JPH0942430A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH0942430A
JPH0942430A JP7219620A JP21962095A JPH0942430A JP H0942430 A JPH0942430 A JP H0942430A JP 7219620 A JP7219620 A JP 7219620A JP 21962095 A JP21962095 A JP 21962095A JP H0942430 A JPH0942430 A JP H0942430A
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JP
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range
speed
valve
pressure
signal pressure
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JP7219620A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Masahiko Ando
雅彦 安藤
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スノーモードでのNレンジからDレンジへの
シフトの際のショックを防止する。 【解決手段】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
とが、動力を直列的に伝達するよう連結されるととも
に、所定の制御弁の出力する信号圧を、副変速部を後進
段設定時に高速段に制御する信号圧とエンジンブレーキ
状態を制御するための信号圧とに切換弁によって切り換
え、かつ通常の発進用変速段より高速側の変速段を発進
用変速段とするスノーモードを選択可能な自動変速機の
制御装置において、スノーモードの場合に、非駆動レン
ジにおいて、切換弁を、制御弁から出力される信号圧
を、エンジンブレーキ状態を制御する信号圧に切り換え
る状態に制御し、かつ制御弁を、エンジンブレーキを効
かせない状態を設定する信号圧の出力状態に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機の制御装置に関し、特にいわゆるスノーモードなど
の発進時の変速段を通常時より高速側でかつエンジンブ
レーキの効かない変速段に設定する走行モードを選択す
ることのできる自動変速機の制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両用の自動変速機において、燃費や静
粛性を向上させるためにオーバードライブ装置が多用さ
れていることは周知のとおりである。その一例が特開平
5−157165号公報に記載されており、前進4段・
後進1段を設定するための主変速装置の入力側に、一組
の遊星歯車機構からなるオーバードライブ装置が設けら
れている。このオーバードライブ装置は、その遊星歯車
機構のキャリヤとサンギヤとをクラッチによって連結す
ることによりその全体が一体回転する低速段(直結段)
を設定し、またサンギヤをブレーキによって固定するこ
とにより高速段に設定するように構成されている。そし
て上記の公報に記載された自動変速機では、最高速段で
ある第5速を設定するためにオーバードライブ装置を高
速段にする以外に、後進段を設定する際にもオーバード
ライブ装置を高速段とし、これにより後進段での変速比
が大きくなることを防止している。
【0003】結局、上記の公報に記載された自動変速機
は、前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
き、そのために第1ないし第3のソレノイドバルブを設
けて変速を制御している。また通常の自動変速機と同様
に第1速や第3速などの変速段でエンジンブレーキを必
要とするから、上記の自動変速機では更に第4のソレノ
イドバルブを設けて、この第4ソレノイドバルブによっ
て所定の切換弁に信号圧を送り、エンジンブレーキ状態
を選択的に設定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動変速機
における油圧制御装置は、ドライブレンジやエンジンブ
レーキレンジで各変速段を設定するために、第1ないし
第4の4つのソレノイドバルブを設けているが、油圧制
御装置あるいは自動変速機の全体のコンパクト化のため
には、ソレノイドバルブの数を削減することが望まれ
る。その場合、オーバードライブ装置の高速段は、第5
速と後進段とで設定するだけであるのに対して、エンジ
ンブレーキ状態は、第1速や第3速の変速段で設定する
から、これらのいわゆる互いに干渉のない変速段で使用
されるソレノイドバルブを兼用することが考えられる。
具体的には、オーバードライブ装置を高速段に設定する
ためのソレノイドバルブを、エンジンブレーキレンジの
第1速や第3速などの変速段でエンジンブレーキ状態を
設定するように動作させることが考えられる。
【0005】しかるにいわゆるオーバードライブ用のソ
レノイドバルブをエンジンブレーキ用のソレノイドバル
ブと兼用するとした場合、ドライブ(D)レンジの第1
速ではエンジンブレーキを効かせないから、後進段設定
時とDレンジの第1速とでは、そのソレノイドバルブの
動作状態が互いに反対となる。すなわちこのソレノイド
バルブは、オーバードライブ装置を高速段に切り換える
ためのバルブであるから、フェイル時には高速段の変速
段を設定するフェイルセーフの観点から、非通電(OF
F)状態で信号圧を出力するように構成するのが通常で
ある。したがって後進段設定時には、このソレノイドバ
ルブをOFFにし、これに対してエンジンブレーキを効
かせないDレンジの第1速では、このソレノイドバルブ
をONにして信号圧を出力しないように構成することに
なる。
【0006】このように上記のソレノイドバルブをオー
バードライブ設定用とエンジンブレーキ用とに単純に兼
用するとすれば、後進段とDレンジとでソレノイドバル
ブへの通電パターンが反対となり、その結果、例えばD
レンジの第1速が設定されているにも拘わらず、電気的
なフェイルによって後進段(Rレンジ)の検出信号が出
力された場合には、前記ソレノイドバルブがOFFとな
って信号圧を出力してしまい、Dレンジの第1速でエン
ジンブレーキが効く状態になる。具体的には、第1速で
係合する一方向クラッチと並列の多板ブレーキが係合し
てしまうので、変速が円滑に実行できなくなり、変速シ
ョックが悪化する可能性がある。
【0007】このような不都合を解決するために、第1
速と後進段とにおける前記ソレノイドバルブの動作状態
を同一とすることが考えられる。その場合、そのソレノ
イドバルブが出力する信号圧をエンジンブレーキを効か
せる制御系統とオーバードライブ状態を制御する制御系
統とに切り換えて出力するバルブと、エンジンブレーキ
を効かせる制御系統において信号圧が入力されることに
よってエンジンブレーキを効かない状態にするバルブと
を設けることになる。このようにすれば、主変速装置で
の後進状態は、マニュアルバルブから出力されるRレン
ジ圧によって設定され、オーバードライブ装置の高速段
は前記ソレノイドバルブによって設定されるから、第1
速と後進段とのシフトソレノイドバルブの動作状態(通
電状態)を同一にすることができる。
【0008】上記のようにDレンジの第1速を設定する
ためのソレノイドバルブの通電状態と後進段を設定する
ためのソレノイドバルブの通電状態とを同一にすれば、
例えば電気的なフェイルによってRレンジとDレンジと
の相互の誤判定が生じて、Rレンジでオーバードライブ
装置が低速段(直結状態)になったり、Dレンジの第1
速でエンジンブレーキが効いたりする不都合を回避でき
る。
【0009】ところで、通常、自動変速機で設定される
変速段は、車速やスロットル開度などの走行状態に基づ
いて決めており、したがって停止状態からの発進時には
第1速が設定される。しかしながらNレンジでは、オー
バードライブとエンジンブレーキとの制御に兼用される
ソレノイドバルブは、オーバードライブの制御系統に連
通された状態にあり、このソレノイドバルブは、Nレン
ジからDレンジにマニュアルシフトすることに伴ってエ
ンジンブレーキの制御系統に切り換えて連通させられ
る。そしてリバース(R)レンジとDレンジの第1速と
を同一のソレノイド通電パターンとすれば、第1速では
前記兼用されるソレノイドバルブが信号圧を出力するの
であるから、Nレンジではそのソレノイドバルブは信号
圧を出力しない状態に制御する必要がある。
【0010】したがって第1速ないし第3速などのオー
バードライブ状態にしない低中速段において、前記兼用
されるソレノイドバルブが信号圧を出力していなけれ
ば、これらの変速段でエンジンブレーキが効くことにな
る。そのため例えば、発進用変速段として第3速などの
通常の発進用変速段である第1速より高速側の変速段を
設定するスノーモードが選択されている場合には、Nレ
ンジからDレンジにマニュアルシフトすることに伴っ
て、発進用変速段を設定する制御とエンジンブレーキ状
態の制御とを同時に行う必要があるため、変速ショック
が悪化したり、あるいは複雑な制御を必要とするなどの
問題があった。
【0011】すなわちスノーモードでNレンジからDレ
ンジにマニュアルシフトした場合、Dレンジを設定する
ことに伴って生じるDレンジ圧によって入力用クラッチ
が係合し、また発進用の例えば第3速を設定するための
摩擦係合装置に油圧が供給されてその摩擦係合装置が係
合する。その場合、前記兼用されるソレノイドバルブが
信号圧を出力していなければ、第3速でエンジンブレー
キを効かせるための摩擦係合装置に油圧が供給される状
態が一時的に生じる。その結果、入力用クラッチを係合
させる油圧の低下や変動が生じ、これが変速ショックと
なって現れる場合がある。そしてこのような事態が生じ
ないようにするためには、NレンジからDレンジにマニ
ュアルシフトした際の油圧の供給順序を予め定めた順序
に制御することになるが、そのためのシーケンス制御が
複雑になる。
【0012】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、スノーモードなどの通常の発進用変速段
より高速側の変速段で発進するモードでの発進時の変速
ショックを防止し、またその発進制御の容易な制御装置
を提供することを目的とするものである。
【0013】そしてこの目的は、請求項1あるいは2の
発明においては、通常の発進用変速段より高速側の変速
段を発進用変速段とするモードが選択された場合には、
非駆動レンジでの制御弁および切換弁の動作状態を発進
用変速段を設定するための動作状態と同一に設定するこ
とにより達成される。
【0014】また請求項3あるいは4の発明では、エン
ジンブレーキ状態を制御するための制御弁の切り換え動
作の後に発進用変速段を設定する制御を実行することに
より上記の目的が達成される。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載した発明は、後進
状態と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段
に切り換えることのできる副変速部とが、動力を直列的
に伝達するよう連結されるとともに、所定の信号圧を、
前記副変速部を後進段設定時に切り換える信号圧とエン
ジンブレーキ状態を制御するための信号圧とに切換弁に
よって切り換え、かつ通常の発進用変速段より高速側の
変速段を発進時に設定する走行モードを選択可能であ
り、さらに複数の電磁弁のオン・オフのパターンに応じ
て変速段を設定する自動変速機の制御装置において、前
記走行モードが選択されている場合に、非駆動レンジに
おいて、前記切換弁および所定の信号圧を前記高速側の
変速段が設定されるときのパターンと同一にされている
ことを特徴とするものである。
【0016】したがってこの請求項1の発明では、前記
走行モードが選択された場合には、非駆動レンジにおい
て、既に発進用の変速段を設定する電磁弁のオン・オフ
パターンとなっているから、発進時に前記信号圧の切り
換えが生じず、したがって発進用のクラッチの油圧に変
動が生じて変速ショックが悪化するなどのことが未然に
防止される。
【0017】また請求項2に記載した発明は、後進状態
と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段に切
り換えることのできる副変速部とが、動力を直列的に伝
達するよう連結されるとともに、所定の制御弁の出力す
る信号圧を、前記副変速部を後進段設定時に高速段に制
御する信号圧とエンジンブレーキ状態を制御するための
信号圧とに切換弁によって切り換え、かつ通常の発進用
変速段より高速側のエンジンブレーキを効かせない変速
段を発進時に設定する走行モードを選択可能な自動変速
機の制御装置において、前記走行モードが選択されてい
る場合に、非駆動レンジにおいて、前記切換弁を、前記
制御弁から出力される信号圧をエンジンブレーキ状態を
制御する信号圧に切り換える状態に制御し、かつ前記制
御弁を、エンジンブレーキを効かせない状態を設定する
信号圧の出力状態に制御するように構成されていること
を特徴とするものである。
【0018】したがってこの請求項2の発明では、前記
走行モードが選択された場合には、非駆動レンジにおい
て、既にエンジンブレーキを効かせない状態が達成され
るから、駆動レンジにマニュアルシフトして発進する際
にエンジンブレーキ用摩擦係合装置に一時的であっても
油圧が供給されたり、それに伴って発進用のクラッチの
油圧に変動が生じて変速ショックが悪化したり、あるい
はエンジンブレーキが効いたりすることが未然に防止さ
れる。
【0019】また請求項3に記載した発明は、後進状態
と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段に切
り換えることのできる副変速部とが、動力を直列的に伝
達するよう連結されるとともに、所定の信号圧を、前記
副変速部を後進段設定時に切り換える信号圧とエンジン
ンブレーキ状態を制御するための信号圧とに切換弁によ
って切り換え、かつ通常の発進用変速段より高速側の変
速段を発進時に設定する走行モードを選択可能な自動変
速機の制御装置において、前記走行モードが選択されて
いる状態で非駆動レンジから駆動レンジに切り換えられ
た場合に、前記所定の信号圧を切り換えた後に、前記所
定の高速側の変速段への変速制御を実行するよう構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0020】したがってこの請求項3の発明では、スノ
ーモードなどの通常の発進用変速段より高速側の変速段
を発進用変速段とするモードで非駆動レンジから駆動レ
ンジにマニュアルシフトした際に、先ず、信号圧が切り
替わるので、信号圧の切り換えの遅延に伴ってショック
が悪化したりすることを確実に防止できる。
【0021】そして請求項4に記載した発明は、後進状
態と複数の前進状態とを設定する主変速部と高低二段に
切り換えることのできる副変速部とが、動力を直列的に
伝達するよう連結されるとともに、所定の制御弁の出力
する信号圧を、前記副変速部を後進段設定時に高速段に
制御する信号圧とエンジンンブレーキ状態を制御するた
めの信号圧とに切換弁によって切り換え、かつ通常の発
進用変速段より高速側のエンジンブレーキを効かせない
変速段を発進時に設定する走行モードを選択可能な自動
変速機の制御装置において、前記走行モードが選択され
ている状態で非駆動レンジから駆動レンジに切り換えら
れた場合に、前記制御弁を前記高速側の変速段でエンジ
ンブレーキを効かせない状態に切り換え動作させた後
に、該変速段への変速制御を実行するよう構成されてい
ることを特徴とするものである。
【0022】したがってこの請求項4の発明では、スノ
ーモードなどの通常の発進用変速段より高速側の変速段
を発進用変速段とするモードで非駆動レンジから駆動レ
ンジにマニュアルシフトした際に、先ず、制御弁が動作
して非エンジブレーキ状態とするので、その走行モード
での発進時にエンジンブレーキが効いたり、ショックが
悪化したりすることを確実に防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
より具体的に説明する。図1はこの発明の一例を模式的
に示しており、自動変速機1を連結してあるエンジン2
は、その吸気管路3にメインスロットルバルブ4とその
上流側に位置するサブスロットルバルブ5とを有してい
る。そのメインスロットルバルブ4はアクセルペダル6
に連結されていて、アクセルペダル6の踏み込み量に応
じて開閉される。またサブスロットルバルブ5は、モー
タ7によって開閉されるようになっている。
【0024】このサブスロットルバルブ5の開度を調整
するためにモータ7を制御し、またエンジン2の燃料噴
射量および点火時期などを制御するためのエンジン用電
子制御装置(E−ECU)8が設けられている。この電
子制御装置8は、中央演算処理装置(CPU)および記
憶装置(RAM、ROM)ならびに入出力インターフェ
ースを主体とするものであって、この電子制御装置8に
は、制御のためのデータとして、エンジン(E/G)回
転数N、吸入空気量Q、吸入空気温度、スロットル開
度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチからの信号
などの各種の信号が入力されている。
【0025】自動変速機1における変速およびロックア
ップクラッチならびにライン圧は、油圧制御装置9によ
って制御される。その油圧制御装置9は、電気的に制御
されるように構成されており、また変速を実行するため
の第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S
3 、ライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブ
SLT、アキュームレータ背圧を制御するためのリニアソ
レノイドバルブSLN、ロックアップクラッチを制御する
ためのリニアソレノイドバルブSLUが設けられている。
【0026】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)10
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置10には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフト装置における
後述するスイッチ群によるシフトポジション信号、パタ
ーンセレクトスイッチからの信号、オーバードライブス
イッチからの信号、後述するクラッチC0 の回転速度を
検出するセンサからの信号、車速センサからの信号、自
動変速機の油温、マニュアルシフトスイッチからの信
号、スノーモードスイッチからの信号などが入力されて
いる。なおここで、スノーモードスイッチはシフト装置
やインストルメントパネルなどに取り付けられたもので
あり、これをON操作することにより第3速などの通常
の発進段である第1速より高速側の変速段が発進用の変
速段として設定される。
【0027】またこの自動変速機用電子制御装置10と
エンジン用電子制御装置8とは、相互にデータ通信可能
に接続されており、エンジン用電子制御装置8から自動
変速機用電子制御装置10に対しては、1回転当たりの
吸入空気量(Q/N)などの信号が送信され、また自動
変速機用電子制御装置10からエンジン用電子制御装置
8に対しては、各ソレノイドバルブに対する指示信号と
同等の信号および変速段を指示する信号などが送信され
ている。
【0028】すなわち自動変速機用電子制御装置10
は、入力されたデータや予め記憶させてある変速マップ
に基づいて変速段やロックアップクラッチのON/OF
Fを判断し、あるいはライン圧の調圧レベルなどを判断
し、その判断結果に基づいて所定のソレノイドバルブに
指示信号を出力し、さらにフェイルの判断やそれに基づ
く制御を行うようになっている。またスノーモードスイ
ッチがON操作された場合には、発進用の変速段として
第1速より高速側の変速段(例えば第3速)を設定する
変速信号を出力するようになっている。
【0029】これに対してエンジン用電子制御装置8
は、入力されたデータに基づいて燃料噴射量や点火時期
あるいはサブスロットルバルブ5の開度などを制御する
ことに加え、自動変速機1での変速時に燃料噴射量を削
減し、あるいは点火時期を変え、もしくはサブスロット
ルバルブ5の開度を絞ることにより、出力トルクを一時
的に低下させるようになっている。
【0030】図2は上記の自動変速機1の歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機1は、トルクコンバータ30
と、副変速部31と、主変速部32とを備えている。そ
のトルクコンバータ30は、ロックアップクラッチ33
を有しており、このロックアップクラッチ33は、ポン
プインペラ34に一体化させてあるフロントカバー35
とタービンランナ36を一体に取付けた部材(ハブ)3
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー35に連結さ
れ、またタービンランナ36を連結してある入力軸38
は、副変速部31を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構39のキャリヤ40に連結されている。
【0031】この遊星歯車機構39におけるキャリヤ4
0とサンギヤ41との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ41がキャリヤ40に対して相
対的に正回転(入力軸38の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ41の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部31の出力要素であるリングギヤ4
2が、主変速部32の入力要素である中間軸43に接続
されている。
【0032】したがって副変速部31は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構39の全体が一体となって回転するため、中
間軸43が入力軸38と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ41の回転
を止めた状態では、リングギヤ42が入力軸38に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0033】他方、主変速部32は三組の遊星歯車機構
50,60,70を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
50のサンギヤ51と第2遊星歯車機構60のサンギヤ
61とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構50のリングギヤ53と第2遊星歯車機構60のキャ
リヤ62と第3遊星歯車機構70のキャリヤ72との三
者が連結され、かつそのキャリヤ72に出力軸80が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構60のリングギ
ヤ63が第3遊星歯車機構70のサンギヤ71に連結さ
れている。
【0034】この主変速部32の歯車列では、後進段と
前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのた
めのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられて
いる。先ずクラッチについて述べると、互いに連結され
ている第2遊星歯車機構60のリングギヤ63および第
3遊星歯車機構70のサンギヤ71と中間軸43との間
に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された
第1遊星歯車機構50のサンギヤ51および第2遊星歯
車機構60のサンギヤ61と中間軸43との間に第2ク
ラッチC2 が設けられている。
【0035】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構50および第2遊星歯車機構60のサンギヤ51,6
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ51,61(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング81との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ51,6
1が逆回転(入力軸38の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。多板
ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構5
0のキャリヤ52とケーシング81との間に設けられて
いる。そして第3遊星歯車機構70のリングギヤ73の
回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブ
レーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがケーシング8
1との間に並列に配置されている。なお、この第2一方
向クラッチF2 はリングギヤ73が逆回転しようとする
際に係合するようになっている。
【0036】上述した各変速部31,32の回転部材の
うち副変速部31のクラッチC0 の回転数を検出するC
0 センサ82と、出力軸80の回転数を検出する車速セ
ンサ83とが設けられている。
【0037】上記の自動変速機1では、通常、各クラッ
チやブレーキを図3の作動表に示すように係合・解放す
ることにより前進5段・後進1段の変速段を設定するこ
とができる。なお、図3において○印はON状態あるい
は係合状態、×印はOFF状態あるいは解放状態、◎印
はロックアップクラッチのON制御状態、●印は変速中
にデューティ制御することをそれぞれ示す。
【0038】図3の作動表に示すように、副変速部31
をオーバードライブ状態と直結状態とに切り換える制御
と第1速および第3速でエンジンブレーキを効かせる制
御とを第3ソレノイドバルブS3 で行うようになってお
り、そのために図4に示す油圧回路が設けられている。
図4はこの発明に関係する主要部分のみを示しており、
そのうちの更に特徴的な部分を模式的に示せば、図5の
とおりである。
【0039】第3ソレノイドバルブS3 は、ライン圧P
L を元圧とし、OFF状態で信号圧を出力するノーマル
オープンタイプのバルブであって、主として副変速部3
1を切換え制御するために設けられており、図4および
図5に示す構成では、これを第1速と第3速とのエンジ
ンブレーキを制御するために転用するようになってい
る。より具体的には、第3ソレノイドバルブS3 は、副
変速部31をオーバードライブ状態に設定する第5速と
後進段とでOFF制御されて信号圧(パイロット圧)を
出力することに加え、ドライブ(D)レンジの第1速な
いし第3速でOFF制御されて信号圧を出力するが、こ
のDレンジの第1速および第3速では、第3ソレノイド
バルブS3 の信号圧をB2 リリースコントロールバルブ
によっていわゆる反転制御し、これら第1速あるいは第
3速でエンジンブレーキを効かせるためのブレーキB1
,B4 への油圧の供給を遮断するようになっている。
【0040】すなわち図5において、 3-4シフトバルブ
100は、各レンジおよび変速段のそれぞれで図の下側
に記号で示すように各ポートが連通させられるスプール
バルブであり、第3ソレノイドバルブS3 はポート10
1に接続されている。このポート101は、ニュートラ
ル(N)レンジおよび第1〜3速でポート102に連通
させられ、このポート102からB2 リリースコントロ
ールバルブ130の制御ポート131に信号圧を送るよ
うになっている。またポート101は第4,5速および
Rレンジでポート103に連通させられ、ここから後述
する 4-5シフトバルブ170の制御ポート171に信号
圧を送るようになっている。すなわち 3-4シフトバルブ
100が第3ソレノイドバルブS3 の信号圧を、エンジ
ンブレーキ制御系統とオーバードライブ制御系統とに切
り換えて出力する切換弁となっている。
【0041】B2 リリースコントロールバルブ130
は、4つのランドのあるスプール132を有しており、
制御ポート131に信号圧が供給されることによりスプ
ール132が図5の左半分に示す位置に下がり、また反
対に制御ポート131から排圧されることによりスプー
ル132が図5の右半分に示す位置に押し上げられるよ
うになっている。このB2 リリースコントロールバルブ
130のポートのうちエンジンブレーキ圧出力ポート1
33を挟んでDレンジ圧入力ポート134とエンジンブ
レーキレンジ圧入力ポート135とが形成されている。
そして第3ソレノイドバルブS3 の信号圧が制御ポート
131に印加されてスプール132が図5の左半分に示
す位置にあるときに、エンジンブレーキレンジ圧入力ポ
ート135がエンジンブレーキ圧出力ポート133に連
通する。
【0042】また第3ソレノイドバルブS3 の信号圧が
制御ポート131に印加されていないことによりスプー
ル132が図5の右半分に示す位置にあるときに、Dレ
ンジ圧入力ポート134がエンジンブレーキ圧出力ポー
ト133に連通する。なお、第3ソレノイドバルブS3
はDレンジの第1速ないし第3速でOFF制御されて信
号圧を出力するので、この場合は、前記Dレンジ圧入力
ポート134が閉じられ、またDレンジであればエンジ
ンブレーキレンジ圧が発生していないから、エンジンブ
レーキ圧出力ポート133から油圧が出力されない。
【0043】上記のエンジンブレーキ圧出力ポート13
3はコーストブレーキコントロールバルブ150の入力
ポート151に接続されている。このコーストブレーキ
コントロールバルブ150は、入力された油圧を調圧し
て出力するバルブであり、2つのランドを形成したスプ
ール152と、その一端側に配置したプランジャ153
と、スプール152とプランジャ153との間に配置し
たスプリング154とを有している。そして入力ポート
151側のランドにはその両端面に開口する貫通孔が形
成され、出力圧をスプール152の端面に作用させるよ
うになっている。またプランジャ153の端部にはアキ
ュームレータ背圧コントロール圧PACCが供給され、こ
れにより調圧レベルを変えるようになっている。そして
入力ポート151に選択的に連通させられる出力ポート
155から第1速あるいは第3速でのエンジンブレーキ
用摩擦係合装置である第1ブレーキB1 もしくは第4ブ
レーキB4 に対して油圧を出力するようになっている。
【0044】すなわちDレンジ圧の発生するDレンジで
の第1速および第3速では、第3ソレノイドバルブS3
がOFF制御されて信号圧を出力していても、Dレンジ
圧がB2 リリースコントロールバルブ130で遮断され
るから、第1ブレーキB1 あるいは第4ブレーキB4 に
油圧が送られず、これらが解放状態となるので、エジン
ブレーキは効かない。すなわち第3ソレノイドバルブS
3 の信号圧がいわゆる反転制御される。
【0045】これに対して第1速でエンジンブレーキを
効かせるLレンジでは、第3ソレノイドバルブS3 がO
N制御されて信号圧を出力しないから、B2 リリースコ
ントロールバルブ130のスプール132は図5の右半
分に示す位置に押し上げられ、その結果、Dレンジ圧入
力ポート134と出力ポート133とが連通してDレン
ジ圧が第4ブレーキB4 に送られ、これが係合する。な
お、Dレンジ圧は全ての前進レンジで発生する。また第
3速でエンジンブレーキを効かせる“3”レンジあるい
は“2”レンジにおいても、第3ソレノイドバルブS3
がON制御されるから、上述したLレンジでの第1速の
場合と同様に、コーストブレーキコントロールバルブ1
50を介して第1ブレーキB1 に油圧が送られてこれが
係合し、エンジンブレーキを効かせることができる。
【0046】またDレンジにおいて第3ソレイドバルブ
S3 がOFFフェイルした場合には、B2 リリースコン
トロールバルブ130のDレンジ圧入力ポート134が
閉じられるからエンジンブレーキが効くことはなく、し
たがって変速ショックを防止することができる。
【0047】さらにB2 リリースコントロールバルブ1
30のスプール132が図5の右半分に示す位置に固定
されてしまういわゆるバルブスティックが生じた場合、
エンジンブレーキ圧入力ポート135と出力ポート13
3とが常時連通するので、エンジンブレーキレンジであ
る“3”レンジあるいは“2”レンジにおいて出力ポー
ト133から油圧を出力でき、第3速において第1ブレ
ーキB1 を係合させてエンジンブレーキを効かせること
ができる。
【0048】なお、エンジンブレーキ圧入力ポート13
5に連通する油路にオリフィス136を設けてあるの
は、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉を避
けるためであり、第1ブレーキB1 を第3速で係合させ
る場合、第2ブレーキB2 の係合を先行させるべくオリ
フィス136により油圧の供給速度を遅くする。
【0049】つぎに図4に示す油圧回路について更に具
体的に説明する。なお、作図の都合上、図4を複数の部
分に分割して示す図6ないし図8を参照して以下に説明
する。
【0050】先ず、B2 リリースコントロールバルブ1
30について更に説明すると、図6にはB2 リリースコ
ントロールバルブ130を図5とは上下を反転して記載
してあり、前述した各ポートの接続状態に加え、B2 ポ
ート137には第2ブレーキB2 が接続されており、こ
のB2 ポート137に選択的に連通されるポート138
にはチェックボール付きオリフィス139を介して油路
140が接続されている。また第2ブレーキB2 はオリ
フィス141を介してこの油路140に連通されてい
る。したがってB2 ポート137をポート138に連通
させることにより、第2ブレーキB2 はオリフィス14
1のみならずチェックボール付きオリフィス139をも
介して油路140に連通されるので、その排圧速度が増
大させられる。このようにB2 リリースコントロールバ
ルブ130は、その制御ポート131に第3ソレノイド
バルブS3 の信号圧を供給し、あるいは排圧することに
より、第2ブレーキB2 からの排圧速度すなわち第2ブ
レーキB2 の解放速度を緩急に切り換えるように構成さ
れている。
【0051】他方、エンジンブレーキレンジ圧入力ポー
ト135に接続された油路142は、前述したオリフィ
ス(ダブルオリィス)136を有するとともに、排圧方
向で開くチェックボール付きオリフィス143がダブル
オリフィス136に対して並列に設けられている。そし
てこの油路142が後述する 1-2シフトバルブに接続さ
れている。
【0052】つぎに 3-4シフトバルブ100について説
明すると、前述したポート101,102,103の連
通状態を切り換えるスプール104は6つのランドを有
しており、中間部分に形成されたブレーキポート105
には第1ブレーキB1 が接続されている。またこのブレ
ーキポート105に隣接する入力ポート106は、後述
する 2-3シフトバルブを介してコーストブレーキコント
ロールバルブ150に連通されている。そして前述した
ポート103は油路107を介して 4-5シフトバルブ1
70の制御ポート171に連通されている。
【0053】またこの 3-4シフトバルブ100は、第2
ソレノイドバルブS2 が出力する信号圧と、後述するD
レンジ圧とによって動作するよう構成されている。すな
わちスプリング室に開口するホールドポート108にD
レンジ圧が供給され、このホールドポート108とはス
プール104を挟んで反対側の制御ポート109に第2
ソレノイドバルブS2 が接続されている。なお、この第
2ソレノイドバルブS2 は、ライン圧PL を元圧とし、
OFF状態で信号圧を出力し、かつON状態で信号圧の
出力を遮断するノーマルクローズタイプのソレノイドバ
ルブである。
【0054】一方、 4-5シフトバルブ170は、前記副
変速部31をオーバードライブ状態(高速段)あるいは
直結状態(低速段)に制御するためのバルブであって、
5つのランドを有するスプール176によってポートの
連通状態を切り換えるよう構成されている。これらのポ
ートのうちライン圧油路PL を接続してある入力ポート
172に対して選択的に連通されるブレーキポート17
3に、副変速部31におけるブレーキB0 が接続されて
いる。また入力ポート172に対し前記ブレーキポート
173とは反対側に位置する出力ポート174は、油路
175を介してC0 エキゾーストバルブ190に接続さ
れている。
【0055】したがって油路107を介して第3ソレノ
イドバルブS3 の信号圧が制御ポート171に加えられ
ると、スプール176が図6の右半分に示す位置に押し
下げられ、その結果、入力ポート172がブレーキポー
ト173に連通してブレーキB0 に油圧が供給される。
これとは反対に制御ポート171から排圧されると、ス
プール176は図6の左半分に示す位置に押し上げら
れ、その結果、入力ポート172が出力ポート174に
連通され、C0 エキゾーストバルブ190に油圧が送ら
れ、クラッチC0 が係合する。なお、図6において符号
210はソレノイドリレーバルブを示し、ロックアップ
用リニアソレノイドバルブSLUからの信号圧の給排を制
御し、また第3ブレーキB3 への油圧の給排を制御する
ように構成されている。なお、その他の油路の接続状態
は図に示すとおりである。
【0056】図7において、コーストブレーキコントロ
ールバルブ150の入力ポート151には、前述したB
2 リリースコントロールバルブ130のポート133に
接続させた油路156が接続されており、また出力ポー
ト155には調圧したブレーキ圧を第1ブレーキB1 あ
るいは第4ブレーキB4 に対して出力するための油路1
57が接続されている。また、これらの油路156,1
57はチェックボール付きオリフィス158を介して相
互に接続されており、第1ブレーキB1 あるいは第4ブ
レーキB4 から排圧するときは、このチェックボール付
きオリフィス158が開くようになっている。
【0057】ブレーキ圧の供給先を第1ブレーキB1 あ
るいは第4ブレーキB4 に切り換える制御および 3-4シ
フトバルブ100のホールドポート108へのDレンジ
圧の供給の制御は、 2-3シフトバルブ230によって行
われる。 2-3シフトバルブ230は、7つのランドを有
するスプール231によってポートの連通状態の切り換
えを行うバルブであって、スプール231の一端側にス
プリング232が設けられるとともに、この端部に開口
するホールドポート233には、Lレンジ圧が供給され
るようになっている。
【0058】ブレーキ圧を供給する前記油路157が、
中間部のポート234に連通されており、このポート2
34に対し図7での上側の出力ポート235が前述した
3-4シフトバルブ100の入力ポート106に接続され
ている。またポート234に対して図7での下側に位置
する第2の出力ポート236は、油路237を介して1-
2シフトバルブ250に接続されている。さらにホール
ドポート233とはスプール231を挟んで反対側に位
置する制御ポート239には、第1ソレノイドバルブS
1 が接続されている。
【0059】この第1ソレノイドバルブS1 は、OFF
状態でドレインポートを閉じ、ON状態でドレインポー
トを開くノーマルオープンタイプのソレノイドバルブで
あって、ストレーナ320およびオリフィス321を介
して供給されるDレンジ圧をOFF状態で制御ポート2
39に印加し、ON状態で排圧するようになっている。
したがってLレンジ圧がホールドポート233に作用し
ていない状態では、この 2-3シフトバルブ230は、第
1ソレノイドバルブS1 によって制御される。そしてこ
の 2-3シフトバルブ230は、第1速、第2速、Nレン
ジおよびRレンジでスプール231が図7の左半分に示
す位置に押し上げられ、また第3速ないし第5速でスプ
ール231が図7の右半分に示す位置に押し下げられる
よう構成されている。
【0060】したがって第1速でエンジンブレーキを効
かせる場合には、ポート234が第2の出力ポート23
6に連通させられて、ここからブレーキ圧を出力し、ま
た第3速でエンジンブレーキを効かせる場合にはポート
234が出力ポート235に連通させられてここからブ
レーキ圧を 3-4シフトバルブ100を介して第1ブレー
キB1 に供給するように構成されている。なお、第2ブ
レーキB2 はポート238に接続されている。
【0061】さらに 2-3シフトバルブ230は、Dレン
ジ圧の供給されるDレンジ圧入力ポート301を備えて
おり、ここに油路302が接続されている。またこのポ
ート301を挟んで図の上下両側に第1Dレンジ圧出力
ポート303と第2Dレンジ圧出力ポート304とが形
成されている。そしてDレンジ圧入力ポート301は、
第3速ないし第5速で図7の上側の第1Dレンジ圧出力
ポート303に連通し、それ以外の変速段およびNレン
ジならびにRレンジで図7の下側の第2Dレンジ圧出力
ポート304に連通するようになっている。またこの第
2Dレンジ圧出力ポート304が油路305を介して前
記 3-4シフトバルブ100のホールドポート108に接
続されている。このDレンジ圧は後述するようにDレン
ジを含む前進レンジで油路302に発生する油圧であ
り、したがって第1速および第2速のときに 3-4シフト
バルブ100のホールドポート108にDレンジ圧が 2
-3シフトバルブ230を介して供給される。
【0062】第1速でエンジンブレーキを効かせる際に
係合させられる第4ブレーキB4 は、シャトルバルブ2
40を介して 1-2シフトバルブ250に接続されてい
る。この 1-2シフトバルブ250は4つのランドを有す
るスプール251によってポートの連通状態を切り換え
るバルブであって、前記 2-3シフトバルブ230の第2
出力ポート236が入力ポート252に接続されてお
り、この入力ポート252とドレインポート253とに
選択的に連通される出力ポート254にシャトルバルブ
240が接続されている。なお、この出力ポート254
からシャトルバルブ240に至る油路の途中にオリフィ
ス241が介装されている。
【0063】またエンジンブレーキレンジ圧を前記B2
リリースコントロールバルブ130に供給する油路14
2が他の出力ポート255に接続されており、この出力
ポート255に選択的に連通されるエンジンブレーキポ
ート256には、“3”レンジ圧を供給する油路257
と“2”レンジ圧を供給する油路258とが接続されて
いる。さらにスプール251をその軸線方向に押圧する
スプリングを配置してある箇所に開口したホールドポー
ト259が形成されており、このホールドポート259
が前記 2-3シフトバルブ230の第1Dレンジ圧出力ポ
ート303に接続されている。またこのホールドポート
259と反対側の制御ポートには第2ソレノイドバルブ
S2 が接続されている。
【0064】したがってこの 1-2シフトバルブ250の
スプール251は第1速、NレンジおよびRレンジにお
いて図7の右半分に示す位置に押し下げられる。この状
態では、入力ポート252が出力ポート254に連通す
る。また第2速ないし第5速ではスプール251が図7
の左半分に示す位置に押し上げられ、その結果、エンジ
ンブレーキポート256が他の出力ポート255に連通
する。なお、他の油路の接続状態は図7に示すとおりで
ある。
【0065】さらにマニュアルバルブ260について説
明すると、このマニュアルバルブ260は、手動操作さ
れてパーキング(P)レンジ、Rレンジ、Nレンジ、D
レンジ、“3”レンジ、“2”レンジおよびLレンジの
7ポジションを設定することのできるバルブであり、ラ
イン圧油路PL が接続された入力ポート265をPレン
ジ以外の各レンジに対応させて設けたポートに連通させ
るようになっている。すなわちNレンジを設定した場合
には、図7に示すように入力ポート265に対して他の
ポートが遮断される。またDレンジを設定した場合に
は、Dレンジ圧をDポート261から出力し、また
“3”レンジを設定した場合には、Dポート261およ
び“3”ポート262とから油圧を出力し、この“3”
ポートから出力される油圧がいわゆる“3”レンジ圧で
ある。また“2”レンジを設定した場合に、Dポート2
61および“3”ポート262ならびに“2”ポート2
63とから油圧を出力するようになっている。この
“2”ポート263から出力される油圧が“2”レンジ
圧である。
【0066】なお、Dポート261は第1クラッチC1
に連通され、“3”ポート262には、前述した油路2
57が接続され、また“2”ポート263には、前記油
路258が接続されている。そしてLレンジに設定した
場合には、Dポート261、“3”ポート262、
“2”ポート263およびLポート264から油圧を出
力し、このLポート264から出力した油圧が前記 2-3
シフトバルブ230のホールドポート233に供給され
る。
【0067】そしてRレンジに設定した場合には、入力
ポート265がRポート267に連通し、ここからRレ
ンジ圧が出力される。このRポート267には、特には
図示しないが、リバースコントロールバルブを介してシ
ャトルバルブ240および第4ブレーキB4 と、図示し
ない他のシャトルバルブおよび第2クラッチC2 とが接
続されている。したがってマニュアルバルブ260によ
ってRレンジを設定すれば、電気的な制御を行うことな
く、これら第2クラッチC2 と第4ブレーキB4 とが係
合して主変速部32が後進状態になる。なお、Pレンジ
を設定した場合には、入力ポート265が閉じられる。
【0068】また図7で符号270はB3 コントロール
バルブであって、ソレノイドリレーバルブ210を介し
て供給されるリニアソレノイドバルブSLUの信号圧を制
御ポート271に供給することにより調圧レベルを変
え、第2速を設定する際に係合させる第3ブレーキB3
への供給油圧を制御するように構成されている。このB
3 コントロールバルブ270の構成は従来から知られて
いるので、図7に主な油路の接続状態を示してその説明
を省略する。
【0069】なお、前記C0 エキゾーストバルブ190
は副変速部31のクラッチC0 を制御するためのバルブ
であって、図8に示すように、Dレンジの第2速では第
1制御ポート191に油圧が供給されることにより、第
1速ないし第4速およびNレンジでライン圧PL が供給
される第1入力ポート192を閉じるようになってい
る。またこの時、“2”レンジ圧が入力される第2入力
ポート193が出力ポート194に連通されるようにな
っている。したがってDレンジの第2速では、油圧を出
力しないためにクラッチC0 が解放され、また“2”レ
ンジおよびLレンジでは、第2入力ポート193に
“2”レンジ圧が供給されるので、クラッチC0 が係合
してエンジンブレーキが効くようになっている。さらに
第2制御ポート195には、リニアソレノイドバルブS
LUの信号圧が供給されるようになっている。
【0070】なお、図8において符号280はリニアソ
レノイドバルブSLTによって制御されるリレーバルブで
あり、また符号290はアキュームレータを示す。さら
に符号295は、アキュームレータ背圧PACC を調圧す
るためのアキュームレータコントロールバルブを示す。
【0071】さらにここで、各レンジを選択するための
シフト装置について説明する。この実施例においては、
各レンジ位置を図9に示すように配列したシフトパター
ンのシフト装置が採用されている。その配列を簡単に説
明すると、パーキング(P)レンジ位置に続けてリバー
ス(R)レンジ位置が配置され、これらの配列方向に対
して斜め方向の位置にRレンジに続けてニュートラル
(N)レンジ位置が設けられている。ドライブ(D)レ
ンジ位置は、このNレンジに対して、前記Pレンジ位置
とRレンジ位置との配列方向と平行に配置され、さらに
4速レンジ位置が、これらの配列方向に対して直行する
方向に屈曲した位置に配置されている。さらに3速レン
ジ位置が、4速レンジ位置に対して、前記NレンジとD
レンジとの配列方向と平行な方向に配置され、2速レン
ジ位置は、前記Rレンジ位置に対するNレンジ位置と同
様な関係となる位置に設けられ、そしてロー(L)レン
ジ位置は、Dレンジ位置に対する4速レンジ位置と同様
な関係となる位置に設けられている。
【0072】これらの走行レンジのうち、Dレンジで
は、図4に示す前進5段を達成することができ、これに
対して4速レンジでは、オーバードライブ段である第5
速のない前進4段を達成することができ、さらに3速レ
ンジでは第3速までの変速段、2速レンジでは第2速ま
での変速段をそれぞれ達成することができ、そしてLレ
ンジでは第1速のみを達成することができる。
【0073】上記の各レンジ位置を検出し、またフェイ
ルを判断するために、2つのスイッチ群が設けられてい
る。その詳細は特開平5−306764号公報に記載さ
れているとおりであり、これを簡単に説明すると、Pレ
ンジ位置とRレンジ位置、あるいはNレンジ位置とDレ
ンジ位置との配列方向と平行に6つのスイッチが配列さ
れている。これらの配列方向は具体的には車両の前後方
向であり、Pレンジ位置に対応する位置を最先端位置と
して車両の後方側に、Rレンジ位置、Nレンジ位置、D
レンジ位置、“3”レンジ位置、“2”レンジ位置にそ
れぞれ対応するように6つのスイッチが配列されてい
る。これに対して他のスイッチ群として3つのスイッチ
が設けられている。具体的には、Pレンジ位置と4速レ
ンジ位置とLレンジ位置とにスイッチが設けられてい
る。
【0074】これらのスイッチは前記自動変速機用電子
制御装置10に接続され、6つのスイッチからなる第1
のスイッチ群からの出力信号と、3つのスイッチからな
る第2のスイッチ群からの出力信号との論理和によっ
て、選択されているレンジ位置(シフトポジション)を
判定し、またフェイルを判定するようになっている。
【0075】なお、レンジの判定は、他の方法によって
行うこともでき、例えば各レンジ位置を直線的に配列し
てある周知のシフト装置においては、Dレンジ位置以外
の各レンジ位置にスイッチを設けておき、これらのレン
ジはそれぞれに対応したスイッチからの信号によって判
定し、Dレンジについては、いずれのスイッチからも信
号が出力されないことにより判定することとしてもよ
い。このような構成であれば、電気的なフェイルによっ
ていずれのスイッチからも電子制御装置10に信号が入
力されない場合には、Dレンジが設定されるので、走行
を確保し、またフェイルセーフを確立できる。
【0076】上記の制御装置によれば、後進段を設定す
るためのシフトソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の通
電パターンとDレンジの第1速を設定するためのシフト
ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の通電パターンとが
同一である。先ずDレンジの第1速について説明する
と、マニュアルバルブ260でDレンジを設定すること
により、Dレンジ圧が発生する。図3の作動表から知ら
れるように、第1クラッチC1 は前進レンジで常に係合
するようになっており、具体的にはDレンジ圧が第1ク
ラッチC1 に送られる。この状態で第1ソレノイドバル
ブS1 がON制御されて信号圧を出力せず、これに対し
て第2および第3のソレノイドバルブS2,S3 がOF
F制御されてそれぞれ信号圧を出力する。
【0077】したがって 2-3シフトバルブ230の制御
ポート239に信号圧が印加されないので、そのスプー
ル231が図7の左半分に示す位置に押し上げられる。
すなわちDレンジ圧入力ポート301が第2Dレンジ圧
出力ポート304に連通し、油路302から供給された
Dレンジ圧がこれらのポート301,304ならびに油
路305を介して 3-4シフトバルブ100のホールドポ
ート108に供給される。
【0078】Dレンジの第1速では、この 3-4シフトバ
ルブ100の制御ポート109に第2ソレノイドバルブ
S2 の信号圧が入力されているが、そのスプール104
に作用する軸線方向力は、第2ソレノイドバルブS2 の
信号圧によるよりも、Dレンジ圧とスプリング力とによ
る力の方が大きいので、スプール104が図6の左半分
に示す位置に押し上げられる。その結果、第3ソレノイ
ドバルブS3 の信号圧が供給されているポート101が
ポート102に連通されてこの信号圧がB2 リリースコ
ントロールバルブ130のホールドポート131に供給
される。これに対して 4-5シフトバルブ170の制御ポ
ート171に連通されているポート103がドレインに
連通され、したがって 4-5シフトバルブ170の制御ポ
ート171から排圧される。
【0079】そのため 4-5シフトバルブ170のスプー
ル176が図6の左半分に示す位置に押し上げられ、ブ
レーキポート173がドレインに連通されて、ここに連
通されているブレーキB0 が解放される。これに対して
入力ポート172が出力ポート174に連通するから、
ライン圧PL がここからC0 エキゾーストバルブ190
およびリレーバルブ280を介してクラッチC0 に供給
され、このクラッチC0 が係合する。すなわち副変速部
31が低速段(直結状態)になる。なお、第2クラッチ
C2 はブレーキレンジ圧を元圧とするから解放状態とな
る。また主変速部32におけるブレーキB1 〜B4 は解
放状態となる。
【0080】これらのブレーキのうち第1速でエンジン
ブレーキ状態を設定するための第4ブレーキB4 につい
て説明すると、Dレンジの第1速では第3ソレノイドバ
ルブS3 がOFF制御されてその信号圧が 3-4シフトバ
ルブ100を介してB2 リリースコントロールバルブ1
30の制御ポート131に入力される。その結果、B2
リリースコントロールバルブ130のスプール132が
図4あるいは図6の右半分に示す位置に押し上げられて
Dレンジ圧の供給されるポート134を遮断する。その
ためにDレンジ圧はコーストブレーキコントロールバル
ブ150に送られないので、第4ブレーキB4 は解放さ
れたままとなり、エンジンブレーキが効くことはない。
したがってDレンジの第1速を設定するにあたって、第
3ソレノイドバルブS3 がたとえOFFフェイルしたと
しても、第4ブレーキB4 が係合することはないので、
第1速からの変速あるいは第1速への変速の際に変速シ
ョックが悪化するなどの不都合は生じない。
【0081】なお、第1速でエンジンブレーキを効かせ
る必要のあるLレンジにおいては、第3ソレノイドバル
ブS3 がON制御されて信号圧を出力しないから、B2
リリースコントロールバルブ130の制御ポート131
から排圧される。その結果、スプール132が図4ある
いは図6の左半分に示す位置に押し下げられるので、D
レンジ圧がポート134およびポート133を介してコ
ーストブレーキコントロールバルブ150に出力され、
ここから 2-3シフトバルブ230および 1-2シフトバル
ブ250ならびにシャトルバルブ240を介して第4ブ
レーキB4 に油圧が供給される。すなわち第4ブレーキ
B4 が係合してエンジンブレーキを効かせることができ
る。なお、その場合、オリフィス241によって油圧の
供給速度が抑制される。
【0082】また一方、Dレンジの第3速を設定する際
にも第3ソレノイドバルブS3 がOFF制御されるか
ら、第1速の場合と同様に、B2 リリースコントロール
バルブ130のポート134が閉じられてDレンジ圧は
カットされる。したがって第1ブレーキB1 に油圧が供
給されず、これが解放されたままとなるので、エンジン
ブレーキが効くことはない。
【0083】これに対して第3速でエンジンブレーキを
効かせる“3”レンジおよび“2”レンジでは、第3ソ
レノイドバルブS3 がON制御されるから、B2 リリー
スコントロールバルブ130の制御ポート131から排
圧され、その結果、Dレンジ圧がポート134およびポ
ート133を介してコーストブレーキコントロールバル
ブ150に供給され、ここで調圧されたエンジンブレー
キ圧が 2-3シフトバルブ230および 3-4シフトバルブ
100を介して第1ブレーキB1 に供給され、これが係
合することによりエンジンブレーキを効かせることがで
きる。
【0084】この“3”レンジあるいは“2”レンジの
第3速において、第3ソレノイドバルブS3 がOFFフ
ェイルした場合、B2 リリースコントロールバルブ13
0の制御ポート131に油圧が供給されるために、Dレ
ンジ圧の入力されているDレンジ圧入力ポート134が
閉じられる替わりに、エンジンブレーキレンジ圧の供給
されているエンジンブレーキレンジ圧入力ポート135
が出力ポート133に連通するので、ここからエンジン
ブレーキレンジ圧がコーストブレーキコントロールバル
ブ150に供給される。その結果、ここで調圧されたエ
ンジンブレーキ圧が第1ブレーキB1 に供給されてこれ
が係合するので、たとえ第3ソレノイドバルブS3 がO
FFフェイルしてもエンジンブレーキを効かせることが
できる。
【0085】なお、B2 リリースコントロールバルブ1
30のエンジンブレーキレンジ圧入力ポート135にエ
ンジンブレーキレンジ圧を供給する場合、ダブルオリフ
ィス136を介して供給することになるので、第1ブレ
ーキB1 の油圧の立ち上がりを緩和することができ、そ
の結果、第1ブレーキB1 と第2ブレーキB2 との干渉
を避けることができる。
【0086】上述した制御装置によれば、後進段とDレ
ンジの第1速とをソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の
通電状態を同一にして設定することができる。したがっ
て後進走行しているにも拘らず、電気的なフェイルによ
ってDレンジが判断された場合、低車速であれば後進段
と同一の通電状態になるため、後進走行を継続すること
ができる。
【0087】ところでDレンジでの走行中にNレンジに
マニュアルシフトして惰性で走行する場合があり、その
ためNレンジでは、図3に示してあるように、シフトソ
レノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の通電パターンを、車
速やスロットル開度などの走行状態および変速マップに
基づいて決まる変速段を設定するパターンとする。した
がって通常時は、Nレンジで停車していれば、シフトソ
レノイドバルブS1 ,S2 ,S3 は、第1速を設定する
ようにON/OFF制御される。しかしながら、スノー
モードスイッチがON操作されてスノーモードが選択さ
れている場合には、発進用の変速段が通常の第1速より
高速側の第3速となる。すなわち図10は、Dレンジの
通常の変速パターンとDレンジのスノーモードので変速
パターン示しており、図10の(A)に示す通常の変速
パターンでは、車速Vとスロットル開度θとをパラメー
タとして第1速ないし第5速の変速段領域が設定されて
いるが、図10の(B)に示すスノーモードパターンで
は第3速を最低速段として第3速から第5速までの変速
段領域が設定されている。したがってスノーモードを選
択して停車状態から発進するべくNレンジからDレンジ
にマニュアルシフトすると、発進用変速段として第3速
を設定するソレノイドバルブの通電パターンとなる。そ
してその場合、入力クラッチである第1クラッチC1 を
係合させることになり、またオーバードライブとエンジ
ンブレーキとの制御に兼用される第3ソレノイドバルブ
S3 の信号圧の切り換えを行う必要があるので、これら
の制御を伴うスノーモードでのNレンジからDレンジへ
のマニュアルシフトの制御を以下のようにして実行す
る。
【0088】図11はその制御ルーチンの一例を示すフ
ローチャートであって、入力信号の処理(ステップ1)
を行った後に、スノーモードスイッチがONか否かを判
断する(ステップ2)。ここで否定判断された場合に
は、シフトソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の通電パ
ターンとして図3に示すパターンを設定する(ステップ
3)。
【0089】これに対してステップ2で肯定判断されれ
ば、ステップ4に進んでスノーモード用通電パターンを
設定する。このスノーモード用通電パターンは、Dレン
ジで第3速ないし第5速を設定する通電パターンとして
図3に示す通電パターンを有しており、かつNレンジの
通電パターンとして、第3速と同じ通電パターンを採用
したものである。これを図12に示してある。
【0090】ここでNレンジでは、第3ソレノイドバル
ブS3 をOFF制御して信号圧を出力させるが、Dレン
ジ圧の生じていない状態で第2ソレノイドバルブS2 を
ON制御するから、切換弁である 3-4シフトバルブ10
0によって第3ソレノイドバルブS3 の信号圧がB2 リ
リースコントロールバルブ130に送られ、したがって
副変速部31が高速段になることはない。そしてNレン
ジからDレンジにマニュアルシフトすると、シフトソレ
ノイドバルブS1 ,S2 ,S3 のON/OFF状態は変
化せず、Dレンジ圧が生じることにより、入力クラッチ
である第1クラッチC1 に油圧が供給されてこれが係合
し、また 2-3シフトバルブ230から第2ブレーキB2
に油圧が供給されてこれが係合する。その場合、 3-4シ
フトバルブ100のスプリング室にDレンジ圧が供給さ
れるので、 3-4シフトバルブ100は切り換え動作しな
い。
【0091】換言すれば、この発明の制御弁に相当する
第3ソレノイドバルブS3 がエンジンブレーキ状態を制
御するための信号圧を出力するように制御し、かつ切換
弁に相当する 3-4シフトバルブ100を、制御弁に相当
する第3ソレノイドバルブS3 をエンジンブレーキ制御
系統に連通させ、かつその第3ソレノイドバルブS3を
エンジンブレーキを効かせない動作状態すなわち信号圧
を出力する状態に制御する。すなわち第3ソレノイドバ
ルブS3 の信号圧は、B2 リリースコントロールバルブ
230に供給されてエンジンブレーキの効かない状態を
維持する。そのために一時的であってもエンジンブレー
キ用の摩擦係合装置である第1ブレーキB1 に油圧が供
給されることがなく、第1クラッチC1 の係合圧の一時
的な低下や変動に起因するショックを防止することがで
きる。またシフトソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 の
通電パターンを変更する必要がないので、制御は容易で
ある。
【0092】上述した図2および図4ないし図8に示す
ように第1速ないし第3速の変速段は、第1および第2
のソレノイドバルブS1 ,S2 を制御することによって
設定され、第3ソレノイドバルブS3 はオーバードライ
ブ状態とエンジンブレーキとを制御する。したがって第
3速を設定する場合にこれらのソレノイドバルブを時間
的にずらして制御することにより、スムースな変速を行
うことができる。その例を以下に説明する。
【0093】前述したようにスノーモードを選択した場
合には、第3速が発進用変速段として採用されるが、N
レンジでほぼ停止状態にある場合には、ソレノイドバル
ブの通電パターンは、車速に基づいて判断されている第
1速を設定するパターンになっている。その場合、Nレ
ンジでは前述したDレンジ圧が出力されていないため
に、また第2ソレノイドバルブS2 が信号圧を出力して
いるために、 3-4シフトバルブ100は第3ソレノイド
バルブS3 を 4-5シフトバルブ170に連通させてしま
う。そこでNレンジが設定されかつ車速が零もしくは第
1速程度の低車速の場合には、副変速部31が高速段に
なることを防止するために、Nレンジで第3ソレノイド
バルブS3 をON制御して信号圧を出力しないように制
御する。このようなスノーモードでのNレンジおよび発
進時の制御を行うためのソレノイドバルブの通電パター
ンを図13に示してある。
【0094】この通電パターンを使用する制御は図14
のとおりであり、入力信号の処理(ステップ10)を行
った後にスノーモードスイッチがONか否かを判断する
(ステップ11)。ここで否定判断されれば、特に制御
を行うことなくこのルーチンを抜け、また肯定判断され
た場合には、NレンジからDレンジにマニュアルシフト
されたか否かを判断する(ステップ12)。
【0095】この判断は、シフト装置に設けられている
スイッチもしくはスイッチ群からの出力信号に基づいて
判断することができる。具体的には、図9に示すシフト
装置であれば、スイッチ群の出力信号の論理和に基づい
て判断でき、また各レンジ位置を直線的に配列したシフ
ト装置であれば、例えばニュートラルスタートスイッチ
がOFFになるとともにいずれのシフトポジションスイ
ッチも信号を出力していないことによりDレンジにシフ
トされたことを判断することができる。なお、スノーモ
ードが選択されていることによりDレンジにシフトすれ
ば、第3速が発進用変速段として採用される。
【0096】ステップ12で否定判断された場合には、
特に制御を行うことなくこのルーチンを抜け、また肯定
判断された場合には、NレンジからDレンジにシフトし
た時点からの経過時間T1 が予め定めた時間α以上にな
ったか否かを判断する(ステップ13)。この時間α
は、Dレンジにマニュアルシフトすることに伴って前述
したマニュアルバルブ260から 3-4シフトバルブ10
0のホールドポート108にDレンジ圧が作用するに充
分な時間である。したがってこの時間αは、油温に応じ
て異なる値とすることができる。
【0097】NレンジからDレンジへのマニュアルシフ
トから所定時間αが経過すると、第3ソレノイドバルブ
S3 がONからOFFに切り換えられる(ステップ1
4)。すなわち切換弁である 3-4シフトバルブ100が
第3ソレノイドバルブS3 をエンジンブレーキ制御系統
であるB2 リリースコントロールバルブ130に連通さ
せた状態を確認した後に、第3ソレノイドバルブS3 を
OFF制御してその信号圧を出力させるので、副変速部
31が高速段になることはない。
【0098】またその場合、第3ソレノイドバルブS3
がOFF状態である間は、B2 リリースコントロールバ
ルブ130は、Dレンジ圧を第1速でのエンジンブレー
キ用の摩擦係合装置である第4ブレーキB4 に向けて出
力することになるが、前述したように第4ブレーキB4
を制御するシャトルバルブ240に至る油路にオリフィ
ス241を設けてあるから、直ちに第4ブレーキB4 が
係合してエンジンブレーキ状態となることはない。
【0099】ついで第3ソレノイドバルブS3 をOFF
制御してからの時間T2 が予め定めた時間β以上になっ
たか否かを判断する(ステップ15)。この時間βは、
第3ソレノイドバルブS3 のOFF状態への切り換えに
充分な時間であり、この時間βが経過した後に、第3速
を設定するための通電パターンとする(ステップ1
6)。すなわち第3速パターンを出力する。具体的に
は、第1ソレノイドバルブS1 をONからOFFに切り
換え、また第2ソレノイドバルブS2 をOFFからON
に切り換える。したがって第1ソレノイドバルブS1 が
信号圧を出力することにより、 2-3シフトバルブ230
が切り替わって第2ブレーキB2 に油圧が供給され、こ
れが係合する。これに対して第2ソレノイドバルブS2
がONに切り替わっても 3-4シフトバルブ100は特に
動作せず、第3ソレノイドバルブS3 の信号圧をB2 リ
リースコントロールバルブ130に出力し続ける。
【0100】したがってこの場合の油圧の供給状態は、
通常の発進時の制御と同様に、第1クラッチC1 と発進
用の変速段を設定するための摩擦係合装置との2つにな
る。そのため上述のようにオーバードライブ状態とエン
ジンブレーキ状態とを制御する第3ソレノイドバルブS
3 を先に切り換え制御し、ついで発進用の変速段を設定
するためのソレノイドバルブS1 ,S2 の切り換え制御
を行うことにより、スノーモードの状態でのNレンジか
らDレンジへのシフトに伴って第1クラッチC1 の油圧
が一時的に低下もしくは変動したり、それに伴ってショ
ックが生じたりすることが防止される。
【0101】なお、この発明は上述した各実施例に限定
されないのであって、図2に示すギヤトレイン以外のギ
ヤトレインを備えた自動変速機や図4に示す油圧回路以
外の油圧回路を備えた自動変速機を対象とした制御装置
に適用することができる。また上記の実施例では、発進
時の変速段を通常の発進時に採用される変速段より高速
側の変速段を採用するモードとしてスノーモードの例を
挙げたが、この発明はスノーモード以外にも適用できる
のであり、例えば車輪の回転状態から路面の摩擦係数を
推定し、摩擦係数が低い場合に通常の発進用変速段より
高速側の変速段を発進用の変速段とする制御の場合にも
適用できる。その場合には、当然、スノーモードスイッ
チの信号の替わりに、路面摩擦係数の推定結果に基づい
て変速パターンや通電パターンの切り換えや設定が行わ
れる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明の制御装置によれば、後進段で副変速部を高速段に
設定し、かつ通常の発進用変速段では副変速部を制御す
る制御弁をエンジンブレーキを制御する制御弁とする自
動変速機において、発進用変速段として通常の発進時の
変速段より高速側の変速段を設定するモードが選択され
ている場合には、非駆動レンジでの電磁弁のオン・オフ
パターンが前記高速段を設定するパターンと同一である
から、発進時には信号圧が切り替わることがなく、その
ために前記所定の信号圧による制御の遅れなどに起因す
るショックを未然に防止することができる。
【0103】また請求項2に記載した発明の制御装置に
よれば、後進段で副変速部を高速段に設定し、かつ通常
の発進用変速段では副変速部を制御する制御弁をエンジ
ンブレーキを制御する制御弁とする自動変速機におい
て、発進用変速段として通常の発進時の変速段より高速
側の変速段を設定するモードが選択されている場合に
は、非駆動レンジから駆動レンジにシフトした場合にエ
ンジンブレーキ用の摩擦係合装置にたとえ一時的であっ
ても油圧が供給されることはないから、発進のために係
合する摩擦係合装置の油圧の低下や変動あるいはこれら
に起因するショックを未然に防止することができる。ま
た非駆動レンジと前記高速側の発進用の変速段とにおけ
る制御弁や切換弁の動作状態を同一にすることができる
ので、変速制御が容易になる。
【0104】さらに請求項3あるいは4に記載した発明
による制御装置では、所定の信号圧の切り換えやそれに
よるエンジンブレーキを制御するための制御を変速段を
設定する制御に先行させて行うので、発進のための摩擦
係合装置の油圧の低下や変動あるいはこれらに起因する
ショックを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を模式的に示すブロック図
である。
【図2】この発明で対象とする自動変速機の歯車変速機
構を主として示すスケルトン図である。
【図3】各走行レンジおよび変速段でのソレノイドバル
ブのON・OFF状態および各摩擦係合装置の係合・解
放状態を示す図表である。
【図4】この発明の一実施例の主要な油圧回路部分を示
す図である。
【図5】この発明にかかる主要油圧回路部分を取り出し
て概略的に示す部分油圧回路図である。
【図6】図4に示す油圧回路の一部を示す図である。
【図7】図4に示す油圧回路の他の部分を示す図であ
る。
【図8】図4に示す油圧回路の更に他の部分を示す図で
ある。
【図9】シフト装置における各レンジ位置の配列を示す
図である。
【図10】Dレンジの通常の変速パターンとDレンジの
スノーモードでの変速パターンとを示す線図である。
【図11】スノーモードが選択されている状態でのNレ
ンジからDレンジへのシフトの際のソレノイドバルブ通
電パターンの選択制御ルーチンの一例を示すフローチャ
ートである。
【図12】スノーモードでのNレンジの通電パターンお
よびDレンジ第3速の通電パターンを示すための部分的
な係合作動表を示す図表である。
【図13】スノーモードでのNレンジの他の通電パター
ンおよびDレンジ第3速の通電パターンを示すための部
分的な係合作動表を示す図表である。
【図14】スノーモードでの発進時におけるエンジンブ
レーキ用のソレノイドバルブと変速段設定用のソレノイ
ドバルブとの制御ルーチンの一例を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 自動変速機 19 自動変速機用電子制御装置 31 副変速部 32 主変速部 100 3-4シフトバルブ 130 B2 リリースコントロールバルブ S1 ,S2 ,S3 ソレノイドバルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とが、動力を直列的に伝達するよう連結されるととも
    に、所定の信号圧を、前記副変速部を後進段設定時に切
    り換える信号圧とエンジンブレーキ状態を制御するため
    の信号圧とに切換弁によって切り換え、かつ通常の発進
    用変速段より高速側の変速段を発進時に設定する走行モ
    ードを選択可能であり、さらに複数の電磁弁のオン・オ
    フのパターンに応じて変速段を設定する自動変速機の制
    御装置において、 前記走行モードが選択されている場合に、非駆動レンジ
    において、前記切換弁および所定の信号圧を前記高速側
    の変速段が設定されるときのパターンと同一にされてい
    ることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とが、動力を直列的に伝達するよう連結されるととも
    に、所定の制御弁の出力する信号圧を、前記副変速部を
    後進段設定時に高速段に制御する信号圧とエンジンブレ
    ーキ状態を制御するための信号圧とに切換弁によって切
    り換え、かつ通常の発進用変速段より高速側のエンジン
    ブレーキを効かせない変速段を発進時に設定する走行モ
    ードを選択可能な自動変速機の制御装置において、 前記走行モードが選択されている場合に、非駆動レンジ
    において、前記切換弁を、前記制御弁から出力される信
    号圧をエンジンブレーキ状態を制御する信号圧に切り換
    える状態に制御し、かつ前記制御弁を、エンジンブレー
    キを効かせない状態を設定する信号圧の出力状態に制御
    するように構成されていることを特徴とする自動変速機
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とが、動力を直列的に伝達するよう連結されるととも
    に、所定の信号圧を、前記副変速部を後進段設定時に切
    り換える信号圧とエンジンンブレーキ状態を制御するた
    めの信号圧とに切換弁によって切り換え、かつ通常の発
    進用変速段より高速側の変速段を発進時に設定する走行
    モードを選択可能な自動変速機の制御装置において、 前記走行モードが選択されている状態で非駆動レンジか
    ら駆動レンジに切り換えられた場合に、前記所定の信号
    圧を切り換えた後に、前記所定の高速側の変速段への変
    速制御を実行するよう構成されていることを特徴とする
    自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 後進状態と複数の前進状態とを設定する
    主変速部と高低二段に切り換えることのできる副変速部
    とが、動力を直列的に伝達するよう連結されるととも
    に、所定の制御弁の出力する信号圧を、前記副変速部を
    後進段設定時に高速段に制御する信号圧とエンジンンブ
    レーキ状態を制御するための信号圧とに切換弁によって
    切り換え、かつ通常の発進用変速段より高速側のエンジ
    ンブレーキを効かせない変速段を発進時に設定する走行
    モードを選択可能な自動変速機の制御装置において、 前記走行モードが選択されている状態で非駆動レンジか
    ら駆動レンジに切り換えられた場合に、前記制御弁を前
    記高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせない状態
    に切り換え動作させた後に、該変速段への変速制御を実
    行するよう構成されていることを特徴とする自動変速機
    の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112879554A (zh) * 2021-01-20 2021-06-01 杭州前进齿轮箱集团股份有限公司 一种单钢轮压路机的起步换挡控制方法、系统及存储介质
CN112879553A (zh) * 2021-01-20 2021-06-01 杭州前进齿轮箱集团股份有限公司 动力换挡变速器及其控制方法

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