JPH09202964A - 真空蒸着装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

真空蒸着装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法

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JPH09202964A
JPH09202964A JP1295596A JP1295596A JPH09202964A JP H09202964 A JPH09202964 A JP H09202964A JP 1295596 A JP1295596 A JP 1295596A JP 1295596 A JP1295596 A JP 1295596A JP H09202964 A JPH09202964 A JP H09202964A
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metal
crucible
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JP1295596A
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Tsutomu Takeda
勉 武田
Jota Ito
条太 伊藤
Kazunobu Chiba
一信 千葉
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に酸素の含有量によらず、優れた生産性に
て高品質な金属膜を成膜可能な真空蒸着装置を提供し、
また、この真空蒸着装置を用いて、低コストに、高品質
の磁気記録媒体を製造する方法をを提供する。 【解決手段】 真空蒸着装置において、ルツボ8の内部
が、金属材料の溶融液の液面近傍にて、金属材料が補給
される材料供給領域21と電子線が照射される主溶融領
域22とに仕切られ、材料供給領域21には、この領域
内の液面近傍の溶融液を流入可能に設けられた貯留部2
5が接続される。そして、この真空蒸着装置を用い、材
料供給領域21に、Coを主体とし、酸素を50〜50
00ppm含有する金属磁性材料を補給して、主溶融領
域22への浮遊物の流入を抑制しながら金属磁性薄膜の
成膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる真空蒸着
装置に関し、この真空蒸着装置を用いて金属磁性薄膜を
成膜する磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に、酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等
の粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等
の有機結合剤中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥する
ことにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く使用
されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によってポリエステルフィルムやポリアミド、
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁
力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れる
ばかりでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くできるた
め、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、
磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要が無い
ため、磁性材料の充填密度を高めることができることな
ど、数々の利点を有している。
【0005】さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換
特性を向上させ、より大きな出力を得ることができるよ
うにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。磁性層を斜めに蒸着するには、ル
ツボ内に金属磁性材料のインゴットを入れておき、これ
を電子銃から電子線を照射することにより蒸気化させ、
この蒸気の入射角度をシャッターやマスクにて規制しな
がら、連続的に走行する非磁性支持体に対して被着させ
ることが一般的に行われている。
【0006】なお、蒸着を連続して行う場合には、ルツ
ボ内の金属磁性材料の消費に合わせて、金属磁性材料の
ペレット等を順次補給すればよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な蒸着に用いられる金属磁性材料においては、Ni,F
e,Cr,Cu等の金属元素の含有量が、磁性層の磁気
特性に大きな影響を及ぼすことから厳重に管理する必要
がある。
【0008】また、O2 ,C,N等のガス成分の含有量
も、できるだけ低く抑えることが要求されている。金属
磁性材料にガス成分が含有されていると、溶融時に突沸
(スプラッシュ)が発生し、この飛沫が非磁性支持体に
まで達して、磁性層に微小な熱負けを生じさせ、当たり
不良やドロップアウトの原因となるからである。さら
に、O2 の含有量が多い金属磁性材料を用いると、この
溶融液の表面が酸化物よりなる浮遊物にて被覆され、成
膜レートを低下させることにもなる。なお、所定の成膜
レートを得ようとすると、照射する電子線のパワーを大
きくする必要が生じ、電子線の安定性を欠いたり、電子
銃の寿命を縮めることとなる。
【0009】しかしながら、通常市販されている金属磁
性材料は、磁気特性への影響を無視できるほど金属元素
の含有量が抑えられているものであっても、ガス成分の
含有量まで十分に低減されていない。このため、蒸着に
際してガス成分の含有量が低い、高品質の金属磁性材料
を用いたい場合には、予め再度精錬加工が必要であっ
た。即ち、ガス成分の含有量が低い金属磁性材料を準備
しようとすると、必然的にコストの増大につながる。
【0010】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑
み、ガス成分、特に酸素の含有量によらず、優れた生産
性にて高品質な金属膜を成膜可能な真空蒸着装置を提供
することを目的とし、また、この真空蒸着装置を用い
て、低コストに、高品質の磁気記録媒体を製造する方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る真空蒸着装
置は、上述の目的を達成するものであり、成膜室内に、
少なくとも、支持体を走行させる円筒キャンと、該円筒
キャンの下方に配設されたルツボと、該ルツボ内に充填
された金属材料に電子線を照射する電子線照射手段とを
有する真空蒸着装置において、前記ルツボの内部が、金
属材料の溶融液の液面近傍にて、金属材料が補給される
材料供給領域と電子線が照射される主溶融領域とに仕切
られ、前記材料供給領域には、この領域内の液面近傍の
溶融液を流入可能に設けられた貯留部が接続されている
ものである。
【0012】この真空蒸着装置のルツボにおいては、材
料供給領域と主溶融領域とが溶融液の液面近傍で仕切ら
れているため、材料供給領域に補給された金属材料が溶
融し、この溶融液に浮遊物が存在していても、主溶融領
域に浮遊物が流入しない。このため、主溶融領域では、
金属材料の溶融液の表面が浮遊物によって被覆されるこ
とがなく、蒸気化が安定して行える。また、このルツボ
を用いれば、材料供給領域から主溶融領域に金属材料が
固体のまま移動してくるのを妨げるため、これがスプラ
ッシュの原因となることもない。なお、ここで用いられ
るルツボは、円筒キャンの幅より長く形成されており、
主溶融領域は円筒キャンの周面に対向するように、材料
供給領域は、円筒キャンの周面に対向しないように配設
されることが前提である。
【0013】さらに、このルツボにおいては、材料供給
領域に、この領域内の液面近傍の溶融液を流入可能に設
けられた貯留部が接続されているため、該貯留部に、溶
融液に浮遊する浮遊物を排出することができる。
【0014】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、
真空蒸着装置の成膜室内で非磁性支持体を連続走行さ
せ、ルツボ内の金属磁性材料を電子線の照射によって加
熱蒸発させることにより、該非磁性支持体上の一主面に
金属磁性薄膜を成膜するに際し、前記ルツボの内部を、
金属磁性材料の溶融液の液面近傍にて、金属磁性材料が
補給される材料供給領域と電子線が照射される主溶融領
域とに仕切っておき、成膜中に、前記材料供給領域に、
Coを主体とし、酸素を50〜5000ppm含有する
金属磁性材料を補給するものである。
【0015】上述したように、材料供給領域と主溶融領
域とを溶融液の液面近傍で仕切っておけば、材料供給領
域における溶融液の浮遊物を主溶融領域に流入させずに
済み、主溶融領域では金属磁性材料の蒸気化を安定して
行える。また、スプラッシュを抑制することもできる。
このため、酸素を含有する金属磁性材料を使っても、電
子線のパワーを大きくすることなく、ドロップアウトの
少ない磁性層を形成することができ、低コストで、高品
質の磁気記録媒体を製造することが可能となる。
【0016】また、材料供給領域に、この領域内の液面
近傍の溶融液を流入可能に設けられた貯留部を接続させ
ておけば、該溶融液に浮遊する浮遊物を排出しながら金
属磁性薄膜の成膜を行うことができる。
【0017】金属磁性材料として酸素を50〜500p
pm含有するものを用いる場合、上述したルツボの使用
のみでドロップアウトの少ない磁性層を形成でき、酸素
を500〜5000ppm含有するものを用いる場合に
も、材料供給領域に還元剤としてAlまたはTiの少な
くともいずれかを供給することによって、ドロップアウ
トの少ない磁性層を得ることができる。なお、酸素の含
有量が50ppm未満の金属磁性材料は、コストが高く
なるために実用的でなく、酸素の含有量が5000pp
mを越える金属磁性材料は、上述したような構成を有す
るルツボを用いても、また、AlやTiといった還元剤
を供給しても、主溶融領域に浮遊物が流入してしまう。
酸素を500〜5000ppm含有する金属磁性材料を
用いる場合、還元剤として供給されるAl、Tiは50
〜500ppmとされて好適である。少なすぎると、還
元剤としての効果が十分には現れず、多すぎると、金属
磁性薄膜の磁気特性に影響が現れてしまう。
【0018】一方、金属磁性薄膜の成膜前に予めルツボ
内に充填しておく金属磁性材料としては、酸素の含有量
が500ppm以下であるものを用いて好適である。こ
れより酸素の含有量が高いものを用いると、溶融液に多
量の浮遊物が浮遊することとなり、ドロップアウトの原
因となったり、成膜レートの劣化の原因となったりす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した実施の形
態について図面を参照しながら説明する。
【0020】本発明を適用した真空蒸着装置の一例を図
1に示す。この真空蒸着装置においては、図示しない排
気口から排気されて内部が減圧可能となされた成膜室1
内に、図中a方向に定速回転する送りロール3と、図中
b方向に定速回転する巻取りロール4とが設けられ、こ
れら送りロール3から巻取りロール4にテープ状の非磁
性支持体2が順次走行するようになされている。
【0021】これら送りロール3から巻取りロール4に
向かって非磁性支持体2が走行する中途部には、上記各
ロール3,4の径よりも大径となされた円筒キャン5が
設けられている。この円筒キャン5は、上記非磁性支持
体2を図中側方に引き出すように設けられ、図中c方向
に定速回転する構成とされる。
【0022】なお、送りロール3、巻取りロール4およ
び円筒キャン5は、それぞれ非磁性支持体2の幅と略同
じ長さからなる円筒状をなすものである。また、円筒キ
ャン5には、内部に図示しない冷却装置が設けられ、非
磁性支持体2の温度上昇による変形等を抑制し得るよう
になされている。
【0023】したがって、この真空蒸着装置の成膜室1
内では、非磁性支持体2が、送りロール3から順次送り
出され、さらに上記円筒キャン5の周面を通過し、巻取
りロール4に巻取られるようになされている。
【0024】また、成膜室1内には、円筒キャン5の下
方にルツボ8が設けられ、このルツボ8内に金属磁性材
料9が充填されている。さらに、このルツボ8には、図
示しないペレット供給手段からペレットが供給されるよ
うになされている。
【0025】一方、成膜室1の上壁部には、上記ルツボ
8内に充填された金属磁性材料9を加熱蒸発させるため
の電子銃10が取り付けられる。この電子銃10は、当
該電子銃10より放出される電子線Xが上記ルツボ8内
の金属磁性材料9に照射されるように配設される。そし
て、この電子銃10によって蒸発した金属磁性材料9が
上記円筒キャン5の周面を定速走行する非磁性支持体2
上に磁性層として被着形成されるようになっている。
【0026】また、円筒キャン5とルツボ8との間であ
って該冷却キャン5の近傍には、シャッタ11が、上記
円筒キャン5の周面を定速走行する非磁性支持体2の所
定領域を覆う形で配設されている。このシャッタ11に
より、蒸発した金属磁性材料9が非磁性支持体2に対し
て所定の角度範囲で斜めに蒸着されるようになる。
【0027】さらに、成膜室1にはガス導入口12が設
けられ、成膜室1内に所望のガスを所望の流量にて供給
できるようになされている。
【0028】この真空蒸着装置においてはルツボ8の構
成に特徴があるため、図2および図3を用いて説明す
る。このルツボ8は、その長手方向の長さが円筒キャン
5の周面の幅よりも長く形成されており、図2の斜視
図、図2におけるA−A’線断面図に示されるように、
その内部が、金属磁性材料9の溶融液の液面近傍にて、
材料供給領域21と主溶融領域22とに仕切板23によ
って仕切られている。ここで、主溶融領域22は電子線
Xが照射される領域であり、材料供給領域21はペレッ
トが補給される領域である。なお、主溶融領域22は、
円筒キャン5の周面に対向するように、材料供給領域2
1は、円筒キャン5の周面に対向しないように配設され
る。
【0029】ここで、仕切板23は略逆凸状となされ、
その基端部23bがルツボ8の開口縁部に係止されると
ともに、その凸部23aがルツボ8の開口部8aをその
深さ方向の中途部まで遮断するようになされている。こ
のため、材料供給領域21と主溶融領域22とは、上述
の仕切板23の凸部23aの下方にて通じ、材料供給領
域21へ供給されたペレットは、溶融されてはじめて上
述の凸部23aの下方を通過して主溶融領域22へ供給
されることとなる。
【0030】また、上述のルツボ8においては、材料供
給領域21に溝部24を介して接続可能となされた貯留
部25が、円筒キャン5の周面に対向しない位置に設け
られている。ここで、溝部24は、前述した仕切板23
によって開口部8aが遮断される深さより浅く形成され
ており、この溝部24に関止部材26を係合/離間させ
ることによって、材料供給領域21と貯留部25とを遮
断/接続可能としている。このため、貯留部25には、
関止部材26を溝部24から離間させることにより、材
料供給領域21内の液面近傍の溶融液を流入させること
ができる。
【0031】ルツボ8が溶融液の液面近傍にて材料供給
領域21と主溶融領域22とに仕切られると、材料供給
領域に補給されたペレットの溶融液に浮遊物が存在して
いても、主溶融領域22への浮遊物の流入を抑制でき
る。このため、主溶融領域22では、溶融液の表面が浮
遊物によって被覆されることがなく、蒸気化が安定して
行える。また、このルツボ8を用いれば、ペレットが固
体のまま主溶融領域22に移動してくることがないた
め、スプラッシュを抑制できる。
【0032】さらに、材料供給領域21に貯留部25が
接続させることによって、該貯留部25に溶融液に浮遊
する浮遊物を排出することができるため、主溶融領域2
2への浮遊物の流入を防止することができる。
【0033】以上のような構成を有する真空蒸着装置に
よって、非磁性支持体2に金属磁性薄膜を成膜するに
は、排気口より成膜室1内の排気を行って所定の真空度
を保つ一方、金属磁性薄膜の磁気特性、耐久性、耐候性
の向上を目的として、ガス導入口12より酸素ガスを所
定の流量にて導入する。そして、送りロール3、円筒キ
ャン5、巻取りロール4をそれぞれ所定の速度で回転さ
せ、非磁性支持体2を円筒キャン5の周面に走行させ
る。また、電子銃10から放出される電子線Xによって
ルツボ8内の金属磁性材料9を加熱蒸発させ、シャッタ
11により入射角度を規制しながら、走行する非磁性支
持体2に被着させればよい。
【0034】なお、金属磁性材料9としては、成膜開始
前に予めルツボ8内に予め入れておいたインゴットを溶
融したものが用いられ、成膜によって消費された分がペ
レットとして補給される。以下、インゴットとして供給
される金属磁性材料9を「初期用材料」と称し、ペレッ
トとして供給される金属磁性材料9を「補給用材料」と
称す。
【0035】ここで、金属磁性材料9としては、通常、
磁気記録媒体の磁性層を形成するために使用されるもの
であれば如何なるものであってもよいが、本発明に係る
磁気記録媒体の製造方法においては、Coを主体とする
ものを用いる。もちろん、磁気特性や耐錆性を考慮し
て、Ni、Cr等に代表される種々の元素が添加された
ものであってもよい。但し、初期用材料として酸素の含
有量が500ppm以下のものを用い、補給用材料とし
て酸素の含有量が50〜5000ppmのものを用い
る。なお、成膜される金属磁性薄膜は、単層膜であって
も多層膜であってもよい。
【0036】ところで、上述のような金属磁性材料を被
着させる非磁性支持体としては、ポリエステル類、ポリ
オレフィン類、セルロース類、ビニル類、ポリイミド
類、ポリカーボネート類に代表されるような高分子材料
によって形成される高分子基板や、アルミニウム合金、
チタン合金からなる金属基板、アルミガラス等のセラミ
ックス基板、ガラス基板等が挙げられ、その形状も何等
限定されない。但し、本発明を適用して磁気テープを製
造する場合には、非磁性支持体として、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィ
ルム、アラミドフィルム等を用いて好適である。また、
これらのフィルムには、表面粗度を制御するためにフィ
ラーが内添されていてもよいし、表面に表面粗度を制御
するための層が形成されていてもよい。
【0037】さらに、非磁性支持体と金属磁性薄膜間、
あるいは、金属磁性薄膜が多層膜よりなる場合には、各
層間の付着力向上、並びに抗磁力の制御等のため、下地
層または、中間層を設けてもよい。また、例えば、磁性
層表面近傍が耐蝕性改善等のために酸化物となっていて
もよい。
【0038】また、金属磁性薄膜上には保護膜層が形成
されてもよく、この材料としては、通常の金属磁性薄膜
用の保護膜として一般に使用されるものであれば如何な
るものであってもよい。例示すれば、カーボンの他、C
rO2 、Al23 、BN、Co酸化物、MgO、Si
2 、Si34 、SiNx 、SiC、SiNx −Si
2 、ZrO2 、TiO2 、TiC等があげられる。こ
れらの単層膜であってもよいし多層膜、あるいは複合膜
であってもよい。
【0039】もちろん、本発明を適用して製造される磁
気記録媒体の構成はこれに限定されるものではなく、必
要に応じて非磁性支持体上に下塗層が形成されたり、非
磁性支持体における金属磁性薄膜が成膜された面とは反
対側の主面にバックコート層を設けたり、金属磁性薄膜
または保護膜表面に潤滑剤や防錆剤等よりなるトップコ
ート層を形成したりしてもよい。
【0040】
【実施例】以下、実施の形態に示した真空蒸着装置の有
用性、金属磁性材料として使用可能な酸素含有量の範囲
等を確認するため、様々な条件で金属磁性薄膜の成膜を
行って磁気テープを製造した。
【0041】実施例1〜6 以下、実際に磁気テープを製造する工程を順を追って説
明する。
【0042】先ず、厚さ10μm、幅150mmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用意し、このフィル
ムの表面粗度を調整するために、アクリル酸エステルを
主成分とする水溶性ラテックスを塗布して下塗り層を形
成した。これによって、表面に1000万個/mm2
る突起密度が形成された。これを非磁性支持体2とす
る。
【0043】そして、前述した実施の形態に示された真
空蒸着装置の成膜室1を1×10-3〜10×10-3Pa
なる真空度に保ちながら、該成膜室1内に酸素ガスを
3.0l/minなる流量にて導入し、上記の非磁性支
持体2を25m/分なる速度にて、−30℃に冷却され
た円筒キャン5の周面上を走行させた。
【0044】この状態で、ルツボ8の主溶融領域22に
電子線を照射することにより、インゴットを溶融させ、
得られた金属磁性材料9を蒸発させた。そして、この蒸
気を、入射角度が45°〜90°となるようにして非磁
性支持体2に被着させた。なお、電子銃10の出力は、
非磁性支持体2を上述の速度で走行させた状態で200
nmの厚さの金属磁性薄膜を成膜できるように、最大3
00kWの範囲で調整した。この成膜に際しては、ルツ
ボ8内の金属磁性材料9が消費されるため、順次、ルツ
ボ8の材料供給領域21にペレットを補給した。このペ
レットは、主溶融領域22から伝達してくる熱によって
溶融し、仕切板23の下方から主溶融領域22へ供給さ
れることとなる。
【0045】また、成膜中、ルツボ8の材料供給領域2
1に浮遊物が観察されたときには、溝部24から関止部
材26を離間させて、材料供給領域21と貯留部25と
を接続させ、液面近傍の溶融液を貯留部25へ流入させ
ることにより、浮遊物を貯留部25へ排出した。
【0046】ここで、インゴットとして供給する初期用
材料、ペレットとして補給する補給用材料としては、酸
素の含有量が互いに異なる材料a〜eを組み合わせて用
いた。材料a〜eの組成は表1に示されるとおりであ
る。
【0047】
【表1】
【0048】以上のようにして、それぞれ金属磁性薄膜
の成膜を行った後、非磁性支持体2の金属磁性薄膜形成
面とは反対側の面に、カーボンとウレタン系結合剤を主
体とするバックコート層を0.6μmなる厚さに形成
し、金属磁性薄膜上には、パーフルオロポリエーテルよ
りなるトップコート層を形成した。そして、これを8ミ
リ幅に裁断して実施例1〜6の磁気テープを得た。
【0049】ここで、各磁気テープの金属磁性薄膜の成
膜時に用いた初期用材料、補給用材料は、実施例1のサ
ンプルテープ:初期用材料=材料a、補給用材料=材料
b 実施例2のサンプルテープ:初期用材料=材料a、補給
用材料=材料c 実施例3のサンプルテープ:初期用材料=材料c、補給
用材料=材料b 実施例4のサンプルテープ:初期用材料=材料c、補給
用材料=材料c 実施例5のサンプルテープ:初期用材料=材料a、補給
用材料=材料d 実施例6のサンプルテープ:初期用材料=材料c、補給
用材料=材料e である。
【0050】実施例7,8 本実施例においては、補給用材料を供給するに際して、
還元剤を同時に供給した以外は実施例1〜6と同様にし
て金属磁性薄膜を成膜し、磁気テープを製造した。
【0051】ここでは、金属磁性薄膜の成膜時に、初期
用材料として材料a、補給用材料として材料dを用い、
還元剤としてTiを60ppm供給して作製された磁気
テープを実施例7のサンプルテープとし、初期用材料と
して材料c、補給用材料として材料eを用い、還元剤と
してTiを300ppm供給して作製された磁気テープ
を実施例8のサンプルテープとした。
【0052】比較例1 本比較例においては、補給用材料として、酸素含有量が
実施例7,8よりもさらに高い材料を用いた以外は実施
例7,8と同様にして金属磁性薄膜を成膜し、磁気テー
プを製造した。
【0053】ここでは、金属磁性薄膜の成膜時に、初期
用材料として材料a、補給用材料として材料fを用いて
作製された磁気テープを比較例1のサンプルテープとし
た。なお、材料fの組成は表1に併せて示されるとおり
である。
【0054】比較例2〜9 ここでは、ルツボとして、仕切板23や貯留部25を有
さず、単に直方体の開口部を有する従来型のルツボを用
いた以外は、実施例1〜実施例6と同様にして金属磁性
薄膜を成膜し、磁気テープを製造した。
【0055】ここで、各磁気テープの金属磁性薄膜の成
膜時に用いた初期用材料、補給用材料は、比較例2のサ
ンプルテープ:初期用材料=材料a、補給用材料=材料
a 比較例3のサンプルテープ:初期用材料=材料a、補給
用材料=材料b 比較例4のサンプルテープ:初期用材料=材料a、補給
用材料=材料d 比較例5のサンプルテープ:初期用材料=材料c、補給
用材料=材料a 比較例6のサンプルテープ:初期用材料=材料c、補給
用材料=材料b 比較例7のサンプルテープ:初期用材料=材料c、補給
用材料=材料d 比較例8のサンプルテープ:初期用材料=材料d 比較例9のサンプルテープ:初期用材料=材料e である。
【0056】特性の評価 ここで、以上のようにして実施例1〜実施例8、比較例
1〜比較例9のサンプルテープの製造工程中、金属磁性
薄膜の成膜に際して、必要な成膜レートを達成するため
の電子銃10の出力、スプラッシュの有無、ルツボ8の
主溶融領域22での浮遊物の有無を観察し、また、製造
された各サンプルテープについてドロップアウトの測定
を行った。この結果を表2および表3に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】なお、ドロップアウトの測定は、記録再生
装置(ソニー社製、商品名:EV−S900)を改造し
たものを用いて、各サンプルテープを再生走行させ、ド
ロップアウトの発生回数をカウントすることによって行
った。なお、ここで、ドロップアウトとは、再生出力レ
ベルから−16dB以上の出力劣化が10μsec以上
続いた状態とする。また、測定は10分間行い、1分あ
たりの回数をカウントし、20個以下の場合を○、20
個〜50個の場合を△、50個以上の場合を×として評
価した。
【0060】また、スプラッシュの有無、浮遊物の有無
は、金属磁性薄膜の成膜時に目視によって観察したもの
である。
【0061】表2および表3より、先ず、実施例1〜6
と比較例2〜9とを比較する。比較例2〜9のように、
従来型のルツボを用いて金属磁性薄膜の成膜を行うと、
補給用材料の酸素含有量が高くなるほどスプラッシュが
増加し、また、浮遊物が増えるため必要な成膜レートを
達成するための電子銃10の出力も大きくなり、さら
に、ドロップアウトも増大しているのがわかる。これに
対し、実施例1〜6のように、実施の形態に示したルツ
ボを用いた場合には、補給用材料として酸素含有量の高
いものを用いてもスプラッシュも少なく、浮遊物が少な
いため電子銃10の出力も小さくて済み、また、ドロッ
プアウトも抑えられることがわかる。特に、比較例3と
実施例1、比較例4と実施例5のように、初期用材料お
よび補給用材料が同じであるもの同士を比較することに
より、上述の違いが顕著に分かる。
【0062】但し、実施例5,6のように、補給用材料
として酸素含有量が500ppmを越える材料d,eを
用いた場合には、実施例1〜4に比して浮遊物が多くな
り、ドロップアウトが増大してしまう。これに対して、
補給用材料の酸素含有量が実施例5,6と同じであって
も、実施例7,8のように還元剤を供給した場合には、
浮遊物を少なくすることができ、ドロップアウトも低減
できる。これより、補給用材料として酸素含有量が50
0ppmを越える材料を用いる場合には、還元剤を用い
ることが好ましいことがわかる。なお、比較例1のよう
に、還元剤を用いても酸素含有量が5000ppmを越
える材料fを用いると、浮遊物を十分には低減させるこ
とができない。
【0063】また、比較例2〜9内での比較を行うと、
初期用材料、補給用材料を問わず、酸素含有量が500
ppmを越える材料を用いた場合に、電子銃10の出力
を大きくする必要が生じ、ドロップアウトも増大するこ
とがわかる。比較例2〜9においては、従来型のルツボ
を用いているため、補給用材料から生ずる浮遊物が電子
線の照射領域に存在することとなる。即ち、電子線の照
射領域に存在する溶融液は酸素含有量が500ppm以
下の材料の溶融液であることが望まれる。これは、実施
の形態に示したルツボ8を用いる場合においても、初期
用材料としては、酸素含有量が500ppm以下の材料
を用いることが好ましいことを示している。
【0064】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る真空蒸着装置を用いると、補給用の金属材料か
ら浮遊物が生じても、優れた生産性にて高品質な金属膜
を成膜することができる。
【0065】したがって、このような真空蒸着装置を磁
気記録媒体の製造に適用すると、金属磁性材料として酸
素がある程度含有されたものを使用しても高品質な金属
磁性薄膜を成膜できるようになるため、低コストに、高
品質の磁気記録媒体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空蒸着装置の一構成例を示す模
式図である。
【図2】本発明に係る真空蒸着装置におけるルツボの構
成を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A’線における断面図である。
【符号の説明】
1 成膜室 2 非磁性支持体 5 円筒キャン 8 ルツボ 9 金属磁性材料 10 電子銃 21 材料供給領域 22 主溶融領域 23 仕切板 24 溝部 25 貯留部 26 関止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/20 H01F 41/20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜室内に、少なくとも、支持体を走行
    させる円筒キャンと、該円筒キャンの下方に配設された
    ルツボと、該ルツボ内に充填された金属材料に電子線を
    照射する電子線照射手段とを有する真空蒸着装置におい
    て、 前記ルツボの内部が、金属材料の溶融液の液面近傍に
    て、金属材料が補給される材料供給領域と電子線が照射
    される主溶融領域とに仕切られ、 前記材料供給領域には、この領域内の液面近傍の溶融液
    を流入可能に設けられた貯留部が接続されていることを
    特徴とする真空蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記金属材料として、磁気記録媒体の磁
    性層を形成するための金属磁性材料が使用され、前記貯
    留部は、該金属磁性材料の溶融液に浮遊する浮遊物を排
    出するために使用されることを特徴とする請求項1記載
    の真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 真空蒸着装置の成膜室内で非磁性支持体
    を連続走行させ、ルツボ内の金属磁性材料を電子線の照
    射によって加熱蒸発させることにより、該非磁性支持体
    上の一主面に金属磁性薄膜を成膜するに際し、 前記ルツボの内部を、金属磁性材料の溶融液の液面近傍
    にて、金属磁性材料が補給される材料供給領域と電子線
    が照射される主溶融領域とに仕切っておき、 成膜中に、前記材料供給領域に、Coを主体とし、酸素
    を50〜5000ppm含有する金属磁性材料を補給す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記材料供給領域に、この領域内の液面
    近傍の溶融液を流入可能に設けられた貯留部を接続させ
    ておき、該溶融液に浮遊する浮遊物を排出しながら金属
    磁性薄膜の成膜を行うことを特徴とする請求項3記載の
    磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属磁性材料として、酸素を50〜
    500ppm含有するものを用いることを特徴とする請
    求項3記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属磁性材料として、酸素を500
    〜5000ppm含有するものを用い、前記材料供給領
    域に、還元剤としてAlまたはTiの少なくともいずれ
    かを供給することを特徴とする請求項3記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属磁性薄膜の成膜前には、ルツボ
    内に、Coを主体とし、酸素の含有量が500ppm以
    下である金属磁性材料を充填しておくことを特徴とする
    請求項3記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP1295596A 1996-01-29 1996-01-29 真空蒸着装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH09202964A (ja)

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