JPH0959665A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JPH0959665A
JPH0959665A JP7211917A JP21191795A JPH0959665A JP H0959665 A JPH0959665 A JP H0959665A JP 7211917 A JP7211917 A JP 7211917A JP 21191795 A JP21191795 A JP 21191795A JP H0959665 A JPH0959665 A JP H0959665A
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JP
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compound
group
molecular chain
polymer
liquid crystal
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JP7211917A
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Hiroharu Oda
弘治 小田
Yoichiro Ide
陽一郎 井出
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で安定性に優れた電気粘性流体を提供す
る。 【解決手段】 一つのフレキシブルな分子鎖単位からな
る重合体中に、複数個の液晶性基と、ニトリル基または
ベンゼン骨格のいずれか一方または両方を少なくとも一
つ以上含む非液晶性基とを同時に含んでなる化合物を含
有する電気粘性流体。 【効果】 作動温度範囲が広く安定性に優れた均一系の
電気粘性流体として、振動吸収、トルク伝達、機械制御
などのアクチュエーターに利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な電気粘性流体
に関するものであり、長期間安定に大きな電気粘性効果
を発現する均一系の電気粘性流体として、振動吸収、ト
ルク伝達、ダンパー、機械位置決め制御などのアクチュ
エーターとしての用途に利用される。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体としては、Winslow
の発明以降約半世紀、水を含んだ粒子や、絶縁薄膜で表
面被覆した導電性粒子あるいは半導体粒子などの誘電体
粒子を絶縁油に分散させた、いわゆる分散系の流体が数
多く提案されてきた。しかしこれらの流体は、粒子の分
散安定性が悪く粒子沈降という本質的な問題があり、実
用化には至っていない。一方、粒子を用いない均一系の
電気粘性流体も古くから極性液体、液晶、ポリマー溶液
などについて数々研究されて来たが、それらの電気粘性
効果は極めて小さく顧みられなかった。最近、分散系の
電気粘性流体の難しさが明らかになるにつれて、改めて
均一系の流体の可能性が見直され、粒子を用いない均一
系の電気粘性流体に関する報告や特許が発表され始めて
いる。例えばポリ(γ−ベンジル−L−グルタメ−ト)
をジオキサンに溶解させたライオトロピック液晶(特開
平4−266997号公報)や、連鎖に複数個の液晶性
基を結合したサーモトロピック液晶性化合物(特開平5
−32988号公報)を用いた流体においては、従来の
分散系に勝る大きな電気粘性効果が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のライオトロピッ
ク液晶やサーモトロピック液晶を用いた電気粘性流体
は、確かに大きな電気粘性効果を示すが、ライオトロピ
ック液晶においてはそれに用いられる溶媒は一般に極性
が高く導電性であり、また揮発性が高いものが多く実用
には制限がある。また、後者のサーモトロピック液晶を
用いたものは、電気絶縁性や耐久性に優れるものの、一
般に電圧を印加しない状態での粘度(基底粘度)が高い
ために作動温度範囲が狭く、特に低温側で作動しにくい
傾向にある。さらに両者は、一般に原料が高価で製造に
多くの工程を要するためコスト的にも高くなるという問
題点を持つ。
【0004】
【課題を解決するための手段】サーモトロピック液晶の
基底粘度を低くするためには液晶性基の含有量を下げれ
ばよいが、同時に電気粘性効果自体も小さくなるため好
ましい方法とは言えない。そこで本発明者らは、電気粘
性効果を犠牲にせず基底粘度を低減させ、作動温度範囲
を拡大する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、
液晶性基の一部をある種の官能基で置き換えることによ
り電気粘性効果を低下させずに基底粘度を低減できる事
実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0005】即ち、本発明は以下のとおりである。 1.一つのフレキシブルな分子鎖単位からなる重合体中
に、複数個の液晶性基と、ニトリル基およびベンゼン骨
格のいずれか一方または両方を少なくとも一つ以上含む
非液晶性基とを同時に含んでなる化合物を含有する電気
粘性流体。 2.上記1の化合物であって、液晶性基および非液晶性
基の合計の含有量が、フレキシブル分子鎖単位の総数に
対して25〜80%である化合物(I)と、上記1の化
合物であって、液晶性基および非液晶性基の合計の含有
量が、フレキシブル分子鎖単位の総数に対して5〜20
%である化合物(II)とを同時に含有し、かつ化合物
(I)と化合物(II)の混合割合が両者の合計重量1
00重量部に対して、化合物(I)が60〜90重量
部、化合物(II)が40〜10重量部の範囲である電
気粘性流体。 3.フレキシブルな分子鎖単位が、シロキサン、オキシ
アルキレン、フルオロオキシアルキレンである上記1又
は2の電気粘性流体。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
言う液晶性基とは、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ
系、安息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル
系、ナフタレン系、シクロヘキシルカルボン酸系、フェ
ニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、
ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘ
キサン系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン
系、トラン系など従来知られている一般的な低分子液晶
や強誘電性液晶(詳しくは、松本正一・角田市良著「液
晶の基礎と応用」工業調査会,P.107−162に代
表例が記されている。)の液晶性を発現させる中核的分
子構造(一般的にメソゲンと呼ばれる。)を含む官能基
である。さらに、水素結合により複数の分子が分子複合
対を形成して液晶性を示す水素結合型液晶、4級化した
窒素原子や金属原子を分子中に導入したイオン性液晶、
上記のメソゲンにクラウンエーテルを導入し金属塩と複
合化したイオン−双極子相互作用型液晶など(詳しく
は、加藤隆史、生産研究、46〔6〕P.313(19
94)に代表例が記載されている。)も本発明に言う液
晶性基に含まれる。
【0007】本発明にいうニトリル基およびベンゼン骨
格のいずれか一方または両方を少なくとも一つ以上含む
非液晶性基とは、上述の液晶性を示すメソゲンとは異な
る官能基であり、以下に示される分子構造が代表例とし
て挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】本発明で言う重合体を構成するフレキシブ
ルな分子鎖単位とは、(1)ジメチルシロキサン、フェ
ニルメチルシロキサンなど−OSiR1 2 −(ここで
1、R2 はアルキル基あるいはフェニル基を示す。)
で表されるシロキサン、(2)オキシエチレン、オキシ
プロピレン、オキシブチレンなど−OCm 2m−(ここ
でmは1から5の整数を示す。)で表されるオキシアル
キレン、(3)ジフルオロオキシエチレン、トリフルオ
ロオキシエチレン、ペンタフルオロオキシプロピレンな
ど−OCm 2m-nn −(ここでmは1から3の整数、
nは0<n<2mの範囲の整数を示す。)で表されるフ
ルオロオキシアルキレン、(4)メチレン、エチレン、
プロピレンなど−Cm 2m−(ここでmは1から8の整
数を示す。)で表されるアルキレンなどである。特に
(1)から(3)は低温でもフレキシブル性に富み本発
明に良好に用いられる。
【0010】本発明の化合物は、複数個の液晶性基と、
非液晶性基を同時に含んでおり、それらの含まれる形態
に応じて(a)主鎖型化合物、(b)側鎖型化合物、
(c)末端型化合物、(d)(a)〜(c)のうちの複
数の構造が重合体中に存在する複合型化合物に分類する
ことができる。まず(a)主鎖型化合物においては、液
晶性基および非液晶性基は上記の(1)〜(4)のフレ
キシブルな分子鎖単位と直接または結合基を介して結合
し、重合体の主鎖を構成する。ここで用いられる結合基
としては、−O−、−COO−、−CO−、−CONH
−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2 −など
の基が挙げられる。これらの結合基は、同一もしくは異
なるフレキシブルな分子鎖単位同士を結合し新たなフレ
キシブルな主鎖を形成するのに用いることもできる。
【0011】次に(b)側鎖型化合物と(c)末端型化
合物について説明すると、液晶性基および非液晶性基
は、(b)においてはフレキシブルな分子鎖単位からな
る重合体の主鎖および/または枝分かれ鎖の末端以外の
鎖中に、また(c)においてはフレキシブルな分子鎖単
位からなる重合体の主鎖および/または枝分かれ鎖の末
端に、それぞれ直接または結合基を介して結合される。
ここで言うフレキシブルな分子鎖単位からなる重合体と
は、上記の(1)〜(4)の分子鎖単位の単独重合体、
これらの分子鎖単位同士または異種の分子鎖単位との共
重合体である。またここで用いられる結合基としては、
−Cp 2p−(ここでpは1から20の整数)、−Cp
2p-qq −(ここでpは1から20の整数、qは1≦
q≦2pの範囲の整数)、−Si(CH3 2 −、−O
−、−COO−、−CO−、−CONH−などの基およ
びこれらの基を組み合わせて得られる連鎖が代表例とし
て挙げられる。さらには下式で示される枝分かれ構造が
結合基中に存在し、一つの結合基を介して複数の液晶性
基および/または非液晶性基が分子鎖に結合してもよ
い。
【0012】
【化2】
【0013】液晶性基および非液晶性基は、(1)に示
した構造のフレキシブル鎖においては、R1 またはR2
の一部を、また(2)から(4)に示した構造のフレキ
シブル鎖においてはHの一部を、それぞれ直接または上
記の結合基を介して置換する形で重合体に結合してい
る。さらに残りのR1 、R2 やHの一部が鎖長20以下
のアルキル基、フルオロアルキル基、オリゴシロキサン
などで置換されていてもよい。以上の(a)〜(d)の
いずれの形態においても、本発明の化合物の重合度とし
ては2から300、好ましくは2から100、より好ま
しくは5から100の範囲が好適である。また重合体の
形状としては、直鎖状、枝分かれ状、星形状などいずれ
であってもよい。
【0014】上述の非液晶性基を分子鎖に導入した場
合、同モル数の液晶性基を同じ分子鎖に導入した場合に
比べて粘度の上昇が少なく、基底粘度の低い化合物を得
る上で好適である。しかも非液晶性基中のニトリル基の
双極子モーメントやベンゼン環のπ電子に電場が作用す
ることにより、非液晶性基や該非液晶性基に結合した結
合基が、液晶性基と同様配向や凝集などの何らかの高次
構造を形成し得るため、液晶基のみを導入した化合物と
比較しても電気粘性効果が大きく低下してしまう心配が
ない。
【0015】一分子鎖あたりに含まれる液晶性基および
非液晶性基の総数は、三つ以上できるだけ多いことが電
気粘性効果の点から好ましいが、特に液晶性基の含有量
が多くなると基底粘度が高くなる傾向にあるので、その
点を考慮して液晶性基および非液晶性基の含有量を決定
する必要がある。特に限定するものではないが、フレキ
シブル分子鎖の繰り返し単位の総数を基準として導入さ
れた液晶性基の総数を80%以下にすることが好まし
い。液晶性基および非液晶性基の好適な割合は、一分子
鎖あたりに含まれる両者の総数を基準として非液晶性基
が1%以上95%以下であり、より好ましくは5%以上
80%以下、さらに好ましくは10%以上60%以下で
ある。非液晶性基の割合が少なくなると基底粘度の低減
が不充分であり、作動温度範囲が改善されない。逆に非
液晶性基の割合が多くなると基底粘度は低減されるが、
電気粘性効果も同時に小さくなる傾向にある。液晶性基
および非液晶性基は、それぞれ一種類ずつを用いる他、
複数のものを組み合わせて用いることができる。
【0016】本発明の化合物は、電気粘性流体としてこ
れを単独に用いてもよいが、基底粘度を下げたり取り扱
い性を向上させる目的で、例えば、本化合物の分子鎖と
同一の単位からなる重合体や該分子鎖とは親和性がある
が液晶性基および非液晶性基とは親和性が低い化合物
(以下、希釈剤という。)で希釈して使用することもで
きる。希釈剤の代表的な例としては、シリコーンオイ
ル、変性シリコーンオイル、パラフィン系鉱油、ナフテ
ン系鉱油、オレフィン(共)重合体・アルキルベンゼン
・アルキルナフタレンなどの合成炭化水素油、含フッ素
芳香族化合物等が挙げられる。希釈剤の割合としては、
特に限定するものではないが、本発明の化合物100重
量部を基準として10重量部以上200重量部以下の範
囲が好ましく、20重量部以上90重量部以下の範囲が
より好ましい。
【0017】希釈剤を用いた場合、電圧を繰り返し印加
したり長時間電圧を印加し続けたりすると、希釈剤と本
発明の化合物が分離を起こすことがある。この場合、本
発明の化合物として一種類の化合物を用いるのではな
く、液晶性基および非液晶性基の含有量が高い化合物
(I)と、該含有量が低い化合物(II)を混合するこ
とにより、希釈剤との相容性を向上させ、分離がなく特
に低温での作動安定性に、より優れた電気粘性流体を得
ることができる。化合物(I)における液晶性基および
非液晶性基の好適な含有量は、フレキシブル分子鎖の繰
り返し単位の総数を基準として導入された液晶性基およ
び非液晶性基の合計の総数が25%以上80%以下、よ
り好ましくは25%以上50%以下となる範囲である。
一方化合物(II)においては、同じく合計の総数が5
%以上20%以下、より好ましくは10%以上20%以
下となる範囲である。化合物(I)と化合物(II)中
の液晶性基および非液晶性基の含有量をこれらの範囲に
調整することにより、大きな電気粘性効果を示し、かつ
電場下でも長時間安定に使用できる電気粘性流体を得る
ことができる。この際合計の重量100重量部を基準と
して化合物(I)が60〜90重量部、化合物(II)
が40〜10重量部となる範囲で両者を混合し、さらに
希釈剤を化合物(I)および(II)の合計の重量10
0重量部に対して10〜200重量部、より好ましくは
20〜90重量部の範囲で用いることにより、電気粘性
効果と低温での作動安定性のバランスが最もよい電気粘
性流体を得ることができる。
【0018】化合物(I)、化合物(II)における液
晶性基および非液晶性基の種類、組成は同一である必要
はない。また、化合物(I)、化合物(II)、希釈剤
の分子鎖種は相容性の点からすべて同一であることが好
ましい。化合物(I)、化合物(II)、希釈剤は、プ
レポリマーやモノマー等の原料の段階で混合してから同
時に合成し、そのまま使用してもよいし、それぞれ独立
に合成した後、混合してもよい。混合の方法としては、
共通の溶媒に各成分を溶解した後、溶媒を蒸発・乾燥さ
せる溶液混合法、各成分を加熱して低粘度化した後に撹
拌し混合する加熱混合法、ロール・ニーダーなどを用い
て混合する機械混合法など、いずれを用いてもよく特に
限定されない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施例をもって本発明を具
体的に説明する。なお、試料の基底粘度(電圧を印加し
ない状態での粘度)および電気粘性効果の測定は下記の
方法に従った。 <基底粘度および電気粘性効果の測定方法>プレート対
向面全体が電極を形成するように改造された一対の平行
円盤(下側円盤がモーターに接続して回転し、上側円盤
がトルク計に接続して剪断応力を測定する)を持つパラ
レルプレート型の回転粘度計を用いて測定を行った。対
向部電極径32mm、電極間隔0.50mmに設定され
た電極間に試料を挟み、所定の温度にて200sec-1
の剪断速度で試料に剪断を与え、直流電圧0〜2kV/
mmを印加した際の剪断応力を測定した。本発明に言う
発生剪断応力とは、電圧印加による剪断応力の増分のこ
とである。
【0020】
【実施例1】 1)液晶性基の合成 水酸化カリウム100g、水120ml、エタノール5
00mlの混合溶液に、p−ヒドロキシ安息香酸99
g、ヨウ化カリウム0.7gを溶解させ、アリルブロミ
ド86gを滴下した後、80℃にて12時間加熱環流し
た。放冷後、水150mlを加え、塩酸でpHを2とし
た。析出した沈殿を濾別、乾燥後、エタノールから再結
晶して下記化3に示す化合物Aを90g得た。
【0021】
【化3】
【0022】化合物Aに塩化チオニル29.2mlと数
滴のジメチルホルムアミドを加え、40℃で2時間撹拌
して酸クロリド体とし、過剰の塩化チオニルを真空下で
留去した。テトラヒドロフラン50mlに溶解した酸ク
ロリド体を、p−シアノフェノール23.8g、トリエ
チルアミン36.2ml、テトラヒドロフラン150m
lの混合溶液に0℃で滴下し、室温に戻して12時間撹
拌した。反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、
乾燥・濃縮した。析出した固体をエタノールから再結晶
して下記化4に示す化合物Bを52.1g得た。
【0023】
【化4】
【0024】2)非液晶性基の合成 p−シアノフェノール17.9g、無水炭酸カリウム5
1.8g、アリルブロミド19.5ml、メチルエチル
ケトン200mlを混合し、80℃にて4時間加熱撹拌
した。放冷後、反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで抽
出した。乾燥・濃縮の後、得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトで精製して、下記化5に示す化合物C
を23.4g得た。
【0025】
【化5】
【0026】3)ポリマーの合成 液晶基と非液晶基のモル比が6:4であり、合計の含有
率が40%であるポリマーを合成した。化6に示す平均
組成を持つジメチルシロキサン・メチルハイドロジェン
シロキサンランダム共重合体(ポリマーD)3.00
g、化合物B2.81g、化合物C1.07gをテトラ
ヒドロフラン35mlに溶解させ、触媒量の塩化白金酸
を加えて60℃で2時間反応させた。高速液体クロマト
とFT−IRによる分析で、化合物BおよびCがほぼ完
全に消失し、ポリマーDに反応していることが確認され
た。続いて1−ペンテン2.9gを添加し未反応のSi
−H基を完全に潰した後、溶媒を留去して生成物(ポリ
マーE)を回収した。このポリマーEの構造はNMRで
確認され、GPCによる平均分子量は約5800であっ
た。
【0027】
【化6】
【0028】得られたポリマーEの基底粘度を測定し、
結果を表1に示した。さらにポリマーE100重量部を
20cStのポリジメチルシロキサンオイル50重量部
とともに少量のテトラヒドロフランに溶解し、さらに真
空下で溶媒を留去して混合物を調製し、この混合物の電
気粘性効果を測定した。結果を表2に示す。表2に示す
とおり、30℃まで作動温度範囲が広がり、大きな電気
粘性効果が得られることが判る。
【0029】
【比較例1】実施例1で用いたものと同じ液晶基のみを
含有率40%で含むポリマーを合成した。上記ポリマー
D3.00gと化合物B4.69gをテトラヒドロフラ
ン35mlに溶解し、触媒量の塩化白金酸を加えて60
℃で2時間反応させた。高速液体クロマトとFT−IR
による分析で、化合物Bがほぼ完全に消失し、ポリマー
Dに反応していることが確認された。続いて1−ペンテ
ン2.9gを添加し未反応のSi−H基を完全に潰した
後、溶媒を留去して生成物(ポリマーF)を回収した。
このポリマーFの構造はNMRで確認され、GPCによ
る平均分子量は約6500であった。得られたポリマー
Fの基底粘度を測定した。結果を表1に示す。さらにポ
リマーF100重量部を20cStのポリジメチルシロ
キサンオイル50重量部とともに少量のテトラヒドロフ
ランに溶解し、さらに真空下で溶媒を留去して混合物を
調製し、電気粘性効果を測定した。40℃以下でスベリ
現象を生じたため電気粘性効果の測定は不安定となっ
た。液晶性基のみを用いた比較例1に比べ液晶性基と非
液晶性基を組み合わせた実施例1の方が大幅に基底粘度
が低いことがわかる。
【0030】
【実施例2】液晶基と非液晶基のモル比が6:4であ
り、合計の含有率が17%であるポリマーを合成した。
化7に示す平均組成を持つジメチルシロキサン・メチル
ハイドロジェンシロキサンランダム共重合体(ポリマー
G)4.00g、化合物B1.78g、化合物C0.6
8gをテトラヒドロフラン30mlに溶解させ、触媒量
の塩化白金酸を加えて60℃で2時間反応させた。高速
液体クロマトとFT−IRによる分析で、化合物Bおよ
びCがほぼ完全に消失し、ポリマーGに反応しているこ
とが確認された。続いて1−ペンテン3.7gを添加し
未反応のSi−H基を完全に潰した後、溶媒を留去して
生成物(ポリマーH)を回収した。このポリマーHの構
造はNMRで確認され、GPCによる平均分子量は約9
600であった。
【0031】
【化7】
【0032】実施例1で合成したポリマーE67重量
部、上記ポリマーH33重量部、20cStのポリジメ
チルシロキサンオイル50重量部を少量のテトラヒドロ
フランに溶解し、さらに真空下で溶媒を留去して混合物
を調製し、この混合物の電気粘性効果を測定した。結果
を表2に示す。実施例1よりもさらに低温側に作動温度
範囲が広がった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明は、従来提案されてきたライオト
ロピック液晶やサーモトロピック液晶を用いた均一系の
電気粘性流体の大きな欠点の一つであった作動温度範囲
が狭く、特に低温側で作動しにくいという問題を解決す
る、安定性に優れた電気粘性流体を提供することを可能
にした。本発明の電気粘性流体は、バルブ、クラッチ、
ブレーキ、トルクコンバーターなどのコンパクトで電子
制御で作動する新しいアクチュエーターに長期間安定に
使用することが可能である。特に高精度の機械制御シス
テム系への展開に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:08 40:04 40:06 40:14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つのフレキシブルな分子鎖単位からな
    る重合体中に、複数個の液晶性基と、ニトリル基および
    ベンゼン骨格のいずれか一方または両方を少なくとも一
    つ以上含む非液晶性基とを同時に含んでなる化合物を含
    有する電気粘性流体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物であって、液晶性
    基および非液晶性基の合計の含有量が、フレキシブル分
    子鎖単位の総数に対して25〜80%である化合物
    (I)と、請求項1記載の化合物であって、液晶性基お
    よび非液晶性基の合計の含有量が、フレキシブル分子鎖
    単位の総数に対して5〜20%である化合物(II)と
    を同時に含有し、かつ化合物(I)と化合物(II)の
    混合割合が両者の合計重量100重量部に対して、化合
    物(I)が60〜90重量部、化合物(II)が40〜
    10重量部の範囲である電気粘性流体。
  3. 【請求項3】 フレキシブルな分子鎖単位が、シロキサ
    ン、オキシアルキレン、フルオロオキシアルキレンであ
    る請求項1又は2記載の電気粘性流体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004137250A (ja) * 2002-08-19 2004-05-13 Naotake Nakamura 液晶性化合物及びそれを用いた電気粘性流体

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JP2004137250A (ja) * 2002-08-19 2004-05-13 Naotake Nakamura 液晶性化合物及びそれを用いた電気粘性流体

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