JPH09238678A - アルカリフォスファターゼ及びその製造方法 - Google Patents

アルカリフォスファターゼ及びその製造方法

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JPH09238678A
JPH09238678A JP8051359A JP5135996A JPH09238678A JP H09238678 A JPH09238678 A JP H09238678A JP 8051359 A JP8051359 A JP 8051359A JP 5135996 A JP5135996 A JP 5135996A JP H09238678 A JPH09238678 A JP H09238678A
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JP
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alp
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alkaline phosphatase
vibrio
reaction
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JP8051359A
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Kazuyuki Uchida
和之 内田
Kazue Kawahara
一恵 川原
Takuma Yano
拓磨 矢野
Ken Iwata
建 岩田
Munehiko Donpou
宗彦 鈍寳
Hitoshi Kondo
仁司 近藤
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い触媒能を有し、しかも容易に製造するこ
とのできるアルカリフォスファターゼ(AlP)及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 以下の理化学的性質を有することを特徴
とするアルカリフォスファターゼ(EC 3.1.3.
1)。 (1)作用:下記反応式の反応を触媒する。 【化1】 (2)サブユニット当たりの触媒反応の速度定数:p−
ニトロフェニルリン酸を基質とした場合、6000/秒
以上(測定温度37℃)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリフォスフ
ァターゼ(EC 3.1.3.1)(以下、AlPと略
記する)及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素は、その反応の安定性や基質
の特異性が着目され、光学的定量化の容易性から、医療
分野や食品分野などで各種成分の分析などに広く利用さ
れている。なかでもAlPは、酵素免疫測定法における
標識酵素として種々の診断に広く用いられている。Al
Pを標識酵素として用いる場合、分析対象となる物質の
抗原、抗体、または目的の分析対象物質に特異的に結合
する物質にAlPを結合させ、これを、検査試料に添加
し分析対象物質と結合させることで、新たに生じた結合
体を分別して該結合体のAlP活性を測定することによ
り、分析対象物質を定量することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な分析では、分
析対象物質が、検査試料中に微量にしか存在しない場合
が多く、このため測定感度に優れた分析条件が望まれ
る。AlPによる標識は、AlPと上述の物質との分子
間での結合によるため、高い測定感度を得るためには、
AlP分子が高い活性を示すことが必要である。そのた
めには、標識酵素であるAlPが高い触媒能を有するこ
とが望ましい。
【0004】従来、AlPは、主として大腸菌あるいは
仔ウシ小腸から生産されており、その供給源が限られて
いた。しかし、大腸菌由来のAlPは触媒能が低いた
め、標識酵素としては、主に、仔ウシ小腸由来のAlP
が用いられている。しかし、仔ウシ小腸由来AlPは、
臓器からの破砕抽出の際、プロテアーゼや、有機溶剤を
用いる等、煩雑な操作を経た後、数種のカラムを用いて
精製しなければならなかった。
【0005】このような理由から、高い触媒能を示すA
lPを効率よく得るための手段が強く要望されていた。
【0006】本発明は、高い触媒能を示すAlP及びそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、ビブリオ属に属す
る微生物の生産するAlPの触媒能が高いということ、
またこのようなAlP生産能を有する微生物を培養する
ことによりAlPを容易に製造することができるという
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、第1の発明は、下記の理化学的
性質を有することを特徴とするAlPを要旨とするもの
である。
【0009】(1)作用 下記反応式の反応を触媒する。
【0010】
【化2】
【0011】(2)サブユニット当たりの触媒反応の速
度定数 p−ニトロフェニルリン酸を基質とした場合、6000
/秒以上(測定温度37℃)である。
【0012】また、第2の発明は、ビブリオ(Vibrio)
属に属する上記のアルカリフォスファターゼの生産菌を
培養し、培養物から上記のアルカリフォスファターゼを
採取することを特徴とするアルカリフォスファターゼの
製造方法を要旨とするものである。
【0013】さらに、第3の発明は、カザミノ酸を含有
する栄養培地で培養する上記の製造方法を要旨とするも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】まず、本発明のAlPの理化学的性質を以
下に示す。
【0016】(1)作用 下記反応式の反応を触媒する。
【0017】
【化3】
【0018】(2)基質特異性 リン酸モノエステルは、パラニトロフェニルリン酸、5
−クロロ−4−ブロモ−3−インドリルリン酸、4−メ
チルウンベリフェリルリン酸(以下、4−MUPと略記
する。)、酸化型及び還元型ニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチドリン酸、アデノシンモノリン酸、グアノシ
ンモノリン酸、シチジンモノリン酸、ウリジンモノリン
酸、イノシンモノリン酸、グルコース6リン酸、グリセ
ロール2リン酸、グリセリン酸3リン酸、ピロリン酸な
どである。リン酸モノニトロフェニルリン酸の場合、反
応のミカエリス定数は約1mMである〔1MのDEA緩
衝液(pH10.0)中で37℃で測定〕。
【0019】(3)サブユニット当たりの触媒反応の速
度定数 p−ニトロフェニルリン酸を基質とした場合、6000
/秒以上、およそ6000〜8000/秒(測定温度3
7℃)である。
【0020】(4)至適pH及び安定pH範囲 pH10.5付近(温度37℃)に至適pHを有し、p
H7〜8で安定である。
【0021】(5)力価の測定法 10mMのp−ニトロフェニルリン酸ナトリウム(以
下、PNPPと略記する。:ナカライテスクより購入、
コードNo.250−19GR)、1.0mMの塩化マ
グネシウム6水和物(和光純薬より購入、コードNo.
135−00165)を含む1MのDEA(和光純薬よ
り購入、コードNo.093−03115)緩衝液(p
H10.0)に酵素溶液を加え、緩やかに混和した後、
分光光度計で405nmにおける吸光度変化により測定
した。測定は、37℃で行い、1分間に1マイクロモル
のp−ニトロフェノールを生成させる酵素量を1単位
(U)とした。
【0022】(6)作用適温の範囲 30〜45℃(DEA緩衝液pH10.0) (7)精製方法 DEAE−セファロースFF(ファルマシア社製)、Q
AE−トヨパール550C(東ソー社製)、フェニルセ
ファロール6FF(ファルマシア社製)及びレッドセフ
ァロースCL−6B(ファルマシア社製)を用いて精製
した。
【0023】(8)分子量 ウルトロゲルACA34ゲル瀘過クロマトグラフィー法
による測定で約9万であり、SDS−ポリアクリルアミ
ド電気泳動による測定で約5.8万である。
【0024】本発明のAlPの製造に用いられる微生物
としては、上記性質を有するAlPを生産し得るもので
あればいかなるものでも使用できるが、具体的にはビブ
リオ属に属する微生物が挙げられる。その中でも好適な
例としては、ビブリオ エスピー(Vibrio sp.)SMY
−2株が挙げられる。また、ビブリオ エスピー(Vibr
io sp.)SMY−2株の他に、その自然的又は人為的変
異ならびにこれら菌株の遺伝子を導入された各種微生物
も本発明のAlP生産能を有する限り、本発明に使用す
ることができる。
【0025】このビブリオ エスピー(Vibrio sp.)S
MY−2ならびその類縁と考えられる既存のビブリオ属
菌であるビブリオ スプレンディダス(Vibrio splendi
dusbiovar1及びbiovar2)及びビブリオ ツビアシ(V
ibrio tubiashii)について菌学的性質をまとめたもの
を以下に示す。なお、dは菌株によって異なることを、
NDは記載がないことを、FAは通性嫌気性を示す。
【0026】 Vibrio sp. Vibrio splendidus Vibrio SMY-2 biovar 1 biovar 2 tubiashii (1)形態的特徴 (a)細胞の形 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 (b)運動性 有 有 有 有 (c)鞭毛 単極毛 極毛 極毛 極毛 (d)胞子形成能 無 無 無 無 (e)グラム染色性 陰性 陰性 陰性 陰性 (2)生育状態 (a)ZoBell 2216b 円形を示し ND ND ND 寒天平板培養 表面は平滑 (b)ゼラチンの液化 有 有 有 有 (3)生理学的性質 (a)硝酸塩の還元 無 有 有 有 (b)VPテスト 陰性 陰性 陰性 陰性 (c)オキシダーゼ活性 陽性 陽性 陽性 陽性 (d)カタラーゼ活性 陽性 陽性 陽性 陽性 (e)色素の生成 無 無 無 無 (f)発光性 無 有 無 無 (g)デンプンの 有 有 有 有 加水分解 (h)アルギニンの 有 無 無 d 加水分解 (i)塩類要求性 0%NaCl下での生育 無 ND ND ND 2%NaCl下での生育 有 ND ND ND (j)生育の範囲 4℃での生育 無 d 無 無 35℃での生育 有 d 無 d (k)酸素に対する挙動 FA FA FA FA (l)OFテスト F F F F (m)PHBの蓄積 無 無 無 ND (n)PHBの利用能 無 無 無 d (o)リパーゼ活性 陽性 陽性 陽性 陽性 (p)マンニトール 無 有 有 有 資化性 (q)各種炭素源から の酸の生成 D−グルコース 有 有 有 ND セロビオース 無 有 d 有 D−ガラクトース 無 有 無 有 グルコン酸 無 d 無 有 L−グルタミン酸 有 有 d ND グリシン 有 有 d 有 プトレスシン 無 無 無 d シュークロース 有 d 無 有 トレハロース 有 有 有 有 (r)グルコースから 無 無 無 無 のガスの産生 (3)DNAのGC含量 45 45〜46 45〜46 43〜45 (モル%) 以上のビブリオ エスピー(Vibrio sp.)SMY−2株
についての菌学的性質から、バージィのマニュアル・オ
ブ・システマティック・バクテリオロジー(Bargey's M
annual of Systematic Bacteriology )第1巻(198
4年)、バージィのマニュアル・オブ・ディターミネイ
ティブ・バクテリオロジィー(Bargey'sMannual of Det
erminative Bacteriology)第9版(1994年)、イ
ンターナショナル・ジャーナル・オブ・システマティッ
ク・バクテリオロジー(International Journal of Sys
tematic Bacteriology)第34巻、1〜4頁(1984
年)に記載されている各種細菌の性状から検索した結
果、この菌株はビブリオ(Vibrio)に属する細菌と判明
した。また、この菌株は、上述した文献に記載されてい
るビブリオ属細菌のうち、ビブリオ スプレンディダス
(Vibrio splendidusbiovar1及びbiovar2)及びビブ
リオ ツビアシ(Vibrio tubiashii)とよく似た性状を
示したが、この菌株が硝酸塩の還元能及びマンニトール
の資化性能が無いのに対し、ビブリオ スプレンディダ
ス(Vibrio splendidus )及びビブリオツビアシ(Vibr
io tubiashii)は、共にその能力を有することから、こ
の菌株はこれらの種とは異なるものであると判断され
た。よって、この菌株は、新菌株と判断できるので、ビ
ブリオ エスピー(Vibrio sp.)SMY−2株と命名
し、平成7年6月29日付で通産省工業技術院生命工学
工業技術研究所に寄託した。その寄託番号はFERM
P−15017である。
【0027】本発明のAlPは、このようなAlP生産
能を有する微生物を培養し、培養終了後、遠心分離や濾
過などの操作で培養液から菌体を回収し、菌体から粗酵
素液を抽出し、精製することによって製造することがで
きる。
【0028】AlP生産菌を培養する栄養培地に添加す
る窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸など
の無機物又は有機物が使用できる。特に、培地にカザミ
ノ酸を添加すると、AlP生産性を短時間で高めること
ができるので添加することが好ましい。また、炭素源と
しては、グルコース、シュークロース、デンプンなどが
使用でき、無機塩類としては、カリウム、ナトリウム、
鉄、マグネシウム、マンガンなどの各塩類、ビタミン類
などを使用してもよい。
【0029】培養条件としては、好気的あるいは微好気
的条件で行われ、培養温度としては、10〜35℃、好
ましくは20〜30℃、最適には25〜30℃で行う。
培地のpHとしては、6.0〜9.5、好ましくは7.
0〜9.0、最適には7.4〜8.6である。このよう
な条件下で3〜40時間、好ましくは4〜20時間、最
適には5〜15時間培養することにより、AlP生産能
を有する菌体を得ることができる。
【0030】培養菌体から、AlPを精製する際の抽出
法としては、超音波破砕、圧破砕、界面活性剤処理、リ
ゾチーム処理などいずれを用いてもよく、こうした処理
後、遠心分離により細胞片を除去し、粗酵素液を得る。
粗酵素液については、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、疎水クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等のクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより、目的とするAlPを
単離、精製することができる。イオン交換樹脂にはQA
E−トヨパール550C(東ソー社製)、DEAE−セ
ファロースFF(ファルマシア社製)など、アフィニテ
ィークロマト用樹脂には、レッドセファロースCL6−
B、ブルーセファロースCL−6Bカラム(以上、ファ
ルマシア社製)など、疎水クロマト用樹脂には、オクチ
ル−セファロースCL−4Bカラム(ファルマシア社
製)、フェニルセファロース6FF(ファルマシア社
製)など、ゲル濾過用担体又は樹脂としては、セファデ
ックスG−100、ウルトロゲルACA34(以上、フ
ァルマシア社製)などが挙げられる。また、これらのカ
ラムクロマトグラフィーに加え、硫酸ストレプトマイシ
ンや硫酸プロタミン処理による除核酸、硫酸アンモニウ
ム処理によるタンパク質の塩析を行ってもよい。また、
精製の際に用いる緩衝液には、リン酸緩衝液、ほう酸緩
衝液、トリス緩衝液などの他に、HEPES(2−[4
−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタ
ンスルホン酸)緩衝液、BES(N,N−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)緩衝
液などのグッドバッファー系の緩衝液を用いることがで
きる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によって、具体的に説
明する。
【0032】実施例1 酵母エキス0. 1%(重量%を表す。以下同様)(オリ
エンタル酵母工業、コードNo.41207000)、
カザミノ酸(日本製薬、カザミノ酸「ダイゴ」、コード
No.398−00657)0. 5%、クエン酸鉄(II
I)n水和物(和光純薬、コードNo.097−0241
5)0. 01%、塩化ナトリウム(和光純薬、コードN
o.194−01677)2. 0%、塩化マグネシウム
・6水和物(和光純薬、コードNo.135−0016
5)0. 88%、硫酸ナトリウム・10水和物(和光純
薬、コードNo.193−03325)0. 32%、塩
化カルシウム・6水和物(ナカライテスク、コードN
o.067−32EP)0.18%、塩化カリウム(ナ
カライテスク、コードNo.285−13EP)0.0
55%、炭酸ナトリウム(和光純薬、コードNo.19
6−01595)0.016%、硫酸鉄(II)・7水和
物(ナカライテスク、コードNo.195−31EP)
0. 001%、臭化カリウム(ナカライテスク、コード
No.285−02EP)0. 008%、塩化ストロン
チウム・6水和物(ナカライテスク、コードNo.32
5−08EP)0. 0034%、ホウ酸(和光純薬、コ
ードNo.021−02195)0. 0022%、ケイ
酸ナトリウム(和光純薬、コードNo.190−032
15)0. 0004%、フッ化ナトリウム(和光純薬、
コードNo.196−01975)0. 0024%、硝
酸ナトリウム(和光純薬、コードNo.192−025
55)0. 00016%、リン酸2ナトリウム・12水
和物(ナカライテスク、コードNo.317−22E
P)0. 0008%、pH7.6よりなる培地20リッ
トルを30リットル容のジャーファーメンターに仕込
み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した後、ビ
ブリオ エスピー(Vibrio sp.)SMY−2株(FER
M P−15017)を接種し、28℃で15時間、
0. 5vvm 、300rpmで通気・攪拌しながら培養し
た。遠心分離により菌体を採取して約70gの菌体を得
た。得られた菌体中のAlP含量は、約260万U/k
g湿菌体であった。得られた菌体を凍結状態で保存し
た。
【0033】次に、得られた凍結菌体約50gを20m
Mのリン酸緩衝液(pH7.5)0. 4リットルに懸濁
し、200Wで10分間超音波処理することにより細胞
を破砕し、遠心分離により細胞片を除去して、AlPを
含む粗酵素液を得た。
【0034】この粗酵素液を、予め20mMのリン酸緩
衝液(pH7. 5)で平衡化したDEAE−セファロー
スFF(ファルマシア社製、コードNo.17−070
9−01)カラム(カラムサイズ、内径3.2cm、高
さ12cm)に通じ、0. 5Mの塩化ナトリウムを含む
20mMのリン酸緩衝液(pH7. 5)で溶出したとこ
ろ、塩化ナトリウム濃度0. 2〜0. 3M近くに活性が
溶出した。この溶出画分を、予め20mMのリン酸緩衝
液(pH7. 5)で平衡化したQAE−トヨパール55
0C(東ソー社製、コードNo.014026)カラム
(カラムサイズ、内径3.2cm、高さ5cm)に通
じ、塩化ナトリウム濃度を徐々に上げて溶出させたとこ
ろ、塩化ナトリウム濃度0.6〜0.8Mの近くに活性
画分が溶出した。この溶出画分に、硫酸アンモニウム
(和光純薬、コードNo.019−06735)を1.
0Mになるように加え、予め1Mの硫酸アンモニウムを
含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化さ
れたフェニルセファロース6FF(ファルマシア、コー
ドNo.17−0973−05)カラム(カラムサイ
ズ、内径1.6cm、高さ5cm)に通じ、同緩衝液の
硫酸アンモニウム濃度を徐々に下げて溶出したところ、
硫酸アンモニウム濃度0.3〜0.2Mの近くに活性画
分が溶出した。活性画分を集めて脱塩後、20mMのリ
ン酸緩衝液(pH7. 5)で平衡化したレッドセファロ
ースCL−6B(ファルマシア、コードNo.17−0
961−02)カラム(カラムサイズ、内径1.6c
m、高さ5cm)に通じ、塩化ナトリウム濃度を徐々に
上げて溶出したところ、塩化ナトリウム濃度0.6〜
0.8M付近に活性画分が溶出した。このようにして得
られたAlPは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にお
いて単一なバンドとして検出され、精製酵素標品を得る
ことができた。また、活性の収率は約15%であった。
【0035】参考例1 実施例2で得たビブリオ エスピー(Vibrio sp.)SM
Y−2株由来のAlPについて、PNPPに対する反応
性を、種々のPNPP濃度下で調べた。
【0036】AlP溶液を20mMのリン酸緩衝液(p
H8.0)で希釈し、以下の反応に用いた。
【0037】反応は、1.0mMの塩化マグネシウム6
水和物(和光純薬より購入、コードNo.135−00
165)を含む1MのDEA(和光純薬より購入、コー
ドNo.093−03115)緩衝液(pH10.0)
中で行なった。この緩衝液にPNPPを種々の濃度(0
〜1.0mM)で添加し、反応測定液を調製した。反応
測定液1.0mlに酵素溶液2.5μlを加え、緩やか
に混和した後、分光光度計で405nmにおける吸光度
変化を測定した。なお、測定は37℃で行った。その結
果を図1に示す。図1は、本発明のAlPとPNPPと
を、PNPPの濃度を変えて反応させた時の405nm
における1分間の吸光度変化を示す図であり、縦軸は吸
光度変化量を、横軸はPNPPの濃度を示している。
【0038】図1から、反応測定液中に添加したPNP
Pの濃度に比例して1分間の吸光度変化が増加し(グラ
フの相関係数0.99)、AlPがPNPPに対し良好
に反応していることがわかる。
【0039】参考例2 実施例1で得たビブリオ エスピー(Vibrio sp.)SM
Y−2株由来のAlPについて、4−MUPに対する反
応性を、種々の4−MUP濃度下で調べた。
【0040】AlP溶液を20mMのリン酸緩衝液(p
H8.0)で希釈し、PNPPを基質とした場合におい
て100U/mlになるように調製し、これを、以下の
反応に用いた。
【0041】反応は、1.0mMの塩化マグネシウム6
水和物(和光純薬より購入、コードNo.135−00
165)を含む1MのDEA(和光純薬より購入、コー
ドNo.093−03115)緩衝液(pH10.0)
中で行なった。この緩衝液に4−MUP(ナカライテス
クより購入、コードNo.232−53 GR)を種々
の濃度(0〜200μM)で添加し、反応測定液を調製
した。反応測定液2.5mlに酵素溶液2.5μlを加
え、37℃で10分間反応させた。その後、6NのHC
l(和光純薬、コードNo.183−21 GR)0.
7mlを添加し、反応を停止させた後、4−MUPから
生じたメチルウンベリフェロンの蛍光を蛍光分析計で測
定した(励起波長360nm、蛍光波長440nm)。
その結果を図2に示す。図2は本発明のAlPに4−M
UPを濃度を変えて反応させた時に生成するメチルウン
ベリフェロンの蛍光強度を示す図であり、縦軸は蛍光強
度を、横軸は4−MUPの濃度を示している。
【0042】図2から、反応測定液中に添加した4−M
UPの濃度に比例してメチルウンベリフェロンの蛍光強
度が増加し(グラフの相関係数0.99)、AlPが4
−MUPに対し良好に反応していることがわかる。
【0043】参考例3、比較例1、2 実施例1で得たビブリオ エスピー(Vibrio sp.)SM
Y−2株由来のAlP(参考例5)、仔ウシ小腸由来の
AlP(ベーリンガーマンハイム社より購入、コードN
o.567744、比較例1)及び大腸菌由来のAlP
(シグマ社より購入、コードNo.P−5931、比較
例2)について、基質をPNPP及び4−MUPとした
時の、酵素サブユニット当たりの触媒反応定数(以下、
kcat と略記する)を求めた。AlPの分子量は、ビブ
リオ エスピー(Vibrio sp.)SMY−2由来のものは
90000、仔ウシ小腸由来のものは140000、大
腸菌由来のものは94000とし、すべて2つのサブユ
ニットからなるものとした。
【0044】反応は、1.0mMの塩化マグネシウム6
水和物(和光純薬より購入、コードNo.135−00
165)を含む1MのDEA(和光純薬より購入、コー
ドNo.093−03115)緩衝液(pH10.0)
中で、PNPP(ナカライテスクより購入、コードN
o.250−19GR)、4−MUP(ナカライテスク
より購入、コードNo.232−53GR)を各々基質
として、37℃で行なった。基質がPNPPの際には、
分光光度計で405nmにおける吸光度変化を測定し
た。また、基質が4−MUPの際には、反応により4−
MUPから生じたメチルウンベリフェロンの蛍光を蛍光
分析計で測定した(励起波長360nm、蛍光波長44
0nm)。kcatは、以下の式から算出した。
【0045】
【数1】
【0046】その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、ビブリオ エス
ピー(Vibrio sp.)SMY−2株由来のAlPは、基質
をPNPPとした場合は、仔ウシ小腸由来のAlPの約
1.6倍、大腸菌由来のAlPの約88倍のkcat を、
また、基質を4−MUPとした場合は、仔ウシ小腸由来
のAlPの約1.9倍、大腸菌由来のAlPの約82倍
のkcat を示した。この結果から、本発明のAlPは触
媒能が高いことがわかる。
【0049】実施例2 DIFCO社製マリンブロス2216培地(DIFC
O、コードNo.0791−01−2)100ml(5
00ml三角フラスコ中)にビブリオ エスピー(Vibr
io sp.)SMY−2株を接種し、28℃で12時間種培
養した。
【0050】実施例1に記載の培地に、カザミノ酸(日
本製薬、カザミノ酸「ダイゴ」、コードNo.398−
00657)、ペプトン(極東製薬工業、コードNo.
01012)、肉エキス(極東製薬工業、エルリッヒ肉
エキス、コードNo.01200)、コーンスティープ
リカー(以下、CSLと略記する。:サンエイ糖化、コ
ードNo.03602)をそれぞれ0.5%ずつ添加
し、それぞれの培地を500ml三角フラスコに100
mlずつ分注し、これらの培地に、上記のDIFCO社
製マリンブロス2216培地で培養したビブリオ エス
ピー(Vibrio sp.)SMY−2株の培養液5mlずつを
接種して27℃で8時間振盪培養した。培養終了後、各
培養液を遠心分離し、菌体から粗酵素液を調製し、Al
P活性を測定した。
【0051】その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2から明らかなように、カザミノ酸を添
加した培地を用いて培養した菌体はペプトン、肉エキ
ス、コーンスティープリカーを添加した培地を用いた場
合の約1.6〜2.8倍のAlP生産性(湿菌体1Kg
当たりのAlP活性)を示した。このことから、AlP
を大量に得る場合には、ビブリオ エスピー(Vibrio s
p.)SMY−2株の培養培地中にカザミノ酸を添加する
ことが有効であることが確認された。
【0054】また、このようにして得られたAlPは実
施例1で得られたAlPと同じ理化学的性質を有してい
た。
【0055】
【発明の効果】本発明のAlPは、高い触媒能を有して
いるので、各種測定用試薬に広く利用することができ
る。また、本発明によれば、このようなAlPを容易に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAlPとPNPPとを、PNPPの濃
度を変えて反応させた際の、405nmにおける1分間
の吸光度変化を示す図である。
【図2】本発明のAlPと4−MUPとを、4−MUP
の濃度を変えて反応させた際に、反応により生成するメ
チルウンベリフェロンの蛍光強度を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 建 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 鈍寳 宗彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 近藤 仁司 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の理化学的性質を有することを特徴
    とするアルカリフォスファターゼ(EC 3.1.3.
    1)。 (1)作用 下記反応式の反応を触媒する。 【化1】 (2)サブユニット当たりの触媒反応の速度定数 p−ニトロフェニルリン酸を基質とした場合、6000
    /秒以上(測定温度37℃)である。
  2. 【請求項2】 ビブリオ(Vibrio)属に属する請求項1
    記載のアルカリフォスファターゼの生産菌を培養し、培
    養物から請求項1記載のアルカリフォスファターゼを採
    取することを特徴とするアルカリフォスファターゼの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 カザミノ酸を含有する栄養培地で培養す
    る請求項2記載の製造方法。
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