JPH09201192A - ポリウレタン分解エステラーゼの精製方法 - Google Patents
ポリウレタン分解エステラーゼの精製方法Info
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Abstract
ーゼの調製方法を提供し、該エステラーゼによってエス
テル系ポリウレタンを効率良く分解する。 【解決手段】 エステル系ポリウレタンを炭素源とし
て、Comamonasacidovorans TB
−35株を培養する工程と、該培養によって得られる培
養液を遠心分離して、上清と菌体とに分離する工程と、
コール酸ナトリウム溶液、デオキシコール酸ナトリウム
溶液、ドデシル硫酸ナトリウム溶液から選ばれる界面活
性剤によって該菌体からエステラーゼを遊離する工程
と、該界面活性剤および該エステラーゼを含有する溶液
を限外濾過で濃縮すると共に界面活性剤を除去して菌体
付着エステラーゼを得る工程とからなるポリウレタン分
解エステラーゼの精製方法、および該ポリウレタン分解
エステラーゼをエステル系ポリウレタンに1.9〜18
8.0mU添加するエステル系ポリウレタンの分解方
法。
Description
来するポリウレタン分解エステラーゼの精製方法に関す
る。ポリウレタンは、四輪自動車や二輪自動車のシート
クッション、衣類の繊維、靴のクッション、接着剤、塗
料等に用いられている。ポリウレタンは、熱硬化性樹脂
であり、リサイクルが困難なため、埋め立て処理される
ことが多い。しかし、ポリウレタンは半永久的に土中に
残存するため、埋め立て地の不足を招く原因ともなって
いる。そこで、近年、ポリウレタンを処理する技術の開
発が研究されている。
立て処理、化学的分解処理、焼却処理を挙げることがで
きる。埋め立て処理は、使用済みポリウレタンや製造工
程で生じるポリウレタン片をそのまま埋め立て処分する
ものである。しかし、次のような欠点がある。ポリウレ
タンは、スポンジ、クッション等に使用され、密度の低
い樹脂であるため、これを土中に埋没させると、地盤が
固まらず、安定しない。また、重量の割にかさばるた
め、輸送効率が悪い。さらに、ポリウレタンは、微生物
により分解されず腐らないため、埋立処理場に占める割
合が高く、処理場不足の一因となる。
油に分解するものである。この処理方法は、グリコール
分解により原料のポリオールを再生することができると
いう利点がある。しかし、処分するポリウレタンの品質
にばらつきがあるため、分解産物の品質が安定せず、ま
た、処理にかかる費用や手間が莫大であるため、採算が
あわないという欠点がある。焼却処理は、ポリウレタン
を炉で焼却するものである。しかし、次のような欠点が
ある。まず、旧来の炉では、ポリウレタンの焼却の際に
発生する高温に耐えることができない。また、四輪自動
車や二輪自動車のシートクッションに使用されているホ
ットキュア製ポリウレタンには、29%の塩素を含む縮
合リン酸エステルが難燃剤として用いられているため、
ポリウレタンを焼却する際に、塩化水素が発生し、炉を
腐食させる。さらに、焼却時に二酸化炭素や有毒ガスが
発生し、大気環境を汚染する。
他、微生物による処理が考えられる。しかし、微生物に
よる分解処理は、次に述べるように基礎技術の段階であ
り、まだ実用化していない。エーテル系ポリオールを原
料としたエーテル系ポリウレタンは、微生物に耐性であ
り、分解が困難である。これに対し、エステル系ポリオ
ールを原料としたエステル系ポリウレタンは、微生物の
産生する酵素により分解されることが報告されている。
例えば、「Tokiwa,Y.et al:Agri
c.Biol.Chem.,52,p1937(198
8)」には、エステル系ポリウレタンがクモノスカビ
(Rhizopus arrhizusおよびR.de
lemar)の酵素によって加水分解されることが記載
されている。また、「Toshiaki Nakaji
ma−Kambe et al:FEMS Micro
biology Letters 129,39−42
(1995)」には、土壌から分離した細菌(Coma
monas acidovorans TB−35株)
がエステル系ポリウレタンを分解し、アジピン酸とジエ
チレングリコールを産することが記載されている。Co
mamonas acidovorans TB−35
株によるエステル系ポリウレタンの分解方法を実験に基
づいて説明すると、次の通りである。
トと2,4−トリレンジイソシアネートからポリウレタ
ンを合成した。合成したポリウレタンをサイコロ状(約
50mg)に切断し、口径25mmの試験管内の5ml
の液体培地に入れた。液体培地に菌を1白金耳だけ接種
し、30℃で振とう培養(120振動/分)した。ポリ
ウレタンを唯一の炭素源とした場合、7日間で完全に分
解した。分解の代謝物質は、主にジエチレングリコール
であり、トリメチロールプロパンも少量認められた。ポ
リウレタンを唯一の炭素源、窒素源とした場合、7日間
で重量で48%分解した。分解の代謝物質は、アジピン
酸およびジエチレングリコールであった。
分解する上記の方法は、保存菌株の変異や雑菌による汚
染によって分解が困難となるおそれがある。したがっ
て、本発明の目的は、エステル系ポリウレタンを分解す
る酵素であるエステラーゼの調製方法を提供すると共
に、該方法によって得られるエステラーゼによって効率
の良い安定したポリウレタンの分解を図ることにある。
は、エステル系ポリウレタンを炭素源として、Coma
monas acidovorans TB−35株を
培養する工程と、該培養によって得られる培養液を遠心
分離して、上清と菌体とに分離する工程と、コール酸ナ
トリウム溶液、デオキシコール酸ナトリウム溶液、ドデ
シル硫酸ナトリウム溶液から選ばれる界面活性剤によっ
て該菌体からエステラーゼを遊離する工程と、該界面活
性剤および該エステラーゼを含有する溶液を限外濾過で
濃縮すると共に界面活性剤を除去して菌体付着エステラ
ーゼを得る工程とからなるポリウレタン分解エステラー
ゼの精製方法にかかるものである。請求項2に記載の発
明は、エステル系ポリウレタンに対して、請求項1に記
載の方法によって得られるポリウレタン分解エステラー
ゼを1.9〜188.0mU添加することを特徴とする
エステル系ポリウレタンの分解方法にかかるものであ
る。
レタンとは、ポリオールとしてポリエステルを用いたポ
リウレタンをいう。本発明で用いるComamonas
acidovorans TB−35株(FERM
P−15381)は、茨城県つくば市内の土壌から分離
した細菌であり、ポリウレタンを分解することが知られ
ている。TB−35株の科学的性質を次に記す。
mで10分間行う。界面活性剤としては、コール酸ナト
リウム溶液、デオキシコール酸ナトリウム溶液、ドデシ
ル硫酸ナトリウム溶液のいずれかを用いる。特に、コー
ル酸ナトリウム溶液が、酵素を阻害せず、抽出効率が高
い点で好ましい。コール酸ナトリウム溶液の濃度は、
0.0045〜56.8重量%であり、好ましくは0.
3〜5重量%であり、特に好ましくは2重量%である。
ポリウレタン分解酵素(エステラーゼ)は、1.9〜1
88.0mU、好ましくは15.0〜100mUの濃度
でポリウレタンに添加する。濃度が1.9mU未満また
は188.0mUを超えるとポリウレタン分解活性が低
下して、本発明の効果を得ることができない。ここで、
エステラーゼの活性測定は、エステラーゼによりp−ニ
トロフェニルアセテートから遊離されたp−ニトロフェ
ノールの量を405nmの吸光度で測定することによっ
て行う。1分間に1μmolのp−ニトロフェノールを
遊離させる酵素量を1U(unit)とする。ポリウレ
タンを分解するときは、ポリウレタンをフィルム状、粒
状等の表面積の大きな形状にするのが好ましい。
オール末端の官能基数2.7、重量平均分子量250
0)と2,4−トリレンジイソシアネートからエステル
系ポリウレタンを合成した。合成したエステル系ポリウ
レタンをサイコロ状(約50mg)に切断し、口径25
mmの試験管内の5mlの液体培地に入れた。培地の組
成を表1に示す。培地の最終pHは7.2に調整した。
s TB−35株を1白金耳だけ接種し、30℃での振
とう培養(120振動/分)を7日間行なった。その
後、培養液を遠心分離し、上清と菌体に分離した。上清
を限外濾過することによって濃縮し、菌体外エステラー
ゼを得た。一方、分離した菌体を、2重量%のコール酸
ナトリウムを含む0.1Mのリン酸バッファー(pH
7)中に入れ、エステラーゼをリン酸バッファー中に遊
離させた。8000rpmで10分間遠心分離して菌体
を分離した後、リン酸バッファーの上清を限外濾過機を
用いて限外濾過して濃縮すると共にコール酸を除去し、
菌体付着エステラーゼを得た。菌体付着エステラーゼ
は、1.9〜188.0mUの濃度となるように調整
し、酵素液とした。厚さ1mmのフィルム状に合成した
10mgのポリウレタンに1mLの酵素液を加え、30
℃で48時間反応させた。その結果、ポリウレタンの重
量が0.4〜1.3mg減少した。結果を表2に示す。
例1〜3と同様にして実験を行った。結果を表2に示
す。
して実験を行った。結果を表2に示す。菌体外エステラ
ーゼを用いたのでは、どの濃度においてもポリウレタン
の分解はほとんど見られなかった。結果を表2に示す。
は、実施例1〜3と同様にして実験を行った。結果を表
2に示す。
レタンの処理における欠点を伴わずに、30℃で保温す
るだけで、大規模な機械や大きな労力を必要とせずに、
簡単な操作で効率的にエステル系ポリウレタンを分解
し、処理することができる。また、微生物は、保存作業
が大変であり、継代培養によって変異を起こしやすい
が、本発明で得られる酵素として保存すれば、安定した
ポリウレタンの分解処理が可能になる。さらに、本発明
によれば、ポリウレタンの分解産物としてジエチレング
リコール等の有用化学物質を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 エステル系ポリウレタンを炭素源とし
て、Comamonas acidovorans T
B−35株を培養する工程と、該培養によって得られる
培養液を遠心分離して、上清と菌体とに分離する工程
と、コール酸ナトリウム溶液、デオキシコール酸ナトリ
ウム溶液、ドデシル硫酸ナトリウム溶液から選ばれる界
面活性剤によって該菌体からエステラーゼを遊離する工
程と、該界面活性剤および該エステラーゼを含有する溶
液を限外濾過で濃縮すると共に界面活性剤を除去して菌
体付着エステラーゼを得る工程とからなるポリウレタン
分解エステラーゼの精製方法。 - 【請求項2】 エステル系ポリウレタンに、請求項1に
記載の方法により得られるポリウレタン分解エステラー
ゼを1.9〜188.0mU添加することを特徴とする
エステル系ポリウレタンの分解方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00967496A JP3735918B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | エステラーゼ活性を有するポリウレタン分解用酵素液の調製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00967496A JP3735918B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | エステラーゼ活性を有するポリウレタン分解用酵素液の調製方法 |
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| JPH09201192A true JPH09201192A (ja) | 1997-08-05 |
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|---|---|---|---|
| JP00967496A Expired - Fee Related JP3735918B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | エステラーゼ活性を有するポリウレタン分解用酵素液の調製方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3735918B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT512560A1 (de) * | 2012-03-12 | 2013-09-15 | Eurofoam Gmbh | Verfahren zur stofflichen Verwertung von Polyurethanen |
| WO2019243293A1 (de) | 2018-06-21 | 2019-12-26 | Covestro Deutschland Ag | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
| EP4257683A1 (de) | 2022-04-08 | 2023-10-11 | Covestro Deutschland AG | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
| WO2023194440A1 (de) | 2022-04-08 | 2023-10-12 | Covestro Deutschland Ag | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP00967496A patent/JP3735918B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| AT512560A1 (de) * | 2012-03-12 | 2013-09-15 | Eurofoam Gmbh | Verfahren zur stofflichen Verwertung von Polyurethanen |
| AT512560B1 (de) * | 2012-03-12 | 2013-12-15 | Eurofoam Gmbh | Verfahren zur stofflichen Verwertung von Polyurethanen |
| WO2019243293A1 (de) | 2018-06-21 | 2019-12-26 | Covestro Deutschland Ag | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
| EP3587570A1 (de) | 2018-06-21 | 2020-01-01 | Covestro Deutschland AG | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
| US12351853B2 (en) | 2018-06-21 | 2025-07-08 | Covestro Deutschland Ag | Urethanases for the enzymatic degradation of polyurethanes |
| EP4257683A1 (de) | 2022-04-08 | 2023-10-11 | Covestro Deutschland AG | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
| WO2023194440A1 (de) | 2022-04-08 | 2023-10-12 | Covestro Deutschland Ag | Neue urethanasen für den enzymatischen abbau von polyurethanen |
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