JPH0920793A - 核酸と核タンパク質の精製法 - Google Patents

核酸と核タンパク質の精製法

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JPH0920793A
JPH0920793A JP7188076A JP18807695A JPH0920793A JP H0920793 A JPH0920793 A JP H0920793A JP 7188076 A JP7188076 A JP 7188076A JP 18807695 A JP18807695 A JP 18807695A JP H0920793 A JPH0920793 A JP H0920793A
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政晴 小坂
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国雄 香山
Katsuyuki Matsumoto
克之 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】魚類の精巣(白子)又は哺乳動物の精巣(睾
丸)又は胸腺中に存在するデオキシリボ核酸又はデオキ
シリボ核タンパク質の粗製物の新規な精製法の提供 【解決手段】従来、デオキシリボ核酸又はデオキシリボ
核タンパク質が存在する、魚類の精巣又は哺乳動物の精
巣又は胸腺の水洗と機械的処理(攪拌による破砕とろ過
等)により精子粗製物を得た後、低級アルコール溶媒例
えば含水又は非含水のメチルアルコール又はエチルアル
コールで処理していた。本発明では、これらの溶媒に着
香料を添加することを特徴とする。この着香料添加によ
り、魚臭又は悪臭の脱臭率の顕著な向上、ビタミンCと
の混合の結果生じた着色の顕著な低減そして経時変化の
顕著な低減の効果が認められた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、健康食品、
化粧品、医療用品及び洗浄剤に使用されるデオキシリボ
核酸(DNA)及び/又はデオキシリボ核タンパク質の
精製法並びにそれらを含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】DNA及びそのタンパク質付加体である
デオキシリボ核タンパク質の原料は、通常、魚類の白子
や哺乳動物の胸腺又は精巣(睾丸)である。これらの原
料は、鮮度低下に従って変質して品質が劣化し、いやみ
臭を増し、又変色が進行する。それ故、これら原料から
精製したDNA及び/又はデオキシリボ核タンパク質を
取得するためには、通常、原料の魚類白子や哺乳動物胸
腺又は睾丸を水洗、加熱次いで破砕とろ過による機械的
加工をした後、更に低級アルコール、例えばメチルアル
コール、エチルアルコール等で洗浄、精製する。これに
より原料中の血液、血管、表皮等が除去される。そして
脂質と脂肪酸含量が少なく、経時変化の少ない精製物が
得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の低級アルコール
による洗浄では、得られる精製物に対し10〜40倍の
低級アルコールが使用されるが、このような低級アルコ
ールの精製によっても、魚臭又は悪臭を完全に除くこと
はできず、得られた精製物には魚臭又は悪臭が僅かなが
ら残る。そして得られた精製物にビタミンCを配合する
と、経時変化して褐変し、同時に異味・異臭が生じる
(なお、ビタミンCを、DNAと同時摂取すると、DN
Aだけの摂取により生じる血液中の尿酸値の上昇が抑制
されるので、ビタミンCとDNA摂取の混合剤は、DN
A摂取による+効果を発現する際に有用である。)。本
発明の目的は、上述の低級アルコールによる精製法を改
善して、得られた精製物の魚臭又は悪臭を完全に除去し
ようとすることと、得られた精製物をビタミンCと混合
しても経時変化により着色しないようにすることであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、デオ
キシリボ核酸又はデオキシリボ核タンパク質を含有する
原料例えば白子を処理する際に芳香を持つ着香料を使用
すると、魚臭又は悪臭が除去された原料例えば白子の精
製品が得られることを見出した。そして、この精製品は
ビタミンCと混合しても経時変化して着色することもな
い。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の精製法に使用されるデオ
キシリボ核酸(DNA)又はデオキシリボ核タンパク質
を含有する原料とは、魚類、例えば、特にサケ、タラ、
ニシン又はマスの白子(精巣)、又は哺乳動物、例えば
ウシ、ブタ、ウマ又はヤギの胸腺又は睾丸(精巣)、好
ましくはサケ又はサケの白子、更に好ましくはサケの白
子に由来するものであり、それら精巣(白子又は睾丸)
又は胸腺を水洗、機械的処理(例えば、機械的破砕と被
破砕物のろ過による分離)により前処理した粗製品(以
下、粗製精子等という。)であって、低級アルコールに
よる処理をする前の粗製品を表す。使用される粗製精子
等は、通常の攪拌により精製用溶媒中に容易に懸濁され
得るような、粉末状になっている。
【0006】本発明の精製法に使用される着香料とは、
一般の着香料であって、好ましくは食品に添加されるこ
とを目的とするものであり、本発明の精製法に従って使
用される場合、本発明の目的とする精製効果を達成でき
るものをいう。
【0007】具体的には、使用される処理液に使用され
る溶媒、例えば低級アルコール又は低級アルコール水溶
液に低濃度、例えば0.1〜12%(これも含めて以
下、%は特別の記載のない限り重量%を意味する。)以
下の濃度で溶解でき、精製される粗製精子等中の魚臭又
は悪臭を除去できるものをいう。
【0008】本発明に使用される着香料とは、更に具体
的には、上述の性能を発揮できるものであって、その着
香料中の成分として、エステル基、ラクトン基、ケトン
基、アルデヒド基を1個又は2個以上含有する化合物を
含有し、かつそれら化合物が精製物に微少量残存してい
ても人体に無害でありかつ精製品の商品価値に悪影響を
与える悪臭又は異臭を残さないような化合物を含有する
ものをいう。
【0009】更に具体的には、本発明に使用される芳香
を持つ着香料は、下記の着香料から選択される1種又は
2種以上を含有する:エステル、例えば脂肪酸エステ
ル、特に酢酸エステル、アセト酢酸エステルと酪酸エス
テル;ラクトン、例えばγ−ラクトン;アルデヒド、例
えば脂肪族アルデヒドと芳香族アルデヒド;ケトン;及
びテルペン系炭化水素である。
【0010】本発明に使用される着香料を更に具体的に
例示する:酢酸エステルとして、酢酸イソアミル、酢酸
イソブチル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、酢酸ブチ
ル、酢酸ヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸ゲラニ
ル、酢酸シトロネリル及びアセト酢酸エステル例えばア
セト酢酸エチル;酪酸エステルとして、酪酸エチル、酪
酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸イソアミル、酪酸ベン
ジル、酪酸フェニルエチル、酪酸リナリル及び酪酸ゲラ
ニル;ラクトンとして、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプ
タラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、
γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカ
ラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ
−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン及びδ−ドデカ
ラクトン;脂肪族アルデヒドとして、ヘキサナール、ヘ
プタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、
ウンデカナール、ドデカナール、ペリラアルデヒド、ゲ
ラニアール及びネラール;芳香族アルデヒドとして、ベ
ンズアルデヒド、バニリン及びエチルバニリン;ケトン
化合物として、アセトフェノン、2−ヘプタノン、マル
トール、メントン及び−カルボン;そしてテルペン系
炭化水素として、−リモネン、α−ピネン、β−ピネ
ン、γ−タピネン、ミルセン、カリオレフィン。
【0011】本発明に使用される好ましい着香料は、酢
酸イソアミル、酢酸リナリル、γ−ウンデカラクトン、
アセト酢酸エチル、酪酸エチル、オレンジオイル、トラ
ンス−2−ヘキセナール、バニリン、ライムオイル及び
ワインリースオイルからなる群から選ばれる1種、又は
2種以上の混合物からなる。更に好ましくは、アセト酢
酸エチル、オレンジオイル、バニリン及びワインリース
オイルからなる群から選ばれる1種、又は2種以上の混
合物からなる。そして更に好ましくはアセト酢酸エチル
からなる。上述の具体的な着香料は、食品添加用に使用
される普通の市販品である。
【0012】本発明に使用されるライムオイルは、ライ
ム油とも呼ばれ、ミカン科のライムCitrus au
rantifolia Swingleに属する 1)
Citrus medica L.var.acida
Brandis.及び 2)Citrus lime
tta Rissoの果皮又は果実から圧搾油方式又は
水蒸気蒸留方式で得られる。1)はacid lime
と呼ばれ、西インド諸島を主産地とし、メキシコ、合衆
国のフロリダ等に産する。2)はsweetlimeと
いわれ、イタリア、ブラジル等に産する。本発明に使用
されるライムオイルは、例えば、1)西インド諸島産:
シトラール(ゲラニアールとネラール)2.2〜9%、
ノナナール、ドデカナール、オクタナール、ゲラニオー
ル、リナロール、α−テルピネオール、ボルネオール、
α及び/又はβ−ピネン、d−リモネン、ジペンテン、
ピサボレン、アントラニル酸メチルからなるもの;2)
イタリア産:d−リモネン、酢酸リナリル26.3%、
l−リナロールからなるものがある。
【0013】オレンジオイルは、オレンジ油とも呼ばれ
る。ミカン科のスイートオレンジCitrus sin
esis Osbeck又はダイダイ Citrus
aurantium Linneの果実及び/又は果皮
から圧搾油方式又は水蒸気方式により得られる。オレン
ジオイルは、例えば、d−リモネン(90〜94%)、
デカナール、シトロネラール、シトラール(ゲラニアー
ルとネラール)、リナロール、ノナナール、テルピネオ
ール、オーラブテン等からなる。
【0014】ワインリースオイルは、ブドウから製造さ
れるものであって、ブランデから回収フレーバー方式に
より、ブランデーの揮発性成分として得られる。その主
成分は、例えば、エタノール、ブタノール、イソアミル
アルコール、フェニルエチルアルコール、酢酸、ヘキサ
ン酸、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、デカン酸
エチル、ドデカン酸エチルである。
【0015】本発明の精製法に従って、粗製精子等の精
製に使用される精製用溶媒は、通常は低級アルコール又
はその含水低級アルコールである。低級アルコールとし
ては、特にエタノール、メタノール又はそれらの混合溶
媒が挙げられる。好ましくは、処理される粗製精子等の
組織内への浸達性を高めるために、上記低級アルコール
は水分を含有していることが好ましく、50%以下、好
ましくは25〜10%、更に好ましくは20〜15%の
水を含有していることが好ましい。水の含有量が50%
以上であると、精製処理中に処理液が粗製精子等の組織
中に浸透しにくくなって精製物の品質に重大な影響を与
える一般細菌数の低下率が減少し、また得られた精製物
が塊状になる傾向がある。水の含有量が 5%以下にな
ると、精製処理中の処理液の粗製精子等の組織内への浸
達性が低下して、精製物の品質に重大な影響を与える一
般細菌数の低下率が減少し、又、脱臭の浸透効果も減少
する傾向がある。しかし、95%以下の濃度の低級アル
コール水溶液に所望濃度の着香料が完全に溶解しない場
合は、95%以上の濃度のアルコールを使用する方が好
ましい場合がある。
【0016】粗製精子等を処理するために使用される精
製用溶媒の量は、粗製精子等の含水率により、含水率が
高いと所定のアルコール濃度を維持するためにアルコー
ルの濃度を高めるか、使用量を増す必要がある。粗製精
子等の含水率量が5%程度の場合は、85%エチルアル
コール又はメタノールを粗製精子等の2ないし10重量
倍、好ましくは5〜8重量倍使用するのが好ましい。
【0017】精製用溶媒に添加される着香料の量は、使
用されるアルコール水溶液の粗製精子等、例えば白子に
対する倍量数、単位重量当たりの着香料の脱臭力、着香
料の香りの強度、粗製精子等、例えば白子中の魚臭又は
悪臭の含有量そして処理条件(温度と時間)により変動
するが、概ね0.05〜12%の範囲内にある。例えば
着香料がアセト酢酸エチル、精製される粗製精子等が含
水量5%の通常に市販されているサケ白子、精製用溶媒
が85%エチルアルコール水溶液、精製用溶媒の使用量
が白子の7倍量、加熱条件が還流温度で1時間の場合
は、着香料のエチルアルコール水溶液中の濃度は、0.
1〜10%の範囲内にある。この含有量は、試験的に使
用される着香料の最適濃度を検討して決定するのが好ま
しい。なお、後述の乾燥品精製物中に、脱臭精製に使用
された着香料の1部分が残存していてもよい。この残存
は、乾燥精製物の品質の安定性を高めるためのものであ
って、残存する着香料の香りが感知されない程度の量、
乃至、強過ぎて使用時に不快にならない程度の量で残存
するのがよい。通常は、0.01〜1.0%の範囲内で
ある。
【0018】粗製精子等を、所定濃度の着香料を含有す
る精製用溶媒に懸濁、攪拌下、処理して脱臭処理をす
る。処理時間は温度が高い程短くてよい傾向にある。得
られる精製品中の一般細菌数低下率を高め、処理時間を
短縮するためには、処理溶媒として含水低級アルコール
を使用する場合は、95〜60℃、好ましくは、処理溶
媒の還流温度で実施するのが好ましい。加熱処理時間
は、加熱時間の延長効果が殆ど無くなるまでの時間、例
えば30分〜2時間、好ましくは50〜70分間でよ
い。
【0019】以上、本発明の精製法を各項目について説
明したが、更に具体的に各項目の組み合わせを列記す
る: 粗製精子等は、サケ又はマス白子由来のものであり、
着香料はアセト酢酸エチル、オレンジオイル、バニリン
又はワインリースオイルであり、精製用溶媒は75〜1
00%エチルエルコール又はメチルアルコールである。 粗製精子等は、サケ白子由来のものであり、着香料は
アセト酢酸エチルであり、精製用溶媒は75〜100%
エチルエルコール又はメチルアルコールである。 粗製精子等は、サケ白子由来のものであり、着香料は
アセト酢酸エチルであり、精製用溶媒は75〜90%エ
チルエルコール又はメチルアルコールであり、着香料の
精製用溶媒中の濃度は3.0〜10.0%である。 粗製精子等は、サケ白子又はタラ白子由来のものであ
り、着香料はアセト酢酸エチルであり、精製用溶媒は7
5〜90%エチルアルコール又はメチルアルコール水溶
液であり、処理用溶媒の使用量は、粗製精子等の5〜8
倍量であり、着香料の精製用溶媒中の濃度は3.0〜1
0.0%であり、加熱温度は処理液の還流温度でありそ
して処理時間は、30〜90分間である。 粗製精子等は、ニシン白子又はマス白子由来のもので
あり、着香料はバニリンであり、精製用溶媒は75〜9
5%エチルアルコール又はメチルアルコール水溶液であ
り、着香料の精製用溶媒中の濃度は2.0〜12%であ
り、加熱温度は処理液の還流温度でありそして処理時間
は、30〜100分間である。
【0020】上述の着香料を含有する溶媒による粗製精
子等の精製処理が終了した後、遠心分離又はろ過、更に
所望による洗浄処理に続いて、乾燥処理をして溶媒を蒸
発する。乾燥処理は当該技術分野で通常使用されている
乾燥処理を使用する。それは例えば、スプレードライヤ
ー、減圧下乾燥、風乾又はこれらの二つ以上の組み合わ
せである。乾燥は、室温ないし90℃以下、好ましくは
15〜70℃の範囲内の温度で実施される。
【0021】
【実施例】下記の実施例により本発明を更に詳細に説明
する。これら実施例は本発明の範囲の限定を意図するも
のではない。実施例中及び本明細書においては特に記載
のない限り、%は重量%を表す。 実施例1 粗製精子等である白子粉は、洗浄、機械破砕、必要なら
ば洗浄、ろ過そして乾燥を経る常法により取得される。
例えば、冷凍鮭の白子1,000gを解凍し、水洗、次
いで水切りした後、水400gを添加し、ステンレス製
攪拌羽根付の攪拌槽内で、80℃で1時間熱処理し、そ
の後生成物の懸濁液を10メッシュの金網でろ過した。
得られた懸濁ろ液を小型のガラス製スプレードライヤー
で乾燥、粉末化し、含水率5%の白子粉192gを得
た。この白子粉は魚臭(アミン臭)のするものであっ
た。次にこの白子粉5gに対し第1表に記載の各着香料
又は対照用の薬剤を1%溶解した95%エチルアルコー
ル水溶液35gを添加し、75℃で1時間攪拌後、室温
に冷却後、固形分を分離、減圧下乾燥(入口温度60〜
80℃)して、乾燥精製物の残留魚臭を臭覚検査した。
その結果を第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】(第1表注)* 乾燥品の色調が処理前に比較して着色している。** 改善効果の記号の説明: ×・・・改善効果が無い。 △・・・改善効果が僅かにある。 〇・・・改善効果が顕著である。 ◎・・・改善効果が極めて顕著である。3* オレンジオイルは、ミカン科のスイートオレンジの果
皮から水蒸気方式により取得したものである。その主成
分は、−リモネン(約90%)、リナロール、オクタ
ナール、デカナール、シトロネラール、シトラール(ゲ
ラニアールとネラール)である。4* ライムオイルは、ミカン科のライムの果皮から水蒸気
蒸留方式により取得されたものである。その主成分は、
γ−テルピネン、−リモネン、テルピネオール、シト
ラール(ゲラニアールとネラール)である。5* ワインリースオイルは、エタノール、ブタノール、イ
ソアミルアルコール、フェニルエチルアルコール、酢
酸、ヘキサン酸、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチ
ル、デカン酸エチル、ドデカン酸エチルである。
【0024】(考察)第1表の結果から観察されるよう
に、着香料を添加した場合は脱臭に顕著な改善効果が見
られ、着香料がアセト酢酸エチル、オレンジオイル、バ
ニリン、ワインリースオイルである場合は、改善効果は
極めて顕著であった。又、精製物には、悪臭に相当する
異臭がなかった。
【0025】実施例2 実施例1で得られた精製前の白子粉を使用して、エチル
アルコール水溶液の濃度の、白子中の細菌数の低減化に
対する影響を検討した。磁気攪拌子を付けた容器中、白
子粉5gに対して、60〜95%のエチルアルコール水
溶液を35g添加し、常圧下で、常温(室温:約10〜
20℃)、60℃と処理液の還流温度(80℃〜95
℃)に於いて1時間攪拌し、室温に冷却後、その固形分
をろ過分離、減圧下乾燥(入口温度60〜80℃)して
得られた精製物中の細菌数と精製物の性状を検査した。
試験結果を第2表に示す。なお、エチルアルコールによ
る処理前の白子粉中の一般細菌数は412×10個/g
であった。
【0026】
【表2】 *乾燥精製物が塊状になった。
【0027】(考察)以上の結果より、白子の細菌数低
減化には、エチルアルコール水溶液中のエチルアルコー
ルの濃度80〜85%が好ましく、特に処理液の還流温
度ではその効果が著しいこと;70%以下では精製物が
塊状となって殺菌効果が悪いことそして濃度が95%で
は細菌数の低減化の効果は下がることが明瞭である。換
言すれば、白子のアルコールによる細菌数低減化には、
処理される白子と使用される着香料の種類によって変動
があるが、75〜90%の範囲内のアルコール濃度が好
ましいことが判明した。
【0028】実施例3 実施例1の精製前の白子粉を使用して、アセト酢酸エチ
ルの使用量の白子精製物の品質に与える影響を検討し
た。使用したアルコール水溶液は、一般細菌数低減化に
適している85%エチルアルコール水溶液である(実施
例2を参照)。実施例1に記載の方法に従って得られた
精製前の白子粉5gに、第3表に記載の濃度のアセト酢
酸エチル(着香料に相当する)を含有する、85%エチ
ルアルコール水溶液35gを添加して、攪拌下加熱して
1時間還流した。次いで、室温に冷却して固形分をろ過
により分離、そして減圧下乾燥(入口温度60〜80
℃)して精製物を得た。得られた乾燥品精製物の残留魚
臭を検査し、そして魚臭又は悪臭そして着色の原因にな
る魚油脂質と着香料の残存量を分析した〔分析は下記の
ようにした:(1) 乾燥品精製物中の脂質含量の全量W1
をソックスレー抽出法(食品衛生検査指針を参照)によ
り測定する。(2) 乾燥品精製物中のアセト酢酸エチルの
量W2 を水蒸気蒸留法(試料10gを採り、水50ml
と共に加熱して留出水をガスクロ分析で定量する方法)
により定量する。(3) W1 −W2 を魚油脂質量とす
る。〕。試験結果を判定と共に第3表に記載した。
【0029】
【表3】 * 判定の記号の説明 ×・・・精製品として使用できない。 △・・・精製品として好ましくない。 〇・・・精製品として好ましい。 ◎・・・精製品として極めて好ましい。
【0030】(考察)アセト酢酸エチル濃度が3.0〜
10.0%の85%エチルアルコール水溶液を、白子粉
に対して7倍重量使用した場合が、好ましい結果を与え
ている。12.0%以上の濃度では、着香料(アセト酢
酸エチル)の臭いが精製品に顕著に残留するので好まし
くない。このアセト酢酸エチルのエチルアルコール中の
好適濃度は、使用されるアルコール水溶液の白子に対す
る倍量数、単位重量当たりの着香料の脱臭力、精製前の
白子中の魚臭又は悪臭の含有量そして処理条件(温度と
時間)により変動するものの、着香料を上述の諸条件に
合わせて適量添加することにより、魚臭又は悪臭の完全
に除去された精製品が得られることは明瞭である。
【0031】実施例4:ビタミンCと混和後の経時変化 実施例3で得られた試験No3,4と7のサケ白子の乾燥
品精製物を用いて、ビタミンCとの混和後の経時安定性
を検討した。実施例3で得られた各乾燥品精製物30重
量部にビタミンC粉末を各30重量部とブドウ糖粉末を
各40重量部配合し、打錠機を用いて、直径12mmで
300mgの円板状錠剤を作製した。次に各錠剤を温度
20〜25℃、湿度50%に維持した室内で2週間暴露
し、錠剤の色調の変化を観察した。観察結果を判定と共
に、第4表に記載した。
【0032】
【表4】 * 判定の記号の説明 △・・・製品として不安である。 ◎・・・製品として心配ない。 (考察)本発明の精製法により処理された乾燥品精製物
は、ビタミンCと混合しても色調の変化が殆ど認められ
なかった。
【0033】
【発明の効果】デオキシリボ核酸又はデオキシリボ核タ
ンパク質を含有する、精巣又は胸腺を水洗、機械処理し
た後の粗製品、例えばサケ白子粉を、従来の低級アルコ
ール、例えばメチルアルコール又はエチルアルコール、
又はその含水溶媒の処理溶媒で処理して精製する場合の
処理溶媒を変えて、着香料を添加したそれら処理溶媒で
処理した。その結果、得られた精製物を従来法により得
られた精製物と比較すると、魚臭又は悪臭は著しく低下
して皆無に等しくなり、品質の劣化速度が著しく低下
し、そしてビタミンCとの混合による顕著な着色が低下
して着色がなくなった。又、得られた製品には、着香料
添加に起因する不快臭が全くなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 直人 東京都中央区日本橋本町4−1−11 小川 香料株式会社東京本社内 (72)発明者 香山 国雄 東京都北区赤羽西6丁目32番9号 小川香 料株式会社総合研究所内 (72)発明者 松本 克之 東京都北区赤羽西6丁目32番9号 小川香 料株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香を持つ着香料を使用することを特徴と
    するデオキシリボ核酸又はデオキシリボ核タンパク質の
    精製法。
  2. 【請求項2】芳香を持つ着香料が、エステル、ラクト
    ン、アルデヒド、ケトン及びテルペン系化合物からなる
    群から選ばれる1種、又は2種以上の混合物である請求
    項1記載の精製法。
  3. 【請求項3】芳香を持つ着香料が、酢酸エステル、酪酸
    エステル、アセト酢酸エステル、芳香族アルデヒド及び
    テルペン系化合物からなる群から選ばれる1種、又は2
    種以上の混合物である請求項2記載の精製法。
  4. 【請求項4】芳香を持つ着香料が酢酸イソアミル、γ−
    ウンデカラクトン、アセト酢酸エチル、酪酸エチル、オ
    レンジオイル、トランス−2−ヘキセナール、バニリ
    ン、ライムオイル及びワインリースオイルからなる群か
    ら選ばれる1種、又は2種以上の混合物である請求項3
    記載の精製法。
  5. 【請求項5】芳香を持つ着香料がアセト酢酸エチル、オ
    レンジオイル、バニリン及びワインリースオイルからな
    る群から選ばれる1種、又は2種以上の混合物である請
    求項4記載の精製法。
  6. 【請求項6】芳香を持つ着香料が、メチルアルコール、
    エチルアルコール又は50%以上のメチルアルコール又
    はエチルアルコール水溶液に溶解された状態で使用され
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の精製法。
  7. 【請求項7】芳香を持つ着香料のメチルアルコール、エ
    チルアルコール又は50%以上のメチルアルコール又は
    エチルアルコール水溶液中における濃度が0.05〜1
    2%の範囲内にある請求項6に記載の精製法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載の精製
    法により製造された組成物が、精製された該当するデオ
    キシリボ核酸又はデオキシリボ核タンパク質の重量を基
    準にして、芳香を持つ着香料を0.01ないし1.0%
    含有する組成物。
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