JPH09500400A - 置換ピラジンの製法 - Google Patents
置換ピラジンの製法Info
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Abstract
(57)【要約】
式:
[式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子、炭素原子数1〜6を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の炭化水素又は−CH2OH基を表す]のジヒドロキシケトンとアンモニウム塩とを、又は場合に応じて、アンモニウム塩及び式:
[式中、R3及びR4は、式(IV)中に記載と同じものを表す]のアシロインとを反応させることよりなる、置換ピラジンの製法。この方法は、特に非対称的なアルキルピラジンの製造のために有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
置換ピラジンの製法技術分野
本発明は、有機合成の分野、特に置換ピラジンの製造の分野に関する。
置換ピラジン、特にアルキルピラジンは、大抵は自然に由来する非常に重要な
賦香成分である。即ち、それらは多くの発酵された製品又は熱処理に供される製
品中に存在する。
他方、これらアルキルピラジンは、他のピラジン誘導体の製造のための出発物
質として有用であり、従って、有機合成において重要な役割を演じている。先行文献
特に天然品の合成に適合しているアルキルピラジンの製法は、既に公知である
。例えば、G.P.Rizziは、J.Agr.Food Chem 36、340(1988)
に、いわゆる「ソフト」な反応条件下でのアクロレインと酢酸アンモニウムとの
反応を経るアルキルピラジンの製法を記載している。この方法は、長い反応時間
を伴う複雑な工程を必要とする。
他方、欧州特許出願第505891号明細書中には、必要な場合には、反応混
合物の同時昇華と共に水中の還流で実施される、同じ反応を利用する方法が記載
さ
れている。
これら二つの方法は、対称的なアルキルピラジンの製法を可能とするが、その
製造がかなり困難であることが知られている非対称的な置換ピラジンの製造の問
題の満足な解決を提供しない。発明の詳細な説明
本発明の課題は、正確には、天然の又は合成起源の置換ピラジン、特に非対称
的なアルキルピラジンを得ることを可能にする一般的適用法を実現することによ
りこの問題を解決する新規方法を提供することである。従って、本発明は、式:
[式中、A=B=C=D=R1=R2又はA=C=R1、B=D=R2、及びR1≠
R2又はA=D=R1、B=C=R2及びR1≠R2であり、記号R1及びR2は、そ
れぞれ水素原子、炭素原子数1〜6を有する、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝
鎖の炭化水素又は−CH2OH基を表す]又はそれぞれ式:
[式中、A’=R3、B’=R4、又はその逆であり、C’=R1、D’=R2であ
り、R1及びR2は同一又は異なるもので前記のものを表し、R3及びR4は同一又
は異なるもので、それぞれC1〜C6の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は環中に
5又は6個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の環式基を表すか、又は同じもの
で、点線で示されている炭素原子数5又は6を有し、置換又は非置換の環に属す
るCH又はCH2基を表す]のピラジンの製法に関し、この方法は、不活性有機
溶剤中で、式:
[式中、R1及びR2は、同一又は異なるもので、前記のものを表す]の化合物と
アンモニウム塩との反応、又はそれぞれアンモニウム塩及び式:
[式中、R3及びR4は、式(IV)中に記載と同じものを表す]のアシロインと
の反応、必要な場合には、前記ピラジンの反応生成物からの分離よりなる。
本発明の方法は、アンモニウム塩と反応する基質としての式(I)のジヒドロ
キシケトンの使用の原理に
基づいている。この反応のメカニズムでの予備判断を待たずに、このジヒドロキ
シケトンは自己反応するか又は式(III)のアシロインと反応して、(ジ)−
ヒドロキシメチル−ジヒドロピラジンを形成し、後者は、自然に脱水して所望の
置換ピラジンを生じさせることができる。従って、1,3−ジヒドロキシ−プロ
パノンの特別な場合には、その自己反応は次の反応式で表されるヒドロキシピラ
ジンを生じさせる:反応式I
更に、前記主生成物より少ない量ではあるが、6−メチル−2−ピラジンメタ
ノールの形成も観察される。
1,3−ジヒドロキシ−2−プロパンを式(III)のアシロインと反応させ
る場合には、更に次の反応式で示されるように置換されたピラジンも得られる:反応式 II
R3及びR4は、式(III)中の定義と同じ。
アシロイン(III)が同じでないR3及びR4置換基を有する場合には、記載
されているものの異性体であるピラジンの形成が観察され、このことは、おそら
く化合物(I)のケト−エノール互変異性の結果である。アシロイン(III)
に関してもそのような互変異性平衡か可能であるが、その結果としてのピラジン
の形成は観察できなかった。
双方の場合に、反応生成物を形成する個々のピラジンは、慣用の方法で、例え
ば分別蒸留、クロマトグラフィ又は他の慣用の分離法で分離することができる。
使用反応条件も、先に引用した先行文献に記載と同様な方法でアシロイン(I
II)とアンモニウム塩との反応から生じる対称的ピラジンの形成に有利である
ことに注目すべきである。
従って、式(I)、又は式(I)と(III)の反応成分の性質に依存して、
反応生成物は、多かれ少なかれ、式(III)の非対称的ピラジンの複雑な混合
物であってよく、この混合物は、式(IV)の非対称的ピラジン1種以上を含有
し得、これらは次いで反応混合物から分離される。
「アンモニウム塩」とは、カルボン酸、スルファミン酸又は無機酸から誘導さ
れたアンモニウム塩、有利には、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酒
石酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、シュウ酸アン
モニウム、コハク酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム及び燐酸アンモニウム(II)又は
(III)の群から選択されたものを意味する。有利な実施態様によれば、酢酸
アンモニウム又はギ酸アンモニウムが使用される。
反応は不活性有機溶剤中で行う。この終わりに反応条件下に不活性の任意の溶
剤を使用することができる。有利な溶剤には、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、トルエン、酢酸エチル又はこれら溶剤の2種以上の
混合物が包含される。無水溶剤を使用する場合に、最終生成物の最良収率が得ら
れることも観察された。有利な1態様によれば、無水エタノーがを使用される。
本発明の方法における出発物質は、市販品であるか又は市販の化学品から容易
に製造できるものである。それらが市場で水溶液の形で入手できる場合には、そ
の使用前に水を除く。他方、天然、フレーバー中での使用が意図されるピラジン
を製造することが望まれる場合には、適当な品質及び法的基準に従う性質の出発
物質が選択される。
出発物質(I)及び(III)の相対的割合は、全体的な反応収率に多くの影
響を及ぼすことなく、かなり広い範囲の値で変動しうる。しかしながら、各々の
出発物質がそれ自体と反応しうる事実は、形成される
各々のピラジンの個々の収率に影響を有し、この収率は、化合物(I)及び(I
II)のモル比の変更により変えられうる(後の表参照)。
従って、これら化合物は、典型的には、化合物(I)/化合物(III)の1
:1〜1:3の割合で使用できるが、アシロインを化学量論的量より多い量で、
即ち1に対して2の過剰で使用する際に、化合物(I)と(III)との反応か
ら生じる非対称的ピラジンの収率が増大し、(I):(III)付加反応から生
じる対称的ピラジンの収率の決定要因となることを観察した。同時に、(I):
(I)自己付加から得られるヒドロキシピラジンの増加も認められた。このよう
に、化合物(I)と(III)との相対的割合を、出発物質の価格の関数及び高
収率で得ることを望む最終ピラジンの性質の関数として選択することができる。
この反応は、室温と溶剤還流温度との間で変動する広い温度範囲内で実施する
ことができる。有利な1態様によれば、この反応は、溶剤還流温度で実施される
。他方、アンモニウム塩の溶液を化合物(I)の混合物又は(I)と(III)
との混合物に添加することができるが、選択された溶剤中のアシロイン(III
)とジヒドロキシケトン(I)の又は後者のみ溶液をアンモニウム塩に、溶剤還
流温度でゆっくり添加する場合に、より良好な収率が得られたことが観察された
。
次に実施例につき本発明をより詳細に記載するが、
ここで、温度は摂氏を示し、略語は文献中で慣用のものを意味する。本発明の態様
例1反応基質としての1,3−ジヒドロキシ−2−プロパノンの使用
一般的方法
1,3−ジヒドロキシ−2−プロパノン及び、有利には、式(III)のアシ
ロインを無水エタノール中に、混合物の還流温度(80℃)に加熱しながら溶解
させた。生じる溶液を室温まで冷却させ、固体酢酸アンモニウム(又は他のアン
モニウム塩)を含有する500ml三頚フラスコに接続された滴加ロート中に入
れた。このフラスコには、水冷凝縮器及び撹拌機が備えられており、加熱還流(
80℃)させた。次いで、1,3−ジヒドロキシ−2−プロパノン溶液を20分
間に渡り滴加し、全混合物を更に2〜3時間還流させた。
混合物を室温まで冷却させ、HClでpHを1にした。この混合物から3倍量
のEt2Oを用いて酢酸及び中性層を抽出した。集めた有機層を再び5MHCl
で洗浄し、後者を水層に添加した。この混合物のpHを、NaOHペレットを用
いて11に調節し、その間、氷浴を用いて、低い値の温度を保持した。再びエー
テル(3回)で抽出し、この有機抽出物を無水MgS
O4上で乾燥させた後に、混合物を濾過し、溶剤を真空下に蒸発させた。得られ
た塩基性フラクシヨンを、バルブ−バルブ装置中で残分から蒸発させ、得られた
生成物をガスクロマトグラフィで分析した。
A.5(6)−メチル−2−ピラジンメタノールの製造
前記方法により、エタノール60g中の1,3−ジヒドロキシ−2−プロパノ
ン(起源:Merk、99%純度)46g(〜0.5モル)と固体酢酸アンモニ
ウム57.8g(0.75モル)との反応により取得。酸性/中性フラクシヨン
(10.18g)を、記載のように分離させ、塩基性フラクシヨン(5.52g
)を75℃及び8Paで残分から蒸発させると、淡黄色油状物4.6gが得られ
、これのクロマトグラフィ分析は、単一ピークを示した(純度:98.5%;ピ
リジン全収率:14.3%)。
この生成物のGC−MS、1H−NMR及び13C−NMR分析は、これが5−
メチル−2−ピラジンメタノール及び6−メチル−2−ピラジンメタノールの混
合物よりなることを示している(主異性体:副異性体3:2)。
NMR(1H、360MHz):
主異性体:2.57(s、3H);4.78(s、2H);8.39(2、1H);8.5
4(s,1H)δppm
副異性体:2.57(s、3H);4.78(s、2H);8.37(2、IH);8.4
6(s、1H)δppm
NMR(13C):
主異性体:152.7(s);152.3(s);143.3(d);141.8(d);
62.9(T);21.1(q)δppm
副異性体:154.8(s);152.9(s);139.5(d);63.0(t);2
1.3(q)δppm
MS:124(M+,91);m/e:
123(59)、95(100)、66(19)、55(27)、42(32)、
39(44)
B.2,3,5−トリメチルピラジンの製造
記載の一般的方法に従って、エタノール40ml中の1,3−ジヒドロキシ−
2−プロパノン(22.5g、0.25モル)及びアヤトイン(3−ヒドロキシ
−2−ブタノン;29.7g、0.25モル)と固体酢酸アンモニウム57.8
g(0.75モル)との反応により得た。
残分から60〜65℃及び10×102Paで塩基性フラクシヨンを蒸留させ
ると、淡黄色油状物(13.91g)及び残分5.05gが得られた。
この生成物のクロマトグラフィ分析は、蒸留されたフラクシヨンが2,3,5
−トリメチルピラジン81%(収率:36.8%)及びテトラメチルピラジン1
7%(収率:13.9%)を含有し、残りがトリメチルピラジン5.8%、テト
ラメチルピラジン13.9%及び5(6)−メチルピラジンメタノール混合物4
0.5%(収率:13.2%)を含有することを示した。
同じ方法で、但し1モルスケール(63.0g)で得られた蒸留フラクシヨン
から、フィッシャータイプカラム上で64×102Paで分別蒸留により、2,
3,5−トリメチルピラジンを分離した。次の結果が得られた:
フラクシヨン5−7を集める(合計重量:39.00g)と、単離された生成
物中32.8%の収率を示している。この生成物のNMRスペクトルは、これが
、純粋2,3,5−トリメチルピラジンよりなることを確認した。
次の表には、反応条件の変動に応じて得られる収率を示している。
例2
1, 3−ジヒドロキシ−2−プロパノンと種々のアシロイン及び酢酸アンモ ニウム又はギ酸アンモニウムとの反応
1,3−ジヒドロキシ−2−プロパノンと一連のアシロイン及び酢酸アンモニ
ウム又はギ酸アンモニウムとを、例1に記載の一般的方法に従い反応させた。得
られたピラジンを第II表に示す。この表は、アセトインと1,3−ジヒドロキ
シ−2−プロパノンの代わりに使用された水素化された(+)−(S)−エリス
ルロースとの間の反応(反応7)の結果をも包含している。
反応1〜6の条件を、第III表にまとめる。記載のピラジン百分率は、蒸留
されたか又はそうでないかにかかわらず塩基性フラクシヨンの含分に関連して示
した。第II表又は第III表に引用されている得られた全生成物の同定は、N
MR(1H及び13H)及びGC−MS分析により確認した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、A=B=C=D=R1=R2又はA=C=R1、B=D=R2、及びR1≠ R2又はA=D=R1、B=C=R2及びR1≠R2であり、記号R1及びR2は、そ れぞれ水素原子、炭素原子数1〜6を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖 の炭化水素又は−CH2OH基を表す]又はそれぞれ式: [式中、A’=R3、B’=R4、又はその逆であり、C’=R1、D’=R2であ り、R1及びR2は同一又は異なるもので前記のものを表し、R3及びR4は同一又 は異なるもので、それぞれC1〜C6の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は環中に 5又は6個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の環式基を表すか、又は同じもの で、点線で示されている炭素原子数5又は6を有し、置換又は非置換の環に属す るCH又はCH2基を表す] の置換ピラジンを製造する場合に、この方法は、不活性有機溶剤中で、式: [式中、R1及びR2は、同一又は異なるもので、前記のものを表す]の化合物と アンモニウム塩又はそれぞれアンモニウム塩及び式: [式中、R3及びR4は、式(IV)中に記載と同じものを表す]のアシロインと 反応させ、必要な場合には、前記ピラジンを反応生成物からの分離することを特 徴とする置換ピラジンの製法。 2.酸性アンモニウム塩を、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酒石 酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、コハク酸アンモニ ウム、乳酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫 酸アンモニウム及び燐酸アンモニウム(II)又は(III)よりなる群から選 択する、請求の範囲1に記載の方法。 3.酢酸アンモニウム又はギ酸アンモニウムを使用する、請求の範囲2に記載 の方法。 4.溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ト ルエン又は酢酸エチル又はこれら溶剤の2以上の混合物である、請求の範囲1か ら3のいずれかに記載の方法。 5.溶剤として無水エタノールを使用する、請求の範囲4に記載の方法。 6.反応を室温〜溶剤還流温度の間の温度で実施する、請求の範囲1から5の いずれかに記載の方法。 7.反応を溶剤還流温度で実施する、請求の範囲6に記載の方法。 8.エタノール中のジヒドロキシケトン(I)又はジヒドロキシケトン(I) とアシロレイン(III)の溶液を、エタノールの還流温度で、ゆっくりアンモ ニウム塩に添加する、請求の範囲1に記載の方法。 9.アンモニウム塩は酢酸アンモニウムである、請求の範囲8に記載の方法。
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