JPH09142893A - 腐食性環境に耐性の強化用ガラス糸及び複合材料 - Google Patents

腐食性環境に耐性の強化用ガラス糸及び複合材料

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JPH09142893A
JPH09142893A JP8228608A JP22860896A JPH09142893A JP H09142893 A JPH09142893 A JP H09142893A JP 8228608 A JP8228608 A JP 8228608A JP 22860896 A JP22860896 A JP 22860896A JP H09142893 A JPH09142893 A JP H09142893A
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Eric Augier
エリツク・オジエ
Didier Muller
デイデイエ・ミユレ
Michel Arpin
ミシエル・アルパン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐食性環境に耐性のガラス糸を提供する。 【解決手段】 ガラス糸を、式: Si(R1 )(R2 )(R3 )(R4 ) 〔式中、R1 、R2 はアルコキシ基を示し、R3 は、ア
ルコキシ基を示すか、または、炭素、水素及び任意に窒
素だけを主成分とする基を示し、R4 は、炭素、水素及
び任意に窒素だけを主成分とし且つ環と共役の少なくと
も1つの不飽和鎖によって置換された少なくとも1つの
飽和環を有する基を示す〕で示されるシランを少なくと
も1種含むオイリング組成物で被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機材料及び/ま
たは無機材料の強化に使用されるガラス糸(または「繊
維」)に関する。本発明のガラス糸及び/または材料は
腐食性環境(湿潤環境、食塩性環境、酸性環境または塩
基性環境)で使用することが可能である。本発明はま
た、ガラス糸を被覆するために使用される組成物及びこ
れらのガラス糸から得られる強化材料(または「複合材
料」)に関する。
【0002】
【従来の技術】有機材料及び/または無機材料を強化す
るためにガラス糸を使用することは従来から公知であ
る。最も頻用されている糸は、1170℃で共融したS
iO2 −Al2 O3 −CaO系に由来の組成を有するE
ガラス糸である。通常は、特に糸の摩耗を防御しガラス
と被強化材料との密着性を向上させるために、製造中の
糸をオイリング組成物によって被覆する(優れた機械的
特性を有する複合材料を得るためには優れた密着性が特
に有利である)。このようにオイリング処理されたEガ
ラス糸は、有機材料、熱可塑性材料または熱硬化性材料
に極めて容易に結合し、優れた機械的特性を有する複合
材料を形成する。しかしながら、ある種の腐食性環境に
あるとき(例えば、Eガラス糸が直接に、即ち、有機材
料によって保護されることなくセメントのような塩基性
材料に結合するとき、または、ある種の腐食性環境中、
特にセメント中または水、塩もしくは酸と常時接触して
いる装置中でEガラス糸から製造された複合材料に高い
機械的応力が作用するとき)、Eガラス糸が崩壊し、そ
の機械的特性が劣化し、その結果として、強化効果が経
時的に低下する。
【0003】種々の方法によってこの問題の解決が図ら
れてきた。強塩基性環境に対する糸の化学的耐性を改善
するために糸を構成するガラスの組成を変更することは
特によく知られている。所謂耐アルカリ性ガラスは一般
にその組成中に酸化ジルコニウムを高い割合で含有し、
例えばNa2 O−ZrO2 −SiO2 系のガラスを構成
する。このような耐アルカリ性ガラスの従来の組成は、
特に英国特許第1,290,528号に記載されてい
る。
【0004】しかしながら、耐アルカリ性ガラスが塩基
性環境中でEガラスよりも腐食され難いとしても、ガラ
スの崩壊が緩慢になるだけであり、ある種の条件下では
ガラスの機械的特性がかなり劣化する。更に、耐アルカ
リ性ガラス糸の用途は現状ではセメントの直接強化に限
定されている。有機材料とEガラス糸との密着性を改善
するために使用されるオイリング剤のような常用のオイ
リング剤によって耐アルカリ性ガラス糸を被覆した場合
にも、有機材料に対するその密着性はEガラス糸よりも
弱いので、有機材料を強化する効果は小さい。また、E
ガラス糸を製織し易くするために使用される従来のオイ
リング剤によって耐アルカリ性ガラス糸を被覆した場合
にも、耐アルカリ性ガラス糸の製織はやはり難しい。
【0005】また、セメント強化用ガラス糸を、糸の表
面をセメントの攻撃から保護する組成を有するサイズ剤
によって被覆することも知られている。フラン樹脂を用
いる糸の被覆剤のような多数の配合物が提案されている
が、この場合にもやはり大部分の配合物は極めて短期間
の保護を与えることしかできない。
【0006】その他の解決方法(糸を包囲する環境の塩
基性を低下させる薬剤の添加、など)は個々の用途だけ
に関するものであり、適用範囲は極めて狭い。また、腐
食性環境に耐性の複合材料を製造するために別の強化材
(炭素糸、など)を使用することも知られているが、こ
のような強化材はガラス糸に比べて高価であり、その用
途が限られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な欠点を解消する。本発明は、湿潤環境、食塩性環境、
酸性環境、塩基性環境のような腐食性環境の少なくとも
いずれかに存在するときの強化効果が改善されている及
び/または経時的に保存されているガラス糸を提案す
る。本発明は特に、湿潤環境、食塩性環境、酸性環境、
塩基性環境のような腐食性環境の少なくともいずれかに
存在するときの1つまたは複数の機械的特性が老化前及
び老化後の少なくともある期間中は改善されている複合
材料を得るために有機材料及び/または無機材料に有利
に結合され得るガラス糸を提案し、及び/または、上記
腐食性環境の少なくともいずれかに存在するときの崩壊
が著しく遅い(糸から得られた複合材料の機械的特性の
低下が緩やかな)ガラス糸を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のガラス糸は、
式: Si(R1 )(R2 )(R3 )(R4 ) 〔式中、R1 及びR2 はアルコキシ基を示し、R3 は、
アルコキシ基を示すか、または、炭素、水素及び任意に
窒素だけを主成分とする基を示し、R4 は、炭素、水素
及び任意に窒素だけを主成分とし、環と共役の少なくと
も1つの不飽和鎖によって置換された少なくとも1つの
不飽和環を含む基を示す〕で示される少なくとも1種の
シランを含むオイリング組成物によって被覆されてい
る。
【0009】本発明はまた、上記の式で示される少なく
とも1種のシランを含む糸被覆用オイリング組成物に関
する。
【0010】
【発明の実施の形態】「...を含む組成物」なる用語
は、組成物内部における当該構成成分の変化にかかわり
なく「出発構成成分の1つとして...を含む組成物」
を意味する。同様に、「...によって被覆されたガラ
ス糸」なる用語は、特に乾燥処理及び/または重合処理
のような常用の処理後のガラス糸の被膜がどのようにな
っているかにかかわりなく、「...を用いて被覆した
ガラス糸」を意味する。
【0011】本発明のガラス糸は、それ自体公知の方法
で製造され得る。通常は以下の手順で本発明のガラス糸
を製造する。即ち、1つまたは複数の紡糸口金のオリフ
ィスから溶融ガラス流を1層または複数層の連続フィラ
メントの形態で機械的に延伸し、次いで本発明のオイリ
ング組成物によってフィラメントを被覆した後、結集さ
せて1つまたは複数の糸を形成する。これらの糸を次
に、回転サポートに巻き取ってから更に処理(間接細断
用の引き出し、製織、など)してもよく、移動コンベヤ
ーに分配してもよく、または、延伸用手段によって形成
してから細断してもよい(紡糸口金下方の直接細断)。
このように所望の用途に従って異なる形態の糸が得られ
る。本発明のガラス糸は特に、連続糸のコイルの形態
(ロービング、ケーク、シャットル、など)、チョップ
トストランドの形態、マット(連続ストランドの積層
体)の形態、ブレード、テープ、ネット、などの形態を
有し得る。これらの種々の糸は通常は、5ミクロンから
24ミクロンの範囲の直径をもつフィラメントから構成
されている。
【0012】本発明のガラス糸は、強化用ガラス糸の製
造において常用の任意の種類のガラスから得られる。本
発明に適したガラス糸としては特に、Eガラス糸、(機
械的耐性の)所謂「R」型ガラス糸、またはシリカ、ア
ルミナ、マグネシア及び任意に石灰を主成分とする
「S」型ガラス糸、耐アルカリ性ガラス糸などがある。
特に本発明のガラス糸がEガラス糸から成る場合、ガラ
ス糸は好ましくは、重量組成で52−58重量%のSi
O2 と12−16重量%のAl2 O3 と16−25重量
%のCaOと4−13重量%のB2 O3 と0−6重量%
のMgOと0−2重量%のアルカリ金属酸化物(主とし
てNa2 O及びまたはK2 O)とから主として構成され
たガラスから得られる。このガラスはまた、フッ素、T
iO2 、CuO、BaO、ZnO、ZrO2 、Li
O2 、SO3 のような他の成分を各々1%未満の割合で
含有してもよい。この用途での使用頻度は少ないが使用
することはできる他のガラスとしては特に、重量組成で
57−59重量%のSiO2 と11−13重量%のAl
2 O3 と20−22重量%のCaOと2−5重量%のM
gOと0−0.5重量%のB2 O3 と2−3重量%のT
iO2 と0−3重量%のZnOと0.9−1重量%のN
a2 O及び/またはK2 Oとから主として構成された耐
薬品性ガラス、または、重量組成で60−66重量%の
SiO2 と2−6重量%のAl2 O3 と14−15重量
%のCaOと1−3重量%のMgOと2−7重量%のB
2 O3 と7−10重量%のNa2 O及び/またはK2 O
と0−0.4重量%のFe2 O3 とから主として構成さ
れた酸性環境に耐性のガラスがある。
【0013】本発明のガラス糸は好ましくは、一般に酸
化ジルコニウムZrO2 を含有している所謂「耐アルカ
リ性」ガラス糸から成る。この種のガラス糸は既存のす
べての「耐アルカリ性」ガラス糸(英国特許第1,29
0,528号、米国特許第4,345,037号、第
4,036,654号、第4,014,705号及び第
3,859,106号、などに記載のもの)から選択で
きるが、少なくとも5モル%のZrO2 を含有している
のが好ましい。本発明の1つの実施態様によれば、糸を
構成するガラスはSiO2 、ZrO2 及び少なくとも1
種のアルカリ金属酸化物、好ましくはNa2 Oを主要構
成成分として含有している。
【0014】本発明のガラス糸を製造するための特に有
利な耐アルカリ性ガラスの組成は、英国特許第1,29
0,528号に記載の組成であり、モル%で示す割合で
62−75モル%のSiO2 と7−11モル%のZrO
2 と13−21モル%のR2Oと1−10モル%のR′
Oと0−4モル%のAl2 O3 と0−6モル%のB2O
3 と0−5モル%のFe2 O3 と0−2モル%のCaF
2 と0−4モル%のTiO2 とから主として構成され、
R2 Oは(1種または複数の)アルカリ金属酸化物、好
ましくはNa2 O及び任意に(2%未満の)Li2 Oを
示し、R′Oはアルカリ土類金属酸化物ZnO及びMn
Oから選択された1種または複数の成分を示す。これら
の耐アルカリ性ガラス糸は、後述するように本発明の目
的に特に有利に対応する。
【0015】本発明の糸を被覆するオイリング組成物
は、水性組成物もしくは無水組成物でよく、または、溶
媒の機能だけを果たす化合物を5重量%未満の量で含有
してもよい。殆どの場合、本発明の組成物は、70−9
8重量%の水を含有する水性組成物であり、水性分散液
(エマルジョン、懸濁液、(1種または複数の)エマル
ジョン及び/または(1種または複数の)懸濁液の混合
物)の形態であるか、あるいは、溶液の形態である。
【0016】本発明の定義に示したように、組成物は、
前記の定義に対応する少数のシラン群から選択された特
定のシランの少なくとも1種を含有する。1種または複
数の本発明のシランを含むオイリング組成物によって被
覆されたガラス糸を有機材料及び/または無機材料を強
化するために使用したとき、湿潤環境、食塩性環境、酸
性環境、塩基性環境のような腐食性環境の少なくともい
ずれかに存在するときの1つまたは複数の機械的特性が
老化前及び老化後の少なくともある期間中は改良されて
いる複合材料を得ることができ、及び/または機械的特
性の経時的な保存性が改良された(機械的特性の低下が
緩やかな)複合材料を得ることができる。得られる改良
は、被覆されたガラス糸の種類、強化の方法及び当該腐
食性環境、などに左右される。
【0017】本文中で使用された「改良された機械的特
性」なる用語は終始、本発明のオイリング剤で被覆され
ない同じ糸、特に、本発明で定義されたシラン以外のシ
ランをシランとして含む常用のオイリング剤で被覆され
た同じ糸で得られた機械的特性に比べて改良された機械
的特性を意味する。
【0018】特に注目すべきは、本発明のガラス糸が耐
アルカリ性ガラス糸である場合、これらの糸と有機材
料、特に熱硬化性材料との結合が顕著に改善され、これ
らの糸と有機材料とから得られた複合材料がいかなる腐
食性環境にあろうとも老化前及び老化後の少なくともあ
る期間中は、有機材料と本発明のオイリング剤で被覆さ
れない常用の耐アルカリ性ガラス糸、特に本発明のシラ
ン以外のシランをシランとして含むオイリング剤で被覆
された耐アルカリ性ガラス糸とから得られた複合材料よ
りも優れた機械的特性を有していることである。従っ
て、本発明のオイリング剤で被覆された耐アルカリ性ガ
ラス糸の使用は、腐食性無機材料、例えばセメントのよ
うな塩基性材料を直接強化するため有利であるだけでな
く、意外にも、腐食性環境中で(例えばセメント中で)
有機材料に作用する応力の多少にかかわりなく有機材料
を強化するために有利である。
【0019】また、本発明組成物によって被覆された耐
アルカリ性ガラス糸は製織性がよく、従って、建造物の
壁面格子の製造などの用途に使用し得る。従来のこの種
の格子は、保護材(通常は、ブタジエン、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル系の複数のフィルム形成ポリマーの濃縮エ
マルジョンの形態)によって被覆されたEガラス糸から
製造されている。セメントのような塩基性材料の直接強
化にEガラス糸よりも元来適しており従って有機材料に
よって保護される必要がない耐アルカリ性ガラスをこの
種の用途に使用すると、付加的な保護材が不要になる。
【0020】特に有機材料と本発明のオイリング剤によ
って被覆された他のガラス糸、例えば本発明のオイリン
グ剤によって被覆されたRまたはEガラス糸、とから得
られた複合材料も同様に、少なくともいくつかの腐食性
環境において老化前及び老化後の少なくともある期間中
は改良された機械的特性を有している。しかしながら、
多くの場合、得られる改良は本発明で耐アルカリ性ガラ
ス糸を用いたときに得られる改良よりも小さい。特に、
本発明のオイリング剤によって被覆したEガラス糸を使
用して複合材料を製造した場合、得られた複合材料に酸
性環境中でかなりの応力が作用したときには機械的特性
の改良が観察されない。同じく本発明のオイリング剤に
よって被覆されたEガラス糸を使用して製造した複合材
料は、塩基性環境中でも機械的特性の有意な改良を示さ
ない。また、湿潤環境及び/または食塩性環境において
老化後に複合材料の機械的特性の改良が観察される期間
は、本発明で使用したガラス糸が耐アルカリ性ガラス糸
から成る場合よりもRガラス糸から成る場合のほうがは
るかに短い。しかしながら、Rガラス糸またはEガラス
糸は有機材料に対して優れた初期密着性を有しているの
で、本発明にRガラス糸またはEガラス糸を使用した場
合にもやはり特に高い機械的特性を有する複合材料を得
ることができる。
【0021】好ましくは、本発明の定義に記載されてい
るシラン中の基R4 は、式:
【0022】
【化3】
【0023】で示される。
【0024】式中の、
【0025】
【化4】
【0026】は不飽和環、好ましくはベンゼン環を示
し、好ましくはパラ異性体であり、R6 は環と共役の不
飽和鎖を示す。
【0027】好ましくは、R6 は、−(CH=CH)m
−Hであり、立体障害のためにmは1から4の整数であ
る。特に好ましくはmは1または任意に2である。
【0028】R5 は、(1つまたは複数の)アルキル基
及び任意に(1つまたは複数の)アミン基を含む脂肪鎖
である(1つまたは複数のアミン基は、オイリング剤の
他の成分及び/または被強化材料とのいくつかの結合に
寄与する)。特に立体障害のため主鎖中の原子の数は4
個から20個の範囲である。この鎖は任意に枝分かれし
ていてもよく、特に分枝に不飽和を有していてもよい。
好ましくはこの脂肪鎖は(1つまたは複数の)アルキル
基と(1つまたは複数の)アミン基とを含む。しかしな
がら、この脂肪鎖が、少なくとも4個の炭素を含み、主
としてアルキル基から成る(例えば、この鎖がアミン基
の3倍以上のアルキル基を含む)のが有利である。この
脂肪鎖は好ましくは、式:−(CH2 )n −NH−で示
される基の連続から成り、nは基次第で異なる整数であ
り、好ましくは4未満であり、脂肪鎖の各末端はアルキ
ル基で終結する。例えば、R5 は−(CH2 )n −NH
−(CH2 )n ′−NH−(CH2 )n ″であり、n、
n′及びn″が4以下の値である。
【0029】本発明の定義に記載されたシランの基R3
は、R4 もしくはR5 と同義の基またはアルコキシ基を
示し、好ましくはアルコキシ基を示す。本発明のシラン
のアルコキシ基は好ましくはエトキシ基及びメトキシ基
から選択される。
【0030】本発明の好ましい実施態様によれば、本発
明で使用されるオイリング組成物は、式中のR1 =R2
=R3 =−CH3 O;R4 =
【0031】
【化5】
【0032】でR5 =−(CH2 )3 −NH−(C
H2 )2 −NH−CH2 −;及びR6 =−CH=CH2
である前記に定義のシランを少なくとも1種含有し、好
ましくは1−4−ビニルベンジル−メチルアミノ−エチ
ルアミノプロピルトリメトキシシランを含有している。
【0033】本発明のオイリング組成物に含まれている
本発明の定義に対応する(1種または複数の)シランの
割合は、一般には組成物の固形分の0.5重量%〜20
重量%であり、ほぼ2重量%〜15重量%の範囲であ
り、特に好ましくは4乃至5重量%〜13重量%であ
り、通常は(後述するような酸性環境中でEガラス糸を
使用した場合を除いて)シランの割合の増加に伴って複
合材料の機械的特性が向上することが観察される。本発
明の(1種または複数の)シランの割合が0.5重量%
未満の場合には、機械的特性の改良は殆ど認められな
い。一般に本発明の(1種または複数の)シランが2重
量%の未満の場合に改良は殆ど観察されず、15%を上
回る場合には、オイリング剤の費用が極度に高くなる
が、費用に見合う特性向上は得られない。また、20%
を上回るいくつかの場合には、特性が低下することさえ
もあり得る。
【0034】少なくとも1種の上記のごときシランに加
えて、本発明のオイリング組成物は、通常はカップリン
グ剤の機能を果たす1種または複数の他のシラン、特
に、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ンまたはガンマグリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、などのようなオイリング剤で常用の1種または複数
のシランを含有し得る。このような他のシランはガラス
糸と被強化材料との間の結合を助ける。この場合、本発
明で定義されたシラン以外の1種または複数のシランの
割合は、一般には本発明組成物の固形分の12重量%未
満、好ましくは5重量%未満である。また、(1種また
は複数の)シランを総合した全シランの割合の最大値は
本発明組成物の固形分の25重量%以下である。オイリ
ング組成物は更に、チタネート、ジルコネート、などの
他のカップリング剤、またはある種の有機材料とガラス
糸との結合を容易にする有機化合物を含有し得る。
【0035】本発明の好ましい実施態様によれば、糸を
被覆する組成物は、1種または複数の本発明のシランに
加えて、少なくとも1種の接着剤、即ち、糸を構成して
いるフィラメントの相互結合(集結性)を確保する物質
を、(1つまたは複数の)エポキシ官能基をもつ化合物
の形態、好ましくは、少なくとも1つのエポキシ官能基
を有する少なくとも部分的に重合した官能基をもつ重合
体の形態で含む。この「プレポリマー」は例えば、ビス
フェノールAまたはFのジエポキシド誘導体、エポキシ
フェノールノボラック樹脂またはエポキシクレゾールノ
ボラック樹脂、フェニルグリシジルエーテル、パラアミ
ノフェノールのトリグリシジルエーテル、シクロヘキサ
ンジメタノールジグリシジルエーテルなどである。本発
明に定義された少なくとも1種のシランと少なくとも1
つのエポキシ官能基を有する少なくとも1種の接着剤と
を本発明の組成物中で併用することによって、これらの
糸と有機材料及び/または無機材料とから得られた複合
材料が腐食性環境中で老化前及び老化後の少なくともあ
る期間中は驚異的に高い改良された機械的特性を維持す
ることができ、また、これらの複合材料または糸が極め
て優れた耐食性を得ることができる(腐食性環境中での
機械的特性の経時的な低下が極めて緩やかである)。得
られる耐食性は特に、一方の構成成分だけを等しい割合
で含む組成物を使用した場合よりもはるかに優れている
(相乗効果)。
【0036】組成物はまた、(1つまたは複数の)エポ
キシ官能基を有する接着剤に付加または代替して1種ま
たは複数の他の接着剤、例えばポリ酢酸ビニルのような
(1つまたは複数の)ポリエステル官能基を有する接着
剤を含有し得る。しかしながら、この実施態様は、後述
するような(1つまたは複数の)エポキシ官能基を有す
る接着剤を使用する実施態様ほど有利ではない。(1種
または複数の)接着剤の割合は組成物の固形分の0重量
%〜85重量%の範囲から選択され、通常は50重量%
〜75重量%であり、これらの接着剤の少なくとも85
%が前述のような(1つまたは複数の)エポキシ官能基
を有する接着剤であるのが好ましい。
【0037】糸がセメントのような塩基性材料を直接強
化する場合に主として使用される本発明の有利な実施態
様によれば、組成物が少なくとも1種の前記に定義のシ
ランを含み且つ(1つまたは複数の)エポキシ官能基を
有する少なくとも1種の接着剤を任意に含む以外に、少
なくとも1種のホスホン酸またはホスホン酸誘導体を含
有する。このホスホン酸またはホスホン酸誘導体の例と
しては、ヘキサメチレンジアミンテトラメチルホスホン
酸カリウム、ジエチレントリアミンペンタメチレンホス
ホン酸カリウム、ブタンホスホニックトリカルボン酸、
ブタンホスホトリカルボン酸ナトリウム、ヒドロキシエ
タンジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸ナト
リウム、などがある。本発明に定義の少なくとも1種の
シランと少なくとも1種のホスホン酸またはホスホン酸
誘導体との組み合わせを含む組成物を使用してガラス糸
を被覆したとき、本発明の糸またはこの糸から得られた
複合材料は、特にガラス糸をセメントのような塩基性無
機材料に直接結合したときに優れた耐食性を発揮し得
る。本発明の糸を被覆する組成物が本発明に定義の少な
くとも1種のシランと少なくとも1種のホスホン酸また
はホスホン酸誘導体と(1つまたは複数の)エポキシ官
能基を有する少なくとも1種の接着剤との組み合わせを
含む場合には、被覆された糸は、塩基性環境のような少
なくともある種の腐食性環境中で驚異的な耐老化性を示
し、特に、上記構成成分の1種類または2種類だけを等
しい割合で含有する組成物を使用したときよりも格段に
優れた耐食性を示す。このような相乗効果は、ガラス糸
をセメントのような塩基性無機材料に直接結合したとき
に特に顕著である。
【0038】ホスホン酸の割合は、一般には組成物の固
形分の0重量%〜40重量%の範囲であり、特にガラス
糸をセメントのような塩基性無機材料に直接結合する場
合には組成物の固形分の10重量%〜40重量%の範囲
が有利である。
【0039】上記成分に加えて、本発明の組成物は更
に、他の成分、特に、潤滑剤のようなオイリング組成物
中で常用される成分を含有し、あるいは、フィルム形成
剤、織物用助剤、帯電防止剤、乳化剤、界面活性剤、湿
潤剤、などを含有し得る。これらの助剤の割合は組成物
の固形分の30重量%未満が好ましい。殆どの場合、組
成物は少なくとも1種の潤滑剤、例えば、脂肪酸エステ
ルまたは脂肪アルコール誘導体を含有し、潤滑剤の割合
は好ましくは組成物の固形分の5重量%未満である。
【0040】本発明の組成物は、全部の成分を直接混合
することによってまたは成分を複数段階で添加すること
によって得られる。通常は本発明のシランを加水分解形
態で組成物に添加する。活性化合物の混合後、所望の組
成及び割合を得るために溶媒、特に水を添加する。
【0041】本発明のオイリング組成物が水性分散液の
形態を有している場合、組成物の固形分は一般に組成物
の2重量%〜30重量%の範囲である。
【0042】通常は、上記のようにフィラメントを結集
して糸を形成する前に組成物を一段階でフィラメントに
付着させる。しかしながら、糸を被覆する組成物の諸成
分を複数段階で付着させてもよい。例えば、本発明に定
義のシランが糸を構成するガラスと直接接触するよう
に、組成物の他の構成成分にかかわりなく、加水分解形
態の該シランを好ましくは他の構成成分を付着させる前
に付着させてもよい。
【0043】本発明の糸の加熱減量はほぼ0.2重量%
〜4重量%の範囲であり、好ましくは0.3重量%〜2
重量%である。これらの糸は有機材料及び/または無機
材料を効果的に強化でき、上述のように腐食性環境中で
改良された機械的特性を有する複合材料が得られる。
【0044】本発明の糸から得られた複合材料は、少な
くとも1種の有機材料及び/または少なくとも1種の無
機材料とガラス糸とを含んでおり、糸の少なくとも一部
が本発明のガラス糸から成る。本発明のガラス糸は、熱
硬化性材料(ビニルエステル、ポリエステル、フェノー
ル系、エポキシド、アクリル系、...)に優先的に結
合し、他の有機材料よりも耐食性のビニルエステル及び
/またはセメント系材料(セメント、コンクリート、モ
ルタル、石膏、石灰とシリカと水との反応によって形成
される化合物、...)に有利に結合する。セメント材
料は直接強化されてもよくまたは間接強化(セメントに
添加する前にガラス糸と有機材料とを予め結合させる)
されてもよい。
【0045】以下の非限定実施例は、本発明のガラス糸
及び組成物を例示しており、本発明のガラス糸から製造
された複合材料の老化前及び老化後の機械的特性を従来
のガラス糸から製造された複合材料の機械的特性と比較
し得る。
【0046】
【実施例】比較実施例1 この実施例では、溶融ガラス流の延伸によって直径14
ミクロンのガラスフィラメントを形成する。このガラス
は、以下の重量組成を有する耐アルカリ性ガラスであ
る。
【0047】 SiO2 61.6% Al2 O3 0.9% ZrO2 16.8% CaO 5.4% Na2 O 14.7% K2 O 0.3% Fe2 O3 0.05% フッ素 0.26% TiO2 0.1% SO3 0.05%。
【0048】フィラメントを結集して糸を形成するまで
の工程中にこれらのフィラメントをオイリング組成物で
被覆する。オイリング組成物は、エトキシル化ノニルフ
ェノールを主成分とする1重量%の潤滑剤(GAF社の
商品“IGEPAL C0880”)と、0.15重量
%のガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン(OSi社の商品“Silquest A 17
4”)とを含有し、残分が水から成る。フィラメントの
結集によって形成された300g/km(テックス)の
線密度(「繊度」)を有する糸を、ケークの形態に巻き
取り、次いで130℃の熱風で乾燥させる。次に、これ
らの糸をコイルから引き出し、NF57−152規格に
適合する平行糸シートを形成する。被強化樹脂は、CR
AY−VALLEY社によって製造販売されているポリ
エステル樹脂M402から成り、このポリエステル樹脂
100重量部に対して、柔軟剤として15部のCRAY
−VALLEY社の商品“F8010C”、及び、1
6.5部のスチレン、及び促進剤として1.5部のCI
BA GEIGY社の商品“THM60”を添加する。
【0049】老化前及び98℃の熱湯に24時間浸漬さ
せた後(老化促進)、上記シートが示す機械的曲げ特性
をISO 178規格に従って測定する。ガラス率10
0%における曲げ破壊応力は、老化前には1120MP
a(10シートの標準偏差122MPa)、老化後には
186MPa(標準偏差20MPa)である。
【0050】実施例1 ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランの
代わりに1−4−ビニルベンジル−メチルアミノ−エチ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩のメタノ
ール溶液の形態で添加する。この溶液はDOW COR
NING社の商品“Silane Z−6032”から
成る)を用い、比較実施例1と同様に処理する。
【0051】ガラス率100%における曲げ破壊応力
は、老化前には2111MPa(10シートの標準偏差
159MPa)、老化後には616MPa(標準偏差2
6MPa)である。
【0052】本発明の糸を使用することによって糸と有
機材料とから成る複合材料の耐屈曲性の顕著な向上が観
察される。湿潤環境中の耐老化性も改良されており、湿
潤環境中で7日間老化を促進した後に観察された機械的
特性の低下は、本発明の定義に対応しないシランで被覆
した糸を用いた場合よりもはるかに少ない。
【0053】実施例2 比較実施例1で使用したオイリング組成物の代わりに、
0.08重量%の1−4−ビニルベンジル−メチルアミ
ノ−エチルアミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩
のメタノール溶液の形態で添加)と、0.25重量%の
(N−ベンジルアミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン(塩酸塩のメタノール溶液の形態で添加す
る。この溶液はOSi社の商品“Silquest A
1128”から成る)と、接着剤として1.80重量
%のアジピン酸ジエチレングリコール(SCOTT B
ADER社の商品“Naxol 2500 SH”)
と、潤滑剤及び乳化剤として0.42重量%のポリエチ
レングリコール(B.P.CHEMICALS社の商品
“BREOX 2000”)とを含有し、残分が主とし
て水から成るオイリング組成物を用い、比較実施例1と
同様に処理して耐アルカリ性ガラス糸のコイルを製造す
る。組成物の固形分は約2.6重量%である。
【0054】次にコイルから糸を引き出し、NF57−
152規格に適合する平行糸シートを形成する。被強化
樹脂は、DOW CHEMICALS社によって製造販
売されているビニルエステル樹脂“Derakane
411−45”から成り、このビニルエステル樹脂10
0重量部に対して、触媒として0.75重量部のAKZ
O社の商品“Trigonox 239”と、促進剤と
して0.08重量%のAKZO社の商品“NL 51
P”とを添加する。
【0055】40℃の腐食性液体環境中でサンプルの強
制曲げ歪試験を3日間〜7日間実施した後、これらのシ
ートが示す機械的曲げ特性をISO 178規格に従っ
て測定する。1Nの硫酸溶液、1Nのソーダ溶液、蒸留
水溶液及び1リットルあたり37gのNaClを含む食
塩溶液の夫々を用いた「応力腐食」試験後に、ガラス率
100%に対する曲げ破壊応力(MPaで表す)を測定
し、その結果を添付の表1に示す。6サンプルの標準偏
差を括弧内に示す。
【0056】実施例3 実施例2のオイリング組成物の1−4−ビニルベンジル
−メチルアミノ−エチルアミノプロピルトリメトキシシ
ランの割合(組成物の0.2重量%)と(N−ベンジル
アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの割
合(組成物の0.1重量%)を変更し実施例2と同様に
処理する。
【0057】結果を表1に示す。
【0058】本発明のシランの割合を増加させた組成物
によって被覆した糸を使用した場合、いかなる腐食性環
境であるかにかかわりなく腐食性環境中で3日間及び7
日間老化を促進した複合材料の曲げ耐性が改良されてい
ることが観察される。
【0059】実施例4 以下の重量組成のEガラスから得られたガラス糸を使用
して実施例2と同様に処理する。
【0060】 SiO2 55% Al2 O3 15% B2 O3 7% MgO 3% CaO 19% Na2 O 0.3% K2 O 0.2% Fe2 O3 0.3% フッ素 0.3%。
【0061】結果を表1に示す。
【0062】実施例5 実施例4と同じ組成のEガラスから得られたガラス糸を
使用して実施例3と同様に処理する。結果を表1に示
す。
【0063】本発明のシランの割合を増加させた組成物
によって被覆した糸を使用した場合、蒸留水または食塩
溶液中で3日間から7日間老化を促進した複合材料の耐
屈曲性が改良されていることが観察される。
【0064】実施例6 以下の重量組成のRガラスから得られたガラス糸を使用
して実施例2と同様に処理する。
【0065】 SiO2 60% Al2 O3 25% MgO 6% CaO 9%。
【0066】結果を表1に示す。
【0067】実施例7 実施例6と同じ組成のRガラスから得られたガラス糸を
使用して実施例3と同様に処理する。結果を表1に示
す。
【0068】
【表1】
【0069】いかなる腐食性環境であるかにかかわりな
く腐食性環境中で3日間老化を促進した後の複合材料の
耐屈曲性が改良されていること、及び、酸性環境または
塩基性環境中で7日間老化を促進した後の複合材料の耐
屈曲性が改良されていることが観察される。このように
本発明の糸を使用すると、腐食性環境中で糸及び複合材
料の崩壊を遅延させ得る。
【0070】実施例8 実施例2で使用したオイリング組成物の代わりに、0.
5重量%の1−4−ビニルベンジル−メチルアミノ−エ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩の形態
で添加)と、0.1重量%のポリアゾアミドシラン(O
Si社の商品“Silquest A 1387”)
と、3.3重量%のポリエステル接着剤、即ちSCOT
T BADER社の商品“Naxol 2500 S
H”と、0.6重量%のポリエチレングリコール潤滑
剤、即ちB.P.CHEMICALS社の商品“BRE
OX 2000”とを含有し、残分が主として水から成
るオイリング組成物を用い、実施例2と同様に処理す
る。固形分は4.5重量%である。
【0071】実施例2と同様にしてシートを作製し、老
化前及び40℃の腐食性液体環境中でサンプルに強制曲
げ歪を7日間与えた後に、これらのシートが示す機械的
曲げ特性をISO 178規格に従って測定する。1N
の硫酸溶液及び1Nのソーダ溶液の夫々を用いた「応力
腐食」試験後に、ガラス率100%に対する曲げ破壊応
力(MPaで表す)を測定し、その結果を添付の表2に
示す。
【0072】
【表2】
【0073】実施例9 実施例8で使用したオイリング組成物中のポリエステル
接着剤の代わりにSHELL社によって製造販売されて
いる“EPI−REZ 3510 W 60”というエ
ポキシ接着剤を使用し、実施例8と同様に処理する。
【0074】結果を表2に示す。
【0075】本発明の糸を被覆する組成物中に本発明の
シランとエポキシ官能基をもつ接着剤とを併用すると、
これらの糸と有機材料とから得られた複合材料が老化前
及び腐食性環境中での7日間の老化後に機械的特性の改
良について驚異的に優れた結果を示すこと、及び、極め
て優れた耐食性をもつ糸及び複合材料が得られることが
観察される。
【0076】比較実施例2 比較実施例1で使用したオイリング組成物の代わりに、
0.25重量%の(N−ベンジルアミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン(塩酸塩の溶液の形態で添
加する。この溶液はHULS社の商品“Dynasil
an 1161”)と、10重量%の高分子量ポリ酢酸
ビニルを主成分とする接着剤(VINAMUL社によっ
て製造販売されている“Vinamul R 8414
6”という溶液の形態で添加)と、2重量%のエトキシ
ル化モノオレイン酸ソルビタンを主成分とする潤滑剤
(ICI社の商品“Tween 80”)及び脂肪酸
(SIDOBRE SINNOVA社の商品“Luto
stat N 68”)とを含有し、残分が主として水
から成るオイリング組成物を用い、比較実施例1と同様
に処理して耐アルカリ性ガラス糸のコイルを作製する。
固形分は約12重量%である。
【0077】次に、コイルから糸を引き出して、水/セ
メント比0.4を有するCPA−CEMI 42.5タ
イプ(NF P15−301規格)の人造ポルトランド
セメントペーストに埋封し、糸の一部を含水セメントか
ら突出させておく。次に、室温で1時間次いで水中で2
3時間維持してセメントを硬化させる。セメントブロッ
クに封入された糸の破断点引張応力を測定するために、
糸の老化前及び糸を80℃の熱湯中に4日間維持するこ
とによって老化させた後に糸をINSTRON引張試験
機で測定する。結果(MPaで表す)を表3に示す。残
留応力(即ち、老化後の応力であって、初期応力に対す
るパーセンテージで表す)も示す。
【0078】実施例10 比較実施例2のオイリング組成物の(N−ベンジルアミ
ノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを減ら
し、組成物の固形分の5重量%の割合の1−4−ビニル
ベンジル−メチルアミノ−エチルアミノプロピルトリメ
トキシシランを加え、固形分の割合を12重量%という
同じ値に維持するように潤滑剤及び接着剤の割合を減ら
したオイリング組成物を使用して比較実施例2と同様に
処理する。
【0079】結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】実施例11 実施例10のオイリング組成物のポリ酢酸ビニル接着剤
の代わりにビスフェノールAのグリシジルエーテルを主
成分とする接着剤(DSM ITALIA社ノ商品“N
eoxil 8294”を同じ割合で含むオイリング組
成物を使用して実施例10と同様に処理する。この組成
物は固形分12重量%である。
【0082】結果を表3に示す。
【0083】実施例12 実施例11のオイリング組成物に、ヒドロキシエタンジ
ホスホン酸としてPROTEX社の商品“Masquo
l P 210”を組成物の固形分の18重量%の割合
で加え、固形分の割合を12重量%という同じ値に維持
するように潤滑剤及び接着剤の割合を減らした組成物を
使用して実施例11と同様に処理する。
【0084】結果を表3に示す。
【0085】本発明組成物によって被覆された糸は、老
化前及び4日間の促進老化後の双方で引張強さが向上し
ている。この向上は、組成物が(1つまたは複数の)エ
ポキシ官能基をもつ接着剤及び/またはホスホン酸を含
有するときに更に顕著である。また、組成物が少なくと
も1種の本発明のシランに加えて、少なくとも1種の
(1つまたは複数の)エポキシ官能基をもつ接着剤と少
なくとも1種のホスホン酸とを含有するときは、アルカ
リ性環境中での耐食性が顕著に高い(老化による機械的
特性の低下が小さい)ことが観察される。
【0086】本発明の糸は、種々の複合材料、特にセメ
ントの直接強化(用途は建造物壁面用格子、など)また
はセメントの間接強化(用途は鉄筋コンクリートに代わ
る引抜成形したポリマー単繊維、など)に使用され得
る。
フロントページの続き (72)発明者 ミシエル・アルパン フランス国、エフ−73290・ラ・モツト・ セルボレ、リユ・ドウ・ラ・パクレツト、 119

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: Si(R1 )(R2 )(R3 )(R4 ) 〔式中、 R1 及びR2 はアルコキシ基を示し、 R3 は、アルコキシ基を示すか、または、炭素、水素及
    び任意に窒素だけから成る基を示し、 R4 は、炭素、水素及び任意に窒素だけから成り、環と
    共役の少なくとも1つの不飽和鎖によって置換された少
    なくとも1つの不飽和環を含む基を示す〕で示される少
    なくとも1種のシランを含むオイリング組成物によって
    被覆されている有機材料及び/または無機材料強化用ガ
    ラス糸。
  2. 【請求項2】 R4 が、式: 【化1】 〔式中、 【化2】 はベンゼン環を示し、 R6 は−(CH=CH)m −Hを示し、mは1〜4の整
    数であり、 R5 はアルキル基及び任意にアミン基を含む脂肪族鎖を
    示し、主鎖の原子数は4〜20である〕で示されるこ
    と、及び、 R3 が、R4 もしくはR5 と同種の基またはアルコキシ
    基を示すことを特徴とする請求項1に記載のガラス糸。
  3. 【請求項3】 前記組成物が更に、少なくとも1つのエ
    ポキシ官能基を有する少なくとも1種の接着剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のガラス糸。
  4. 【請求項4】 前記組成物が更に、少なくとも1種のホ
    スホン酸またはホスホン酸誘導体を含むことを特徴とす
    る請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス糸。
  5. 【請求項5】 前記組成物が更に、少なくとも1つのエ
    ポキシ官能基を有する少なくとも1種の接着剤と少なく
    とも1種のホスホン酸またはホスホン酸誘導体とを含む
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載
    のガラス糸。
  6. 【請求項6】 耐アルカリ性ガラスから得られることを
    特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のガラ
    ス糸。
  7. 【請求項7】 式: Si(R1 )(R2 )(R3 )(R4 ) 〔式中、 R1 及びR2 はアルコキシ基を示し、 R3 は、アルコキシ基を示すか、または、炭素、水素及
    び任意に窒素だけから成る基を示し、 R4 は、炭素、水素及び任意に窒素だけから成り、環と
    共役の少なくとも1つの不飽和鎖によって置換された少
    なくとも1つの不飽和環を含む基を示す〕で示される少
    なくとも1種のシランを含む成るガラス糸用オイリング
    組成物。
  8. 【請求項8】 更に、少なくとも1つのエポキシ官能基
    を有する少なくとも1種の接着剤及び/または少なくと
    も1種のホスホン酸またはホスホン酸誘導体を含むこと
    を特徴とする請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 少なくとも1種の有機材料及び/または
    無機材料とガラス糸とから成り、前記ガラス糸の少なく
    とも一部が請求項1から6のいずれか一項に記載のガラ
    ス糸から成ることを特徴とする複合材料。
  10. 【請求項10】 少なくとも1種のセメント系材料を含
    むことを特徴とする請求項9に記載の複合材料。
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