JPH09227883A - 潤滑剤及びこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑剤及びこれを用いた磁気記録媒体

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JPH09227883A
JPH09227883A JP3245996A JP3245996A JPH09227883A JP H09227883 A JPH09227883 A JP H09227883A JP 3245996 A JP3245996 A JP 3245996A JP 3245996 A JP3245996 A JP 3245996A JP H09227883 A JPH09227883 A JP H09227883A
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lubricant
tryptophan
ester
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JP3245996A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バック層表面の摩擦係数を低めるとともに、
その低い摩擦係数が長期間維持されるようにし、電磁変
換特性、走行性、耐久性に優れた磁気記録媒体を実現す
る。 【解決手段】 バック層にジアルキルアミノ基を有する
トリプトファンエステル系化合物を内添あるいはトップ
コートする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
し、特に非磁性支持体の磁性層が形成された側とは反対
側の面にバツク層が設けられる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、電磁信号の記録用とし
て広く使用されており、用途に応じてテープ状、デイス
ク状あるいはカード状等、種々の形態が採られる。この
うちテープ状の磁気記録媒体(以下、「磁気テープ」と
称する)は、オーディオ用、ビデオ用およびコンピユー
タ用等として使用されている。
【0003】ところで、オーディオ用、ビデオ用の磁気
テープは、カセットに収容され、カセットテープのかた
ちで用いられることが多い。カセットテープに対して
は、近年長時間記録化の要求が強くなっており、このよ
うな要求から規格化されたカセット内部にできるだけ長
い磁気テープを収容できるように、磁気テープの厚さは
次第に薄くされる方向にある。
【0004】磁気テープの厚さが薄くなると、問題にな
るのは強度の確保である。このため、磁気テープの磁性
層が形成された側とは反対側の面にバック層を設けるこ
とで、テープに強度を付与することが既に行われてい
る。
【0005】また、バック層は、磁気テープの裏面と再
生用機器の走行系との接触性を改善し、走行性能を向上
させる上でも効果を発揮する。特に、最近のビデオデッ
キのテープ走行系は、図1に示すような構成となされて
いる。すなわち、このテープ走行系では、供給ロール1
0から巻取りロール11に亘って磁気テープ12が走行
し、この走行の途中で当該磁気テープ12が回転ヘッド
13に対して接触走行するようになされている。そし
て、供給ロール10と回転ヘッド13の間及び回転ヘッ
ド13と巻取りロール11の間には磁気テープ12を案
内するためのステンレス製のガイドピンが多数設けら
れ、このうちガイドピン14a,14b、14c,14
dに対しては磁気テープのバック面側が接触する。つま
り、このテープ走行系は、磁性層面よりもむしろバック
面と接触する方が多くなるような設計とされている。こ
のため、バック面と走行系との摩擦係数を低下させるこ
とが磁気テープの走行性を改善する上で重要になる。
【0006】このようなバック層は、一般に非磁性粉末
が結合剤中に分散されて形成されている。
【0007】ここで、このバック層の表面が過度に平滑
であると、走行系との接触面積が増加して摩擦係数が高
くなり、磁気テープの走行性能が低下する。このため、
バック層表面は非磁性粉末の粒径分布を制御することで
適当な凹凸を付与することが必要である。
【0008】しかし、バック層表面の凹凸の程度があま
り大きくなると、磁気テープの製造時、特に磁気テープ
を巻いた状態での熱処理工程等において、バツク層表面
の凹凸が、その表面に接触している磁性層に転写されて
しまう。その結果、磁性層の表面に顕著な凹凸が形成さ
れ、磁気テープの電磁変換特性が低下する。
【0009】このため、バック層に含ませる非磁性粉末
の粒径分布を制御するだけでは、電磁変換特性と走行性
を両立させるのは難しく、バック層そのものの組成をさ
らに検討することによって、バック層の平滑性を保ちな
がら走行系との摩擦係数を低下させることが必要であ
る。
【0010】このような観点から、バック層で用いる結
合剤や潤滑剤について以下のような多くの提案がなされ
ている。
【0011】例えば、バック層で用いる結合剤について
は、結合剤のバック層表面に及ぼす影響等の面から検討
がなされており、特開昭56−98719号公報には繊
維素系樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー及びポ
リイソシアネートの組合せがバック層の結合剤として提
示されている。しかし、このような結合剤は、バツク層
表面の平滑性を改善する点からは好ましいものである
が、バック層表面での摩擦係数を上昇させテープの耐久
性を低下させるという問題がある。
【0012】そこで、このような摩擦係数の上昇を回避
する手法として、バック層に潤滑剤を内添したり塗布す
ることが試みられている。
【0013】潤滑剤としては、たとえば高級脂肪酸ある
いは高級脂肪酸エステルを主成分とするものが特開平6
−64727号公報に提示されている。また、高級脂肪
酸、高級脂肪酸エステルの他に、金属石鹸、高級脂肪酸
アミド、鉱油、油脂系の有機化合物、シリコンオイル、
無機微粉末、プラスチックの微粉末、α−オレフィン重
合物およびフルオロカーボン類並びにこれらの混合物が
挙げられている。これら潤滑剤の中では、高級脂肪酸あ
るいは高級脂肪酸エステルを主成分とする潤滑剤が一般
に使用され、特に全炭素数が12以上のものが好まし
く、さらに炭素数が12〜18の脂肪酸、およびそのよ
うな脂肪酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル
が好ましいとされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
潤滑剤はバック層の摩擦係数を低減するという面のみか
ら見れば好ましいものの、バック層と磁性層との粘着の
問題、耐久性、保存安定性の点で問題がある。
【0015】特に、カルボン酸はバック層の成分である
無機顔料と吸着しやすいため、バック層表面に存在させ
ておくことが難しく、バック層表面で長期間潤滑性能を
維持することができない。またバック層表面をさらに平
滑にしたときには、磁性層表面とバック層を粘着させる
原因になる。
【0016】さらに、ビデオデッキではポリオキシメチ
レン(POM)製のガイドピンが使用される場合がある
が、高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸エステルを主成分と
する潤滑剤をバック層に用いた場合、このPOM製のガ
イドピンに対して摩擦係数が上昇してしまう。
【0017】本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、例えば磁気記録媒体のバック層に
保持させたときに、バック層表面に優れた潤滑性能を付
与でき、またその潤滑性能が長期間維持され、さらに、
磁性層と粘着することのない潤滑剤を提供することを目
的とする。また、そのような潤滑剤を用いることで走行
性、耐久性、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明著等が鋭意研究を重ねた結果、トリプトフ
ァンエステル系化合物、特にジアルキルアミノ基を有す
るトリプトファンエステル系化合物がバック層で用いる
潤滑剤として好適であるとの知見を得るに至った。
【0019】本発明の潤滑剤は、このような知見に基づ
いて完成されたものであって、化3で示されるジアルキ
ルアミノ基を有するトリプトファンエステル系化合物で
あることを特徴とするものである。
【0020】
【化3】
【0021】また、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体の一方の面に磁性層が設けられ、他方の面に非磁性
粉末が結合剤に分散されてなるバツク層が設けられてな
る磁気記録媒体であって、上記バック層に、化4で示さ
れるジアルキルアミノ基を有するトリプトファンエステ
ル系潤滑剤が内添あるいは塗布されていることを特徴と
するものである。
【0022】化3で表されるトリプトファンエステル系
潤滑剤は、常温常湿環境下では勿論のこと高温多湿や低
温環境下においても優れた潤滑性能を発揮する。また、
特にこのトリプトファンエステル系潤滑剤では、アミノ
基の活性水素がアルキル基に置き代わっていることか
ら、バック層に保持させたときに、バック層成分である
非磁性粉末と吸着し難くバック層表面で潤滑性能を長期
間維持することができる。しかも、巻いた状態でバック
層は磁性層と接触することになるが、このトリプトファ
ンエステル系潤滑剤をバック層に保持させても、磁性層
と粘着することがない。
【0023】したがって、このようなトリプトファンエ
ステル系潤滑剤がバック層に保持させれた磁気記録媒体
では、バック層表面を平滑化した場合でも走行系に対す
る摩擦係数が十分に低められ、電磁変換特性に優れると
ともに良好な走行性,耐久性が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0025】本発明では、化4で示されるジアルキルア
ミノ基を有するトリプトファンエステル系化合物を潤滑
剤として使用する。
【0026】
【化4】
【0027】化4のうちR3は、分子量、炭素数の制限
はなく、また直鎖構造であっても分岐構造であっても良
い。さらに、不飽和結合、芳香環、脂環構造を有してい
てもよく、異性体の種類についても特に問わない。但
し、摩擦係数の低減や希釈溶媒への溶解性の点から、炭
素数が10以上の直鎖型あるいは分岐型の炭化水素基で
あるのが好ましい。
【0028】このようなトリプトファンエステル系化合
物のうち、例えばR3にC1837が導入され、R1,R2
にCH3が導入されたものは、次のようにして合成され
る。
【0029】すなわち、アミノ基がジアルキル化されて
いないトリプトファンとステアリルアルコール(C18
37OH)とを無水トルエン中に溶解させ、触媒としてp
−TsOHを添加し、さらに還流しながら発生する水を
除去する。この操作を5時間行うことでトリプトファン
ステアリルエステルを生成する。この後、アルキル化
剤、例えばヨウ化メチルと、生成されたトリプトファン
ステアリルエステルを混合し、封かん中で加熱し、アミ
ノ基をアルキル化する。これによって、上記トリプトフ
ァンエステル系化合物は合成される。
【0030】なお、この操作を逆にして、トリプトファ
ンのアミノ基をアルキル化した後、エステル化を行うよ
うにしても良い。
【0031】この他のトリプトファンエステル系化合物
についても、R1,R2,R3に対応したアルキル化剤、
エステル化剤を選択することによって同様に合成するこ
とができる。
【0032】また、この合成方法は一例であり、この他
の合成方法によって合成しても勿論構わない。
【0033】このようなトリプトファンエステル系潤滑
剤は、例えば磁気記録媒体に適用される。
【0034】すなわち、このトリプトファンエステル系
潤滑剤が用いられる磁気記録媒体は、非磁性支持体上に
磁性層が形成され、非磁性支持体の磁性層が形成された
側とは反対側の面に非磁性粉末が結合剤に分散されてな
るバック層が形成されて構成される。
【0035】上記トリプトファンエステル系潤滑剤を、
このような磁気記録媒体のバック層に保持される。上記
トリプトファンエステル系潤滑剤をこのバック層させる
と、以下の作用によって媒体の電磁変換特性を良好に維
持しながら、走行性、耐久性が改善される。
【0036】すなわち、ジアルキルアミノ基を有するト
リプトファンエステル系潤滑剤は常温常湿環境下では勿
論のこと高温多湿や低温環境下においても優れた潤滑性
能を発揮する。また、特に、アミノ基の活性水素がアル
キル基に置き代わっていることからバック層成分である
非磁性粉末と吸着し難く、バック層表面で潤滑性能を長
期間に亘り維持することができる。しかも、巻いた状態
でバック層は磁性層と接触することになるが、このトリ
プトファンエステル系潤滑剤をバック層に保持させて
も、磁性層と粘着することがない。
【0037】このため、このようなトリプトファンエス
テル系潤滑剤がバック層に保持された磁気記録媒体で
は、バック層表面を平滑化した場合でも走行系に対する
摩擦係数が十分に低められ、電磁変換特性に優れるとと
もに良好な走行性、耐久性を発揮し、さらにはエッジダ
メージ等に対して優れた耐久性が得られる。
【0038】このトリプトファンエステル系潤滑剤をバ
ック層にトップコートする場合、塗布量は0.5〜10
0mg/m2とするのが好ましく、1〜20mg/m2
するのがより好ましい。また内添する場合には、トリプ
トファンエステル系潤滑剤が非磁性粉末に対して0.5
〜5重量%となるように添加するのが望ましい。
【0039】なお、このトリプトファンエステル系潤滑
剤は、それ単独で用いてもよいが、脂肪酸あるいは脂肪
酸エステル類等、従来公知の潤滑剤と組み合わせて用い
てもよい。
【0040】また、より厳しい条件下においても潤滑効
果が持続するように、極圧剤を潤滑剤に対して30:7
0〜70:30程度の重量比で併用してもよい。
【0041】極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に
金属接触を生じたときに、これに伴う摩擦熱によって金
属面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより摩
擦、摩耗防止作用を行うものである。このような極圧剤
としては、リン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極
圧剤、有機金属系極圧剤、複合系極圧剤等がいずれも使
用可能である。
【0042】バック層にはこのような潤滑剤や極圧剤が
添加されるが、バック層の主成分となる非磁性粉末、結
合剤としては、この種の磁気記録媒体で通常用いられて
いるものがいずれも使用可能である。
【0043】結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン
共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重
合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂またはこれらの混合物等が挙げられる。なかで
も、ポリエステルやポリウレタン樹脂を併用して用いる
と、媒体の耐久性及び走行性が向上する。
【0044】また、架橋剤として3官能イソシアネート
化合物、例えばトリメチロールプロパン1モルとトリレ
ンジイソシアネート3モルの反応生成物等を併用し、耐
久性等の向上を図るようにしても良い。
【0045】非磁性粉末としては、カーボンブラック、
グラファイト、無機質充填剤等が挙げられる。これらは
単独で使用しても、2種類以上混合して用いてもよい。
無機質充填剤の具体例としては、TiO2、TiO、Z
nO、CaCO3、CaO、SnO2、SiO2、α−F
23、Cr23、α−Al23、ZnS、MoS2
BaSO4、CaSO4、MgCO3 、BNおよびSiC
等がある。これらの非磁性粉末の中では、カーボンブラ
ック、グラファイト、ZnO、TiO2、BaSO4およ
びCaSO4を1種類単独あるいは組み合わせて使用す
るのが好ましい。
【0046】非磁性粉末の粒子径、粒子の形状等につい
ては、特に制限はなく、通常用いられている粒子径およ
び形状のものを用いることができる。
【0047】たとえば、カーボンブラツクの場合、平均
粒子径が10〜300nmのものを用いることが望まし
い。また、無機質充填材の場合、平均粒子径が0.1〜
10μmのものを用いることが望ましい。
【0048】また、非磁性粉末の形状は、球状、針状、
板状、サイコロ状等、いずれの形状であっても良い。
【0049】このような材料よりなるバック層を形成す
るには、非磁性粉末、結合剤、潤滑剤等の各種添加剤を
有機溶剤に分散させてバック層用塗布液を調製する。そ
して、このバック層用塗布液を非磁性支持体上に塗布
し、乾燥することによって溶剤を蒸発させ、さらに樹脂
成分を硬化する。
【0050】この塗料化のための有機溶剤としては、ア
セトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケト
ン,シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル,
酢酸エチル,酢酸ブチル,乳酸エチル,酢酸グリコール
モノエチルエーテル等のエステル系溶媒、エチルエーテ
ル,グリコールジメチルエーテル,グリコールモノエチ
ルエーテル,ジオキサン,テトラヒドロフラン等のエー
テル系溶媒、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族
炭化水素系溶媒、メチレンクロライド,エチレンクロラ
イド,四塩化炭素,クロロホルム,エチレンクロルヒド
リン,ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒等が
使用できる。
【0051】また、このバック層の厚さは3μm以下と
されているのが望ましい。
【0052】一方、非磁性支持体のバック層が形成され
た側とは反対側の面には磁性層が形成される。この磁性
層は、例えば強磁性微粉末が結合剤中に分散されて構成
される。
【0053】この強磁性微粉末としては、強磁性酸化鉄
微粉末、Coがドープされた強磁性酸化鉄微粉末、強磁
性二酸化クロム微粉末、強磁性合金粉末、バリウムフェ
ライト等が使用できる。
【0054】このうち強磁性酸化鉄微粉末、二酸化クロ
ム微粉末の針状比は、3/1〜30/1程度、好ましく
は4/1以上であるのがよく、平均長は0.05〜2.
0μm程度であるのが良い。
【0055】また、上記強磁性合金粉末とは、金属粉を
75重量%以上含み、この金属粉の80重量%以上が強
磁性金属、すなわちFe、Co、Ni、Fe−Ni、C
o−Ni、Fe−Co−Niであり、なおかつ長径が約
0.5μm以下の粒子である。
【0056】結合剤としては、やはりこの種の磁気記録
媒体で従来用いられているもの、すなわち熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、または電子線等の照射によって硬化
する放射線架橋型樹脂が単独、あるいは混合して使用さ
れる。
【0057】ここで、熱可塑樹脂としては、軟化点温度
が150℃以下、平均分子量が10000〜20000
0、重合度が約150〜2000程度のものを用いるの
が望ましい。そのような熱可塑性樹脂としては、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸
エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレ
ン共重合体、ウレタンエラストマー、ポリ弗化ビニル、
塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセ
テートブチレート、セルロースダイアセテート、セルロ
ーストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニト
ロセルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリ
エステル樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂(ポリ
ブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体など)等が挙げられ、これら
が単独あるいは混合して使用される。
【0058】なお、磁性層には、この種の磁性層で通常
用いられている添加剤、例えば帯電防止剤、潤滑剤等を
添加するようにしても良い。
【0059】このような材料よりなる磁性層を形成する
には、強磁性微粉末、結合剤及び各種添加剤を有機溶剤
に分散させて磁性層用塗布液を調製する。そして、この
磁性層用塗布液を非磁性支持体上に塗布し、乾燥するこ
とによって溶剤を蒸発させ、さらに樹脂成分を硬化す
る。
【0060】この塗料化のための有機溶剤としては、バ
ック層用塗布液で例示したものがいずれも使用可能であ
る。
【0061】また、この磁性層と先のバック層はいずれ
を先に形成してもよく、同時に形成しても構わない。
【0062】バック層や磁性層が形成される非磁性支持
体としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレ
ン2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチ
レン,ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリカーボネ
ート、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチッ
ク、さらにアルミニウム等の金属を蒸着したプラスチツ
ク類も使用可能である。
【0063】この非磁性支持体の形態は、フイルム状、
テープ状、シート状などいずれでもよく、非磁性支持体
の材料はこの形態に応して選択される。
【0064】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について実験
結果に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施例に
限定されるものでないことは言うまでもない。
【0065】まず、本実施例でバック層に保持させたト
リプトファンエステル系潤滑剤(化合物1〜化合物6)
の一般式を化5に、また化5におけるR1,R2,R3
4を表1に示す。
【0066】
【化5】
【0067】
【表1】
【0068】(但し、Phはフェニル基である。)実施例1 まず、下記の組成に準じて各種磁性層組成物を計り取
り、ボールミルで50時間混合した。
【0069】 磁性層用塗布液の組成 強磁性Fe合金粉末 100重量部 (保磁力Hc:1500Oe、BET比表面積50m2/g) 塩化ビニル系共重合体 10重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 (日本ポリウレタン社製 商品名N−2304) カーボンブラック(帯電防止剤) 5重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 ブチルステアレート 1重量部 そして、この混練物に、硬化剤としてコロネートL(日
本ポリウレタン社製ポリイソシアネート)を4重量部添
加し、さらにボールミルで10分間混合することで磁性
層用塗布液を得た。この塗布液を、さらにトルエンで希
釈した後、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
支持体上に、ドクターブレードを用いて、乾燥膜厚が2
μmとなるように塗布した。次いで、未乾燥状態の塗膜
に磁場配向処理を行った後、乾燥することで磁性層を形
成した。
【0070】次に、下記の組成に準じて各種バック層組
成物を計り取り、ボールミルで50時間混合することに
よりバック層用塗布液を調製した。
【0071】 バック層用塗布液の組成 カーボンブラック 100重量部 (二次平均粒子径:17nm 商品名コンダクテックスSC) 塩化ビニル系重合体 50重量部 (UC社製 商品名VAGH) ポリウレタン樹脂 (日本ポリウレタン社製 商品名N−2304) 50重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 700重量部 トリプトファンステアリルエステル 4重量部 (化合物1:化5においてR3=C1837) そして、この混練物に、硬化剤としてコロネートLを1
5重量部添加し、さらにボールミルで10分間混合する
ことでバック層用塗布液を得た。この塗布液を、上記支
持体の磁性層を形成した側とは反対側の面に、乾燥膜厚
が1μmとなるように塗布、乾燥することでバック層を
形成した。
【0072】続いて、上記磁性層表面にカレンダー処理
を施すことで平滑化し、温度60℃で72時間熱硬化処
理を行い、さらに、8mm幅に裁断することで磁気テー
プを作成した。
【0073】比較例1 バック層に、化合物1の代わりに末端に水酸基を有する
パーフルオロポリエーテル(アウジモント社製 商品名
FomblinZ−DOL)を添加したこと以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0074】比較例2 バック層に、化合物1の代わりに末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテル(アウジモント社製
商品名FomblinZ−DIAC)を添加したこと
以外は実施例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0075】実施例2 バック層に、化合物1の代わりにブチルステアレートを
2重量部とミリスチン酸を2重量部添加し、磁性層のカ
レンダー処理後、バック層上に化合物1を塗布したこと
以外は実施例1と同様にして磁気テープを作成した。な
お、化合物1はトルエンに溶解することで塗料化し、2
mg/m2なる塗布量で塗布した。
【0076】比較例3 バック層上に、化合物1を塗布しないこと以外は実施例
2と同様にして磁気テープを作成した。
【0077】比較例4 バック層に、化合物1の代わりにR1,R2の位置がアル
キル化されていないトリプトファンステアリルエステル
を添加したこと以外は実施例1と同様にして磁気テープ
を作成した。
【0078】実施例3 バック層に、化合物1の代わりにトリプトファンデシル
エステル(化合物2:化5においてR3=C1021)を
添加したこと以外は実施例1と同様にして磁気テープを
作成した。
【0079】実施例4 バック層上に、化合物1の代わりに化合物2を塗布した
こと以外は実施例2と同様にして磁気テープを作成し
た。
【0080】実施例5 バック層に、化合物1の代わりにトリプトファンステア
リルフェニルエステル(化合物3:化5においてR3
Ph−C1836)を添加したこと以外は実施例1と同様
にして磁気テープを作成した。
【0081】実施例6 バック層上に、化合物1の代わりに化合物3を塗布した
こと以外は実施例2と同様にして磁気テープを作成し
た。
【0082】実施例7 バック層に、化合物1の代わりにトリプトファンリノー
ルエステル(化合物4:化5においてR3=C1833
を添加したこと以外は実施例1と同様にした磁気テープ
を作成した。
【0083】実施例8 バック層上に、化合物1の代わりに化合物4を塗布した
こと以外は実施例2と同様にして磁気テープを作成し
た。
【0084】実施例9 バック層に、化合物1の代わりにトリプトファンシクロ
ヘキシルエステル(化合物5:化5においてR3=C6
11)を添加したこと以外は実施例1と同様にして磁気テ
ープを作成した。
【0085】実施例10 バック層上に、化合物1の代わりに化合物5を塗布した
こと以外は実施例2と同様にして磁気テープを作成し
た。
【0086】実施例11 バック層に、化合物1の代わりにトリプトファンイソス
テアリルエステル(化合物6:化5においてR3=is
o−C1837)を添加したこと以外は実施例1と同様に
して磁気テープを作成した。
【0087】実施例12 バック層上に、化合物1の代わりに化合物6を塗布した
こと以外は実施例2と同様にして磁気テープを作成し
た。
【0088】以上のようにして作成された磁気テープに
ついて、温度25℃相対湿度60%、温度40℃相対湿
度80%、温度−5℃のそれぞれ条件で、摩擦係数、ス
チル耐久性、シャトル耐久性について評価した。その結
果を表2〜表4に示す。
【0089】なお、スチル耐久性は、ポーズ状態で出力
が−3dB減衰するまでの減衰時間を調べることで評価
した。
【0090】シャトル耐久性は、2分間のシャトル走行
を1回としてシャトル走行を繰り返し行い、出力が3d
B低下するまでの時間を調べることで評価した。
【0091】また、磁気テープを、温度40℃相対湿度
80%下で7日保存(エージング)し、エージング前後
での摩擦係数、スティックスリップおよびドロップアウ
トを温度25℃相対湿度60%下で測定した。その結果
を表5,表6に示す。
【0092】なお、スティックスリップは、摩擦時の静
止摩擦係数が0.6を越えるかどうかで判断した。表
中、○は静止摩擦係数が0.6を越えない場合、△は静
止摩擦係数が0.6〜1.0である場合、×は静止摩擦
係数が1.0を超え、磁気ヘッド等に対して貼り付きが
生じる場合である。
【0093】ドロップアウトは、3分間の間に生じる3
μsec以上、10dB以上の出力低下回数を測定する
ことで評価した。
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【表6】
【0099】表2〜表6を見てわかるように、バック層
にジアルキルアミノ基を有するトリプトファンエステル
系潤滑剤を内添あるいはトップコートした実施例1〜実
施例12の磁気テープは、常温常湿環境下では勿論のこ
と、高温多湿や低温環境下においても低い摩擦係数を示
し、優れた耐久性が得られる。また、エージングによっ
てスティックスリップやドロップアウトが増大すること
なく、これらが低く抑えられている。特に、スチル耐久
性、シャトル耐久性は、他の種類の潤滑剤のみを用いた
磁気テープ(比較例1〜比較例3)に比べて格段に改善
されている。
【0100】また、トリプトファンエステル系潤滑剤で
あるがアミノ基がジアルキル化されていないものを用い
た場合を比較例4として行ったが、この潤滑剤ではバッ
ク層表面の摩擦係数が経時的に増大し、潤滑性能を長期
間維持することができない。これは、このトリプトファ
ンエステル系潤滑剤のアミノ基の活性水素が、バック層
中に含まれている無機顔料と吸着し易いからである。
【0101】以上のことから、バック層に保持させる潤
滑剤としてはトリプトファンエステル系化合物であって
特にアミノ基がジアルキル化されたものが好適であるこ
とがわかった。
【0102】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、ジアルキルアミノ基を有するトリプトファンエ
ステル系化合物を潤滑剤として用い、これを磁気記録媒
体のバック層に保持させる。このジアルキルアミノ基を
有するトリプトファンエステル系化合物はいかなる使用
条件下でも優れた潤滑性能を発揮し、バック層表面での
潤滑性能を長期間に亘り維持することができ、しかも磁
性層に対する粘着性が低い。したがって、磁気記録媒体
の電磁変換特性を高めながら、耐摩耗性、耐久性、特に
走行性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオデッキのテープ走行系を示す模式図であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるジアルキルアミノ基を有
    するトリプトファンエステル系化合物であることを特徴
    とする潤滑剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 非磁性支持体の一方の面に磁性層が設け
    られ、他方の面に非磁性粉末が結合剤に分散されてなる
    バツク層が設けられてなる磁気記録媒体において、 上記バック層に、化2で示されるジアルキルアミノ基を
    有するトリプトファンエステル系化合物が保持されてい
    ることを特徴とする磁気記録媒体。 【化2】
  3. 【請求項3】 ジアルキルアミノ基を有するトリプトフ
    ァンエステル系化合物は、バック層に内添されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 ジアルキルアミノ基を有するトリプトフ
    ァンエステル系化合物は、バック層表面に塗布されてい
    ることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。
JP3245996A 1996-02-20 1996-02-20 潤滑剤及びこれを用いた磁気記録媒体 Withdrawn JPH09227883A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10679657B2 (en) 2018-03-29 2020-06-09 Fujifilm Corporation Magnetic tape and magnetic recording and reproducing device
US11189318B2 (en) 2019-04-26 2021-11-30 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing device
US11211087B2 (en) 2018-03-29 2021-12-28 Fujifilm Corporation Magnetic tape having characterized back coating layer, magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing device
US11250881B2 (en) 2019-05-15 2022-02-15 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing device

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