JPH09111070A - スチレン系樹脂組成物、及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物、及びその製造方法

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JPH09111070A
JPH09111070A JP29329395A JP29329395A JPH09111070A JP H09111070 A JPH09111070 A JP H09111070A JP 29329395 A JP29329395 A JP 29329395A JP 29329395 A JP29329395 A JP 29329395A JP H09111070 A JPH09111070 A JP H09111070A
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polymer
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淳 七澤
Kazuyuki Yoshida
和之 吉田
Hiroo Sasaki
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 スチレン系樹脂中にスチレン系由来の環
状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来
の環状ダイマー500ppm以下含有してなるスチレン
系樹脂組成物、及びその製造方法。 【効果】 従来に比べて、熱安定性および加工性に優れ
たスチレン系樹脂組成物、およびその製造方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱安定性お
よび加工性を有するスチレン系樹脂組成物、及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は無色透明で硬く、水に
対する抵抗性、電気的性質に優れるなどの多くの長所を
有している上に、成形品を容易に大量生産することが可
能であることなどのため、射出成形、押出成形などの種
々の成形法によって成形され、電気部品、雑貨、食品容
器等に幅広く、かつ、大量に用いられている。スチレン
系樹脂は主として熱開始または開始剤を使用したラジカ
ル重合によって製造されている。重合手段には塊状重合
と懸濁重合のふたつがあるが、重合手段が簡単なことと
懸濁剤等の不純物混入の可能性がないために塊状重合が
主流となっている。
【0003】総説文献(Encyclopedia o
f Chemical Technology、Kir
k−Othmer、Third Edition、Jo
hnWiley & Sons、21巻、817頁)に
よれば、100℃以上の熱開始重合においては、スチレ
ンダイマーやスチレントリマー等のオリゴマーの副生が
伴い、その量は約1重量%になり、オリゴマーは主とし
て1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラ
リンと1,2−ジフェニルシクロブタンからなり、その
他としては2,4−ジフェニル−1−ブテンと2,4,
6−トリフェニル−1−ヘキセンが存在する、と述べら
れている。
【0004】また、文献(G.Jones、II、V.
Chew、J.Org.Chem.、1974年、39
巻、1447頁)にはテトラクロロエチレン溶媒中、2
30℃での1,2−ジフェニルシクロブタンからモノマ
ーへの熱分解速度について記載されている。しかし、ポ
リスチレンの製造工程や成形工程において、ポリマー中
に存在する1,2−ジフェニルシクロブタンや他のオリ
ゴマー成分の熱安定性への影響については何ら述べられ
ていない。
【0005】これらのことから、ポリマー中のオリゴマ
ーは未反応モノマーや溶媒の回収工程あるいは造粒工程
で高温にさらされると、一部が熱分解を起こしてペレッ
ト中の残留モノマーを増加させる原因となる可能性が示
唆される。この問題を回避すべく、オリゴマーの発生し
ない重合方法、すなわちラジカルを用いないアニオン重
合によってオリゴマーを含まないスチレン系樹脂を製造
することは可能であり、また、ラジカル重合によって製
造されたスチレン系樹脂であっても溶剤抽出、再沈等に
より精製することも可能であるが、スチレン系樹脂の高
温良流動性を損なうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、造粒や加工
成形工程等での高温にさらされるところで熱分解しにく
く、かつ、加工性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意探索を繰り返した結果、スチレン
系樹脂製造工程や加工工程において、ポリマーに含有さ
れるオリゴマーの中で、最も熱分解しやすいものは環状
ダイマーであり、環状ダイマーを減らすことによって熱
安定性の向上したスチレン系樹脂組成物が得られること
を見出した。同時に、環状ダイマーと共に副生する環状
トリマーは熱安定性に関して大きな問題はなく、むしろ
可塑剤として良流動性に寄与している事実を見出した。
【0008】すなわち、スチレン系樹脂中にスチレン系
由来の環状トリマー500〜15000ppm、スチレ
ン系由来の環状ダイマー300ppm以下含有してなる
スチレン系樹脂組成物が熱安定性、および加工性に優れ
た性能を有することを見出し、本発明を完成した。以
下、本発明の内容を順を追って説明する。
【0009】本発明におけるスチレン系由来の環状ダイ
マーとは次式(1)で表される1,2−ジフェニルシク
ロブタンである。
【化1】
【0010】本発明におけるスチレン系由来の環状トリ
マーとは次式(2)で表される1−フェニル−4−
(1’−フェニルエチル)テトラリンである。
【化2】
【0011】本発明におけるスチレン系樹脂とはスチレ
ンのみを重合させて、またはスチレンとα−メチルスチ
レンを、あるいはスチレンと共重合可能なビニルモノマ
ー(ビニルコモノマー)とを共重合させて得られる樹脂
である。ビニルコモノマーとしてはアクリル酸、メタア
クリル酸、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、
アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のα、β−不
飽和ニトリル化合物、N−フェニルマレイミド等のマレ
イミド等が挙げられる。これらを一種または二種以上の
混合物として使用する場合も含まれる。
【0012】スチレン系樹脂は主として熱開始または開
始剤を使用したラジカル重合によって製造される。重合
手段には塊状重合と懸濁重合のふたつがあるが、重合手
段が簡単なことと懸濁剤等の不純物混入の可能性がない
ために塊状重合が主となっている。塊状重合において
は、エチルベンゼン等の溶剤を添加する場合もある。
【0013】塊状重合プロセスでは通常80℃〜180
℃で重合を行い、続いて未反応モノマー回収工程で脱揮
処理されて、回収された未反応モノマーや溶剤はリサイ
クルされるが、副生した環状ダイマーや環状トリマー
も、一部、未反応モノマーと共にリサイクルされ、最終
的には系内で平衡濃度になって、重合中に副生した量が
ポリマーに含まれて脱揮工程を出ていくことになる。
【0014】このようにして製造したポリマーには、例
えば、ポリスチレンを分析した結果、重合中の副生成物
または原料からの残留物・不純物として、エチルベンゼ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、n−プロピルベン
ゼン、i−プロピルベンゼン、1,3−ジフェニルプロ
パン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、1,2−ジフ
ェニルシクロブタン、1−フェニルテトラリン、2,
4,6−トリフェニル−1−ヘキセン、1,3,5−ト
リフェニルベンゼン、1−フェニル−4−(1’−フェ
ニルエチル)テトラリン等が含まれていることがわかっ
た。
【0015】熱重合による製品ペレット中の主なオリゴ
マーの含有量は、二量体領域では、1,3−ジフェニル
プロパン50ppm、2,4−ジフェニル−1−ブテン
180ppm、1,2−ジフェニルシクロブタン660
ppm、1−フェニルテトラリン10ppm、三量体領
域では、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン18
10ppm、1−フェニル−4−(1’−フェニルエチ
ル)テトラリン12600ppmであった。
【0016】これらの化合物の熱安定性やポリマーに含
有する際のラジカル源としての影響を調べると、1,2
−ジフェニルシクロブタンの影響がもっとも大きく、つ
いで2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン、2,4
−ジフェニル−1−ブテンとなり、1−フェニル−4−
(1’−フェニルエチル)テトラリンの熱安定性に対す
る影響はこれらに比較して小さかった。例えば、280
℃、10minでの熱分解量は1,2−ジフェニルシク
ロブタン約50%、2,4,6−トリフェニル−1−ヘ
キセンと2,4−ジフェニル−1−ブテンは約1%であ
って、その他の成分はこれらよりも安定であった。
【0017】さらに鋭意検討した結果、スチレンの環状
トリマーはむしろ可塑剤として流動性付与に寄与してい
る事実を発見した。本発明のスチレン系樹脂組成物は、
(イ)開始剤を用いて、重合温度を熱開始を起こしにく
い重合温度に下げる方法、(ロ)脱揮処理を改良する方
法、または(ハ)熱処理を行い環状ダイマーを強制的に
分解除去する方法を組み合わせることによって達成でき
る。
【0018】具体的には、一つは温度を80〜140℃
の範囲で開始剤を用いて重合させ、熱重合の割合を減ら
す方法がある。開始剤としてはアゾイソブチルニトリル
(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−
トリメチルシクロヘキサン、ポリ{ジオキシ(1,1,
4,4−テトラメチル−1,4−ブタンジイル)ジオキ
シカルボニル−1,4−シクロヘキサンカルボニル}、
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙
げられる。しかしながらこれのみでは十分ではなく、未
反応モノマーや溶剤を回収する仕上げ段階において、1
段目でポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モ
ノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するよう
に脱揮を行い、留出した未反応モノマー等はリサイクル
使用し、2段目でさらにポリマー中の残存物を0.00
2≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマ
ー)>0.00005を満足するように脱揮を行い、こ
の際に留出した未反応モノマー等はリサイクル使用しな
いことによって得られる。1段目の脱揮工程の後、2段
目の脱揮工程に入る前に水等を添加することによって未
反応モノマー等を揮発しやすくしても良い。
【0019】脱揮装置としては、大きく分けて、真空タ
ンクへフラッシュさせるタイプと押出蒸発タイプとがあ
り(参考:新ポリマー製造プロセス、佐伯・尾見 編
著、工業調査会出版、1994年、195頁)、どちら
も用いることができる。温度を180〜260℃の範
囲、真空度0.1〜50Torrの範囲にて、未反応モ
ノマー、溶媒等を揮発させる。
【0020】もう一つの製造方法としては、ラジカル重
合後、1段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を
(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>
0.002を満足するように脱揮を行い、この際の揮発
した留分はリサイクル使用し、次に1段目の脱揮工程と
2段目の脱揮工程の間で260〜320℃、0.1〜1
00min加熱することによりスチレンの環状ダイマー
を強制的に熱分解させた後、2段目の脱揮工程において
ポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)
/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満
足するように脱揮を行って得られる。この方法の利点と
しては環状ダイマーを廃棄しないでモノマーとしてリサ
イクルできる点にある。ただし、2段目の揮発留分をリ
サイクルさせなくてもかまわない。また、1段目の脱揮
工程の後にスチレンの環状ダイマーを強制的に熱分解し
た後、2段目の脱揮工程に入る前に水等を添加すること
によって未反応モノマー等を揮発しやすくしても良い。
2段目の揮発留分に水を含んでいる場合、リサイクルさ
せるときには水分を除去乾燥してから行う。
【0021】このようにして低減されたスチレン系由来
の環状ダイマーはポリマー中に300ppm以下、好ま
しくは200ppm以下、さらに好ましくは100pp
m以下となる。300ppm以上の環状ダイマーを含有
しているポリマーでは、脱揮工程から造粒までの高温滞
留によって熱分解を起こして含有モノマー量が多くなる
し、また成形する際に熱分解を起こしてモノマーの発生
が多くなる。
【0022】ところで、環状ダイマーを減らすために
は、アニオン重合によってオリゴマーを含まないスチレ
ン系樹脂を製造することや、またはラジカル重合によっ
て製造されたスチレン系樹脂であっても溶剤抽出、再沈
等により精製することでも可能であるが、スチレン系樹
脂の高温良流動性を損なうという問題があった。検討を
行った結果、本発明者らは、スチレン系由来の環状ダイ
マーと共に副生するスチレン系由来の環状トリマーが可
塑剤として流動性付与に寄与していることを見出した。
【0023】本発明のスチレン系樹脂組成物に含有され
るスチレンの環状トリマーは500〜15000ppm
である。好ましくは500〜10000、より好ましく
は500〜8000ppmである。500ppm未満で
は加工性を大きく向上させることができず、また150
00ppmより多いと熱変形温度を下げる等の問題が出
てくる。
【0024】本発明のスチレン系樹脂組成物としては、
ゴム変性したものやゴム状重合体を添加したものも好ま
しい。ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−イソプレン共重合体や、それらの
水素添加物が好適に使用される。これらのゴム状重合体
をスチレン系樹脂組成物に溶融ブレンドしたり、これら
のゴム状重合体の存在下でスチレン等を重合させること
によってゴム変性スチレン系樹脂組成物を得ることがで
きる。これらのスチレン系樹脂組成物は、一種または二
種以上の混合物の場合も好ましい。
【0025】また、本発明のスチレン系樹脂組成物中に
は熱安定性・加工性を改良するという目的に反しない限
り、各種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、ガラス
繊維等の充填剤等のスチレン系樹脂に配合することが知
られている任意の添加物を加えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例および比較
例によって更に具体的に説明する。 (実施例1)スチレン88重量%、エチルベンゼン12
重量%の混合液100重量部に対し、開始剤1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン0.02重量部を添加してなる重合液
を、7.2リットルの完全混合型反応器に続いて直列に
接続された合計4.3リットルの3槽の層流型反応器を
有する重合反応装置に1.08kg/hrで連続的に仕
込んだ。完全混合型反応器の温度を122℃、3槽の層
流型反応器の温度をそれぞれ125℃/132℃/14
0℃に調節した。最終の層流型反応器の出口の固形分濃
度は75%に安定した。
【0027】重合反応器より連続して排出される重合体
溶液を、内部に単軸スクリューを有し連続的にポリマー
が排出可能な脱揮缶に導入し240℃/20Torrで
連続的に脱揮した。ここで留出した液はスチレンと開始
剤を添加して重合液組成と同じになるように調製した
後、リサイクルさせた。この脱揮工程での出口でのポリ
マー中の残留モノマーと溶媒量は2670ppmに安定
した。1段目の脱揮工程を出たポリマーに水2重量部添
加し、次の脱揮工程であるベント口を有する20mm2
軸押出機において250℃/10Torrで脱揮しポリ
スチレンペレットを得た。ここで留出した液はリサイク
ルさせなかった。
【0028】得られたポリマー200mgを2ミリリッ
トルの1,2−ジクロロエタンに溶かした。この溶液に
メタノール2ミリリットルを添加してポリマーを析出さ
せ、0.2μm孔径のフィルターで濾過し、ろ液をガス
クロマトグラフィーで分析した。カラムはGLサイエン
ス社のTC−1(内径0.25mm、厚み0.25μ
m、長さ30m:商品名)、カラム温度は50℃で5m
in保持した後、20℃/minで320℃まで昇温
し、さらに3min保持した。装置は島津GC−14B
(FID:商品名)で、インジェクションは260℃、
ディテクターは330℃に設定した。内標はアントラセ
ンを用いた。ペレット中の定常濃度になったスチレンの
環状ダイマー量は135ppm、スチレンの環状トリマ
ー量は3250ppmであった。
【0029】このポリマー70mgをガラスアンプル管
に入れ、減圧下で封管した後、280℃で熱分解テスト
を行った。モノマーの発生は上記のペレットの分析と同
様にガスクロマトグラフィーで測定した。発生速度は2
0分までのモノマー発生量から求めた。スチレンモノマ
ーの発生速度は1560ppm/hrであった。また、
加工性は流動性測定を行った。メルトフローレイト(M
I値)はASTM D1238に従って条件G(200
℃、5.0kg荷重)で測定した。その結果、MIは
3.2g/10minであった。
【0030】(実施例2)実施例1と同様に行った。た
だし、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ125℃/
140℃/155℃に調節し、また1段目の脱揮工程の
後でフィードラインを利用して280℃、10min加
熱し、環状ダイマーを強制的に分解させた後、水2重量
部添加し、次の脱揮工程に送った。ここで留出した液は
含有する水を除いた後、1段目の留出液と共にリサイク
ルさせた。得られたポリスチレンペレット中の環状ダイ
マーは160ppm、環状トリマーは4220ppmで
あった。また、モノマーの発生速度は1620ppm/
hrであり、MIは3.3g/10minであった。
【0031】(実施例3)実施例1において、開始剤と
してBPO0.5重量部添加し、完全混合型反応器の温
度を90℃、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ95
℃/100℃/105℃に調節した以外は実施例1と同
様に実験した。得られたポリスチレンペレット中の環状
ダイマーは75ppm、環状トリマーは680ppmで
あった。また、モノマーの発生速度は1270ppm/
hrであり、MIは3.0g/10minであった。
【0032】(実施例4)実施例2において、開始剤と
してBPO0.5重量部添加し、完全混合型反応器の温
度を90℃、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ95
℃/100℃/105℃に調節した以外は実施例2と同
様に実験した。得られたポリスチレンペレット中の環状
ダイマーは30ppm、環状トリマーは680ppmで
あった。また、モノマーの発生速度は1150ppm/
hrであり、MIは3.0g/10minであった。
【0033】(実施例5)スチレン55.6重量部%、
アクリロニトリル25.9重量部%、エチルベンゼン1
8.5重量部%の混合液100重量部に対し、開始剤t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.03
重量部を添加してなる重合液を、各容積4.3リットル
の直列に接続された3槽の層流型反応器を有する重合反
応装置に0.86リットル/hrで連続的に仕込んだ。
3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ108℃/124
℃/138℃に調節した。最終の層流型反応器の出口の
固形分濃度は61%に安定した。
【0034】重合反応器より連続して排出される重合体
溶液を、内部に単軸スクリューを有し連続的にポリマー
が排出可能な脱揮缶に導入し240℃/20Torrで
連続的に脱揮した。ここで留出した液は重合液と同じ液
組成になるように調製した後、リサイクルさせた。1段
目の脱揮工程を出たポリマーに水2重量部添加し、次の
脱揮工程であるベント口を有する20mm2軸押出機に
おいて250℃/10Torrで脱揮しASペレットを
得た。ここで留出した液はリサイクルさせなかった。得
られたASポリマー中の環状ダイマーは150ppm、
環状トリマーは5250ppmであった。また、モノマ
ーの発生速度は870ppm/hrであり、MIは25
g/10min(220℃、10kg荷重)であった。
【0035】(実施例6)実施例2において、触媒を用
いず、完全混合型反応器の温度を130℃、3槽の層流
型反応器の温度をそれぞれ135℃/145℃/155
℃に調節したこと以外は同様に実験した。得られたポリ
スチレンペレット中の環状ダイマーは250ppm、環
状トリマーは11000ppmであった。また、モノマ
ーの発生速度は1830ppm/hrであり、MIは
3.5g/10minであった。
【0036】(実施例7)スチレン1kgを入れたナス
フラスコをオイルバスに浸漬し、攪拌しながら窒素ガス
下で2時間かけて150℃に上げ、さらに6時間保温し
て熱重合を行った。重合物を熱いうちにビーカーに取り
出し、放冷後、4リットルのテトラヒドロフラン(TH
F)に溶解し、次に18リットルのメタノールに滴下し
てポリマーを沈殿させ、濾過して得られた濾液を濃縮し
た。この濾過残査を減圧蒸留によって精製分離を行いス
チレンの環状ダイマー(1g、0.06mmHg、11
5℃)とスチレンの環状トリマー(8g、0.03mm
Hg、200℃)を得た。沈殿したポリマーは再度、T
HF−メタノールで精製を行い、環状ダイマーと環状ト
リマーが共に1ppm以下の精製スチレン樹脂を得た。
重量平均分子量Mw20万、Mw/Mnは2.2であっ
た。
【0037】つぎに、この精製スチレン樹脂粉末と、分
離精製した環状トリマーを溶解したメタノール溶液とを
混合し、室温、減圧下(3mmHg)でメタノールを留
去乾燥した。環状ダイマーと環状トリマーの残存量は実
施例1に従って測定した。その結果、環状トリマーを1
0000ppm含み、環状ダイマーは1ppm以下のス
チレン樹脂組成物の場合は、熱分解によるモノマー発生
速度は1100ppm/hr、MIは3.5g/10m
inであった。
【0038】(実施例8)実施例7に従って、テストを
行った。環状ダイマーも同様に混合した。環状トリマー
600ppm、環状ダイマー50ppm含有するスチレ
ン樹脂組成物の場合、熱分解によるモノマーの発生速度
は1210ppm/hr、MIは3.0g/10min
であった。
【0039】(比較例1)実施例1と同様に行った。た
だし、2段目の脱揮工程で留出した液は、含有する水を
除いた後、1段目の留出液と共にリサイクルさせた。得
られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは350
ppm、環状トリマーは3400ppmであった。MI
は3.2g/10minであったが、モノマーの発生速
度は2250ppm/hrとなり、熱安定性に劣った。
【0040】(比較例2)実施例2と同様に行った。た
だし、1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間での加
熱処理は行わなかった。得られたポリスチレンペレット
中の環状ダイマーは310ppm、環状トリマーは40
90ppmであった。MIは3.3g/10minであ
ったが、モノマーの発生速度は2050ppm/hrと
なり、熱安定性に劣った。
【0041】(比較例3)実施例5と同様に行った。た
だし、2段目の脱揮工程で留出した液は、含有する水を
除いた後に1段目の留出液と共にリサイクルさせた。得
られたASポリマー中の環状ダイマーは410ppm、
環状トリマーは5300ppmであった。また、MIは
25g/10min(220℃、10kg荷重)であっ
たが、モノマーの発生速度は1450ppm/hrとな
り、熱安定性に劣った。
【0042】(比較例4)実施例6と同様に行った。た
だし、1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間での加
熱処理は行わなかった。得られたポリスチレンペレット
中の環状ダイマーは580ppm、環状トリマーは11
000ppmであった。MIは3.5g/10minで
あったが、モノマーの発生速度は2900ppm/hr
となり、熱安定性に劣った。
【0043】(比較例5)実施例1で得たポリスチレン
1重量部をテトラヒドロフラン20重量部に溶解させ、
200体積部のメタノールに滴下してポリマーを析出さ
せた。このポリマーを濾過して乾燥後、熱分解テストと
加工性テストに用いた。環状ダイマーは1ppm以下、
環状トリマーは170ppm含有しており、熱分解によ
るモノマー発生速度は1100ppm/hrを示した。
しかし、MIは2.7であり、加工性は低下した。
【0044】
【発明の効果】本発明は従来のスチレン系樹脂よりも熱
安定性、および加工性に優れたスチレン系樹脂組成物、
およびその製造方法を与える。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂中にスチレン系由来の環
    状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来
    の環状ダイマー300ppm以下含有してなるスチレン
    系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレンの環状ダイマー100ppm以
    下含有してなる請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】開始剤を用いたラジカル重合を80〜14
    0℃で行い、続いて1段目の脱揮工程においてポリマー
    中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+
    ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、
    この際に揮発した留分はリサイクルを行い、2段目の脱
    揮工程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モ
    ノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.
    00005を満足するように脱揮を行い、この際に揮発
    した留分はリサイクルさせないことを特徴とする請求項
    1記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】ラジカル重合後、1段目の脱揮工程におい
    てポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマ
    ー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱
    揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルを行い、
    1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間で260〜3
    20℃、0.1〜100min加熱することにより、環
    状ダイマーを強制的に熱分解させた後、2段目の脱揮工
    程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モノマ
    ー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00
    005を満足するように脱揮を行うことを特徴とする請
    求項1記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
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