JPH09330817A - 面状コイル装置およびその製造方法 - Google Patents
面状コイル装置およびその製造方法Info
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- JPH09330817A JPH09330817A JP14962696A JP14962696A JPH09330817A JP H09330817 A JPH09330817 A JP H09330817A JP 14962696 A JP14962696 A JP 14962696A JP 14962696 A JP14962696 A JP 14962696A JP H09330817 A JPH09330817 A JP H09330817A
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- planar coil
- film
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- coil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高いQ値を持ち得ると共に、少ない工程数で製
造できるように改良された面状コイル装置およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】面状コイル装置1は、スパイラル状のコイ
ル2の構造と製造方法に大きな特徴を持っている。コイ
ル2の導体部は、感光性ポリイミド製の側部電気絶縁層
13にフォトリソグラフィ法で形成された溝部13aを
メッキパターンとして、下側電気絶縁膜11の表面にス
パッタ法で導電粒子が離散的に形成されてなるメッキ下
地層12の上に、無電解メッキ法で形成された無電解メ
ッキ導体層21と、無電解メッキ導体層21を通電層と
して用いて電解メッキ法で形成された電解メッキ導体層
22とで構成されている。
造できるように改良された面状コイル装置およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】面状コイル装置1は、スパイラル状のコイ
ル2の構造と製造方法に大きな特徴を持っている。コイ
ル2の導体部は、感光性ポリイミド製の側部電気絶縁層
13にフォトリソグラフィ法で形成された溝部13aを
メッキパターンとして、下側電気絶縁膜11の表面にス
パッタ法で導電粒子が離散的に形成されてなるメッキ下
地層12の上に、無電解メッキ法で形成された無電解メ
ッキ導体層21と、無電解メッキ導体層21を通電層と
して用いて電解メッキ法で形成された電解メッキ導体層
22とで構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コイル部等がI
C製造技術を活用することによって面状に形成されてな
り,リアクトル装置などに採用されている面状コイル装
置に係わり、品質係数Q〔2πf(f;リアクトル装置
などが動作する周波数の値)・L(L;リアクトル装置
などが持つインダクタンスの値)/R(R;リアクトル
装置などが持つ電気抵抗の値)で定義される係数〕値等
が向上できるように改良されたその構造および製造方法
に関する。
C製造技術を活用することによって面状に形成されてな
り,リアクトル装置などに採用されている面状コイル装
置に係わり、品質係数Q〔2πf(f;リアクトル装置
などが動作する周波数の値)・L(L;リアクトル装置
などが持つインダクタンスの値)/R(R;リアクトル
装置などが持つ電気抵抗の値)で定義される係数〕値等
が向上できるように改良されたその構造および製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電源装置,高周波フィルタ装置などに用
いられるリアクトル装置や変圧器装置の類にあっては、
近年、その小形化,偏平化などの実現のために、それ等
の主要部であるコイル部等をIC製造技術を活用して面
状に製造することが行われるようになってきている。
〔特開昭61−136363号公報、特開平2−123
706号公報、PESC‘91 Record,p20
(1991)、電気学会研究会資料−マグネティックス
研究会 MAG−93−112などを参照〕 これ等のIC製造技術が用いられているリアクトル装
置,変圧器装置等の製造に際しては様々な製作方法が採
用されており、例えば、スパッタ法によって順次SiO
2 膜,Cu膜,Ta膜を形成し、この内のTa膜をマス
クとして用いてN 2 イオンビームエッチングによりCu
膜をパターン化する工程と、層間絶縁膜の形成,磁性膜
の形成とを繰り返すことでその主要部を製作する変圧器
装置などの事例が知られている。また、コイルの導体部
をスパッタ法や真空蒸着法によって形成する方法に替え
て、最近では選択メッキ法により形成する方法が注目さ
れるようになってきている。
いられるリアクトル装置や変圧器装置の類にあっては、
近年、その小形化,偏平化などの実現のために、それ等
の主要部であるコイル部等をIC製造技術を活用して面
状に製造することが行われるようになってきている。
〔特開昭61−136363号公報、特開平2−123
706号公報、PESC‘91 Record,p20
(1991)、電気学会研究会資料−マグネティックス
研究会 MAG−93−112などを参照〕 これ等のIC製造技術が用いられているリアクトル装
置,変圧器装置等の製造に際しては様々な製作方法が採
用されており、例えば、スパッタ法によって順次SiO
2 膜,Cu膜,Ta膜を形成し、この内のTa膜をマス
クとして用いてN 2 イオンビームエッチングによりCu
膜をパターン化する工程と、層間絶縁膜の形成,磁性膜
の形成とを繰り返すことでその主要部を製作する変圧器
装置などの事例が知られている。また、コイルの導体部
をスパッタ法や真空蒸着法によって形成する方法に替え
て、最近では選択メッキ法により形成する方法が注目さ
れるようになってきている。
【0003】以降、メッキ法を用いてコイルを製作する
ようにした従来例の面状コイル装置について図面を用い
て説明をする。まず図9に示したのは、文献に開示され
ている従来例の面状コイル装置である。ここで図9の
(a)乃至(g)は、メッキ法を用いる従来例の面状コ
イル装置の製造過程を模式的に示す断面図である。な
お、図9の(b)乃至(g)の各図中には、すでに前の
工程に関する図で説明済の符号についてはその一部を省
略した。
ようにした従来例の面状コイル装置について図面を用い
て説明をする。まず図9に示したのは、文献に開示され
ている従来例の面状コイル装置である。ここで図9の
(a)乃至(g)は、メッキ法を用いる従来例の面状コ
イル装置の製造過程を模式的に示す断面図である。な
お、図9の(b)乃至(g)の各図中には、すでに前の
工程に関する図で説明済の符号についてはその一部を省
略した。
【0004】図9において、9は、スパイラル状に形成
されたコイル7を主体とする面状コイル装置であり、平
板状のシリコン製の基板8上に形成されている。面状コ
イル装置9の製作工程は、まず、基板8上に、SiO2
を蒸着法を用いて1〔μm〕程度の膜厚に成膜した下側
電気絶縁膜81が形成される〔図9(a)〕。次に、下
側電気絶縁膜81上に、Cuなどの導電材を蒸着法を用
いて0.1〔μm〕程度の膜厚に成膜した電解メッキ用
の通電層78が形成される〔図9(b)〕。次に、通電
層78上にフォトレジストが塗布され、このフォトレジ
ストを周知のフォトリソグラフィ法と周知のエッチング
法とを用いて加工することで、スパイラル状のパターン
を有するレジストパターン91が形成される〔図9
(c)〕。
されたコイル7を主体とする面状コイル装置であり、平
板状のシリコン製の基板8上に形成されている。面状コ
イル装置9の製作工程は、まず、基板8上に、SiO2
を蒸着法を用いて1〔μm〕程度の膜厚に成膜した下側
電気絶縁膜81が形成される〔図9(a)〕。次に、下
側電気絶縁膜81上に、Cuなどの導電材を蒸着法を用
いて0.1〔μm〕程度の膜厚に成膜した電解メッキ用
の通電層78が形成される〔図9(b)〕。次に、通電
層78上にフォトレジストが塗布され、このフォトレジ
ストを周知のフォトリソグラフィ法と周知のエッチング
法とを用いて加工することで、スパイラル状のパターン
を有するレジストパターン91が形成される〔図9
(c)〕。
【0005】次に、レジストパターン91を型として用
い、Cuを電解メッキ法によって析出させた導電層72
が形成される〔図9(d)〕。その後、レジストパター
ン91を有機溶剤を用いて除去した上で、レジストパタ
ーン91が形成されていた部位の通電層78がエッチン
グ法により除去され、スパイラル状の導電層71が得ら
れる〔図9(e)〕。かくして得られたスパイラル状の
導電層71,導電層72が、面状コイル装置9のコイル
7である。続いて、コイル7の側部と上部とに、感光性
のポリイミドまたはポリアミドを用いて外側電気絶縁層
82が形成され、この外側電気絶縁層82のコイル7の
端部に対応する部位には貫通穴82aがフォトリソグラ
フィ法を用いて穿たれる〔図9(f)〕。
い、Cuを電解メッキ法によって析出させた導電層72
が形成される〔図9(d)〕。その後、レジストパター
ン91を有機溶剤を用いて除去した上で、レジストパタ
ーン91が形成されていた部位の通電層78がエッチン
グ法により除去され、スパイラル状の導電層71が得ら
れる〔図9(e)〕。かくして得られたスパイラル状の
導電層71,導電層72が、面状コイル装置9のコイル
7である。続いて、コイル7の側部と上部とに、感光性
のポリイミドまたはポリアミドを用いて外側電気絶縁層
82が形成され、この外側電気絶縁層82のコイル7の
端部に対応する部位には貫通穴82aがフォトリソグラ
フィ法を用いて穿たれる〔図9(f)〕。
【0006】面状コイル装置9が持つコイル7の層数が
複数である場合には、以上の工程を繰り返すことで、1
層目のコイル7の上に2層目以降のコイル7が形成され
る。面状コイル装置9が持つ最上層のコイル7には、必
要に応じて貫通穴82aから露出しているコイル7に、
コンタクト部7a(例えば、ワイヤボンディングパッド
である)が電気メッキ法により形成される〔図9
(g)〕。なお、図9中では、面状コイル装置9が持つ
各コイル7の巻数は3ターンであるとして描かれてい
る。
複数である場合には、以上の工程を繰り返すことで、1
層目のコイル7の上に2層目以降のコイル7が形成され
る。面状コイル装置9が持つ最上層のコイル7には、必
要に応じて貫通穴82aから露出しているコイル7に、
コンタクト部7a(例えば、ワイヤボンディングパッド
である)が電気メッキ法により形成される〔図9
(g)〕。なお、図9中では、面状コイル装置9が持つ
各コイル7の巻数は3ターンであるとして描かれてい
る。
【0007】次に図10に示したのは、特開平2−12
6610号公報で開示されている従来例の面状コイル装
置である。ここで図10の(a)乃至(g)は、薄膜技
術と選択メッキ法とを用いる従来例の面状コイル装置の
製造過程を模式的に示す断面図である。なお、図9の
(b)乃至(g)の各図中には、すでに前の工程に関す
る図で説明済の符号についてはその一部を省略した。
6610号公報で開示されている従来例の面状コイル装
置である。ここで図10の(a)乃至(g)は、薄膜技
術と選択メッキ法とを用いる従来例の面状コイル装置の
製造過程を模式的に示す断面図である。なお、図9の
(b)乃至(g)の各図中には、すでに前の工程に関す
る図で説明済の符号についてはその一部を省略した。
【0008】図10において、9Aは、スパイラル状に
形成されたコイル7Aを主体とする面状コイル装置であ
り、半導体素子が作り込まれているシリコン製の基板8
上に形成された、いわゆるオンチップの面状コイル装置
である。面状コイル装置9Aの製作工程は、まず、面状
コイル装置9の場合と同様にして基板8上に下側電気絶
縁膜81が形成され〔図10(a)〕、続いて、下側電
気絶縁膜81上に、Ti,Cr,Pdなどと、Ni,C
u,Agなどとの多層金属膜79がスパッタ法で形成さ
れる〔図10(b)〕。次に、周知のフォトリソグラフ
ィ法とエッチング法とを用いて多層金属膜79をスパイ
ラル状に加工して下側導体層73が形成される〔図10
(c)〕。次に、下側電気絶縁膜81の露出部と下側導
体層73の上に非感光性の合成樹脂材を用いて電気絶縁
膜が形成され、この電気絶縁膜の下側導体層73に対向
する部位を周知のフォトリソグラフィ法とエッチング法
を用いて除去することで側部電気絶縁層83が形成され
る〔図10(d)〕。
形成されたコイル7Aを主体とする面状コイル装置であ
り、半導体素子が作り込まれているシリコン製の基板8
上に形成された、いわゆるオンチップの面状コイル装置
である。面状コイル装置9Aの製作工程は、まず、面状
コイル装置9の場合と同様にして基板8上に下側電気絶
縁膜81が形成され〔図10(a)〕、続いて、下側電
気絶縁膜81上に、Ti,Cr,Pdなどと、Ni,C
u,Agなどとの多層金属膜79がスパッタ法で形成さ
れる〔図10(b)〕。次に、周知のフォトリソグラフ
ィ法とエッチング法とを用いて多層金属膜79をスパイ
ラル状に加工して下側導体層73が形成される〔図10
(c)〕。次に、下側電気絶縁膜81の露出部と下側導
体層73の上に非感光性の合成樹脂材を用いて電気絶縁
膜が形成され、この電気絶縁膜の下側導体層73に対向
する部位を周知のフォトリソグラフィ法とエッチング法
を用いて除去することで側部電気絶縁層83が形成され
る〔図10(d)〕。
【0009】次に、下側導体層73が露出している部位
に、電解メッキ法または無電解メッキ法によってAg,
Cu,Auなどを析出させ、上側導体層74が形成され
る〔図10(e)〕。かくして得られたスパイラル状の
下側導体層73とスパイラル状の上側導体層74とが、
面状コイル装置9Aの場合のコイル7Aである。続い
て、コイル7Aと側部電気絶縁層83の上側に、感光性
のポリイミドまたはポリアミドを用いて上側電気絶縁層
84が形成され、コイル7Aの端部に対応する部位には
貫通穴84aがフォトリソグラフィ法を用いて穿たれる
〔図10(f)〕。面状コイル装置9Aが持つコイル7
Aの層数が複数である場合には、以上の工程を繰り返す
ことで、1層目のコイル7Aの上に2層目以降のコイル
7Aが形成される。
に、電解メッキ法または無電解メッキ法によってAg,
Cu,Auなどを析出させ、上側導体層74が形成され
る〔図10(e)〕。かくして得られたスパイラル状の
下側導体層73とスパイラル状の上側導体層74とが、
面状コイル装置9Aの場合のコイル7Aである。続い
て、コイル7Aと側部電気絶縁層83の上側に、感光性
のポリイミドまたはポリアミドを用いて上側電気絶縁層
84が形成され、コイル7Aの端部に対応する部位には
貫通穴84aがフォトリソグラフィ法を用いて穿たれる
〔図10(f)〕。面状コイル装置9Aが持つコイル7
Aの層数が複数である場合には、以上の工程を繰り返す
ことで、1層目のコイル7Aの上に2層目以降のコイル
7Aが形成される。
【0010】面状コイル装置9Aが持つ最上層のコイル
7Aには、必要に応じて貫通穴84aから露出している
コイル7Aに、面状コイル装置9の場合と同様にコンタ
クト部7aが形成される〔図10(g)〕。なお、図1
0中では、面状コイル装置9Aが持つ各コイル7Aの巻
数は3ターンであるとして描かれている。面状コイル装
置9に関しては、外側電気絶縁層82を非感光性の合成
樹脂材を用いて形成した事例も知られており、また、面
状コイル装置9Aに関しては、側部電気絶縁層83を感
光性の合成樹脂材を用いて形成した事例も知られてい
る。さらに、下側電気絶縁膜81については、熱酸化シ
リコン膜、樹脂製の膜などを用いた事例も知られてい
る。
7Aには、必要に応じて貫通穴84aから露出している
コイル7Aに、面状コイル装置9の場合と同様にコンタ
クト部7aが形成される〔図10(g)〕。なお、図1
0中では、面状コイル装置9Aが持つ各コイル7Aの巻
数は3ターンであるとして描かれている。面状コイル装
置9に関しては、外側電気絶縁層82を非感光性の合成
樹脂材を用いて形成した事例も知られており、また、面
状コイル装置9Aに関しては、側部電気絶縁層83を感
光性の合成樹脂材を用いて形成した事例も知られてい
る。さらに、下側電気絶縁膜81については、熱酸化シ
リコン膜、樹脂製の膜などを用いた事例も知られてい
る。
【0011】なお、コイル7,7A等の上下に磁性膜を
形成することで、面状コイル装置9,9Aのインダクタ
ンスLの値,したがって品質係数Q値(以降、単にQ値
と略称する)を増大させるようにした面状コイル装置の
事例(特開平5−6832号公報など)、この磁性膜に
スリット等を形成することで交流磁場等の変動磁場下で
磁性膜中に発生する渦流損値を低減するようにした面状
コイル装置の事例(特開平6−77055号公報な
ど)、コイル7,7A等の各ターンを複数に分割するこ
となどで交流動作時のコイルの電気抵抗Rの値の増加度
を抑制するようにした面状コイル装置の事例(特開平5
−41320号公報など)なども知られている。
形成することで、面状コイル装置9,9Aのインダクタ
ンスLの値,したがって品質係数Q値(以降、単にQ値
と略称する)を増大させるようにした面状コイル装置の
事例(特開平5−6832号公報など)、この磁性膜に
スリット等を形成することで交流磁場等の変動磁場下で
磁性膜中に発生する渦流損値を低減するようにした面状
コイル装置の事例(特開平6−77055号公報な
ど)、コイル7,7A等の各ターンを複数に分割するこ
となどで交流動作時のコイルの電気抵抗Rの値の増加度
を抑制するようにした面状コイル装置の事例(特開平5
−41320号公報など)なども知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る面状コイル装置、例えば、面状コイル装置9,9Aに
おいては、ある程度の厚さ方向寸法を持つコイル(例え
ば、コイル7,7Aである)を得ることができると共
に、リアクトル装置,変圧器装置などの小形化,偏平化
に成功している。しかしながら、一般にQ値は、周知の
ことから厚さ方向寸法を大きくするほど大きな値を得る
ことができることから、リアクトル装置などにあって
は、Q値を高めるためにコイルの厚さ方向寸法をより大
きくすることが必要とされている。ところが、 (1)スパッタ法や真空蒸着法を用いて基板上にコイル
を形成する方法では、コイルの厚さ方向寸法に相当する
厚い膜厚を持つ導電体の層を、スパッタ法や真空蒸着法
によって形成することが必要となる。しかし、スパッタ
法で厚い膜厚(以降、厚膜と略称することがある。)を
形成することは、次記することが主因で導電体の層に大
きな内部応力が発生する(この内部応力は厚膜となるほ
どその値が増大する)ことで基板に反りを生じ、フォト
工程等の後工程の実施に不都合が生じる。また、例え
ば、Alを用いて30〔μm〕の膜厚を持つ厚膜の導電
体層を形成する場合を例にとると、スパッタ法における
Alの成膜速度は6〜12〔μm/h〕程度であるの
で、成膜時間は約2.5〜5〔h〕を要することにな
り、厚膜の導電体層の形成にスパッタ法を採用すること
は、成膜時間の点でも実際的なものでは無いのである。
また以上の問題は、真空蒸着法を用いる場合においても
大同小異で存在するのである。
る面状コイル装置、例えば、面状コイル装置9,9Aに
おいては、ある程度の厚さ方向寸法を持つコイル(例え
ば、コイル7,7Aである)を得ることができると共
に、リアクトル装置,変圧器装置などの小形化,偏平化
に成功している。しかしながら、一般にQ値は、周知の
ことから厚さ方向寸法を大きくするほど大きな値を得る
ことができることから、リアクトル装置などにあって
は、Q値を高めるためにコイルの厚さ方向寸法をより大
きくすることが必要とされている。ところが、 (1)スパッタ法や真空蒸着法を用いて基板上にコイル
を形成する方法では、コイルの厚さ方向寸法に相当する
厚い膜厚を持つ導電体の層を、スパッタ法や真空蒸着法
によって形成することが必要となる。しかし、スパッタ
法で厚い膜厚(以降、厚膜と略称することがある。)を
形成することは、次記することが主因で導電体の層に大
きな内部応力が発生する(この内部応力は厚膜となるほ
どその値が増大する)ことで基板に反りを生じ、フォト
工程等の後工程の実施に不都合が生じる。また、例え
ば、Alを用いて30〔μm〕の膜厚を持つ厚膜の導電
体層を形成する場合を例にとると、スパッタ法における
Alの成膜速度は6〜12〔μm/h〕程度であるの
で、成膜時間は約2.5〜5〔h〕を要することにな
り、厚膜の導電体層の形成にスパッタ法を採用すること
は、成膜時間の点でも実際的なものでは無いのである。
また以上の問題は、真空蒸着法を用いる場合においても
大同小異で存在するのである。
【0013】ところで、スパッタ法による導電体層の形
成時に導電体層に発生する内部応力の主因は、次記の
項〜項をあげることができる。 熱応力:導電体層と基板は、スパッタの実施中にはそ
の温度が共に上昇し、スパッタが終了すると常温まで低
下することになるが、両者の熱膨張率の差異により内部
応力が発生する。
成時に導電体層に発生する内部応力の主因は、次記の
項〜項をあげることができる。 熱応力:導電体層と基板は、スパッタの実施中にはそ
の温度が共に上昇し、スパッタが終了すると常温まで低
下することになるが、両者の熱膨張率の差異により内部
応力が発生する。
【0014】熱収縮:基板とは無関係に導電体層それ
自体が、スパッタ実施中には高温状態であったものが,
スパッタ終了後に常温にまで冷却して収縮することで、
内部応力が発生する。 相転移:スパッタ法により導電体層を形成する過程
で、導電体は液体から固体に相転移するので、その際の
体積変化により内部応力が発生する。また、 (2)面状コイル装置9においては、次記する問題があ
る。
自体が、スパッタ実施中には高温状態であったものが,
スパッタ終了後に常温にまで冷却して収縮することで、
内部応力が発生する。 相転移:スパッタ法により導電体層を形成する過程
で、導電体は液体から固体に相転移するので、その際の
体積変化により内部応力が発生する。また、 (2)面状コイル装置9においては、次記する問題があ
る。
【0015】コイル7を構成する導電層71,導電層
72には、高いQ値を得るのに好都合である小さい固有
電気抵抗率値を持つことでCuが用いられることが多
い。しかしCuを用いた場合、通電層78の一部をエッ
チングして導電層71を得る際に、導電層72の一部が
エッチングされることを避けることができない。このた
めにコイル7の導体断面積が減少(導体占積率の低下と
も呼ばれている)し、コイル7の電気抵抗値の低減努力
に対する妨げになっている。すなわち、面状コイル装置
9のQ値の向上の妨げになっている。また、通電層78
の一部をエッチングして導電層71を得ることは、面状
コイル装置9の製造に要する工程数を増大させることに
もなっている。
72には、高いQ値を得るのに好都合である小さい固有
電気抵抗率値を持つことでCuが用いられることが多
い。しかしCuを用いた場合、通電層78の一部をエッ
チングして導電層71を得る際に、導電層72の一部が
エッチングされることを避けることができない。このた
めにコイル7の導体断面積が減少(導体占積率の低下と
も呼ばれている)し、コイル7の電気抵抗値の低減努力
に対する妨げになっている。すなわち、面状コイル装置
9のQ値の向上の妨げになっている。また、通電層78
の一部をエッチングして導電層71を得ることは、面状
コイル装置9の製造に要する工程数を増大させることに
もなっている。
【0016】感光性合成樹脂材を用いて外側電気絶縁
層82を形成する工程において、現在上市されている感
光性合成樹脂材は、全て、その熱硬化時に大きな熱収縮
性を示す性質を持っている。このために、コイル7が厚
膜の導体寸法を有する場合ほど顕著に、外側電気絶縁層
82の上面は厚さ寸法が大きい部位で大きな凹みを持つ
凹凸状となる。このために、複数層のコイル7を有する
場合の,上層のコイル7を形成するためには、下層のコ
イル7に対する外側電気絶縁層82の上面を平坦化する
平坦化工程が必要となる場合が有る。このことも、面状
コイル装置9の製造に要する工程数を増大させる要因に
なっている。さらに、 図9中には記載しなかったが、前述したように面状コ
イル装置9においては、スリットを有する磁性膜を形成
する場合や,各ターンが複数に分割されたコイルを有す
る場合が有る。これ等の磁性膜へのスリットの形成や,
コイル各ターンの分割は、フォトリソグラフィ法とエッ
チング法とを用いて行うことが一般である。しかしなが
ら、前記の項で述べた外側電気絶縁層82の上面の凹
凸の存在は、磁性膜へのスリットの形成工程,コイル各
ターンの分割工程に対しても不都合である。これ等の場
合にも、外側電気絶縁層82の上面を平坦化する平坦化
工程が必要となる場合が有り得るのである。さらにま
た、 (3)面状コイル装置9Aにおいては、次記する問題が
ある。
層82を形成する工程において、現在上市されている感
光性合成樹脂材は、全て、その熱硬化時に大きな熱収縮
性を示す性質を持っている。このために、コイル7が厚
膜の導体寸法を有する場合ほど顕著に、外側電気絶縁層
82の上面は厚さ寸法が大きい部位で大きな凹みを持つ
凹凸状となる。このために、複数層のコイル7を有する
場合の,上層のコイル7を形成するためには、下層のコ
イル7に対する外側電気絶縁層82の上面を平坦化する
平坦化工程が必要となる場合が有る。このことも、面状
コイル装置9の製造に要する工程数を増大させる要因に
なっている。さらに、 図9中には記載しなかったが、前述したように面状コ
イル装置9においては、スリットを有する磁性膜を形成
する場合や,各ターンが複数に分割されたコイルを有す
る場合が有る。これ等の磁性膜へのスリットの形成や,
コイル各ターンの分割は、フォトリソグラフィ法とエッ
チング法とを用いて行うことが一般である。しかしなが
ら、前記の項で述べた外側電気絶縁層82の上面の凹
凸の存在は、磁性膜へのスリットの形成工程,コイル各
ターンの分割工程に対しても不都合である。これ等の場
合にも、外側電気絶縁層82の上面を平坦化する平坦化
工程が必要となる場合が有り得るのである。さらにま
た、 (3)面状コイル装置9Aにおいては、次記する問題が
ある。
【0017】上側導体層74の下地ともなる下側導体
層73を多層金属膜79から形成するためには、多層金
属膜79をフォトリソグラフィ法とエッチング法とを用
いて加工する工程が不可欠であるので、面状コイル装置
9Aの製造に要する工程数を増大させることになってい
る。また、 フォトマスクが必要となる工程が、多層金属膜79か
ら下側導体層73を形成する工程と、側部電気絶縁層8
3を形成する工程とにあり、フォトマスク代が増大する
と共に、前項の項のことと合わせて、面状コイル装置
9Aの製造に要する工程数を増大させることになってい
る。
層73を多層金属膜79から形成するためには、多層金
属膜79をフォトリソグラフィ法とエッチング法とを用
いて加工する工程が不可欠であるので、面状コイル装置
9Aの製造に要する工程数を増大させることになってい
る。また、 フォトマスクが必要となる工程が、多層金属膜79か
ら下側導体層73を形成する工程と、側部電気絶縁層8
3を形成する工程とにあり、フォトマスク代が増大する
と共に、前項の項のことと合わせて、面状コイル装置
9Aの製造に要する工程数を増大させることになってい
る。
【0018】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、高いQ値を持ち得
ると共に、少ない工程数で製造できるように改良された
面状コイル装置およびその製造方法を提供することにあ
る。
みなされたものであり、その目的は、高いQ値を持ち得
ると共に、少ない工程数で製造できるように改良された
面状コイル装置およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)面状に形成された下側電気絶縁層と、下側電気絶縁
層の表面上に導電性粒子が離散的に付着されることで形
成されたメッキ下地層と、メッキ下地層の上に,樹脂材
を用いコイル導体用の溝部を有して形成された側部電気
絶縁層と、メッキ下地層の上の前記の溝部が形成された
部位に,少なくともメッキ下地層側については無電解メ
ッキ法により形成されたコイル導体と、側部電気絶縁層
の前記の溝部を除く部分の上面部およびコイル導体の上
面部を覆い樹脂材を用いて形成された上側電気絶縁層と
を備えた構成とすること、または、 2)前記1項に記載の手段において、側部電気絶縁層に
用いられる樹脂材は、感光性の合成樹脂材である構成と
すること、または、 3)電気絶縁材を用いて下側電気絶縁層を面状に形成す
る工程と、下側電気絶縁層の表面上に物理的手法を用い
て導電性粒子を離散的に付着させることでメッキ下地層
を形成する工程と、メッキ下地層の上に樹脂材を塗布
し,コイル導体用の溝部を有するようにして側部電気絶
縁層を形成する工程と、メッキ下地層の上の前記の溝部
が形成された部位に,少なくともメッキ下地層側につい
ては無電解メッキ法によってコイル導体を形成する工程
と、側部電気絶縁層の前記の溝部を除く部分の上面部お
よびコイル導体の上面部を覆って樹脂材を塗布し,上側
電気絶縁層を形成する工程とを備えた製造方法とするこ
と、または、 4)前記3項に記載の手段において、側部電気絶縁層を
形成する工程に用いられる樹脂材は感光性の合成樹脂材
であり、この感光性の合成樹脂材を加熱して行われる焼
成処理工程後に、コイル導体を形成する工程が実行され
る製造方法とすること、さらにまたは、 5)前記4項に記載の手段において、側部電気絶縁層を
形成する工程は、感光性の合成樹脂材を用いて複数の塗
布回数を経て行われる製造方法とすること、により達成
される。
は、 1)面状に形成された下側電気絶縁層と、下側電気絶縁
層の表面上に導電性粒子が離散的に付着されることで形
成されたメッキ下地層と、メッキ下地層の上に,樹脂材
を用いコイル導体用の溝部を有して形成された側部電気
絶縁層と、メッキ下地層の上の前記の溝部が形成された
部位に,少なくともメッキ下地層側については無電解メ
ッキ法により形成されたコイル導体と、側部電気絶縁層
の前記の溝部を除く部分の上面部およびコイル導体の上
面部を覆い樹脂材を用いて形成された上側電気絶縁層と
を備えた構成とすること、または、 2)前記1項に記載の手段において、側部電気絶縁層に
用いられる樹脂材は、感光性の合成樹脂材である構成と
すること、または、 3)電気絶縁材を用いて下側電気絶縁層を面状に形成す
る工程と、下側電気絶縁層の表面上に物理的手法を用い
て導電性粒子を離散的に付着させることでメッキ下地層
を形成する工程と、メッキ下地層の上に樹脂材を塗布
し,コイル導体用の溝部を有するようにして側部電気絶
縁層を形成する工程と、メッキ下地層の上の前記の溝部
が形成された部位に,少なくともメッキ下地層側につい
ては無電解メッキ法によってコイル導体を形成する工程
と、側部電気絶縁層の前記の溝部を除く部分の上面部お
よびコイル導体の上面部を覆って樹脂材を塗布し,上側
電気絶縁層を形成する工程とを備えた製造方法とするこ
と、または、 4)前記3項に記載の手段において、側部電気絶縁層を
形成する工程に用いられる樹脂材は感光性の合成樹脂材
であり、この感光性の合成樹脂材を加熱して行われる焼
成処理工程後に、コイル導体を形成する工程が実行され
る製造方法とすること、さらにまたは、 5)前記4項に記載の手段において、側部電気絶縁層を
形成する工程は、感光性の合成樹脂材を用いて複数の塗
布回数を経て行われる製造方法とすること、により達成
される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。なお、この項の以下の説明におい
ては、図10に示した従来例の面状コイル装置9Aと同
一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図1
は、この発明による面状コイル装置の実施の形態を示す
図で、(a)は模式的に示す断面図であり、(b)は図
1(a)の要部の上面図である。図2の(a)乃至
(j)は、図1に示した面状コイル装置の製造過程を模
式的に示す断面図である。なお、図1中には、図2で付
した符号については、代表的な符号のみを記した。ま
た、図2の(b)乃至(j)の各図中には、すでに前の
工程に関する図で説明済の符号についてはその一部を省
略した。さらに、図2(j)は図1(a)と同一内容の
図である。図1,図2において、1は、スパイラル状に
形成されたコイル2,下部磁性膜4,上部磁性膜5を主
体とする面状コイル装置であり、平板状の基板8の上に
形成されている。
を参照して説明する。なお、この項の以下の説明におい
ては、図10に示した従来例の面状コイル装置9Aと同
一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図1
は、この発明による面状コイル装置の実施の形態を示す
図で、(a)は模式的に示す断面図であり、(b)は図
1(a)の要部の上面図である。図2の(a)乃至
(j)は、図1に示した面状コイル装置の製造過程を模
式的に示す断面図である。なお、図1中には、図2で付
した符号については、代表的な符号のみを記した。ま
た、図2の(b)乃至(j)の各図中には、すでに前の
工程に関する図で説明済の符号についてはその一部を省
略した。さらに、図2(j)は図1(a)と同一内容の
図である。図1,図2において、1は、スパイラル状に
形成されたコイル2,下部磁性膜4,上部磁性膜5を主
体とする面状コイル装置であり、平板状の基板8の上に
形成されている。
【0021】面状コイル装置1の製作工程は、まず、平
板状のシリコン基板などの基板8の上に薄い膜厚を持つ
電気絶縁膜である電気絶縁膜41が電気絶縁材によって
形成され〔図2(a)〕、続いて、電気絶縁膜41の上
に、所望の膜厚を持つ下側磁性膜4が形成される〔図2
(b)〕。この下側磁性膜4は、所望の膜厚を持つ軟磁
性材製の膜を、例えばスパッタ法を用いて電気絶縁膜4
1の上にまず形成し、この軟磁性材製の膜を、例えば周
知のフォトリソグラフィ法と周知のエッチング法とを用
いて加工することで得られる。下側磁性膜4などの上に
は、電気絶縁材によって下側電気絶縁膜11が形成され
る〔図2(c)〕。
板状のシリコン基板などの基板8の上に薄い膜厚を持つ
電気絶縁膜である電気絶縁膜41が電気絶縁材によって
形成され〔図2(a)〕、続いて、電気絶縁膜41の上
に、所望の膜厚を持つ下側磁性膜4が形成される〔図2
(b)〕。この下側磁性膜4は、所望の膜厚を持つ軟磁
性材製の膜を、例えばスパッタ法を用いて電気絶縁膜4
1の上にまず形成し、この軟磁性材製の膜を、例えば周
知のフォトリソグラフィ法と周知のエッチング法とを用
いて加工することで得られる。下側磁性膜4などの上に
は、電気絶縁材によって下側電気絶縁膜11が形成され
る〔図2(c)〕。
【0022】次に、この発明になる面状コイル装置用の
コイル導体の形成に関する特長の一つであるメッキ下地
層12が下側電気絶縁膜11の上に形成される〔図2
(d)〕。このメッキ下地層12は、金属粒子などの導
電性粒子を下側電気絶縁膜11の表面に離散的に付着さ
せることで形成されており、この工程には、スパッタ法
や蒸着法などの物理的手法の適用が好適である。導電性
物質を用いて、この導電性物質と同質の膜(スパッタ
膜)をスパッタ法により物体の表面に形成する際には、
物体を構成している原子の中の吸着エネルギーの大きな
部分(一般に核と呼ばれている)を中心として導電性物
質の原子が吸着されることで、スパッタ膜の結晶の成長
が進んで行くことが知られている。
コイル導体の形成に関する特長の一つであるメッキ下地
層12が下側電気絶縁膜11の上に形成される〔図2
(d)〕。このメッキ下地層12は、金属粒子などの導
電性粒子を下側電気絶縁膜11の表面に離散的に付着さ
せることで形成されており、この工程には、スパッタ法
や蒸着法などの物理的手法の適用が好適である。導電性
物質を用いて、この導電性物質と同質の膜(スパッタ
膜)をスパッタ法により物体の表面に形成する際には、
物体を構成している原子の中の吸着エネルギーの大きな
部分(一般に核と呼ばれている)を中心として導電性物
質の原子が吸着されることで、スパッタ膜の結晶の成長
が進んで行くことが知られている。
【0023】そうして、この核を中心とする導電性物質
の原子の吸着が進展することで導電性物質の結晶が島状
に広がって行くのであるが、この核は物体の表面に多数
存在しているので、多数のこの結晶の島が物体の表面上
に同時に形成されることになる。スパッタを継続し続け
ると,個々の結晶の島は徐々に大きくなり、やがて結晶
の島の相互間が重なり合うようになることで、物体表面
上に導電性物質の膜が形成されることになるのである。
の原子の吸着が進展することで導電性物質の結晶が島状
に広がって行くのであるが、この核は物体の表面に多数
存在しているので、多数のこの結晶の島が物体の表面上
に同時に形成されることになる。スパッタを継続し続け
ると,個々の結晶の島は徐々に大きくなり、やがて結晶
の島の相互間が重なり合うようになることで、物体表面
上に導電性物質の膜が形成されることになるのである。
【0024】発明者らは、この膜状となる前の、導電性
物質の結晶が島状に存在している状態に着目した。物体
が電気絶縁層である場合にも、導電性物質の島状の結晶
である導電性粒子は、この状態では、電気絶縁層の表面
上に離散的に付着されていることになるので、電気絶縁
層の表面は電気絶縁状態が維持される。したがって、導
電性粒子が離散的に付着されることで形成された層が存
在していても、電気絶縁状態の電気絶縁層表面を得るこ
とを目的にして,この層(メッキ下地層12)を除去す
ることは不要なのである。なお、メッキ下地層12の形
成に関しては、蒸着法などの他の物理的手法を用いても
スパッタ法の場合と同様な理由により、電気絶縁層の表
面上に導電性粒子が離散的に付着された層を形成するこ
とが可能である。
物質の結晶が島状に存在している状態に着目した。物体
が電気絶縁層である場合にも、導電性物質の島状の結晶
である導電性粒子は、この状態では、電気絶縁層の表面
上に離散的に付着されていることになるので、電気絶縁
層の表面は電気絶縁状態が維持される。したがって、導
電性粒子が離散的に付着されることで形成された層が存
在していても、電気絶縁状態の電気絶縁層表面を得るこ
とを目的にして,この層(メッキ下地層12)を除去す
ることは不要なのである。なお、メッキ下地層12の形
成に関しては、蒸着法などの他の物理的手法を用いても
スパッタ法の場合と同様な理由により、電気絶縁層の表
面上に導電性粒子が離散的に付着された層を形成するこ
とが可能である。
【0025】また、後記する無電解メッキ導体層21の
形成に際しては、メッキ下地層12に離散的に付着され
ている導電性粒子が、スパッタ法などにおける核と同様
の役目を担ってメッキ金属の成長が進んで行く。したが
って、メッキ下地層12と無電解メッキ法とを組み合わ
せることで、電気絶縁層の表面を電気絶縁状態に維持す
ると共に、その所望の部分に局部的に導電層を形成する
ことが可能なのである。この点がこの発明になる面状コ
イル装置における、コイル導体の形成に関するもう一つ
の特長である。
形成に際しては、メッキ下地層12に離散的に付着され
ている導電性粒子が、スパッタ法などにおける核と同様
の役目を担ってメッキ金属の成長が進んで行く。したが
って、メッキ下地層12と無電解メッキ法とを組み合わ
せることで、電気絶縁層の表面を電気絶縁状態に維持す
ると共に、その所望の部分に局部的に導電層を形成する
ことが可能なのである。この点がこの発明になる面状コ
イル装置における、コイル導体の形成に関するもう一つ
の特長である。
【0026】メッキ下地層12が形成された下側電気絶
縁膜11の上には、次に、適宜の樹脂材を用いて側部電
気絶縁層13の形成が行われる。樹脂材としては、例え
ば、感光性の合成樹脂材や非感光性の合成樹脂材の採用
が可能であるが、感光性の合成樹脂材を採用する場合に
は、厚膜でしかも溝部13aを有するコイル導体用の側
部電気絶縁層13を、比較的に少ない工程数で形成する
ことが可能である。ところでコイル導体を厚い膜厚とす
る必要がある場合には、感光性の合成樹脂材を用いて側
部電気絶縁層13を形成する際の合成樹脂材の塗布回数
が重要なファクタとなり得る。感光性の合成樹脂材をス
ピンコータを用いて塗膜を形成しようとする場合、他の
樹脂材を用いる場合と同様に、スピンコータの回転数を
低減する方法をとることが考えられる。しかし、塗膜の
膜厚の均一度を維持するためにはスピンコータの回転数
の下限値には制約があるので、スピンコータ回転数の低
減に加えて、粘度の高い感光性合成樹脂材を使用する方
法もとられている。
縁膜11の上には、次に、適宜の樹脂材を用いて側部電
気絶縁層13の形成が行われる。樹脂材としては、例え
ば、感光性の合成樹脂材や非感光性の合成樹脂材の採用
が可能であるが、感光性の合成樹脂材を採用する場合に
は、厚膜でしかも溝部13aを有するコイル導体用の側
部電気絶縁層13を、比較的に少ない工程数で形成する
ことが可能である。ところでコイル導体を厚い膜厚とす
る必要がある場合には、感光性の合成樹脂材を用いて側
部電気絶縁層13を形成する際の合成樹脂材の塗布回数
が重要なファクタとなり得る。感光性の合成樹脂材をス
ピンコータを用いて塗膜を形成しようとする場合、他の
樹脂材を用いる場合と同様に、スピンコータの回転数を
低減する方法をとることが考えられる。しかし、塗膜の
膜厚の均一度を維持するためにはスピンコータの回転数
の下限値には制約があるので、スピンコータ回転数の低
減に加えて、粘度の高い感光性合成樹脂材を使用する方
法もとられている。
【0027】しかし、30〔μm〕前後を越える厚い膜
厚を1回の塗布によって得ようとすると、現在上市され
ている感光性合成樹脂材では、その透光度が低下してし
まうことで,感光性合成樹脂材としての感光性の発揮が
難しくなるという性質を持っており、その採用が困難に
なる。すなわち、複数の塗布回数とすることで、感光性
合成樹脂材の非感光性合成樹脂材に対する利点を発揮で
きることになるのである。感光性のポリイミドを2回塗
布して得られた電気絶縁膜の膜厚に関して、発明者らに
よって得られた実験データ例を図3に示す。図3に示す
実験データは、常温における粘度が約4000〔mPa
・s〕である透光性の良好な感光性ポリイミドを、スピ
ンコータを用いての塗布と,プリベーク処理とでなる塗
布工程を2回行い、塗布後,加熱・焼成処理を行うこと
で得られた。
厚を1回の塗布によって得ようとすると、現在上市され
ている感光性合成樹脂材では、その透光度が低下してし
まうことで,感光性合成樹脂材としての感光性の発揮が
難しくなるという性質を持っており、その採用が困難に
なる。すなわち、複数の塗布回数とすることで、感光性
合成樹脂材の非感光性合成樹脂材に対する利点を発揮で
きることになるのである。感光性のポリイミドを2回塗
布して得られた電気絶縁膜の膜厚に関して、発明者らに
よって得られた実験データ例を図3に示す。図3に示す
実験データは、常温における粘度が約4000〔mPa
・s〕である透光性の良好な感光性ポリイミドを、スピ
ンコータを用いての塗布と,プリベーク処理とでなる塗
布工程を2回行い、塗布後,加熱・焼成処理を行うこと
で得られた。
【0028】図3において、横軸はスピンコータの回転
数〔rpm〕値を、縦軸は得られた塗膜の膜厚〔μm〕
値を示し、また図中のグラフは、点線で焼成処理前の膜
厚データを、実線で焼成処理後の膜厚データをそれぞれ
示している。図3によるデータから、塗布回数を2回と
することで、感光性が良好で,かつ,30〔μm〕程度
以上の膜厚を持つポリイミド膜が得られることが確認で
きる。より厚い膜厚のものが必要な場合には、塗布回数
を3回以上とすればよいことは勿論のことである。また
図3から、焼成処理の実施によって膜厚値が大きく低減
していることが知れるが、これは、実験に用いられた感
光性ポリイミドが、焼成処理に際して大きく熱収縮をし
ていることを示している。
数〔rpm〕値を、縦軸は得られた塗膜の膜厚〔μm〕
値を示し、また図中のグラフは、点線で焼成処理前の膜
厚データを、実線で焼成処理後の膜厚データをそれぞれ
示している。図3によるデータから、塗布回数を2回と
することで、感光性が良好で,かつ,30〔μm〕程度
以上の膜厚を持つポリイミド膜が得られることが確認で
きる。より厚い膜厚のものが必要な場合には、塗布回数
を3回以上とすればよいことは勿論のことである。また
図3から、焼成処理の実施によって膜厚値が大きく低減
していることが知れるが、これは、実験に用いられた感
光性ポリイミドが、焼成処理に際して大きく熱収縮をし
ていることを示している。
【0029】かくして、感光性の合成樹脂材に周知のフ
ォトリソグラフィ法を適用して、または、非感光性の樹
脂材による塗膜を周知のフォトリソグラフィ法と周知の
エッチング法とを用いて加工することで、溝部13aを
有する側部電気絶縁層13が得られる〔図2(e)〕。
この溝部13aは、後記のコイル導体2が持つパターン
の型となるもので、メッキ下地層12に達する深さを有
する。また、側部電気絶縁層13の形成の際には、メッ
キ下地層12はそのままとされており、したがって、溝
部13aの底部にはメッキ下地層12が露出している。
この露出しているメッキ下地層12の上に、無電解メッ
キ法により無電解メッキ導体層21が溝部13aが持つ
パターンと同形に形成される〔図2(f)〕。
ォトリソグラフィ法を適用して、または、非感光性の樹
脂材による塗膜を周知のフォトリソグラフィ法と周知の
エッチング法とを用いて加工することで、溝部13aを
有する側部電気絶縁層13が得られる〔図2(e)〕。
この溝部13aは、後記のコイル導体2が持つパターン
の型となるもので、メッキ下地層12に達する深さを有
する。また、側部電気絶縁層13の形成の際には、メッ
キ下地層12はそのままとされており、したがって、溝
部13aの底部にはメッキ下地層12が露出している。
この露出しているメッキ下地層12の上に、無電解メッ
キ法により無電解メッキ導体層21が溝部13aが持つ
パターンと同形に形成される〔図2(f)〕。
【0030】この無電解メッキ導体層21を厚膜に形成
しようとする場合には、無電解メッキを行うことにより
発生する応力が不都合なほど過大となることが起こる場
合がある。また、無電解メッキ法と電解メッキ法とを比
較すると、同一のメッキ膜厚を得るのに要する処理時間
は、無電解メッキ法の方が長い。応力の抑制や処理時間
の短縮が必要となる場合は、無電解メッキ導体層21の
膜厚は、電解メッキ法用の通電層用として必要な膜厚に
止めることがよい。したがって、必要な場合には、無電
解メッキ導体層21を通電層として用いる電解メッキ法
により、電解メッキ導体層22が形成され、無電解メッ
キ導体層21と電解メッキ導体層22とでコイル2用の
導体が形成される。当然のことであるが、コイル2用の
導体は溝部13aが持つパターンと同形に形成される
〔図2(g)〕。このパターンを持つコイル2の形成に
際して、メッキ下地層12,無電解メッキ導体層21お
よび電解メッキ導体層22に対するエッチング加工が一
切不要であることは、この発明になる面状コイル装置1
の特長である。
しようとする場合には、無電解メッキを行うことにより
発生する応力が不都合なほど過大となることが起こる場
合がある。また、無電解メッキ法と電解メッキ法とを比
較すると、同一のメッキ膜厚を得るのに要する処理時間
は、無電解メッキ法の方が長い。応力の抑制や処理時間
の短縮が必要となる場合は、無電解メッキ導体層21の
膜厚は、電解メッキ法用の通電層用として必要な膜厚に
止めることがよい。したがって、必要な場合には、無電
解メッキ導体層21を通電層として用いる電解メッキ法
により、電解メッキ導体層22が形成され、無電解メッ
キ導体層21と電解メッキ導体層22とでコイル2用の
導体が形成される。当然のことであるが、コイル2用の
導体は溝部13aが持つパターンと同形に形成される
〔図2(g)〕。このパターンを持つコイル2の形成に
際して、メッキ下地層12,無電解メッキ導体層21お
よび電解メッキ導体層22に対するエッチング加工が一
切不要であることは、この発明になる面状コイル装置1
の特長である。
【0031】コイル2用の導体の上と,溝部13aを除
く側部電気絶縁層13の上には、適宜の樹脂材を用いて
上側電気絶縁層14が形成され、この上側電気絶縁層1
4のコイル2の端部に対応する部位には貫通穴14aが
適宜の方法を用いて形成される〔図2(h)〕。上側電
気絶縁層14に用いられる樹脂材,貫通穴14aの形成
に用いられる加工方法は側部電気絶縁層13の場合と同
様であるので、重複を避けてその説明を省略する。
く側部電気絶縁層13の上には、適宜の樹脂材を用いて
上側電気絶縁層14が形成され、この上側電気絶縁層1
4のコイル2の端部に対応する部位には貫通穴14aが
適宜の方法を用いて形成される〔図2(h)〕。上側電
気絶縁層14に用いられる樹脂材,貫通穴14aの形成
に用いられる加工方法は側部電気絶縁層13の場合と同
様であるので、重複を避けてその説明を省略する。
【0032】面状コイル装置1が持つコイル2の層数が
複数である場合には、以上の工程を繰り返すことで、1
層目のコイル2の上に2層目以降のコイル2が形成され
る。面状コイル装置1を構成する最上層のコイル2が持
つ上側電気絶縁層14の上には、所望の膜厚を持つ上側
磁性膜5がSiO2 膜などの保護膜を介して形成され
る。そうして、上側磁性膜5の貫通穴14aに対向する
部位には穴状部5aが形成される。〔図2(i)〕。上
側磁性膜5および穴状部5aの形成方法は、下側磁性膜
4の形成に用いられる方法と同様であるので、重複を避
けてその説明を省略する。
複数である場合には、以上の工程を繰り返すことで、1
層目のコイル2の上に2層目以降のコイル2が形成され
る。面状コイル装置1を構成する最上層のコイル2が持
つ上側電気絶縁層14の上には、所望の膜厚を持つ上側
磁性膜5がSiO2 膜などの保護膜を介して形成され
る。そうして、上側磁性膜5の貫通穴14aに対向する
部位には穴状部5aが形成される。〔図2(i)〕。上
側磁性膜5および穴状部5aの形成方法は、下側磁性膜
4の形成に用いられる方法と同様であるので、重複を避
けてその説明を省略する。
【0033】最後に、穴状部5a,貫通穴14aに対向
する部位に貫通穴51aを有する保護膜51が、上側磁
性膜5の上に電気絶縁材によって形成され、必要に応じ
ては、穴状部5a,貫通穴14a,51aから露出して
いるコイル2に、コンタクト部7aなどが形成されて、
面状コイル装置1が完成する〔図2(j)〕。なお、図
1,図2中でも、面状コイル装置1が持つ各コイル2の
巻数は3ターンであるとして描かれている。当然のこと
ではあるが、各コイル2の巻数は3ターンに限定される
ものではなく、任意のターン数のものを得ることが可能
であるし、コイル2のパターン形状等も、設計によって
必要となる各種のものを製作することが可能である。な
お、下側磁性膜4,上側磁性膜5を不要とする面状コイ
ル装置も存在し得ることを付言しておく。
する部位に貫通穴51aを有する保護膜51が、上側磁
性膜5の上に電気絶縁材によって形成され、必要に応じ
ては、穴状部5a,貫通穴14a,51aから露出して
いるコイル2に、コンタクト部7aなどが形成されて、
面状コイル装置1が完成する〔図2(j)〕。なお、図
1,図2中でも、面状コイル装置1が持つ各コイル2の
巻数は3ターンであるとして描かれている。当然のこと
ではあるが、各コイル2の巻数は3ターンに限定される
ものではなく、任意のターン数のものを得ることが可能
であるし、コイル2のパターン形状等も、設計によって
必要となる各種のものを製作することが可能である。な
お、下側磁性膜4,上側磁性膜5を不要とする面状コイ
ル装置も存在し得ることを付言しておく。
【0034】前述した構成を持ち、また前述した製造方
法を用いる面状コイル装置1では、コイル2用導体をス
パッタ法,真空蒸着法を用いることなく形成できるの
で、従来例において高いQ値とする場合における、応力
や成膜時間の問題を解消できる。また、コイル2用導体
は側部電気絶縁層13の溝部13aが形成された後に、
メッキ法によって形成される。このことにより、コイル
2用導体の形成途中で、電気絶縁層や工程途中のコイル
用導体にエッチングを行うなどの工程は存在しないの
で、コイル用導体の一部がエッチング時に失われること
で,コイル用導体の占積率が低下するという従来例の場
合の問題を解消できる。またこのことによって、コイル
用導体の形成に要する工程数の低減が可能となる。
法を用いる面状コイル装置1では、コイル2用導体をス
パッタ法,真空蒸着法を用いることなく形成できるの
で、従来例において高いQ値とする場合における、応力
や成膜時間の問題を解消できる。また、コイル2用導体
は側部電気絶縁層13の溝部13aが形成された後に、
メッキ法によって形成される。このことにより、コイル
2用導体の形成途中で、電気絶縁層や工程途中のコイル
用導体にエッチングを行うなどの工程は存在しないの
で、コイル用導体の一部がエッチング時に失われること
で,コイル用導体の占積率が低下するという従来例の場
合の問題を解消できる。またこのことによって、コイル
用導体の形成に要する工程数の低減が可能となる。
【0035】また、側部電気絶縁層13の溝部13aに
コイル2用導体を形成することは、側部電気絶縁層13
に用いられている樹脂材の熱収縮後にコイル2用導体が
形成されることを意味する。したがって、側部電気絶縁
層13に用いる樹脂材として、現在上市されている感光
性合成樹脂材のように硬化時に大きな熱収縮性を示す性
質を持つ樹脂材を用いたとしても、樹脂材の熱収縮性の
問題を回避することができるのである。すなわち、面状
コイル装置1では、側部電気絶縁層13に感光性合成樹
脂材(図3を参照)を採用してもその大きな熱収縮性が
不利なこととはならず、工程数を低減できるという利点
のみを生かすことが可能となるのである。さらに、側部
電気絶縁層13に用いる樹脂材の熱収縮後にコイル2用
導体を形成できることは、コイル2用導体が厚膜である
場合であっても、コイル2用導体の上部側が平坦な状態
で製作できることである。したがって、従来例で必要と
されていた平坦化工程を不要または簡略化することが可
能となるという利点が得られるのである。
コイル2用導体を形成することは、側部電気絶縁層13
に用いられている樹脂材の熱収縮後にコイル2用導体が
形成されることを意味する。したがって、側部電気絶縁
層13に用いる樹脂材として、現在上市されている感光
性合成樹脂材のように硬化時に大きな熱収縮性を示す性
質を持つ樹脂材を用いたとしても、樹脂材の熱収縮性の
問題を回避することができるのである。すなわち、面状
コイル装置1では、側部電気絶縁層13に感光性合成樹
脂材(図3を参照)を採用してもその大きな熱収縮性が
不利なこととはならず、工程数を低減できるという利点
のみを生かすことが可能となるのである。さらに、側部
電気絶縁層13に用いる樹脂材の熱収縮後にコイル2用
導体を形成できることは、コイル2用導体が厚膜である
場合であっても、コイル2用導体の上部側が平坦な状態
で製作できることである。したがって、従来例で必要と
されていた平坦化工程を不要または簡略化することが可
能となるという利点が得られるのである。
【0036】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。なお、この項の以下の説明においては、図
1,図2に示したこの発明の実施の形態による面状コイ
ル装置1、図9,図10に示した従来例の面状コイル装
置9,9Aと同一部分には同じ符号を付し、その説明を
省略する。
に説明する。なお、この項の以下の説明においては、図
1,図2に示したこの発明の実施の形態による面状コイ
ル装置1、図9,図10に示した従来例の面状コイル装
置9,9Aと同一部分には同じ符号を付し、その説明を
省略する。
【0037】実施例1;図4の(a)乃至(j)は、こ
の発明の一実施例による面状コイル装置の製造過程を模
式的に示す断面図である。図5は、図4中に示した上側
磁性膜の上面図であり、図6は、図4中に示したコイル
の上面図である。また、図4の(b)乃至(j)の各図
中には、すでに前の工程に関する図で説明済の符号につ
いてはその一部を省略した。図4〜図6において、1A
は、スパイラル状に形成されたコイル2A,下部磁性膜
4A,上部磁性膜5Aを主体とする面状コイル装置であ
り、平板状の基板8の上に形成されている。まず、図4
(a)乃至(j)に従って、面状コイル装置1Aの製作
工程を説明する。
の発明の一実施例による面状コイル装置の製造過程を模
式的に示す断面図である。図5は、図4中に示した上側
磁性膜の上面図であり、図6は、図4中に示したコイル
の上面図である。また、図4の(b)乃至(j)の各図
中には、すでに前の工程に関する図で説明済の符号につ
いてはその一部を省略した。図4〜図6において、1A
は、スパイラル状に形成されたコイル2A,下部磁性膜
4A,上部磁性膜5Aを主体とする面状コイル装置であ
り、平板状の基板8の上に形成されている。まず、図4
(a)乃至(j)に従って、面状コイル装置1Aの製作
工程を説明する。
【0038】図4(a):シリコン基板8上にポリイミ
ドを塗布・焼成し、膜厚が3〔μm〕の電気絶縁膜41
Aを形成する。 図4(b):電気絶縁膜41A上に、Co,Hf,Ta
およびPdの混合物質のアモルファス膜をスパッタ法で
3〔μm〕厚に成膜し、フォトリソグラフィ法とエッチ
ング法とを用いて加工することで、軟磁性材製の下側磁
性膜4Aを形成する。
ドを塗布・焼成し、膜厚が3〔μm〕の電気絶縁膜41
Aを形成する。 図4(b):電気絶縁膜41A上に、Co,Hf,Ta
およびPdの混合物質のアモルファス膜をスパッタ法で
3〔μm〕厚に成膜し、フォトリソグラフィ法とエッチ
ング法とを用いて加工することで、軟磁性材製の下側磁
性膜4Aを形成する。
【0039】図4(c):下側磁性膜4Aなどの上にポ
リイミドを塗布・焼成し、下側電気絶縁膜11Aを形成
する。 図4(d):下側電気絶縁膜11A上にメッキ下地層1
2Aを形成する。このメッキ下地層12Aの形成は、P
tをスパッタ法によって約4〔Å〕という極めて薄い膜
厚に成膜することで行う。この膜厚を持つPtのスパッ
タ膜は、発明の実施の形態の項で説明したところによる
Ptの結晶が下側電気絶縁膜11A上に島状に存在して
いる状態の膜である。試作した面状コイル装置1Aにお
いて、このメッキ下地層12Aが形成された下側電気絶
縁膜11Aの表面電気抵抗を測定したところ、500
〔MΩ〕以上という高い値が得られた。すなわち、メッ
キ下地層12Aが存在していても、下側電気絶縁膜11
Aの表面を流れる漏れ電流を実質的に無視することがで
きることになるのである。
リイミドを塗布・焼成し、下側電気絶縁膜11Aを形成
する。 図4(d):下側電気絶縁膜11A上にメッキ下地層1
2Aを形成する。このメッキ下地層12Aの形成は、P
tをスパッタ法によって約4〔Å〕という極めて薄い膜
厚に成膜することで行う。この膜厚を持つPtのスパッ
タ膜は、発明の実施の形態の項で説明したところによる
Ptの結晶が下側電気絶縁膜11A上に島状に存在して
いる状態の膜である。試作した面状コイル装置1Aにお
いて、このメッキ下地層12Aが形成された下側電気絶
縁膜11Aの表面電気抵抗を測定したところ、500
〔MΩ〕以上という高い値が得られた。すなわち、メッ
キ下地層12Aが存在していても、下側電気絶縁膜11
Aの表面を流れる漏れ電流を実質的に無視することがで
きることになるのである。
【0040】図4(e):メッキ下地層12Aが形成さ
れた下側電気絶縁膜11Aの上に、溝部13aを有する
膜厚35〔μm〕の側部電気絶縁層13Aを形成する。
側部電気絶縁層13Aの形成に当たっては、まず、感光
性ポリイミド(旭化成製、商品番号G−7613N)を
2回塗布した。1回目の塗布工程では、前記の感光性ポ
リイミドを2300〔rpm〕で回転するスピンコータ
を用いて塗布し、クリーンオーブンを用いて80
〔℃〕,30〔min〕でプリベークを行った。2回目
の塗布工程では、前記の感光性ポリイミドを1回目の場
合と同一条件で塗布し、クリーンオーブンを用いて80
〔℃〕,40〔min〕でプリベークを行った。その
後、フォトリソグラフィ法の周知の工程であるフォトマ
スクを用いての密着露光・現像を行い、350〔℃〕で
焼成し、溝部13aを有する側部電気絶縁層13Aを得
た。なお、隣接する溝部13aの間の相互間隔幅は10
〔μm〕である。
れた下側電気絶縁膜11Aの上に、溝部13aを有する
膜厚35〔μm〕の側部電気絶縁層13Aを形成する。
側部電気絶縁層13Aの形成に当たっては、まず、感光
性ポリイミド(旭化成製、商品番号G−7613N)を
2回塗布した。1回目の塗布工程では、前記の感光性ポ
リイミドを2300〔rpm〕で回転するスピンコータ
を用いて塗布し、クリーンオーブンを用いて80
〔℃〕,30〔min〕でプリベークを行った。2回目
の塗布工程では、前記の感光性ポリイミドを1回目の場
合と同一条件で塗布し、クリーンオーブンを用いて80
〔℃〕,40〔min〕でプリベークを行った。その
後、フォトリソグラフィ法の周知の工程であるフォトマ
スクを用いての密着露光・現像を行い、350〔℃〕で
焼成し、溝部13aを有する側部電気絶縁層13Aを得
た。なお、隣接する溝部13aの間の相互間隔幅は10
〔μm〕である。
【0041】図4(f):図4(e)までで得られた中
間製品を、45〔℃〕とした無電解メッキ液(高純度化
学製、商品番号C−200LT)中に2〔min〕浸漬
し、溝部13aに露出しているメッキ下地層12Aの上
に、無電解メッキ導体層21Aを形成する。 図4(g):図4(f)までで得られた中間製品に対し
て、電解メッキ導体層21Aを通電層として使用し、電
解メッキ液(高純度化学製、商品番号C−100EF)
を用いて、電流密度5〔A/cm2 〕で120〔mi
n〕メッキ処理を行い、無電解メッキ導体層21Aの上
に電解メッキ導体層22Aを形成する。無電解メッキ導
体層21Aと電解メッキ導体層22Aとを合わせたもの
が、面状コイル装置1Aのコイル2A用導体である。
間製品を、45〔℃〕とした無電解メッキ液(高純度化
学製、商品番号C−200LT)中に2〔min〕浸漬
し、溝部13aに露出しているメッキ下地層12Aの上
に、無電解メッキ導体層21Aを形成する。 図4(g):図4(f)までで得られた中間製品に対し
て、電解メッキ導体層21Aを通電層として使用し、電
解メッキ液(高純度化学製、商品番号C−100EF)
を用いて、電流密度5〔A/cm2 〕で120〔mi
n〕メッキ処理を行い、無電解メッキ導体層21Aの上
に電解メッキ導体層22Aを形成する。無電解メッキ導
体層21Aと電解メッキ導体層22Aとを合わせたもの
が、面状コイル装置1Aのコイル2A用導体である。
【0042】図4(h):コイル2A用導体の上と,溝
部13aを除く側部電気絶縁層13Aの上に、感光性ポ
リイミドを塗布し、コイル2Aの端部に対応する部位に
貫通穴14aをフォトリソグラフィ法を用いて加工し、
焼成を行うことで、上側電気絶縁層14Aを形成する。 図4(i):上側電気絶縁層14A上に、膜厚0.2
〔μm〕のSiO2 膜の保護膜と、膜厚3〔μm〕の軟
磁性材膜の上側磁性膜5Aとが成膜され、フォトリソグ
ラフィ法とエッチング法とを用いて加工することで、不
要部分が除去される。
部13aを除く側部電気絶縁層13Aの上に、感光性ポ
リイミドを塗布し、コイル2Aの端部に対応する部位に
貫通穴14aをフォトリソグラフィ法を用いて加工し、
焼成を行うことで、上側電気絶縁層14Aを形成する。 図4(i):上側電気絶縁層14A上に、膜厚0.2
〔μm〕のSiO2 膜の保護膜と、膜厚3〔μm〕の軟
磁性材膜の上側磁性膜5Aとが成膜され、フォトリソグ
ラフィ法とエッチング法とを用いて加工することで、不
要部分が除去される。
【0043】図4(j):最後に、上側磁性膜5などの
上に、感光性ポリイミドを塗布し、貫通穴51aをフォ
トリソグラフィ法を用いて加工し、焼成を行うことで、
保護膜51を形成し、コイル2Aの端部に、コンタクト
部7aが形成される。かくして得られた面状コイル装置
1Aが持つコイル2Aは、図6に示したような巻数が3
ターンのスパイラル状のものとして形成される。また、
面状コイル装置1Aが持つ上側磁性膜5Aは、図5に示
したように、コイル2Aの両端部に対向するそれぞれの
部位に、穴状部5a,5aが形成される。
上に、感光性ポリイミドを塗布し、貫通穴51aをフォ
トリソグラフィ法を用いて加工し、焼成を行うことで、
保護膜51を形成し、コイル2Aの端部に、コンタクト
部7aが形成される。かくして得られた面状コイル装置
1Aが持つコイル2Aは、図6に示したような巻数が3
ターンのスパイラル状のものとして形成される。また、
面状コイル装置1Aが持つ上側磁性膜5Aは、図5に示
したように、コイル2Aの両端部に対向するそれぞれの
部位に、穴状部5a,5aが形成される。
【0044】実施例1による面状コイル装置1Aは、前
述の構成としたので、発明の実施の形態の項ですでに説
明したところにより、従来例の面状コイル装置9,9A
と比較して、少ない工程で面状コイル装置が得られると
共に、コイル2Aの占積率が向上することで、高いQ値
を得ることができる。また、側部電気絶縁層13Aに硬
化時の熱収縮量の大きな感光性合成樹脂材(例えば、図
3を参照)を用いたとしても、何等の平坦化処理を施す
ことが無しに、上側電気絶縁層14Aの上面などを平坦
な状態で製作することができるという大きな利点も得ら
れる。
述の構成としたので、発明の実施の形態の項ですでに説
明したところにより、従来例の面状コイル装置9,9A
と比較して、少ない工程で面状コイル装置が得られると
共に、コイル2Aの占積率が向上することで、高いQ値
を得ることができる。また、側部電気絶縁層13Aに硬
化時の熱収縮量の大きな感光性合成樹脂材(例えば、図
3を参照)を用いたとしても、何等の平坦化処理を施す
ことが無しに、上側電気絶縁層14Aの上面などを平坦
な状態で製作することができるという大きな利点も得ら
れる。
【0045】実施例2;図7は、この発明の異なる実施
例による面状コイル装置を模式的に示す図で、(a)は
断面図であり、(b)乃至(d)は、図7(a)中に示
した上側磁性膜の3種類のそれぞれ異なる実施例のそれ
ぞれの上面図である。図7において、図4〜図6に示し
たこの発明の一実施例による面状コイル装置と同一部分
には同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図7
中には、図4で付した符号については、代表的な符号の
みを記した。
例による面状コイル装置を模式的に示す図で、(a)は
断面図であり、(b)乃至(d)は、図7(a)中に示
した上側磁性膜の3種類のそれぞれ異なる実施例のそれ
ぞれの上面図である。図7において、図4〜図6に示し
たこの発明の一実施例による面状コイル装置と同一部分
には同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図7
中には、図4で付した符号については、代表的な符号の
みを記した。
【0046】図7において、1Bは、図4〜図6に示し
たこの発明による面状コイル装置1Aに対して、下側磁
性膜4A,上側磁性膜5Aに替えて、それぞれ、下側磁
性膜4B,上側磁性膜5Bを用いるようにした面状コイ
ル装置である。これ等の両磁性膜4B,5Bが、面状コ
イル装置1Aが持つ両磁性膜4A,5Aと異なる点は、
交流磁場等の変動磁場下で磁性膜に発生する渦流損値を
低減するためのスリット6が形成されていることであ
る。このスリット6の形成例については、上側磁性膜5
Bに代表させて、図7(b)乃至(d)中に示してあ
る。この内、図7(b)はスリット6を4本、図7
(c)はスリット6を8本、また、図7(d)はスリッ
ト6を16本形成した事例である。なお、磁性膜4B,
5Bのごとくに、磁性膜にスリット6を形成することに
よる作用・効果は、特開平6−77055号公報などに
詳しいので、重複を避けてその説明を省略する。
たこの発明による面状コイル装置1Aに対して、下側磁
性膜4A,上側磁性膜5Aに替えて、それぞれ、下側磁
性膜4B,上側磁性膜5Bを用いるようにした面状コイ
ル装置である。これ等の両磁性膜4B,5Bが、面状コ
イル装置1Aが持つ両磁性膜4A,5Aと異なる点は、
交流磁場等の変動磁場下で磁性膜に発生する渦流損値を
低減するためのスリット6が形成されていることであ
る。このスリット6の形成例については、上側磁性膜5
Bに代表させて、図7(b)乃至(d)中に示してあ
る。この内、図7(b)はスリット6を4本、図7
(c)はスリット6を8本、また、図7(d)はスリッ
ト6を16本形成した事例である。なお、磁性膜4B,
5Bのごとくに、磁性膜にスリット6を形成することに
よる作用・効果は、特開平6−77055号公報などに
詳しいので、重複を避けてその説明を省略する。
【0047】面状コイル装置1Bなどのこの発明になる
面状コイル装置の、磁性膜(コイル2Aの層数は単層で
ある場合には、上側磁性膜のみが対象になる)にスリッ
ト6を形成する場合の利点は、実施例1の項で述べたよ
うに、何等の平坦化処理を施すことが無しに、上側電気
絶縁層14Aの上面を平坦な状態で製作することができ
るという点に起因している。従来例の面状コイル装置の
場合には、上側電気絶縁層14Aの上面を平坦な状態で
製作することは困難なため、特に上側磁性膜にスリット
6を形成する場合には、上側電気絶縁層14Aの上面の
平坦化処理が不可欠であった。これが原因で、従来例の
面状コイル装置では、スリット6の形成が好ましい場合
にもスリット6の形成を行わないか、あるいは、スリッ
ト6の本数を極力少なく設定していた。これに対して、
この発明になる面状コイル装置では、上側磁性膜にスリ
ット6を形成する場合であっても、上側電気絶縁層14
Aの平坦化処理がほとんど不要であるので、図7(b)
乃至(d)中に示したように、設計上必要な本数のスリ
ット6を適宜に選択して形成できるのである。
面状コイル装置の、磁性膜(コイル2Aの層数は単層で
ある場合には、上側磁性膜のみが対象になる)にスリッ
ト6を形成する場合の利点は、実施例1の項で述べたよ
うに、何等の平坦化処理を施すことが無しに、上側電気
絶縁層14Aの上面を平坦な状態で製作することができ
るという点に起因している。従来例の面状コイル装置の
場合には、上側電気絶縁層14Aの上面を平坦な状態で
製作することは困難なため、特に上側磁性膜にスリット
6を形成する場合には、上側電気絶縁層14Aの上面の
平坦化処理が不可欠であった。これが原因で、従来例の
面状コイル装置では、スリット6の形成が好ましい場合
にもスリット6の形成を行わないか、あるいは、スリッ
ト6の本数を極力少なく設定していた。これに対して、
この発明になる面状コイル装置では、上側磁性膜にスリ
ット6を形成する場合であっても、上側電気絶縁層14
Aの平坦化処理がほとんど不要であるので、図7(b)
乃至(d)中に示したように、設計上必要な本数のスリ
ット6を適宜に選択して形成できるのである。
【0048】実施例3;図8は、この発明のさらに異な
る実施例による面状コイル装置を模式的に示す図で、
(a)は断面図であり、(b)は、図8(a)中に示し
たコイルの上面図である。図8において、図4〜図6に
示したこの発明の一実施例による面状コイル装置と同一
部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、
図8中には、図4で付した符号については、代表的な符
号のみを記した。
る実施例による面状コイル装置を模式的に示す図で、
(a)は断面図であり、(b)は、図8(a)中に示し
たコイルの上面図である。図8において、図4〜図6に
示したこの発明の一実施例による面状コイル装置と同一
部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、
図8中には、図4で付した符号については、代表的な符
号のみを記した。
【0049】図8において、1Cは、図4〜図6に示し
たこの発明による面状コイル装置1Aに対して、側部電
気絶縁層13A,コイル2Aに替えて、それぞれ、側部
電気絶縁層13B,コイル2Bを用いるようにした面状
コイル装置である。コイル2Bが、面状コイル装置1A
が持つコイル2Aと異なる点は、交流動作時のコイルの
電気抵抗Rの値の増加度を抑制するために、コイルのタ
ーンを2個に分割して形成されていることである。この
2分割されたコイル2Bの形状は、上面から見た場合の
形状について図8(b)に示してある。なお、コイルの
ターンを複数に分割するなどして形成することによる作
用・効果は、特開平5−41320号公報などに詳しい
ので、重複を避けてその説明を省略する。なお、側部電
気絶縁層13Bを側部電気絶縁層13Aに対して異なら
せた理由は、2分割されたコイル2Bが得られるように
するためである。
たこの発明による面状コイル装置1Aに対して、側部電
気絶縁層13A,コイル2Aに替えて、それぞれ、側部
電気絶縁層13B,コイル2Bを用いるようにした面状
コイル装置である。コイル2Bが、面状コイル装置1A
が持つコイル2Aと異なる点は、交流動作時のコイルの
電気抵抗Rの値の増加度を抑制するために、コイルのタ
ーンを2個に分割して形成されていることである。この
2分割されたコイル2Bの形状は、上面から見た場合の
形状について図8(b)に示してある。なお、コイルの
ターンを複数に分割するなどして形成することによる作
用・効果は、特開平5−41320号公報などに詳しい
ので、重複を避けてその説明を省略する。なお、側部電
気絶縁層13Bを側部電気絶縁層13Aに対して異なら
せた理由は、2分割されたコイル2Bが得られるように
するためである。
【0050】コイル2などを分割するには、側部電気絶
縁層13Aが持つ溝部13aなどのパターン形状を、予
めコイルの分割数に合わせてエッチング加工しておくこ
とで対応することができる。面状コイル装置1Cなどの
この発明になる面状コイル装置の、コイルを分割する場
合の利点は、実施例1の項で述べたように、何等の平坦
化処理を施すことが無しに、上側電気絶縁層14Aの上
面を平坦な状態で製作することができるという点に起因
する。すなわち、この発明になる面状コイル装置の場合
には、第2層目以降のコイルの場合であってもコイルの
分割を容易に行うことができるのである。
縁層13Aが持つ溝部13aなどのパターン形状を、予
めコイルの分割数に合わせてエッチング加工しておくこ
とで対応することができる。面状コイル装置1Cなどの
この発明になる面状コイル装置の、コイルを分割する場
合の利点は、実施例1の項で述べたように、何等の平坦
化処理を施すことが無しに、上側電気絶縁層14Aの上
面を平坦な状態で製作することができるという点に起因
する。すなわち、この発明になる面状コイル装置の場合
には、第2層目以降のコイルの場合であってもコイルの
分割を容易に行うことができるのである。
【0051】
【発明の効果】この発明においては、前記の課題を解決
するための手段の項で述べた構成,製造方法とすること
により、次記する効果を奏する。 前記の課題を解決するための手段の項の(1)項によ
る構成,および/または(3)項による製造方法とする
ことにより、高いQ値を持つ面状コイル装置を従来の技
術によるものと比較して少ない工程で得ることが可能と
なる。また、コイルの占積率が向上することで高いQ値
を持つ面状コイル装置を小形に製作することが可能とな
る。さらに、側部電気絶縁層に硬化時の収縮量の大きな
樹脂材を用いたとしても、何等の平坦化処理を施すこと
無しに、上側電気絶縁層の上面などを平坦な状態で製作
することができるという利点も得られる。また、 前記の課題を解決するための手段の項の(2)項によ
る構成,および/または(4)項による製造方法とする
ことにより、面状コイル装置の主要部である側部電気絶
縁層のエッチング工程を省略できることにより、前記
項の効果を得ながら、製造原価の安価な面状コイル装置
の提供が可能になる。さらにまた、 前記の課題を解決するための手段の項の(5)項によ
る製造方法とすることにより、厚膜の面状コイル装置に
対しても感光性の合成樹脂材の採用が可能となるので、
厚膜の面状コイル装置の場合も、前記項の効果を得る
ことが可能になる。
するための手段の項で述べた構成,製造方法とすること
により、次記する効果を奏する。 前記の課題を解決するための手段の項の(1)項によ
る構成,および/または(3)項による製造方法とする
ことにより、高いQ値を持つ面状コイル装置を従来の技
術によるものと比較して少ない工程で得ることが可能と
なる。また、コイルの占積率が向上することで高いQ値
を持つ面状コイル装置を小形に製作することが可能とな
る。さらに、側部電気絶縁層に硬化時の収縮量の大きな
樹脂材を用いたとしても、何等の平坦化処理を施すこと
無しに、上側電気絶縁層の上面などを平坦な状態で製作
することができるという利点も得られる。また、 前記の課題を解決するための手段の項の(2)項によ
る構成,および/または(4)項による製造方法とする
ことにより、面状コイル装置の主要部である側部電気絶
縁層のエッチング工程を省略できることにより、前記
項の効果を得ながら、製造原価の安価な面状コイル装置
の提供が可能になる。さらにまた、 前記の課題を解決するための手段の項の(5)項によ
る製造方法とすることにより、厚膜の面状コイル装置に
対しても感光性の合成樹脂材の採用が可能となるので、
厚膜の面状コイル装置の場合も、前記項の効果を得る
ことが可能になる。
【図1】この発明による面状コイル装置の実施の形態を
示す図で、(a)は模式的に示す断面図、(b)は図1
(a)の要部の上面図
示す図で、(a)は模式的に示す断面図、(b)は図1
(a)の要部の上面図
【図2】(a)乃至(j)は、図1に示した面状コイル
装置の製造過程を模式的に示す断面図
装置の製造過程を模式的に示す断面図
【図3】感光性のポリイミドを2回塗布して得られた電
気絶縁膜の膜厚に関する実験データ例
気絶縁膜の膜厚に関する実験データ例
【図4】(a)乃至(j)は、この発明の一実施例によ
る面状コイル装置の製造過程を模式的に示す断面図
る面状コイル装置の製造過程を模式的に示す断面図
【図5】図4中に示した上側磁性膜の上面図
【図6】図4中に示したコイルの上面図
【図7】この発明の異なる実施例による面状コイル装置
を模式的に示す図で、(a)は断面図、(b)乃至
(d)は、図7(a)中に示した上側磁性膜の3種類の
それぞれ異なる実施例のそれぞれの上面図
を模式的に示す図で、(a)は断面図、(b)乃至
(d)は、図7(a)中に示した上側磁性膜の3種類の
それぞれ異なる実施例のそれぞれの上面図
【図8】この発明のさらに異なる実施例による面状コイ
ル装置を模式的に示す図で、(a)は断面図、(b)
は、図8(a)中に示したコイルの上面図
ル装置を模式的に示す図で、(a)は断面図、(b)
は、図8(a)中に示したコイルの上面図
【図9】(a)乃至(g)はメッキ法を用いる従来例の
面状コイル装置の製造過程を模式的に示す断面図
面状コイル装置の製造過程を模式的に示す断面図
【図10】(a)乃至(g)は、薄膜技術と選択メッキ
法とを用いる従来例の面状コイル装置の製造過程を模式
的に示す断面図
法とを用いる従来例の面状コイル装置の製造過程を模式
的に示す断面図
1 面状コイル装置 11 下側電気絶縁膜 12 メッキ下地層 13 側部電気絶縁層 13a 溝部 2 コイル 21 無電解メッキ導体層 22 電解メッキ導体層
Claims (5)
- 【請求項1】面状に形成された下側電気絶縁層と、下側
電気絶縁層の表面上に導電性粒子が離散的に付着される
ことで形成されたメッキ下地層と、メッキ下地層の上
に,樹脂材を用いコイル導体用の溝部を有して形成され
た側部電気絶縁層と、メッキ下地層の上の前記の溝部が
形成された部位に,少なくともメッキ下地層側について
は無電解メッキ法により形成されたコイル導体と、側部
電気絶縁層の前記の溝部を除く部分の上面部およびコイ
ル導体の上面部を覆い樹脂材を用いて形成された上側電
気絶縁層とを備えたことを特徴とする面状コイル装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の面状コイル装置におい
て、 側部電気絶縁層に用いられる樹脂材は、感光性の合成樹
脂材であることを特徴とする面状コイル装置。 - 【請求項3】電気絶縁材を用いて下側電気絶縁層を面状
に形成する工程と、下側電気絶縁層の表面上に物理的手
法を用いて導電性粒子を離散的に付着させることでメッ
キ下地層を形成する工程と、メッキ下地層の上に樹脂材
を塗布し,コイル導体用の溝部を有するようにして側部
電気絶縁層を形成する工程と、メッキ下地層の上の前記
の溝部が形成された部位に,少なくともメッキ下地層側
については無電解メッキ法によってコイル導体を形成す
る工程と、側部電気絶縁層の前記の溝部を除く部分の上
面部およびコイル導体の上面部を覆って樹脂材を塗布
し,上側電気絶縁層を形成する工程とを備えたことを特
徴とする面状コイル装置の製造方法。 - 【請求項4】請求項3に記載の面状コイル装置の製造方
法において、 側部電気絶縁層を形成する工程に用いられる樹脂材は感
光性の合成樹脂材であり、この感光性の合成樹脂材を加
熱して行われる焼成処理工程後に、コイル導体を形成す
る工程が実行されることを特徴とする面状コイル装置の
製造方法。 - 【請求項5】請求項4に記載の面状コイル装置の製造方
法において、 側部電気絶縁層を形成する工程は、感光性の合成樹脂材
を用いて複数の塗布回数を経て行われることを特徴とす
る面状コイル装置の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14962696A JPH09330817A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 面状コイル装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14962696A JPH09330817A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 面状コイル装置およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09330817A true JPH09330817A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15479342
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14962696A Withdrawn JPH09330817A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 面状コイル装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09330817A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000323345A (ja) * | 1999-05-11 | 2000-11-24 | Tdk Corp | 高周波電子部品及びその製造方法 |
| US6835576B2 (en) | 2000-05-02 | 2004-12-28 | Fuji Electric Co., Ltd. | Magnetic thin film, a magnetic component that uses this magnetic thin film, manufacturing methods for the same, and a power conversion device |
| EP1585174A1 (en) * | 2004-03-25 | 2005-10-12 | TDK Corporation | Circuit device and manufacturing method of the same |
| JP2009283946A (ja) * | 2003-02-12 | 2009-12-03 | Moog Inc | トルク・モータ |
| US20130300527A1 (en) * | 2012-05-08 | 2013-11-14 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Method of manufacturing coil element and coil element |
| JP2016103593A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | Tdk株式会社 | コイル部品およびその製造方法 |
| JP2016103592A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | Tdk株式会社 | コイル部品およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-06-12 JP JP14962696A patent/JPH09330817A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000323345A (ja) * | 1999-05-11 | 2000-11-24 | Tdk Corp | 高周波電子部品及びその製造方法 |
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| US7125788B2 (en) | 2004-03-25 | 2006-10-24 | Tdk Corporation | Circuit device and method of manufacturing the circuit device |
| CN100379322C (zh) * | 2004-03-25 | 2008-04-02 | Tdk株式会社 | 电路组件及其制造方法 |
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| JP2013236062A (ja) * | 2012-05-08 | 2013-11-21 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | コイル部品製造方法及びコイル部品 |
| KR101508812B1 (ko) * | 2012-05-08 | 2015-04-06 | 삼성전기주식회사 | 코일 부품 제조방법 및 코일 부품 |
| JP2016103593A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | Tdk株式会社 | コイル部品およびその製造方法 |
| JP2016103592A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | Tdk株式会社 | コイル部品およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|
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