JPH09310017A - 樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

樹脂組成物およびその成形品

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JPH09310017A
JPH09310017A JP9087581A JP8758197A JPH09310017A JP H09310017 A JPH09310017 A JP H09310017A JP 9087581 A JP9087581 A JP 9087581A JP 8758197 A JP8758197 A JP 8758197A JP H09310017 A JPH09310017 A JP H09310017A
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克則 高本
Takashi Yamashita
山下  隆
Shuichi Kanao
修一 金尾
Shunji Kaneda
俊二 金田
Hiromichi Nakada
博通 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強伸度、並びに常温および低温での耐衝
撃性に優れる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明は、下記(A)、(B)および
(C)を含有する樹脂組成物である。ただし、(A)+
(B)+(C)基準で、(A)は2.5〜90重量%、
(B)は2.5〜90重量%、(C)は5〜95重量%
である。 (A):熱可塑性ポリウレタン (B):分子主鎖が水素添加されていてもよい共役ジエ
ン化合物単位(I)および芳香族ビニル化合物単位(I
I)からなり、末端に水酸基を有する重合体 (C):ポリアセタール樹脂

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアセタール樹
脂、熱可塑性ポリウレタンおよび末端に水酸基を有する
特定の重合体を含有する樹脂組成物、並びに該樹脂組成
物からなる成形品に関する。本発明の樹脂組成物は、引
張強伸度、常温および低温での耐衝撃性などの力学的性
能;耐摩耗性;成形加工性などに優れており、各種成形
品の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、引張強伸度、電
気的性質、耐薬品性、耐熱性等に優れるエンジニアリン
グ樹脂として広く利用されている。ただし、ポリアセタ
ール樹脂は耐衝撃性に劣り、そのため、耐衝撃性の改良
方法としてゴム成分を配合する技術が知られている。ポ
リアセタール樹脂は極性が高いために、ポリアセタール
樹脂のマトリックス中にゴム成分が微分散し耐衝撃性を
効果的に発現することができるように、ゴム成分として
は高極性の熱可塑性ポリウレタンなどが使用されてい
る。しかし、ポリアセタール樹脂に熱可塑性ポリウレタ
ンを配合した樹脂組成物においても、低温での耐衝撃性
等においてまだ改良すべき点がある。
【0003】一方、ポリアセタール樹脂の低温での耐衝
撃性、耐候性等の改良のために、スチレン系ブロック共
重合体を添加する試みがなされている。しかし、一般に
は、スチレン系ブロック共重合体が微分散せず、樹脂組
成物を成形品にした場合、表層剥離が激しく、引張伸度
の低下が著しい。
【0004】また、ポリアセタール樹脂に、該ポリアセ
タール樹脂の微結晶融点以下の軟化点および−120℃
〜+30℃の二次転移温度を有するエラストマーと、熱
可塑性ポリウレタンとを配合してなる成形用組成物が、
良好な耐衝撃性を有することが知られている(特公昭6
3−26138号公報)。しかしながら、該成形用組成
物では、ポリアセタール樹脂に由来する引張強伸度の性
能の低下が大きく、さらに、用途に応じては耐衝撃性が
不足することがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、ポリアセタール樹脂および熱可塑性ポリウレタンを
含有する樹脂組成物において、引張強伸度および常温で
の耐衝撃性に優れるのみならず、低温での耐衝撃性が改
善された樹脂組成物を提供することにある。本発明の第
2の目的は、上記の特長が効果的に活用された成形品を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するべく検討した結果、ポリアセタール樹脂およ
び熱可塑性ポリウレタンの組成物に、さらに特定の化学
構造を有する重合体を配合することによって、引張強伸
度および常温での耐衝撃性に優れるのみならず、低温で
の耐衝撃性が高度に改善されることを見いだし、さらに
検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は第1に、(1)熱可塑
性ポリウレタン(A);分子主鎖が、主として、水素添
加されていてもよい共役ジエン化合物単位(I)および
芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、単位(I)/
単位(II)のモル比が10/90〜90/10の範囲内
であり、かつ分子主鎖の末端に水酸基を有する重合体
(B);およびポリアセタール樹脂(C)を含有し(た
だし、熱可塑性ポリウレタン(A)の少なくとも一部お
よび重合体(B)の少なくとも一部は、該重合体(B)
の末端の水酸基の位置で該熱可塑性ポリウレタン(A)
と化学反応して形成されうるブロック共重合体(D)の
形で存在していてもよい)、(2)上記(A)、(B)
および(C)の合計重量に基づいて、(A)の割合が
2.5〜90重量%であり、(B)の割合が2.5〜9
0重量%であり、(C)の割合が5〜95重量%であ
る、ことを特徴とする樹脂組成物である。
【0008】また、本発明は第2に、上記樹脂組成物か
らなる成形品である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において熱可塑性ポリウレ
タン(A)は、例えば、高分子ジオール、有機ジイソシ
アネートおよび鎖伸長剤をウレタン化反応させて得るこ
とができる。
【0010】高分子ジオールとしては、ポリエステルジ
オール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルポリ
カーボネートジオールなどのエステル系高分子ジオール
が好ましい。高分子ジオールの数平均分子量は、1,5
00〜6,000であるのが好ましく、2,000〜
6,000であるのがより好ましい。なお、本明細書で
いう高分子ジオールの数平均分子量は、いずれもJIS
K1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算
出した数平均分子量である。
【0011】上記ポリエステルジオールは、例えば常法
に従って、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物な
どのエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを、直接
エステル化反応もしくはエステル交換反応に付すことに
より得られる。ポリエステルジオールの製造原料として
用いられるジカルボン酸としては、例えば、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン教、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、
2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メ
チルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−
ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸など
の炭素数5〜12の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカル
ボン酸などを挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を用いることかできる。これらのなかでも、
炭素数が5〜12の脂肪族ジカルボン酸を使用するのが
好ましく、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など
を使用するのがより好ましい。ポリエステルジオールの
製造原料として用いられる低分子ジオールとしては、例
えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペ
ンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂
肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘ
キサンジオールなどの脂環式ジオールなどを挙げること
ができ、これらのうち1種または2種以上を用いること
ができる。
【0012】上記したポリカーボネートジオールは、例
えば、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アル
キレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカ
ーボネート化合物との反応により得られる。ポリカーボ
ネートジオールの製造原料である低分子ジオールとして
は、ポリエステルジオールの製造原料として先に例示し
た低分子ジオールを用いることができる。また、ジアル
キルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとし
てはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネ
ートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げること
ができる。
【0013】上記したポリエステルポリカーボネートジ
オールは、例えば、低分子ジオール、ジカルボン酸およ
びカーボネート化合物を同時に反応させることにより得
られる。あるいは、ポリエステルポリカーボネートジオ
ールは、予め上記した方法によりポリエステルジオール
およびポリカーボネートジオールをそれぞれ合成し、次
いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか、また
はジオールおよびジカルボン酸と反応させることによっ
て得られる。
【0014】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用い
られる有機ジイソシアネートの種類は特に制限されず、
通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられ
ている有機ジイソシアネートのいずれもが使用できる
が、分子量500以下の芳香族、脂環式または脂肪族ジ
イソシアネートを、単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用するのが好ましい。有機ジイソシアネートの好適
な例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げる
ことができ、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。これらのなかでも、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートを用いるのが好ましい。ま
た、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの3官
能以上のポリイソシアネートを、必要に応じて少量用い
ることもできる。
【0015】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用い
られる鎖伸長剤の種類は特に制限されず、通常の熱可塑
性ポリウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長
剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基(−N
CO)と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上
(好ましくは2個)有する分子量300以下の低分子化
合物を用いるのが好ましい。該低分子化合物としては、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレート、キシリレングリコールな
どのジオール類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジア
ミン、ピペラジンまたはその誘導体、フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸
ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミ
ン類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコ
ールなどのアミノアルコール類などが挙げられ、これら
のうち1種または2種以上を用いることができる。これ
らのなかでも、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを用い
るのが好ましく、1,4−ブタンジオールを用いるのが
より好ましい。鎖伸長剤の使用量は特に制限されず、ポ
リウレタンに付与すべき硬度などに応じて適宜選択する
ことができるが、通常は、高分子ジオール1モル当た
り、0.1〜10モルの割合で使用するのが好ましく、
0.3〜7モルの割合で使用するのがより好ましい。
【0016】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に当た
っては、上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネート
および鎖伸長剤を、下記の数式;
【0017】
【数2】0.9≦b/(a+c)≦1.1
【0018】(式中、aは高分子ジオールのモル数を表
し、bは有機ジイソシアネートのモル数を表し、cは鎖
伸長剤のモル数を表す)
【0019】を満足する割合で反応させることが好まし
い。高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸
長剤を、上記数式を満足する割合で反応させて得られた
熱可塑性ポリウレタンを用いることにより、力学的性
能、耐摩耗性および成形加工性がより優れた樹脂組成物
が得られる。
【0020】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造方法は
特に制限されず、上記の高分子ジオール、有機ジイソシ
アネートおよび鎖伸長剤を使用し、公知のウレタン化反
応技術を利用して、プレポリマー法、ワンショット法等
の任意の方法で製造することができる。そのうちでも、
溶剤の実質的な不存在下に溶融重合することが好まし
く、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合
することが好ましい。
【0021】なお、上記の高分子ジオール、有機ジイソ
シアネートおよび鎖伸長剤を用いて熱可塑性ポリウレタ
ン(A)を製造するに当たって、ウレタン化反応に対し
て触媒活性を有するスズ系ウレタン化触媒を使用しても
よい。スズ系ウレタン化触媒を使用すると、ポリウレタ
ンの分子量が速やかに増大し、各種物性がより良好なポ
リウレタンを得るうえで有効である。スズ系ウレタン化
触媒としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジ
ブチルスズジラウレートなどのジアルキルスズジアシレ
ート;ジブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸
エトキシブチルエステル)塩などのジアルキルスズビス
メルカプトカルボン酸エステル塩などを挙げることがで
きる。スズ系ウレタン化触媒を使用する場合、その使用
量は、ポリウレタンの重量(すなわち、ポリウレタンの
製造に用いる高分子ジオール、有機ジイソシアネート、
鎖伸長剤などの反応性原料化合物の全重量)に対して、
スズ原子換算で0.5〜15ppmであるのが好まし
い。
【0022】熱可塑性ポリウレタン(A)の対数粘度
は、n−ブチルアミンを0.05モル/リットル含有す
るN,N−ジメチルホルムアミド溶液に、熱可塑性ポリ
ウレタンを濃度0.5g/dlになるように溶解し、3
0℃で測定したときに、0.5〜2.0dl/gである
ことが、力学的性能、耐摩耗性、非粘着性などにおいて
良好な樹脂組成物が得られることから好ましい。この観
点において、該対数粘度は0.8〜1.9dl/gであ
ることがより好ましい。
【0023】本発明に用いられる末端に水酸基を有する
重合体(B)は、その分子主鎖が、主として、水素添加
されていてもよい共役ジエン化合物単位(I)および芳
香族ビニル化合物単位(II)から構成される。
【0024】重合体(B)を構成する水素添加されてい
てもよい共役ジエン化合物単位(I)は、共役ジエン化
合物から誘導される単位または該単位が水素添加された
形の単位である。該共役ジエン化合物としては、例え
ば、イソプレン、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,
3−ヘキサジエンなどを挙げることができ、これらのな
かでもイソプレンが好ましい。単位(I)は、重合体
(B)中に1種または2種以上を含ませることができ
る。重合体(B)の主鎖中に存在する単位(I)におけ
る炭素−炭素二重結合は少なくとも部分的に水素添加さ
れていることが、耐熱劣化性および耐候性などが優れた
樹脂組成物が得られる点において好ましい。この観点に
おいて、単位(I)における炭素−炭素二重結合の50
%以上が水素添加されている(すなわち、不飽和度が5
0%以下である)のがより好ましく、80%以上が水素
添加されている(すなわち、不飽和度が20%以下であ
る)のが特に好ましい。重合体(B)を構成する芳香族
ビニル化合物単位(II)としては、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの芳
香族ビニル化合物から誘導される単位を挙げることがで
き、これらのなかでもスチレンから誘導される単位が好
ましい。単位(II)は、重合体(B)中に1種または2
種以上を含ませることができる。
【0025】単位(I)/単位(II)のモル比は、重合
体(B)とポリアセタール樹脂(C)との相溶性が良好
となり、力学的性能、耐摩耗性などに優れた樹脂組成物
が得られることから、10/90〜90/10の範囲内
である。この観点において、単位(I)/単位(II)の
モル比は20/80〜70/30の範囲内であるのがよ
り好ましい。重合体(B)の主鎖中における単位(I)
および単位(II)の配列は、ランダム状、ブロック状お
よびテーパーブロック状のいずれの形態になっていても
よいが、得られる樹脂組成物の相溶性が一層良好であ
り、力学的性能、成形加工性などがより優れているとい
う点において、各単位がそれぞれブロック状に配列して
いるのが好ましい。すなわち、重合体(B)は、主とし
て単位(I)からなる重合体ブロックと、主として芳香
族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックとを
それぞれ少なくとも1個ずつ含有しているブロック共重
合体の主鎖構造を有していることが好ましい。
【0026】重合体(B)は、主鎖末端に水酸基を含有
している必要がある。重合体(B)の水酸基含有量は、
1分子当たりの平均値において0.5〜2個であるのが
好ましく、0.8〜1.5個であるのがより好ましい。
末端に水酸基を全く有していないものは、熱可塑性ポリ
ウレタン(A)との親和性およびポリアセタール樹脂
(C)との親和性が不足し、これらの樹脂組成物におい
て十分に微分散することができず、その結果、引張強
度、耐衝撃性、耐摩耗性などが不十分となる。
【0027】重合体(B)の数平均分子量は、力学的性
能、成形性等におけるバランスに優れた樹脂組成物が得
られる点から、1,000〜300,000の範囲内で
あるのが好ましく、5,000〜150,000の範囲
内であるのがより好ましい。重合体(B)の主鎖が、主
として単位(I)からなる少なくとも1個の重合体ブロ
ックと、主として単位(II)からなる少なくとも1個の
重合体ブロックとを有するブロック共重合体の構造を有
する場合、主として単位(I)からなる重合体ブロック
の数平均分子量は100〜270,000の範囲内であ
るのが好ましく、10,000〜200,000の範囲
内であるのがより好ましい。また、その場合、単位(I
I)からなる重合体ブロックの数平均分子量は100〜
270,000の範囲内であるのが好ましく、3,00
0〜150,000の範囲内であるのがより好ましい。
【0028】重合体(B)の製造方法は、特に限定され
るものではない。例えば、ブチルリチウムなどの有機ア
ルカリ金属触媒を用いるアニオンリビング重合などによ
り共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを主体とす
るモノマーを付加共重合して、主として、水素添加され
ていない共役ジエン化合物単位および芳香族ビニル化合
物単位(II)からなるリビングポリマーを得、その重合
活性末端をエチレンオキシド、プロピレンオキシドなど
のアルキレンオキシドで処理して主鎖末端に水酸基を導
入した後、さらに、所望に応じて、公知の方法を用いて
該共役ジエン化合物単位を水素添加することにより、重
合体(B)を得ることができる。上記のように、共役ジ
エン化合物単位(I)は部分水添または完全水添されて
いることが好ましい。共役ジエン化合物単位の水素添加
反応には、触媒として均一系触媒または不均一系触媒を
用いることができる。均一系触媒としては、例えば、有
機遷移金属触媒(ニッケルアセチルアセトナート、コバ
ルトアセチルアセトナート、ナフテン酸ニッケル、ナフ
テン酸コバルト等)とアルミニウム、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属などの金属のアルキル化合物との組み合
わせによるチーグラー触媒などを挙げることができる。
これらの触媒は、共役ジエン化合物単位中に含まれる炭
素−炭素二重結合に対して0.01〜0.1モル%の割
合で用いられるのが好ましい。水素添加反応は、通常、
常温〜160℃の温度、常圧〜50kg/cm2の水素
圧下で行われ、約1〜50時間で終了する。
【0029】なお、本発明の樹脂組成物においては、熱
可塑性ポリウレタン(A)の少なくとも一部および末端
に水酸基を有する重合体(B)の少なくとも一部は、該
重合体(B)の末端の水酸基の位置で該熱可塑性ポリウ
レタン(A)と化学反応して形成されうるブロック共重
合体の形で存在していてもよい。該ブロック共重合体
は、熱可塑性ポリウレタン(A)からなる重合体ブロッ
クと、重合体(B)からなる重合体ブロックとを有する
ブロック共重合体(D)である。
【0030】本発明に用いられるポリアセタール樹脂
(C)は、オキシメチレン基を主たる構成単位とする高
分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキ
シメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリ
マー、ターポリマー、ブロックコポリマーのいずれであ
ってもよい。また、分子鎖が線状のみならず分岐構造、
架橋構造を有するものであってもよい。
【0031】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレ
タン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)および
ポリアセタール樹脂(C)の合計重量に基づいて、熱可
塑性ポリウレタン(A)を2.5〜90重量%、末端に
水酸基を有する重合体(B)を2.5〜90重量%、ポ
リアセタール樹脂(C)を5〜95重量%の割合で、そ
れぞれ含有している。なお、本発明においては、上記ブ
ロック共重合体(D)の分子中に組み込まれている熱可
塑性ポリウレタン(A)のブロックおよび重合体(B)
のブロックの重量は、それぞれ、熱可塑性ポリウレタン
(A)の重量および重合体(B)の重量に加入する。
【0032】熱可塑性ポリウレタン(A)の含有率が
2.5重量%未満の場合には、得られる樹脂組成物にお
ける常温での耐衝撃性および引張伸度が不足し好ましく
ない。熱可塑性ポリウレタン(A)の含有率が90重量
%を越える場合には、得られる樹脂組成物の弾性率の低
下が著しく好ましくない。末端に水酸基を有する重合体
(B)の含有率が2.5重量%未満の場合には、得られ
る樹脂組成物の耐衝撃性の改良効果、特に低温時での耐
衝撃性の改良効果が不足し好ましくない。末端に水酸基
を有する重合体(B)の含有率が90重量%を越える場
合には、得られる樹脂組成物の弾性率の低下が著しく好
ましくない。ポリアセタール樹脂(C)の含有率が5重
量%未満の場合には、得られる樹脂組成物の引張強度等
が不足し好ましくない。また、ポリアセタール樹脂
(C)の含有率が95重量%を越える場合には、得られ
る樹脂組成物の耐衝撃性が不足し好ましくない。引張強
伸度、常温および低温での耐衝撃性等の力学的性能など
における総合性能が特に優れた樹脂組成物が得られる点
から、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有
する重合体(B)およびポリアセタール樹脂(C)の合
計重量に基づいて、(A)の含有率が2.5〜47.5
重量%であり、(B)の含有率が2.5〜47.5重量
%であり、かつ(C)の含有率が50〜95重量%であ
ることが好ましい。また、同様の点から、(A)/
(B)の重量比が2/8〜8/2であることが好まし
い。
【0033】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレ
タン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)および
ポリアセタール樹脂(C)を必須の成分として含有する
が、所望により、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範
囲内の量において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防
止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、可塑剤等の各種添
加剤;タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどのフィラ
ー;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
類、ポリスチレン、HIPS等のポリスチレン類、PP
E、各種TPE等の重合体が、さらに含有されていても
よい。
【0034】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレ
タン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)、ポリ
アセタール樹脂(C)および、所望により他の成分を混
合することによって製造することができる(ただし、
(A)の一部および(B)の一部はブロック共重合体
(D)の形態で混合に使用してもよい)。混合方法とし
ては、公知の樹脂組成物の製造のために使用される方法
に準じて、種々の方法を採用することができ、また各成
分の混合順序も特に限定されるものではない。ただし、
引張強伸度、常温および低温での耐衝撃性等の力学的性
能などが特に優れた樹脂組成物を再現性よく得ることが
できる点から、各成分を溶融条件下に混練する方法が好
ましく、熱可塑性ポリウレタン(A)と末端に水酸基を
有する重合体(B)とを溶融混練し、次いでポリアセタ
ール樹脂(C)を溶融混練する方法、または、一部がブ
ロック共重合体(D)の形で存在する熱可塑性ポリウレ
タン(A)および重合体(B)を用いて、該熱可塑性ポ
リウレタン(A)、該重合体(B)およびポリアセター
ル樹脂(C)を溶融混練する方法がより好ましい。な
お、各成分の混合においては、通常用いられるような縦
型あるいは水平型の混合機を用いることが可能である。
これらの溶融混練の温度は、特に限定されるものではな
く、各成分の溶融温度、分解温度等を考慮して適宜設定
することができるが、通常、100〜270℃の範囲内
が好ましい。なお、熱可塑性ポリウレタン(A)を、溶
剤の実質的な不存在下に多軸スクリュー型押出機を用い
て連続溶融重合法で製造する場合、末端に水酸基を有す
る重合体(B)およびポリアセタール樹脂(C)を該押
出機中に供給することによって、本発明の樹脂組成物を
製造することもできる。この方法においても、上記と同
様に、熱可塑性ポリウレタン(A)またはその原料化合
物(モノマーおよびプレポリマー)と末端に水酸基を有
する重合体(B)との溶融混練が先行し、その後にポリ
アセタール樹脂(C)が混練されるように、重合体
(B)および樹脂(C)の供給位置を定めるのが好まし
い。
【0035】本発明の樹脂組成物においては、ブロック
共重合体(D)の分子中に組み込まれていない熱可塑性
ポリウレタン(A)(以下、「真の熱可塑性ポリウレタ
ン(A’)」と称する)は、常温での耐衝撃性および引
張強伸度を高める作用があるが、多すぎると弾性率を低
下させる傾向がある。ブロック共重合体(D)の分子中
に組み込まれていない重合体(B)(以下、「真の重合
体(B’)」と称する)は、耐衝撃性、特には低温での
耐衝撃性、を向上させる作用があるが、多すぎると弾性
率を低下させる傾向がある。ポリアセタール樹脂(C)
は、前記のように、引張強伸度等を向上させる作用があ
るが、多すぎると耐衝撃性を低下させる。また、ブロッ
ク共重合体(D)は、耐衝撃性を向上させる作用がある
が、多すぎると溶融流動性を低下させる傾向があり、成
形性の低下につながる。ブロック共重合体(D)は、真
の熱可塑性ポリウレタン(A’)と真の重合体(B’)
とを、ポリアセタール樹脂(C)の存在下または不存在
下に、加熱条件下で接触させた場合に生成するので、本
発明の樹脂組成物を製造するための混合操作において
は、あえて別途製造したブロック共重合体(D)を使用
することは必要ではないが、熱可塑性ポリウレタン
(A)および重合体(B)としてそれらの一部がブロッ
ク共重合体(D)の形で存在するものを用いる場合に
は、上記のような諸特性を総合的に考慮すると、真の熱
可塑性ポリウレタン(A’)、真の重合体(B’)、ポ
リアセタール樹脂(C)およびブロック共重合体(D)
は、これらの使用量の和に基づいて、(A’)が2〜9
0重量%を占め、(B’)が2〜90重量%を占め、
(C)が5〜95重量%を占め、かつ(D)が1〜60
重量%を占めるような割合で使用することがより好まし
く、(A’)が2〜46.5重量%を占め、(B’)が
2〜46.5重量%を占め、(C)が50〜95重量%
を占め、かつ(D)が1〜46重量%を占めるような割
合で使用することがさらに好ましい。また、上記のよう
な諸特性の点から、真の熱可塑性ポリウレタン
(A’)、真の重合体(B’)およびブロック共重合体
(D)のそれぞれの使用量は、(A’)/(B’)の重
量比が2/8〜8/2となり、かつ[(A’)と
(B’)の合計]/(D)の重量比が4/6〜9/1と
なるような条件をさらに満足することが好ましい。事前
に別途製造したブロック共重合体(D)を、真の熱可塑
性ポリウレタン(A’)、真の重合体(B’)およびポ
リアセタール樹脂(C)とともに使用して本発明の樹脂
組成物を製造する場合には、該ブロック共重合体(D)
の有する重合体ブロックの構造を、使用した真の熱可塑
性ポリウレタン(A’)および/または真の重合体
(B’)とは異なるものとすることもできる。
【0036】なお、ブロック共重合体(D)は、真の熱
可塑性ポリウレタン(A’)と真の重合体(B’)とを
溶融混練条件下で反応させるか、または溶液中で加熱反
応させる方法、真の熱可塑性ポリウレタン(A’)を与
えるモノマーまたはプレポリマーを真の重合体(B’)
の存在下でウレタン化反応(重合)させる方法などによ
って製造することができる。これらの反応によれば、通
常、ブロック共重合体(D)が真の熱可塑性ポリウレタ
ン(A’)と真の重合体(B’)との組成物の形で得ら
れるので、この組成物を精製操作に付することなく、そ
のまま本発明の樹脂組成物の製造に使用することができ
る。また、上記の反応によって得られた組成物から、真
の熱可塑性ポリウレタン(A’)をジメチルホルムアミ
ドなどの該ポリウレタンに対する良溶媒で抽出除去し、
真の重合体(B’)をシクロヘキサンなどの該重合体に
対する良溶媒で抽出除去することなどによって、ブロッ
ク共重合体(D)の純度を高めることができるので、こ
のようにして得られたブロック共重合体(D)を本発明
の樹脂組成物の製造に使用してもよい。
【0037】本発明の樹脂組成物は、熱溶融成形および
加熱加工が可能であり、射出成形、押出成形、ブロー成
形、カレンダー成形、注型成形などの任意の成形方法に
より成形・加工が可能である。このようにして得られる
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、フィルム状、シ
ート状、チューブ状、三次元形状等の任意の形状の物品
を包含する。該成形品は、自動車部品、家電部品、コン
ピュータ部品、機械部品、パッキン、ガスケット、ホー
スなどの広範な各種用途に供することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0039】なお実施例において、樹脂組成物の引張強
伸度、耐衝撃性、成形品の表面状態および相溶性は、以
下の方法により測定または評価した。
【0040】[引張破断強伸度] 樹脂組成物を射出成
形することにより得たダンベル片を用い、JIS K7
311に準拠して、引張強度および引張伸度を測定し
た。
【0041】[耐衝撃性] 樹脂組成物を射出成形する
ことにより得たIZOD(アイゾット)試験片(モール
ドノッチ付き)を用い、IZOD耐衝撃試験を25℃お
よび−20℃の2点で行った。
【0042】[成形品の表面状態] 樹脂組成物を射出
成形することにより得たダンベル片の試験片の表面状態
を肉眼で観察し、表面に剥離が生じているかどうかの観
点で表面状態の良否を評価した。
【0043】[相溶性] 上記ダンベル片の試験片を冷
却条件下に破断して形成された破断面をジメチルホルム
アミドでエッチングした後、破断面の中心部付近の表面
を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することに
よって分散粒子の状態を評価し、平均分散粒径を測定し
た。
【0044】参考例1(高分子ジオールの合成) 3−メチル−1,5−ペンタンジオール1420gおよ
びアジピン酸1460gを反応器に仕込み、常圧下に窒
素ガスを系内に通じながら、約220℃で、生成する水
を系外に留去しながらエステル化反応を行った。生成し
たポリエステルジオールの酸価が0.3以下になった時
点で、真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を完
結させた。得られたポリエステルジオール(以下、PM
PAと称する)の数平均分子量は3,500であった。
【0045】参考例2(熱可塑性ポリウレタンの合成) 参考例1で製造したPMPA、1,4−ブタンジオール
(BD)および4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI)を、PMPA/BD/MDIのモル比
が1/3.13/4.13となる割合で、かつこれらの
総量が300g/分になるように、定量ポンプにより、
同方向に回転する2軸押出機(30mmφ、L/D=3
6、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給
して連続溶融重合を行った。得られたポリウレタンの溶
融物をストランド状で水中に連続的に押出し、ペレタイ
ザーでペレットに切断し、80℃で20時間除湿乾燥す
ることにより、熱可塑性ポリウレタン(以下、TPU−
1と称する)を得た。
【0046】参考例3(末端に水酸基を有する重合体の
合成) スチレンモノマーをn−ブチルリチウムを開始剤として
用いてシクロヘキサン中でアニオン重合させた後、イソ
プレンモノマーを添加してリビングブロックポリマーを
製造した。さらに、重合活性末端に対して10倍モル量
のエチレンオキシドを添加し、次いでメタノールを添加
して反応停止させた。このようにして、分子末端に水酸
基を有するポリスチレン−ポリイソプレンジブロック共
重合体を得た。この末端に水酸基を有するポリスチレン
−ポリイソプレンジブロック共重合体をシクロヘキサン
に溶解した後、ラネーニッケル触媒を加え、50kg/
cm2の水素圧下、150℃で水素添加反応させること
により、分子主鎖末端に水酸基を有するポリスチレン−
ポリイソプレンジブロック共重合体の水添物(以下、S
EP−OHと称する)を得た。該SEP−OHについ
て、スチレン単位からなる重合体ブロックの数平均分子
量は10,000であり、主として水素添加されたイソ
プレン単位からなる重合体ブロックの数平均分子量は2
1,000であり、スチレン単位/イソプレン単位(水
素添加された単位と水素添加されなかった単位との合
計)のモル比は25/75であり、水酸基含有量は1分
子当たりの平均値で0.89個であり、イソプレン単位
の炭素−炭素二重結合における水素添加率は97%であ
った。
【0047】参考例4(末端に水酸基を有しない重合体
の合成) リビングブロックポリマー製造後、エチレンオキシドを
添加することなくメタノールで反応停止させた以外は参
考例3と同様にして、反応操作および処理操作を行うこ
とにより、末端に水酸基を有しないポリスチレン−ポリ
イソプレンジブロック共重合体の水添物(以下、SEP
と称する)を得た。
【0048】参考例5(熱可塑性ポリウレタンと末端に
水酸基を有する重合体とからのブロック共重合体の合
成) 参考例2で製造したTPU−1と参考例3で製造したS
EP−OHとを、TPU−1/SEP−OHの重量比が
50/50となる割合でペレットブレンドした後、混合
ペレットを2軸押出機(シリンダー温度:220℃)中
で溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕機で粉砕
し、微粉末状にした。この粉末状物にジメチルホルムア
ミドを添加し、室温下で10時間撹拌することによって
未反応のTPU−1を抽出した後、固形物を濾別した。
次いで、得られた粉末状の固形物にシクロヘキサンを添
加し、100℃の温度で10時間撹拌することによって
未反応のSEP−OHを抽出した後、得られた固形物を
濾別し、乾燥した。ゲルパーミエーションクロマトグラ
ム等により、得られた粉末状の固形物は、TPU−1に
相当する重合体ブロックとSEP−OHに相当する重合
体ブロック(水酸基は喪失)とを有するブロック共重合
体(以下、SEP−TPUと称する)であることが判明
した。なお、上記の溶融混練物を基準とするSEP−T
PUの生成割合は43重量%であった。
【0049】実施例1 参考例2と同様にして2軸押出機を用いて連続溶融重合
を行うことにより熱可塑性ポリウレタン(以下、TPU
−2と称する)を生成させるとともに、さらに、該2軸
押出機中を流れるTPU−2に対して、まず参考例3で
得られた末端に水酸基を有する重合体SEP−OHが混
練され、次いでポリアセタール樹脂(デュポン社製デル
リン100P(以下、POMと称する))が約200℃
で混練されるように、SEP−OHおよびPOMをそれ
ぞれ2軸押出機の所定の位置に供給した。なお、TPU
−2/SEP−OH/POMの重量比は15/15/7
0となるように供給量を設定した。得られた樹脂組成物
の溶融物を、押出機からストランド状で水中に連続的に
押出し、ペレタイザーでペレットに切断し、80℃で2
0時間除湿乾燥することにより、樹脂組成物(以下、樹
脂組成物−1と称する)を得た。得られた樹脂組成物−
1について射出成形を行い、得られた成形品を各種評価
に供した。得られた評価結果を下記表1に示す。
【0050】実施例2 参考例2で得たTPU−1、参考例3で製造したSEP
−OHおよびPOMを、TPU−1/SEP−OH/P
OMの重量比が15/15/70となる割合でペレット
ブレンドした後、ペレット混合物を2軸押出機に供給し
て約200℃で溶融混練した。得られた樹脂組成物の溶
融物を、押出機からストランド状で水中に連続的に押出
し、ペレタイザーでペレットに切断し、80℃で20時
間除湿乾燥することにより、樹脂組成物(以下、樹脂組
成物−2と称する)を得た。得られた樹脂組成物−2に
ついて射出成形を行い、得られた成形品を各種評価に供
した。得られた評価結果を下記表1に示す。
【0051】実施例3 参考例2で得たTPU−1と参考例3で製造したSEP
−OHとを、TPU−1/SEP−OHの重量比が15
/15となる割合でペレットブレンドした後、混合ペレ
ットを2軸押出機(シリンダー温度:70〜260℃)
中で溶融混練し、TPU−1とSEP−OHとの溶融混
練物を得た。得られた溶融混練物を押出機からストラン
ド状で水中に連続的に押出し、ペレタイザーでペレット
に切断し、80℃で20時間除湿乾燥した。このペレッ
ト状の溶融混練物とPOMとを、溶融混練物/POMの
重量比が30/70となる割合で2軸押出機に供給し、
約200℃の温度で溶融混練した。得られた樹脂組成物
の溶融物を、押出機からストランド状で水中に連続的に
押出し、ペレタイザーでペレットに切断し、80℃で2
0時間除湿乾燥することにより、樹脂組成物(以下、樹
脂組成物−3と称する)を得た。得られた樹脂組成物−
3について射出成形を行い、得られた成形品を各種評価
に供した。得られた評価結果を下記表1に示す。
【0052】実施例4 参考例5と同様にして2軸押出機を用いてTPU−1と
SEP−OHとを溶融混練した後、押出し切断して得ら
れたペレット状の組成物(含有されるTPU−1/SE
P−OH/SEP−TPUの重量比:4/4/6)の1
4重量部を、POMの70重量部、TPU−1の8重量
部およびSEP−OHの8重量部とペレットブレンドし
た。得られたペレット混合物(TPU−1/SEP−O
H/POM/SEP−TPUの重量比:12/12/7
0/6)を2軸押出機に供給し、約200℃で溶融混練
した。得られた樹脂組成物の溶融物を、押出機からスト
ランド状で水中に連続的に押出し、ペレタイザーでペレ
ットに切断し、80℃で20時間除湿乾燥することによ
り、樹脂組成物(以下、樹脂組成物−4と称する)を得
た。得られた樹脂組成物−4について射出成形を行い、
得られた成形品を各種評価に供した。得られた評価結果
を下記表1に示す。
【0053】実施例5 参考例5で得られたSEP−TPUの6重量部を、PO
Mの70重量部、TPU−1の12重量部およびSEP
−OHの12重量部とペレットブレンドし、得られたペ
レット混合物を2軸押出機に供給し、約200℃で溶融
混練した。得られた樹脂組成物の溶融物を、押出機から
ストランド状で水中に連続的に押出し、ペレタイザーで
ペレットに切断し、80℃で20時間除湿乾燥すること
により、樹脂組成物(以下、樹脂組成物−5と称する)
を得た。得られた樹脂組成物−5について射出成形を行
い、得られた成形品を各種評価に供した。得られた評価
結果を下記表1に示す。
【0054】比較例1 SEP−OHの代わりにそれと同重量のSEPを用いた
以外は実施例3と同様にして処理を行い、対応する樹脂
組成物(以下、樹脂組成物−6と称する)を得た。得ら
れた樹脂組成物−6について射出成形を行い、得られた
成形品を各種評価に供した。得られた評価結果を下記表
1に示す。
【0055】比較例2 溶融混練物/POMの重量比を30/70から2/98
に変更した以外は実施例3と同様にして処理を行い、対
応する樹脂組成物(以下、樹脂組成物−7と称する)を
得た。得られた樹脂組成物−7について射出成形を行
い、得られた成形品を各種評価に供した。得られた評価
結果を下記表1に示す。
【0056】比較例3 POMをそのまま射出成形し、得られた成形品を各種評
価に供した。得られた評価結果を下記表1に示す。
【0057】比較例4 SEP−OHを全く使用せず、TPU−1およびPOM
のみをTPU−1/POMの重量比が15/70となる
割合で使用した以外は実施例2と同様にして処理を行
い、樹脂組成物(以下、樹脂組成物−8と称する)を得
た。得られた樹脂組成物−8について射出成形を行い、
得られた成形品を各種評価に供した。得られた評価結果
を下記表1に示す。
【0058】比較例5 TPU−1を全く使用せず、SEP−OHおよびPOM
のみをSEP−OH/POMの重量比が15/70とな
る割合で使用した以外は実施例2と同様にして処理を行
い、樹脂組成物(以下、樹脂組成物−9と称する)を得
た。得られた樹脂組成物−9について射出成形を行い、
得られた成形品を各種評価に供した。得られた評価結果
を下記表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】上記の表1から、実施例1〜5で得られた
本発明に従う樹脂組成物は、引張強伸度、常温および低
温での耐衝撃性ならびに成形加工性のすべてにおいて優
れていることがわかる。それに対して、末端に水酸基を
有する重合体(B)の代わりに末端に水酸基を有しない
以外は同一構造の重合体を用いた場合(比較例1)で
は、引張強度、耐衝撃性、成形加工性等が不十分であ
り;熱可塑性ポリウレタン(A)および末端に水酸基を
有する重合体(B)を微量しか含有しないか、または全
く含有しない場合(比較例2および3)には、常温およ
び低温での耐衝撃性が不十分であり;末端に水酸基を有
する重合体(B)を含有しない場合(比較例4)には、
耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性、が不十分であり;ま
た、熱可塑性ポリウレタン(A)を含有しない場合(比
較例5)には、引張伸度、常温での耐衝撃性および成形
加工性が不十分であることがわかる。なお、本発明に従
う樹脂組成物のなかでも、熱可塑性ポリウレタン(A)
と末端に水酸基を有する重合体(B)とを溶融混練した
後にポリアセタール樹脂(C)を溶融混練した場合(実
施例1および3)、並びに熱可塑性ポリウレタン(A)
および重合体(B)として、それらの一部がブロック共
重合体(D)の形で存在するものを使用して、これをポ
リアセタール樹脂(C)と溶融混練した場合(実施例4
および5)には、引張伸度、常温および低温での耐衝撃
性等が特に優れることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、引張強伸度、常
温および低温での耐衝撃性ならびに成形加工性に優れ
る。また、本発明の成形品では、これらの優れた性質が
有効に発揮される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金尾 修一 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 金田 俊二 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 中田 博通 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)熱可塑性ポリウレタン(A);分
    子主鎖が、主として、水素添加されていてもよい共役ジ
    エン化合物単位(I)および芳香族ビニル化合物単位
    (II)からなり、単位(I)/単位(II)のモル比が1
    0/90〜90/10の範囲内であり、かつ分子主鎖の
    末端に水酸基を有する重合体(B);およびポリアセタ
    ール樹脂(C)を含有し(ただし、熱可塑性ポリウレタ
    ン(A)の少なくとも一部および重合体(B)の少なく
    とも一部は、該重合体(B)の末端の水酸基の位置で該
    熱可塑性ポリウレタン(A)と化学反応して形成されう
    るブロック共重合体(D)の形で存在していてもよ
    い)、(2)上記(A)、(B)および(C)の合計重
    量に基づいて、(A)の割合が2.5〜90重量%であ
    り、(B)の割合が2.5〜90重量%であり、(C)
    の割合が5〜95重量%である、ことを特徴とする樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水
    酸基を有する重合体(B)およびポリアセタール樹脂
    (C)を溶融条件下に混練して得られる請求項1記載の
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリウレタン(A)と末端に水
    酸基を有する重合体(B)とを溶融混練し、次いでポリ
    アセタール樹脂(C)を溶融混練して得られる請求項2
    記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 使用する熱可塑性ポリウレタン(A)の
    一部および末端に水酸基を有する重合体(B)の一部が
    ブロック共重合体(D)の形である請求項2または3に
    記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 末端に水酸基を有する重合体(B)の水
    酸基含有量が、1分子当たりの平均値において0.5〜
    2個である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 末端に水酸基を有する重合体(B)が、
    主として単位(I)からなる重合体ブロックと、主とし
    て芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロッ
    クとをそれぞれ少なくとも1個ずつ含有しているブロッ
    ク共重合体の主鎖構造を有している請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性ポリウレタン(A)が、数平均
    分子量1,500〜6,000の高分子ジオール、有機
    ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、下記数式; 【数1】0.9≦b/(a+c)≦1.1 (式中、aは高分子ジオールのモル数を表し、bは有機
    ジイソシアネートのモル数を表し、cは鎖伸長剤のモル
    数を表す)を満足する割合で反応させて得られた熱可塑
    性ポリウレタンである請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹
    脂組成物からなる成形品。
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