JPH09123107A - 歪の少ない合板の製造方法 - Google Patents

歪の少ない合板の製造方法

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JPH09123107A
JPH09123107A JP2330096A JP2330096A JPH09123107A JP H09123107 A JPH09123107 A JP H09123107A JP 2330096 A JP2330096 A JP 2330096A JP 2330096 A JP2330096 A JP 2330096A JP H09123107 A JPH09123107 A JP H09123107A
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由則 小羽
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典男 柴垣
Akira Ito
彰 伊藤
Shiyouei Tsuruta
松永 鶴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合板の厚さ方向の対称位置にある対の単板同
士の局部或は全面に亙る縮小方向或は縮小割合の差異
を、主とする単板の歪の誘因に適切に対応し、低質原木
から旋削された交走木理が内在する単板を用いて、従来
よりも歪の少ない合板を得る。 【構成】 交走木理をほぼ同一部位に揃えた同じ厚さの
表面用単板11と裏面用単板12とを、でき上る合板A
の厚さ方向の中心に対して対称的に配置し、接着剤を介
して中芯用単板13に接着し、必要に応じて四周を任意
寸法に切り揃えることにより、厚さ方向の中心に対して
対称的な位置にある対の単板同士が、交走木理をほぼ同
一部位に揃えられて成る3層合板Aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪の少ない合板及
びその合板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合板は、合板適用材として選別さ
れた原木(主として南洋材)から削成され且つ所要寸法
に切揃えられた同厚又は厚さの異る複数枚の単板を重ね
合わせて製造されるが、その際、合板の厚さ方向の中心
に対して対称に位置すべき一対又はそれ以上の対の単板
に関しては、その厚さや概略的な繊維方向を互いに一致
させ(一般的には、奇数枚の単板の繊維方向を順次交叉
させる配列形態を採る)、合板の厚さ方向の中心に中立
面が定まるよう配慮するが、その木理(繊維の配向性)
に関しては、合板適用材として選別された原木から単板
を削成している関係上、製品の品質に影響がないためか
全く考慮されてない。また前記合板適用材と合板不適材
の選別は、例えば伐採時・積出し時・荷下し時等の都
度、経験則等に照らして実施されており、合板不適材と
して除外された原木は、伐採或は積出されずに放置され
るか、若しくは製材等の他の用途に振向けられているの
が実情である。因に、この原木を合板適用材と合板不適
材とに選別する要因を列挙すると、接着不良を起こす含
有成分の有無・乾燥し易さ、しにくさ・悪臭の有無等が
挙げられるが、加えて、更に大きな要因は、少なくとも
一部の繊維が著しく非通直であるか否かの点にあり、か
かる原木は、従来合板適用材とされた、全体的に繊維が
殆ど通直な原木(以下、良質原木と略称する)に比べる
と、旋削抵抗・曲げ応力等が大きく、旧来のベニヤレー
スで旋削すると単板の表面が粗雑化し易いこと等から、
その利用が敬遠されているのである。 しかしながら、
近年における木材資源の枯渇化は、このように少なくと
も一部の繊維が著しく非通直な原木(以下、低質原木と
略称する)を無視することができなくなり、その有効的
な利用を図る必要性が増大してきた。そこで、本出願人
は、先に「ベニヤレース」(特公昭56−16729号
公報)・「ベニヤレース」(特公昭59−19007号
公報)或は「ロータリーレース」(特公昭61−218
05号公報)等に代表的な例を開示する如く、原木の切
削に要する動力の一部又は全部を、原木の外周から有効
に供給すると共に、原木と単板との境界を適切に加圧で
きるよう構成した、画期的な外周駆動型ベニヤレースを
開発し、前記の如き低質原木の旋削を著しく容易化し
て、その利用度の向上に相応の効果を挙げるに至った。
しかし、利用度が向上するにつれて、合板の品質に関す
る新たな問題点が明瞭化してきた。即ち、低質原木から
削成された単板の木理は、当然非通直であって、所謂交
走木理と総称される非通直木理、更に詳しくは、斜走木
理を主体として、交錯木理・波状木理等が様々に入交じ
った状態の木理が内在するが、このような単板を従前通
り無作為に組合わせて接着すると、合板の局部乃至は全
面に反り・波打ち等の歪が発生し易く、実用的に支障が
あるほど合板の品質を劣化させる不都合も少なからず散
見されるので、単板としての利用価値は極めて低いもの
であった。そこで、本発明の開発過程においては、膨大
な実験とその実験に基づく検証とを繰り返し、前記歪の
誘因を究明せんと図ったが、必らずしもその全容を解明
するには至らず、実際には、後記誘因以外の誘因も複合
的に作用していると思慮され、歪の発生を完全に抑制す
る為には、更に一段の改良が望まれるものの、少なくと
も後記誘因に適切に対処すれば、無作為な組合わせを採
る従来の合板に比べて、歪の発生を効果的に抑制できる
ことが確認された。従って、以下先づ解明できた誘因に
ついて述べることにする。尚、単板は、繊維方向には比
較的強靭で、圧縮・引張り・曲げ等の外力に強い反面、
繊維直交方向には極めて軟弱であり、例えば含有水分量
の多寡によって繊維と直交する方向にのみ顕著に伸縮す
るなど、著しく異方性を有する特異な材料であることは
公知の通りであり、前記交走木理が内在する場合には、
伸縮方向が局部毎に(厳密には表裏両面でも)異るの
で、種々の要因によって伸縮する際に歪が生じるのは当
然であって、このような特性が、合板の歪の大きな誘因
であることは言うまでもない。そこでその誘因を取り払
うべく、単板に直接薬品類を作用させて前記特性を変え
ることもできなくはないが、そうすることは経済性から
して実用的でなく、また本発明の要旨からも外れること
から、ここでは便宜上、単板自体の歪に関しては、詳細
な説明を省略することにする。扨て、従来、合板の製造
には、尿素樹脂・メラミン樹脂・フェノール樹脂等の合
成樹脂類、又はそれらの変性樹脂・共縮合樹脂・混合樹
脂等を主体とする熱硬化性の接着剤が多用されている。
これらの接着剤は、多量の水等の溶剤を含む(大多数の
接着剤の溶剤は水であって、例えば最も使用が多い尿素
樹脂接着剤の含水率は、35〜55%に達するが、アル
コール等を溶剤とする接着剤も一部ある)液状にて製造
・市販されているおり、必要に応じて、更に水等の溶
剤、木粉・小麦粉等の増量剤、塩化アンモン等の硬化
剤、或はその他の充填剤・増粘剤・可塑剤等の添加剤を
配合の上、適度に乾燥した単板の接着面へ塗布し、他の
単板を重ね合わせた後に、熱圧して硬化させる使用形態
が採られている。そして前記溶剤は、その一部が接着剤
の一部と併せて単板に吸収され、更に接着剤を硬化させ
る為の加熱に伴って、残りの溶剤が順次接着剤から放散
されるので、結果的に、接着剤は著しく収縮つつ硬化す
ることになる。勿論、単板自体も、接着剤の付着に伴っ
て一旦膨潤し、次いで接着剤硬化時の加熱に伴って乾燥
収縮するから、接着剤の収縮に追従する要素はあるが、
前記異方性からして、その追従方向は繊維と直交する方
向に限定され、而も放散される溶剤を吸収することによ
る二次的膨潤もあるので、接着剤の収縮に完全に追従す
ることは事実上不可能である。その結果、単板には、接
着剤の収縮に起因する大きな圧縮力が作用するのであ
る。従って、異方性を有する単板は、主として繊維と直
交する方向へ限定的に若干縮小されることになるが、そ
の際、たとえ前述の如く、合板の厚さ方向の中心に対し
て対称的な位置に配置する対の単板の、厚さと概略的な
繊維方向を各対毎に一致させ、でき上る合板の厚さ方向
の中央に中立面が定まるよう配慮したとしても、該中立
面を中心として、一方の表層側と他方の表層側とに、縮
小方向或は縮小割合の差異が生じれば、その合板に歪が
発生することは容易に理解されよう。そこで、前記中立
面を中心とする一方の表層側と他方の表層側に縮小方向
或は縮小割合の差異を生じさせる要因について言及する
と、接着剤の収縮に伴う圧縮力、並びに接着剤(溶剤)
の吸収・発散による単板自体の膨潤・収縮は、前記両表
層側ともほぼ均等と看做して差支えなく、また中立面を
包含する単板(奇数枚の組み合わせの場合)の表裏両面
における局部毎の縮小方向及び縮小割合の差も僅かであ
るから、結局、合板の厚さ方向の対称位置にある対の単
板同士の局部或は全面に亙る縮小方向或は縮小割合の差
異が、主として歪の誘因となるのである。因に、良質原
木から旋削された単板は木理が全面的にほぼ通直であっ
て(参考写真1参照)、その縮小方向が全面に亙りほぼ
一定である。従って、たとえ無作為に組み合わせても、
厚さ方向の中心に対して対称的な位置にある対の単板同
士の縮小方向が全面的にほぼ一定であり、それに伴って
縮小割合も全面的にほぼ一様となる結果、実用的に支障
があるほどの歪を誘発する虞れはない。しかし低質原木
から旋削された単板については、交走木理の部分に於け
る縮小方向が局部毎に異るが故に、無作為な組み合わせ
に伴い、厚さ方向の中心に対して対称的な位置にある対
の単板同士の縮小方向が局部乃至は全面(交走木理に対
応する)に亙って異り、それに伴って縮小割合も局部乃
至は全面に亙って異るので、合板の局部乃至は全面に歪
が発生する結果となる。本発明は、前記誘因に適切に対
応し、低質原木から旋削された交走木理が内在する単板
を用いて、従来よりも歪の少ない合板を得るべく開発し
たものであり、加えて通常の単板の作成方法では、前記
誘因に適切に対応するために用いる対の定尺単板が有効
に取得できないことが本発明の開発過程で判明したの
で、このような対の定尺単板を取得するのに有効な原木
の削成方法に関しても併せて開発したものである。即
ち、本発明の構成は、合板の厚さ方向の対称位置にある
少なくとも一対の単板同士が、交走木理をほぼ同一部位
に揃えていることを特徴とする歪の少ない合板と、その
合板の製造方法である交走木理をほぼ同一部位に揃えた
少なくとも一対の定尺単板を、でき上る合板の厚さ方向
の中心に対して対称的な位置に配置して、合板を形成す
ることを特徴とする歪の少ない合板の製造方法と、更に
その製造方法の内、交走木理をほぼ同一部位に揃えた少
なくとも一対の定尺単板の内の、更に任意数の対の定尺
単板の削成方法を特定した合板の製造方法である、少な
くとも一部の繊維が著しく非通直な円柱状の原木から所
望厚さの2倍の厚さを有する厚帯状単板を旋削し、更に
その厚帯状単板を所定寸法毎に切断して所望厚さの2倍
の厚さを有する厚定尺単板を形成し、次いでその厚定尺
単板を厚さ方向に2分割することによって形成すること
を特徴とする歪の少ない合板の製造方法と、同じく前記
少なくとも一対の定尺単板の内の、更に任意数の対の定
尺単板の削成方法を特定した合板の製造方法である、少
なくとも一部の繊維が著しく非通直な円柱状の原木から
所望厚さの2倍の厚さを有する厚帯状単板を旋削し、更
にその厚帯状単板を厚さ方向に2分割して2枚の所望厚
さの帯状単板を形成し、次いで存在する交走木理をほぼ
同一部位に揃えて各帯状単板を所定寸法毎に切断するこ
とによって形成することを特徴とする歪の少ない合板の
製造方法と、同じく前記任意数の対の定尺単板を、旋削
方向に適宜距離隔てて備えた2枚の切削用刃物を用い
て、少なくとも一部の繊維が著しく非通直な円柱状の原
木から2枚の所望厚さの帯状単板を重複的に旋削し、次
いで存在する交走木理をほぼ同一部位に揃えて各帯状単
板を所定寸法毎に切断することによって形成することを
特徴とする歪の少ない合板の製造方法と、同じく前記任
意数の対の定尺単板を、切り込み形成部材を用いて、少
なくとも一部の繊維が著しく非通直な円柱状の原木の外
周方向の所定寸法毎に、該原木の回転軸芯と平行に所望
厚さの2倍の深さの切り込みを形成する工程と、旋削方
向に適宜距離隔てて備えた2枚の切削用刃物を用いて、
前記切り込みを有する原木から2枚の所望厚さの定尺単
板を重複的に旋削する工程とを、交互に間歇的に繰返す
ことによって形成することを特徴とする歪の少ない合板
の製造方法と、からなり、更に後述する理由からして、
交走木理をほぼ同一部位に揃えた半乾燥乃至未乾燥の一
対の定尺単板を合板の最表層に位置させて合板を製造す
る方法も併せて提案する。
【0003】
【実施例】以下、本発明を図面に例示した実施の一例と
共に更に詳述する。但し、現実の木理は極めて微細且つ
複雑であり(参考写真2〜4参照)、単板の全面に亙り
木理を写実的に表示することは困難であるから、便宜上
図面においては、概略的な繊維方向を間接表示する場合
に通常用いられる年輪模様を代用的に表示した。更に言
及すると、針葉樹等から旋削される単板に顕著に表われ
る年輪模様や、南洋材から旋削される単板に表われる疑
似的な年輪模様と、木理との間には必ずしも一定の相関
関係はないが、少なくとも年輪模様が一致すれば、木理
も当然一致することは容易に理解されるであろう。本発
明に係る合板の製造方法は、例えば第1図・第2図・第
3図に例示する如く、交走木理をほぼ同一部位に揃えた
同じ厚さの表面用単板11と裏面用単板12とを、でき
上る合板Aの厚さ方向の中心に対して対称的に配置し、
接着剤を介して中芯用単板13に接着し、必要に応じて
四周を任意寸法に切り揃えることにより、厚さ方向の中
心に対して対称的な位置にある対の単板同士が、交走木
理をほぼ同一部位に揃えられて成る3層合板Aを形成す
るものであり、図中X−Xは、合板Aの厚さ方向の中心
を示す中心線、11a・12aは導管である。このよう
に構成された3層合板Aは、たとえ交走木理の存在によ
り、表面用単板11及び裏面用単板12の局部毎の縮小
方向が様々に異っても、中立面に対する表面用単板11
と裏面用単板12の局部毎の縮小方向は全面的にほぼ一
様となり、またそれに伴って縮小割合も全面的にほぼ一
様となるので、無作為な組み合わせを採る従来の3層合
板に比べれば、歪の発生が大幅に抑制され、実用に供し
た場合支障が生ずるほど品質が劣化する虞れは殆どなく
なるので効果的である。尚、本発明が対象とする合板の
積層態様としては、前記実施例の如き3層に限らず、一
般的な5層以上の奇数枚層は勿論のこと、例えば第4図
に例示する如く、通常の中芯用単板に該当する部分が、
繊維方向を同方向に揃えた同じ厚さの二枚の単板によっ
て形成されて成る、積層数が偶数(実施例は4)の合板
B、或は例えば第5図に例示する如く、隣合う任意複数
対(実施例は中芯用単板の外側に位置する2対)の単板
同士が、繊維方向を同方向に揃えて接着されて成る合板
Cなど、通常の態様以外にも種々の態様が存在し、要
は、常法通り、合板の厚さ方向の中心に中立面が定まる
べく、合板の厚さ方向の中心に対して対称的な位置に配
置する全ての対の単板同士の厚さと概略的な繊維方向
を、各対毎に一致させる構成を採る合板であれば、積層
数を含めてその積層態様に特に限定はなく、各単板の厚
さについても、従来と同程度の誤差は当然許容する。ま
た前記の如き誘因によって惹起される歪を可及的に抑制
するには、積層態様に拘りなく、合板の厚さ方向の中心
に対して対称的な位置にある全ての対の単板同士の交走
木理をほぼ同一部位に揃えて構成するのが望ましいが、
必らずしもこのように全ての対の単板同士を同一に構成
する必要はなく、要は、合板の厚さ方向の中心に対して
対称的な位置にある対の単板の内、任意の対の単板同士
が、交走木理をほぼ同一部位に揃えられていれば、全く
無作為な組み合わせを採る場合に比べて、平均して歪が
少なくなるので効果的である。また通常、単板は、含水
率5〜15%程度に乾燥してから合板に形成するが、低
質原木から旋削された交走木理が内在する単板を、ロー
ルドライヤー等を用いて、比較的緩やかに拘束しつつ乾
燥すると、歪・裂け・欠落等が生じて、実用上支障があ
るので、例えば先に本出願人が出願した「単板の乾燥方
法」(特公昭61−32591号公報)・「単板加熱装
置」(特公昭61−45150号公報)・「ベニヤ単板
の乾燥装置」(特開昭63−46375号公報)或は
「ベニヤ単板の乾燥装置」(特開昭63−91477号
公報)等に開示される乾燥装置の如く、広い面又は可及
的多数の点を以って、単板を比較的強固に拘束する形式
の乾燥装置を用いて乾燥するのが好ましい。しかしなが
ら、特に合板の最表層に用いる単板は、滑らかな表面を
得るべく、比較的薄くする必要があり、前記形式の乾燥
装置によっても、歪・裂け・欠落等が生じない理想的な
乾燥が困難であることから、通常では実施されていない
含水率35%以上の半乾燥乃至未乾燥状態のままの接着
を試みたところ、隣接する単板が通常通り乾燥されてい
れば、前記汎用接着剤にて支障なく接着し得ることが確
認された。これは交走木理が内在する薄い単板の乾燥の
困難性を回避する一つの手段として、極めて有効な手段
といえる。而も、無作為な組み合わせによると、接着時
の加熱に伴う単板自体の乾燥収縮の差異に起因する歪の
発生が顕著で、実用性に欠けるが、このように最表層に
用いる単板の交走木理をほぼ同一部位に揃える構成を採
れば、接着時の加熱に伴う単板自体の乾燥収縮が、中立
面の両側で全面に亙ってほぼ拮抗し、歪の発生が回避さ
れるので、実用的であり、更に半乾燥乃至未乾燥の単板
は、収縮が殆どなく平担であるから、交走木理を同一部
位に揃えることも比較的容易であった。但し、半乾燥乃
至未乾燥の単板が鉄と接触して反応すると、表面が黒く
汚染するので、接着剤を硬化させる為に用いる加熱盤の
材質を、ステンレス・アルミニューム等から成る非反応
性の材質とする必要性があり、また単板自体の乾燥収縮
を平均化させる為には、通常の平担な加熱面を有する加
熱盤によって熱圧するよりも、多数の鋭利な微小突刺体
を分散状に突設した加熱面を有する加熱盤を用い、前記
微小突刺体を単板に食込ませて、単板自体の乾燥収縮を
規制しつつ熱圧するのが効果的であった。また単板に微
細な割れ或は切り込みを形成する、所謂テンダーライジ
ング処理を施せば、単板の柔軟性・伸縮性が増大するこ
とは公知の通りであり、本発明においても、交走木理を
同一部位に揃える対の単板や、それ以外の単板を対象と
して、乾燥前・乾燥後或は前記の如き半乾燥乃至未乾燥
のまま接着する際に、種々の方式のテンダーライジング
処理を施して実験したところ、いずれも歪の低減に相応
に効果的であったが、乾燥前に施す場合に、割れ或は切
り込みの間隔が広いと、乾燥収縮に起因してそれらが拡
大され、単板及び合板の品質を損なう虞があるので、前
記間隔を可及的に細かくするのが望ましい。次に、前記
交走木理をほぼ同一部位に揃えた対の定尺単板の取得方
法について述べる。勿論、このような対の定尺単板は、
前記実施例の如き、所謂ワンピース単板に限らず、例え
ば不定形な原木の外周部分等から削成される幅狭単板を
所要定尺長さに継合わせたものでも、要は交走木理がほ
ぼ同一部位に揃えられていれば足りるが、幅狭単板を所
要定尺長さに継合わせる作成方法では、工程が極めて複
雑で、必然的にコストが高くなり、大量生産には不向き
である。 一方、通常の単板の作成方法では、切削工程
中、原木の外周長さが所要定尺長さの略整数倍になった
状態から偶々取得することができるが、その稀な場合を
除いて有効に取得することができない。即ち、原木の外
周長さが所要定尺長さに満たない場合であれば、当然の
こと乍ら対の定尺単板を取得することができず、逆に原
木の外周長さが所要定尺長さ以上であっても、所要定尺
長さの整数倍以上又は以下であれば、所望の対の定尺単
板を取得した残余の幅狭単板が生じ、大量の無駄が生じ
ることになる。従って、かかる通常の単板の作成方法で
は実用性に欠け、有効な対の定尺単板の取得が不可能で
あった。そこで本願発明者は以下に詳述する単板の作成
方法を新たに開発するに至ったのである。即ち、本発明
に係る対の定尺単板の作成方法の一つは、例えば第6図
に例示する如く、軸方向の適宜間隔毎に多数の突刺体2
1を有する外周駆動部材22、分割状の押圧部材23、
切削用刃物24、スピンドル25等を備えた公知の外周
駆動型ベニヤレース2を用いて、(必要に応じては、任
意厚さの単板を作成することによって、不定形な原木を
一旦円柱状に形成する工程を経て)円柱状の低質原木1
から所望厚さの2倍の厚さの厚帯状単板14を旋削した
後に、回転軸31を有する切断刃32、弾性体33を有
する搬送ロール兼用の刃受体34等を備えた公知の切断
装置3を用いて、前記厚帯状単板14を所定寸法毎に切
断して、所望厚さの2倍の厚さを有する厚定尺単板15
を形成し、次いで軸方向の適宜間隔毎に多数の突刺体4
1と弾性体42とを交互に有する搬送部材43、一枚板
状の規制部材44、分断刃45等を備えた分断装置4を
用いて、前記厚定尺単板15を厚さ方向に2分割するこ
とによって、対の定尺単板16・17を作成するもので
ある。このような作成方法によれば、各定尺単板の交走
木理が精度良く同一部位に揃うと共に、能率的に対の定
尺単板を取得することができるので実用的である。勿
論、必要に応じては、厚定尺単板を厚さ方向に2分割す
る工程を、厚定尺単板を形成する工程とは切離した場所
で別の時期(例えば乾燥装置を通して厚定尺単板を半乾
燥した後)に実施することも可能であり、或は後述する
他の作成方法の場合も含め、不定形な原木を一旦円柱状
に形成する工程を、別のベニヤレースにおいて実施して
も差支えない。また本発明に係る対の定尺単板の作成方
法の他の一つは、前記作成方法の工程の一部を前後に組
替えたものであって、例えば第7図に例示する如く、公
知の外周駆動型ベニヤレース2を用いて、円柱状の低質
原木1から所望厚さの2倍の厚さの厚帯状単板14を旋
削した後に、各々が軸方向の適宜間隔毎に多数の突刺体
51を有する上下一対の搬送部材52・52、上下一対
の分割状の規制部材53、分断刃54等を備えた分断装
置5を用いて、前記厚帯状単板14を厚さ方向に2分割
して、2枚の所望厚さの帯状単板18・19を形成し、
次いで存在する交走木理をほぼ同一部位に揃え、前記し
た公知の切断装置3を用いて、各帯状単板18・19を
所定寸法毎に切断することによって、対の定尺単板16
・17を作成するものであり、このような作成方法によ
っても、対の定尺単板を能率的に取得することができ
る。尚、各帯状単板を所定寸法毎に切断するに際し、前
記実施例の如く、双方を重ね合わせて一緒に切断する形
態を採れば、交走木理の位置を揃えるのが比較的容易で
至便あるが、必らずしもその構成に限定するものではな
く、図示は省略したが、各切断刃の作動時期を電気的又
は機械的に(木理がほぼ同一となるように切断ライン
を)同調させた2基の切断装置を用いて、各帯状単板を
別々に所定寸法毎に切断できるようにしてもよく、また
必要に応じては、例えば分断装置5の後位において、各
帯状単板を別々に一旦巻取り処理した後に、第9図に例
示する如く、任意の場所において各帯状単板18・19
を巻取り軸6・6から同時に巻戻し、可動刃71・固定
刃72等を備えた公知の切断装置7を用いて、各帯状単
板18・19を所定寸法毎に切断することによって、対
の定尺単板16・17を作成する形態を採っても差支え
ない。また前記二つの作成方法に共通する特徴として、
厚定尺単板又は厚帯状単板を厚さ方向に2分割して、所
望厚さの定尺単板又は帯状単板を得るのに要する分断抵
抗が、原木から同じ厚さの定尺単板又は帯状単板を得る
のに要する切削抵抗よりも幾分少なくて済むことが確認
された。故に、前記分断刃の刃先角度を、ベニヤレース
の切削用刃物の刃先角度よりも鋭利にすることが可能で
あり、刃先角度を鋭利にすれば、ベニヤレースの切削面
よりも一段と滑らかな分断面が得られるので、対の定尺
単板を合板の最表層に用いる場合には、分断面側を合板
の表面に向けて接着すると好都合である。更に本発明に
係る対の定尺単板の作成方法の他の一つは、例えば第8
図に例示する如く、外周駆動部材22、押圧部材23、
切削用刃物24、スピンドル25等の外に、前記切削用
刃物24から旋削方向に適宜距離隔てた位置に、該切削
用刃物24と同期して原木求芯方向へ移動する別の切削
用刃物24a、多数の突刺体21aを有する外周駆動部
材22a、分割状の押圧部材23a等を備えた複式外周
駆動型ベニヤレース8を用いて、円柱状の低質原木1か
ら2枚の所望厚さの帯状単板18・19を重複的に旋削
し、次いで2基の公知の切断装置3を用いて、各帯状単
板18・19の交走木理が一致するよう、各切断装置3
の切断刃32の作動時期を電気的又は機械的に同調させ
て、各帯状単板18・19を所定寸法毎に切断すること
により、対の定尺単板16・17を作成するものであ
り、このような作成方法によっても、対の定尺単板を能
率的に取得することができる。尚、前記実施例の如く、
別の切削用刃物24aを、切削用刃物24と正反対側に
備えれば、構造的に至便であるが、必らずしもその構造
に限定するものではなく、要は重複的に帯状単板を旋削
し得る位置であれば足り、更に別の切削用刃物24a
(外周駆動部材22a、押圧部材23a)を移動させる
送り機構も、切削用刃物24の送り機構と同様で差支え
ないが、いずれにせよ、各送り機構の原木一回転当りに
対する移動量を、所望厚さの帯状単板の2倍に設定する
必要がある。勿論、必要に応じては、ベニヤレース8の
後位において、各帯状単板を一旦別々に巻取り処理した
後に、第9図に例示する如く、任意の場所において各帯
状単板18・19を巻取り軸6・6から同時に巻戻し、
公知の切断装置7を用いて、各帯状単板18・19を所
定寸法毎に切断することによって、対の定尺単板16・
17を作成する形態を採っても差支えない。更に本発明
に係る対の定尺単板の作成方法の他の一つは、例えば第
10図に例示する如く、一枚板状の押圧部材23b、切
削用刃物24、スピンドル25等の外に、前記切削用刃
物24から旋削方向に適宜距離隔てた位置に、該切削用
刃物24と同期して原木求芯方向へ移動する別の切削用
刃物24a、押圧部材23c等を備えた複式スピンドル
駆動型ベニヤレース9に、更に原木軸心方向及び原木求
芯方向の両方向へ移動可能な丸鋸状の切り込み形成部材
10と、該切り込み形成部材10の切り込み深さを規制
する回転式案内部材20とを備え、前記切り込み形成部
材10によって、円柱状の低質原木1の外周方向の所定
寸法毎に、該低質原木1の回転軸芯に沿って所望厚さの
2倍の深さの切り込み30を形成する工程と、前記削用
刃物24・24aによって、前記切り込み30を有する
低質原木1から2枚の所望厚さの定尺単板16・17を
重複的に旋削する工程とを、交互に間歇的に繰返すもの
であり、能率性では、前記三つの削成方法に比べて些か
劣るが、第1番目の削成方法と同様に、交走木理を精度
良く同一部位に揃えた対の定尺単板を取得することがで
きる。尚、最表層以外の部分に用いる対の定尺単板を取
得する場合においては、切り込みが若干深くなっても実
用上差支えなく、また切り込み形成部材の形態について
も、前記実施例の如き丸鋸状に限らず、例えば切断装置
3の切断刃32の如く、単に繊維を切断する形態のもの
であっても、要は低質原木の外周方向の所定寸法毎に、
該低質原木の回転軸芯に沿って所望厚さの2倍の深さの
切り込みを形成し得るものであれば足り、更に別の切削
用刃物等の配設位置、送り機構の構成等に関しても、前
記作成方法に用いた複式外周駆動型ベニヤレースの説明
に準じて差支えない。勿論、いずれの削成方法において
も、用いる装置類は、実施例に例示した形式に限定する
ものではなく、例えば各実施例に例示した、ベニヤレー
ス・分断装置・切断装置等を、その前後の装置の機能を
損なわない範囲で相互に置換したり、或は他の公知の形
式と置換することが可能であり、また各装置に於ける部
材の形状も、その機能を損なわない範囲で適宜設計変更
して差支えない。また対称とする低質原木としても、従
来多用されている南洋材に限らず、例えば一般的な針葉
樹は、全体的には木理がほぼ通直であるが、特に節及び
節回りについては、木理が著しく非通直であることは公
知の通りであり、これらを含めて、あらゆる樹種の低質
原木を対称とするものである。
【0004】
【発明の効果】以上明らかな如く、本発明に係る合板
は、単板の交走木理を無作為に組み合わせて製造された
合板に比べ平均して歪が少なくなる。又本発明に係る合
板の製造方法によれば、前記のような歪の少ない合板を
製造することができ、結果的に、低質原木から旋削され
る単板の利用価値が向上するので効果的である。更に、
その合板の製造方法で使用する一対の定尺単板を前記本
発明の通りに削成すれば、いずれの場合も、原木外周の
長さに全く拘りなく、低質原木から無駄なく大量に所望
の対の定尺単板を得ることができ、而もその製造コスト
も安いので極めて好都合である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明する為のものであって、第1図は本
発明に係る合板の製造方法の工程を例示する工程説明
図、第2図は第1図に於けるa部の部分拡大図、第3図
は第1図に於けるb部の部分拡大図、第4図及び第5図
は本発明に係る合板の他の実施例の側面説明図、第6図
・第7図・第8図及び第10図は本発明に係る対の定尺
単板の作成方法の工程を例示する工程説明図、第9図は
巻戻し処理工程を例示する工程説明図である。
【符号の説明】
A,B,C・・・合板、X−X・・・合板の厚さ方向の
中心を示す中心線、1・・・低質原木、11a,12a
・・・導管、11・・・表面用単板、12・・・裏面用
単板、13・・・中芯用単板、14・・・厚帯状単板、
15・・・厚定尺単板、16,17・・・定尺単板、1
8,19・・・帯状単板、2・・・外周駆動型ベニヤレ
ース、21,21a・・・突刺体、22,22a・・・
外周駆動部材、23,23a,23b,23c・・・押
圧部材、24,24a・・・切削用刃物、25・・・ス
ピンドル、3・・・切断装置、31・・・回転軸、32
・・・切断刃、33・・・弾性体、34・・・刃受体、
4・・・分断装置、41・・・突刺体、42・・・弾性
体、43・・・搬送部材、44・・・規制部材、45・
・・分断刃、5・・・分断装置、51・・・突刺体、5
2・・・搬送部材、53・・・規制部材、54・・・分
断刃、6・・・巻取軸、7・・・切断装置、71・・・
可動刃、72・・・固定刃、8・・・複式外周駆動型ベ
ニヤレース、9・・・複式スピンドル駆動型ベニヤレー
ス、10・・・切り込み形成部材、20・・・案内部
材、30・・・切り込み
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月9日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴田 松永 愛知県知多郡東浦町大字森岡字上今池13− 3(番地なし)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合板の厚さ方向の中心に対して対称的な
    位置にある少なくとも一対の単板同士が、交走木理をほ
    ぼ同一部位に揃えていることを特徴とする歪の少ない合
    板。
  2. 【請求項2】 交走木理をほぼ同一部位に揃えた少なく
    とも一対の定尺単板を、でき上る合板の厚さ方向の中心
    に対して対称的な位置に配置して、合板を形成すること
    を特徴とする歪の少ない合板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも一対の定尺単板の内の一
    対の定尺単板が半乾燥乃至未乾燥の単板であって、而も
    それらの半乾燥乃至未乾燥の単板をでき上る合板の最表
    層に位置するよう配置してなる特許請求の範囲第2項記
    載の歪の少ない合板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも一対の定尺単板の内の更
    に任意数の対の定尺単板を、少なくとも一部の繊維が著
    しく非通直な円柱状の原木から所望厚さの2倍の厚さを
    有する厚帯状単板を旋削し、更にその厚帯状単板を所定
    寸法毎に切断して所望厚さの2倍の厚さを有する厚定尺
    単板を形成し、次いでその厚定尺単板を厚さ方向に2分
    割することによって形成することを特徴とする特許請求
    の範囲第2項又は第3項記載の歪の少ない合板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも一対の定尺単板の内の更
    に任意数の対の定尺単板を、少なくとも一部の繊維が著
    しく非通直な円柱状の原木から所望厚さの2倍の厚さを
    有する厚帯状単板を旋削し、更にその厚帯状単板を厚さ
    方向に2分割して2枚の所望厚さの帯状単板を形成し、
    次いで存在する交走木理をほぼ同一部位に揃えて各帯状
    単板を所定寸法毎に切断することによって形成すること
    を特徴とする特許請求の範囲第2項又は第3項記載の歪
    の少ない合板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも一対の定尺単板の内の更
    に任意数の対の定尺単板を、旋削方向に適宜距離隔てて
    備えた2枚の切削用刃物を用いて、少なくとも一部の繊
    維が著しく非通直な円柱状の原木から2枚の所望厚さの
    帯状単板を重複的に旋削し、次いで存在する交走木理を
    ほぼ同一部位に揃えて各帯状単板を所定寸法毎に切断す
    ることによって形成することを特徴とする特許請求の範
    囲第2項又は第3項記載の歪の少ない合板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも一対の定尺単板の内の更
    に任意数の対の定尺単板を、切込形成部材を用いて、少
    なくとも一部の繊維が著しく非通直な円柱状の原木の外
    周方向の所定寸法毎に、該原木の回転軸芯と平行に所望
    厚さの2倍の深さの切り込みを形成する工程と、旋削方
    向に適宜距離隔てて備えた2枚の切削用刃物を用いて、
    前記切り込みを有する原木から2枚の所望厚さの定尺単
    板を重複的に旋削する工程とを、交互に間歇的に繰返す
    ことによって形成することを特徴とする特許請求の範囲
    第2項又は第3項記載の歪の少ない合板の製造方法。
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