JPH09228216A - 繊維成形体および繊維成形体の製造方法 - Google Patents

繊維成形体および繊維成形体の製造方法

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JPH09228216A
JPH09228216A JP8034696A JP3469696A JPH09228216A JP H09228216 A JPH09228216 A JP H09228216A JP 8034696 A JP8034696 A JP 8034696A JP 3469696 A JP3469696 A JP 3469696A JP H09228216 A JPH09228216 A JP H09228216A
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JP
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fiber
composite
polyester
composite fiber
fibers
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JP8034696A
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Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
Masuki Fujimoto
倍己 藤本
Satoshi Hirai
諭 平井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸湿性を有すると共に通気性や透湿性
に優れ、全体にソフトでありながらへたり難い特性を有
する繊維成形体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 複合繊維A,BがA/B=80/20〜
40/60の重量比で混在し、相互に部分的接着して成
形された繊維成形体。複合繊維Aは、親水性化合物
(イ)を共重合すると共に、極性基含有化合物(ロ)お
よび/または架橋剤(ハ)を含有する共重合ポリエステ
ルを複合したものであり、複合繊維Bは、ポリエステル
Xと該ポリエステルXおよび上記複合繊維Aの複合成分
のいずれよりも融点が低いポリエステルYとを、該ポリ
エステルYを表面に露出させるように複合したものであ
る。複合繊維A,Bの混綿を通気性型枠に吹き込み、密
度0.02〜0.1g/cm3 の状態に充填し、これを
加熱して複合繊維A,B間および複合繊維B同士間を相
互に部分接着させて繊維成形体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にクッション材
として好適に使用される繊維成形体およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クッション材は、電車,自動車などの車
両用シート中材・パッド材・ドアトリム・サンバイザ
ー、寝装用ベッド中材・マットレス・家具用ソファー・
クッション、その他フィルター・衣料用パッドなどの用
途に幅広く使用されている。従来、このようなクッショ
ン材としては、一般にポリウレタンなどの発泡樹脂の成
形体のほか、低融点重合体からなる合成繊維を相互熱融
着させた繊維成形体を使用するものなどが提案されてい
る。
【0003】しかし、発泡樹脂の成形体からなるクッシ
ョン材は通気性や透湿性が低く、かつ吸湿性がないため
蒸れやすく、雨や水飛沫が当たる場所に設置されたシー
トなどに使用すると、クッション材内部に水が溜まり、
シートの腐食や着座時に水が滲みだして不快感を与える
などの問題があった。また、低融点重合体繊維を熱融着
させた繊維成形体のクッション材は、繊維が疎水性であ
るため吸湿性に劣り、かつへたり易いなどの欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た吸湿性を有すると共に通気性や透湿性に優れ、全体に
ソフトでありながらへたり難い特性を有する繊維成形体
およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の繊維成形体は、少なくとも2種類の複合繊維A,B
がA/B=80/20〜40/60の重量比で混在する
と共に、相互に部分的に接着して成形された繊維成形体
であり、前記複合繊維Aは、親水性化合物(イ)を共重
合すると共に、極性基含有化合物(ロ)および/または
架橋剤(ハ)を含有する共重合ポリエステルを複合し、
また前記複合繊維Bは、ポリエステルXと該ポリエステ
ルXおよび前記複合繊維Aの複合成分のいずれよりも融
点が低いポリエステルYとを、該ポリエステルYを表面
に露出させるように複合して構成されていることを特徴
とするものである。
【0006】また、本発明の繊維成形体の製造方法は、
親水性化合物(イ)を共重合すると共に、極性基含有化
合物(ロ)および/または架橋剤(ハ)を含有する共重
合ポリエステルを複合した複合繊維Aと、ポリエステル
Xと該ポリエステルXおよび前記複合繊維Aの複合成分
のいずれよりも融点が低いポリエステルYとを、該ポリ
エステルYが表面に露出するように複合した複合繊維B
との少なくとも2種類を混綿、開繊し、加圧気体と共に
通気性型枠に吹き込み、該通気性型枠内に密度0.02
〜0.1g/cm3 の状態に充填させ、次いでこの充填
状態で80〜200℃で熱処理し、前記複合繊維A,B
間および複合繊維B同士間を相互に部分接着させること
を特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の繊維成形体は、少なくと
も2種類の複合繊維AとBとが混在するように構成さ
れ、かつその複合繊維A,B間および複合繊維B同士間
が部分的に融着するように構成されている。2種類の複
合繊維A,Bのうち、複合繊維Aは主として吸湿性を付
与するようにし、また複合繊維Bの方は繊維の相互融着
によって繊維成形体に形態固定性を与えるようにする。
【0008】まず、本発明の繊維成形体において、吸湿
性を付与するための複合繊維Aについて説明する。吸湿
性を付与する複合繊維Aは、その複合成分として、親水
性化合物(イ)を共重合した共重合ポリエステルを有
し、かつその共重合ポリエステルに、極性基含有化合物
(ロ)および架橋剤(ハ)のうちの少なくともいずれか
一方を含有している。
【0009】この共重合ポリエステルは、複合繊維Aに
吸湿性を付与するため、その吸湿性が吸放湿パラメータ
ーΔMRで12%以上にすることが好ましい。この共重
合ポリエステルの吸放湿パラメーターΔMRが高ければ
高いほど、複合繊維Aの吸放湿性を高めることができる
ので、さらに好ましくは15%以上、特に好ましくは1
8%以上にするとよい。なお、この吸放湿パラメーター
ΔMRの上限としては30%までが好ましい。
【0010】複合繊維Aは、上記共重合ポリエステルを
複合成分として有することにより、繊維自体の吸放湿パ
ラメーターΔMRを1%以上、より好ましくは1.2%
以上にすることができ、引いては繊維成形体の吸放湿パ
ラメーターΔMRも1%以上、より好ましくは1.2%
以上にすることができる。ここで吸放湿パラメーターΔ
MRとは、30℃×90%RHでの吸湿率MR2から、
20℃×65%RHでの吸湿率MR1 を差し引いた値で
あり、次の数式ΔMR(%)=MR2 −MR1 によって
表されるものである。
【0011】この吸放湿パラメーターΔMRは、例えば
繊維成形体をベッドマットの中材として使用する場合、
人体発汗をベッドマット中材が吸湿し、さらに外気に放
出することにより快適性を得るようにするときのパラメ
ーターであり、吸放湿パラメーターΔMRが大きければ
大きいほど吸放湿能力が高く、使用時の快適性が良好で
あることに対応する。
【0012】本発明において、複合繊維Aに使用される
共重合ポリエステルの酸成分としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪
族ジカルボン酸等があげられる。特に好ましいのはテレ
フタル酸である。また、グリコール成分としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール等があげられる。特に好ましいのはエチレング
リコールである。
【0013】本発明において、親水性化合物(イ)は共
重合ポリエステルに吸湿性を付与するために必須であ
り、また極性基含有化合物(ロ)および/または架橋剤
(ハ)は、吸湿性をさらに向上させる補助成分として、
また繊維物性を安定させる成分として必要である。この
極性基含有化合物(ロ)と架橋剤(ハ)とは、少なくと
もいずれか一方が共重合ポリエステル中に含有されてい
ることが好ましく、両者を含むことは特に好ましい。
【0014】共重合ポリエステル中の親水性化合物
(イ)の共重合量は、吸湿性および製糸性の観点から4
0〜99重量%が好ましい。さらに好ましくは55〜9
0重量%である。さらに、親水性化合物(イ)の分子量
は、ポリエステルとの相溶性およびポリエステル中の分
散性の点で600〜20000が好ましく、さらに好ま
しくは1000〜10000であり、特に好ましくは2
000〜6000である。
【0015】親水性化合物(イ)としては、エステル形
成性基を1個以上含有する化合物であれば特に限定され
ないが、代表的な化合物としてポリオキシアルキレン化
合物、ポリオキサゾリン類、ポリアクリルアミドとその
誘導体、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(メ
タ)アクリル酸およびその塩、ポリヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、および
ポリビニルピロリドンなどがあげられる。その中でもポ
リオキシアルキレン化合物が好ましい。
【0016】ポリオキシアルキレン化合物としては、ポ
リオキシエチレン化合物、ポリオキシプロピレン化合
物、ポリオキシテトラメチレン化合物等があり、その中
でもポリオキシエチレン化合物が好ましく、特にポリエ
チレングリコールが好ましい。ポリエチレングリコール
の中でも結晶化抑制因子成分を含むポリエチレングリコ
ールが好ましい。
【0017】ここで、結晶化抑制因子成分とは分子鎖中
あるいは末端に存在し、ポリエチレングリコールの繰り
返し単位の対称性を乱すような有機残基をいう。結晶化
抑制とは示差走査熱分析(DSC、昇温条件16℃/
分)によって求めた融点が同じ分子量のポリエチレング
リコールの融点より低くなることをいう。具体的な化合
物としては下記一般式(I)
【0018】
【化1】 (ただし、式中Xは−CR5R6 −(R5 およびR6 は
水素またはアルキル基を示す。)、−SO2 −、−O
−、−S−、−C(O)−等であり、10≦n+m≦4
50の整数を示す。)で表されるポリエチレングリコー
ルの誘導体をあげることができ、ビスフェノールAやビ
スフェノールS等にエチレンオキサイド(EO)を付加
させた化合物が特に好ましい。
【0019】これらの化合物は大部分がポリエステル中
に共重合されている必要があるが、一部についてはポリ
マ中に分散した状態で存在していてもよい。また、共重
合ポリエステル中に含有させる極性基含有化合物(ロ)
としては、特に限定されないが下記一般式(II) Yi −R1 −Xn (II) (ただし、式中R1 は有機残基、Xはエステル形成性基
でありnは1以上の正数、Yi はアミノ基、スルホン酸
基、カルボキシル基、水酸基、アミド基、およびホスホ
ン酸基等の誘導体の中から選ばれる1つ以上の極性基を
示す(i≧1の整数)。)で表される極性基を有する化
合物が好ましい。
【0020】ここで含有とは、ポリエステル中に分散ま
たは共重合した状態をいうが、特に共重合していること
が好ましい。化合物としては、特にスルホン酸塩基を有
する化合物が好ましい。極性基含有化合物を含有させる
ことでポリマの吸湿性がさらに高まるばかりか、ポリマ
中に水素結合やイオン性相互作用が生じ、繊維とした場
合に経時的な物性の変化が生じにくいという効果を持
つ。
【0021】共重合ポリエステル中の極性基含有化合物
(ロ)の含有量は、全ポリマを構成する酸成分に対して
0〜50モル%が好ましく、さらに好ましくは2〜30
モル%であり、特に好ましくは2〜15モル%である。
また、共重合ポリエステル中に含有させる架橋剤(ハ)
としては、該ポリエステルと反応し、架橋構造を形成す
る化合物であれば特に限定されないが、一般には下記一
般式(III) (R3O)nR2 (COOR4)m (III) (ただし、式中R2 は3〜6の有機残基、R3 は水素あ
るいはアセチル基、R4は水素あるいはアルキル基、3
≦m+n≦6を示す。)で表される多官能化合物を用い
ることが好ましい。
【0022】ここで含有とは、ポリエステル中に分散す
ることも含むが、共重合により架橋構造をとることが好
ましい。化合物としては、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸等の多官能カルボン酸、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールのごときポリオール
が好ましいが、特に好ましいのはトリメリット酸であ
る。
【0023】架橋剤(ハ)を含有させることにより、ポ
リマの吸湿性がさらに高まるばかりか、ポリマ中に架橋
構造が形成し、繊維とした場合に経時的な物性の変化が
生じにくいという効果も持つ。共重合ポリエステル中の
架橋剤(ハ)の割合は全ポリマを構成する酸成分に対し
て0〜30モル%が好ましく、さらに好ましくは1〜1
5モル%、特に好ましくは2〜10モル%である。
【0024】複合繊維Aに複合させる共重合ポリエステ
ル中には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩等の界面活性剤、従来公知の抗酸化剤、着色防
止剤、耐光剤、帯電防止剤等が添加されても勿論よい。
また、本発明に使用する複合繊維Aにおいて、共重合ポ
リエステルと複合させる他の複合成分(繊維形成性重合
体)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステルが挙げられるがこれらに限定
されるものではない。好ましくは最も汎用性の高い、ポ
リエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルで
ある。
【0025】また、複合繊維Aの複合形態としては、図
1に示すような芯部1と鞘部2とからなる芯鞘型複合繊
維、図2に示すような芯部1と鞘部2と中空部3とから
なる芯鞘型複合中空繊維、図3に示すような島部1aと
海部2aとからなる海島型複合繊維、図4に示すような
張り合わせ部1b,2bからなる張り合わせ型複合繊維
なががある。好ましくは、上記共重合ポリエステルが、
これら繊維の芯部1、島部1a、張り合わせ部1bに使
用される。
【0026】また、複合繊維Aとしては、繊維成形性重
合体の中に共重合ポリエステルをランダムに分散させた
ブレンド繊維も含まれるものとする。これら複合繊維に
おける共重合ポリエステルの複合比率としては、例え
ば、芯鞘型複合繊維(図1)および芯鞘型複合中空繊維
(図2)の場合には、芯部に上記共重合ポリエステルを
配置し、鞘部に繊維形成性重合体を配置して、芯/鞘=
5/95〜90/10(重量%)にすることが好まし
い。さらに好ましくは7/93〜50/50、特に好ま
しくは10/90〜30/70である。複合比率の下限
は、十分な吸湿性を付与する目的から決定すればよく、
また複合比率の上限は、紡糸性の低下を防止する観点か
ら決定すればよい。
【0027】また、海島型複合繊維(図3)および張り
合わせ型複合繊維(図4)の場合には、島部または一方
の張り合わせ部に上記共重合ポリエステルを、複合比率
5〜90重量%にすることが好ましい。さらに好ましく
は7〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%で
ある。複合比率の下限は、十分な吸湿性を付与する目的
から決定すればよく、また上限は、紡糸性の低下を防止
する観点から決定すればよい。
【0028】また、ブレンド繊維の場合は、上記共重合
ポリエステルの繊維形成性重合体への配合比率は、全ポ
リマ量に対して5〜80重量%とする。好ましくは5〜
35重量%、さらに好ましくは7〜30重量%である。
配合比率の下限は、十分な吸湿性を付与する目的から決
定すればよく、また上限は紡糸性の低下を防止する観点
から決定すればよい。
【0029】さらに複合繊維Aの断面形状は丸型以外
に、多角形、偏平、多葉などの異形断面でもよい。複合
繊維Aには、本発明の繊維成形体に嵩高性、ソフト感を
付与し、かつ圧縮に対する回復性を向上させるため、機
械巻縮などの巻縮を与えておくことが好ましい。巻縮数
は繊維成形体の用途によって適宜選択すればよいが、少
なくとも3山/25mmで、巻縮度は少なくとも5%と
することが好ましい。また、複合繊維Aは、繊維成形体
の圧縮抵抗性やソフト性付与の観点から、繊度が0.5
〜30デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維と
することが好ましい。
【0030】次に、本発明の繊維成形体を構成するに当
たり、主として形態固定性に寄与させる他方の複合繊維
Bについて説明する。複合繊維Bは、互いに融点が異な
る少なくとも2種類のポリエステルX,Yを複合成分と
して形成されている。このうちポリエステルYは、融点
がポリエステルXよりも低く、かつ上述した複合繊維A
の複合成分よりも低いポリエステルである。
【0031】ポリエステルXとしては、繊維形成性であ
れば特に限定されないが、例えば、テレフタル酸、2,
6−ナスタレンジカルボン酸あるいはそれらのエステル
を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコールも
しくはテトラメチレングリコールを主たるグリコール成
分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、あるいはポリエチレン2,6−ナフタレ
ートなどのポリエステルが挙げられる。
【0032】ポリエステルYとしては、例えば、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンブチ
レンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレー
トイソフタレート等の共重合ポリエステルが挙げられ
る。ただし、複合相手として選ばれたポリエステルXお
よび複合繊維Aの複合成分のいずれよりも融点の低いも
のを選択しなければならない。また、その融点差として
は、熱接着性の観点から、ポリエステルXおよび複合繊
維Aの複合成分のうち低い方の融点から20℃以上低い
ものが好ましく、より好ましくは25℃以上低いものが
よい。
【0033】また、接着の効果や熱劣化を防止する観点
から、ポリエステルYの融点は、80〜170℃の範囲
に含まれることが好ましく、より好ましくは100〜1
70℃の範囲に含まれるのがよい。複合繊維Bにおける
ポリエステルX,Yの複合比率は、重量比でX/Y=4
0/60〜80/20が好ましい。より好ましくは、5
0/50〜80/20である。ポリエステルYの重量比
が20%未満であると、繊維間の熱接着性が十分に得ら
れなくなり、繊維成形体の形態固定性が悪くなることが
ある。他方、ポリエステルYの重量比が60%を越える
と、繊維成形体のソフト感が損なわれ、さらに圧縮残留
歪が大きくなることがある。
【0034】複合繊維Bには、この他必要に応じてポリ
エステルX,Y以外の酸化チタン、カーボンブラック等
の顔料のほか、抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防
止剤等が添加されていても勿論よい。複合繊維Bの複合
形態としては、前述した複合繊維Aについて例示した芯
鞘型複合繊維、芯鞘型中空複合繊維、海島型複合繊維、
張り合わせ型複合繊維、さらにブレンド繊維のいずれも
適用することができる。ただし、これら複合繊維におい
て、低融点のポリエステルYが必ず繊維表面に露出する
ような配置にする必要がある。
【0035】また、この複合繊維Bには、複合繊維Aと
同様に、繊維成形体に嵩高性、ソフト感を付与し、圧縮
に対する回復性を向上させるため機械巻縮を与えること
が好ましい。巻縮数は繊維成形体の用途によって適宜選
択すればよいが、巻縮数は少なくとも5山/25mm
で、巻縮度が少なくとも5%とすることが好ましい。ま
た、複合繊維Bは、繊維成形体の形態固定性を向上させ
るため、繊度0.5〜30デニール、繊維長10〜10
0mmである短繊維にすることが好ましい。
【0036】本発明の繊維成形体は、上述のように構成
された複合繊維AとBとを、重量比にして、A/B=4
0/60〜80/20であるように混合する。複合繊維
Bの混合量が20重量%に満たないと、複合繊維B同士
の融着点が少なくなるため、繊維成形体の形態固定性が
悪くなる。また、複合繊維Bの混合量が60重量%を越
えると、繊維成形体のソフト性が低下し、触感が粗硬に
なる。
【0037】本発明の繊維成形体は、上述した複合繊維
A,Bを使用して、次ような製造方法によって作ること
ができる。原料繊維としては、少なくとも複合繊維Aと
Bの2種類を使用するが、本発明の目的を損なわない範
囲で、これ以外の繊維、例えば通常のポリエステル繊維
を混用するようにしてもよい。
【0038】複合繊維A,Bの原綿は、通常の紡績工程
で使用する給綿機、混綿機、開繊機によって十分に混
綿、開繊したのち、成形すべき形状にした通気性型枠
(金型)に送風ファンによる空気流(加圧気体)と共に
吹き込んで充填する。複合繊維A,Bの原綿を通気性型
枠に吹き込み、充填するためには、金型の型枠が適度の
通気性を有しているものを使用する。例えば、JIS
L 1079−1966のフラジール型通気性試験機に
より測定した通気性が、5〜200cc/cm2 ・se
cの範囲に設定されたものを使用することが好ましい。
【0039】このような通気性型枠としては、例えば、
図5および図6に示すように、多数の孔をパンチングし
た金属板から構成した下金型4と上金型5との組合せか
らなるものを使用するとよい。下金型4は側面に吹込管
6を有し、この吹込管6から繊維7(すなわち、複合繊
維A,Bの原綿)を加圧気体と共に下金型4内に吹き込
むようになっている。下金型4内に吹き込まれた繊維7
は、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配列した状態に
積層されるので、一定量が積層したところで上金型5を
下降して圧縮し、繊維7の積層体を一定密度に充填され
るように加圧する。
【0040】密度は、得ようとする繊維成形体の用途に
応じて適切に決められるが、好ましくは0.02〜0.
10g/cm3 とする。さらに好ましくは、0.025
g〜0.095g/cm3 である。密度が0.02g/
cm3 に満たないと、繊維成形体がソフトになりすぎ
て、良好な形態固定性が得られず、希望の形状に裁断、
成形しにくくなる。また、密度が0.1g/cm3 を越
えると、繊維成形体のソフト性が低下する。
【0041】上記のように密度が設定されたら、次い
で、通気性型枠内に充填された繊維積層体(複合繊維
A,Bの混合物)を、その充填状態のまま80〜200
℃で熱処理する。この熱処理により、複合繊維B同士間
および複合繊維A,B間の接触点の少なくとも一部を、
複合繊維Bの低融点ポリエステルYを溶融させることに
よって接着することができる。熱処理時間は繊維混合物
の密度等によって、適宜選択するのが好ましい。
【0042】上記熱処理において、熱処理温度が80℃
に満たないと十分な熱接着性が得らず、また200℃を
越えると繊維成形体を構成する繊維が熱劣化するため好
ましくない。上記熱処理後は、自然冷却するか、あるい
は冷風によって強制冷却することにより固定する。次い
で、脱型して繊維成形体を取り出せば、目的とする繊維
成形体を得ることができる。
【0043】
【実施例】以下に説明する実施例において使用した諸特
性の測定法は、次に記載する方法によって行った。 (1)巻縮数および巻縮度 巻縮数および巻縮度は、JIS L 1015−7−1
2−1およびJISL1015−7−12−2の方法に
準じて測定した。 (2)繊 度 JIS L 1015−7−51Aの方法に準じて測定
した。 (3)平均繊維長(カット長) JIS L 1015A法(ステープルダイヤグラム
法)に準じて測定した。 (4)収縮率 JIS L 1015−7−12−2の方法に準じて測
定した。 (5)吸放湿パラメーターΔMR 繊維成形体を約10g用意し、60℃の熱風乾燥機で6
時間乾燥後の重さW0を測定した後、20℃×65%R
Hの恒温恒湿器の中に24時間放置した後の重さW1 お
よび30℃×90%RHの恒温恒湿器の中に24時間放
置した後の重さW2 を測定し、それぞれ次式により20
℃×65%RHでの吸湿率MR1 と30℃×90%RH
での吸湿率MR2 を計算する。
【0044】 MR1 (%)={(W1 −W0 )/W0 }×100 MR2 (%)={(W2 −W0 )/W0 }×100 上記吸湿率MR1 および吸湿率MR2 から、次の式によ
り吸放湿パラメーターΔMRを計算する。 ΔMR(%)=MR2 −MR1 (6)繊維成形体の密度 試験片(タテ;20cm、ヨコ;20cm、厚さ;20
cm)を20℃×65%の雰囲気中に24時間放置した
後の重量(w)を測定し、次式で求めた。
【0045】密度(g/cm3 )=w/8000 実施例1 複合繊維Aの製造 ジメチルテレフタル酸194部、エチレングリコール1
35部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
(SSIA)26.6部、トリメリット酸トリメチル
(TMTM)7.5部およびテトラブチルチコネート
0.1部を加え、140〜230℃でメタノールを留出
しつつエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル
0.08部のエチレングリコール溶液および分子量が4
000のポリエチレングリコール328部、抗酸化剤と
してイルガノックス1010(チバガイギー社製)0.
2部、消泡剤としてシリコン0.2部およびテトラブチ
ルチタネート0.1部を加え、1.0mmHgの減圧下
250℃の条件下4時間重合を行って共重合ポリエステ
ルを製造した。
【0046】この共重合ポリエステルに共重合されたポ
リエチレングリコールの割合は60重量%であった。ま
た、得られた共重合ポリエステルの吸放湿パラメーター
ΔMRは28.0%(MR1 =1.5%、MR2 =2
9.5%)であった。この共重合ポリエステルを芯成分
とし、極限粘度0.70のポリエチレンテレフタレート
を鞘成分として別々に溶融し、同心円芯鞘複合口金から
芯/鞘の複合比率(重量比)=20/80になるように
紡糸し、同心円芯鞘型複合繊維(未延伸糸)を得た。
【0047】次いで、この未延伸糸を延伸倍率3.0
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械巻縮を
付与した。さらに、70℃の熱セッターで乾燥した後、
仕上げ油剤を付与して、カット長32mmに切断し、繊
度6.1デニール、巻縮数5.6山/25mm、巻縮度
6.2%の複合繊維Aの短繊維を得た。 複合繊維Bの製造 上記とは別に、融点が255℃のポリエチレンテレフタ
レート(X)と、イソフタル酸40モル%共重合した融
点が110℃のポリエチレンテレフタレート系ポリエス
テル(Y)とを用い、Xを芯成分、Yを鞘成分として複
合比Y/X(重量比)=50/50で紡糸し、同心円状
芯鞘型複合繊維(未延伸糸)を得た。
【0048】次いで、この未延伸糸を延伸倍率3.0
倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械巻縮を
付与した。さらに、70℃の熱セッターで乾燥した後、
仕上げ油剤を付与して、カット長64mmに切断して、
繊度約4.2デニールの複合繊維Bの短繊維を得た。 繊維成形体の製造 上述のようにして得た複合繊維Aを80%、複合繊維B
を20%の割合に混綿し、さらにローラカードで混綿・
開繊し、繊維混合物を得た。
【0049】この繊維混合物を、図5および図6に示す
ような下金型(大きさ500×500×500mm)に
空気流と共に吹き込み、充填密度0.042g/c
m3 、厚さ100mmで圧縮した状態にし、その状態で
蒸熱130℃×30分の熱セットを行って、繊維成形体
を得た。この繊維成形体は吸放湿パラメーターΔMRが
4.6%であり、吸放湿性の良好なものであった。ま
た、へたりにくく、軽くてソフトであった。
【0050】得られた繊維成形体の複合繊維A,Bの特
性および繊維成形体の特性を表1に示す。 実施例2 実施例1と同一の複合繊維A、Bを、重量比で複合繊維
Aが60%、複合繊維Bが40%となるように混綿し、
実施例1と同じ方法で圧縮、熱処理することにより、充
填密度0.041g/cm3 の繊維成形体を得た。
【0051】この繊維成形体は吸放湿パラメーターΔM
Rが3.4%で吸放湿性の良好なものであった。また、
へたりにくく、軽くてソフトであった。得られた繊維成
形体の複合繊維A,Bの特性および繊維成形体の特性を
併せて表1に示す。 実施例3 実施例1と同一の複合繊維A、Bを、重量比で複合繊維
Aが40%、複合繊維Bが60%となるように混綿し、
実施例1と同じ方法で圧縮、熱処理することにより、充
填密度0.041g/cm3 の繊維成形体を得た。
【0052】この繊維成形体は吸放湿パラメーターΔM
Rが2.2%で吸放湿性の良好なものであった。また、
へたりにくく、軽くてソフトであった。得られた繊維成
形体の複合繊維A、Bの特性および繊維成形体の特性を
併せて表1に示す。 比較例1 実施例1と同一の複合繊維A、Bを、重量比で複合繊維
Aが82%、複合繊維Bが18%となるように混綿し、
実施例1と同じ方法で圧縮、熱処理することにより、充
填密度0.041g/cm3 の繊維成形体を得た。
【0053】この繊維成形体は、複合繊維Bの混合割合
が20重量%未満であったため、形態固定性および多方
向裁断性の劣ったものとなった。得られた繊維成形体の
複合繊維A,Bの特性および繊維成形体の特性を併せて
表1に示す。 比較例2 実施例1と同一の複合繊維A、Bを、重量比で複合繊維
Aが38%、複合繊維Bが68%となるように混綿し、
実施例1と同じ方法で圧縮、熱処理することにより、充
填密度0.042g/cm3 の繊維成形体を得た。
【0054】この繊維成形体は、複合繊維Bの混合割合
が60重量%を越えたため、ソフト性の劣ったものとな
った。得られた繊維成形体の複合繊維A,Bの特性およ
び繊維成形体の特性を併せて表1に示す。 比較例3 複合繊維Aの芯/鞘比率(重量比)を0/100とし、
複合繊維Bは実施例1と同一のものを使用して、重量比
で複合繊維Aが60%、複合繊維Bが40%となるよう
に混綿して実施例1と同じ方法で、充填密度0.041
g/cm3 の繊維成形体を得た。
【0055】しかし複合繊維Aが親水性化合物を共重合
する共重合ポリエステルを有しないため、この繊維成形
体は吸放湿性の劣ったものとなった。得られた繊維成形
体の複合繊維A,Bの特性および繊維成形体の特性を併
せて表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、優れ
た吸放湿性を有し、通気性、透湿性が大きく、かつ形態
が安定すると共に、軽くてソフトで、へたりにくい繊維
成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる芯鞘型複合繊維の横断面の一例
を示すモデル図である。
【図2】本発明に用いる芯鞘型中空複合繊維Aの横断面
の一例を示すモデル図である。
【図3】本発明に用いる海島型複合繊維の横断面の一例
を示すモデル図である。
【図4】本発明に用いる張り合わせ型複合繊維の横断面
の一例を示すモデル図である。
【図5】本発明の繊維成形体の製造に使用される通気性
型枠の一例を示す概略斜視図である。
【図6】図5の通気性型枠の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 芯部 2 鞘部 1a 島部 2a 海部 1b,2b 張り合わせ部 3 中空部 4 下金型 5 上金型 6 吹込管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種類の複合繊維A,BがA
    /B=80/20〜40/60の重量比で混在すると共
    に、相互に部分的に接着して成形された繊維成形体であ
    り、前記複合繊維Aは、親水性化合物(イ)を共重合す
    ると共に、極性基含有化合物(ロ)および/または架橋
    剤(ハ)を含有する共重合ポリエステルを複合し、また
    前記複合繊維Bは、ポリエステルXと該ポリエステルX
    および前記複合繊維Aの複合成分のいずれよりも融点が
    低いポリエステルYとを、該ポリエステルYを表面に露
    出させるように複合して構成されている繊維成形体。
  2. 【請求項2】 前記共重合ポリエステルに対する親水性
    化合物(イ)の共重合量が40〜99重量%である請求
    項1に記載の繊維成形体。
  3. 【請求項3】 吸放湿パラメーターΔMRが1%以上で
    ある請求項1または2に記載の繊維成形体。
  4. 【請求項4】 前記複合繊維BのポリエステルX/ポリ
    エステルYの複合比が重量比で40/60〜80/20
    である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維成形体。
  5. 【請求項5】 密度が0.02〜0.1g/cm3 であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の繊維成形体。
  6. 【請求項6】 親水性化合物(イ)を共重合すると共
    に、極性基含有化合物(ロ)および/または架橋剤
    (ハ)を含有する共重合ポリエステルを複合した複合繊
    維Aと、ポリエステルXと該ポリエステルXおよび前記
    複合繊維Aの複合成分のいずれよりも融点が低いポリエ
    ステルYとを、該ポリエステルYが表面に露出するよう
    に複合した複合繊維Bとの少なくとも2種類を混綿、開
    繊し、加圧気体と共に通気性型枠に吹き込み、該通気性
    型枠内に密度0.02〜0.1g/cm3 の状態に充填
    させ、次いでこの充填状態で80〜200℃で熱処理
    し、前記複合繊維A,B間および複合繊維B同士間を相
    互に部分接着させた後、冷却固定する繊維成形体の製造
    方法。
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