JPH09228012A - 形状記憶合金板ばね及びその製造方法 - Google Patents

形状記憶合金板ばね及びその製造方法

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JPH09228012A
JPH09228012A JP3364896A JP3364896A JPH09228012A JP H09228012 A JPH09228012 A JP H09228012A JP 3364896 A JP3364896 A JP 3364896A JP 3364896 A JP3364896 A JP 3364896A JP H09228012 A JPH09228012 A JP H09228012A
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leaf spring
alloy
rolling
shape memory
shape
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JP3364896A
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Hirohisa Iwai
博久 岩井
Seiji Hirano
清司 平野
Yoshinori Mugishima
義則 麦島
Takeo Nakamura
竹夫 中村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイアスばねと組合わせて用いる場合等で広
い設計自由度が採れるNi−Ti系合金板ばねを提供す
る。 【解決手段】 Ni49.5〜52.0at%、Ti50.5〜48.0at
%からなるNi−Ti系合金、又はNi49.5〜52.0at
%、Ti50.5〜48.0at%からなるNi−Ti系合金のN
i又は/及びTiの一部を0.01〜 0.5at%の範囲で、
V、Cr、Fe、Coの元素の何れか1種または2種以
上で置換したNi−Ti系合金の鋳塊を圧延して得た圧
延材から切断した板材を所定の曲げ形状に形状記憶させ
た板ばねであって、前記板材の鋳塊からの全加工率が90
%以上、前記板材の圧延方向と前記板ばねの曲げ方向と
のなす角度θが45°以下である形状記憶合金板ばね。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ばね、クリップ、
アクチュエータをはじめとする各種機械部品、バーンイ
ン用ICソケット等の電子部品、マイクロマシン等の医
療分野に適用されるNi−Ti系形状記憶合金板ばねと
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Ni−Ti系形状記憶合金板ばねは、図
1a〜cに例示した角状板ばね(a) 、円弧状板ばね(b)
、直線と円弧からなる板ばね(c) 等で、これらはバイ
アスばねと組合わせて二方向動作を行わせるアクチュエ
ータ等として用いられている。ところで、前記アクチュ
エータ等はNi−Ti系合金板ばねの相変態に伴う発生
荷重、たわみ、サイズから近似的に求めた見かけの縦弾
性係数を基に一律に設計されている。しかし、前記見か
けの縦弾性係数については、例えば、文献(形状記憶合
金の機械的性質;田中喜久昭他2名著、P56、図3.14、
縦弾性係数と温度の関係、養賢堂、1993)に高温時(オ
ーステナイト相、以下A相と記す)の縦弾性係数が約70
00kgf/mm2 、低温時(ロンボヘドラル相、以下R相と記
す)の縦弾性係数が約2000kgf/mm2 と記載されているだ
けで板の圧延方向等による縦弾性係数の異方性について
は一切触れられていない。このようなことから、形状記
憶合金の板ばねについては、その設計自由度を広げる手
掛かりを掴むことができない状況にあった。ここで板ば
ねの設計自由度とは、板ばねのストロークを大きくす
ること、板ばねの作動荷重を大きくすること、板ば
ねのサイズを小さくしてその単位重量あたりの発生荷重
を大きくすること、板ばねの高さを低くしてその収容
スペースを狭めること、バイアスばねと組合わせて用
いるときのバイアスばねのばね定数を小さくすること等
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Ni−Ti系合金板ば
ねの設計自由度を広げる方法の1つとして、A相の見か
けの縦弾性係数をより大きくし、R相の見かけの縦弾性
係数をより小さくすることが考えられる。そこで、本発
明者等は、A相とR相の縦弾性系数の差を大きくする方
法について鋭意研究を行った。その結果、見かけの縦弾
性係数は圧延板の加工条件に影響されること、見かけの
縦弾性係数は板ばね材の圧延方向に対して異方性を有す
ることを知見し、更に研究を重ねて本発明を完成させる
に到った。本発明は、バイアスばねと組合わせて用いる
場合等で広い設計自由度が採れるNi−Ti系合金板ば
ねとその製造方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Ni49.5〜52.0at%、Ti50.5〜48.0at%からなるNi
−Ti系合金、又はNi49.5〜52.0at%、Ti50.5〜4
8.0at%からなるNi−Ti系合金のNi又は/及びT
iの一部を0.01〜 0.5at%の範囲で、V、Cr、Fe、
Coの元素の何れか1種または2種以上で置換したNi
−Ti系合金の鋳塊を圧延して得た圧延材から所定形状
に切断した板材を所定の曲げ形状に形状記憶させた板ば
ねであって、前記板材の鋳塊からの全加工率が90%以
上、前記板材の圧延方向と前記板ばねの曲げ方向とのな
す角度θが45°以下であることを特徴とする形状記憶合
金板ばねである。
【0005】この発明において、板ばねの曲げ方向と
は、図2に示すようにR相からA相へ変態する際に板ば
ねが曲がる方向である。又前記板材の圧延方向と前記板
ばねの曲げ方向とのなす角度θとは図3に示す角度であ
る。この発明において、板ばねの設計自由度を十分大き
くとるには、Ni−Ti系合金板ばねのA相の見かけの
縦弾性係数EA とR相の見かけの縦弾性係数ER との比
〔EA /ER 〕が 7.0以上にするのが望ましい。
【0006】請求項3記載の発明は、Ni49.5〜52.0at
%、Ti50.5〜48.0at%からなるNi−Ti系合金、又
はNi49.5〜52.0at%、Ti50.5〜48.0at%からなるN
i−Ti系合金のNi又は/及びTiの一部を0.01〜
0.5at%の範囲で、V、Cr、Fe、Coの元素の何れ
か1種または2種以上で置換したNi−Ti系合金の鋳
塊に、熱間圧延と、温間又は/及び冷間圧延を施し、更
に必要に応じて生地焼鈍と冷間仕上圧延を施してNi−
Ti系合金圧延材を作製し、次いで前記圧延材から板材
を所定形状に切断し、この板材を所定の曲げ形状に拘束
して形状記憶熱処理する形状記憶合金板ばねの製造方法
であって、前記熱間圧延と、温間又は/及び冷間圧延に
おける全加工率を90%以上とし、前記圧延材からの板材
の切断を、前記圧延材の圧延方向と前記板材の形状記憶
熱処理時の曲げ方向とのなす角度θが45°以下になるよ
うに行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
形状記憶合金板ばねの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明において、合
金組成をNi49.5〜52.0at%、Ti50.5〜48.0at%とし
たのは、Niが49.5at%未満でも、Niが52.0at%を超
えても、形状記憶効果を示さなくなるばかりか、圧延加
工途中に、材料に割れ等のトラブルが発生して加工が困
難になる為である。上記のNi又は/及びTiの一部を
V、Cr、Fe、Coの元素の何れか1種又は2種以上
で置換すると、形状記憶合金としての特性を害さずに、
A相とR相の変態温度を種々に制御でき、又合金の強度
や加工性を向上できる。前記置換元素量を0.01〜 0.5at
%に限定した理由は、0.01at%未満ではその効果が十分
に得られず、 0.5at%を超えると圧延加工性が低下する
為である。
【0008】この発明において、圧延板の全加工率を90
%以上とし、板材の圧延方向と板ばねの曲げ方向とのな
す角度θを45°以下にした理由は、全加工率が90%未満
では角度θを45°以下にしても、又角度θが45°を超え
ては全加工率を90%以上にしても、Ni−Ti系合金の
A相の見かけの縦弾性係数EA とR相の見かけの縦弾性
係数ER との比〔EA /ER 〕が小さくなる為である。
このことはバイアスばねと組合わせて用いるときの板ば
ねの設計自由度が小さくなることを意味する。
【0009】請求項3記載の発明では、必要に応じて、
冷間圧延後の板ばね材に生地焼鈍と冷間仕上圧延を施す
が、この場合、加工率を20%以上にすると〔EA
R 〕が著しく向上する。板ばね材は、図1a、b、c
に示したような曲げ形状に拘束して形状記憶熱処理が施
される。中間焼鈍、生地焼鈍、形状記憶熱処理等はNi
−Ti系合金で採られる通常の加熱条件で行う。
【0010】本発明において、板ばねには、圧延材から
板材を幅狭のリボン状に切断して形状記憶させたものも
含まれる。又本発明の板ばねは圧延材を形状記憶熱処理
し、これを所定形状に切断して製造することもできる。
【0011】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)表1に示す種々組成のNi−Ti系合金を
常法により真空溶解鋳造して、厚さ30mm、幅 160mm、長
さ 500mmの鋳塊とし、これを外削後、 850℃で熱間圧延
して厚さ3mmの熱延材とし、次いでこの熱延材を、焼鈍
と冷間圧延を繰返し施して厚さ 0.6mmの圧延材とした。
鋳塊から圧延材までの全圧延加工率は98%である。この
圧延材から板材を所定寸法に切断した。切断した板材を
図1c に示した直線と円弧からなる曲げ形状に拘束しつ
つ 450℃で1時間の形状記憶熱処理を施して板ばねを製
造した。板材の圧延方向と板ばねの曲げ方向とのなす角
度θは0°とした。
【0012】得られた板ばねについて形状回復性と鋳塊
の圧延加工性を調べた。結果を表1に併記する。形状回
復性は、板ばねにR相の温度で最大歪み5%の曲げ変形
を加え、次いでこれを加熱してA相に逆変態させて形状
回復させ、そのときに残留歪みが生じるかどうかで評価
した。残留歪みが生じなかったものを○、残留歪みが生
じたものを×で表した。圧延加工性は、材料に割れ等が
生じなかったものを○、材料に割れ等が生じたものを×
で表した。
【0013】
【表1】 注)単位:at%、切出角度θ=0°
【0014】表1より明らかなように、本発明例品 (N
o.1〜28) は形状回復性と加工性のいずれも良好であっ
た。これに対し、比較例品(No.29〜33) は、本発明の合
金組成を外れた為、いずれも形状回復性と加工性が不良
となった。
【0015】(実施例2)表1のNo.2,9,13 の組成のN
i−Ti系合金を常法により真空溶解鋳造して、厚さ 5
〜30mm、幅 160mm、長さ 500mmの鋳塊とし、これを外削
後、 850℃で熱間圧延して厚さ3mmの熱延材とし、次い
でこの熱延材に冷間圧延を施して厚さ 0.6mmの圧延材を
得た。前記冷間圧延では必要に応じて 650℃×1Hrの焼
鈍を入れた。鋳塊から圧延材までの全加工率は88〜98%
である。この圧延材から板材を所定寸法に切断した。切
断した板材を図1c に示した曲げ形状に拘束しつつ 450
℃で1時間の形状記憶熱処理を施して板ばねを製造し
た。板材の圧延方向と板材の曲げ方向とのなす角度θは
種々に変化させた。
【0016】得られた板ばねについてばね特性を調べ
た。A相(80℃)の見かけの縦弾性係数EA 、R相(25
℃)の見かけの縦弾性係数ER 、両者の比〔EA
R 〕を表2に示す。尚、形状記憶合金のばね特性は、
一般に、定温状態での荷重−たわみ特性、定たわみ
状態での温度−荷重特性、定荷重状態での温度−たわ
み特性のいずれかを求めて評価される。形状記憶合金ば
ねをバイアスばねと組合わせたアクチュエータ等に応用
する場合は又はが採用される。ここではを採用し
た。の評価法は、例えば、図4に示す断面形状に記憶
させた板ばねの点Cに定たわみδを付与し温度変化に伴
い点Cに発生する荷重Pを測定し、δとPを下記関係式
(出典:“ばね”第3版、ばね技術研究会編、P302、19
82、丸善)に代入して見かけの縦弾性係数Eを算出する
方法である。δ= PL3cos2α/3EI+ (Prcos2α/EI) [L2
β+2Lr(1 − cosβ) +(r2/2) (β−sin2β/2)]。但
し、I は断面2次モーメント。図5に発生荷重と温度と
の関係を例示する。
【0017】
【表2】
【0018】表2より明らかなように、本発明例品(No.
34〜45) はいずれも、EA が高く、ER が低く、従って
両者の比〔EA /ER 〕は大きい値となった。これに対
し比較例品のNo.46,48は加工率が90%未満だった為、又
No.47,49は切断角度θが45°を超えた為いずれもER
増加し、両者の比〔EA /ER 〕が低下した。
【0019】(実施例3)表1のNo.2のNi−Ti系合
金を常法により真空溶解鋳造して、厚さ30mm、幅160m
m、長さ 500mmの鋳塊とし、これを外削後、 850℃で熱
間圧延して厚さ3mmの熱延材とし、次いでこの熱延材を
冷間圧延して厚さ 0.6mmの圧延材を得た。必要に応じて
650℃×1Hrの焼鈍を入れた。鋳塊から圧延材までの全
加工率は98%である。次にこれを生地焼鈍後、冷間圧延
と同じ方向に仕上冷間圧延して仕上材を得た。生地焼鈍
後の加工率は10〜51%の間で種々に変化させた。この仕
上材から板材を所定寸法に切断した。切断した板材を図
1c に示した曲げ形状に拘束しつつ 450℃で1時間の形
状記憶熱処理を施して板ばねを製造した。前記仕上材の
圧延方向と前記板材の曲げ方向とのなす角度θは種々に
変化させた。
【0020】得られた板ばねについて、実施例2と同じ
の評価法により、A相(80℃)の見かけの縦弾性係数
A 、R相(25℃)の見かけの縦弾性係数ER 、及び両
者の比〔EA /ER 〕を求めた。結果を表3に示す。
【0021】
【表3】 注)合金No.2。
【0022】表3より明らかなように、本発明例品の N
o.50〜55はいずれもER が一段と低下し、両者の比〔E
A /ER 〕が著しく向上した。No.56,57は仕上冷間圧延
の加工率が低かった為、両者の比はあまり向上しなかっ
た。
【0023】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
Ni−Ti系合金の板ばね特性が向上するので、バイア
スばねと組合わせたアクチュエータ等での前記板ばねの
設計自由度が広がり、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNi−Ti系合金板ばねの態様を示す
斜視図である。
【図2】本発明における板ばねの曲げ方向の説明図であ
る。
【図3】本発明における圧延材の圧延方向と前記圧延材
から切断する板材の曲げ方向とのなす角度θの説明図で
ある。
【図4】形状記憶合金の板ばね特性を求めるときの板ば
ねの説明図である。
【図5】発生荷重と温度の関係を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 竹夫 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni49.5〜52.0at%、Ti50.5〜48.0at
    %からなるNi−Ti系合金、又はNi49.5〜52.0at
    %、Ti50.5〜48.0at%からなるNi−Ti系合金のN
    i又は/及びTiの一部を0.01〜 0.5at%の範囲で、
    V、Cr、Fe、Coの元素の何れか1種または2種以
    上で置換したNi−Ti系合金の鋳塊を圧延して得た圧
    延材から所定形状に切断した板材を所定の曲げ形状に形
    状記憶させた板ばねであって、前記板材の鋳塊からの全
    加工率が90%以上、前記板材の圧延方向と前記板ばねの
    曲げ方向とのなす角度θが45°以下であることを特徴と
    する形状記憶合金板ばね。
  2. 【請求項2】 板ばねのオーステナイト相の見かけの縦
    弾性係数EA とロンボヘドラル相の見かけの縦弾性係数
    R との比〔EA /ER 〕が 7.0以上であることを特徴
    とする請求項1記載の形状記憶合金板ばね。
  3. 【請求項3】 Ni49.5〜52.0at%、Ti50.5〜48.0at
    %からなるNi−Ti系合金、又はNi49.5〜52.0at
    %、Ti50.5〜48.0at%からなるNi−Ti系合金のN
    i又は/及びTiの一部を0.01〜 0.5at%の範囲で、
    V、Cr、Fe、Coの元素の何れか1種または2種以
    上で置換したNi−Ti系合金の鋳塊に、熱間圧延と、
    温間又は/及び冷間圧延を施し、更に必要に応じて生地
    焼鈍と冷間仕上圧延を施してNi−Ti系合金圧延材を
    作製し、次いで前記圧延材から板材を所定形状に切断
    し、この板材を所定の曲げ形状に拘束して形状記憶熱処
    理する形状記憶合金板ばねの製造方法であって、前記熱
    間圧延と、温間又は/及び冷間圧延における全加工率を
    90%以上とし、前記圧延材からの板材の切断を、前記圧
    延材の圧延方向と前記板材の形状記憶熱処理時の曲げ方
    向とのなす角度θが45°以下になるように行うことを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の形状記憶合金板ば
    ねの製造方法。
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