JPH09206502A - 擬似移動床式分離装置 - Google Patents

擬似移動床式分離装置

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JPH09206502A
JPH09206502A JP7323377A JP32337795A JPH09206502A JP H09206502 A JPH09206502 A JP H09206502A JP 7323377 A JP7323377 A JP 7323377A JP 32337795 A JP32337795 A JP 32337795A JP H09206502 A JPH09206502 A JP H09206502A
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Shinji Nagamatsu
信二 永松
Koichi Murakado
公一 村角
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環流体流路中の成分の濃度分布をリアルタ
イムに監視可能な擬似移動床式分離装置、あるいは最適
運転条件を自動決定可能な擬似移動床式分離装置を提供
すること。 【解決手段】 循環流体流路中に設けられた濃度検出
器、および循環流体流路からの抜き出し口に濃度測定手
段を設けてなる擬似移動床式分離装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は擬似移動床式分離装置
に関し、さらに詳しくは、擬似移動床中に形成される濃
度分布の全体をリアルタイムに検出可能な擬似移動床式
分離装置、あるいはリアルタイムに擬似移動床式分離装
置の運転状態を把握することができ、しかも不合格品を
出さず、試料ロスが少なくて回収効率が高く、高い生産
性をもって成分分離の可能な擬似移動床式分離装置、あ
るいは、リアルタイムに、より正確に言うと1サイクル
毎あるいは1ステップ毎に、運転条件特に1サイクル毎
の濃度(場合によっては純度)のパターン変化または1
ステップ毎の濃度(場合によっては純度)のパターン変
化を把握し、それらのパターン変化に関するデータをベ
ースにして、温度、各ポンプの流量、ステップタイム等
を変化させて濃度の安定した製品を連続的に分離製造す
ることのできる擬似移動床式分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の擬似移動床式分離装置を使用した
クロマト分離方法は、内部に充填剤を収容した複数のカ
ラムを直列に連結し、カラムの前端と後端とを流体通路
(あるいは流体流路とも称される。)で結合することに
より無端状に連結され、内部に液体が一方向に循環して
いる充填床に、分離するべき成分の混合物である原料を
含有する原料含有溶液および溶離液を導入し、同時に分
離された成分を含有する液と、他の成分を含有する液と
を抜き出すことからなり、擬似移動床式分離装置におけ
る前記充填床には、溶離液導入口、吸着されやすい物質
を含有する液(エキストラクト;吸着質または強吸着質
に富む溶液)の抜き出し口、原料含有溶液導入口、吸着
されにくい物質を含有する液(ラフィネート;非吸着質
または弱吸着質に富む溶液)の抜き出し口が液体の流れ
方向に沿ってこの順序で配置され、かつこれらの導入口
および抜き出し口は、循環流路内におけるこれらの相対
的な位置関係を保持したまま流体の流れ方向に間欠的に
逐次移動されるようになっている。
【0003】このような従来の工業用の擬似移動床式分
離装置は、1967年に米国UOP(ユニバーサル・オ
イル・プロダクツ・カムパニー)が開発したシステムが
基本になり、現在エンジニアリング各社により様々な改
良型擬似移動床式分離装置が開発されつつある。代表的
な例は果糖やブドウ等の分離等のためのプラント例が知
られている。このようなシステムの制御には通常、擬似
移動床式分離装置における循環流体通路中に組み込まれ
ている各ポンプまたは循環流体通路中に形成される各ゾ
ーンにおける流量を正確に測定し、それらのデータをコ
ンピュータで解析し、流量制御データをオペレータに提
示することにより、運転制御を手動で行っているのが一
般的である。
【0004】さらに、循環流体通路内に配置された耐圧
性の低い濃度計(通常10kg/cm2 以下の圧力に耐
える濃度計である。)によりモニタリングするシステム
を有する装置も知られている。ただし、これら提案され
ている工業用の擬似移動床式分離装置においては、充填
剤としてイオン交換樹脂、合成吸着体、無機吸着剤(た
とえばゼオライト等)を使用し、これら充填剤の粒径は
200μm以上であることによってシステム全体の運転
時の耐圧設定はおおよそ10kg/cm2 以下になって
いる。したがって、これらのモニタリングシステムでは
HPLCレベルの充填剤(粒径としては1〜100μ
m)を使用した擬似移動床式分離装置では、処理流速の
関係もあるが、システム圧としては50kg/cm2
上になってしまうことが一般的である。なお、このよう
な擬似移動床式分離装置ではサイクルタイムを短くして
ポンプによる流速を上昇させた方が生産性が向上するこ
とが知られている。
【0005】また、現状のモニタリングシステムおよび
システム制御の方法においては、循環流路中を流通する
流体の流速を厳密に制御することが望まれている。さら
に、HPLCタイプの充填剤を使用する擬似移動床式分
離装置においては、システム全体の温度制御および流量
制御を上記の低圧システムよりもかなり厳密に行う必要
がある。
【0006】しかしながら、HPLCタイプの充填剤を
使用する擬似移動床式分離装置においては、連続運転時
に安定した品質の製品を効率良く製造するために、現状
では経験と勘とに頼って最適運転条件を決定せざるを得
ない状況である。
【0007】もっとも、従来の低圧の擬似移動床式のク
ロマト分離におけるモニター方法の一例として、例えば
エキストラクトあるいはラフィネートの抜き出し口が一
定時間毎に間欠的に移動する度にその抜き出し口から排
出される溶液中の溶質の濃度を測定する方法が知られて
いる。
【0008】しかしながら、抜き出し口から排出される
液の濃度は前記抜き出し口の間欠的移動の前後で大きく
変動し、正確な濃度の変化を監視することが困難であ
り、また、たとえば光学異性体の分離においては、前記
濃度のみの監視によっては分離の状態を正確に監視する
ことができないという問題を有していた。
【0009】また、特開平4−131104号公報には
「擬似移動床方式のクロマトグラフィの分離方法におい
て、一方または両方の流体抜き出し口の流体成分濃度を
測定して前記供給口および抜き出し口を間欠的に移動す
る時間を短縮あるいは延長することにより、予め定めら
れた成分純度を調整、維持することを特徴とする擬似移
動床方式の制御方法」が開示されている。
【0010】この公報に記載の制御方法においては、供
給口および抜き出し口から濃度検出器までの配管が通常
長いので、供給口あるいは抜き出し口で濃度を検出する
とは言いながら、実はタイムラグを生じてしまっていて
正確な濃度検出とはなっていない。またタイムラグの外
にも、配管中を流れるエキストラクトあるいはラフィネ
ート中で成分の拡散や対流が生じていて、この点におい
ても正確な濃度検出をすることができないという問題が
ある。
【0011】このように従来の擬似移動床式クロマト分
離においては、経時的に変化する濃度や光学純度を正確
に把握することができず、分離の状態を迅速に判断する
ことができないという問題を有していた。さらに、分離
の状態を迅速に判断できないことから、例えば、導入口
および抜き出し口を間欠的に移動する時間的間隔、循環
する流体の流速、温度等の運転条件等を最適な条件に設
定することが困難であり、効率的なクロマト分離を行な
うことができないという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、擬
似移動床における各ゾーン中の濃度を正確にモニタリン
グすることのできる擬似移動床式分離装置を提供するこ
とにある。この発明の他の目的は、液体クロマトグラフ
装置を取り扱うのと同程度に簡単な操作で運転すること
のできる擬似移動床式分離装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、不合格品を出さず、試料のロス
が少なく、高い回収率で、生産性良く成分分離を行うこ
とのできる擬似移動床式分離装置を提供することにあ
る。この発明の目的は、装置の操業に熟練と勘とを必要
とせずに、容易にかつ正確に操業することのできる擬似
移動床式分離装置を提供することにある。
【0013】この発明の目的は、高圧の運転条件下であ
ってもリアルタイムに各ゾーンの濃度パターン(純度の
パターン)をモニターすることができ、容易に運転状況
を把握することができ、長時間に亙って品質の安定した
操業の可能な、自動制御システム組込みの擬似移動床式
分離装置を提供することにある。
【0014】この発明の他の目的は、この発明の技術的
効果を奏することのできる擬似移動床式分離装置を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、分離用充填剤を収容した複数の充填床を無端状に連
結し、内部に流体を一方向に強制循環させることのでき
る循環流体流路を形成し、この循環流体流路中に、溶離
液を導入する溶離液導入口と、吸着質または強吸着質に
富む溶液を抜き出すエキストラクト抜き出し口と、分離
されるべき成分の混合物を含む原料溶液を導入する原料
溶液導入口と、非吸着質または弱吸着質に富む溶液を抜
き出すラフィネート抜き出し口とを、流体の流れの方向
にこの順に設け、かつ、それぞれの導入口および抜き出
し口を間欠移動させるようにしてなる擬似移動床式分離
装置において、前記循環流体流路中に濃度検出器を設け
てなることを特徴とする擬似移動床式分離装置であり、
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の擬似移
動床式分離装置において、エキストラクト抜き出し口か
ら抜き出されたエキストラクト中の成分の濃度を測定す
る濃度測定手段およびラフィネート抜き出し口から抜き
出されたラフィネート中の成分の濃度を測定する濃度測
定手段のいずれか、または両方を更に備える前記請求項
1に記載の擬似移動床式分離装置であり、請求項3に記
載の発明は、分離用充填剤を収容した複数の充填床を無
端状に連結し、内部に流体を一方向に強制循環させるこ
とのできる循環流体流路を形成し、この循環流体流路中
に、溶離液を導入する溶離液導入口と、吸着質または強
吸着質に富む溶液を抜き出すエキストラクト抜き出し口
と、分離されるべき成分の混合物を含む原料溶液を導入
する原料溶液導入口と、非吸着質または弱吸着質に富む
溶液を抜き出すラフィネート抜き出し口とを、流体の流
れの方向にこの順に設け、かつ、それぞれの導入口およ
び抜き出し口を間欠移動させるようにしてなる擬似移動
床式分離装置において、前記循環流体流路内に配置され
た高耐圧性の濃度検出器とそれに連動したコンピュータ
とを備え、擬似移動床式分離装置における変動要因によ
り生じる目的成分の濃度変動に応じて運転条件を自動修
正可能としたことを特徴とする擬似移動床式分離装置で
あり、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の
擬似移動床式分離装置において、エキストラクト抜き出
し口から抜き出されたエキストラクト中の成分の濃度を
測定する濃度測定手段およびラフィネート抜き出し口か
ら抜き出されたラフィネート中の成分の濃度を測定する
濃度測定手段のいずれか、または両方を更に備える前記
請求項3に記載の擬似移動床式分離装置であり、請求項
5に記載の発明は、前記濃度測定手段は、所定時間毎に
サンプリング手段でサンプリングされたエキストラクト
またはラフィネート中の所望成分と所望しない成分とを
分離する分離手段と、それぞれの成分の濃度を測定する
成分濃度測定手段とを有してなる前記請求項4に記載の
擬似移動床式分離装置であり、請求項6に記載の発明
は、前記濃度測定手段は、所定時間毎にサンプリングさ
れたエキストラクトまたはラフィネート中の所望成分と
所望しない成分との濃度を測定する複数種類の濃度検出
器である前記請求項4に記載の擬似移動床式分離装置で
あり、請求項7に記載の発明は、前記濃度測定手段は、
所定時間毎にサンプリングされたエキストラクトまたは
ラフィネート中の所望成分と所望しない成分との濃度を
測定する一種類の濃度検出器である前記請求項4に記載
の擬似移動床式分離装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
−循環流体流路− この発明における擬似移動床式分離装置は、分離用充填
剤を収容した複数の充填床を無端状に連結し、内部に流
体を一方向に強制循環させることのできる循環流体流路
を有する。この分離用充填剤を収容した充填床は、通
常、カラムと称される。そして、工業的な循環流体流路
は、分離用充填剤を収容した複数のカラムが、パイプ等
の配管を介して無端状に連結されることにより形成され
る。
【0017】カラムを利用した循環流体流路には、流体
強制循環手段が設けられていて、循環流体流路中で流体
を一方向に強制的に循環させることができるようになっ
ている。この流体強制循環手段としては、流体を一方向
に強制的に循環させることができる限りどのような構
造、型式等の手段であっても良く、たとえば、循環流体
流路中に介装されたポンプを挙げることができる。ま
た、ポンプを採用しなくても、圧力バランスを調製する
ことにより流体を循環可能にする調圧弁の組み合わせ等
も流体強制循環手段とすることもできる。
【0018】また、循環流体流路を形成するカラムとカ
ラムとを連結する配管には、この循環流体流路中を流通
する流体の流通方向に沿って、溶離液(脱離液、あるい
はデソーベントとも称される。)を導入する溶離液導入
口と、吸着質または強吸着質に富む溶液(エキストラク
トとも称される。)を抜き出すエキストラクト抜き出し
口と、分離されるべき成分の混合物を含む原料溶液(フ
ィードとも称される。)を導入する原料溶液導入口、非
吸着質または弱吸着質に富む溶液(ラフィネートとも称
される。)を抜き出すラフィネート抜き出し口がこの順
に設けられている。
【0019】この発明の擬似移動床式分離装置は、前記
溶離液導入口、エキストラクト抜き出し口、原料溶液導
入口およびラフィネート抜き出し口が、この順に、しか
もその相対的な位置を変えずに、循環流体の流れ方向に
沿って、一定時間毎に切り替わるように形成される。こ
の導入口および抜き出し口の切り替えには、ロータリー
バルブやオン−オフの開閉バルブ等の切り替え手段が採
用される。
【0020】導入口および抜き出し口を切り替えるまで
の間、溶離液導入口からエキストラクト抜き出し口まで
の充填床では脱着ゾーンが形成され、エキストラクト抜
き出し口から原料溶液導入口までの充填床では濃縮ゾー
ンが形成され、原料溶液導入口からラフィネート抜き出
し口までの充填床では精製ゾーンが形成され、ラフィネ
ート抜き出し口から溶離液導入口までの充填床では吸着
ゾーンが形成される。
【0021】前記脱着ゾーンでは、溶離液導入口から導
入される溶離液が流体と共に充填床中を流通し、溶離液
が分離用充填剤と接触すると、それまで分離用充填剤に
吸着されていた吸着質成分(吸着の容易な成分であり、
強吸着成分とも称される。)が充填剤から脱着され、吸
着質成分または強吸着成分がエキストラクトとしてエキ
ストラクト抜き出し口から抜き出される。この脱着ゾー
ンでは溶離液導入口直後のゾーンでは流体中の吸着質成
分の濃度は実質的に0に近く、流体の進行方向に沿って
このゾーン中で流体中の吸着質成分の濃度が上昇してい
く。
【0022】濃縮ゾーンでは、原料溶液導入口から導入
された原料溶液中の非吸着質成分(吸着の困難な成分、
もしくは非吸着性の成分であり、弱吸着成分とも称され
る。)が分離用充填剤に吸着され、吸着質成分が充填剤
から脱着される。この濃縮ゾーンでは、エキストラクト
抜き出し口から原料溶液導入口までの領域で、原料溶液
中の非吸着質成分が分離用充填剤に吸着される一方、吸
着質成分が分離用充填剤から脱着されるので、流体の進
行方向に沿って、流体中の吸着質成分の濃度が上昇から
減少に転じ、一方、流体中の非吸着質成分の濃度が上昇
を開始する。
【0023】精製ゾーンでは、原料溶液導入口から導入
された原料溶液中の吸着質成分が分離用充填剤に吸着さ
れ、分離用充填剤に吸着されていた非吸着質成分が脱着
される。この精製ゾーンでは、原料溶液導入口から導入
された原料液中の吸着質成分を吸着する一方、非吸着質
成分を脱着する。この精製ゾーンでは、原料溶液導入口
からラフィネート抜き出し口までの領域で、流体中の吸
着質成分の濃度が実質的に0に近づくと共に、非吸着質
成分の濃度が上昇して行き、ラフィネート抜き出し口か
らは高濃度の非吸着質成分を含有する液が抜き出される
ことになる。
【0024】吸着ゾーンでは、非吸着質成分が完全に脱
着され、分離用充填剤は吸着質成分を吸着する一方、実
質的に非吸着質成分も吸着質成分も含有しない溶離液だ
けの流体がリサイクルラインに吐出される。この吸着ゾ
ーンでは、流体中の非吸着質成分の濃度が減少して実質
的に0になる。
【0025】−分離用吸着剤− カラムには、分離するべき成分を吸着することのできる
分離用充填剤が収容される。この分離用充填剤の好適例
としては、液体クロマトグラム(LC)用の充填剤たと
えば順相充填剤および逆相充填剤を挙げることができ、
さらに好適にはHPLC用充填剤を挙げることができ
る。
【0026】また、好適な分離用充填剤の具体例として
は、たとえば各種の公知の異性体分離用充填剤を使用す
ることができる。例えば、光学異性体分離用充填剤とし
て、光学活性な高分子化合物、および光学分割能を有す
る低分子化合物を利用した光学分割用充填剤を挙げるこ
とができる。前記光学活性な高分子化合物としては、例
えば多糖誘導体(セルロースやアミロースのエステルあ
るいはカルバメート等)、ポリアクリレート誘導体、あ
るいはポリアミド誘導体をシリカゲルに担持させた充填
剤、またはシリカゲルを使用せずに前記ポリマーそのも
のを粒状にしたビーズ型充填剤およびポリマーを更に架
橋させてなる架橋型充填剤等を挙げることができる。ま
た、光学分割能を有する低分子化合物としては、例えば
アミノ酸あるいはその誘導体、クラウンエーテルあるい
はその誘導体、シクロデキストリンあるいはその誘導体
等を挙げることができる。これら低分子化合物は、通常
シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、ケイ
酸塩、ケイソウ土等の無機担体、ポリウレタン、ポリス
チレン、ポリアクリル酸誘導体などの有機担体に担持し
て使用される。
【0027】光学分割用充填剤は市販品を使用すること
もでき、例えばそれぞれダイセル化学工業(株)製のCH
IRALCEL OB(登録商標)、CHIRALCEL OD(登録商標)、
CROWNPAK CR(+)(登録商標)、CHIRALCEL CA-1(登録商
標)、CHIRALCEL OA(登録商標)、CHIRALCEL OK(登録
商標)、CHIRALCEL OJ(登録商標)、CHIRALCEL OC(登
録商標)、CHIRALCEL OF(登録商標)、CHIRALCEL OG
(登録商標)、CHIRALPAK WH(登録商標)、CHIRALPAK
WM(登録商標)、CHIRALPAK WE(登録商標)、CHIRALPA
K OT(+) (登録商標)、CHIRALPAK OP(+) (登録商
標)、CHIRALPAK AS(登録商標)、CHIRALPAK AD(登録
商標)、CHIRALCEL OJ-R(登録商標)、CHIRALCEL OD-R
(登録商標)等を好適例として挙げることができる。
【0028】カラム中に充填される分離用充填剤の平均
粒径は、分離しようとする成分の種類、各単位カラム内
に流通する溶媒の体積流通速度等に応じて様々に変化す
るのであるが、通常1〜100μm、好ましくは2〜5
0μmである。もっとも、擬似移動床を形成するカラム
内での圧力損失を小さく抑制するのであれば、10〜5
0μmに分離用充填剤の平均粒径を調整しておくのが望
ましい。分離用充填剤の平均粒径が上記範囲内にあると
擬似移動床における圧損を少なくすることができ、例え
ば50kgf/cm2 以下に抑制することもできる。一
方、分離用充填剤の平均粒径が大きくなればなるほど吸
着理論段数は低下する。したがって、実用的な吸着理論
段数が達成されることだけを考慮するなら、前記分離用
充填剤の平均粒径は、通常15〜75μmである。
【0029】−溶離液− この循環流体流路に供給される溶離液(デソーベント。
脱離液とも称されることがある。)としては、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類お
よび様々な有機溶剤、さらにこれらの混合溶液、メタノ
ール、アセトニトリルのような極性の高い有機溶剤と水
およびバッファーとの混合液等を挙げることができる。
この溶離液は順相系移動相として、あるいは逆相系移動
相として採用されることができる。いずれの溶離液が好
ましいかは、分離しようとする成分あるいは化合物の種
類に応じて適宜に決定される。また、この溶離液には、
添加剤としてジエチルアミンのような塩基性物質、酢酸
のような酸性化合物が含まれていても良く、これら添加
剤が溶離液に含有されていると、分離を改善することが
できる。
【0030】−原料溶液− この循環流体流路に供給される原料溶液としては、分離
の必要のある溶質を有する二成分混合物等の多成分混合
物であれば特に制限がなく、例えば医薬、農薬、食品、
飼料、香料等の分野で使用される各種の化合物例えば医
薬品のサリドマイド、有機リン系の農薬であるEPN、
化学調味料であるグルタミン酸モノナトリウム塩、香料
であるメントール等を挙げることができ、さらには光学
活性なアルコール類、光学活性なエステル類等々を挙げ
ることができる。また、前記溶質としてはたとえば光学
異性体、位置異性体、ある観点よりして必要な成分と不
必要な成分との混合物等である。また、この発明におい
ては、溶質は分離されるべき複数成分たとえば3成分、
4成分等の多成分混合物であっても良い。多成分混合物
の場合、この発明の擬似移動床式分離装置を用いて必要
な一成分を分離するには、必要な一成分を含有するグル
ープと必要な成分を含有しないグループとに分離し、次
いで前記必要な一成分を含有するグループをその必要な
一成分を含有する小グループと他の小グループとに分離
し、というように二つのグループに分ける操作を所定回
数繰り返すことにより必要な成分を分離することができ
る。また、擬似移動床式分離装置以外の分離装置を利用
したバッチ操作とこの発明の擬似移動床式分離装置とを
利用して多成分混合物から必要な一成分を分離すること
もできる。
【0031】−循環流体流路中の濃度検出器− この発明の擬似移動床式分離装置においては、前記循環
流体流路中に、少なくとも1基の濃度検出器が設けられ
る。
【0032】濃度検出器は、循環流体流路中を流通する
溶液中の溶質の濃度を検出することができる手段であ
る。なお、濃度なる概念は、一般にある対象物における
特定物の存在量を示す割合である。したがって、状況に
応じて、あるいは場合に応じて、濃度という語は純度と
いう語に置き換えて理解されることができる。
【0033】前記濃度検出器としては、たとえば電磁波
利用の濃度検出器、音響学的濃度検出器、電気的濃度検
出器、磁気的濃度検出器等が挙げられ、具体的には、近
紫外線、紫外線、可視光線、赤外線、遠赤外線等の電磁
波を利用した濃度検出器、示差屈折計、濁度計、超音波
を利用した濃度検出器、イオン電極を利用した濃度検出
器、pH計を利用した濃度検出器、旋光計を利用した濃
度検出器などを挙げることができる。
【0034】いずれの濃度検出器を採用するかは溶質の
種類に応じて決定される。濃度検出器として、たとえ
ば、溶質が電磁波に対して特異的な吸収パターンを有す
る場合にはUV検出器、IR検出器、蛍光検出器、色セ
ンサー、LED検出器等の様々の種類の検出器を被測定
物に応じて採用することができる。また、溶質が運転条
件においてイオン性を示す場合にはpHメータ、伝導度
検出器、電気化学検出器等を採用することができる。さ
らに前記以外の特性を有しない溶質たとえば糖、脂質で
あって前記のような検出器では検出することができない
溶質については、たとえば示査屈折計、超音波検出器、
濁度計等を採用するのが良い。この発明においては、い
ずれの濃度検出器を採用するにしても、循環流体流路内
に濃度検出器を設置するときには、低くとも50kg/
cm2 の圧力に耐えることのできる高耐圧性の濃度検出
器であることが望ましく、特に低くとも100kg/c
2の圧力、さらには100〜500kg/cm2 の圧
力に耐えることのできる高耐圧性の濃度検出器であるこ
とが望ましい。
【0035】この濃度検出器が設けられる箇所は、カラ
ム中であっても良いが、好ましいのはカラムとカラムと
を連結する配管中に設けられる。また、濃度検出器の設
置個数は複数であっても良い。一般的に言うと、濃度検
出器の設置個数が多くなればなるほど、循環流体流路中
を循環する溶液の濃度の分布を短時間で測定することが
でき、リアルタイムの濃度を容易に把握することができ
る。とはいえ、工業的には、通常1個、2個あるいは3
個の濃度検出器が循環流体流路中、特にカラムとカラム
との間の配管に設けられる。
【0036】カラム間に設置する濃度検出器は、場合に
よっては純度検出器として機能することもある。たとえ
ば、この発明に係る擬似移動床式分離装置を利用して光
学異性体を分離する場合に、カラム間に濃度検出器とし
て旋光計を設置するとき、光学異性体は互いに異なる旋
光性を有することにより、各カラム内の各光学異性体の
純度を算出することができる。また、カラム間に設置す
る濃度検出器としてUV−多波長検出器を採用すると、
分離対象化合物のUVパターンが異なる場合には、2点
以上の吸収強度からそれぞれの純度を算出することもで
きる。このUV多波長検出器は、一種類の検出器で複数
の溶質の濃度あるいは純度を検出することのできる検出
器の例である。
【0037】カラム間に設置する濃度検出器の個数が複
数である場合に、それら濃度検出器を互いに近接した位
置に設置され、それらの濃度検出器の種類が相違する
と、それらのデータを解析することにより純度を算出す
ることができる。たとえば、必要成分の化合物のみが蛍
光等の特殊な吸収を有している場合に、全体の濃度をあ
る濃度検出器で測定し、他の濃度検出器である蛍光検出
器により測定された蛍光強度から必要成分の濃度を算出
し、これにより必要成分の純度を算出することもでき
る。
【0038】なお、濃度検出器は、カラム間に設置され
ることのほかに、ラフィネート抜き出し口、エキストラ
クト抜き出し口、あるいは場合によりリサイクルライン
(これは、第1番目のカラムと最終番目のカラムとを連
絡する流路である。)に濃度検出器を更に設けると、運
転条件の制御の精度および信頼性を向上させることがで
きる。いずれの抜き出し口あるいはリサイクルラインに
何個の濃度検出器を設置するべきかは、分離の難易およ
びコストの関係で決定される。
【0039】この発明における擬似移動床式分離装置に
おいては、前記濃度検出器から出力される検出信号は演
算制御部に出力される。
【0040】演算制御部においては、濃度検出器から出
力されるデータにより溶質の濃度が計算される。たとえ
ば、濃度検出器が循環流体流路中に1個設置されている
場合には、各導入口および抜き出し口の位置を所定時間
毎に切り替える度に、濃度検出器により溶質の濃度を検
出し、切り替えの1サイクル毎にデータが修正される。
濃度検出器が複数個設置されている場合には、その修正
に要する時間が短くなり、各ゾーン(各カラム)の濃度
分布(溶質のトータル濃度、目的化合物の濃度あるいは
不要物の濃度)に関する情報がよりリアルタイムに得る
ことができるという利点がある。さらに、ラフィネー
ト、エキストラクトおよびリサイクルラインに設けられ
た濃度検出器からより具体的なマテリアルバランスを即
座に知ることができる。
【0041】この発明においては、これらの情報が演算
制御部で処理され、表示装置たとえばCRT等に表示さ
れる。しかも、この発明においては、その表示装置にて
濃度の変動を表示するのみならず、いくつかの変動を修
復するための情報を表示し、あるいは自動的に運転条件
を変更して各カラムあるいは各ゾーン内の濃度パターン
を修復することができる。この演算制御部、表示装置な
どを組み込んだ組織として通常のコンピュータを挙げる
ことができる。コンピュータには、中央演算処理装置、
記憶装置、記憶装置が含まれていて、上述の演算制御部
における処理を容易に実行することができる。
【0042】演算制御部は、運転条件を変更する場合
に、通常、数サイクルの運転状況をモニターしつつオペ
レータに対し正常、注意、警告の3段階の情報を送るこ
とができる。
【0043】この発明者の検討によると、各ゾーンの変
動は、ごくわずかな温度変動、流速変動で崩れるような
場合に10サイクル程度のモニターでは説明できない程
の長時間の後に(たとえば20サイクル〜200サイク
ルの運転後に)その影響を受けることがあることが判明
した。また、運転開始時の濃度変化(純度変化)には原
料溶液毎に様々なパターンがある。たとえば平衡状態に
達するまでにかなりの時間が必要な原料溶液がある。こ
れらは、カラム内に高濃度の原料溶液が滞留し、あるい
はその過渡的平衡状態に置かれることにより、分離用充
填剤と原料溶液との相互作用および原料溶液内の様々な
化合物間の相互作用等が複雑に絡みあって起こると考え
られる。
【0044】したがって、この擬似移動床式分離装置の
運転制御の手法も様々な方法および変更条件幅が要求さ
れる。
【0045】この発明においては、これら原料溶液によ
るゾーン変動の多様性に対応するべくある濃度(純度)
にセットポイント(閾値)を設定し、各制御因子に対し
て変動幅が設定される。この発明者の検討によると、た
とえば粒子径20μmの分離用充填剤による長期運転結
果から、ある程度長期間の運転を行って変動要因を解析
することにより、このセットポイントおよび制御因子の
変動幅が限定されるようになることを見出した。この知
見により、微粒子たとえば粒径1〜100μmの分離用
充填剤を有するカラムを備えた擬似移動床式分離装置の
運転においては、かなり高精度の流速制御、温度制御が
要求されるのであるが、ある程度たとえば温度が±3℃
の変動をするような環境下であっても、この発明におい
ては、安定にかつ効率的に連続運転を行うことができ
る。
【0046】この発明においては、演算制御部により溶
質の濃度が演算されると、その演算結果に応じて、運転
条件を制御するための指令信号が出力される。この指令
信号としては、各ポンプの流量変更、カラムの温度変更
(たとえばカラム温度および循環流通流路に投入される
溶液たとえば原料溶液の温度等の変更)、カラムへの流
体の投入および抜き出しの切り替え時間(ステップタイ
ム)の変更等が挙げられる。それらはそれぞれ最適の変
更幅によって制御される。
【0047】−濃度測定手段− この発明の好適な擬似移動床式分離装置は、さらに濃度
測定手段を備える。
【0048】この濃度測定手段は、エキストラクトおよ
びラフィネートのいずれかあるいは両方における溶液中
の成分の濃度および純度を測定するように仕組まれる。
このような濃度測定手段は、エキストラクトについて言
うと、エキストラクト抜き出し口から抜き出されるエキ
ストラクトからサンプリング手段で採取された所定量の
試料中の溶質の濃度および純度を測定する成分濃度測定
手段で形成することができる。また、ラフィネートにつ
いての濃度測定手段は、ラフィネート抜き出し口から抜
き出されるラフィネートからサンプリング手段で採取さ
れた所定量の試料中の溶質の濃度および純度を測定する
成分濃度測定手段で形成することができる。また、濃度
測定手段は、エキストラクトおよびラフィネートのいず
れかだけに関して設けられても良いが、この擬似移動床
式分離装置の運転状態を正確に把握して効率的な運転を
行うには、エキストラクトおよびラフィネートのいずれ
についてもこの濃度測定手段を設けるのが好ましい。
【0049】前記サンプリング手段としては、エキスト
ラクト抜き出し口から抜き出されたエキストラクトある
いはラフィネート抜き出し口から抜き出されたラフィネ
ートから所定量の試料液を抜き取ることのできる手段で
あれば良い。このサンプリング手段の好適例として、た
とえば、エキストラクトの抜き出し口またはラフィネー
トの抜き出し口に結合された配管と、この配管に結合さ
れた六方切り替えバルブと、この六方切り替えバルブに
結合されたサンプル管と、この六方切り替えバルブに結
合されたポンプを有する流体押出手段とを有する装置が
挙げられる。このようなサンプリング手段においては、
六方切り替えバルブの切り替えにより、エキストラクト
またはラフィネートの抜き出し口からエキストラクトま
たはラフィネートの所定量をサンプリング管中に取り込
み、六方切り替えバルブの切り替えにより、サンプル管
中に採取されたエキストラクトまたはラフィネートの所
定量を押し出すことができる。
【0050】成分濃度測定手段は、エキストラクトおよ
びラフィネートそれぞれ、あるいはいずれか一方からサ
ンプリングされた試料中の溶質の濃度および純度を測定
する手段である。エキストラクトおよびラフィネート中
に含まれる溶質が一種類であるという場合もあるが、工
業的な状況下では必ず複数の成分が溶質としてエキスト
ラクトまたはラフィネート中に含まれている。たとえ
ば、光学異性体の混合物たとえばD体とL体とを含有す
る原料溶液であるときには、たとえばエキストラクト抜
き出し口からD体含有溶液としてエキストラクトを抜き
出し、ラフィネート抜き出し口からL体含有溶液として
ラフィネートを抜き出す場合、そのエキストラクト中に
は不純物とD体とが溶質として含まれている。
【0051】したがって、(1) この成分濃度測定手段に
おいては、試料中の溶質を必要成分と不要成分とに分離
し、分離された各成分の濃度を測定することにより必要
成分(場合により目的成分と称されることがある。)の
濃度および純度が測定され、あるいは(2) 物理的に試料
中の溶質を必要成分と不要成分とに分離しなくても、必
要成分の特定の特性に着目してその必要成分の濃度を測
定し、不要成分の特定の特性に着目してその不要成分の
濃度を測定することにより、つまり二種類以上の異なる
濃度検出器で濃度を測定することにより必要成分の濃度
および純度が測定される。
【0052】成分濃度測定手段において、試料中の複数
の溶質を物理的に分離するには、分離手段が採用され
る。この分離手段としては、たとえばカラム分離装置、
HPLC分離装置、GC分離装置、IR分離装置、キャ
ピラリー電気泳動分離装置等の分離装置が挙げられる。
【0053】この発明においては、これらの分離手段
は、ラフィネート抜き出し口およびエキストラクト抜き
出し口に連動されていて、濃度および目的成分の純度を
測定するために使用される。一般に好適なのは、この発
明の擬似移動床式分離装置に使用されたのと同じ充填剤
であって、しかも短時間で分離可能な粒径の小さい、た
とえば1〜10μmの充填剤が充填された高性能HPL
Cカラム分離装置が好ましい。
【0054】前記分離装置により分離された各溶質の濃
度は、循環流体流路中に配置される濃度検出器と同様の
濃度検出器により測定される。濃度検出器としては、た
とえば電磁波利用の濃度検出器、音響学的濃度検出器、
電気的濃度検出器、磁気的濃度検出器等が挙げられ、具
体的には、近紫外線、紫外線、可視光線、赤外線、遠赤
外線等の電磁波を利用した濃度検出器、示差屈折計、濁
度計、超音波を利用した濃度検出器、イオン電極を利用
した濃度検出器、pH計を利用した濃度検出器、旋光計
を利用した濃度検出器などを挙げることができる。いず
れの濃度検出器を採用するかは溶質の種類に応じて決定
される。
【0055】成分濃度測定手段として、溶質の物理的な
分離を行う分離手段を採用しない場合には、複数種類の
濃度検出器の組み合わせ、あるいは複数の溶質の濃度を
一挙に測定することのできる一種の濃度検出器が採用さ
れる。複数の濃度検出器の組み合わせの場合、一方の濃
度検出器で特定溶質の濃度を測定し、他方の濃度検出器
で他の溶質の濃度を測定することになり、一種の濃度検
出器の場合には、その濃度検出器で複数の溶質の濃度が
測定される。
【0056】濃度として光学異性体の純度を測定するの
であれば、好ましい濃度検出器として旋光計を挙げるこ
とができる。また、複数種類の濃度検出器を組み合わせ
る場合、たとえば、赤外線分光光度計と紫外線分光光度
計とを組み合わせ、ある特定成分については赤外線分光
光度計で濃度の測定をし、他の特定成分については赤外
線分光光度計および紫外線分光光度計で濃度の測定をす
るようにして純度を決定することができる。
【0057】成分濃度測定手段で測定された特定成分の
濃度(場合により純度)に関するデータが演算制御部に
出力される。
【0058】演算制御部においては、前述した濃度検出
器から出力される濃度データおよび濃度測定手段から出
力される濃度データに基づいて擬似移動床式分離装置の
運転制御内容を決定する。
【0059】循環流路中に設置された濃度検出器から出
力される濃度データと濃度測定手段から出力される濃度
データとに基づく演算制御部による制御と、前述した濃
度検出器から出力される濃度データに基づく演算制御部
による制御とは、異なる。
【0060】濃度検出器および濃度測定手段から出力さ
れる二種の濃度データに基づく演算制御部による制御で
は、先ず、濃度検出器から出力される濃度データを演算
制御部は監視する。そして、たとえば濃度検出器から出
力される濃度データにより決定される特定成分の濃度が
経時的に測定され、エキストラクトまたはラフィネート
の抜き出し口が切り替わった時点(ステップタイム毎)
における濃度をベースとしてそのベースの濃度からある
閾値までの時間を設定することによりゾーン変動をモニ
ターする。一般に、ラフィネート抜き出し口側では切り
替わった時点で濃度は0に近く、時間の経過と共に濃度
が上昇し、切り替わる寸前において一番濃度が高くな
る。エキストラクト抜き出し口側では、濃度は切り替わ
った時点で最大であり、時間と共に濃度が低下する。濃
度検出器に基づいて検出された濃度値が所定の閾値に達
するまでの時間と濃度測定手段から出力される純度とに
より、演算制御手段は、ラフィネートに関しては表1に
示されるような制御命令を出力し、エキストラクトに関
しては表2に示されるような制御命令を出力することが
できる。
【0061】
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表1および表2において、「温度が閾値
(セットポイント)に達するまでの時間」は予め設定さ
れる時間である。このセットポイントの値は対象物質に
よって相違するのであるが、ラフィネート中の成分およ
びエキストラクト中の成分の純度および濃度の関係と循
環流体流路における濃度(純度)のパターンとの相関を
解析することにより決定されることができる。また、そ
れらの相関は、実際の長期間のランニング中に生じる様
々なシステム変動によってもたらされる各カラム(ゾー
ン)内の濃度変動と製品純度との関係を解析することに
よりパターン識別等の手法により更に精度を上げること
ができる。これらのデータは、演算制御部における記憶
手段で記憶されることにより、最終的には自動的にシス
テム変動に対処することができる。セットポイントに達
するまでの時間がどのような時間長さかは、分離しよう
とする対象物の種類、擬似移動床式分離装置の運転方法
や規模等に応じて適宜に決定される。表1および表2に
おいて、「純度が所定の閾値に達したか否か」における
閾値は予め設定された値であり、分離しようとする対象
物の種類や擬似移動床式分離装置の規模等に応じて適宜
に決定される。
【0065】この発明に係る擬似移動床式分離装置にお
いては、前記演算制御部により把握される循環流路内を
流通する流体中の所定成分の濃度分布を表示し、また純
度を表示することのできる表示手段を備えていると、好
都合である。
【0066】表示手段としては、プリンター、CRTな
どが挙げられる。たとえばCRTの表示画面に循環流路
内の濃度分布をグラフとして表示することができると、
視覚的に容易に状況を把握することができて便利であ
る。
【0067】
【実施例】以下、本発明について詳説する。
【0068】図1に示すように、この発明の一実施例で
ある擬似移動床式分離装置1は、第1〜第8カラム(単
位充填床とも称される。)2a〜2hを有する。各カラ
ムは、その入り口が隣のカラムの出口に配管で結合さ
れ、またその出口がその隣のカラムの入り口に配管で結
合され、全体として無端状に結合された循環流体流路が
形成される。この循環流体流路には、流体を強制的に循
環させるリサイクルポンプ、溶離液を導入する溶離液導
入管、エキストラクトを抜き出すエキストラクト抜き出
し管、原料溶液(フィード)を導入する原料溶液導入
管、およびラフィネートを抜き出すラフィネート抜き出
し管が取り付けられ、これらの導入管および抜き出し管
が所定時間毎にカラム1基分毎に切り替えられるように
なっている。
【0069】図1に示される擬似移動床式分離装置1
は、ある時点での切り替え状態が示される。ある時点の
状態において、たとえば第8カラムの出口と第1カラム
の入口とが配管3で結合される。この第8カラム2hの
出口から第1カラム2aの入口までの配管3には、循環
流体流路中で、第8カラム2hから第1カラム2aに向
かって強制的に流体を流通させるリサイクルポンプP5
が設置される。図1においては、第8カラム2hの出口
から第1カラム2aの入り口までが連結され、途中にリ
サイクルポンプP5を介装するところの配管3が、特に
リサイクルライン3aとも称される。一般的に言うと、
リサイクルラインは吸着ゾーンを形成する末端カラムの
出口から、脱着ゾーンを形成する先端カラムの入り口ま
でを連絡する流体流路を言う。このリサイクルポンプP
5から送出された流体が第1カラム2aの入口に到達す
るまでのリサイクルライン3aの途中には、デソーベン
トタンク4中の溶離液(デソーベント)をデソーベント
ポンプP1を介してリサイクルライン3a中に導入する
溶離液導入管5が結合される。
【0070】この循環流体流路には、溶離液導入口切り
換え手段(図示せず。)が設けられていて、この溶離液
導入口切り換え手段により、溶離液導入管5における溶
離液導入口が第1カラム2aの入口から第2カラム2b
の入口へ、第2カラム2bの入口から第3カラム2cの
入口へと、所定時間毎に切り替わるようになっている。
【0071】この溶離液導入口切り換え手段は、この実
施例においてはロータリーバルブにより形成される。
【0072】図1に示されるように、第2カラム2bの
出口と第3カラム2cの入口とを結合する配管3、第5
カラム2eの出口と第6カラム2fの入口とを結合する
配管3および第8カラム2hの出口からリサイクルポン
プP5に到る配管3にはそれぞれ、濃度検出器が設置さ
れる。図2に示されるように、配管3には、濃度検出器
として第1UV検出器UVD1 が配置される。この第1
UV検出器UVD1 からは電気信号である検出信号が演
算制御部CMP(図1参照)に出力される。
【0073】ここで、配管3中を流通する流体に、石英
セル等を介して特定波長の紫外線を照射し、特定成分た
とえば弱吸着成分の濃度に応じた特定波長の透過光量の
減衰を検出することにより弱吸着成分の濃度に対応する
電気信号を出力することができる機能を有する限り、第
1UV検出器UVD1 はその構造、種類、型式等につい
ては制限がなく、例えば、公知の液体クロマトグラフィ
ー用のUV検出器などを好適に使用することができる。
【0074】図1に示されるように、第3カラム2cの
出口と第4カラム2dの入口とを結合する配管3にはエ
キストラクト抜き出し管7が結合され、エキストラクト
抜き出し管7から抜き出されたエキストラクトはエキス
トラクト抜き出しポンプP4を介してエキストラクトタ
ンク8に送出されるようになっている。
【0075】この循環流体流路には、エキストラクト抜
き出し口切り換え手段(図示せず。)が設けられてい
て、このエキストラクト抜き出し口切り換え手段によ
り、エキストラクト抜き出し管7の配管3への接続が、
第3カラム2cの出口と第4カラム2dの入口までの配
管3から、第4カラム2dの出口から第5カラム2eの
入口までの配管3へと、順次に所定時間毎に切り替わる
ようになっている。
【0076】このエキストラクト抜き出し口切り換え手
段は、この実施例においてはロータリーバルブにより形
成される。
【0077】このエキストラクト抜き出し管7の、エキ
ストラクト抜き出しポンプP4とエキストラクトタンク
8との途中には、六方切り換えバルブ13(図3を参
照)を介して、エキストラクトにおける目的成分濃度測
定システム10が設けられる。
【0078】この目的成分濃度測定システム10は、エ
キストラクト中の必要成分の濃度を測定するところの、
この発明における成分濃度測定手段である。この実施例
においては、この目的成分濃度システム10は、図3に
示されるように、サンプリング手段11により採取され
たエキストラクト中の成分を分離する分離手段である第
1分離カラム12、エキストラクト中の各成分の濃度を
測定する濃度測定手段である第2UV検出器UVD2
設けられる。
【0079】このサンプリング手段11は、エキストラ
クト抜き出しポンプP4から吐出されたエキストラクト
を流通させる配管9と、この配管9に結合された六方切
り替えバルブ13と、この六方切り替えバルブ13に結
合されたサンプル管14と、この六方切り替えバルブ1
3に結合されたポンプ15とを有する。このサンプリン
グ手段11においては、図4に示されるように、六方切
り替えバルブ13を切り替えて、配管9、六方切り替え
バルブ13、サンプル管14とが連通するようにしてお
く。そうすると、エキストラクト抜き出し管7を通じて
流通するエキストラクトがサンプル管14に装填され
る。その後、図3に示されるように、六方切り替えバル
ブ13を切り替えて、ポンプ15により、サンプル管1
4中のエキストラクトを第1分離カラム15に押し流
す。
【0080】第1分離カラム12は、エキストラクト中
の特定成分を分離するに好適な分離用充填剤を装填し、
好適な分離用充填剤としては、通常、第1〜8カラム2
a〜2hに充填されたのと同様の分離充填剤を採用する
ことができる。
【0081】この第1分離カラム12中にエキストラク
トを通過させると、たとえば図5に示されるように、エ
キストラクト中の目的成分(必要成分であり、吸着性な
いし強吸着性である。)と非目的成分(不要成分であ
り、弱吸着性ないし非吸着性である。)とに分離され
る。エキストラクト中の不要成分が最初に分離され、こ
の不要成分の後に必要成分が分離される。
【0082】そこで、第2UV検出器UVD2 は、エキ
ストラクトから分離された各成分にUV光を照射し、前
記各成分(必要成分と不要成分)の濃度に応じた電気信
号を出力することができる機能を有する。
【0083】この実施例に係る擬似移動床式分離装置1
においては、図1に示されるように、第4カラム2dの
出口と第5カラム2eの入口とを連通する配管3には、
原料溶液を貯留するフィードタンク16から、フィード
ポンプP2を介して、原料溶液を導入する原料溶液導入
管17が結合されている。
【0084】この循環流体流路には、原料溶液導入口切
り換え手段(図示せず。)が設けられていて、この原料
溶液導入口切り換え手段により、原料溶液導入管17の
配管3への接続が、第4カラム2dの出口と第5カラム
2eの入口までの配管3から、第5カラム2eの出口か
ら第6カラム2fの入口までの配管3へと、順次に所定
時間毎に切り替わるようになっている。
【0085】この原料溶液導入口切り換え手段は、この
実施例においてはロータリーバルブにより形成される。
【0086】図1に示されるように、第6カラム2fの
出口と第7カラム2gの入口とを結合する配管3にはラ
フィネート抜き出し管18が結合され、ラフィネート抜
き出し管18から抜き出されたラフィネートはラフィネ
ート抜き出しポンプP3を介してラフィネートタンク1
9に送出されるようになっている。
【0087】この循環流体流路には、ラフィネート抜き
出し口切り換え手段(図示せず。)が設けられていて、
このラフィネート抜き出し口切り換え手段により、ラフ
ィネート抜き出し管18の配管3への接続が、第6カラ
ム2fの出口と第7カラム2gの入口までの配管3か
ら、第7カラム2gの出口から第8カラム2hの入口ま
での配管3へと、順次に所定時間毎に切り替わるように
なっている。
【0088】このラフィネート抜き出し口切り換え手段
は、この実施例においてはロータリーバルブにより形成
される。
【0089】このラフィネート抜き出し管18の、ラフ
ィネート抜き出しポンプP3とラフィネートタンク19
との途中には、六方切り換えバルブ20を介して、ラフ
ィネートについての目的成分濃度測定システム21が設
けられる。
【0090】この目的成分濃度測定システム21は、ラ
フィネート中の必要成分の濃度を測定するところの、こ
の発明における成分濃度測定手段である。この実施例に
おいては、この目的成分濃度システム21は、エキスト
ラクト中の必要成分の濃度を測定する目的成分濃度測定
システム10の構成と同様に、サンプリング手段により
採取されたラフィネート中の成分を分離する分離手段で
ある第2分離カラム(図示せず。)、ラフィネート中の
各成分の濃度を測定する濃度測定手段である第3UV検
出器(図示せず。)設けられる。
【0091】このサンプリング手段、第2分離カラムお
よび第3UV検出器の構造およびそれらの結合関係は、
エキストラクト中の必要成分の濃度を測定する目的成分
濃度測定システム10におけるのと同様であるからその
詳細な説明を省略する。
【0092】なお、第2分離カラムは、ラフィネート中
の特定成分を分離するに好適な分離用充填剤を装填し、
好適な分離用充填剤としては、通常、第1〜8カラム2
a〜2hに充填されたのと同様の分離充填剤を採用する
ことができる。
【0093】この第2分離カラム中にラフィネートを通
過させると、たとえば図6に示されるように、ラフィネ
ート中の目的成分(必要成分であり、非吸着性ないし弱
吸着性である。)と非目的成分(不要成分であり、吸着
性ないし強吸着性である。)とに分離される。
【0094】そこで、第3UV検出器は、ラフィネート
から分離された各成分にUV光を照射し、前記各成分
(必要成分と不要成分)の濃度に応じた電気信号を出力
することができる機能を有する。
【0095】図1に示す擬似移動層式クロマトグラフ装
置においては、図7に示されるように4種のゾーンが形
成される。
【0096】この3種のゾーンにおいては、たとえば吸
着ゾーンでは、流体の流速U4 はリサイクルライン3a
中の流体の流速URと導入される溶離液の流速UDとの
和すなわちU4 =UR+UDであり、濃縮ゾーンにおけ
る流体の流速U3 は脱着ゾーン中の流体の流速U4 から
エキストラクト抜き出し口から抜き出される流体の抜き
出し流速UEを引いた値、すなわちU3 =U4 −UEで
あり、精製ゾーンにおける流体の流速U2 は濃縮ゾーン
中の流体の流速U3 と原料溶液導入口から導入される原
料溶液の流速UFとの和、すなわちU2 =U3 +UFで
あり、吸着ゾーンにおける流体の流速U1 は精製ゾーン
中の流体の流速U2 からラフィネート抜き出し口から抜
き出されるラフィネートの流速URaを引いた値、すな
わちU1=U2 −URaである。
【0097】このように図1に示される擬似移動床式分
離装置においては、たとえば第8カラム2h→リサイク
ルライン3a→第1〜第8カラム2a〜2hの順に流体
が循環する循環流体流路が形成される。そして、一定時
間間隔毎にロータリーバルブの切り換え操作により溶離
液の供給位置、原料溶液の供給位置および各抜き出し位
置を溶媒の流通方向に単位カラム1基分だけ移動させ
る。
【0098】以上のような4種のゾーンにおけるエキス
トラクト成分およびラフィネート成分の濃度パターンを
模式的に図9に示す。図9において斜線で示される山形
の濃度分布はエキストラクト成分に関し、白抜きで示さ
れる山形の濃度分布はラフィネート成分に関する。
【0099】この図9に示されるように、第1カラム2
aおよび第2カラム2bにより形成される脱着ゾーンに
おいては、吸着成分または強吸着成分すなわちエキスト
ラクト成分が充填剤から追い出されるのでエキストラク
ト成分の濃度が増加傾向にあり、第3カラム2cと第4
カラム2dとにより形成される濃縮ゾーンでは、充填剤
上に残存している弱吸着成分が追い出され、強吸着成分
が濃縮され、第5カラム2eおよび第6カラム2fによ
り形成される精製ゾーンにおいては、充填剤に吸着容易
な成分(強吸着成分)が吸着されるのでその濃度が減少
傾向を示し、吸着困難な他の成分(弱吸着成分)がラフ
ィネート分として溶離液と共に回収され、第7カラム2
gおよび第8カラム2hにより形成される吸着ゾーンで
は、循環する流体中のラフィネート成分が充填剤に吸着
されることにより、ラフィネートを含まない実質的な溶
離液が回収分として回収される。
【0100】この図9に示されるように、切り替え手段
たとえばロータリーバルブにより導入口および抜き出し
口を切り替えるごとに、濃度分布の山が流体の流通方向
に移動していく。この濃度分布は運転条件のわずかの変
動により影響を受けて変動する。
【0101】実際には、カラム中を流通する循環流体中
の溶質の濃度分布の有様は図8に示されるようになる。
この図8においては、濃度パターンが第3カラム2c〜
第5カラム2eでは平らになっているが、これは流体中
の溶質の濃度値が濃度検出器の最大検出値を振りきった
有様を示している。
【0102】図9に示されるような4種のゾーンにおい
て示される濃度パターンが、溶離液導入口、エキストラ
クト抜き出し口、原料溶液導入口、ラフィネート抜き出
し口をカラム1基分切り換えるごとに変化し(実際には
ロータリバルブを切り換える毎に変化し)、その変化の
有様として、各ゾーンにおけるエキストラクトおよびラ
フィネートの濃度分布の一例を、図9に示す。
【0103】この発明においては、具体的にはこの実施
例においては、このような濃度分布の変動を、リアルタ
イムにモニターするために、循環流体流路を流通する液
中の溶質の濃度を直接に測定し、濃度変化に応じてラフ
ィネートおよびエキストラクトを効率的に抜き出す。
【0104】前記3基の濃度検出器6である第1UV検
出器UVD1 は、演算制御部CMPと、通信ケーブルで
電気的に接続されていて、前記第1UV検出器UVD1
から出力される検出信号が演算制御部CMPに出力され
るようになっている。
【0105】この第1UV検出器UVD1 からは、たと
えば弱吸着成分の濃度に対応してたとえば電気信号が出
力される。この電気信号は、切り替え手段たとえばロー
タリーバルブを一斉に切り替えた瞬間から次の切り替え
までの時間、すなわち、ステップタイムの初期を0と
し、時間の経過と共に流体中の弱吸着成分の濃度が上昇
するので時間の経過と信号強度(たとえば電圧、あるい
は電流値)が上昇する。この電気信号の信号強度に対応
する濃度の変化と時間の経過との関係を図10に示す。
【0106】この発明、特にこの実施例では、前記濃度
検出器を使用して目的成分たとえばラフィネート成分の
各ゾーンにおける濃度データを、予め取得しておく。こ
の操作はしばしばランニング運転と称される。この予備
的な濃度データは、ラフィネート成分の濃度既知の原料
溶液(フィード)を長時間(たとえば濃度分布パターン
が安定な山形になるまでの時間であり、たとえばサイク
ルタイムが50〜100である。)この循環流体流路に
流し続けることにより取得することができる。予備的な
濃度データは演算制御部CMPにおけるメモリー等の記
憶手段に格納される。
【0107】そして、分離するべき成分を含んだ原料溶
液を用いてこの擬似移動床式分離装置の本運転を行う。
【0108】本運転においては、循環流体流路中に配置
されている濃度検出器によりたとえば目的所望成分の濃
度を検出するのであるが、たとえばラフィネート抜き出
し口を切り替えたときのそのラフィネート抜き出し口付
近における循環流体流路中の目的成分の濃度は、たとえ
ば図11に示されるように、切り替え当初はほぼ実質的
に0であり、時間の経過と共にその濃度が上昇してい
く。また、循環流体流路中に配置されている濃度検出器
により、たとえばエキストラクト抜き出し口付近におけ
る循環流体流路中の目的成分の濃度も検出することがで
きるのであるが、たとえばエキストラクト抜き出し口を
切り替えたときのそのエキストラクト抜き出し口近傍の
循環流体流路中の目的成分の濃度は、たとえば図12に
示されるように、切り替え当初は最高濃度であり、時間
の経過と共にその濃度が減少していく。
【0109】本運転においては、この濃度検出器から出
力される電気信号(濃度データに対応する。)を入力す
る演算制御部CMPではスタートアップの初期から時間
の経過と共に目的成分の濃度を監視しており、図10に
示されるように、たとえばラフィネート抜き出し口近傍
における弱吸着成分の濃度が最大値に対する所定の閾値
たとえば10%になるまでの時間を測定する。また、エ
キストラクト抜き出し口近傍における強吸着成分の濃度
については、ロータリーバルブ切り替えの時点では最大
の濃度であり、時間の経過と共にその濃度が低下する。
演算制御部CMPではスタートアップの初期からの時間
経過を測定し、たとえばエキストラクト抜き出し口近傍
における目的成分の濃度が所定のセットポイントになる
までの時間を測定する。
【0110】本運転において濃度検出器により検出さ
れ、前記演算制御部CMPにより監視されるラフィネー
ト抜き出し口近傍の目的成分の濃度パターンとして、た
とえば図11に示されるように、時間T1 でセットポイ
ントに達するパターンA1 あるいは時間T3 でセットポ
イントに達するパターンA3 で示す。一方、前記ランニ
ング運転により演算制御部CMPに蓄積されたフィネー
トの標準的な濃度パターンがA2 で示され、このパター
ンA2 においては時間T2 でセットポイントに達する。
なお、これらのパターンは仮想的である。
【0111】本運転において濃度検出器により検出さ
れ、前記演算制御部CMPにより監視されるラフィネー
ト抜き出し口近傍での目的成分の濃度パターンがA1
あるときには、標準パターンA2 に補正するために、た
とえば(1) デソーベントポンプの流量を下げる、(2) リ
サイクルポンプの流量を下げる、等の操作を行って運転
条件を変更する。また、ラフィネート抜き出し口近傍の
目的成分の濃度パターンがA3 であるときには、標準パ
ターンA2 に補正するために、たとえば(1) デソーベン
トポンプの流量を上げる、(2) リサイクルポンプの流量
を上げる、等の操作を行って運転条件を変更する。
【0112】エキストラクト抜き出し口近傍における目
的成分の濃度についても同様であり、本運転において濃
度検出器により検出され、前記演算制御部CMPにより
監視されるエキストラクト抜き出し口近傍における目的
成分の濃度パターンとして、たとえば図12に示される
ように、時間T'1でセットポイントに達するパターンB
1 あるいは時間T'3でセットポイントに達するパターン
3 で示す。一方、前記ランニング運転により演算制御
部CMPに蓄積されたエキストラクトの標準的な濃度パ
ターンがB2 で示され、このパターンB2 においては時
間T'2でセットポイントに達する。なお、これらのパタ
ーンは仮想的である。
【0113】本運転において濃度検出器により検出さ
れ、前記演算制御部CMPにより監視されるエキストラ
クト抜き出し口近傍での目的成分の濃度パターンがB1
であるときには、標準パターンB2 に補正するために、
たとえば(1) デソーベントポンプの流量を下げる、(2)
リサイクルポンプの流量を下げる、等の操作を行って運
転条件を変更する。また、エキストラクト抜き出し口近
傍における目的成分の濃度パターンがB3 であるときに
は、標準パターンB2 に補正するために、たとえば(1)
デソーベントポンプの流量を上げる、(2) リサイクルポ
ンプの流量を上げる、等の操作を行って運転条件を変更
する。
【0114】この実施例においては、循環流体流路中に
濃度検出器を配設する外に、エキストラクト抜き出し管
7には、図3に示されるように、サンプリング手段11
を介して、濃度測定手段として、分離手段である第1分
離カラム12、成分濃度測定手段である第2UV検出器
UVD2 が設けられる。また、ラフィネート抜き出し管
18には、サンプリング手段20を介して、濃度測定手
段として、分離手段である第2分離カラム、および成分
濃度測定手段である第3UV検出器が設けられる。
【0115】演算制御部CMPでは前記第2UV検出器
UVD2 から出力される電気信号を入力して、たとえば
エキストラクト抜き出し管7から抜き出されるエキスト
ラクト中の各成分の濃度および純度を算出する。この場
合、各成分の濃度は、予め標品を使用して作成された検
量線に基づいて決定されることができ、純度は、決定さ
れた必要成分の濃度および不要成分の濃度から決定され
ることができる。たとえば、エキストラクトについては
図5に示される面積値から濃度および純度がそれぞれ計
算される。
【0116】ラフィネート抜き出し管18に設けられた
濃度測定手段における第3UV検出器は、第2UV検出
器UVD2 と同様の構成を有する。
【0117】ただし、第3UV検出器から出力される電
気信号は、ラフィネート中の各成分の濃度に対応した電
気信号が出力される。この電気信号は、ラフィネート抜
き出し口をを切り替えた瞬間から次の切り替えまでの時
間、すなわち、ステップタイムの初期においては0であ
り、抜き出される液中のラフィネート中の成分の濃度が
減少するので時間の経過と信号強度(たとえば電圧、あ
るいは電流値)が低下する。この有様は、図11から容
易に理解される。この第3UV検出器からは電気信号で
ある検出信号が演算制御部に出力される。
【0118】演算制御部においては、第1UV検出器U
VD1 から出力される電気信号に基づいて、各導入口お
よび各抜き出し口を一斉に切り替えた瞬間から次の切り
替えまでの時間、すなわち、ステップタイムの初期を0
とし、時間の経過と共に上昇する流体中の弱吸着成分の
濃度を監視する。
【0119】演算制御部においては、第1UV検出器U
VD1 により、各導入口および各抜き出し口を切り替え
る度にその配管3中を流通する流体の中の成分の濃度を
算出する。濃度は、既知の濃度の試料を同流速でUV検
出器に導入し、濃度とUV検出器の出力との関係を予め
調べておくことにより求めることができる。各導入口お
よび各抜き出し口の切り替えにより、第1UV検出器U
VD1 の手前の(上流側の)カラムが吸着ゾーン、精製
ゾーン、濃縮ゾーンおよび脱着ゾーンを一巡すると、第
1UV検出器UVD1 により前記全ゾーンに亙る弱吸着
成分および強吸着成分の濃度分布が算出される。
【0120】演算制御部においては、第2UV検出器U
VD2 および第3UV検出器からの電気信号を入力し、
第2UV検出器UVD2 から出力される検出信号に基づ
いてその波形面積からエキストラクトおよびラフィネー
ト中の成分の平均濃度が計算される。
【0121】濃度は、既知の濃度の試料を同流速でUV
検出器に導入し、濃度とUV検出器の出力との関係を予
め調べておくことにより求めることができる。また、エ
キストラクトおよびラフィネートの流量とUV検出器か
らの出力との関係についても、予め既知の濃度の試料を
用いて測定しておくことが望ましい。なお、濃度や純度
についての算出方法は、一般的なクロマトグラムの解析
方法に準じて行われることができる。
【0122】この実施例に係る擬似移動床式分離装置に
おいては、前記循環流体流路内に設置された第1UV検
出器UVD1 により測定される循環流体流路内の成分の
濃度が所定の閾値に達するまでの時間および前記ラフィ
ネートおよびエキストラクトの純度に応じて、前記表1
および表2に示される制御を行うための制御指令信号が
演算制御部から出力される。なお、表1および表2に示
される制御内容は、そのいずれか一種であっても良く、
また二種以上であっても良い。
【0123】たとえばラフィネートについての測定結果
の一例を図13に、エキストラクトについての測定結果
の一例を図14に示す。
【0124】以上この発明の一実施例について説明した
が、この発明は前記実施例に限定されるものではない。
【0125】(1) たとえば、カラムの本数は4の倍数す
なわち4種のゾーンが形成されるようにカラムの本数が
決定されることがあり、通常の場合、4〜24の内の4
の倍数の本数のカラムが採用される。もっとも、循環流
体流路を複数の相互に配管で連結されたカラムにより形
成する場合、各ゾーンを構成するカラムの本数は、ゾー
ン毎に相違しても良い。
【0126】(2) 導入口および抜き出し口を切り替える
バルブはロータリーバルブに限らず、開閉バルブの組み
合わせであっても良い。
【0127】(3) 成分濃度測定手段は、エキストラクト
またはラフィネート中の各成分を分離する分離手段を使
用せずに、たとえばエキストラクト中の各成分を測定す
ることのできる複数種類の濃度検出器の組み合わせであ
っても、また、複数の成分を同時に測定することのでき
る多波長分析装置を採用することもできる。
【0128】(4) 循環流体流路中で流体を強制的に一方
向に向かって循環させるために、リサイクルポンプを使
用する代わりに、圧力バランスを調整する調圧弁を利用
しても良い。たとえば、溶離液導入口を通じて循環流体
流路中にデソーベントポンプを用いて所定の圧力をもっ
て溶離液を圧入し、しかも原料溶液導入口を通じて循環
流体流路中に原料溶液導入ポンプを用いて所定の圧力も
って原料溶液を圧入すると、エキストラクト抜き出し口
およびラフィネート抜き出し口からはそこに設けられた
調圧弁を調整するだけで、循環流体流路中を流通する流
体の流速が調整される。
【0129】
【発明の効果】この発明によると、擬似移動床における
各ゾーン中の濃度を正確にモニタリングすることのでき
る擬似移動床式分離装置を提供することができる。この
発明によると、液体クロマトグラフ装置を取り扱うのと
同程度に簡単な操作で運転することのできる擬似移動床
式分離装置を提供することができる。この発明による
と、不合格品を出さず、試料のロスが少なく、高い回収
率で、生産性良く成分分離を行うことのできる擬似移動
床式分離装置を提供することができる。この発明による
と、装置の操業に熟練と勘とを必要とせずに、容易にか
つ正確に操業することのできる擬似移動床式分離装置を
提供することができる。
【0130】この発明によると、擬似移動床式分離装置
における全カラムにより形成される擬似移動床中での成
分の濃度分布を連続的に監視することができ、その成分
の濃度分布に応じて最適運転条件を自動制御することの
できる擬似移動床式分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の擬似移動床式分離装置の一
実施例を示す説明図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例において、循環流
体流路の一部をなすカラムとカラムとを連通する配管中
に設けられた濃度検出器であるUV計を示す説明図であ
る。
【図3】図3は、この発明の一実施例におけるエキスト
ラクト抜き出し口から抜き出されたエキストラクト中の
成分を分析する成分濃度測定手段を示す説明図である。
【図4】図4は、前記成分濃度測定手段の作用を示す説
明図である。
【図5】図5は、エキストラクト抜き出し管から抜き出
されたエキストラクト中の成分を分離手段により分離し
た状態を示す説明図であり、図中、時間軸に対する軸は
強度を示し、濃度検出器により出力される電気信号の大
きさを示す。
【図6】図6は、ラフィネート抜き出し管から抜き出さ
れたラフィネート中の成分を分離手段により分離した状
態を示す説明図であり、図中、時間軸に対する軸は強度
を示し、濃度検出器により出力される電気信号の大きさ
を示す。
【図7】図7は、循環流体流路を形成するように直列に
接続された8本のカラム内で形成される濃度のパターン
を模式的に示す説明図である。
【図8】図8は、この発明の一実施例である擬似移動床
式分離装置におけるカラムにより形成される各ゾーン中
での溶質の濃度分布を示す想像説明図である。
【図9】図9は、循環流体流路を形成するように直列に
接続された8本のカラム内で形成される濃度のパターン
が導入口および抜き出し口の切り換え毎に変化する有様
を模式的に示す説明図である。
【図10】図10は、ラフィネート抜き出し口を切り替
えた瞬間から経時的に変化する濃度のパターンを示す説
明図である。
【図11】図11は、ラフィネート抜き出し口を切り換
えた瞬間から経時的に変化する濃度の各種パターンを示
す説明図である。
【図12】図12は、エキストラクト抜き出し口を切り
替えた瞬間から経時的に変化する濃度の各種パターンを
示す説明図である。
【図13】図13は、ラフィネート中の成分の循環流体
流路中における濃度変化およびラフィネート抜き出し口
から抜き出されたラフィネート中の成分の純度変化を示
すグラフである。
【図14】図14は、エキストラクト中の成分の循環流
体流路中における濃度変化およびエキストラクト抜き出
し口から抜き出されたエキストラクト中の成分の純度変
化を示すグラフである。
【符号の説明】 1・・・擬似移動床式分離装置、2a〜2h・・・単位
カラム、3・・・配管、3a・・・リサイクルライン、
4・・・デソーベントタンク、5・・・溶離液導入管、
6・・・濃度検出器、7・・・エキストラクト抜き出し
管、8・・・エキストラクトタンク、9・・・配管、1
0・・・目的成分濃度測定システム、11・・・サンプ
リング手段、12・・・第1分離カラム、13・・・六
方切り換えバルブ、14・・・サンプリング管、15・
・・ポンプ、16・・・フィードタンク、17・・・原
料導入管、18・・・ラフィネート抜き出し管、19・
・・ラフィネートタンク、20・・・六方切り換えバル
ブ、21・・・目的成分濃度測定システム、UVD1
・・第1UV検出器、UVD2 ・・・第2UV検出器、
P1・・・デソーベントポンプ、P2・・・原料溶液導
入ポンプ、P3・・・ラフィネート抜き出しポンプ、P
4・・・エキストラクト抜き出しポンプ、P5・・・リ
サイクルポンプ、CMP・・・演算制御部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離用充填剤を収容した複数の充填床を
    無端状に連結し、内部に流体を一方向に強制循環させる
    ことのできる循環流体流路を形成し、この循環流体流路
    中に、溶離液を導入する溶離液導入口と、吸着質または
    強吸着質に富む溶液を抜き出すエキストラクト抜き出し
    口と、分離されるべき成分の混合物を含む原料溶液を導
    入する原料溶液導入口と、非吸着質または弱吸着質に富
    む溶液を抜き出すラフィネート抜き出し口とを、流体の
    流れの方向にこの順に設け、かつ、それぞれの導入口お
    よび抜き出し口を間欠移動させるようにしてなる擬似移
    動床式分離装置において、 前記循環流体流路中に濃度検出器を設けてなることを特
    徴とする擬似移動床式分離装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の擬似移動床式分離
    装置において、エキストラクト抜き出し口から抜き出さ
    れたエキストラクト中の成分の濃度を測定する濃度測定
    手段およびラフィネート抜き出し口から抜き出されたラ
    フィネート中の成分の濃度を測定する濃度測定手段のい
    ずれか、または両方を更に備える前記請求項1に記載の
    擬似移動床式分離装置。
  3. 【請求項3】 分離用充填剤を収容した複数の充填床を
    無端状に連結し、内部に流体を一方向に強制循環させる
    ことのできる循環流体流路を形成し、この循環流体流路
    中に、溶離液を導入する溶離液導入口と、吸着質または
    強吸着質に富む溶液を抜き出すエキストラクト抜き出し
    口と、分離されるべき成分の混合物を含む原料溶液を導
    入する原料溶液導入口と、非吸着質または弱吸着質に富
    む溶液を抜き出すラフィネート抜き出し口とを、流体の
    流れの方向にこの順に設け、かつ、それぞれの導入口お
    よび抜き出し口を間欠移動させるようにしてなる擬似移
    動床式分離装置において、 前記循環流体流路内に配置された高耐圧性の濃度検出器
    とそれに連動したコンピュータとを備え、擬似移動床式
    分離装置における変動要因により生じる目的成分の濃度
    変動に応じて運転条件を自動修正可能としたことを特徴
    とする擬似移動床式分離装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の擬似移動床式分離
    装置において、エキストラクト抜き出し口から抜き出さ
    れたエキストラクト中の成分の濃度を測定する濃度測定
    手段およびラフィネート抜き出し口から抜き出されたラ
    フィネート中の成分の濃度を測定する濃度測定手段のい
    ずれか、または両方を更に備える前記請求項3に記載の
    擬似移動床式分離装置。
  5. 【請求項5】 前記濃度測定手段は、所定時間毎にサン
    プリング手段でサンプリングされたエキストラクトまた
    はラフィネート中の所望成分と所望しない成分とを分離
    する分離手段と、それぞれの成分の濃度を測定する成分
    濃度測定手段とを有してなる前記請求項4に記載の擬似
    移動床式分離装置。
  6. 【請求項6】 前記濃度測定手段は、所定時間毎にサン
    プリングされたエキストラクトまたはラフィネート中の
    所望成分と所望しない成分との濃度を測定する複数種類
    の濃度検出器である前記請求項4に記載の擬似移動床式
    分離装置。
  7. 【請求項7】 前記濃度測定手段は、所定時間毎にサン
    プリングされたエキストラクトまたはラフィネート中の
    所望成分と所望しない成分との濃度を測定する一種類の
    濃度検出器である前記請求項4に記載の擬似移動床式分
    離装置。
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