JPH10140091A - 2−シアノアクリレート系接着剤組成物 - Google Patents

2−シアノアクリレート系接着剤組成物

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JPH10140091A
JPH10140091A JP31013696A JP31013696A JPH10140091A JP H10140091 A JPH10140091 A JP H10140091A JP 31013696 A JP31013696 A JP 31013696A JP 31013696 A JP31013696 A JP 31013696A JP H10140091 A JPH10140091 A JP H10140091A
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acid
cyanoacrylate
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curing accelerator
acid content
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JP31013696A
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Yoshiharu Ohashi
吉春 大橋
Naohito Kakishita
直仁 柿下
Yoshiaki Matsushima
良明 松島
Shin Takahashi
伸 高橋
Mitsuyoshi Sato
三善 佐藤
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙、木材、皮革等の多孔質材料、ポリアセタ
ール等の高結晶化樹脂を含む各種材料に対して、優れた
速硬化性及び接着強度を示す2−シアノアクリレート系
接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の接着剤組成物は、2-シアノアク
リレートを主成分とする組成物であって、その酸分が
0.30×10-6グラム当量数/g以下であることを特徴
とする。さらにクラウンエーテル化系硬化促進剤又はポ
リアルキレンオキサイド系硬化促進剤を併用することに
より、より優れた接着剤となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた速硬化性及
び接着強度を示す2-シアノアクリレート系接着剤組成物
に関する。本発明の接着剤組成物は、工業用、医療用、
家庭用等の分野において、紙、木材、皮革等の多孔質材
料、ポリアセタール等の高結晶化樹脂及びその他の各種
被着体の接着等に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】2-シアノアクリレート系接着剤は、主成
分である2-シアノアクリレートのもつ特異なアニオン重
合性により、被着体表面に付着するわずかな水分等のよ
うな微弱なアニオンによって重合を開始し、各種材料を
短時間で強固に接着することができるものである。この
ため、いわゆる瞬間接着剤として工業用、医療用、家庭
用等の分野において広く用いられている。
【0003】しかし、この2-シアノアクリレート系接着
剤も、被着体が紙、木材、皮革等の酸性の材質であるう
えに多孔質なものであると、被着体の表面での接着剤組
成物の硬化速度が不十分であり、またそれに起因して接
着剤組成物が被着体内部に染み込んでしまうため接着強
度が低下するという問題点を有している。すなわち、そ
の様な被着体においては、従来の2-シアノアクリレート
系接着剤では十分な速硬化性及び接着強度を得ることは
困難であった。また、ポリアセタール等の高結晶化樹脂
も、速硬化性及び接着強度の点において、従来の2-シア
ノアクリレート系接着剤では接着が困難な材料であっ
た。
【0004】上記の問題のうち、酸性材料の接着におけ
る速硬化性を向上させるために、2-シアノアクリレート
系接着剤組成物中に各種の硬化促進剤を配合することが
提案されている。例えば、特開昭53-129231号公報には
クラウンエーテル類を、特開昭54-28342号公報にはポリ
アルキレングリコール類をそれぞれ硬化促進剤として配
合した接着剤組成物が開示されている。
【0005】しかし、上記の硬化促進剤を配合した接着
剤組成物も、酸性で且つ多孔質の材料、すなわち紙、木
材、皮革等の接着においては速硬化性がまだ不十分であ
り、従って接着剤組成物が被着体内部へ染み込みやすく
接着強度が不足しやすいものであった。さらに硬化促進
剤の配合量を増すことにより速硬化性をある程度高める
ことは可能であるが、この場合には組成物の保存安定性
が著しく低下するという問題がある。また、この硬化促
進剤の配合は、ポリアセタール等の高結晶化樹脂に対す
る接着強度向上に対してはあまり効果のないものであっ
た。
【0006】一方、2-シアノアクリレート系接着剤組成
物中の不純物を低減することにより、被着体を問わず接
着強度が高くなること、及び接着剤組成物の保存安定性
が向上することが知られている。しかし、ある程度以上
に高純度化することは製造装置等の面から困難であり、
また所望の接着強度及び速硬化性が得られる以上に高純
度化することは製造コスト等の面で不利である。このた
め、接着剤組成物中の不純物のうち接着強度及び速硬化
性に重大な影響を及ぼす成分の量を定量的に測定して数
値化し、この数値により製品管理を行うことが望まし
い。しかし、この「重大な影響を及ぼす成分」について
は未だ解明されておらず、当然のことながら定量方法も
明らかにはされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接着
剤組成物中の不純物のうち接着強度及び速硬化性に重大
な影響を及ぼす成分の種類及び量を把握し、その量をコ
ントロールすることにより、紙、木材、皮革等の多孔質
材料、ポリアセタール等の高結晶化樹脂及びその他の各
種材料に対して、優れた速硬化性及び接着強度を示す2
−シアノアクリレート系接着剤組成物を得ることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2-シアノ
アクリレート系接着剤組成物、特に2-シアノアクリレー
トと前記クラウンエーテル系硬化促進剤又はポリアルキ
レンオキサイド系硬化促進剤とを含有する接着剤組成物
中に存在する、各種微量成分の測定方法を検討し確立し
て、それらの量を測定したところ、組成物中に存在する
微量の酸分、特に特定の方法で測定される酸分が、接着
剤の性能に大きな影響を及ぼすことを見出し、その酸分
を一定値以下に抑えることにより、優れた速硬化性及び
接着強度を示す接着剤が得られることを見出して、本発
明を完成したのである。
【0009】即ち、請求項1記載の発明は、2-シアノア
クリレートを主成分とし酸分が0.30×10-6グラム
当量数/g以下であることを特徴とする2-シアノアクリレ
ート系接着剤組成物に関するものであり、請求項2記載
の発明は、2-シアノアクリレートを主成分とし硬化促進
剤が共存し酸分が0.30×10-6グラム当量数/g以下
であることを特徴とする2-シアノアクリレート系接着剤
組成物に関するものであり、請求項3記載の発明は、2-
シアノアクリレートを主成分としクラウンエーテル系硬
化促進剤又はポリアルキレンオキサイド系硬化促進剤が
共存し酸分が0.30×10-6グラム当量数/g以下であ
ることを特徴とする2-シアノアクリレート系接着剤組成
物に関するものである。更に、請求項4記載及び請求項
5記載の発明は、酸分の測定が特定の方法で行われる請
求項1、請求項2又は請求項3記載の発明に関するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】
〇2-シアノアクリレート 本発明は2-シアノアクリレート系接着剤組成物に関する
ものであり、その主成分は2-シアノアクリレートであ
る。本発明に用いられる2-シアノアクリレートの具体例
としては、2-シアノアクリル酸のメチル、エチル、クロ
ロエチル、n-プロピル、i-プロピル、アリル、プロパギ
ル、n-ブチル、i-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シ
クロヘキシル、フェニル、テトラヒドロフルフリル、ヘ
プチル、2-エチルヘキシル、n-オクチル、n-ノニル、オ
キソノニル、n-デシル、n-ドデシル、2-エトキシエチ
ル、3-メトキシブチル、2-エトキシ-2-エトキシエチ
ル、ブトキシ-エトキシ-エチル、2,2,2-トリフルオロエ
チル、ヘキサフルオロイソプロピル等のエステルが挙げ
られる。また、2-シアノアクリレートモノマーとして
は、上記の一種のみに限られず二種以上を混合すること
も可能である。
【0011】〇酸分 本発明者らは、2-シアノアクリレート系接着剤組成物中
に存在する各種不純分のうち、2-シアノアクリレートの
加水分解等により生じ得る2-シアノアクリル酸、2-シア
ノアクリレートの製造の際に用いられる原料の一つであ
るシアノアセテートが2-シアノアクリレートの製造段階
又は精製段階においての加水分解により生じ得るシアノ
酢酸、及びアニオン重合防止剤に由来するその他の酸性
成分等に注目し、それらの測定方法を確立し、2-シアノ
アクリレート系接着剤組成物中に存在する酸分量、特に
特定の方法で検知し得る酸分量を0.30×10-6グラ
ム当量数/g以下に抑えることにより、2-シアノアクリレ
ート系接着剤の速硬化性を著しく向上させ、且つポリア
セタール等の高結晶化樹脂等に対する接着強度をも向上
させたのである。
【0012】〇酸分の測定方法 本発明において、微量の酸分を正確に測定するために、
測定時の高温により2-シアノアクリル酸等を分解させる
恐れがあるガスクロマトグラフィーによる分析は避け、
中和滴定による方法を採用するものであり、さらに接着
剤の特性を阻害する酸成分のみを正確に把握するため
に、特定の変色範囲、すなわちpH4.5〜5.0に変色
範囲を有する指示薬、特にはブロモフェノールブルーを
用いて中和滴定して求めるものである。中和滴定の精度
を上げるためには、接着剤組成物に水を添加する必要が
あり、組成物1gあたり蒸留水0.3〜5mlを用い、水に
よる2-シアノアクリレートの重合を抑えるためにアセト
ンやメチルエチルケトン等の有機溶剤を10〜200ml
用いることが必要である。中和滴定の指示薬としては、
本発明の目的を良好に達成するためには、pH4.5〜
5.0の変色範囲を有する指示薬、具体的にはブロモフ
ェノールブルー、2,4-ジニトロフェノール、メチルイエ
ロー等を用いるのが好ましく、特にブロモフェノールブ
ルーを用いるのが良い。中和滴定に用いるアルカリとし
ては、NaOH又はKOH水溶液等の強塩基水溶液が用
いられ、その濃度としては1/10〜1/1000規定
のものが用いられる。以下の実施例における酸分の測定
は、接着剤組成物3gをアセトン90mlで希釈した後に
蒸留水3mlを加えた後、指示薬としてブロモフェノール
ブルーを用い1/100規定のNaOH水溶液によって
中和滴定するという方法により行ったものである。
【0013】〇酸分量 本発明の接着剤組成物においては、酸分、特に上記方法
により測定される酸分を0.30×10-6グラム当量数/
g以下、好ましくは0.25×10-6グラム当量数/g以
下、より好ましくは0.21×10-6グラム当量数/g以
下とするものである。酸分が0.30×10-6グラム当
量数/g以下である接着剤組成物は、酸分が0.30×1
-6グラム当量数/gを超えるものに比べて著しく速い硬
化性を示すのである。酸分の下限は特に限定されない
が、必要以上に酸分を減らすと製造コストが増大したり
組成物の保存安定性が低下したりする場合があるので、
酸分を好ましくは0.01×10-6グラム当量数/g以
上、より好ましくは0.05×10-6グラム当量数/g以
上、特に好ましくは0.1×10-6グラム当量数/g以上
とすることが望ましい。接着剤組成物の酸分を低減する
具体的な方法は特に限定されず、各種の製造方法により
得られた組成物の酸分を蒸留等により所定値以下にすれ
ばよく、2−シアノアクリレートの製造時において、単
に不純物の総量が少なくなる条件を選択するのではな
く、この酸分を選択基準として蒸留条件を改良する方法
等が挙げられる。
【0014】〇硬化促進剤 本発明の目的を効果的に達成するためには、2-シアノア
クリレートに加えてクラウンエーテル系硬化促進剤又
はポリアルキレンオキサイド系硬化促進剤から選択さ
れた一種又は二種以上の硬化促進剤を用いることが好ま
しい。上記硬化促進剤について以下に詳しく説明する。
【0015】クラウンエーテル系硬化促進剤 クラウンエーテル系硬化促進剤は、例えば特開昭53-129
231号、特開平5-331422号公報において2-シアノアクリ
レート系接着剤のアニオン重合促進剤として開示されて
いる様に公知のものであり、クラウンエーテルの酸素原
子は、環の内側に配列してその中央部又はその上下に金
属イオン又は有機イオンを配位結合によりとり込む性質
を有するものである。最も典型的なクラウンエーテルは
18-クラウン-6(エチレンオキシドの環状6量体)であ
る。ここで、18は環の員数を示し、6は酸素の員数を
示す。代表的なクラウンエーテル化合物とその構造は、
James J Christensen, Delbert J Eatough, Reed M Iza
tt らによる総説(Cemical Reviews 1974, Vol.74, No.
3, P351〜384)に示されている。本発明においては、こ
れらの化合物がすべて使用できるほか、これらの他に
も、大環状ポリエーテル構造を有する化合物であって金
属イオンや有機イオンを選択的にとり込み得る構造のい
わゆるクラウン化合物であれば使用可能である。
【0016】更に、クラウンエーテル類の酸素を、窒
素、硫黄、りん、硼素等により一部又は全部置換した化
合物、例えばジチア-15-クラウン等も、本発明の硬化促
進剤として使用できる。また、クラウンエーテルのエチ
レン基の部分は必ずしもエチレン基のみに限られず、例
えばベンゾ基、シクロヘキシル基、デカリル基、ナフト
基、メチルベンゾ基、ブチルベンゾ基、ビニルベンゾ
基、ブチルシクロヘキシル基、オキシシクロヘキサン
基、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、
ペンタメチレン基等によってその一部が置換されていて
もよいし、或いはエチレン基の水素の一部がメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、アセチル基、フェニ
ル基、オキシゲン基、フルオロ基等によって置換された
類縁体であってもよい。
【0017】ポリアルキレンオキサイド系硬化促進剤 本発明において、ポリアルキレンオキサイド系硬化促進
剤としては、2-シアノアクリレート系接着剤のアニオン
重合促進剤として公知の各種のポリアルキレンオキサイ
ド及びその誘導体を用いることができる。例えば、特公
昭60-26513号公報、特公平1-43790号公報、特開昭63-12
8088号公報、特開平3-167279号公報に開示されているポ
リアルキレンオキサイド及びその誘導体はすべて使用可
能である。その具体例としては次のようなものが挙げら
れる。
【0018】〔ポリアルキレンオキサイド〕ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリ1,3-プロピレングリコール、ポリトリ
メチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリ
エピクロルヒドリン、ポリ3,3-ビス(クロロメチル)ブチ
レンオキサイド、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、ポリ1,3-ジオキソラン、ポリ2,2-ビス(クロロメチ
ル)プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロ
ピレンオキサイドブロックポリマー、ジグリセリン、ト
リグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリン、
ホルムアルデヒド縮合体、アセトアルデヒド縮合体、ト
リオキサン重合体等。また、ポリエーテル型ウレタン硬
化用ポリオールとして市販されている各種のポリアルキ
レンオキサイドも本発明の硬化促進剤として使用可能で
ある。
【0019】〔ポリアルキレンオキサイド誘導体〕代表
的なポリアルキレンオキサイド誘導体としては、上記ポ
リアルキレンオキサイドと酸とのエステル、上記ポリア
ルキレンオキサイドとヒドロキシ基含有化合物とのエー
テル等が挙げられ、それらが好ましく用いられる。ま
た、特開平4-248886号公報に開示されている化合物、例
えばイソシアナートエチルメタクリレートとポリエチレ
ングリコールとの反応生成物等のポリアルキレンオキサ
イド誘導体も、本発明の硬化促進剤として好適に使用さ
れる。更に、それらに限定されることなく、分子末端に
種々の置換基を有するもの、ポリアルキレンオキサイド
の内部に他の結合部を有するもの等、分子内部にポリア
ルキレンオキサイド構造を有するものであれば本発明の
硬化促進剤として使用可能である。
【0020】上記エステルを構成しうる酸としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペン
タノイック酸、n-ヘキサノイック酸、2-メチルペンタノ
イック酸、n-オクタノイック酸、n-デカノイック酸、ラ
ウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
シクロヘキシルカルボン酸、シクロペンチルカルボン
酸、シクロプロピルカルボン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ナフテン酸、安息香
酸、β-ナフチルカルボン酸、p-トルエンカルボン酸、
フランカルボン酸、p-クロル安息香酸、モノクロル酢
酸、シアノ酢酸、グリコール酸、乳酸、フェニルオキシ
プロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セ
バチン酸、ブタンテトラカルボン酸、アコニット酸、プ
ロパン-1,2,3-トリカルボン酸、クエン酸、オルソフタ
ル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸
等を挙げることができ、これらのなかでは非アニオン重
合性の酸がセットタイム短縮、ゲル化防止の点等から好
ましい。
【0021】そして、ポリアルキレンオキサイド誘導体
としてのエステルの具体例としては、例えば以下のもの
が挙げられる。 [1] ポリエチレングリコールモノアルキルエステル、ポ
リエチレングリコールジアルキルエステル、ポリプロピ
レングリコールジアルキルエステル等(例えばアセテー
ト、トリフルオロアセテート、ラウレート、ステアレー
ト、オレート、メタクリレート等のエステル)。 [2] ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、アジピン酸、トリメリ
ット酸、イソシアネート化合物、リン酸、ケイ酸の、ポ
リアルキレンオキサイド付加物等(アルキレンとして
は、例えばエチレン、プロピレン等)。 [3] ポリオキシエチレンソルビタンエステル、テトラオ
レイン酸−ポリオキシエチレンソルビット、(ポリオキ
シアルキレン)ポリシラレート、(ポリオキシアルキレ
ン)ポリホスフェート等(アルキレンとしては、例えばエ
チレン、プロピレン等)。
【0022】また、上記エーテルを構成しうるヒドロキ
シ基含有化合物としては、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソブタノール、ヘキサノール、シクロヘ
キサノール、2-エチルオクタノール、デカノール、ラウ
リルアルコール、セシルアルコール、ステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール、フェノール、α-ナフトー
ル、β-ナフトール、クレゾール、t-ブチルフェノー
ル、オクチルフェノール、ノニルフェノール、p-クロロ
フェノール、レゾール、ビスフェノールA、2-クロロエ
タノール、エチレンシアンヒドリン、トリフルオロエタ
ノール、ベンジルアルコール、1,4-ブタンジオール、1,
6-ヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール、水添
ビスフェノールA、トリメチロールプロパン等を挙げる
ことができ、これらのなかでは非アニオン重合性のヒド
ロキシ基含有化合物がセットタイム短縮、ゲル化防止の
点等から好ましい。
【0023】そして、ポリアルキレンオキサイド誘導体
としてのエ−テルの具体例としては、例えば以下のもの
が挙げられる。 [1] ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエ
チレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレング
リコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコー
ルジアルキルエーテル等(アルキルとしては例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等)。 [2] ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポ
リエチレングリコールジアルキルエーテル等(アルキル
としては例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ラ
ウリル、セシル、ステアリル、オレイル等);ポリプロ
ピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジアルキルエーテル等(アルキルとしては
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ラウリル、
セシル、ステアリル、オレイル、パーフルオロアルキル
等)。 [3] ポリエチレングリコールモノアリールエーテル、ポ
リエチレングリコールジアリールエーテル等(アリール
としては例えばオクチルフェニル、ノニルフェニル
等)。
【0024】これらのポリアルキレンオキサイド及びそ
の誘導体の分子量は、100〜10000の範囲である
ことが好ましい。これは、分子量100未満のものは硬
化促進効果が少なく、また分子量が10000を超える
と2−シアノクリレートに溶解し難くなり硬化促進効果
が低下するためである。
【0025】本発明の接着剤組成物における硬化促進剤
の好ましい添加量は、上記の硬化促進剤を用いる場合
には0.001〜1%(より好ましくは0.01〜0.1
%)、上記の硬化促進剤を用いる場合には0.01〜
10%(より好ましくは0.1〜1%)である。硬化促進
剤の添加量が上記範囲未満では速硬化性が不十分となる
場合があり、また添加量が上記範囲を超えると組成物の
保存安定性が低下する恐れがあるためである。
【0026】本発明の接着剤組成物は、上記の必須成分
の他に、アニオン重合防止剤、ラジカル重合防止剤、増
粘剤、その他、可塑剤、熱安定剤、香料、染料、顔料等
の添加剤等を含有することができる。
【0027】アニオン重合防止剤は、保存容器中の水分
等により接着剤組成物がアニオン重合することを防止す
る目的で添加されるものであり、二酸化イオウ、芳香族
スルホン酸、脂肪族スルホン酸、サルトン酸、炭酸ガス
等が用いられる。このアニオン重合防止剤を使用する場
合の添加量は、酸分が所定の値を超えない範囲で用いら
れ、接着剤組成物に対して1ppm〜500ppm(好ましく
は5ppm〜100ppm)とすることが好ましい。添加量が
500ppmを超えると組成物の速硬化性が低下しやす
く、また添加量が1ppm未満では組成物の保存安定性が
低下する恐れがあるためである。
【0028】ラジカル重合防止剤は、保存中の光などに
よって2-シアノアクリレートモノマーがラジカル重合す
ることを防止する目的で添加されるものであり、ハイド
ロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が用い
られる。このラジカル重合防止剤を使用する場合の添加
量は、酸分が所定の値を超えない範囲で用いられ、通常
は接着剤組成物に対して1ppm〜5000ppm(好ましく
は100ppm〜3000ppm)とすることが好ましい。
【0029】増粘剤は、通常数センチポイズ程度の低粘
度である2-シアノアクリレートモノマーの粘度を増加さ
せる目的で添加されるものであり、ポリメチルメタクリ
レート、メタクリル系共重合体、アクリルゴム、セルロ
ーズ誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリ2-シアノアクリレー
ト等が使用される。更に、必要に応じて疎水性シリカ、
親水性シリカ等のチキソトロピー付与剤を適宜添加して
もよい。
【0030】
【作用】本発明の組成物は、酸分が0.28×10-6
ラム当量数/g以下であることにより、通常の被着体のみ
ならず酸性表面を有する被着体の接着においても、硬化
促進剤による硬化促進効果が著しく助長される。即ち、
同量の硬化促進剤を含み酸分が0.30×10-6グラム
当量数/gを超える接着剤組成物に比べて、酸分が0.3
0×10-6グラム当量数/g以下である本発明の組成物は
著しく速硬化性が良好である。本発明の組成物はこのよ
うに優れた速硬化性を有するので、紙、木材、皮革等の
酸性で且つ多孔質の材料の接着においても、接着剤組成
物が材料に染み込み過ぎる前に接着する(即ち、組成物
を硬化させる)ことができる等の理由から高い接着強度
が得られる。更に、ポリアセタール等の高結晶化樹脂等
に対しても優れた速硬化性及び接着強度が得られる。
【0031】本発明の組成物において酸分を所定値以下
にすることにより速硬化性が向上する原因としては、組
成物中に含まれる酸性成分が少ないので従来の組成物に
比べて硬化促進剤の効果が十分良く発揮され、このため
接着剤組成物の使用時において2-シアノクリレートのア
ニオン重合が良好な条件下で行われる等のためと推察さ
れる。また、酸分の低減により高結晶化樹脂等に対する
接着強度が向上する原因は必ずしも明らかではないが、
硬化時に良好な条件下でアニオン重合が行われることが
何らかの形で寄与しているのではないかと推察される。
尚、硬化促進剤を含まない2-シアノアクリレート系接着
剤組成物においても、組成物の酸分を低くすることによ
り硬化速度及び接着強度を向上させることができるが、
硬化促進剤を含む系で特に大きな効果が得られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。尚、接着剤組成物の酸分は以下の方法に
より測定した。
【0033】〔酸分測定方法〕 200ml容の三角フラスコに試料3gを取り精秤す
る。 この試料に試薬特級アセトン90mlを加えて希釈す
る。 よく振り混ぜた後、蒸留水3mlを加える。 指示薬として、ブロモフェノールブルー溶液(キシダ
化学株式会社製;pH試験用)数滴を加える。 ミクロビュレットを用いて1/100規定のNaOH
水溶液を1滴ずつ滴下し、溶液の色が黄色から青色に変
わる点を中和終了点とする。
【0034】また、接着剤組成物の接着速度は、以下の
方法により測定されたセットタイムにより評価した。 〔酸性紙セットタイム〕JIS-K-6861に準拠して
測定する。但し、試験片としては厚さ0.3mmの酸性紙
を55×90mmに切断したものを用い、第一の試験片の
面上に接着剤試料3滴を滴下して第二の試験片を垂直に
立てて接着し、第二の試験片が倒れなくなるまでに要す
る時間をストップウォッチにて計測する。
【0035】〔カバ材セットタイム〕試験片として木材
のカバを用い、JIS-K-6850に準拠して二枚の試
験片を接着剤試料で貼り合わせ、手で軽く試験片を長軸
方向に引張って外れなくなるまでに要する時間をストッ
プウォッチにて計測する。 〔軟質塩ビセットタイム〕試験片として軟質塩ビを用い
る他は、カバ材と同様の方法で測定する。 〔ポリアセタールセットタイム〕JIS-K-6861の
セットタイム試験方法に準拠して測定する。
【0036】更に、接着剤組成物の接着強度は、以下の
方法により測定された引張りせん断接着強さにより評価
した。 〔軟質塩ビ引張りせん断接着強さ〕JIS-K-6861
の引張りせん断接着強さ試験方法に準じて測定する。但
し、試験片の厚さは1mmとする。 〔ポリアセタール引張りせん断接着強さ〕JIS-K-6
861の引張りせん断接着強さ試験方法に準じて測定す
る。 〔PBT(ポリブチレンテレフタレート)引張りせん断接
着強さ〕JIS-K-6861の引張りせん断接着強さ試
験方法に準じて測定する。
【0037】実験例1 酸性紙の接着において、酸分と接着速度との関係を検討
した。製造条件の異なるエチル2-シアノアクリレート
に、それぞれ下記の化合物を添加して、接着剤試料No.
1〜17を調製した。 〔添加剤〕 硬化促進剤・・・18-クラウン-6 (500ppm) アニオン重合防止剤・・・SO2 (20ppm) ラジカル重合防止剤・・・ハイドロキノン (600ppm) この試料No.1〜17について、上記の方法により酸分
及び酸性紙セットタイムを測定した。その結果を表1及
び図1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】図1より、酸分が0.30×10-6グラム
当量数/g以下である試料は、酸分が0.30×10-6
ラム当量数/gを超える試料に比べて明らかにセットタイ
ムが短く、従って速硬化性が良好であることが判る。
【0040】実験例2 実験例1と同様に製造条件の異なる幾種類かのエチル2-
シアノアクリレートを用いて、実施例1〜8及び比較例
1〜4の接着剤試料を調製した。各試料はアニオン重合
防止剤としてのSO2 (20ppm)及びラジカル重合防止
剤としてのハイドロキノン(600ppm)を含有する。
尚、実施例5〜7においては、以下の硬化促進剤を用い
た。 〔硬化促進剤〕 PEG1000;ポリエチレングリコール(平均分子量
1000) PEGメチルエーテル;ポリエチレングリコールメチル
エーテル(平均分子量550) これらの試料について酸分を分析し、また種々の被着体
に対する接着速度及び引張りせん断接着強さを測定し
た。測定結果及び各接着剤試料の組成を表2に示す。
尚、引張りせん断接着強さの測定値に付した*印は材料
破壊を示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から判るように、硬化促進剤を含まず
酸分が0.30×10-6グラム当量数/gを超える試料(比
較例1)では、酸性で且つ多孔質である酸性紙やカバ
材、多量の可塑剤を含む軟質塩ビ、及び高結晶化樹脂で
あるポリアセタールに対しては、いずれも60秒を超え
る長いセットタイムを必要とし、接着速度が不十分であ
った。更に、接着強度の点においても、軟質塩ビ、ポリ
アセタール及びPBTに対する引張りせん断接着強さが
低く、材料破壊を起こす程の接着強度は得られなかっ
た。一方、酸分が0.30×10-6グラム当量数/gを超
える系において硬化促進剤を用いた試料(比較例2〜4)
では、硬化促進剤を用いない試料(比較例1)に比べれば
接着速度は改善されているが、その効果はまだ不十分で
あった。特に酸性紙やカバ材等の多孔質材料に対する接
着剤の染み込みを防ぐためには更に高い接着速度が必要
である。また、引張りせん断接着強さも、比較例1より
は向上したが依然として低いものであった。比較例3に
対して硬化促進剤の添加量を増した比較例4において
も、接着速度及び接着強度に多少の改善は見られるもの
の、十分な効果を得ることはできなかった。
【0043】硬化促進剤を使用しない系において酸分を
0.30×10-6グラム当量数/g以下に低減した試料(実
施例8)では、比較例1に比べて接着速度及び接着強度
が向上するが、硬化促進剤が存在しないため、接着剤と
して必ずしも十分とはいえないものであるが、酸分を
0.30×10-6グラム当量数/g以下とし且つ硬化促進
剤を含有する実施例1〜7の接着剤では、いずれも各種
の被着体に対して優れた速硬化性及び接着強度を示し
た。例えば、硬化促進剤の種類及び添加量が比較例2及
び3と等しい実施例1〜3では、酸分を0.30×10
-6グラム当量数/g以下とすることにより、そのセットタ
イムが酸性紙及びポリアセタールでは1/3〜1/5
に、カバ材及び軟質塩ビでは1/6程度にと、それぞれ
大幅に短縮されている。また、引張りせん断接着強さに
おいても、材料破壊を起こす程の高い強度が得られる
か、或いは比較例2に対して1.7倍以上と大幅に強度
が向上した。硬化促進剤の添加量を増した実施例4にお
いても、実施例1〜3と同様に優れた速硬化性及び接着
強度が得られた。 また、実施例5〜7は、実施例4と
酸分が同等であり硬化促進剤の種類が異なる例である。
この場合にも、実施例4と同様に優れた速硬化性及び接
着強度が得られた。
【0044】実験例3 この実験例3は、実験例2で用いた接着剤試料のうち実
施例3及び比較例2を用いて、組成物の酸分と保存安定
性との関係を検討したものである。アルミ袋入り3mlの
ポリエチレン容器に接着剤試料2gを入れ、50℃の条
件下で保存した。そして、実験開始時、5日後、10日
後、15日後、20日後及び30日後の試料について、
それぞれ粘度及び酸性紙セットタイムを測定した。尚、
粘度はJIS-K-6861の粘度試験方法に準じて測定
した。その結果を、粘度変化については図2に、酸性紙
セットタイム変化については図3に示す。
【0045】図2に示すように、経時による実施例3
(酸分0.21×10-6グラム当量数/g)の粘度上昇は、
同組成の比較例2(酸分0.38×10-6グラム当量数/
g)と同程度であった。即ち、経時的な粘度変化の点にお
いて、酸分の低減による保存安定性への悪影響はみられ
なかった。また、図3から判るように、比較例2に比べ
て実施例3は酸性紙セットタイムの経時変化が少なかっ
た。即ち、経時的な速硬化性の劣化の点において、酸分
の低減による悪影響はみられず、むしろ酸分の低減によ
り劣化が防止されるという結果が得られた。このよう
に、本発明の組成物によると、保存安定性を損なうこと
なく速硬化性及び接着強度を向上させることができた。
【0046】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、各種の被着体
に対して高い速硬化性及び接着強度を示し、特に紙、木
材、皮革等の酸性で且つ多孔質の材料やポリアセタール
等の高結晶化樹脂等に対しても優れた速硬化性及び接着
強度を示す。このように、従来接着が困難であった材料
を含む広範囲の被着体を短時間で強固に接着することが
できるので、工業用、医療用、家庭用等の分野において
好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着剤組成物の酸分と酸性紙セットタイムとの
関係を示す特性図である。
【図2】接着剤組成物の粘度の経時変化を示す特性図で
ある。
【図3】接着剤組成物の酸性紙セットタイムの経時変化
を示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 佐藤 三善 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2-シアノアクリレートを主成分とし酸分
    が0.30×10-6グラム当量数/g以下であることを特
    徴とする2-シアノアクリレート系接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 硬化促進剤が共存していることを特徴と
    する請求項1記載の2-シアノアクリレート系接着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 硬化促進剤がクラウンエーテル系硬化促
    進剤又はポリアルキレンオキサイド系硬化促進剤である
    ことを特徴とする請求項2記載の2-シアノアクリレート
    系接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 酸分がpH4.5〜5.0に変色範囲を有
    する指示薬を用いて中和滴定して求めた数値であること
    を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の2-
    シアノアクリレート系接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 酸分がブロモフェノールブルーを指示薬
    として中和滴定して求めた数値であることを特徴とする
    請求項1、請求項2又は請求項3記載の2-シアノアクリ
    レート系接着剤組成物。
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