JPH0987325A - メルカプト基含有重合体の製造方法 - Google Patents

メルカプト基含有重合体の製造方法

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JPH0987325A
JPH0987325A JP24481295A JP24481295A JPH0987325A JP H0987325 A JPH0987325 A JP H0987325A JP 24481295 A JP24481295 A JP 24481295A JP 24481295 A JP24481295 A JP 24481295A JP H0987325 A JPH0987325 A JP H0987325A
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polymer
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hydrosulfide
mercapto group
reaction
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JP24481295A
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Junichi Josa
淳一 帖佐
Jiro Iriguchi
治郎 入口
Yuichi Kita
裕一 喜多
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メルカプト基の置換率が比較的高く、各種溶
剤に可溶なメルカプト基含有重合体を容易に製造する方
法を提供する。 【解決手段】 クロル基が直接置換されているポリエチ
レン骨格を備えた重合体(A) 、例えば、塩化ビニルを含
む単量体を重合してなる重合体に、アルカリ金属の水硫
化物を反応させる。該反応においては、上記重合体(A)
および水硫化物を溶解する反応溶媒を用い、50℃〜 110
℃の範囲内で、重合体(A) が有するクロル基に対する割
合が60モル%〜 120モル%の範囲内の水硫化物を重合体
(A) 溶液に逐次添加する。得られたメルカプト基含有重
合体の赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、
メルカプト基に由来する特性吸収(2600cm-1〜2550c
m-1、700 cm-1〜600 cm-1)が認められた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロル基が直接置
換されているポリエチレン骨格を備えた重合体に、アル
カリ金属の水硫化物を反応させるメルカプト基含有重合
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、農芸化学会誌,第31
巻,第10号,p703-706,(1957)等に開示されているよう
に、メルカプト基含有重合体としてのポリビニルメルカ
プタンの製造方法が知られている。この製造方法では、
ポリ塩化ビニルと水硫化ナトリウムとを反応させること
により、該ポリ塩化ビニルが有するクロル基(−Cl)
を、メルカプト基(−SH)で置換(チオール化)して
いる。
【0003】また、例えば、特開昭54-87747号公報、特
開昭54-43953号公報等には、架橋構造を有するポリビニ
ルメルカプタンの製造方法が開示されている。これら製
造方法では、ポリ塩化ビニルと水硫化ナトリウムとを反
応させることにより、該ポリ塩化ビニルの主鎖を、スル
フィド結合等(−S−、−S−S−、等)によって架橋
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
農芸化学会誌に記載されている製造方法では、得られる
ポリビニルメルカプタンにおけるメルカプト基の置換率
が数%と比較的低い。また、特開昭54-87747号公報や、
特開昭54-43953号公報に開示されている製造方法では、
スルフィド結合等によってポリ塩化ビニルの主鎖を架橋
させることを反応の目的としており、従って、ポリ塩化
ビニルが有するクロル基を、メルカプト基で置換するの
に好適な反応条件等については考慮されていない。そし
て、該方法により得られるポリビニルメルカプタンの架
橋体は、その架橋構造により溶剤に不溶であり、ゲル化
するので、取り扱いが困難であり、用途が限られてい
る。
【0005】それゆえ、メルカプト基の置換率が比較的
高く、各種溶剤に可溶なポリビニルメルカプタンを容易
に製造する方法が求められている。本発明は、上記従来
の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、メル
カプト基の置換率が比較的高く、各種溶剤に可溶なメル
カプト基含有重合体を容易に製造する方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、クロル基が直接置換されているポリ
エチレン骨格を備えた重合体(A) 、例えば、塩化ビニル
を含む単量体を重合してなる重合体に、アルカリ金属の
水硫化物を反応させるメルカプト基含有重合体の製造方
法について鋭意検討した。その結果、上記重合体(A) お
よび水硫化物を溶解する反応溶媒を用い、50℃〜 110℃
の範囲内で、重合体(A) が有するクロル基に対する割合
が60モル%〜 120モル%の範囲内の水硫化物を重合体
(A) 溶液に逐次添加する方法によって、メルカプト基の
置換率が比較的高く、各種溶剤に可溶なメルカプト基含
有重合体を容易に製造することができることを見い出
し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明のメルカプト基含有重合体の
製造方法は、上記の課題を解決するために、クロル基が
直接置換されているポリエチレン骨格を備えた重合体
(A) に、アルカリ金属の水硫化物を反応させるメルカプ
ト基含有重合体の製造方法であって、上記重合体(A) お
よび水硫化物を溶解する反応溶媒を用い、50℃〜 110℃
の範囲内で、重合体(A) が有するクロル基に対する割合
が60モル%〜 120モル%の範囲内の水硫化物を重合体
(A) 溶液に逐次添加することを特徴としている。
【0008】上記の方法により、メルカプト基の置換率
が比較的高く、各種溶剤に可溶なメルカプト基含有重合
体を容易に製造することができる。つまり、上記の方法
によって得られるメルカプト基含有重合体は、従来公知
のメルカプト基含有重合体であるポリビニルメルカプタ
ンよりもメルカプト基を多く有し、かつ、架橋構造が少
ないので、各種溶剤に可溶となる。これにより、メルカ
プト基含有重合体は、例えば溶剤に溶解させた溶液の状
態で取り扱えるので、その取り扱い性が向上する。
【0009】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おいて、クロル基が直接置換されているポリエチレン骨
格を備えた重合体(A) とは、具体的には、例えば、塩化
ビニルおよび/または塩化ビニリデンを含む単量体を重
合してなる重合体、および、塩素化ポリエチレン等を示
す。そして、これら重合体のうち、塩化ビニルを含む単
量体を重合してなる重合体が特に好ましい。尚、以下の
説明においては、クロル基が直接置換されているポリエ
チレン骨格を備えた重合体(A) として、塩化ビニルを含
む単量体を重合してなる重合体を例に挙げることとす
る。
【0010】上記塩化ビニルを含む単量体(以下、単に
単量体と記す)とは、塩化ビニルのみ、塩化ビニ
ル、および、塩化ビニルとの共重合が可能なモノマーか
らなる混合物、を示す。つまり、上記の単量体を重合し
てなる重合体(以下、単に重合体と記す)とは、塩化ビ
ニルの単独重合体、および、塩化ビニルの共重合体を示
す。尚、以下の説明において、スルフィド結合含有基と
は、重合体の架橋部位、即ち、例えば、置換(チオール
化)されないクロル基(−Cl)とメルカプト基(−S
H)とが脱塩酸反応することにより形成されるスルフィ
ド結合(−S−)、ジスルフィド結合(−S−S−)等
を含有する二価基を示す。
【0011】塩化ビニルとの共重合が可能なモノマー
は、分子内にエチレン性の二重結合を一つ有する化合物
であればよく、特に限定されるものではない。該モノマ
ーとしては、具体的には、例えば、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これら
化合物は、一種類のみを塩化ビニルと共重合させてもよ
く、また、二種類以上を塩化ビニルと共重合させてもよ
い。上記例示の化合物のうち、酢酸ビニルが特に好まし
い。尚、塩化ビニルとの共重合が可能であっても、メル
カプト基と反応し得る官能基を有する化合物、特に、分
子内にエチレン性の二重結合を二つ以上有するブタジエ
ン、イソプレン、ジビニルベンゼン等の化合物は、本発
明におけるモノマーとして不適である。
【0012】重合体(A) が塩化ビニルの共重合体である
場合において、共重合体における塩化ビニルに由来する
構成単位の含有量、即ち、単量体中の塩化ビニルの割合
は、特に限定されるものではないが、20重量%以上がよ
り好ましく、30重量%以上がさらに好ましい。
【0013】単量体の重合方法、即ち、重合体(A) の製
造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種
々の製造方法を採用することができる。上記重合体(A)
の分子量は、特に限定されるものではないが、5,000 〜
3,000,000 の範囲内が好ましく、10,000〜1,000,000 の
範囲内がより好ましい。
【0014】本発明にかかるメルカプト基含有重合体の
製造方法においては、重合体(A) に、アルカリ金属の水
硫化物(以下、単に水硫化物と記す)を反応させる。上
記の水硫化物としては、具体的には、例えば、水硫化ナ
トリウム、水硫化カリウム等が挙げられる。このうち、
水硫化ナトリウムがより好ましい。重合体(A) に対する
水硫化物の使用量は、重合体(A) が有するクロル基に対
して、 0.6当量〜 1.2当量の範囲内となる量、即
ち、60モル%〜 120モル%の範囲内となる量が好まし
く、80モル%〜 100モル%の範囲内となる量がより好ま
しい。
【0015】水硫化物を重合体(A) に混合する際には、
重合体(A) を溶媒に溶解させてなる溶液(重合体(A) 溶
液)に、水硫化物を逐次添加する方法が好ましい。水硫
化物を逐次添加することにより、スルフィド結合含有基
の形成を抑制することができる。また、逐次添加する方
法のうち、水硫化物を溶媒に溶解させてなる溶液を逐次
滴下する方法が特に好ましい。さらに、水硫化物の添加
に要する時間は、水硫化物の使用量等にもよるが、 0.5
時間〜10時間程度が好適であり、1時間〜3時間程度が
特に好適である。このように比較的時間をかけて水硫化
物を逐次添加することにより、スルフィド結合含有基の
形成をより一層抑制することができる。
【0016】上記の溶媒は、重合体(A) および/または
水硫化物を溶解させることができ、かつ、置換反応に対
して不活性な化合物であればよく、特に限定されるもの
ではない。溶媒としては、具体的には、例えば、重合
体(A) および水硫化物を溶解させることができる化合物
(以下、溶媒と称する)、例えばN,N-ジメチルホルム
アミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホ
キシド類等;重合体(A) を溶解させることができる化
合物(以下、溶媒と称する)、例えばメチルエチルケ
トンやメチルプロピルケトン等のケトン類、酢酸メチル
や酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリルやベンゾ
ニトリル等のニトリル類等;水硫化物を溶解させるこ
とができる化合物(以下、溶媒と称する)、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール等のアルコール
類;が挙げられる。
【0017】そして、反応に好適な溶媒の組み合わせ、
即ち、本発明における、重合体(A)および水硫化物を溶
解する反応溶媒とは、溶媒単独、溶媒と溶媒との
混合物、溶媒と溶媒との混合物、溶媒と溶媒と
の混合物、および、溶媒と溶媒と溶媒との混合物
を示す。これら組み合わせのうち、溶媒単独がさらに
好ましい。また、溶媒のうち、N,N-ジメチルホルムア
ミドが特に好ましい。尚、溶媒、溶媒および溶媒
において、同一の群に含まれる化合物は、一種類のみを
用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いて
もよい。
【0018】反応溶媒の使用量は、特に限定されるもの
ではないが、重合体(A) に対して 0.5重量倍〜20重量倍
の範囲内となる量がより好ましく、2重量倍〜10重量倍
の範囲内となる量がさらに好ましい。反応溶媒の使用量
が 0.5重量倍よりも少ないと、重合体(A) を完全に溶解
させることができなくなるおそれがある。また、反応溶
媒の使用量を20重量倍より多くしても、上記の範囲内と
なる量を使用した場合と比較して、効果が殆ど変わらな
い。
【0019】反応温度は、50℃〜 110℃の範囲内が好ま
しく、70℃〜 100℃の範囲内がより好ましい。重合体
(A) と水硫化物とを上記の反応温度で反応させることに
より、重合体(A) が有するクロル基がメルカプト基に置
換され、本発明にかかるメルカプト基含有重合体が生成
すると共に、アルカリ金属塩化物が副生する。反応温度
が50℃よりも低いと、反応の進行が遅くなり、メルカプ
ト基含有重合体を効率的に得ることができなくなるので
好ましくない。また、反応温度が 110℃よりも高いと、
架橋反応が進行し、得られるメルカプト基含有重合体が
架橋構造を有して反応溶媒に不溶となり、ゲル化するの
で好ましくない。
【0020】反応時間は、例えば、重合体(A) 、水硫化
物および反応溶媒等の種類や組み合わせ、使用量、水硫
化物の逐次添加に要する時間、反応温度等に応じて、適
宜設定すればよい。従って、反応時間は、特に限定され
るものではない。また、反応圧力は、特に限定されるも
のではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであっ
てもよい。尚、上記の反応においては、従来公知の酸化
防止剤を必要に応じて用いることができる。また、上記
の反応は、触媒を必要としない。
【0021】上記の置換反応により、例えば、置換反応
に寄与しなかったクロル基、即ち、置換されないクロル
基に対するメルカプト基の比(メルカプト基/クロル
基)が1.5以上、より好ましくは 4.0以上、特に好まし
くは 9.0以上であり、かつ、置換されないクロル基に対
するスルフィド結合含有基の比(スルフィド結合含有基
/クロル基)が7以下、より好ましくは5以下、特に好
ましくは3以下のメルカプト基含有重合体を製造するこ
とができる。或いは、上記の置換反応により、反応前の
重合体(A) が有するクロル基に対するメルカプト基の置
換率が60%以上、より好ましくは80%以上、特に好まし
くは90%以上であり、かつ、反応前の重合体(A) が有す
るクロル基に対するスルフィド結合含有基の置換率が30
%以下、より好ましくは20%以下、特に好ましくは10%
以下のメルカプト基含有重合体を製造することができ
る。尚、メルカプト基含有重合体における置換されない
クロル基に対するメルカプト基の比、或いは、メルカプ
ト基の置換率は、特に限定されるものではない。また、
メルカプト基含有重合体における置換されないクロル基
に対するスルフィド結合含有基の比、或いは、スルフィ
ド結合含有基の置換率は、特に限定されるものではな
い。
【0022】上記の製造方法により得られるメルカプト
基含有重合体は、メルカプト基を比較的多く有し、か
つ、架橋構造が比較的少ないので、前記したN,N-ジメチ
ルホルムアミド等の各種溶剤に可溶となる。これによ
り、メルカプト基含有重合体は、例えば溶剤に溶解させ
た溶液の状態で取り扱えるので、その取り扱い性が向上
する。該メルカプト基含有重合体は、例えば、キレート
剤、エポキシ樹脂やポリエン樹脂等のポリマーの架橋
剤、ポリマーの改質剤、繊維処理剤等の広範囲の用途に
供することができる。尚、上記のポリエン樹脂として
は、例えば、ブタジエン系ポリマー、アリルアルコール
のエステル化物若しくはエーテル化物のポリマー等が挙
げられる。
【0023】また、上記構成のメルカプト基含有重合体
は、水に不溶である。このため、適当な溶剤に溶解させ
たメルカプト基含有重合体を多量の水中に投入し、析出
させることにより、容易に単離・精製することができ
る。
【0024】以上のように、本発明にかかるメルカプト
基含有重合体の製造方法は、クロル基が直接置換されて
いるポリエチレン骨格を備えた重合体(A) 、例えば、塩
化ビニルを含む単量体を重合してなる重合体に、アルカ
リ金属の水硫化物を反応させるメルカプト基含有重合体
の製造方法であって、上記重合体(A) および水硫化物を
溶解する反応溶媒を用い、50℃〜 110℃の範囲内で、重
合体(A) が有するクロル基に対する割合が60モル%〜 1
20モル%の範囲内の水硫化物を重合体(A) 溶液に逐次添
加する方法である。
【0025】上記の方法によれば、メルカプト基の置換
率が比較的高く、各種溶剤に可溶なメルカプト基含有重
合体を容易に製造することができる。つまり、上記の方
法によって得られるメルカプト基含有重合体は、従来公
知のメルカプト基含有重合体であるポリビニルメルカプ
タンよりもメルカプト基を多く有し、かつ、架橋構造が
少ないので、各種溶剤に可溶となる。これにより、メル
カプト基含有重合体は、例えば溶剤に溶解させた溶液の
状態で取り扱えるので、その取り扱い性が向上する。該
メルカプト基含有重合体は、例えば、キレート剤、架橋
剤、ポリマーの改質剤、繊維処理剤等の広範囲の用途に
供することができる。尚、上記の説明においては、クロ
ル基が直接置換されているポリエチレン骨格を備えた重
合体(A)として、塩化ビニルを含む単量体を重合してな
る重合体を例に挙げたが、クロル基が直接置換されてい
るポリエチレン骨格を備えた重合体(A) は、上記例示の
重合体にのみ限定されるものではない。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0027】〔実施例1〕温度計、滴下ロート、還流冷
却器、窒素ガス導入管および攪拌機を備えた容量500ml
の四ツ口フラスコ(反応器)に、重合体(A) としての塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル:酢酸ビニ
ル=68:32(重量比);電気化学工業株式会社製,商品
名 デンカ#1000D)10g、反応溶媒としてのN,N-
ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す) 100g、
および、酸化防止剤(日本チバガイギー株式会社製,商
品名 Irganox1010)40mgを仕込んだ後、フ
ラスコ内を窒素ガス置換した。
【0028】一方、滴下ロートに、水硫化物としての水
硫化ナトリウム(キシダ化学株式会社製,純度70%)8.
28g(0.1033モル)をDMF 100gに溶解してなる溶液
を入れた後、該滴下ロート内を30分間かけて窒素ガス置
換した。上記水硫化ナトリウムは、重合体が有するクロ
ル基に対する割合が95モル%となるようにした。
【0029】次に、フラスコ内の混合物を窒素気流下で
攪拌しながら内温が85℃になるまで加熱し、85℃に達し
た後、滴下ロート内の溶液を3時間かけて逐次滴下し
た。滴下終了後、窒素気流下で反応液を85℃でさらに2
時間攪拌して、反応(熟成)させた。
【0030】上記の反応はほぼ定量的に進行し、反応液
は黄色懸濁液となった。そして、反応終了後、攪拌を停
止すると、反応液中に分散していた物質は沈殿し、該反
応液は淡褐色透明となった。
【0031】次いで、反応液を室温まで冷却した後、沈
殿物を濾過した。そして、減圧下で加熱することによ
り、該沈殿物に含まれる反応溶媒を除去した。これによ
り、乾燥した沈殿物 5.7gを得た。以上のようにして得
た沈殿物を蛍光エックス線により分析した結果、該沈殿
物が塩化ナトリウムであることを確認した。また、塩化
ナトリウムは 0.098モル生成しており、仕込んだ水硫化
ナトリウムに対する割合は、95モル%であった。
【0032】一方、沈殿物である塩化ナトリウムを濾過
した後の濾液を、2000mlの水中に投じて反応生成物を析
出させた。析出した反応生成物を水で2回洗浄した後、
50℃で減圧乾燥した。これにより、白色粉末状のポリマ
ー 9.7gを得た。
【0033】以上のようにして得たポリマーについて、
赤外吸収スペクトル(IR)を測定した。その結果、図
1に示すように、メルカプト基に由来する特性吸収(26
00cm-1〜2550cm-1、700 cm-1〜600 cm-1)が認められ、
上記のポリマーがメルカプト基を含有していることを確
認した。そして、該ポリマーについて、元素分析を行な
い、各元素の含有量を算出した。その結果、ポリマー1
g中に、メルカプト基が95ミリモル含まれると共に、置
換されないクロル基が11ミリモル含まれていることがわ
かった。つまり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が有
するクロル基がメルカプト基に置換されたことを確認
し、これにより、本発明にかかるメルカプト基含有重合
体が得られたことがわかった。
【0034】〔実施例2〕温度計、滴下ロート、還流冷
却器、窒素ガス導入管および攪拌機を備えた容量500ml
の四ツ口フラスコ(反応器)に、重合体(A) としての塩
化ビニル単独重合体(重量平均分子量 (Mw) 31,000;日
本ゼオン株式会社製,商品名 RZ55)10g(0.1600
モル)、DMF 100g、および、酸化防止剤(日本チバ
ガイギー株式会社製,商品名 Irganox101
0)40mgを仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガス置換し
た。
【0035】一方、滴下ロートに、水硫化ナトリウム
(キシダ化学株式会社製,純度70%)12.18g(0.1520
モル)をDMF 100gに溶解してなる溶液を入れた後、
該滴下ロート内を30分間かけて窒素ガス置換した。上記
水硫化ナトリウムは、重合体が有するクロル基に対する
割合が95モル%となるようにした。次いで、実施例1と
同様の反応および操作を行うことにより、乾燥した沈殿
物 8.6gと、白色粉末状のポリマー 9.6gとを得た。
【0036】上記の沈殿物を蛍光エックス線により分析
した結果、該沈殿物が塩化ナトリウムであることを確認
した。また、塩化ナトリウムは 0.147モル生成してお
り、仕込んだ水硫化ナトリウムに対する割合は、97モル
%であった。
【0037】一方、上記のポリマーについて、赤外吸収
スペクトル(IR)を測定した。その結果、図2に示す
ように、メルカプト基に由来する特性吸収が認められ、
上記のポリマーがメルカプト基を含有していることを確
認した。そして、該ポリマーについて、元素分析を行な
い、各元素の含有量を算出した。その結果、ポリマー1
g中に、メルカプト基が 145ミリモル含まれると共に、
置換されないクロル基が11ミリモル含まれていることが
わかった。つまり、塩化ビニル単独重合体が有するクロ
ル基がメルカプト基に置換されたことを確認し、これに
より、本発明にかかるメルカプト基含有重合体が得られ
たことがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明のメルカプト基含有重合体の製造
方法は、以上のように、クロル基が直接置換されている
ポリエチレン骨格を備えた重合体(A) に、アルカリ金属
の水硫化物を反応させるメルカプト基含有重合体の製造
方法であって、上記重合体(A)および水硫化物を溶解す
る反応溶媒を用い、50℃〜 110℃の範囲内で、重合体
(A) が有するクロル基に対する割合が60モル%〜 120モ
ル%の範囲内の水硫化物を重合体(A) 溶液に逐次添加す
る方法である。
【0039】これにより、メルカプト基の置換率が比較
的高く、各種溶剤に可溶なメルカプト基含有重合体を容
易に製造することができるという効果を奏する。つま
り、上記の方法によって得られるメルカプト基含有重合
体は、従来公知のメルカプト基含有重合体であるポリビ
ニルメルカプタンよりもメルカプト基を多く有し、か
つ、架橋構造が少ないので、各種溶剤に可溶となる。従
って、メルカプト基含有重合体は、例えば溶剤に溶解さ
せた溶液の状態で取り扱えるので、その取り扱い性が向
上する。該メルカプト基含有重合体は、例えば、キレー
ト剤、架橋剤、ポリマーの改質剤、繊維処理剤等の広範
囲の用途に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において得られたメルカプト
基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャートである。
【図2】本発明の他の実施例において得られたメルカプ
ト基含有重合体の赤外吸収スペクトルのチャートであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロル基が直接置換されているポリエチレ
    ン骨格を備えた重合体(A) に、アルカリ金属の水硫化物
    を反応させるメルカプト基含有重合体の製造方法であっ
    て、 上記重合体(A) および水硫化物を溶解する反応溶媒を用
    い、50℃〜 110℃の範囲内で、重合体(A) が有するクロ
    ル基に対する割合が60モル%〜 120モル%の範囲内の水
    硫化物を重合体(A) 溶液に逐次添加することを特徴とす
    るメルカプト基含有重合体の製造方法。
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