JPH09157371A - 帯電防止剤および樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤および樹脂組成物

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JPH09157371A
JPH09157371A JP34586195A JP34586195A JPH09157371A JP H09157371 A JPH09157371 A JP H09157371A JP 34586195 A JP34586195 A JP 34586195A JP 34586195 A JP34586195 A JP 34586195A JP H09157371 A JPH09157371 A JP H09157371A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂に優
れた永久帯電防止性能を付与する帯電防止剤を提供す
る。 【解決手段】 スルホン酸(塩)基を有する芳香族ジカ
ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、炭素数2
〜10のアルカンジオール、ポリオキシアルキレングリ
コールおよびビスフェノール類のアルキレンオキシド付
加物からなる群から選ばれる1種以上のジオールを必須
構成単位とし、かつ分子内に2個以上のスルホン酸
(塩)基を有するポリエステル化合物からなるアニオン
型帯電防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止剤および
これを使用した樹脂組成物に関する。更に詳しくは、少
量の添加量で優れた永久帯電防止性を発揮するアニオン
系帯電防止剤およびこれを使用した永久帯電防止性樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂は、軽量
性、強靱性さらには安価で成形加工が容易であることか
ら広い分野にわたってプラスチック成型品の材料として
使用されている。しかし、これらのプラスチック成型品
は絶縁性であるために、成型品表面が静電気等により帯
電し、塵や埃が付着しやすく成型品の見栄えが悪くなっ
たり、またエレクトロニクス関連機器のハウジング等に
使用された場合には静電気によって誤動作を引き起こす
といった大きな問題がある。
【0003】これらの欠点を改良する方法としては、
熱可塑性樹脂に、カチオン性、アニオン性、両性等のイ
オン型界面活性剤やノニオン型界面活性剤を添加する方
法が一般的である。しかしながら、界面活性剤を添加す
る方法は、経時的に添加した界面活性剤がプラスチック
成型品の表面にブリードアウトし、水洗や布拭き等によ
り容易に脱離するために、帯電防止性がごく一時的にし
か作用しないという大きな欠点がある。
【0004】この欠点を解決する方法として、プラスチ
ック成型品表面から容易には脱離しない高分子型帯電防
止剤を添加する方法;例えばポリエチレングリコール
のような親水性基を導入した(メタ)アクリル酸エステ
ルを帯電防止性モノマーとしてプラスチック骨格中に導
入し帯電防止性を付与する方法(特開昭55−3623
7号公報等)、4級アンモニウム塩基を含有する(メ
タ)アクリルアミドやマレイミドを1成分として他のビ
ニル系モノマーと共重合したものを使用してプラスチッ
ク成型品の帯電防止性を改良する方法(特開平5−32
0526号公報等)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、帯電防止効果の低いノニオン基を帯電防止
性付与基として使用しているため、モノマーを高濃度で
使用する必要があり、その結果プラスチック自体が本来
有する樹脂物性が大幅に低下するという問題がある。ま
た、のように、帯電防止効果の高いカチオン性基であ
っても共重合体中にランダムに導入された場合はその帯
電防止効果は小さく、カチオン性基含有量を高濃度にす
る必要があり、かつ、カチオン性基の耐熱性が悪いた
め、プラスチックの樹脂物性、着色等への影響は避けら
れない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、耐熱性に優れ、か
つ、帯電防止効果のあるアニオン基を分子鎖に導入し、
しかも一定の間隔をあけて規則的にアニオン性基を繰り
返して位置させることにより大きな帯電防止効果が得ら
れ、その結果、少量の添加でポリオレフィンをはじめと
する各種熱可塑性樹脂に対して優れた永久帯電防止性を
付与できることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、スルホン酸(塩)基を
有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体(a1)と、炭素数2〜10のアルカンジオール、
ポリオキシアルキレングリコールおよびビスフェノール
類のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる
1種以上のジオール(a2)とを必須構成単位とし、か
つ分子内に2個以上のスルホン酸(塩)基を有するポリ
エステル化合物(A)からなるアニオン型帯電防止剤;
およびこの帯電防止剤を含有してなる樹脂組成物に関す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、(a1)のうち
のスルホン酸(塩)基を有する芳香族ジカルボン酸とし
ては、例えば5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレ
フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホ−2,6−
ナフタレンジカルボン酸およびこれらの塩(リチウム、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシ
ウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アルキル
アミン、アルカノールアミン等の有機アミン塩、アンモ
ニウム塩)が挙げられる。これらのうち好ましいものは
5−スルホイソフタル酸およびこの塩であり、特に好ま
しいものは5−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび5
−スルホイソフタル酸カリウムである。
【0009】また、スルホン酸(塩)基を有する芳香族
ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば
上記に例示した芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエス
テル(メチルエステル、エチルエステル等)、エステル
塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩等)および酸無水物が挙げられる。これら(a1)
として例示したスルホン酸(塩)基を有する芳香族ジカ
ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体は2種以上を
併用してもよい。
【0010】(a2)のうち炭素数2〜10のアルカン
ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどが挙げられ、これら以外に、シクロヘキサンジ
オール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、キ
シリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、1,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ンなどの環状基を有するジオールを使用してもよい。ポ
リオキシアルキレングリコールとしては、ポリオキシエ
チレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、
ポリオキシブチレングリコールなどが挙げられる。ビス
フェノール類のアルキレンオキシド付加物のビスフェノ
ール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒド
ロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノー
ルF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビ
スフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン)、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2
−ブタンなどが挙げられ、アルキレンオキシドとして
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどが挙げ
られる。これら(a2)として例示したものは2種以上
を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレン
グリコールおよびビスフェノール類のエチレンオキシド
付加物およびこれらの混合物である。
【0011】(A)は、上記(a1)と(a2)とのエ
ステル化反応物であり、かつ分子内に2個以上のスルホ
ン酸(塩)基を有する化合物である。
【0012】該(A)の製法としては、通常のポリエス
テルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応
は、通常減圧下150〜240℃の温度範囲でおこなわ
れ、反応時間は通常0.5〜20時間である。
【0013】また、上記ポリエステル化反応において
は、通常のエステル化触媒を用いてもよい。エステル化
触媒についての制限はなく、例えば三酸化アンチモン等
のアンチモン系触媒;モノブチル錫オキシド、ジブチル
錫オキシド等の錫系触媒;テトラブチルチタネートなど
のチタン系触媒;テトラブチルジルコネート等のジルコ
ニウム系触媒;酢酸亜鉛等の酢酸金属塩系触媒;等が挙
げられる。
【0014】本発明における(A)の数平均分子量は、
通常600〜30,000、好ましくは800〜20,
000である。分子量が600未満では耐熱性が低下
し、また永久帯電防止効果が乏しく、30,000を超
えると溶融時に高粘度になりすぎるためハンドリングが
悪くなり、好ましくない。また、優れた帯電防止効果を
発現させるためには(A)中のスルホン酸(塩)基の数
は通常分子内に2個以上が必要であって、好ましくは3
個以上がよい。2個未満では帯電防止性付与効果が著し
く劣り、所望の永久帯電防止効果が得られない。
【0015】本発明の樹脂組成物において熱可塑性樹脂
(B)としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポ
リオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン6/12等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル系樹
脂;ポリスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の
アクリル樹脂;スチレンとメタクリル酸メチルとアクリ
ロニトリルとブタジエンとからなる群より選ばれる2種
以上の共重合体(スチレン/アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体
およびスチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリ
ル共重合体等);ポリカーボネート;ポリエステル樹脂
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等)、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂等が挙げられ、これらのうち、2種以上を併用し
てもよい。これらのうち好ましいものは、ポリオレフィ
ン系樹脂(B1)である。
【0016】該(B1)としては、プロピレンおよび/
またはエチレンの(共)重合体、プロピレンおよび/ま
たはエチレンと他のα−オレフィン1種以上との共重合
体(ランダムまたはブロック)が挙げられる。他のα−
オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1
−ドデセン等が挙げられる。
【0017】(B1)のメルトフローレート(MFR)
は、通常0.5〜150、好ましくは1〜100であ
る。メルトフローレートは、JIS K6758(ポリ
プロピレン系樹脂の場合;温度230℃、荷重2.16
kgf、ポリエチレン系樹脂の場合;温度190℃、荷
重2.16kgf)に準じて測定することができる。
【0018】特に(B1)を主体とする樹脂組成物にお
いては、該(B1)よりも結晶化温度が高い、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアセタール樹脂
から選ばれる少なくとも一種の樹脂(B2)を組み合わ
せることによって、より少量の帯電防止剤の添加量で効
果的な帯電防止性を付与することができる。(B2)の
使用量は(B1)の重量に基づいて通常1〜20重量
%、好ましくは1〜15重量%である。1%未満では効
果が小さく、20重量%を越えるとポリオレフィン系樹
脂本来の物性を損ねる。
【0019】(B2)としては前記ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂およびポリアセタール樹脂から選ば
れるポリマーおよびオリゴマーが使用でき、これらのう
ち特に好ましいものは、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12およびナイロン6/12共重合ポリアミドか
ら選ばれるポリマーおよびオリゴマーである。
【0020】本発明の樹脂組成物において(A)と
(B)の重量比は、通常(1〜50):(99〜5
0)、好ましくは(3〜20):(97〜80)であ
る。(A)の比率が1未満であると良好な帯電防止効果
が得られず、50を越えると樹脂本来の物性を損ねる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、公知の各種混合機
を用いて前記(A)および(B)成分を混練することに
よって得ることができる。混合機としては例えば押し出
し機、ブラベンダー、ニーダーおよびバンバリーミキサ
ーが挙げられる。
【0022】本発明において特に(A)とポリオレフィ
ン系樹脂との相溶性を改善する目的で変性ポリオレフィ
ン相溶化剤(C)を使用しても良い。該(C)として
は、α,β−不飽和カルボン酸またはそのエステル形成
性誘導体化合物で変性したポリオレフィン、水酸基およ
びエポキシ基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有
する変性ポリオレフィン等が挙げられる。また上記変性
に用いられるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン/プロピレン共
重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセ
ン共重合体、さらにはこれらに少量のジエンを含む共重
合体などが挙げられる。
【0023】変性ポリオレフィン系相溶化剤(C)の具
体例としては、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン/フマル酸共重合体、エチレン/アクリル
酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エ
チレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/
酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、無水マ
レイン酸グラフトポリエチレン、アクリル酸グラフトポ
リエチレン、N−ヒドロキシマレインイミドグラフトポ
リエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、
N−ヒドロキシマレインイミドグラフトポリプロピレ
ン、無水マレイン酸グラフトエチレン/プロピレン共重
合体、アクリル酸グラフトエチレン/プロピレン共重合
体、無水マレイン酸グラフトエチレン/プロピレン/ジ
エンモノマー共重合体、アクリル酸グラフトエチレン/
プロピレン/ジエンモノマー共重合体、N−ヒドロキシ
マレインイミドグラフトエチレン/プロピレン/ジエン
モノマー共重合体などが挙げられる。これらは2種以上
を併用してもよい。
【0024】(C)の中で特に好ましいものは、下記
(C1)〜(C3)から選ばれる1種以上の変性ポリオ
レフィンである。 (C1);数平均分子量800〜30,000であり、
酸価5〜150の変性低分子量ポリオレフィン。 (C2);数平均分子量800〜30,000であり、
水酸基価5〜150の変性低分子量ポリオレフィン。 (C3);(C1)の一部または全部がポリオキシアル
キレン化合物でエステル化されている数平均分子量80
0〜30,000の変性低分子量ポリオレフィン。
【0025】(C1)は、プロピレンおよび/またはエ
チレンの重合法または高分子量のポリプロピレンおよび
/またはポリエチレンの熱減成法によって得られる数平
均分子量700〜25,000の低分子量ポリオレフィ
ンに、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその無
水物を必要により有機パーオキサイドの存在下、溶液法
または溶融法のいずれかの方法で反応させて変性するこ
とによって得ることができる。変性のしやすさから、熱
減成法によって得られる低分子量ポリオレフィンが好ま
しい。熱減成法による低分子量ポリオレフィンは、例え
ば特開平3−62804号公報明細書に記載の方法によ
り得ることができる。
【0026】また、変性に使用するα,β−不飽和カル
ボン酸またはその無水物としては、(メタ)アクリル
酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン
酸および無水シトラコン酸等が挙げられる。これらのう
ち好ましいものは(無水)マレイン酸である。変性時に
使用するこれらの量は、低分子量ポリオレフィンの重量
に基づき通常1〜25重量%、好ましくは3〜20重量
%である。上記の方法によって得られる(C1)の数平
均分子量は、通常800〜30,000、好ましくは
1,000〜20,000である。数平均分子量が80
0未満では耐熱性が悪く、30,000を超えると相溶
化剤としての効果が乏しくなり、樹脂組成物の機械特性
が低下する。また(C1)の酸価(mgKOH/g)
は、通常5〜150、好ましくは10〜100である。
酸価が5未満では相溶化剤としての効果が乏しく、15
0を超えると色相が悪化するため、樹脂組成物の着色の
原因となる。
【0027】(C2)は、上記(C1)をアルカノール
アミン等で2次変性することによって得ることができ
る。アルカノールアミンとしては、例えばモノエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノール
アミンおよびジイソプロパノールアミンが挙げられる。
これらのうち特に好ましいものはモノエタノールアミン
である。(C1)の水酸基価(mgKOH/g)は、通
常5〜150、好ましくは10〜100である。水酸基
価が5未満では水酸基を導入した効果が小さく、150
を超えると色相が悪化するため、樹脂組成物の着色の原
因となる。
【0028】(C3)は、前記(C1)の(無水)カル
ボン酸単位の一部または全部をポリオキシアルキレン化
合物でエステル化することによって得ることができる。
エステル化に用いるポリオキシアルキレン化合物として
は、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコー
ルのような両末端に水酸基を有する化合物、上記水酸基
をアミノ基またはエポキシ基に置換した化合物等が挙げ
られる。更に、アルコール類(メタノール、エタノー
ル、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、
2−エチルヘキシルアルコール等)、フェノール類(フ
ェノール、アルキルフェノール、ナフトール、フェニル
フェノール、ベンジルフェノール等)等の活性水素を有
する化合物にアルキレンオキサイドが付加した、片末端
に水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物等が挙げ
られる。これらポリオキシアルキレン化合物の数平均分
子量は、通常300〜5,000である。エステル化率
については特に限定はないが、(C1)の(無水)カル
ボン酸単位の10〜100モル%がエステル化されてい
ることが好ましい。(C3)の数平均分子量は、通常8
00〜30,000、好ましくは1,200〜25,0
00である。800未満では耐熱性が悪く、30,00
0を超えると相溶化剤としての効果が乏しくなる。
【0029】上記で例示した変性低分子量ポリオレフィ
ン(C1)〜(C3)は2種以上併用しても良い。なお
分子中にカルボキシル基、水酸基およびポリオキシアル
キレン基を全て有する変性低分子量ポリオレフィンを使
用しても良い。
【0030】本発明の樹脂組成物中の(C)の量は、通
常0.2〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%
である。(C)の量が0.2重量%未満では相溶化剤と
しての効果が小さくなるため相分離の問題が起こり易
く、15重量%を超えると樹脂の機械的強度が低下す
る。
【0031】また、本発明の樹脂組成物中に、帯電防止
性を更に向上させる目的で、アルカリ金属および/また
はアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる金属塩
(D)を含有させてもよい。(D)としては、塩化リチ
ウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、
臭化マグネシウムなどを挙げることができる。これらの
うち好ましいものは塩化リチウム、塩化ナトリウムおよ
び塩化カリウムである。
【0032】該(D)の使用量は、本発明の樹脂組成物
の合計重量に対して通常0.01〜2重量%、好ましく
は0.02〜0.5重量%である。0.01重量%未満
では効果が発現せず、2重量%を超えると樹脂表面に析
出し樹脂の外観を損ねることがあり好ましくない。
【0033】(D)を添加する方法については特に限定
はないが、組成物中への効果的な分散のさせ易さから、
スルホン酸(塩)基を有する化合物(A)中に予め分散
させておくことが好ましい。(A)中へ(D)を分散さ
せる場合、(A)の重合時に(D)を予め添加し分散さ
せておく方法が特に好ましい。
【0034】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、そのま
ま成形物としてもよいし、あらかじめ(B)に混ぜた状
態(マスターバッチ)で成形してもよい。
【0035】また本発明の帯電防止性樹脂組成物には、
種々の用途に応じて他の公知の樹脂用添加剤を、樹脂の
特性を阻害しない範囲で添加してもよい。配合できる添
加剤としては、顔料、染料、充填剤、核剤、ガラス繊
維、界面活性剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、
難燃剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下、製造例、実施例および比較例により本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。以下において部は重量部、%は重
量%を示す。
【0037】[帯電防止剤の製造] 製造例1 数平均分子量300のポリエチレングリコール(PEG
300)333部と5−スルホイソフタル酸ナトリウム
塩ジメチルエステル(SIPM)274部及びジブチル
錫オキサイド0.7部を反応容器に仕込み、5mmHg
減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しなが
ら6時間エステル交換反応を行った。1分子内にスルホ
ン酸ナトリウム基を5個有する本発明の帯電防止剤[A
−1](PEG300:SIPM=6:5)を得た。
【0038】製造例2 エチレングリコール(EG)171部とSIPM163
部及びジブチル錫オキサイド0.3部を反応容器に仕込
み、窒素気流下に170℃で3時間エステル交換反応を
行い、大部分のメタノールを留去した。ついで、数平均
分子量400のポリエチレングリコール(PEG40
0)147部及びジブチル錫オキサイド0.3部を添加
し、5mmHg減圧下で220℃まで昇温し、EGを留
去しながら4時間縮重合反応を行った。1分子内にスル
ホン酸ナトリウム基を3個有する本発明の帯電防止剤
[A−2](PEG400:EG:SIPM=2:2:
3)を得た。
【0039】[金属塩を含有した帯電防止剤の製造] 製造例3 EGとSIPM及びジブチル錫オキサイドと一緒に塩化
リチウム1.5部を仕込んだ以外は製造例2と同様の操
作をした。1分子内にスルホン酸ナトリウム基を3個有
し、塩化リチウムを含有した本発明の帯電防止剤[A−
3](PEG400:EG:SIPM=2:2:3)を
得た。蛍光X線分析で測定したこのものの塩化リチウム
の含有量は、0.5%であった。
【0040】[比較の帯電防止剤の製造] 比較製造例1 ジエチレングリコール(DEG)212部とSIPM2
96部及びジブチル錫オキサイド0.7部を反応容器に
仕込み、窒素気流下に180℃で3時間エステル交換反
応を行い、大部分のメタノールを留去した。ついで、5
mmHg減圧下でメタノールを留去しながら3時間反応
を行った。1分子内にスルホン酸ナトリウム基を1個有
する比較の帯電防止剤[A−4](DEG:SIPM=
2:1)を得た。
【0041】[変性低分子量ポリオレフィンの製造] 製造例4 熱減成法で得られた数平均分子量3,000、密度0.
93の低分子量ポリエチレン38部と無水マレイン酸2
部とキシレン60部とを窒素下140℃、キシレン環流
下で溶解し、ついでこれにジターシャリーブチルパーオ
キサイド0.3部を溶かしたキシレン50%溶液を15
分かけて滴下し、その後2時間反応を行った後、溶剤を
留去して酸変性低分子量ポリエチレンを得た。このもの
の酸価(mgKOH/g)は28.0、数平均分子量は
3,800であった。この変性物を以下[C−1]と略
記する。
【0042】製造例5 熱減成法で得られた数平均分子量12,000、密度
0.89の低分子量ポリプロピレン95部と無水マレイ
ン酸5部とを、窒素下180℃で溶融し、ついでこれに
ジクミルパーオキサイド1.5部を溶かしたキシレン5
0%溶液を15分かけて滴下し、その後1時間反応を行
った後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリプロピレン
を得た。このものの酸価は25.7、数平均分子量は1
5,000であった。この変性物を以下[C−2]と略
記する。
【0043】製造例6 製造例5で得られた[C−2]95部をキシレン100
部に窒素下120℃で溶解し、ついでこれにモノエタノ
ールアミン5部を15分かけて滴下し、その後1時間反
応を行った後、溶剤および未反応のモノエタノールアミ
ンを留去して水酸基を有する変性低分子量ポリプロピレ
ンを得た。このものの水酸基価は25.2であり、数平
均分子量は16,000であった。この変性物を以下
[C−3]と略記する。
【0044】製造例6 製造例5で得られた[C−2]95部とラウリルアルコ
ールのエチレンオキサイド24モル付加物50部を窒素
下180℃で溶融し、ついで10mmHgの減圧下5時
間エステル化反応を行って、ポリオキシアルキレン変性
低分子量ポリプロピレンを得た。このものの水酸基価は
0.5であり、数平均分子量は18,000であった。
またNMRによる分析から、エステル化反応が定量的に
行えていることを確認した。この変性物を以下[C−
4]と略記する。
【0045】[マスターバッチの調製] 製造例7 表1に示す割合の(A)〜(C)各成分をヘンシェルミ
キサーにて3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出
機にて、180℃([B1−1]使用の場合)または2
30℃([B1−2]使用の場合)、100rpm、滞
留時間5分の条件で溶融混練しマスターバッチ(M−
1)及び(M−2)を得た。
【0046】
【表1】 (注) [B1−1];ポリエチレン〔商品名「レクスロンJ6
9」、日本石油化学(株)製〕 [B1−2];ポリプロピレン〔商品名「ウベポリプロ
J609」、宇部興産(株)製〕 [B2−1];ナイロン12〔商品名「ウベナイロン3
024U」、宇部興産(株)製〕 [B2−2];ナイロン6〔商品名「ウベナイロン10
13B」、宇部興産(株)製〕
【0047】実施例1、2 マスターバッチ(M−1)及び(M−2)および表2に
示すポリオレフィン系樹脂(B1)を、それぞれ製造例
7と同様の条件で溶融混練し、本発明の樹脂組成物を得
た。マスターバッチを経由した本発明の樹脂組成物の組
成および各成分の最終割合を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例3〜9、比較例1〜3 表3に示す割合の(A)〜(D)を、製造例7と同様の
条件でブレンド、混練し本発明の樹脂組成物および比較
の樹脂組成物を得た。
【0050】
【表3】 (注) [B2−3];ポリブチレンテレフタレート〔商品名
「ジュラネックス2000」、ポリプラスチックス
(株)製〕 [D−1] ;塩化カリウム(2軸押出機混練時に添
加) [D−2] ;塩化リチウム(帯電防止剤製造時に添
加)
【0051】性能試験 本発明の樹脂組成物および比較の樹脂組成物を射出成形
機を用い、シリンダー温度180℃([B1−1]使用
の場合)あるいは、230℃([B1−2]使用の場
合)、金型温度50℃で試験片を作成し、帯電防止性、
樹脂物性および相溶性を評価した。その結果を表4に示
す。なお、帯電防止性および相溶性の評価は下記の方法
により行った。 (1)帯電防止性:試験片を下記に示す処理およびコンデイ
ショニングを行い表面固有抵抗値を測定することによっ
て行った。 (a)成形後、試験片をそのまま23℃、湿度50%R
H雰囲気下に24時間放置。 (b)成形後、試験片を洗剤(ママレモン;ライオン
(株)製)水溶液で洗浄処理し、次いでイオン交換水で充
分洗ったのち、表面の水分を乾燥除去してから23℃、
湿度50%RH雰囲気下に24時間放置。 (2)引張降伏点強度:ASTM D638 (3)相溶性:成形品を折り曲げ、その破断面の目視観察
により下記の評価基準で評価した。 評価基準 ○;良好 △;若干の層状剥離が認
められる ×;相溶性悪く、層状剥離
【0052】
【表4】
【0053】表4から明らかなように、本発明の帯電防
止剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成物は、比較例1〜
3に比べ永久帯電防止性が顕著に優れており、従来達し
得なかった優れた永久帯電防止性を有することを示して
いる。
【0054】
【発明の効果】本発明の帯電防止剤は、下記の効果を有
する。 (1)イオン性基の含有量が高いため、少量の添加でも
帯電防止性付与効果が高い。 (2)イオン性部分と非イオン性部分とが特定の部分に
偏在するのではなく、一定の繰り返し構造を構成してイ
オン性部分が平均化しているため、帯電防止効果が高
い。 (3)少量の添加量でも高い帯電防止効果を発現するた
め、ベースとなる合成樹脂本来の物性等を損なわない。 (4)分子量を高くしてもイオン性基濃度が低下するこ
とがないため、帯電防止性付与効果を低下させずに帯電
防止剤自体の耐熱性をよくすることができる。
【0055】上記効果を奏することから、本発明の帯電
防止剤を配合してなる樹脂組成物は、従来の技術では達
し得なかった優れた永久帯電防止性を有し、かつ機械的
特性および成形性にも優れるので、家電・OA機器用の
ハウジング製品、各種プラスチック容器、自動車部品等
の帯電防止性を必要とする各種成形材料として極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/16 108 C09K 3/16 108C //(C08L 23/00 77:00 67:00 59:00 23:26)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸(塩)基を有する芳香族ジカ
    ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(a1)と、
    炭素数2〜10のアルカンジオール、ポリオキシアルキ
    レングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオ
    キシド付加物からなる群から選ばれる1種以上のジオー
    ル(a2)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2個以
    上のスルホン酸(塩)基を有するポリエステル化合物
    (A)からなるアニオン型帯電防止剤。
  2. 【請求項2】 (a2)が、エチレングリコール、ジエ
    チレングリコール、ポリエチレングリコールおよびビス
    フェノール類のエチレンオキシド付加物からなる群から
    選ばれる1種以上である請求項1記載の帯電防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の帯電防止剤
    (A)1〜50重量%と熱可塑性樹脂(B)99〜50
    重量%とからなる樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)がポリオレフィン系樹脂(B1)
    である請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)が、ポリオレフィン系樹脂(B
    1)100重量部と、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
    脂およびポリアセタール樹脂から選ばれる少なくとも一
    種の樹脂(B2)1〜20重量部とを組み合わせてなる
    熱可塑性樹脂である請求項3記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 さらに変性ポリオレフィン系相溶化剤
    (C)を、(A)と(B)の合計重量に対して、0.2
    〜15重量%含有してなる請求項3〜5いずれか記載の
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C)が、下記(C1)〜(C3)の中
    から選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の樹脂
    組成物。 (C1);数平均分子量800〜30,000であり、
    酸価5〜150の変性低分子量ポリオレフィン (C2);数平均分子量800〜30,000であり、
    水酸基価5〜150の変性低分子量ポリオレフィン (C3);(C1)の一部または全部がポリオキシアル
    キレン化合物でエステル化されている数平均分子量80
    0〜30,000の変性低分子量ポリオレフィン
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