JPH09219139A - 酸化物陰極を備えた電子管 - Google Patents
酸化物陰極を備えた電子管Info
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- JPH09219139A JPH09219139A JP2133896A JP2133896A JPH09219139A JP H09219139 A JPH09219139 A JP H09219139A JP 2133896 A JP2133896 A JP 2133896A JP 2133896 A JP2133896 A JP 2133896A JP H09219139 A JPH09219139 A JP H09219139A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 結合剤(バインダー材料)の純度を考慮する
ことなく、安価かつ簡単な手段を用いるだけで、電子放
射特性の劣化を未然に防ぐことができる酸化物陰極を備
えた電子管を提供する。 【解決手段】 ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体14と、陰極基体14の表面に被
着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、
カルシウム(Ca)のアルカリ土類金属酸化物からなる
電子放射物質層15、16とを有する酸化物陰極を備え
た電子管において、電子放射物質層15、16を、陰極
基体14の表面に炭酸塩として結合剤により被着され、
結合剤の含有濃度が通常値の第1層15と、第1層15
の表面に被着され、結合剤の含有濃度が通常値よりも低
い値の第2層16とによって構成する。
ことなく、安価かつ簡単な手段を用いるだけで、電子放
射特性の劣化を未然に防ぐことができる酸化物陰極を備
えた電子管を提供する。 【解決手段】 ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体14と、陰極基体14の表面に被
着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、
カルシウム(Ca)のアルカリ土類金属酸化物からなる
電子放射物質層15、16とを有する酸化物陰極を備え
た電子管において、電子放射物質層15、16を、陰極
基体14の表面に炭酸塩として結合剤により被着され、
結合剤の含有濃度が通常値の第1層15と、第1層15
の表面に被着され、結合剤の含有濃度が通常値よりも低
い値の第2層16とによって構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物陰極を備え
た電子管に係わり、特に、長期間にわたって電子放射特
性を良好に維持することが可能な電子放射物質層を有す
る酸化物陰極を備えた電子管に関する。
た電子管に係わり、特に、長期間にわたって電子放射特
性を良好に維持することが可能な電子放射物質層を有す
る酸化物陰極を備えた電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子管の陰極には、通常、ニッケ
ル(Ni)を主成分とし、シリコン(Si)やマグネシ
ウム(Mg)等の微量の還元性金属を含有した陰極基体
と、陰極基体の表面に被着され、バリウム(Ba)、ス
トロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ
土類金属酸化物からなる電子放射物質層とからなる酸化
物陰極が用いられる。
ル(Ni)を主成分とし、シリコン(Si)やマグネシ
ウム(Mg)等の微量の還元性金属を含有した陰極基体
と、陰極基体の表面に被着され、バリウム(Ba)、ス
トロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ
土類金属酸化物からなる電子放射物質層とからなる酸化
物陰極が用いられる。
【0003】そして、かかる酸化物陰極を製造する場合
は、例えば、「THE OXIDE−COATED C
ATHODE」(Chapman&Hall LTD,
London 1951年発行)に記載されているよう
な製造手段が用いられる。
は、例えば、「THE OXIDE−COATED C
ATHODE」(Chapman&Hall LTD,
London 1951年発行)に記載されているよう
な製造手段が用いられる。
【0004】即ち、始めに、バリウム(Ba)、ストロ
ンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ土類
金属の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2CO3、Ca2CO3)
の粉末を、ニトロセルロース・アクリル樹脂からなる結
合剤(バインダー)とともに有機溶媒に溶解・混合し、
懸濁液(スラリー)を形成する。次に、この懸濁液を吹
き付け法によってニッケル(Ni)を主成分とする陰極
基体の表面に塗布し、塗布膜を備えた陰極を形成する。
続いて、この塗布膜を備えた陰極を電子管バルブ内に組
み込み、バルブを封止する。その後、バルブの排気、活
性化、エージング等の工程における陰極の加熱時に、ア
ルカリ土類金属の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2CO3、C
a2CO3)を同じアルカリ土類金属の酸化物(BaO、
SrO、CaO)にすることにより、塗布膜を電子放射
物質層に変化させ、その結果、バリウム(Ba)、スト
ロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ土
類金属酸化物からなる電子放射物質層を、ニッケル(N
i)を主成分とする陰極基体の表面に被着した構成の酸
化物陰極を得ている。
ンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ土類
金属の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2CO3、Ca2CO3)
の粉末を、ニトロセルロース・アクリル樹脂からなる結
合剤(バインダー)とともに有機溶媒に溶解・混合し、
懸濁液(スラリー)を形成する。次に、この懸濁液を吹
き付け法によってニッケル(Ni)を主成分とする陰極
基体の表面に塗布し、塗布膜を備えた陰極を形成する。
続いて、この塗布膜を備えた陰極を電子管バルブ内に組
み込み、バルブを封止する。その後、バルブの排気、活
性化、エージング等の工程における陰極の加熱時に、ア
ルカリ土類金属の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2CO3、C
a2CO3)を同じアルカリ土類金属の酸化物(BaO、
SrO、CaO)にすることにより、塗布膜を電子放射
物質層に変化させ、その結果、バリウム(Ba)、スト
ロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ土
類金属酸化物からなる電子放射物質層を、ニッケル(N
i)を主成分とする陰極基体の表面に被着した構成の酸
化物陰極を得ている。
【0005】かかる酸化物陰極を備えた電子管は、電子
管の動作時に、陰極基体中に含まれているシリコン(S
i)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属によ
って電子放射物質層中に遊離バリウム(Ba)が生成さ
れ、生成された遊離バリウム(Ba)が電子放射物質層
の表面に集中してバリウム(Ba)原子層を形成するの
で、電子放射物質層から多くの電子を継続的に放出させ
ることができるようになり、電子放射特性の良好な酸化
物陰極が得られるものである。
管の動作時に、陰極基体中に含まれているシリコン(S
i)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属によ
って電子放射物質層中に遊離バリウム(Ba)が生成さ
れ、生成された遊離バリウム(Ba)が電子放射物質層
の表面に集中してバリウム(Ba)原子層を形成するの
で、電子放射物質層から多くの電子を継続的に放出させ
ることができるようになり、電子放射特性の良好な酸化
物陰極が得られるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の酸化物陰極
は、良好な電子放射特性を得ることができるものの、電
子放射物質層内に、不純物、例えば、硫黄(S)、塩素
(Cl)、カリウム(K)等が含有されていたとき、電
子放射特性は、これらの不純物の影響を受け、その良好
な特性が劣化することは既知である。特に、懸濁液の塗
布によって塗布膜を形成する際に、懸濁液の主成分であ
るバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシ
ウム(Ca)のアルカリ土類金属の炭酸塩(Ba2C
O3、Sr2CO3、Ca2CO3)中に前述のような不純
物が含有されていると、その不純物の影響により、酸化
物陰極は、電子放射特性の初期特性が劣化したり、寿命
が短くなったりする。
は、良好な電子放射特性を得ることができるものの、電
子放射物質層内に、不純物、例えば、硫黄(S)、塩素
(Cl)、カリウム(K)等が含有されていたとき、電
子放射特性は、これらの不純物の影響を受け、その良好
な特性が劣化することは既知である。特に、懸濁液の塗
布によって塗布膜を形成する際に、懸濁液の主成分であ
るバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシ
ウム(Ca)のアルカリ土類金属の炭酸塩(Ba2C
O3、Sr2CO3、Ca2CO3)中に前述のような不純
物が含有されていると、その不純物の影響により、酸化
物陰極は、電子放射特性の初期特性が劣化したり、寿命
が短くなったりする。
【0007】このため、前記既知の酸化物陰極において
は、懸濁液に使用されるバリウム(Ba)、ストロンチ
ウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ土類金属
の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2CO3、Ca2CO3)、及
び、同じ懸濁液に使用される溶媒として、それぞれ純度
の高いものを選択したり、陰極基体に懸濁液を吹き付け
る際に、不純物が混入するのを防止する等の手段を図っ
たりして、電子放射物質層の構成原料やその製造工程に
充分な注意を払っている。
は、懸濁液に使用されるバリウム(Ba)、ストロンチ
ウム(Sr)、カルシウム(Ca)のアルカリ土類金属
の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2CO3、Ca2CO3)、及
び、同じ懸濁液に使用される溶媒として、それぞれ純度
の高いものを選択したり、陰極基体に懸濁液を吹き付け
る際に、不純物が混入するのを防止する等の手段を図っ
たりして、電子放射物質層の構成原料やその製造工程に
充分な注意を払っている。
【0008】また、前記既知の酸化物陰極においては、
塗布膜を形成するための懸濁液を得る場合、バリウム
(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)のアルカリ土類金属の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2
CO3、Ca2CO3)の他に、結合剤(バインダー材
料)が用いられている。
塗布膜を形成するための懸濁液を得る場合、バリウム
(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)のアルカリ土類金属の炭酸塩(Ba2CO3、Sr2
CO3、Ca2CO3)の他に、結合剤(バインダー材
料)が用いられている。
【0009】ところで、既知の酸化物陰極においては、
電子管の製造工程における陰極の加熱時に、結合剤(バ
インダー材料)が蒸発し、消滅するものと見做して、結
合剤(バインダー材料)における不純物の混入について
は充分な注意が払われていなかった。そして、結合剤
(バインダー材料)における不純物の混入についての充
分な注意を払うことを怠った結果、既知の酸化物陰極
は、例えば、酸化物陰極のヒーター電圧を定格電圧より
低下させて使用した場合、電子放射特性が劣化する事態
になるという問題を生じている。
電子管の製造工程における陰極の加熱時に、結合剤(バ
インダー材料)が蒸発し、消滅するものと見做して、結
合剤(バインダー材料)における不純物の混入について
は充分な注意が払われていなかった。そして、結合剤
(バインダー材料)における不純物の混入についての充
分な注意を払うことを怠った結果、既知の酸化物陰極
は、例えば、酸化物陰極のヒーター電圧を定格電圧より
低下させて使用した場合、電子放射特性が劣化する事態
になるという問題を生じている。
【0010】もっとも、結合剤(バインダー材料)にお
ける不純物の混入を少なくするために、懸濁液に使用さ
れる結合剤(バインダー材料)として、純度を高めたも
のを用いることは技術的に可能であるが、結合剤(バイ
ンダー材料)に対してかかる高純度を得る手段を講じれ
ば、懸濁液がかなりの高コストになり、経済的に割合わ
ないという問題がある。
ける不純物の混入を少なくするために、懸濁液に使用さ
れる結合剤(バインダー材料)として、純度を高めたも
のを用いることは技術的に可能であるが、結合剤(バイ
ンダー材料)に対してかかる高純度を得る手段を講じれ
ば、懸濁液がかなりの高コストになり、経済的に割合わ
ないという問題がある。
【0011】一方、結合剤(バインダー材料)の純度を
高めずに、懸濁液に使用する前の結合剤(バインダー材
料)をフィルターにかけ、不純物を濾過除去する手段も
既に提案されているが、フィルターで濾過除去できる不
純物には限りがあることから、フィルターを用いたとし
ても、結合剤(バインダー材料)の純度を充分に高める
ことができないという問題が残っている。
高めずに、懸濁液に使用する前の結合剤(バインダー材
料)をフィルターにかけ、不純物を濾過除去する手段も
既に提案されているが、フィルターで濾過除去できる不
純物には限りがあることから、フィルターを用いたとし
ても、結合剤(バインダー材料)の純度を充分に高める
ことができないという問題が残っている。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決するもの
で、その目的は、結合剤(バインダー材料)の純度を考
慮することなく、安価かつ簡単な手段を用いるだけで、
電子放射特性の劣化を未然に防ぐことができる酸化物陰
極を備えた電子管を提供することにある。
で、その目的は、結合剤(バインダー材料)の純度を考
慮することなく、安価かつ簡単な手段を用いるだけで、
電子放射特性の劣化を未然に防ぐことができる酸化物陰
極を備えた電子管を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体と、前記陰極基体の表面に被着さ
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)等のアルカリ土類金属酸化物からなる電
子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
いて、前記電子放射物質層を、前記陰極基体の表面に炭
酸塩として結合剤により被着され、結合剤の含有濃度が
通常値の第1層と、前記第1層の表面に被着され、結合
剤の含有濃度が前記通常値よりも低い値の第2層とで構
成した手段を具備する。
め、本発明は、ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体と、前記陰極基体の表面に被着さ
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)等のアルカリ土類金属酸化物からなる電
子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
いて、前記電子放射物質層を、前記陰極基体の表面に炭
酸塩として結合剤により被着され、結合剤の含有濃度が
通常値の第1層と、前記第1層の表面に被着され、結合
剤の含有濃度が前記通常値よりも低い値の第2層とで構
成した手段を具備する。
【0014】この場合、前記電子放射物質層の第2層
は、前記第1層の表面に被着された下側層と前記下側層
の表面に被着された上側層との2層構造にし、前記下側
層と前記上側層の結合剤の含有濃度を互いに異ならせる
ようにしてもよい。また、同様に2層以上の構造にして
もよい。
は、前記第1層の表面に被着された下側層と前記下側層
の表面に被着された上側層との2層構造にし、前記下側
層と前記上側層の結合剤の含有濃度を互いに異ならせる
ようにしてもよい。また、同様に2層以上の構造にして
もよい。
【0015】そして、前記手段において、陰極基体の表
面に被着される電子放射物質層の第1層は、結合剤の含
有濃度を通常値に選んでいるので、酸化物陰極の製造工
程における陰極基体と塗布膜の第1層(電子放射物質層
の第1層に対応する塗布膜の第1層)との間の接着強度
は大きく、陰極基体と塗布膜の第1層との熱膨張係数が
異なっていても、製造工程時に加わる熱ストレスに充分
耐えることができる。
面に被着される電子放射物質層の第1層は、結合剤の含
有濃度を通常値に選んでいるので、酸化物陰極の製造工
程における陰極基体と塗布膜の第1層(電子放射物質層
の第1層に対応する塗布膜の第1層)との間の接着強度
は大きく、陰極基体と塗布膜の第1層との熱膨張係数が
異なっていても、製造工程時に加わる熱ストレスに充分
耐えることができる。
【0016】また、第1層の表面に被着される電子放射
物質層の第2層は、結合剤の含有濃度を通常値よりも低
い値に選んだものであるが、塗布膜の第1層と塗布膜の
第2層(電子放射物質層の第2層に対応する塗布膜の第
2層)とは同じ熱膨張係数のものであって、製造工程時
に加わる熱ストレスも小さくいことから、塗布膜の第2
層の結合剤の含有濃度を通常値よりも低い値に選んでも
よいことになる。
物質層の第2層は、結合剤の含有濃度を通常値よりも低
い値に選んだものであるが、塗布膜の第1層と塗布膜の
第2層(電子放射物質層の第2層に対応する塗布膜の第
2層)とは同じ熱膨張係数のものであって、製造工程時
に加わる熱ストレスも小さくいことから、塗布膜の第2
層の結合剤の含有濃度を通常値よりも低い値に選んでも
よいことになる。
【0017】このように、前記手段によれば、塗布膜の
第2層に用いる結合剤の含有量(使用量)を、既知のこ
の種の層に用いる結合剤の含有量(使用量)よりも少な
くすることができるので、その分、結合剤からの不純物
の持込み量が少なくなり、その結果、電子放射物質層の
第2層中の不純物を減らすことができ、簡単かつ安価な
手段を用いるだけで、良好な電子放射特性を維持するこ
とができるとともに、優れた初期特性を有する酸化物陰
極を備えた電子管が得られる。
第2層に用いる結合剤の含有量(使用量)を、既知のこ
の種の層に用いる結合剤の含有量(使用量)よりも少な
くすることができるので、その分、結合剤からの不純物
の持込み量が少なくなり、その結果、電子放射物質層の
第2層中の不純物を減らすことができ、簡単かつ安価な
手段を用いるだけで、良好な電子放射特性を維持するこ
とができるとともに、優れた初期特性を有する酸化物陰
極を備えた電子管が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による酸化物陰極を備えた
電子管は、ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコン
(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属
を含有した組成の陰極基体と、この陰極基体の頂部表面
に被着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)のアルカリ土類金属酸化物か
らなる組成の電子放射物質層とを有する酸化物陰極を備
えている。そして、酸化物陰極を構成する電子放射物質
層は、陰極基体の頂部表面に炭酸塩として結合剤により
被着された第1層と、第1層の表面に同様に被着された
第2層との2層構造のものからなり、この内、第1層に
含有される結合剤(バインダー材料)の濃度は通常の濃
度であるのに対し、第2層に含有される結合剤(バイン
ダー材料)の濃度は通常の濃度よりも低い濃度になって
いる。
電子管は、ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコン
(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属
を含有した組成の陰極基体と、この陰極基体の頂部表面
に被着され、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、カルシウム(Ca)のアルカリ土類金属酸化物か
らなる組成の電子放射物質層とを有する酸化物陰極を備
えている。そして、酸化物陰極を構成する電子放射物質
層は、陰極基体の頂部表面に炭酸塩として結合剤により
被着された第1層と、第1層の表面に同様に被着された
第2層との2層構造のものからなり、この内、第1層に
含有される結合剤(バインダー材料)の濃度は通常の濃
度であるのに対し、第2層に含有される結合剤(バイン
ダー材料)の濃度は通常の濃度よりも低い濃度になって
いる。
【0019】また、電子放射物質層の第2層をさらに2
層構造にし、電子放射物質層の第1層の表面に電子放射
物質層の第2層の下側層を被着させ、下側層の表面に電
子放射物質層の第2層の上側層を被着させるようにする
こともできる。このとき、電子放射物質層の第2層は、
上側層及び下側層のいずれも、含有される結合剤(バイ
ンダー材料)の濃度が通常の濃度よりも低い濃度になる
ように、即ち、電子放射物質層の第1層の含有される結
合剤(バインダー材料)の濃度(通常の濃度)よりも低
い濃度になるようにするとともに、上側層と下側層との
間で、含有される結合剤(バインダー材料)の濃度を異
ならせている。
層構造にし、電子放射物質層の第1層の表面に電子放射
物質層の第2層の下側層を被着させ、下側層の表面に電
子放射物質層の第2層の上側層を被着させるようにする
こともできる。このとき、電子放射物質層の第2層は、
上側層及び下側層のいずれも、含有される結合剤(バイ
ンダー材料)の濃度が通常の濃度よりも低い濃度になる
ように、即ち、電子放射物質層の第1層の含有される結
合剤(バインダー材料)の濃度(通常の濃度)よりも低
い濃度になるようにするとともに、上側層と下側層との
間で、含有される結合剤(バインダー材料)の濃度を異
ならせている。
【0020】ここで、結合剤(バインダー材料)には、
種々の材料を用いることが可能であるが、その中で好適
なものはニトロセルロースである。
種々の材料を用いることが可能であるが、その中で好適
なものはニトロセルロースである。
【0021】この場合、電子放射物質層の第2層に含有
される結合剤の濃度は、第2層が1重構造になっている
場合、電子放射物質層の第1層に含有される結合剤の濃
度の約2分の1程度になるように選択するのが好まし
く、また、第2層が2重構造になっている場合、下側層
は、電子放射物質層の第1層に含有される結合剤の濃度
の約3分の1もしくはそれよりも若干多い程度になるよ
うに選択し、上側層は、電子放射物質層の第1層に含有
される結合剤の濃度の約2分の1もしくはそれよりも若
干多い程度になるように選択するのが好ましい。
される結合剤の濃度は、第2層が1重構造になっている
場合、電子放射物質層の第1層に含有される結合剤の濃
度の約2分の1程度になるように選択するのが好まし
く、また、第2層が2重構造になっている場合、下側層
は、電子放射物質層の第1層に含有される結合剤の濃度
の約3分の1もしくはそれよりも若干多い程度になるよ
うに選択し、上側層は、電子放射物質層の第1層に含有
される結合剤の濃度の約2分の1もしくはそれよりも若
干多い程度になるように選択するのが好ましい。
【0022】かかる構成にすれば、電子放射物質層の第
1層に含有される結合剤の濃度は、既知のこの種の電子
放射物質層に含有される結合剤の濃度とほぼ同じになっ
ている、即ち、既知の酸化物陰極における陰極基体の頂
部表面に被着される塗布膜と陰極基体との間の接着強度
と、本発明の酸化物陰極における塗布膜の第1層(電子
放射物質層の第1層に対応する塗布膜の第1層)と陰極
基体との間の接着強度がほぼ同じであるので、既知の酸
化物陰極と同様に、酸化物陰極を備えた電子管の製造工
程時に加わる熱ストレスに充分耐えることができる。
1層に含有される結合剤の濃度は、既知のこの種の電子
放射物質層に含有される結合剤の濃度とほぼ同じになっ
ている、即ち、既知の酸化物陰極における陰極基体の頂
部表面に被着される塗布膜と陰極基体との間の接着強度
と、本発明の酸化物陰極における塗布膜の第1層(電子
放射物質層の第1層に対応する塗布膜の第1層)と陰極
基体との間の接着強度がほぼ同じであるので、既知の酸
化物陰極と同様に、酸化物陰極を備えた電子管の製造工
程時に加わる熱ストレスに充分耐えることができる。
【0023】一方、電子放射物質層の第2層に含有され
る結合剤の濃度は、第2層が1層構造である場合、既知
のこの種の電子放射物質層に含有される結合剤の通常の
濃度の約2分の1程度であり、また、第2層が2層構造
である場合、既知のこの種の電子放射物質層に含有され
る結合剤の通常の濃度の約3分の1から約2分の1強の
範囲内であって、その分、接着強度が低下することにな
るが、塗布膜の第2層(電子放射物質層の第2層に対応
する塗布膜の第2層)は、1層構造のもの及び2層構造
のもののいずれも、塗布膜の第1層の表面側に被着され
るもので、被着された際には、塗布膜の第1層と塗布膜
の第2層との熱膨張係数がほぼ同じであることから、塗
布膜の第1層と塗布膜の第2層との間の接着強度が小さ
くても、酸化物陰極を備えた電子管の製造工程時に加わ
る熱ストレスも小さくなり、かかる熱ストレスに充分耐
えることができるものである。
る結合剤の濃度は、第2層が1層構造である場合、既知
のこの種の電子放射物質層に含有される結合剤の通常の
濃度の約2分の1程度であり、また、第2層が2層構造
である場合、既知のこの種の電子放射物質層に含有され
る結合剤の通常の濃度の約3分の1から約2分の1強の
範囲内であって、その分、接着強度が低下することにな
るが、塗布膜の第2層(電子放射物質層の第2層に対応
する塗布膜の第2層)は、1層構造のもの及び2層構造
のもののいずれも、塗布膜の第1層の表面側に被着され
るもので、被着された際には、塗布膜の第1層と塗布膜
の第2層との熱膨張係数がほぼ同じであることから、塗
布膜の第1層と塗布膜の第2層との間の接着強度が小さ
くても、酸化物陰極を備えた電子管の製造工程時に加わ
る熱ストレスも小さくなり、かかる熱ストレスに充分耐
えることができるものである。
【0024】そして、かかる構成を採用すれば、電子放
射物質層の第2層に含有される結合剤の濃度を通常の濃
度よりも低い濃度にしたので、酸化物陰極を製造する際
に、塗布膜の第2層の形成に用いる懸濁液の結合剤の量
を、既知のこの種の層の形成に用いる懸濁液の結合剤の
量よりも少なくすることができるので、その分、結合剤
から塗布膜の第2層への不純物の持込み量が少なくな
り、その結果、電子放射物質層の第2層中の不純物の量
を減らすことができ、簡単かつ安価な手段を用いるだけ
で、良好な電子放射特性を維持させることができるとと
もに、優れた初期特性を有する酸化物陰極を備えた電子
管が得られる。
射物質層の第2層に含有される結合剤の濃度を通常の濃
度よりも低い濃度にしたので、酸化物陰極を製造する際
に、塗布膜の第2層の形成に用いる懸濁液の結合剤の量
を、既知のこの種の層の形成に用いる懸濁液の結合剤の
量よりも少なくすることができるので、その分、結合剤
から塗布膜の第2層への不純物の持込み量が少なくな
り、その結果、電子放射物質層の第2層中の不純物の量
を減らすことができ、簡単かつ安価な手段を用いるだけ
で、良好な電子放射特性を維持させることができるとと
もに、優れた初期特性を有する酸化物陰極を備えた電子
管が得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0026】図1は、本発明に係わる酸化物陰極を備え
た電子管の一実施例を示す概要断面構成図であって、電
子管がカラー陰極線管である例を示すものである。
た電子管の一実施例を示す概要断面構成図であって、電
子管がカラー陰極線管である例を示すものである。
【0027】図1において、1はパネル部、2はファン
ネル部、3はネック部、4は螢光面、5はシャドウマス
ク、6は磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュリテ
イ調整用マグネット、9はセンタービームスタティック
コンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビーム
スタティックコンバーゼンス調整用マグネット、11は
電子銃、12は電子ビームである。
ネル部、3はネック部、4は螢光面、5はシャドウマス
ク、6は磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュリテ
イ調整用マグネット、9はセンタービームスタティック
コンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビーム
スタティックコンバーゼンス調整用マグネット、11は
電子銃、12は電子ビームである。
【0028】そして、カラー陰極線管を構成する管体
は、前側に配置されたパネル部1と、電子銃7を収納し
ているネック部3と、パネル部1とネック部3を連結す
るファンネル部2とからなっている。パネル部1は、内
面に螢光面4が配置形成され、この螢光面4に対向して
シャドウマスク5が配置される。パネル部1とファンネ
ル部2の結合部分の内側には、磁気シールド6が配置さ
れ、ファンネル部2とネック部3の連結部分の外側には
偏向ヨーク7が設けられる。ネック部3の外側に、ピュ
リテイ調整用マグネット8、センタービームスタティッ
クコンバーゼンス調整用マグネット9、サイドビームス
タティックコンバーゼンス調整用マグネット10が並設
配置され、ネック部3の内側に電子銃11が収納されて
いる。電子銃11は、酸化物陰極(図示なし)や各種の
電極からなっており、電子銃11から投射された3本の
電子ビーム12(図には1本だけが図示されている)
は、偏向ヨーク7によって所定方向に偏向された後、シ
ャドウマスク5を通して螢光面4における対応する色の
画素に到達するように構成されている。
は、前側に配置されたパネル部1と、電子銃7を収納し
ているネック部3と、パネル部1とネック部3を連結す
るファンネル部2とからなっている。パネル部1は、内
面に螢光面4が配置形成され、この螢光面4に対向して
シャドウマスク5が配置される。パネル部1とファンネ
ル部2の結合部分の内側には、磁気シールド6が配置さ
れ、ファンネル部2とネック部3の連結部分の外側には
偏向ヨーク7が設けられる。ネック部3の外側に、ピュ
リテイ調整用マグネット8、センタービームスタティッ
クコンバーゼンス調整用マグネット9、サイドビームス
タティックコンバーゼンス調整用マグネット10が並設
配置され、ネック部3の内側に電子銃11が収納されて
いる。電子銃11は、酸化物陰極(図示なし)や各種の
電極からなっており、電子銃11から投射された3本の
電子ビーム12(図には1本だけが図示されている)
は、偏向ヨーク7によって所定方向に偏向された後、シ
ャドウマスク5を通して螢光面4における対応する色の
画素に到達するように構成されている。
【0029】前記構成によるカラー陰極線管における動
作、即ち、画像表示動作は、既知のカラー陰極線管にお
ける画像表示動作と全く同じであるので、このカラー陰
極線管における画像表示動作については、その説明を省
略する。
作、即ち、画像表示動作は、既知のカラー陰極線管にお
ける画像表示動作と全く同じであるので、このカラー陰
極線管における画像表示動作については、その説明を省
略する。
【0030】続いて、図2は、図1に図示のカラー陰極
線管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の第1の実施
例を示す断面構成図である。
線管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の第1の実施
例を示す断面構成図である。
【0031】図2において、13は円筒状陰極スリー
ブ、14はニッケル(Ni)を主成分とし、シリコン
(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属
を含んだ組成の帽状の陰極基体、15は電子放射物質層
の第1層、16は電子放射物質層の第2層、17は陰極
ディスクである。この場合、電子放射物質層の第1層1
5は、含有される結合剤(バインダー材料で、例えば、
ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度になるように選
択構成され、電子放射物質層の第2層16は、含有され
る結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度の約
2分の1程度になるように選択構成される。
ブ、14はニッケル(Ni)を主成分とし、シリコン
(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金属
を含んだ組成の帽状の陰極基体、15は電子放射物質層
の第1層、16は電子放射物質層の第2層、17は陰極
ディスクである。この場合、電子放射物質層の第1層1
5は、含有される結合剤(バインダー材料で、例えば、
ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度になるように選
択構成され、電子放射物質層の第2層16は、含有され
る結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度の約
2分の1程度になるように選択構成される。
【0032】そして、円筒状陰極スリーブ13は、下端
部が陰極ディスク17の開口内に嵌め込まれて陰極ディ
スク17に対して立設配置され、上端部に帽状の陰極基
体14が嵌合される。帽状の陰極基体14は、頂部表面
に電子放射物質層の第1層15が被着形成され、電子放
射物質層の第1層15の表面に電子放射物質層の第2層
16が被着形成される。円筒状陰極スリーブ13には、
ヒーター(図示なし)が内包され、全体として傍熱型の
酸化物陰極が構成される。
部が陰極ディスク17の開口内に嵌め込まれて陰極ディ
スク17に対して立設配置され、上端部に帽状の陰極基
体14が嵌合される。帽状の陰極基体14は、頂部表面
に電子放射物質層の第1層15が被着形成され、電子放
射物質層の第1層15の表面に電子放射物質層の第2層
16が被着形成される。円筒状陰極スリーブ13には、
ヒーター(図示なし)が内包され、全体として傍熱型の
酸化物陰極が構成される。
【0033】前記構成による第1の実施例の酸化物陰極
において、帽状の陰極基体14の頂部表面に被着形成さ
れた電子放射物質層の第1層15は、含有される結合剤
(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度、即ち、既知
の酸化物陰極において、陰極基体にの被着形成された電
子放射物質層に含有される結合剤(ニトロセルロース)
の濃度とほぼ同じ濃度になるように選択形成されている
ので、酸化物陰極の製造工程における陰極基体14と塗
布膜の第1層(電子放射物質層の第1層15に対応する
塗布膜の第1層)との間の接着強度は、大きくなり、即
ち、既知の酸化物陰極における陰極基体と塗布膜(電子
放射物質層に対応する塗布膜)との間の接着強度と同等
の強度になり、陰極基体14と塗布膜の第1層との間の
熱膨張係数が異なっていても、カラー陰極線管の製造工
程時に加わる熱ストレスに基づいた接着剥離力に充分耐
えることができるものである。
において、帽状の陰極基体14の頂部表面に被着形成さ
れた電子放射物質層の第1層15は、含有される結合剤
(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度、即ち、既知
の酸化物陰極において、陰極基体にの被着形成された電
子放射物質層に含有される結合剤(ニトロセルロース)
の濃度とほぼ同じ濃度になるように選択形成されている
ので、酸化物陰極の製造工程における陰極基体14と塗
布膜の第1層(電子放射物質層の第1層15に対応する
塗布膜の第1層)との間の接着強度は、大きくなり、即
ち、既知の酸化物陰極における陰極基体と塗布膜(電子
放射物質層に対応する塗布膜)との間の接着強度と同等
の強度になり、陰極基体14と塗布膜の第1層との間の
熱膨張係数が異なっていても、カラー陰極線管の製造工
程時に加わる熱ストレスに基づいた接着剥離力に充分耐
えることができるものである。
【0034】また、前記構成による第1の実施例の酸化
物陰極において、電子放射物質層の第2層16は、含有
される結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度
よりも低い濃度になるように選択形成されており、酸化
物陰極の製造工程における塗布膜の第1層と塗布膜の第
2層(電子放射物質層の第2層16に対応する塗布膜の
第1層)との間の接着強度は、小さくなっている、即
ち、既知の酸化物陰極における陰極基体と塗布膜との間
の接着強度よりも弱い接着強度になっているが、塗布膜
の第1層と塗布膜の第2層との間の熱膨張係数はほぼ同
じであって、カラー陰極線管の製造工程時に加わる熱ス
トレスに基づいた接着剥離力が比較的小さいので、弱い
接着強度であっても、かかる接着剥離力に充分耐えるこ
とができるものである。
物陰極において、電子放射物質層の第2層16は、含有
される結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度
よりも低い濃度になるように選択形成されており、酸化
物陰極の製造工程における塗布膜の第1層と塗布膜の第
2層(電子放射物質層の第2層16に対応する塗布膜の
第1層)との間の接着強度は、小さくなっている、即
ち、既知の酸化物陰極における陰極基体と塗布膜との間
の接着強度よりも弱い接着強度になっているが、塗布膜
の第1層と塗布膜の第2層との間の熱膨張係数はほぼ同
じであって、カラー陰極線管の製造工程時に加わる熱ス
トレスに基づいた接着剥離力が比較的小さいので、弱い
接着強度であっても、かかる接着剥離力に充分耐えるこ
とができるものである。
【0035】そして、前記構成による第1の実施例の酸
化物陰極は、電子放射物質層の第2層16に含有される
結合剤(ニトロセルロース)の濃度を通常の濃度よりも
低い濃度にしているので、酸化物陰極を製造する際に、
塗布膜の第2層を形成する懸濁液に用いる結合剤の量
を、既知のこの種の層の形成に用いる結合剤(ニトロセ
ルロース)の量よりも少なくすることができるので、そ
の分、結合剤(ニトロセルロース)から塗布膜の第2層
内への不純物の持込み量が少なくなる。この結果、電子
放射物質層の第2層16中の不純物の量を減らすことが
でき、簡単かつ安価な手段を用いるだけで、良好な電子
放射特性を維持することができるとともに、優れた初期
特性を有する酸化物陰極を備えた電子管が得られる。
化物陰極は、電子放射物質層の第2層16に含有される
結合剤(ニトロセルロース)の濃度を通常の濃度よりも
低い濃度にしているので、酸化物陰極を製造する際に、
塗布膜の第2層を形成する懸濁液に用いる結合剤の量
を、既知のこの種の層の形成に用いる結合剤(ニトロセ
ルロース)の量よりも少なくすることができるので、そ
の分、結合剤(ニトロセルロース)から塗布膜の第2層
内への不純物の持込み量が少なくなる。この結果、電子
放射物質層の第2層16中の不純物の量を減らすことが
でき、簡単かつ安価な手段を用いるだけで、良好な電子
放射特性を維持することができるとともに、優れた初期
特性を有する酸化物陰極を備えた電子管が得られる。
【0036】次に、第1の実施例の酸化物陰極の製造工
程の1つの例を挙げると、次のとおりである。
程の1つの例を挙げると、次のとおりである。
【0037】まず、円筒状陰極スリーブ13の一端に、
帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円筒状
陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部分の少
なくとも一部を溶接し、円筒状陰極スリーブ13の一端
に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円筒状
陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部分の少
なくとも一部を溶接し、円筒状陰極スリーブ13の一端
に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
【0038】次いで、炭酸ジエチル12Kg、シュウ酸
ジエチル6Kg、ニトロセルロース40g、バリウム・
ストロンチウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを
混合し、第1の懸濁液を形成する。
ジエチル6Kg、ニトロセルロース40g、バリウム・
ストロンチウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを
混合し、第1の懸濁液を形成する。
【0039】さらに、炭酸ジエチル12Kg、シュウ酸
ジエチル6Kg、ニトロセルロース20g、バリウム・
ストロンチウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを
混合し、第2の懸濁液を形成する。
ジエチル6Kg、ニトロセルロース20g、バリウム・
ストロンチウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを
混合し、第2の懸濁液を形成する。
【0040】続いて、第1の懸濁液をスプレー法によっ
て帽状の陰極基体14の頂部表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第1層を形成する。
て帽状の陰極基体14の頂部表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第1層を形成する。
【0041】次いで、第2の懸濁液をスプレー法によっ
て塗布膜の第1層の表面に塗布し、約50μmの厚さの
塗布膜の第2層を形成する。
て塗布膜の第1層の表面に塗布し、約50μmの厚さの
塗布膜の第2層を形成する。
【0042】その後、円筒状陰極スリーブ13の内部に
ヒーターを収納し、傍熱型の酸化物陰極を形成させる。
ヒーターを収納し、傍熱型の酸化物陰極を形成させる。
【0043】ここで、第1の実施例の酸化物陰極の製造
工程の他の例を挙げると、次のとおりである。
工程の他の例を挙げると、次のとおりである。
【0044】まず、円筒状陰極スリーブ13の一端に、
帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円筒状
陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部分の少
なくとも一部を溶接し、円筒状陰極スリーブ13の一端
に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円筒状
陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部分の少
なくとも一部を溶接し、円筒状陰極スリーブ13の一端
に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
【0045】次いで、炭酸ジエチル6Kg、シュウ酸ジ
エチル3Kgの混合溶液にニトロセルロース40gを溶
解させた後、この溶液をメッシュ寸法0.2μmのフィ
ルターを用いてろ過する。その後、炭酸ジエチル6K
g、シュウ酸ジエチル3Kg、バリウム・ストロンチウ
ム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、第1
の懸濁液を形成する。
エチル3Kgの混合溶液にニトロセルロース40gを溶
解させた後、この溶液をメッシュ寸法0.2μmのフィ
ルターを用いてろ過する。その後、炭酸ジエチル6K
g、シュウ酸ジエチル3Kg、バリウム・ストロンチウ
ム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、第1
の懸濁液を形成する。
【0046】さらに、炭酸ジエチル6Kg、シュウ酸ジ
エチル3Kgの混合溶液にニトロセルロース20gを溶
解させた後、この溶液をメッシュ寸法0.2μmのフィ
ルターを用いてろ過する。その後、炭酸ジエチル6K
g、シュウ酸ジエチル3Kg、バリウム・ストロンチウ
ム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、第2
の懸濁液を形成する。
エチル3Kgの混合溶液にニトロセルロース20gを溶
解させた後、この溶液をメッシュ寸法0.2μmのフィ
ルターを用いてろ過する。その後、炭酸ジエチル6K
g、シュウ酸ジエチル3Kg、バリウム・ストロンチウ
ム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、第2
の懸濁液を形成する。
【0047】続いて、第1の懸濁液をスプレー法によっ
て帽状の陰極基体14の頂部表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第1層を形成する。
て帽状の陰極基体14の頂部表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第1層を形成する。
【0048】次いで、第2の懸濁液をスプレー法によっ
て塗布膜の第1層の表面に塗布し、約50μmの厚さの
塗布膜の第2層を形成する。
て塗布膜の第1層の表面に塗布し、約50μmの厚さの
塗布膜の第2層を形成する。
【0049】その後、円筒状陰極スリーブ13の内部に
ヒーターを収納し、傍熱型の酸化物陰極を形成させる。
ヒーターを収納し、傍熱型の酸化物陰極を形成させる。
【0050】また、図3は、図1に図示のカラー陰極線
管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の第2の実施例
を示す断面構成図である。
管の電子銃11に用いられる酸化物陰極の第2の実施例
を示す断面構成図である。
【0051】図3において、16Dは電子放射物質層の
第2層16の下側層、16Uは電子放射物質層の第2層
16の上側層であって、その他、図2に示された構成要
素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。こ
の場合、下側層16Dは、電子放射物質層の第1層15
の表面に被着形成され、上側層16Uは、下側層16D
の表面に被着形成される。下側層16Dと上側層16U
は、含有される結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通
常の濃度よりも低い濃度に選択構成されるとともに、下
側層16Dと上側層16Uとの間で含有される結合剤
(ニトロセルロース)の濃度が異なるように選択構成さ
れているもので、下側層16Dに含有される結合剤(ニ
トロセルロース)の濃度が上側層16Uに含有される結
合剤(ニトロセルロース)の濃度よりも小さくなるよう
に選択構成されている。
第2層16の下側層、16Uは電子放射物質層の第2層
16の上側層であって、その他、図2に示された構成要
素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。こ
の場合、下側層16Dは、電子放射物質層の第1層15
の表面に被着形成され、上側層16Uは、下側層16D
の表面に被着形成される。下側層16Dと上側層16U
は、含有される結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通
常の濃度よりも低い濃度に選択構成されるとともに、下
側層16Dと上側層16Uとの間で含有される結合剤
(ニトロセルロース)の濃度が異なるように選択構成さ
れているもので、下側層16Dに含有される結合剤(ニ
トロセルロース)の濃度が上側層16Uに含有される結
合剤(ニトロセルロース)の濃度よりも小さくなるよう
に選択構成されている。
【0052】ところで、この酸化物陰極の第2の実施例
と前述の酸化物陰極の第1の実施例との構成の違いは、
電子放射物質層の第2層16に関して、第1の実施例が
1重構造であるのに対して、第2の実施例が下側層16
Dと上側層16Uとからなる2重構造である点だけであ
って、その他、第2の実施例と第1の実施例との間に構
成の違いはない。このため、第2の実施例の構成につい
ては、これ以上の詳しい説明は、省略する。
と前述の酸化物陰極の第1の実施例との構成の違いは、
電子放射物質層の第2層16に関して、第1の実施例が
1重構造であるのに対して、第2の実施例が下側層16
Dと上側層16Uとからなる2重構造である点だけであ
って、その他、第2の実施例と第1の実施例との間に構
成の違いはない。このため、第2の実施例の構成につい
ては、これ以上の詳しい説明は、省略する。
【0053】前記構成による第2の実施例の酸化物陰極
において、電子放射物質層の第1層15は、第1の実施
例の電子放射物質層の第1層15と同様に、含有される
結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度とほぼ
同じ濃度になるように選択形成されているので、酸化物
陰極の製造工程時の陰極基体14と塗布膜の第1層との
間の接着強度は大きくなり、陰極基体14と塗布膜の第
1層との間の熱膨張係数が異なっていても、カラー陰極
線管の製造工程時に加わる熱ストレスに基づいた接着剥
離力に充分耐えることができる。
において、電子放射物質層の第1層15は、第1の実施
例の電子放射物質層の第1層15と同様に、含有される
結合剤(ニトロセルロース)の濃度が通常の濃度とほぼ
同じ濃度になるように選択形成されているので、酸化物
陰極の製造工程時の陰極基体14と塗布膜の第1層との
間の接着強度は大きくなり、陰極基体14と塗布膜の第
1層との間の熱膨張係数が異なっていても、カラー陰極
線管の製造工程時に加わる熱ストレスに基づいた接着剥
離力に充分耐えることができる。
【0054】また、前記構成による第2の実施例の酸化
物陰極において、電子放射物質層の第2層16の下側層
16D及び上側層16Uは、第1の実施例の電子放射物
質層の第2層16と同様に、含有される結合剤(ニトロ
セルロース)の濃度が通常の濃度よりも低い濃度になる
ように選択形成され、酸化物陰極の製造工程時の塗布膜
の第1層と塗布膜の第2層の下側層(電子放射物質層の
第2層16の下側層16Dに対応する塗布膜の第2層の
下側層)との間の接着強度、及び、塗布膜の第2層の下
側層と塗布膜の第2層の上側層(電子放射物質層の第2
層16の上側層16Uに対応する塗布膜の第2層の上側
層)との間の接着強度はそれぞれ小さくなっているが、
塗布膜の第1層と塗布膜の第2層の下側層、塗布膜の第
2層の下側層と塗布膜の第2層の上側層の間の熱膨張係
数はほぼ同じであって、カラー陰極線管の製造工程時に
加わる熱ストレスに基づいた接着剥離力がそれぞれ比較
的小さいので、弱い接着強度であっても、かかる接着剥
離力に充分耐えることができるものである。
物陰極において、電子放射物質層の第2層16の下側層
16D及び上側層16Uは、第1の実施例の電子放射物
質層の第2層16と同様に、含有される結合剤(ニトロ
セルロース)の濃度が通常の濃度よりも低い濃度になる
ように選択形成され、酸化物陰極の製造工程時の塗布膜
の第1層と塗布膜の第2層の下側層(電子放射物質層の
第2層16の下側層16Dに対応する塗布膜の第2層の
下側層)との間の接着強度、及び、塗布膜の第2層の下
側層と塗布膜の第2層の上側層(電子放射物質層の第2
層16の上側層16Uに対応する塗布膜の第2層の上側
層)との間の接着強度はそれぞれ小さくなっているが、
塗布膜の第1層と塗布膜の第2層の下側層、塗布膜の第
2層の下側層と塗布膜の第2層の上側層の間の熱膨張係
数はほぼ同じであって、カラー陰極線管の製造工程時に
加わる熱ストレスに基づいた接着剥離力がそれぞれ比較
的小さいので、弱い接着強度であっても、かかる接着剥
離力に充分耐えることができるものである。
【0055】そして、前記構成による第1の実施例の酸
化物陰極は、電子放射物質層の第2層16の下側層16
D及び上側層16Uに含有される結合剤(ニトロセルロ
ース)の濃度を通常の濃度よりも低い濃度にしているの
で、酸化物陰極を製造する際に、塗布膜の第2層を形成
する懸濁液に用いる結合剤の量を、既知のこの種の層の
形成に用いる結合剤(ニトロセルロース)の量よりも少
なくすることができ、その上に、電子放射物質層の第2
層16の下側層16Dに含有される結合剤(ニトロセル
ロース)の濃度を電子放射物質層の第2層16の上側層
16Uに含有される結合剤(ニトロセルロース)の濃度
よりも少なくしているので、結合剤(ニトロセルロー
ス)から塗布膜の第2層の上側層及び下側層内への不純
物の持込み量がかなり少なくなる。この結果、電子放射
物質層の第2層16の下側層16D及び上側層16U中
の不純物の量を相当量減らすことができ、より良好な電
子放射特性と優れた初期特性とを有する酸化物陰極を備
えた電子管が得られる。
化物陰極は、電子放射物質層の第2層16の下側層16
D及び上側層16Uに含有される結合剤(ニトロセルロ
ース)の濃度を通常の濃度よりも低い濃度にしているの
で、酸化物陰極を製造する際に、塗布膜の第2層を形成
する懸濁液に用いる結合剤の量を、既知のこの種の層の
形成に用いる結合剤(ニトロセルロース)の量よりも少
なくすることができ、その上に、電子放射物質層の第2
層16の下側層16Dに含有される結合剤(ニトロセル
ロース)の濃度を電子放射物質層の第2層16の上側層
16Uに含有される結合剤(ニトロセルロース)の濃度
よりも少なくしているので、結合剤(ニトロセルロー
ス)から塗布膜の第2層の上側層及び下側層内への不純
物の持込み量がかなり少なくなる。この結果、電子放射
物質層の第2層16の下側層16D及び上側層16U中
の不純物の量を相当量減らすことができ、より良好な電
子放射特性と優れた初期特性とを有する酸化物陰極を備
えた電子管が得られる。
【0056】ここで、第2の実施例の酸化物陰極の製造
工程の一例を挙げると、次のとおりである。
工程の一例を挙げると、次のとおりである。
【0057】まず、円筒状陰極スリーブ13の一端に、
帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円筒状
陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部分の少
なくとも一部を溶接し、円筒状陰極スリーブ13の一端
に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
帽状の陰極基体14の開口部を嵌合し、その後、円筒状
陰極スリーブ13と帽状の陰極基体14の嵌合部分の少
なくとも一部を溶接し、円筒状陰極スリーブ13の一端
に帽状の陰極基体14を嵌合固定する。
【0058】次いで、酢酸ブチル12Kg、酢酸アミル
6Kg、ニトロセルロース40g、バリウム・ストロン
チウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、
第1の懸濁液を形成する。
6Kg、ニトロセルロース40g、バリウム・ストロン
チウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、
第1の懸濁液を形成する。
【0059】また、酢酸ブチル12Kg、酢酸アミル6
Kg、ニトロセルロース15g、バリウム・ストロンチ
ウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、第
2の懸濁液を形成する。
Kg、ニトロセルロース15g、バリウム・ストロンチ
ウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、第
2の懸濁液を形成する。
【0060】さらに、酢酸ブチル12Kg、酢酸アミル
6Kg、ニトロセルロース25g、バリウム・ストロン
チウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、
第3の懸濁液を形成する。
6Kg、ニトロセルロース25g、バリウム・ストロン
チウム・カルシウムの各炭酸塩粉末12Kgを混合し、
第3の懸濁液を形成する。
【0061】続いて、第1の懸濁液をスプレー法によっ
て帽状の陰極基体14の頂部表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第1層を形成する。
て帽状の陰極基体14の頂部表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第1層を形成する。
【0062】次に、第2の懸濁液をスプレー法によって
塗布膜の第1層の表面に塗布し、約30μmの厚さの塗
布膜の第2層の下側層を形成する。
塗布膜の第1層の表面に塗布し、約30μmの厚さの塗
布膜の第2層の下側層を形成する。
【0063】次いで、第3の懸濁液をスプレー法によっ
て塗布膜の第2層の下側層の表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第2層の上側層を形成する。
て塗布膜の第2層の下側層の表面に塗布し、約20μm
の厚さの塗布膜の第2層の上側層を形成する。
【0064】その後、円筒状陰極スリーブ13の内部に
ヒーターを収納し、傍熱型の酸化物陰極を形成させる。
ヒーターを収納し、傍熱型の酸化物陰極を形成させる。
【0065】なお、前述の酸化物陰極の各実施例におい
ては、電子放射物質層の第2層16または電子放射物質
層の第2層16の下側層16D及び上側層16Uを形成
する場合に、結合剤(バインダー材料)としてニトロセ
ルロースを用いた例を挙げて説明したが、本発明に用い
られる結合剤はニトロセルロースに限られず、他の類似
のバインダー材料を用いてもよいことは勿論である。
ては、電子放射物質層の第2層16または電子放射物質
層の第2層16の下側層16D及び上側層16Uを形成
する場合に、結合剤(バインダー材料)としてニトロセ
ルロースを用いた例を挙げて説明したが、本発明に用い
られる結合剤はニトロセルロースに限られず、他の類似
のバインダー材料を用いてもよいことは勿論である。
【0066】また、前述の酸化物陰極の各実施例におい
ては、電子放射物質層の第2層16または電子放射物質
層の第2層16の下側層16D及び上側層16Uを形成
する場合に、懸濁液を形成する際のそれぞれの組成材料
とそれらの成分量を具体的に挙げて説明したが、本発明
における懸濁液を形成する際のそれぞれ組成材料及び組
成材料の成分量は前述のものに限られず、組成材料を類
似の材料に変更したり、成分量を適宜変更することがで
きる。
ては、電子放射物質層の第2層16または電子放射物質
層の第2層16の下側層16D及び上側層16Uを形成
する場合に、懸濁液を形成する際のそれぞれの組成材料
とそれらの成分量を具体的に挙げて説明したが、本発明
における懸濁液を形成する際のそれぞれ組成材料及び組
成材料の成分量は前述のものに限られず、組成材料を類
似の材料に変更したり、成分量を適宜変更することがで
きる。
【0067】さらに、前述の実施例においては、電子管
としてカラー陰極線管に適用した例を挙げて説明した
が、本発明による電子管はカラー陰極線管に限られるも
のでなく、酸化物陰極から高電流を継続的に導出させる
必要がある電子管であれば、他の形式の電子管にも同様
に適用することができる。
としてカラー陰極線管に適用した例を挙げて説明した
が、本発明による電子管はカラー陰極線管に限られるも
のでなく、酸化物陰極から高電流を継続的に導出させる
必要がある電子管であれば、他の形式の電子管にも同様
に適用することができる。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
子放射物質層の第2層に含有される結合剤の濃度を、電
子放射物質層の第1層に含有される結合剤の通常の濃度
(既知のこの種の電子放射物質層に含有される結合剤の
濃度とほぼ同じ)よりも低くしているので、酸化物陰極
を製造する際に、塗布膜の第2層(電子放射物質層の第
2層に対応する層)の形成に用いる懸濁液の結合剤の量
を、既知のこの種の層の形成に用いる懸濁液の結合剤の
量よりも少なくすることができ、その分、結合剤から塗
布膜の第2層への不純物の持込み量が少なくなる。
子放射物質層の第2層に含有される結合剤の濃度を、電
子放射物質層の第1層に含有される結合剤の通常の濃度
(既知のこの種の電子放射物質層に含有される結合剤の
濃度とほぼ同じ)よりも低くしているので、酸化物陰極
を製造する際に、塗布膜の第2層(電子放射物質層の第
2層に対応する層)の形成に用いる懸濁液の結合剤の量
を、既知のこの種の層の形成に用いる懸濁液の結合剤の
量よりも少なくすることができ、その分、結合剤から塗
布膜の第2層への不純物の持込み量が少なくなる。
【0069】その結果、電子放射物質層の第2層中の不
純物の量を減らすことができ、簡単かつ安価な手段を用
いるだけで、良好な電子放射特性を維持させることがで
きるとともに、優れた初期特性を有する酸化物陰極を備
えた電子管を得ることができるという効果がある。
純物の量を減らすことができ、簡単かつ安価な手段を用
いるだけで、良好な電子放射特性を維持させることがで
きるとともに、優れた初期特性を有する酸化物陰極を備
えた電子管を得ることができるという効果がある。
【0070】この場合、電子放射物質層の第2層を下側
層と上側層の2層構造にし、下側層に含有される結合剤
の濃度と上側層に含有される結合剤の濃度とを異ならせ
る、具体的には、下側層に含有される結合剤の濃度を上
側層に含有される結合剤の濃度よりも低くすれば、塗布
膜の第2層の下側層と上側層(電子放射物質層の第2層
の下側層と上側層に対応する層)の形成に用いる懸濁液
の結合剤の量がさらに少なくなり、結合剤から塗布膜の
第2層の下側層と上側層への不純物の持込み量がより少
なくなるので、電子放射物質層の第2層の下側層と上側
層中の不純物の量を減らすことができ、同様に、簡単か
つ安価な手段を用いるだけで、より良好な電子放射特性
を維持させることができるとともに、優れた初期特性を
有する酸化物陰極を備えた電子管を得ることができると
いう効果がある。
層と上側層の2層構造にし、下側層に含有される結合剤
の濃度と上側層に含有される結合剤の濃度とを異ならせ
る、具体的には、下側層に含有される結合剤の濃度を上
側層に含有される結合剤の濃度よりも低くすれば、塗布
膜の第2層の下側層と上側層(電子放射物質層の第2層
の下側層と上側層に対応する層)の形成に用いる懸濁液
の結合剤の量がさらに少なくなり、結合剤から塗布膜の
第2層の下側層と上側層への不純物の持込み量がより少
なくなるので、電子放射物質層の第2層の下側層と上側
層中の不純物の量を減らすことができ、同様に、簡単か
つ安価な手段を用いるだけで、より良好な電子放射特性
を維持させることができるとともに、優れた初期特性を
有する酸化物陰極を備えた電子管を得ることができると
いう効果がある。
【図1】本発明に係わる酸化物陰極を備えた電子管の一
実施例を示す概要断面構成図である。
実施例を示す概要断面構成図である。
【図2】図1に図示のカラー陰極線管の電子銃に用いら
れる酸化物陰極の第1の実施例を示す断面構成図であ
る。
れる酸化物陰極の第1の実施例を示す断面構成図であ
る。
【図3】図1に図示のカラー陰極線管の電子銃に用いら
れる酸化物陰極の第2の実施例を示す断面構成図であ
る。
れる酸化物陰極の第2の実施例を示す断面構成図であ
る。
1 パネル部 2 ファンネル部 3 ネック部 4 螢光面 5 シャドウマスク 6 磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整用マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム 13 円筒状陰極スリーブ 14 帽状の陰極基体 15 電子放射物質層の第1層 16 電子放射物質層の第2層 16D 第2層16の下側層 16U 第2層16の上側層 17 陰極ディスク
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム 13 円筒状陰極スリーブ 14 帽状の陰極基体 15 電子放射物質層の第1層 16 電子放射物質層の第2層 16D 第2層16の下側層 16U 第2層16の上側層 17 陰極ディスク
Claims (4)
- 【請求項1】 ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体と、前記陰極基体の表面に被着さ
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)等のアルカリ土類金属酸化物からなる電
子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
いて、前記電子放射物質層を、前記陰極基体の表面に炭
酸塩として結合剤により被着され、前記結合剤の含有濃
度が通常値の第1層と、前記第1層の表面に被着され、
結合剤の含有濃度が前記通常値よりも低い値の第2層と
で構成したことを特徴とする酸化物陰極を備えた電子
管。 - 【請求項2】 前記第2層は、前記第1層の表面に被着
された下側層と、前記下側層の表面に被着された上側層
の2層構造からなり、前記下側層と前記上側層の結合剤
の含有濃度が互いに異なっていることを特徴とする請求
項1に記載の酸化物陰極を備えた電子管。 - 【請求項3】 ニッケル(Ni)を主成分とし、シリコ
ン(Si)やマグネシウム(Mg)等の微量の還元性金
属を含有した陰極基体と、前記陰極基体の表面に被着さ
れ、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カル
シウム(Ca)等のアルカリ土類金属酸化物からなる電
子放射物質層とを有する酸化物陰極を備えた電子管にお
いて、前記電子放射物質層を、前記陰極基体の表面に炭
酸塩として結合剤により被着された2層以上の構造から
なり、前記結合剤の含有濃度が前記陰極基体側の層が大
きくなっていることを特徴とする酸化物陰極を備えた電
子管。 - 【請求項4】 前記結合剤は、ニトロセルロースである
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の酸化物
陰極を備えた電子管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2133896A JPH09219139A (ja) | 1996-02-07 | 1996-02-07 | 酸化物陰極を備えた電子管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2133896A JPH09219139A (ja) | 1996-02-07 | 1996-02-07 | 酸化物陰極を備えた電子管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09219139A true JPH09219139A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=12052342
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2133896A Pending JPH09219139A (ja) | 1996-02-07 | 1996-02-07 | 酸化物陰極を備えた電子管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09219139A (ja) |
-
1996
- 1996-02-07 JP JP2133896A patent/JPH09219139A/ja active Pending
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