が配置される。これらの各気
化部77Y、77M、77Cには、各収納槽41Y、41M、41C
から染料導入部64Y、64M、64C、更には染料引込み路
64Y’、64M’、64C’及び各導入口64”を経て各色の
液化染料が供給される。
【0080】このヘッド70では、各気化部における発熱
体175 の電極84、85からの配線84’、85’はそれぞれベ
ース73上で引き廻された後、一端部側のコントロール基
板(タブ)88に導かれて高温半田等の接続部90において
接続されている。電極84、85の配線84’、85’の交差位
置92では、ポリ−Si層83を介して両配線間が絶縁分離
されている。そして、このコントロール基板にマウント
されたコントロールIC89によって、マトリックス駆動
による所定の駆動信号が供給されるように構成されてい
る。
【0081】この駆動信号によって、各気化部では、選
択された発熱体175 がオンして発熱し、染料を気化せし
める一方、選択されないでオフされた発熱体175 はその
余熱によって液化染料の保温又は液化に用いることがで
きる。即ち、発熱体175 を交互に駆動することにより、
その余熱のコントロールで染料の液化と冷却のいずれか
を効率よく行える。但し、図示は省略したが、染料液化
のためには、図39に示したヒータ68を各気化部又はベー
ス上に設けることができる。なお、このヘッド70は、ヘ
ッド本体70Aに対して染料槽本体41Aが接合されたもの
であり、その接合面を93、94で表す。
【0082】以上に説明したように、本実施例によるプ
リンタヘッド70によれば、染料気化器として、染料収容
部87において液化染料22の深さ全体に亘って発熱体 175
Aが配されているので、液化染料22を表面域は勿論のこ
と、その深さ方向において迅速に温度上昇させ、発熱に
よる加熱効率を高め、気化による染料の転写効率を向上
させることができる。しかも、レーザを使用する必要が
ないため、低コスト化が可能となる。また、発熱体 175
Aと染料22とは十分な面積で接触し合うので、染料の迅
速な温度上昇が得られると同時に、突沸が生じ難くな
り、安定した気化を行わせることができる。
【0083】しかも、染料22の深さ方向に柱状の発熱体
175Aが設けられ、染料22の保持及び供給のための微細
な多孔性構造体として、気化部77に毛細管構造を設ける
ことになり、この毛細管作用で染料の逃げを抑制し、染
料を効果的に保持及び定量供給し、発熱体175 による熱
を効率良く伝えることを可能にし、気化効率を向上させ
ることができ、また、染料の定量供給により気化量を一
定として高画質の記録が得られる。
【0084】そして、この毛細管構造によって熱の逃げ
を抑制して加熱効率を上げ(それでも熱が逃げる場合、
この余熱を染料液化に利用したり、印画紙50の加熱に用
いて染料定着用の熱源としても利用でき、定着エネルギ
ーを削減できる。)、冷却用フィン等を小さくしてコス
ト低減も図ることができる。
【0085】本実施例のヘッド構造によれば、図39に示
したと同様に、各染料収納槽41内の固形粉末状の分散染
料42は各染料収納槽41内の発熱体68により融解点まで加
熱されて溶融されてよい。この各液化分散染料22は各液
化染料導入部64の毛細管現象によって各気化部77まで導
かれる。
【0086】この場合、保護層81側には液止め層97を設
けているので、各気化部77の染料収容部には常に一定量
の液化染料が蓄えられ、保護層81へ流れることもない。
また、染料が発熱体175 により加熱されたとき、微細加
工の柱状体 175Aによって染料が保持されるため、表面
張力差が生じても染料は逃げない。
【0087】なお、発熱体175(更には発熱体68)により
各液化染料導入部64の一部を構成するスペーサ(ここで
は図示せず)なども加熱保温される。そして、印画紙50
をカラー印画する際に、画像信号に応じて発熱体175 に
より熱が発生する。この気化熱により、各気化部の発熱
体175 の周りの染料が気化し、電極85の貫通孔150 、更
には保護層81の穴81aを通り、印画紙50の受容層50aに
Y、M、Cの順で転写される。
【0088】本実施例によるプリンタヘッド70は、図39
に示したヘッド60と同様、染料22を加熱して間隙を通し
て印画紙50へ飛翔させる熱転写方式のものであるから、
既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品位
化、高階調性等の特長を有している。
【0089】なお、発熱体175 を支持するベース73は、
ガラスで形成したが、他の材質でも形成可能である。例
えば、ポリイミド等の高分子材で形成することもできる
が、これは、プリンタヘッド70を印画紙50に対して押し
付けない構造としているため、大きな圧力を受けないこ
とに依るものであり、また、発熱体175 の作動時に熱放
散も少なく、熱的絶縁性が良好となる。
【0090】この例によるプリンタでは、 300dpi の1
ドットの濃度を形成するのに必要な染料は 600μm3
度であることが実験的に判っており、ヒータ部 175Aの
空隙82に充填される染料がこの量を十分に上回っている
ことが必要である。例えば、2×2μm2 の空隙であっ
てその深さが6μmであるとすると、空隙82の個数は25
個(即ち、5×5孔の容量)でよいことになる。
【0091】しかしながら、染料の供給を考慮すると、
より十分な充填量をもつためには上記の倍程度の空隙数
が必要となる。実際にも、空隙82とヒータ175 との体積
比率を50/50%とすると、1ドット分のサイズが20×20
μm2 のヒータとなり、これは、300dpiの高精細度を達
成するためには(83μm間隔)十分に実現可能となる。
図1〜図4に示したヒータ175 の発熱体 175Aの径と空
隙82の配置は、ここで示した条件を満たすように設計さ
れる必要がある。
【0092】次に、本実施例によるヘッド70の製造方法
の一例を図5〜図15について説明する。
【0093】まず、図5のように、2mm厚程度の厚いガ
ラス基板73(これはSiや絶縁体でもよい。)にRIE
(反応性イオンエッチング)又は機械加工し、染料供給
路64、64’を形成する(図3及び図4参照)。
【0094】次に、図6のように、この溝をフォトレジ
スト95等で埋め、更に、図7のように、ヒータのオーミ
ック電極となるメタル(Al、Ti/Auなど)の下部
電極材料84’を厚さ数μm程度に蒸着で堆積させる。
【0095】次に、図8のように、この電極材料層84’
をフォトリソグラフィでパターニングして下部電極84を
形成する。
【0096】次に、図9のように、アモルファスシリコ
ン層83'(これは加熱によってポリシリコン(ポリ−S
i)抵抗層83となるものであって、安定な材料であれば
半導体だけでなく金属等もあり得る。)をCVD又はス
パッタなどの手段で6〜10μm程度の膜厚に付着させ
る。この場合、アモルファスシリコンのアニールには、
高温での炉加熱だけでなく、レーザや赤外線を用いた方
法などが可能であり、その抵抗率を任意に設計可能であ
る。或いは、熱CVDを用いてドープドポリ−Siを成
膜することも可能である。
【0097】次に、図10のように、上記した溝(導入部
64及び引込み路64')内のフォトレジスト95を溝の開口部
からの溶剤の供給によつて溶解、除去する。
【0098】次に、図11のように、ポリ−Si層83をフ
ォトリソグラフィとエッチングによりパターニングし、
染料収容部87と共に、この染料収容部内に多数のポリ−
Siの微小柱状ヒータ部 175Aを形成する。これらの各
ヒータ部 175Aは、1〜2μm程度の最小パターンサイ
ズであるために、ポリ−SiのエッチングをRIE(反
応性イオンエッチング)などのドライエッチングでパタ
ーニングするが、その際のマスクとしては、薄いメタル
を用いることが有効であり、Ni、Pd、Alなどの金
属をエッチング停止層としてポリ−Si層83の下部に設
けておくのがよい。
【0099】このエッチング停止層は、下部電極84が兼
用することができる。なお、このポリ−Si層83の加工
によって、染料収容部87のみならず、染料供給路64’の
一部も形成される。
【0100】次に、図12〜図15は上部電極85の形成方法
を示すが、ここでは、染料収容部87に数μmの高さの段
差があるため、半導体プレーナプロセスによって制御性
良く上部電極85を形成する。
【0101】即ち、まず図12のように、染料収容部87も
含めて全面にフォトレジスト200 を均一に塗布した後、
図13のように、一様な全面露光と溶解によってポリ−S
i層83上のフォトレジスト200 のみを除去し、染料収容
部87にフォトレジスト200 を選択的に残す。
【0102】次に、図14のように、全面に上部電極用の
メタル(Al、Ti/Auなど)を蒸着し、厚さ数μm
の電極材料層85'(これは柱状発熱体 175A上にも堆積す
る。)を成膜し、更に、図15のように、フォトリソグラ
フィによって電極材料層85’をパターニングし、図1及
び図2に示した如き形状で貫通孔150 付きの上部電極85
を形成し、かつ、露出した染料収容部87内のフォトレジ
スト200 を溶解して除去する。このパターニング後にア
ニールし、各電極84及び85とポリ−Si発熱体175Aと
の間をアロイ化し、オーミックコンタクトをとる。
【0103】次に、図15に示したヘッド本体70Aに対
し、染料槽本体41Aを接着、固定し、図1〜図4に示し
た如き構造の気化部77を有するヘッド70を作製する。
【0104】このように、本実施例によるヘッド70は、
特にその気化部77を作製するために、染料収容部(気化
部)においてリソグラフィといった半導体製造プロセス
で汎用されている加工技術により柱状の発熱体 175Aを
微細に加工することができる。そして、気化部を例えば
10〜50μmのサイズに作製でき、高精細プリンタ(1200
〜300dpi)を製造できる。
【0105】本実施例によるヘッド70を有するカラービ
デオプリンタは、図16に示すように、縦方向(X方向)
の紙送りと、X方向と直交方向のヘッドの横方向(Y方
向)スキャンとによって、印刷を行うものであり、これ
らの縦方向の紙送りと横方向のヘッドスキャンは交互に
行うように構成されている。
【0106】本実施例のプリンタ100 において、各色の
ヘッド部Y、M、Cからなるプリンタヘッド70は、シリ
アル型ヘッドとして、送りねじ機構からなるヘッド送り
軸101 とヘッド支軸102 により印画紙50の紙送り方向X
と直交するヘッド送り方向Yに往復移動自在にしてあ
る。
【0107】また、ヘッド70に対して、印画紙50を挟む
ように支持する紙送りローラ103 が回転自在に設けられ
ている。なお、ヘッド70は、フレキシブルハーネス104
を介してヘッド駆動回路基板(図示せず)等に接続され
ている。
【0108】1ラインの印画が終了したら、ヘッド支え
を兼ねた紙送り駆動ローラ103 で印画紙50を1ライン分
送る。印画スタートは1色毎に順次に行われるが、3ド
ット以降は同時に印画される。なお、複数の発熱体175
がある場合は、交互に稼働させ、選択された発熱体175
は印画に供される一方、非印画の発熱体175 は余熱を利
用して染料の液化や保温に使用し、温度をコントロール
することができる。
【0109】図17は、ライン型に構成されたヘッド70を
有するカラービデオプリンタ100 を示すものであり、印
画紙50の幅方向に亘って各色のヘッド部Y、M、Cが並
置されている。
【0110】実施例2 図18は、本発明を非接触方式の染料気化型プリンタに適
用した第2の実施例を示すものである。
【0111】この実施例では、図1及び図2に示した例
と比べて、発熱体 175Aを形成するポリ−Si層の比抵
抗にその高さ方向(染料収容部の深さ方向)に分布を持
たせたこと以外は同様に構成されている(但し、図18で
は、図1に示した絶縁層86、液止め層97、保護層81、貫
通孔150 は図示省略している:以下、同様)。
【0112】即ち、熱CVDによってポリ−Si層83を
成膜する際に、不純物ガス(例えばPH3 )を所定量供
給して分解させることによって、不純物ドープドポリ−
Si層を形成することが可能であるが、このときに、ド
ーピングガスの濃度を制御することによって、ポリ−S
i層83の厚み方向に不純物濃度(ドープ量)を変化させ
ると、厚み方向に抵抗率を変化させること(比抵抗ρを
10+6〜10-3Ω−cmの範囲で変化させること)ができる。
【0113】このようにすれば、このポリ−Si層から
なる柱状体 175Aの特に上部(染料22の表面域:染料の
気化効率を左右する表面側)で発熱が増えて、熱効率の
良い気化器を構成することができる。
【0114】実施例3 図19は、本発明を非接触方式の染料気化型プリンタに適
用した第3の実施例を示すものである。
【0115】この実施例では、図1及び図2に示した例
と比べて、ガラス基板73をリソグラフィで加工して毛細
管作用を有する多数の柱状体73Aを染料収容部87に形成
し、これらの柱状体の表面を含む表面上に薄膜抵抗 175
B(例えばアモルファスシリコンやメタル)を蒸着によ
って均一かつ連続的に付着し、その両端に電極84及び85
を蒸着によって設けている。
【0116】従って、各柱状体73Aの表面には、薄膜抵
抗 175Bからなる柱状の発熱体が設けられた状態となっ
ており、両電極84−85間に電流を流すことによって各柱
状の発熱体 175Bが染料22の少なくとも深さ方向におい
て発熱し、染料22の全体を均一かつ十分に昇温させ、効
率良く気化させることができる。
【0117】そして、この例の場合、柱状の発熱体 175
Bをガラス基板73自体の加工による柱状体73Aの表面上
に成膜し、また、ガラス基板73によって染料収容部87を
形成しているので、ヘッド構造を簡略化できると同時
に、発熱体 175Bは単に蒸着すればよいためにその形成
も容易である。
【0118】なお、図中の201 は絶縁体、例えばガラス
層であって、ガラス基板73と共に染料収容部87を形成す
るためのものである。また、図中に一点鎖線で示すよう
に、各電極84及び85を柱状発熱体 175Bの存在領域のほ
ぼ全体に亘って延設することもできるが、この場合に
は、個々の柱状体73Aの高さ方向において各柱状発熱体
175Bに同時に(並列に)電流を流すことができ、発熱
効率が良好となる。
【0119】実施例4 図20は、本発明を非接触方式の染料気化型プリンタに適
用した第4の実施例を示すものである。
【0120】この実施例では、図1及び図2に示した例
と比べ、シリコン基板73をリソグラフィで加工して毛細
管作用を有する多数の柱状体73Aを染料収容部87に形成
し、これらの柱状体自体を抵抗体として使用し、かつ、
シリコン基板73の裏面に電極84を蒸着で設け、その表面
側には図11〜図15に示したと同様の工程によって電極85
を絶縁層202(例えばSiO2 層)を介して設けている。
【0121】従って、各柱状体73Aがシリコンからなっ
ていて発熱体として機能することになり、両電極84−85
間に電流を流すことによって各柱状の発熱体73Aが染料
22の深さ方向において発熱し、染料22の全体を均一かつ
十分に昇温させ、効率良く気化させることができる。
【0122】そして、この例の場合、柱状の発熱体73A
をシリコン基板73自体の加工によって形成し、また、シ
リコン基板73によって染料収容部87を形成してるので、
上記の第3の実施例に比べてヘッド構造を一層簡略化で
きると同時に、発熱体73Aは単に基板73の加工によるも
のであるためにその形成も一層容易となる。
【0123】実施例5 図21は、本発明を非接触方式の染料気化型プリンタに適
用した第5の実施例を示すものである。
【0124】この実施例では、ヒータの特に上部電極85
に設ける貫通孔150 及び柱状発熱体175Aの形状及び分
布を種々変更し、図1及び図2に示した分布のパターン
に限らず、図21(A)〜(E)に示す分布や、四角形、
スリット状又は長方形、六角形等、種々の形状や変形パ
ターンを取り得る。或いは、分布密度やサイズの異なる
ものも図21に示している。実施例6 図22は、本発明を非接触方式の染料気化型プリンタに適
用した第6の実施例を示すものである(但し、図面には
上部電極のみを示している)。
【0125】この実施例では、上述した例と比べて、柱
状発熱体 175Aに設ける上部電極85に、その厚み方向に
おいて染料供給側から染料蒸気の吐出側にかけて径が漸
次小さくなったテーパ状の内壁面 150Aを有する貫通孔
150 が形成されている点のみが異なっている。
【0126】このように、貫通孔150 のサイズが染料蒸
気吐出方向へ漸次小さくなっているので、液化染料の供
給量を確保できる上に、気化される蒸気32の吐出方向が
貫通孔150 の中心軸方向へ寄せられ、方向性(特に垂直
方向性)をもって染料蒸気32が飛翔するために、印画紙
上のドットを所望の径で高濃度に形成することができ
る。
【0127】実施例7 図23及び図24は、本発明を非接触方式の染料気化型プリ
ンタに適用した第7の実施例を示すものである。
【0128】この実施例では、図1及び図2に示した例
と比べて、染料収容部87に設けるヒータの構成が異なっ
ている点以外は同様である。
【0129】即ち、ガラス基板73の一方の面をリソグラ
フィで加工して、平面パターンがほぼS字形の肉薄の
(例えば厚みが1〜2μmの)壁状体73Aを高さ6〜10
μmに形成し、この壁状体73Aの少なくとも側面にはポ
リシリコン等の発熱体薄膜 175Bを成膜する。また、こ
の発熱体薄膜 175Bに電流を通じるための電極84及び85
を基板73上に設け、更に絶縁体203 で被覆している。
【0130】従って、この例によれば、発熱体薄膜 175
Bを通して電流を流すことによって、その高さ方向に亘
って(即ち、染料22の深さ方向全体に)発熱を生じ、気
化効率を向上させることができると共に、壁状体73Aに
は狭い空隙82が高さ方向に存在し、これによる毛細管作
用で染料22の逃げを防止し、その保持と供給を良好に行
うことができる。また、壁状体73Aによって、ヒータの
機械的強度が向上する。
【0131】実施例8 図25及び図26は、本発明を非接触方式の染料気化型プリ
ンタに適用した第8の実施例を示すものである。
【0132】この実施例では、図1及び図2に示した例
と比べて、染料収容部87に設けるヒータの構成が異なっ
ている点以外は同様である。
【0133】即ち、ガラス基板73の一方の面上にリソグ
ラフィによって厚みが1〜2μmの柱状体73A(例えば
基板73と同じガラス製の断熱材)を高さ6〜10μmに形
成し、この柱状体73Aを被覆するようにしてポリシリコ
ン等の発熱体薄膜 175Bを平面的にみて直線状パターン
に(断面では折れ線状に)幅3〜5μmに成膜する。ま
た、この発熱体薄膜 175Bに電流を通じるための電極84
及び85を基板73上に設け、更に絶縁体203 で被覆してい
る。また、このヒータ175 の両側には多数のガラス柱20
4 を狭間隔で設けている。
【0134】従って、この例においても、発熱体薄膜 1
75Bを通して電流を流すことによって、その高さ方向に
亘って(即ち、染料22の深さ方向全体に)発熱を生じ
(薄膜175Bの幅が狭くて発熱量が大きく)、気化効率
を向上させることができる。但し、発熱体 175Bの幅が
狭いのでその両側へ染料22が逃げ易いが、柱状体73Aに
は狭い空隙82が高さ方向に存在し、また発熱体 175Bの
両側には狭い空隙205 を置いてガラス柱204 を設けたの
で、これら73A及び204 による毛細管作用で染料22の逃
げを防止し、その保持と供給を良好に行うことができ
る。
【0135】実施例9 図27〜図29は、本発明を非接触方式の染料気化型プリン
タに適用した第9の実施例を示すものである。
【0136】この実施例では、染料収容部87を染料供給
路64、64’又は64”とほぼ同一幅の幅狭なサイズとして
毛細管作用を生ぜしめると共に、この染料収容部87にお
けるベース73の対向壁面から底面にかけてポリシリコン
発熱体 175Cを被着し、その両側に電極84及び85を設け
ている。
【0137】従って、この例においても、発熱体薄膜 1
75Cを通して電流を流すことによって、染料収容部87に
おいて染料22の深さ方向全体に発熱を生じ、気化効率を
向上させることができると共に、幅狭の染料収容部87に
よる毛細管作用で染料22の逃げを防止し、その保持と供
給を良好に行うことができる。
【0138】また、この実施例は、上述した実施例とは
異なって、染料供給路(具体的には64”)に逆止弁機構
120 を設けていることが特徴的である。
【0139】この逆止弁機構120 は、導入路64”の一部
にボール弁121 を収容した弁収容空間部122 を有し、ボ
ール弁121 が染料供給時(非加熱時)は一対の三日月状
の弁座123 、124 に仮想線の如くに接当し、これらの間
の通過孔125 を経て染料22が収容部87内へ導入される
が、染料が収容部87内で加熱されて気化する際は逆流し
ようとするが、このときにはボール弁121 は空間部122
内を実線位置まで移動し、円形の通過孔126 に接し、こ
れを完全に閉塞する。
【0140】こうして、染料22は加熱時に染料導入部6
4’側へ逃げようとしても、これは弁121 により阻止さ
れ、また、非加熱時には弁121 が開き、染料導入部64’
から収容部87へ供給される。この場合、加熱時の染料の
逃げ速度は非加熱時の約100 倍にもなるが、これによる
逆流現象はこの逆止弁機構120 によって十二分に防止で
きる。
【0141】なお、逆止弁機構としては、上記以外に
も、ダイヤフラム弁、回転式ディスク弁等を採用するこ
とができるし、その位置も例えば導入部64’中であって
もよい。また、逆止弁機構は、後述する他の実施例でも
採用してよい。
【0142】実施例10 図30及び図31は、本発明を非接触方式の染料気化型プリ
ンタに適用した第10の実施例を示すものである。
【0143】この実施例では、図31のように、ベース
(ガラスなど)73にスルーホール219等を形成し、ここ
に個別及び共通の電極210 及び211 と染料導入用の孔6
4”とを設け、また、ベース73の上面にSiからなる個
別電極用導体212 及び共通電極用導体213 、214 、それ
らを絶縁する絶縁体215 (SiO2 等)と導体(Si
等)で構成された柱状体216 、217 、これらの柱状体を
絶縁するために設けた絶縁体218 、この上の発熱体(ポ
リシリコン系)175Dをそれぞれ半導体成膜プロセス及び
リソグラフィで形成し、更に、柱状体216 と導体212 及
び発熱体 175Dを電気的に接続している。
【0144】また、各柱状体216 、217 の周囲には、染
料を溜めるための凹部(染料収容部87)となっている。
図30は、柱状体216 と多数の柱状体217 を設け、各柱状
体間に微小な空隙82を形成した状態を示している。
【0145】このように構成すれば、柱状体216 の表面
上に被着した発熱体 175Dが、電極210 、導体212 及び
柱状体216 と導体213 、214 及び電極211 との間の通電
によって選択的に発熱し、これが染料22の深さ方向に亘
って生じるために、染料22の加熱による昇温、気化を効
率的かつ十分に行うことができる(但し、柱状体216の
如き発熱箇所は、同様の柱状体を複数設けると更に広げ
ることができる)。しかも、微細な柱状体216 及び217
の周囲の空隙82とその毛細管作用によって、染料の逃げ
を防止してその保持及び供給を良好に行い、かつ発熱体
175Dによる熱の逃げも効果的に防止できる。
【0146】実施例11 図32は、本発明を非接触方式の染料気化型プリンタに適
用した第11の実施例を示すものである。
【0147】この実施例では、上記の第10の実施例と異
なる構成は、共通電極(負極)211をベース73側に、個
別電極(正極)210 を発熱体 175D側に設けたことであ
る。これにより、電極210 及び導体213 と柱状体216 、
導体212 及び電極211 との間に発熱体 175Dを接続し
て、選択的に発熱すべき箇所を容易に構成することがで
きる。
【0148】即ち、発熱体 175Dと導体213 、214 との
間に絶縁体220 、221 を設け、このうち絶縁体220 の一
部分を柱状体216 の箇所で除去してスルーホール222 を
開け、これを介して発熱体 175Dと導体213 とを柱状体
216 の箇所でのみ接続する。これらの絶縁体220 及び22
1 はシリコン層213 及び214 の表面酸化で形成可能であ
る。また、絶縁体220 、221 によって、電極側へ熱が逃
げることを防止できる。
【0149】また、通電用柱状体216 の領域と非通電用
柱状体217 の領域を絶縁体215 により自由に選択でき
る。絶縁体の厚みや熱伝導率を変えることにより、温度
コントロールができる。また、断熱効果を上げる場合
は、柱の導体部を更に導体部と絶縁体に分け、内部を絶
縁体にすることにより断熱効果を向上させることができ
る。この場合は、導体214 は、柱内部の絶縁体と同一材
料で形成してよい。なお、図面では、Si層の絶縁や発
熱体の抵抗保持のための酸化防止膜等の構造物、染料の
液化保温用の発熱体は省略してある。
【0150】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0151】例えば、上述した発熱体(ヒータ)175 、
特にその柱状構造の形状、材質、サイズ等については、
種々のもの或いは組み合わせを採用することができ、ポ
リ−Siの層とメタル配線とを両用することや適宜Si
NやSiO2 等の絶縁膜を付着して保護膜を形成するこ
とも必要となる。
【0152】また、ヘッドの構成材料としては、上述し
た系だけでなく、種々の組み合わせがあり、例えば、下
記のA〜Dに示すようなものが可能である。 A)ガラス基板/メタルヒータ(Wやシリサイド、Ni
Crなど、比較的硬くて塑性変形しにくく、抵抗率制御
が可能な金属が望ましい。)/電極メタル B)Si基板/絶縁膜/ポリ−Si柱状ヒータ(a−S
i、SiGe:Bなど、同様の半導体材料が使える。)
/メタル電極 C)プラスチック(ポリイミド等)基板/ポリ−Siヒ
ータ膜付きの柱状ガラス/メタル電極 D)Si基板/Si柱状ヒータ
【0153】これらの各ヘッド構成材料の熱膨張率の差
による熱歪みを低減し、ヒータ構造が安定でありかつ取
扱の容易な材料系を採用する必要がある。ヒータと基板
との間には必要に応じてエッチング・ストッパー膜を付
着する。また、ヒータの下地にSiO2 やポリイミド等
の熱伝導率の小さい材料を設けると、熱的絶縁性を図れ
る。
【0154】また、ヒータ(発熱体)において、不純物
ドープ量やヒータ厚みの変化によってその厚み方向に抵
抗率分布をもたせると、染料の最表面での加熱(従って
気化)を効率よく行える。同様にしてその面方向で抵抗
率を変化させ、特にヒータ中央部で発熱が十分となるよ
うにすれば、気化効率を向上させることができ、或いは
発熱量分布をヒータ全域で均一化させて染料の分解を防
止できる。上部電極の貫通孔についても、種々のサイ
ズ、形状とし、ヒータ厚み方向又は面方向にサイズを変
化させる等、効率良い加熱と染料の供給、保持を行うこ
とができる。
【0155】なお、本発明に基づくヘッド及びプリンタ
は、染料の加熱に発熱体を使用し、レーザを使用しない
ことが特徴の1つとしているが、これらの発熱体とレー
ザとを組み合わせることもできる。この場合は、各加熱
手段のパワーを下げても良好に気化を実現することがで
きる。
【0156】また、気化部に形成すべき多孔性構造体
(ヒータ)は上述したものに限らず、例えば柱体の場合
はその高さ、平面又は断面形状、密度等を変化させてよ
いし、また、その形成箇所も微細パターン化又は多孔質
化、或いは表面積の拡大等が要求される箇所であれば適
用可能である。多孔性構造体としては、柱状体又は壁状
体以外にも、図36に示したビーズ集合体、繊維体等で形
成し、これらを発熱体で形成したり、発熱体をコーティ
ングしたものであってもよい。
【0157】また、染料気化型の転写方式に限らず、既
述したアブレーションによる転写方式も可能であり、い
ずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写されるもの
である。
【0158】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応した発熱体の数は
種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等も上述し
たものに限定されることはない。
【0159】また、ヘッドやプリンタの構造や形状は、
前記以外の適宜の構造、形状としてよく(図37〜図42に
示した気化部と同様に気化部を構成してよく)、ヘッド
を構成する各部分の材料には、他の適宜の材料を使用し
てよい。記録染料についても、マゼンタ、イエロー、シ
アンの3色として(更には、黒を加えた)フルカラーの
記録を行うほか、2色印刷、1色のモノカラー又は白黒
の記録を行うことができる。
【0160】また、上述の例のように、固体染料を一旦
液状にし、これを気化させて記録を行う他、固体染料を
レーザ光によって加熱して直接気化(即ち、昇華)させ
て記録を行うことができるし、染料溜めに液化染料(室
温にて液状)を収容することもできる。更に、記録材は
上述した飛翔以外の現象(例えば蒸気化)によっても印
画紙へ移行させることができる。
【0161】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、記録材の加
熱手段が記録材収容部の少なくとも深さ方向に延びる発
熱体からなっている記録装置としているので、記録材を
表面域は勿論のこと、その深さ方向において迅速に温度
上昇させ、発熱による加熱効率を高め、気化等による記
録材の転写効率を向上させることができる。しかも、レ
ーザを使用する必要がないため、低コスト化が可能とな
る。この場合、発熱体と記録材とは深さ方向において十
分な面積で接触し合うことが、記録材の温度上昇に有利
であるだけでなく、突沸を生じ難くなり、安定した飛翔
を行わせることができる。
【0162】そして、上記の発熱体が多数の柱状体、小
球(ビーズ)状体、多孔質状体等の多孔状構造からなっ
ている場合には、この多孔状構造がその毛細管作用によ
って記録材の保持及び供給を行い、これによって記録材
の逃げを抑制し、記録材を効果的に保持及び定量供給
し、発熱体による熱を効率良く伝えることを可能にし、
気化効率を向上させることができ、また記録材の定量供
給により気化量を一定として高画質の記録が得られる。
【0163】そして、この毛細管構造によって熱の逃げ
を抑制して加熱効率を上げ(それでも熱が逃げる場合、
この余熱を染料液化に利用したり、被記録体の加熱に用
いて記録材定着用の熱源としても利用でき、定着エネル
ギーを削減できる。)、冷却用フィン等を小さくしてコ
スト低減も図ることができる。
【0164】なお、本発明の記録装置は、記録材を加熱
して被記録体へ移行させる熱転写方式のものであるか
ら、既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品
位化、高階調性等の特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面図(図2のI−I線断面図)及び平面図で
ある。
【図2】同プリンタヘッドの主要部の斜視図である。
【図3】同プリンタヘッドの全体の概略平面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】同プリンタヘッドの主要部の作製工程の一段階
を示す断面図である。
【図6】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図7】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図8】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図9】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図10】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図11】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図12】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図13】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図14】同作製工程の他の段階を示す断面図である。
【図15】同作製工程の更に他の段階を示す断面図であ
る。
【図16】同プリンタヘッドを有するプリンタの概略斜視
図である。
【図17】同プリンタヘッドを有する他のプリンタの概略
斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面図である。
【図19】本発明の第3の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面図である。
【図20】本発明の第4の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面図である。
【図21】本発明の第5の実施例によるプリンタヘッドの
各種のヒータ上部電極の平面図である。
【図22】本発明の第6の実施例によるプリンタヘッドの
ヒータ上部電極の主要部の断面図である。
【図23】本発明の第7の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の平面図である。
【図24】図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】本発明の第8の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の平面図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI線断面図である。
【図27】本発明の第9の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の平面図である。
【図28】図27のXXVIII−XXVIII線断面図である。
【図29】同プリンタヘッドの主要部の一部分の拡大断面
図である。
【図30】本発明の第10の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の平面図である。
【図31】同プリンタヘッドの主要部の断面図(図30のXX
XI−XXXI線断面図)である。
【図32】本発明の第11の実施例によるプリンタヘッドの
主要部の断面図である。
【図33】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
正面図である。
【図34】従来の他のプリンタの主要部の断面図である。
【図35】同プリンタの作動時の状況を示す同様の断面図
である。
【図36】本発明の完成前に案出されたプリンタの概略断
面図である。
【図37】同プリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図38】同他のプリンタのヘッドの分解斜視図である。
【図39】本発明の案出前に出願されたプリンタの概略断
面図(図40の XXXIX−XXXIX 線断面図)である。
【図40】同プリンタのヘッドの一部分の斜視図である。
【図41】同プリンタのヘッドの他の一部分の斜視図であ
る。
【図42】同プリンタのヘッドの一部分の平面図である。
【図43】染料の逃げ現象を示す説明図である。
【図44】印画紙の一部分の概略断面図である。
【符号の説明】
22・・・液化染料 32・・・気化染料 41、41A・・・染料槽(本体) 50・・・印画紙 64、64’・・・染料導入部又は染料引込み路 70・・・プリンタヘッド 73・・・基板 73A・・・柱状体 77・・・気化部 81・・・保護層 82・・・空隙 83・・・ポリ−Si層 84、85、84’、85’、210 、211 ・・・電極又は配線 86・・・絶縁層 87・・・染料収容部 97・・・液止め層 100 ・・・プリンタ 120 ・・・逆止弁機構 121 ・・・ボール弁 150 ・・・貫通孔 175 ・・・発熱体(ヒータ) 175A、 175B、 175C、 175D・・・柱状体(ヒータ
部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬戸 順悦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 篠崎 研二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体に対向する記録材収容部と、こ
    の記録材収容部の記録材を加熱して前記被記録体へ移行
    させるための加熱手段とを有し、この加熱手段が前記記
    録材収容部の少なくとも深さ方向に延びる発熱体からな
    っている記録装置。
  2. 【請求項2】 発熱体が柱状に形成されている、請求項
    1に記載した記録装置。
  3. 【請求項3】 柱状体が発熱体自体によって形成されて
    いる、請求項2に記載した記録装置。
  4. 【請求項4】 柱状の絶縁体の表面に発熱体が被着され
    ている、請求項2に記載した記録装置。
  5. 【請求項5】 柱状の発熱体又は絶縁体が記録材収容部
    の構成層と同一材料からなっている、請求項4に記載し
    た記録装置。
  6. 【請求項6】 発熱体が、記録材の保持及び供給を行う
    多孔性構造体として形成されている、請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載した記録装置。
  7. 【請求項7】 発熱体の比抵抗が記録材収容部の深さ方
    向又は面方向で変化している、請求項1〜6のいずれか
    1項に記載した記録装置。
  8. 【請求項8】 発熱体の上部及び下部にそれぞれ電流供
    給用の電極が設けられている、請求項1〜7のいずれか
    1項に記載した記録装置。
  9. 【請求項9】 多数の柱状の発熱体に共通の上部電極及
    び下部電極が記録材収容部内において所定の幅及び長さ
    に亘って設けられている、請求項8に記載した記録装
    置。
  10. 【請求項10】 上部電極に記録材の通過孔が形成されて
    いる、請求項9に記載した記録装置。
  11. 【請求項11】 記録材の通過孔の大きさ又は分布が記録
    材収容部の深さ方向又は面方向で変化している、請求項
    10に記載した記録装置。
  12. 【請求項12】 記録材収容部への記録材供給通路に、記
    録材の逆流防止機構が設けられている、請求項1〜11の
    いずれか1項に記載した記録装置。
  13. 【請求項13】 発熱体が通電によって発熱し、この熱に
    よって記録材が気化又はアブレーションし、記録材と非
    接触状態で対向配置された被記録体へ飛翔するようにし
    た、請求項1〜12のいずれか1項に記載した記録装置。
  14. 【請求項14】 記録材収容部が複数個配され、これらの
    それぞれにおいて記録材を加熱するように構成され、前
    記複数個の記録材収容部に設けられた各発熱体のうち、
    選択された発熱体が記録材の気化又アブレーションに使
    用される間、選択されない発熱体が記録材の保温又は液
    化に使用される、請求項13に記載した記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14ののいずれか1項に記載し
    た記録装置を製造するに際し、発熱体材料を記録材収容
    部の位置においてリソグラフィにより所定パターンに加
    工し、発熱体を形成する工程を有する、記録装置の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 記録材収容部の位置において下部電極を
    形成した後、この下部電極上に発熱体材料を被着し、こ
    の発熱体材料をリソグラフィにより所定パターンに加工
    し、これによって形成された発熱体の上部にリソグラフ
    ィにより上部電極を形成する、請求項15に記載した製造
    方法。
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