JP2000357464A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2000357464A
JP2000357464A JP11166764A JP16676499A JP2000357464A JP 2000357464 A JP2000357464 A JP 2000357464A JP 11166764 A JP11166764 A JP 11166764A JP 16676499 A JP16676499 A JP 16676499A JP 2000357464 A JP2000357464 A JP 2000357464A
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layer
ray tube
earth metal
cathode ray
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Yukio Koizumi
幸生 小泉
Hisafumi Komiya
寿文 小宮
Norio Iwamura
則夫 岩村
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Hitachi Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/13Solid thermionic cathodes
    • H01J1/14Solid thermionic cathodes characterised by the material
    • H01J1/142Solid thermionic cathodes characterised by the material with alkaline-earth metal oxides, or such oxides used in conjunction with reducing agents, as an emissive material

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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極からの高電流動作に適し、陰極線管の高輝
度化とフォーカス性能の向上を図ると共に、出画時間を
短縮する。 【解決手段】電子銃を構成する陰極40の電子放射物質
層42を、当該陰極40の基体金属41の表面に形成さ
れたアルカリ土類金属酸化物を含む第1層421と、第
1層421の表面に形成され平均粒径が0.2〜1.0
μmの希土類金属酸化物を0.1〜10重量%含んだア
ルカリ土類金属酸化物からなる第2層422とで構成
し、基体金属41をニッケルを主成分とし、これに少な
くともマグネシウム、シリコンなどの1種又は複数の還
元性金属をで形成し、かつ電子放射物質層42と接する
部分の板厚を0.10〜0.15mmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放射物質層を
有する陰極を備えたカラー受像管、カラーディスプレー
管などの陰極線管に係り、特に、高電流動作特性の改良
と出画時間の短縮を図った陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の陰極線管、例えばOA機器端末
用モニタに用いられるカラ−陰極線管は一般に3色の蛍
光体絵素を塗布した蛍光面を有するパネル部と、電子銃
を収容するネック部、および上記パネル部とネック部を
連接するファンネル部とからなる真空外囲器を有する。
【0003】上記した陰極線管に用いられる電子銃は、
3本の電子ビ−ムを水平方向に発生する為の陰極と、こ
の陰極に連なる複数個の電極を有し、前記電子ビ−ムは
その進行方向に沿って形成される主電子レンズを通り、
所要の加速、集束を受けて蛍光面方向に出射する。
【0004】一方、前記蛍光面は、ドットあるいはスト
ライプの形状からなる3色の蛍光体絵素が一定の配列ピ
ッチで配置されて構成されている。又、前記蛍光面に近
接してこの蛍光面と前記電子銃との間にシャドウマスク
のような色選択機構が配置されている。
【0005】この様な陰極線管において、前記電子銃の
陰極は、金属基体の表面に電子放射物質層を被着し、ヒ
−タによって前記金属基体を加熱して前記電子放射物質
層から電子放射を行う構成となっている。
【0006】前記電子放射物質層としては、高電流動作
特性に適するもので、基体金属と電子放射物質層の剥離
を防止するため、複数層、例えば2層構造が採られたも
のもあり、その際は基体金属側の第1層は、アルカリ土
類金属(バリウム・ストロンチウム・カルシウム)共沈
結晶による酸化物粒子で構成されており、上層、すなわ
ち第2層は第1層のアルカリ土類金属酸化物粒子に希土
類金属酸化物を1〜3wt%分散したものが用いられて
いる。前記第2層の希土類金属酸化物としては、バリウ
ムとスカンジウムの複合酸化物であるバリウムスカンデ
ート(Ba2 Sc2 5 、BaSc2 4 、Ba3 Sc
4 9 )を用いている。
【0007】これらのアルカリ土類金属酸化物(Ba
O、SrO、CaO)と、これに分散した希土類金属酸
化物により構成される電子放射物質層の場合、動作温度
は、通常1000Kである。
【0008】基体金属中の還元剤はこの温度により陰極
基体金属表面に拡散し、アルカリ土類金属酸化物(Ba
O)と還元反応を行う。基体金属の板厚が厚いほど、長
時間にわたって還元剤が表面に拡散し、この結果長寿命
となる。これらの詳細については、例えば特開平5−1
2983号公報に開示されている。
【0009】一方、陰極の基体金属としては、ニッケル
を主成分とし、これに還元性元素であるシリコン(S
i)やマグネシウム(Mg)などを少量含有しているも
のが知られている。
【0010】この基体金属の性状については、陰極から
の電子放射のメカニズムとの関連がある。このメカニズ
ムには諸説あるが、一般的には前記基体金属中の還元剤
が酸化バリウムを還元して遊離バリウム(Ba)を形成
し、この遊離バリウムが電子放射物質層中を拡散し、ア
ルカリ金属酸化物中にドナーレベルを形成することによ
り電子放射すると考えられている。
【0011】通常、エミッション寿命は、「陰極基体金
属中の還元剤の消耗」と「電子放射物質(BaO)の蒸
発」によって決まるが、陰極基体金属中の還元剤の消耗
に関しては、板厚が厚いほど、拡散に要する時間が長
く、長寿命となる。
【0012】このため、従来この板厚は、希土類金属分
散カソード以前の仕様を踏襲して0.19mmが賞用さ
れている。又、電子放射物質(BaO)の蒸発は電子放
射物質層の温度で決まるが、基体金属中の還元剤の消耗
に関しては、バリウムスカンデート分散の効果で低減す
ることが出来る。
【0013】つまり、電子放射物質層の遊離バリウム濃
度が高いため、基体金属中の還元剤による酸化バリウム
の還元反応が抑制され、還元剤の消耗が軽減される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例は、電
子放射物質層を2層構造とし希土類金属酸化物を分散す
ることでエミッション寿命特性に関しては十分配慮され
ているが、カラーディスプレー管などの陰極線管の出画
時間(モニターなどの画像表示セットのスイッチを入れ
てから画像が出るまでの時間)については何ら考慮され
ていない。
【0015】この出画時間は、電子放射物質層が所定の
温度となるまでの時間であり、ヒータ・陰極系の熱容量
で決まる。特にパーソナルコンピューター(PC)など
の情報機器のモニターに用いられるカラーディスプレー
管の場合、PCの省電力化を図るため、未使用時(待機
時間)に自動的にヒータ電源を切るように構成される傾
向にある。そのため、電源を切った後、再度使用する時
に前記の出画時間が問題となる。
【0016】経験的には、設定輝度の50%になるまで
の時間が8秒以下(画面がぼんやりと光る時間としては
3〜4秒)であることが必要であり、これ以上の時間を
要すると使用者が不快感を持つ場合が有る。
【0017】又、省エネルギ−、地球環境保全等の見地
からも、省電力化は必須であり、待機時間終了後のヒー
タ電源が印加されたときの出画時間の短縮が求められて
いる。
【0018】本発明は、上記の問題点を解決するもので
あり、その目的は、高電流動作・エミッション寿命等の
基本的な特性を維持し、出画時間の速いカラーディスプ
レー管などの陰極線管を提供することに有る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の典型的な構成を記述すれば次の通りであ
る。すなわち、 (1)蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容したネ
ック部、およびパネル部とネック部を連接するファンネ
ル部とからなる真空外囲器を有し、前記電子銃が基体金
属の表面に電子放射物質層を有する陰極を備えた陰極線
管であって、前記陰極は、前記電子放射物質層が前記基
体金属の表面に形成されたアルカリ土類金属酸化物を含
む第1層及びこの第1層の表面に形成され平均粒径が
0.2〜1.0μmの希土類金属酸化物を0.1〜10
重量%含んだアルカリ土類金属酸化物からなる第2層を
有し、前記基体金属がニッケルを主成分としこれに少な
くともマグネシウム、シリコンなどの1種又は複数の還
元性金属を含み、かつ前記電子放射物質層と接する部分
の板厚を0.10〜0.15mmとした。
【0020】(2)前記第2層を、平均粒径が0.20
〜1.0μmのマグネシュウム及びシリコンのいずれか
一方又は両方の酸化物を0.1〜10重量%含んだアル
カリ土類金属酸化物から構成した。
【0021】上記(1)、(2)に記載の構成とするこ
とにより、エミッション寿命特性のような陰極特性の長
寿命化の確保と、出画時間の短縮が可能となる。
【0022】(3)前記第2層を、平均粒径が0.2〜
1.0μmの少なくとも酸化スカンジウムと、バリウム
とスカンジウムの複合酸化物(バリウムスカンデート)
を含有する共沈結晶を0.1〜10重量%含んだアルカ
リ土類金属酸化物で構成した。
【0023】(4)前記バリウムとスカンジウムの複合
酸化物(バリウムスカンデート)を、Ba2 Sc
2 5 、Ba3 Sc4 9 、BaSc2 4 の何れかと
した。
【0024】上記(3)、(4)に記載の構成とするこ
とにより、バリウムスカンデート分散の効果で電子放射
物質層中の遊離バリウム濃度を高い状態で維持すること
ができる。この結果、ドナーレベルの濃度が高い状態が
継続し、ジュール熱の発生が少ないため高電流動作が可
能となる。またバリウムの蒸発を抑制し、遊離バリウム
濃度を高い状態で維持することが出来るため、長寿命エ
ミッション特性を得ることが出来る。
【0025】(5)前記陰極にカップ状の基体金属を有
し、かつ前記基体金属の側壁の板厚を、前記基体金属の
頂部の前記電子放射物質層と接する部分の板厚の1/5
〜3/5とした。
【0026】この構成としたことにより、エミッション
寿命特性等の陰極特性の長寿命化の確保と、出画時間の
短縮が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【0028】図1は本発明による陰極線管の一実施例を
示すシャドウマスク形カラ−陰極線管の全体構造例を説
明するための断面図である。11はパネル部、12はネ
ック部、13はファンネル部、14は蛍光面、15は多
数の電子ビーム通過孔を有するシャドウマスク、16は
マスクフレーム、17は磁気シールド、18はシャドウ
マスク懸架機構、19は3本の電子ビームBc(センタ
ー電子ビーム),Bs(2本のサイド電子ビーム)を発
射する電子銃、DYは電子ビームを水平と垂直に偏向す
る偏向ヨーク、MAはピュリティ補正等の外部磁気装置
である。
【0029】このカラー陰極線管は、蛍光面14を内面
に有するパネル部11と、ファンネル部13とは、パネ
ル部11とファンネル部13で形成されるバルブ内部に
シャドウマスク15および磁気シールド17等を固定し
たマスクフレーム16をシャドウマスク懸架機構18で
装架し、パネル部11と、ファンネル部13とをフリッ
トガラスで溶着固定し、ネック部12に電子銃19を封
入して真空封止した真空外囲器で構成される。
【0030】ネック部12に収容された電子銃19から
発射された3本の電子ビームBc、Bsは、ネック部1
2とファンネル部13の遷移部分に外装された偏向ヨー
クDYで水平と垂直の2方向に偏向を受け、色選択機構
であるシャドウマスク15の電子ビーム通過孔を通して
蛍光面14を構成する所定色の蛍光体絵素に射突するこ
とにより画像を形成する。
【0031】図2は本発明のカラ−陰極線管に用いられ
る電子銃の構造例を説明するための平面図である。20
はカソード構体で、このカソード構体20は後述する図
3及び図4にその一例の詳細を示す。21は第1電極
(制御電極)、22は第2電極(加速電極)、23、2
4及び25はそれぞれ第3電極、第4電極及び第5電極
(集束電極)、26は第6電極(陽極)、27はマルチ
フォームガラス、28はステムピンである。
【0032】カソード構体20乃至第6電極26迄の各
電極は、一対のマルチフォームガラス27にその電極支
持片を埋設して同軸に固定される。
【0033】カソード構体20から発射された電子ビー
ムは第1電極21、第2電極22、第3電極23、第4
電極24、第5電極25、および第6電極26で所要の
加速,集束を受け、第6電極26から蛍光面方向に出射
する。なお、ステムピン28は、電子銃19を構成する
所定の電極に必要とする電圧および画像信号を印加する
端子である。
【0034】図3は図2の要部拡大断面図であり、カソ
ード構体20はその内側にヒータ31を配置し、このヒ
ータ31は下端でヒータサポート32と固着されてい
る。符号33はカソードアイレットで、このカソードア
イレット33はその下端で前記カソード構体20を保持
すると共にカソード支持用ビードサポート34と固着し
てカソード構体20を電子銃の所定の位置に固定してい
る。
【0035】図4は図3の要部拡大断面図であり、符号
40は陰極で、この陰極40はカップ状の基体金属41
とこの基体金属41の頂部表面41aに形成された電子
放射物質層42とから構成されている。符号43は陰極
スリ−ブであり、この陰極スリ−ブ43は一端側を陰極
40の基体金属41の側壁41bと固定し、他端側は陰
極デイスク44と固定している。そして、これら陰極4
0、陰極スリーブ43及び陰極デイスク44でカソード
構体20を構成している。
【0036】前記基体金属41はニッケル(Ni)を主
成分とし、その中に少量のシリコン(Si)やマグネシ
ウム(Mg)の還元性金属を含んだ金属材料で構成され
ている。電子放射物質層42を塗布した頂部表面41a
の部分の板厚t1は、この例では0.14mmである。
【0037】そして、基体金属の側壁高さhを0.5m
m、側壁41bの板厚t2を0.05mm、比重:8.
9で、比熱は0.148cal/℃/gで、重量は3.
4mgとしている。
【0038】前記t1,t2の関係はt2/t1=1/
5〜3/5が望ましく、この比を小さくすることで板厚
t1を大きくし、基体金属中の還元剤の消耗時間を長く
するように配慮出来る。
【0039】また、陰極スリーブ43の板厚も、出画時
間の短縮を考慮して0.018mmと薄くし、かつ直径
1.57mmとしている。これらの基体金属41と陰極
スリーブ43及び陰極ディスク44は、通常のレーザ溶
接で固定している。
【0040】ここで、還元性金属としてシリコン、マグ
ネシウムの一方又は両方を用いることで、板厚t1を薄
くしても、還元剤の拡散やBa生成量を所望の値に確保
出来る。
【0041】電子放射物質層42は、アルカリ土類金属
酸化物からなる第1層421と、希土類金属酸化物、例
えばバリウムスカンデート(Ba2 Sc2 5 )等の複
合酸化物を約1重量%分散したアルカリ土類金属酸化物
からなる第2層422とによって構成された2層構造で
あり、基体金属41に通常のスプレー法により塗布され
ている。
【0042】本実施例の電子放射物質層42では、アル
カリ土類金属酸化物からなる第1層421は、バリウム
・ストロンチウム・カルシウムの炭酸塩[(Ba・Sr
・Ca)CO3 ]等からなるものであり、希土類金属酸
化物を含んだアルカリ土類金属酸化物からなる第2層4
22は、バリウムスカンデート(Ba2 Sc2 5 )を
分散したバリウム・ストロンチウム・カルシウムの炭酸
塩[(Ba・Sr・Ca)CO3 ]からなるものであ
る。
【0043】図5は前記第2層422に含まれる希土類
金属酸化物、例えばバリウムスカンデート(Ba2 Sc
2 5 )等の、分散粒径と電子放射寿命特性との関係
を、後述する仕様の陰極を実装した陰極線管を用いた強
制試験(カソードローデイング:6A/cm2 )の結果
を基に示した動作特性図である。
【0044】同図において、線Aは本実施例のバリウム
スカンデートの平均粒径が0.5μmのものを、また線
Bは従来の構造の平均粒径が1.5μmのものをそれぞ
れ示している。
【0045】この図から明らかなように、線Bの平均粒
径が1.5μmの従来の粒径を用いたものでは、動作開
始と共に陽極電流の低下の変化が大きくなり、特性劣化
が早く、結果的に長寿命化が困難となることが判る。
【0046】一方、線Aで示す平均粒径が0.5μmの
本実施例のものは、特性劣化が従来のものに比べて小さ
く長寿命化が可能であることが明らかである。
【0047】上述を含め、本発明者等が種々の実験を行
った結果、添加する希土類金属酸化物の平均粒径が1.
0μmを越えると特性劣化が早くなって長寿命化が困難
となり、一方0.2μm未満では主体となるアルカリ土
類金属酸化物に比較して希土類金属酸化物の粒径が小さ
いため、却ってこの希土類金属酸化物を含ませたことに
よる機能が劣化し、長寿命化が困難となることが明らか
となった。
【0048】次に、上述のアルカリ土類金属酸化物から
なる第1層421、希土類金属酸化物を含んだアルカリ
土類金属酸化物からなる第2層422の形成方法の一例
を説明する。
【0049】まず、アルカリ土類金属酸化物からなる第
1層421については、54重量%の硝酸バリウム(B
aNO3)、39重量%の硝酸ストロンチウム(SrNO
3 )、7重量%の硝酸カルシウム(CaNO3 )の混合
溶液に、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を添加してバ
リウム・ストロンチウム・カルシウムの炭酸塩[(Ba
・Sr・Ca)CO3 ]を沈殿させる。バリウム・スト
ロンチウム・カルシウムの炭酸塩[( Ba・Sr・C
a)CO3 ]の粒子形状は、平均粒径15μmの針状結晶
である。
【0050】これらの沈殿物(粉末)にニトロセルロー
スラッカー、酢酸ブチルを加えてローリング混合し、第
1の懸濁液を調製する。
【0051】次に、希土類金属酸化物を含んだアルカリ
土類金属酸化物からなる第2層422については、53
重量%の硝酸バリウム(BaNO3 )、38重量%の硝
酸ストロンチウム(SrNO3 )、6重量%の硝酸カル
シウム(CaNO3 )の混合溶液に、炭酸ナトリウム
(Na2 CO3 )を添加してバリウム・ストロンチウム
・カルシウムの炭酸塩[(Ba・Sr・Ca)CO3
を沈殿させる。
【0052】バリウム・ストロンチウム・カルシウムの
炭酸塩[(Ba・Sr・Ca)CO3 ]の粒形状は、平
均粒径15μmの針状結晶である。これらの沈殿物(粉
末)に空気透過法(サブシーブサイザー法)で測定した
平均粒径が0.5μmのバリウムスカンデート(Ba2
Sc2 5 )を1重量%混合し、この混合物にニトロセ
ルロースラッカー、酢酸ブチルを加えてローリング混合
させ、第2の懸濁液を調製する。
【0053】続いて、ニッケル(Ni)を主成分とするカ
ップ状の基体金属41の頂部表面41aに、前記第1の
懸濁液をスプレー法により塗布して約17μmの厚さの
前記第1層421となる塗膜を形成し、次にこの塗膜の
上に、前記第2の懸濁液をスプレー法により塗布して約
60μmの厚さの第2層422となる塗膜を形成する。
【0054】バリウムスカンデート(Ba2 Sc
2 5 )の粒子形状は、共沈反応で製作したもので、任
意の多面体形状をしている。
【0055】次いで、陰極線管の製造工程中の真空排気
工程において、この電子放射物質層42をヒーター31
によって加熱し、電子放射物質層42内にあるバリウム
・ストロンチウム・カルシウムの炭酸塩[(Ba・Sr
・Ca)CO3 ]を分解することにより、バリウム、ス
トロンチウム、カルシウムの酸化物[(Ba・Sr・C
a)O]とし、アルカリ土類金属酸化物からなる第1層
421、それに希土類金属酸化物を含んだアルカリ土類
金属酸化物からなる第2層422を形成する。
【0056】その後に、前記陰極線管の製造工程中に9
00乃至1100゜Cの雰囲気中で加熱して活性化及び
エージング処理を行い、所要の陰極を形成させる。
【0057】上記構成による電子放射物質層42を有す
る陰極によれば、バリウムスカンデート(Ba2 Sc2
5 )等の希土類金属酸化物を含んだアルカリ土類金属
酸化物の第2層422においては、希土類金属酸化物に
よる遊離バリウム(Ba)の拘束機能によって、電子放
射物質層42における遊離バリウム(Ba)を高濃度状
態に保ち、優れた高電流密度動作特性を発揮する電子放
射物質層42を有する陰極が得られる。
【0058】特に、この効果は分散した希土類金属酸化
物のトータルの表面積にほぼ比例しており、この希土類
金属酸化物の平均粒径が0.2〜1.0μmの時、顕著
な効果が得られ、基体金属を薄くすることが出来る要因
となる。
【0059】なお、本実施例においては、希土類金属酸
化物を含んだアルカリ土類金属酸化物層422に含まれ
る希土類金属として、バリウム(Ba)とスカンジウム
(Sc)の複合酸化物、即ち、バリウムスカンデート
(Ba2 Sc2 5 )を用いた例を挙げて説明したが、
本発明において使用可能な希土類金属酸化物は、バリウ
ム(Ba)とスカンジウム(Sc)の複合酸化物に限ら
れるものではなく、他の希土類金属酸化物が使用でき
る。
【0060】例えば、バリウム(Ba)とイットリウム
(Y)の複合酸化物、または、バリウム(Ba)とセリ
ウム(Ce)の複合酸化物等、BaY2 4 、Sr2
48 、Ba3 4 9 、CaSc4 9 、Ba3
4 9 、Ba3 Sc4 9、BaSc2 4 等を用いた場合
も、バリウム(Ba)とスカンジウム(Sc)の複合酸
化物を用いた場合と同様に機能させることができる。
【0061】また、本実施例においては、希土類金属酸
化物を含んだアルカリ土類金属酸化物からなる第2層4
22として、この第2層422に含まれる希土類金属酸
化物、例えば、バリウム(Ba)とスカンジウム(S
c)の複合酸化物であるバリウムスカンデート(Ba2
Sc2 5 )が1重量%である場合を例に挙げて説明し
たが、この量は0.1〜10重量%の間であれば、任意
の含有量を選ぶことができる。即ち、第2層422に含
まれる希土類金属酸化物、例えば、バリウム(Ba)と
スカンジウム(Sc)の複合酸化物であるバリウムスカ
ンデート(Ba2Sc2 5 )の含有量が0.1重量%
未満のときは、基体金属41の板厚を薄くするほどの改
良効果を得ることが出来ない。
【0062】一方、10重量%を超えると、主体となる
アルカリ土類金属酸化物に比較して希土類金属酸化物の
粒径が小さいため、却ってこの希土類金属酸化物を含ま
せたことによる機能が劣化するようになる。好適な含有
量としては、0.5〜3重量%の範囲内である。
【0063】ここで、前記第2層422の希土類金属酸
化物に代えて、マグネシウム及びシリコンの一方又は両
方、例えばMgSiO3 の様な酸化物を、合計で0.1
〜10重量%含む組成としても、上述の実施例と同様の
効果が得られる。
【0064】又、陰極の基体金属41の電子放射物質層
42を塗布する頂部表面41aの部分の板厚t1、側壁
板厚t2、高さh等については、発明者等が行なった種
々の実験を基に設定されている。
【0065】まず、図6はニッケル中の拡散係数を基に
還元反応の速度(遊離バリウムの生成量)を求め、これ
をバリウムスカンデートを分散した2層構造陰極の寿命
特性で補正した「陰極の基体金属と寿命時間の関係」及
び「陰極の基体金属と出画時間の関係」を示す。
【0066】図6における線Sは出画時間を、また線L
は推定寿命時間をそれぞれ示している。通常、陰極線管
の寿命は一般には18000時間以上と云われている
が、この時間以上の寿命を確保するには、図6から前記
板厚t1を0.1mm以上とすることが必要である事が
明らかとなり、また前記出画時間8s以下とするには、
基体金属板厚を0.15mm以下とすることが必要であ
る事が明らかである。
【0067】さらに、基体金属板厚を0.1mm未満と
した場合、電子放射物質層42を改良しても必要とする
エミッション寿命特性が上述の時間を確保できず、又逆
に0.15mmを越えると出画時間が遅くなり、例えば
この陰極をPC端末モニターの陰極線管に組み込んだ場
合、使用者が期待する所望の出画時間が得られ難い問題
が残る。これらのことから、板厚t1を0.12〜0.
14mmとすることで、更に好ましい結果が得られる。
【0068】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、
特許請求の範囲に記載した本発明の思想を逸脱しない範
囲で種々の変更が可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陰極の電子放射物質層を多層構造とし、かつ上層に添加
する例えはバリウムスカンデートなどの希土類金属酸化
物又は他の酸化物等をその平均粒径と添加量を特定する
と共に、陰極の基体金属の素材及び前記電子放射物質層
と接する部分の板厚を特定したことにより、高電流動作
特性に優れ、大形のディスプレーモニターに適用し良好
な輝度と、フォーカス性能を得ることができる。
【0070】また、スイッチを入れた時の電子放射に要
する時間が短いため、モニターセットの省電力化のた
め、ヒータ電源を切断する場合においても、モニターの
再起動時に実用上問題の無い出画時間特性を得ることが
できる等、優れた特性を持つ陰極線管を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の一実施例を示すシャド
ウマスク形カラ−陰極線管の全体構造例を説明するため
の断面図である。
【図2】本発明のカラ−陰極線管に用いられる電子銃の
構造例を説明するための平面図である。
【図3】図2に示す電子銃の要部拡大断面図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【図5】希土類金属酸化物の粒径をパラメ−タとした陰
極線管の動作特性図である。
【図6】基体金属板厚と寿命及び出画時間特性の関係を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
11 パネル部 12 ネック部 13 ファンネル部 14 蛍光面 15 シャドウマスク 19 電子銃 20 カソード構体 21 第1電極(制御電極) 27 マルチフォームガラス 31 ヒータ 33 アイレット 34 カソード支持用ビードサポート 40 陰極 41 基体金属 42 電子放射物質 421 電子放射物質層42の第1層 422 電子放射物質層42の第2層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩村 則夫 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 Fターム(参考) 5C031 DD09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光面を有するパネル部と、電子銃を収容
    したネック部、およびパネル部とネック部を連接するフ
    ァンネル部とからなる真空外囲器を持ち、前記電子銃が
    基体金属の表面に電子放射物質層を有する陰極を備えた
    陰極線管であって、 前記陰極が、前記電子放射物質層が前記基体金属の表面
    に形成されたアルカリ土類金属酸化物を含む第1層及び
    この第1層の表面に形成され平均粒径が0.2〜1.0
    μmの希土類金属酸化物を0.1〜10重量%含んだア
    ルカリ土類金属酸化物からなる第2層を有し、前記基体
    金属がニッケルを主成分としこれに少なくともマグネシ
    ウム、シリコンなどの1種又は複数の還元性金属を含
    み、かつ前記電子放射物質層と接する部分の板厚が0.
    10〜0.15mmであることを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】前記第2層が、平均粒径が0.2〜1.0
    μmのマグネシュウム及びシリコンのいずれか一方又は
    両方の酸化物を0.1〜10重量%含んだアルカリ土類
    金属酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の
    陰極線管。
  3. 【請求項3】前記第2層が、その平均粒径が0.2〜
    1.0μmの少なくとも酸化スカンジウムと、バリウム
    とスカンジウムの複合酸化物(バリウムスカンデート)
    を含有する共沈結晶を0.1〜10重量%含んだアルカ
    リ土類金属酸化物からなることを特徴とする請求項1の
    陰極線管。
  4. 【請求項4】前記バリウムとスカンジウムの複合酸化物
    (バリウムスカンデート)が、Ba2 Sc2 5 、Ba
    3 Sc4 9 、BaSc2 4 の何れかであることを特
    徴とする請求項3に記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】前記陰極はカップ状の基体金属を有し、か
    つ前記基体金属の側壁の板厚が前記基体金属の頂部の前
    記電子放射物質層と接する部分の板厚の1/5〜3/5
    であることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管。
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