JPH10151586A - 壁面吸着式移動装置 - Google Patents

壁面吸着式移動装置

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JPH10151586A
JPH10151586A JP8308537A JP30853796A JPH10151586A JP H10151586 A JPH10151586 A JP H10151586A JP 8308537 A JP8308537 A JP 8308537A JP 30853796 A JP30853796 A JP 30853796A JP H10151586 A JPH10151586 A JP H10151586A
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wall
obstacle
force
magnet
suction
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Masaru Higuchi
優 樋口
Tomokichi Ibe
智吉 井辺
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    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型鉄構造物の保守点検等に適用しうる壁面
吸着式移動装置において、装置の重量増や大型化を抑制
しつつ壁面上の障害物を乗り越える際に永久磁石が障害
物に干渉しないようにしながら装置を走行面へ確実に吸
着させる。 【解決手段】 磁性体製壁面30上を移動する移動体5
と、永久磁石2a,2bと、永久磁石2a,2bを壁面
30に対し離接させる駆動機構1a,1b,永久磁石2
a,2bの離接方向位置を検出するセンサ19a,19
b,永久磁石の壁面吸着力を検出するセンサ3a,3
b,壁面30上の障害物を検出するセンサ17a〜18
bからなる吸着機構40a,40bとをそなえ、上記の
各センサからの検出情報に基づいて、永久磁石2a,2
bが該障害物と干渉するおそれがあるとこれを回避しつ
つ、各吸着機構40a,40bにおける永久磁石の壁面
吸着力2a,2bの合計により所要の壁面吸着力が発生
するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型鉄構造物の保
守点検等に適用しうる壁面吸着式移動装置に関し、特
に、永久磁石の磁力を磁性体製の壁面に作用させること
で移動時の壁面への吸着を行なう、壁面吸着式移動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】大型鉄構造物等の磁性体で形成された構
造物については、磁力により構造物への吸着を行なえる
ので、このような構造物の保守点検等のために、磁力を
利用して移動体を構造物に吸着させうる壁面吸着式移動
装置が開発されている。かかる壁面吸着式移動装置で
は、磁力により移動体を構造物へ吸着させるので、移動
体の走行する構造物の面が鉛直下方になくても、即ち、
鉛直面に対しても、移動体の走行を行なうことができ
る。
【0003】例えば図7は従来の壁面吸着式移動装置の
模式的な構成図であり、図7に示すように、移動装置
は、構造物の面に沿って走行しうる移動体(移動台車)
110と、この移動台車110にそれぞれ設置された、
走行用の車輪112,113,磁力式の吸着機構130
及び保守点検等の作業用のマニピュレータ120とをそ
なえて構成される。
【0004】特に、吸着機構130は、移動台車110
の下面から突設された進退ロッド132と、この進退ロ
ッド132の先端に設置された永久磁石(以下、マグネ
ットという)134と、進退ロッド132を進退させる
ことで移動台車110下方の磁性体製の走行面(磁性体
製壁面)102に対してマグネット134を離接駆動す
る駆動機構31とをそなえている。
【0005】そして、駆動機構131を制御してマグネ
ット134と走行面102との距離を調整してマグネッ
ト134の磁力(即ち、吸着力)を調整するために、力
センサ133及び制御装置(吸着力制御部)135がそ
なえられている。力センサ133は、マグネット134
の近傍に設置され、マグネット134と走行面102と
の間に働く磁力の強さを検出する。吸着力制御部135
では、この力センサ133からマグネット134と走行
面102との間の磁力(即ち、吸着力)に応じた検出信
号を受けて、この検出信号がこの磁力(吸着力)が所定
値になるように、検出信号によるフィードバック制御
で、駆動機構131を制御して、進退ロッド132の進
退量を調整し、マグネット134と走行面102との距
離を調整する。
【0006】つまり、マグネット134と走行面102
との間に働く磁力(吸着力)は、マグネット134と走
行面102との距離に応じて変化するため、マグネット
134と走行面102との間に所定の磁力が働くように
するには、マグネット134と走行面102との距離を
この所定の磁力に対応したものに制御すればよい。吸着
力制御部35では、駆動機構131を通じてマグネット
134と走行面102との距離を制御することで、マグ
ネット134と走行面102との間に働く磁力が所定の
大きさになるように、力センサ133の検出信号をフィ
ードバックしながら制御を行なっているのである。
【0007】このような吸着力制御部135による制御
によって、例えば走行面102に凹凸等があって不整地
面のような状態であっても、この走行面102に応じて
マグネット134との位置が調整されるようになり、マ
グネット134による吸着力が常にほぼ一定を保持しう
るようになる。換言すると、かかる制御により、マグネ
ット134とこのマグネット134が対向する走行面1
02とのギャップが常に一定となり、所要の吸着力が安
定して発揮され、移動台車110の走行面102への吸
着が確実に行なわれるようになるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な壁面吸着式移動装置が、走行面102上の例えば図8
に示すような突起102Aや図9に示すような段差10
2B等の障害物を乗り越える場合、その障害物にマグネ
ット134が干渉しないように、進退ロッド132の進
退量を調整する必要がある。
【0009】しかしながら、図8,図9に示すように、
突起102Aや段差102B等を乗り越える場合には、
その突起102Aや段差102B等の高さに応じてマグ
ネット134を対向する走行面102から離隔させなく
てはならず、こうするとマグネット134と走行面10
2との間に働く磁力が大幅に減少してしまい、移動台車
110を走行面102へ確実に吸着させるのに必要な吸
着力の確保が困難になる。もちろん、マグネット134
を強力なものにすれば、吸着力を増大できるが、必要な
吸着力の確保には、極めて大きなマグネット134が必
要となり、移動装置の大幅な重量増や大型化を招いた
り、走行駆動にかかるモータ等の駆動装置の容量増が要
求されるなど好ましくない。
【0010】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、装置の重量増や大型化を抑制しつつ壁面(走行
面)上の障害物を乗り越える際に永久磁石が障害物に干
渉しないようにしながら装置を走行面へ確実に吸着させ
ることができるようにした、壁面吸着式移動装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の壁面吸着式移動装置は、磁性体製の壁面上を
移動する移動体と、該移動体にそなえられた吸着機構
と、該吸着機構を制御する制御装置とをそなえた壁面吸
着式移動装置であって、上記吸着機構が、該移動体に設
置された永久磁石と、該永久磁石を該壁面に対して離接
する方向に進退させる駆動機構と、該永久磁石の該壁面
に対する離接方向位置を検出する位置センサと、該永久
磁石の該壁面への吸着力を検出する吸着力センサと、該
壁面上に存在する障害物の該永久磁石への接近を検出す
る障害物センサとをそなえるとともに、該制御装置が、
上記の位置センサ,吸着力センサ,障害物センサからの
検出情報に基づいて、該永久磁石が該移動体を該壁面に
保持させうる所要の壁面吸着力を発揮する位置となるよ
うに該駆動機構を制御するとともに、該永久磁石が該障
害物と干渉するおそれがある場合にはこの干渉を回避す
るように該駆動機構を制御する壁面吸着式移動装置にお
いて、上記吸着機構が複数組設けられて、上記制御装置
が、各吸着機構における該永久磁石の壁面吸着力の合計
により上記の所要の壁面吸着力が発生するように、各吸
着機構における該駆動機構を制御することを特徴として
いる。
【0012】このような構成により、移動体は、複数の
吸着機構にそれぞれそなえられた永久磁石と磁性体製の
壁面との間に作用する磁力を壁面吸着力として、壁面へ
吸着しつつ該壁面上を移動する。この際、位置センサに
より該永久磁石の該壁面に対する離接方向位置が検出さ
れ、吸着力センサにより該永久磁石の該壁面への吸着力
が検出され、障害物センサにより該壁面上に存在する障
害物の該永久磁石への接近が検出されて、制御装置が、
これらの位置センサ,吸着力センサ,障害物センサから
の検出情報に基づいて、各永久磁石の壁面吸着力の合計
が該移動体を該壁面に保持させうる所要の壁面吸着力と
なるように、各吸着機構の駆動機構を制御する。
【0013】そして、各吸着機構のうちのいずれかの吸
着機構においてその永久磁石が該障害物と干渉するおそ
れがある場合には、この吸着機構の駆動機構を制御する
ことにより該永久磁石と該障害物との干渉を回避する。
この干渉回避時には、対象となる吸着機構の永久磁石
は、通常、該壁面から離隔調整されるため吸着力が弱ま
ることになるが、各永久磁石の壁面吸着力の合計が所要
の壁面吸着力となるように、他の吸着機構の駆動機構が
制御され、全体としては所要の壁面吸着力が確保される
ので、該移動体は該壁面に確実に保持されるようにな
る。また、各永久磁石の壁面吸着力の合計が所要の壁面
吸着力となるような制御では、干渉回避のために壁面吸
着力が過大となるようなことも回避しうる。
【0014】請求項2記載の本発明の壁面吸着式移動装
置は、請求項1記載の装置において、上記の各吸着機構
の永久磁石が、上記移動体の移動方向に対して前後に位
置をずらせるようにして配設され、上記制御装置が、上
記障害物センサからの検出情報に基づいて、上記の複数
の吸着機構のうち上記永久磁石が上記障害物と干渉する
おそれのある吸着機構についてはこの干渉を回避するよ
うに上記駆動機構を通じて該永久磁石を該壁面に対して
後退調整すると同時に、上記の複数の吸着機構のうち該
永久磁石が上記障害物と干渉するおそれのない吸着機構
については上記の各吸着機構における該永久磁石の壁面
吸着力の合計により上記の所要の壁面吸着力が発生する
ように上記駆動機構を通じて該永久磁石を該壁面に対し
て前進調整することを特徴としている。
【0015】このような構成により、複数の吸着機構の
うちのいずれかにおいて、永久磁石が障害物と干渉する
おそれのある場合、制御装置に制御された駆動機構を通
じて該永久磁石が壁面に対して後退調整されて、かかる
干渉が回避される。この後退調整された永久磁石では、
壁面吸着力が減少するが、この干渉回避制御と同時に、
永久磁石が上記障害物と干渉するおそれのない他の吸着
機構が存在し、この吸着機構については、永久磁石の壁
面に対する前進調整が適宜行なわれて、各吸着機構にお
ける該永久磁石の壁面吸着力の合計が所要の壁面吸着力
に達するように制御されるので、移動体は該壁面に確実
に保持されるようになる。
【0016】請求項3記載の本発明の壁面吸着式移動装
置は、請求項2記載の装置において、上記障害物センサ
が、上記移動体の真下の上記壁面上に検出方向を向けて
該検出方向上の対象物との距離を検出することで該壁面
上に存在する上記障害物を検出するように構成されると
ともに、上記の各永久磁石における上記移動方向直前に
それぞれ設置された前部障害物センサをそなえ、上記制
御装置が、上記の複数の前部障害物センサのうちのいず
れかが上記障害物の存在を検出したら、該前部障害物セ
ンサで検出された該障害物までの距離と、対応する永久
磁石に関して上記位置センサで検出された上記離接方向
位置とに基づいて、該永久磁石が該障害物と干渉するお
それのある場合には該干渉を回避しうる量だけ上記駆動
機構を通じて該永久磁石を後退調整することを特徴とし
ている。
【0017】このような構成により、複数の前部障害物
センサのうちのいずれかが障害物を検出したら、この障
害物を検出した前部障害物センサによって検出された該
障害物までの距離と、この障害物を検出した前部障害物
センサを直前にそなえた永久磁石について位置センサで
検出された離接方向位置とに応じて、該永久磁石が該障
害物と干渉するおそれのある場合には該干渉を回避しう
る量だけ上記駆動機構を通じて該永久磁石を後退調整す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図6は本発明の一実
施形態としての壁面吸着式移動装置を示すものである。
図1〜図3に示すように、本壁面吸着式移動装置は、構
造物の表面に沿って走行しうる移動体(本体)5と、本
体5の後部にそれぞれ駆動機構8a,8bを介して設置
された一対の後輪7a,7bと、この本体5の前部に駆
動機構10を介して設置された前輪9とをそなえ、本体
5には図示しないマニピュレータ等が装備される。各後
輪7a,7b及び前輪9はそれぞれ駆動機構8a,8
b,10により軸支されるとともに、それぞれ駆動機構
8a,8b,10に内蔵された図示しないモータによっ
て回転駆動され、本体5が移動しうるようになってい
る。
【0019】このうち、前輪9を軸支する駆動機構10
は、図2,図3に示すように、ステアリング軸12に固
定されており、このステアリング軸12は軸受11を介
して本体5に支持されている。また、ステアリング軸1
2の外周には、図3に示すように、歯車13が設けら
れ、この歯車13は、本体5側に回転自在に支持された
アイドル歯車14を介して、歯車15と噛合している。
歯車15は、操舵用駆動機構16に内蔵された図示しな
いモータによって回転駆動されるようになっている。し
たがって、駆動機構16によって、各歯車15,14,
13を通じてステアリング軸12が回転駆動され、前輪
9が操舵されるようになっている。
【0020】そして、図1に示すように、本体5には、
さらに、複数(ここでは、2つ)の吸着機構40a,4
0bがそなえられている。各吸着機構40a,40bに
は、それぞれ本体5に設置されたマグネット駆動機構1
a,1bと、これらのマグネット駆動機構1a,1bの
各軸4a,4bの下端部に下向きに設置されたマグネッ
ト(永久磁石)2a,2bとがそなえられている。
【0021】各マグネット駆動機構1a,1bの軸4
a,4bの軸心線は、いずれも走行面(磁性体製の壁
面)30に対して垂直な方向に設定されており、各吸着
機構40a,40bは、このような各マグネット駆動機
構1a,1bの軸4a,4bを走行面30に対して垂直
な方向に進退駆動することで、各マグネット2a,2b
を走行面30に対して離接する方向に進退調整しうるよ
うになっている。
【0022】ところで、各吸着機構40a,40bのう
ち吸着機構40aは本体の前部(前輪9寄り)に、吸着
機構40bは本体の後部(後輪7a,7b寄り)にそれ
ぞれ配置されている。したがって、各吸着機構40a,
40bにそなえられたマグネット2a,2bは、本体
(移動体)5の移動方向に対して前後に位置をずらせる
ようにして配設されていることになる。
【0023】また、各吸着機構40a,40bには、さ
らに、各マグネット2a,2bの走行面30に対する離
接方向位置をそれぞれ検出する位置センサ19a,19
bと、各マグネット2a,2bの走行面30への吸着力
をそれぞれ検出する吸着力センサ(力センサ)3a,3
bと、走行面30に存在する段差や突起等の障害物の各
マグネット2a,2bへの接近を検出する障害物センサ
17a,17b,18a,18bとがそなえられてい
る。
【0024】各センサのうち、位置センサ19a,19
bは、各マグネット2a,2bの進退ストロークを検出
するストロークセンサで構成されている。また、力セン
サ3a,3bは、例えば歪みゲージをそなえた円盤から
なり、各軸4a,4bの先端部と各マグネット2a,2
bとの間に介装され、マグネット2a,2bにより発生
する磁力(吸着力)が大きくなるほど各マグネット2
a,2bが各軸4a,4bから離隔しようとする力に応
じた歪み、逆に言えば、マグネット2a,2bにより発
生する磁力(吸着力)が小さくなるほど各マグネット2
a,2bと各軸4a,4bとの間で増大する挟み付けよ
うとする力に応じた歪みを測定することで、各マグネッ
ト2a,2bの吸着力(壁面吸着力)を検出するように
なっている。したがって、例えば各マグネット2a,2
bが各軸4a,4bから離隔しようとする力に応じた歪
みを測定する場合、歪みが大きいほど、吸着力(壁面吸
着力)も大きくなる。
【0025】また、障害物センサ17a,17b,18
a,18bは、各マグネット2a,2bの直前に配置さ
れた前部障害物センサ17a,18aと、各マグネット
2a,2bの直後に配置された後部障害物センサ17
b,18bとに分類することができる。そして、いずれ
の障害物センサ17a,17b,18a,18bも、検
出方向上に存在する物体(対象物)までの距離を検後部
障害物センサ17b出する距離センサで構成され、各セ
ンサの17a,17b,18a,18bの検出方向は、
本体5の下方の走行面30上(通常は、走行面3に対し
て垂直な方向)に設定されている。なお、前部のマグネ
ット2aにかかる後部障害物センサ17b及び後部のマ
グネット2bにかかる前部障害物センサ18aは、本体
5を前後方向のほぼ中央に位置している。
【0026】したがって、各障害物センサ17a,17
b,18a,18bで検出された対象物まで距離が走行
面30に相当する大きさの場合には、走行面30上に段
差や突起といった障害物はないものと判定することがで
き、また、検出された対象物までの距離が走行面30に
相当する大きさよりも小さい場合には、走行面30上に
上り段差又は突起といった障害物があるものと判定する
ことができる。また、検出された対象物まで距離が走行
面30に相当する大きさよりも大きい場合には、走行面
30上に下り段差又は溝等があるものと判定することも
できる。
【0027】このような位置センサ19a,19b,力
センサ3a,3b,障害物センサ17a,17b,18
a,18bによる検出結果は、制御装置(電送装置)2
0に送信されるようになっており、制御装置20では、
これらの位置センサ19a,19b,力センサ3a,3
b,障害物センサ17a,17b,18a,18bによ
る検出情報に基づいて、各吸着機構40a,40bのマ
グネット駆動機構1a,1bを個別に制御するようにな
っている。
【0028】ここで、本壁面吸着式移動装置の特徴とす
る制御装置20による制御内容について説明する。この
制御装置20では、力センサ3a,3bで検出された各
吸着機構40a,40bにおける吸着力(壁面吸着力)
の合計が、常に、所要の壁面吸着力となるように、各吸
着機構40a,40bのマグネット駆動機構1a,1b
を通じて、各マグネット2a,2bを走行面30に対し
て離接する方向へ進退調整するようになっている。
【0029】なお、所要の壁面吸着力とは、磁性体製の
壁面である走行面30とマグネット2a,2bとの間に
生じる磁力による吸着力で、本壁面吸着式移動装置を走
行面30上に確実に保持させうるだけの大きさの力とし
て設定される。また、制御装置20では、いずれかの障
害物センサ17a,17b,18a,18bが段差や突
起等の障害物の存在を検出したら、この障害物の存在を
検出した障害物センサで検出された障害物までの距離
と、この障害物を検出した障害物センサの直後のマグネ
ット2a又は2bの位置センサ19a又は19bからの
位置情報に基づいて、かかるマグネット2a又は2bが
この障害物に干渉しないように、マグネット駆動機構1
a又は1bを通じて、マグネット2a又は2bを走行面
30に対して離隔する方向へ後退調整する。
【0030】また、このときの後退調整と同時に、制御
装置20では、後退調整したマグネット2a又は2bの
壁面吸着力が低下するので、他の、障害物と干渉しない
マグネット2b又は2aについてはマグネット駆動機構
1b又は1aを通じてマグネット2b又は2aを走行面
30に対して接近する方向へ前進調整して、各吸着機構
40a,40bにおける吸着力(壁面吸着力)の合計
が、常に、所要の壁面吸着力となるように制御するよう
になっている。
【0031】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移
動装置は上述のように構成されているので、各吸着機構
40a,40bを通じて発揮される壁面吸着力によっ
て、装置の移動する構造物の面が鉛直下方になくても、
即ち、例えば鉛直面に対しても、の移動を行なうことが
できる。そして、本装置が段差や突起等の障害物を乗り
越える場合には、次のように動作する。
【0032】例えば本装置が、鉛直方向に向いた走行面
(鉛直面)30を移動(走行)する場合に、走行面30
上に存在する段差(上り段差)31を乗り越える場合に
は、図4に示すように、制御装置20により、各マグネ
ット2a,2bが位置調整される。つまり、まず、図4
(A)に示すように、装置が段差31に差し掛かるまで
は、平坦な走行面30に対して、各マグネット2a,2
bがほぼ等距離h0 に離隔するように、制御装置20が
各吸着機構40a,40bのマグネット駆動機構1a,
1bを通じてマグネット2a,2bの位置を調整して、
各吸着機構40a,40bの吸着力F1 ,F2 の合計F
S(=F1 +F2 )が、所要の壁面吸着力Fとなるよう
に制御する。
【0033】そして、装置が段差31に差し掛かると、
まず、前輪がこの段差31に乗り上げて、装置の進行に
よって、前側のマグネット2aがこの段差31に近づく
と、図4(B)に示すように、前側のマグネット2aの
直前に配置された前部障害物センサ17aが、この段差
31に反応する。つまり、前部障害物センサ17aで検
出された走行面30側までの距離がそれまでよりも短く
なることで、制御装置20では、走行面30よりも近い
距離に何か(障害物)が或るものと判定することができ
る。
【0034】制御装置20では、この判定と同時に、こ
の前部障害物センサ17aで検出された障害物までの距
離から障害物(ここでは、段差31)の高さHを演算す
るとともに、位置センサ19aで検出されたマグネット
2aの現在位置(走行面30との距離h0 )とこの障害
物(段差31)の高さHにクリアランス余裕長δhを加
算した距離(=H+δh)とを比較する。
【0035】そして、マグネット2aの現在位置(走行
面30との距離h0 )が距離(H+δh)よりも小さけ
れば、制御装置20は、マグネット2aの位置が走行面
30から距離(H+δh)だけ離隔するように、マグネ
ット駆動機構1aを通じて前側のマグネット2aを後退
調整する。このマグネット2aの後退調整によって、吸
着機構40aの吸着力が減少するので、制御装置20で
は、このマグネット2aの後退調整と共に、この吸着機
構40aの吸着力減少量α分だけ、マグネット2bを前
進調整することによって、吸着機構40bの吸着力を増
加させる。これにより、吸着機構40aの吸着力はF1
から(F1 −α)となり、吸着機構40bの吸着力はF
2 から(F2 +α)となって、両吸着機構40a,40
bの合計吸着力FSは、次式のように、やはり一定値
(所要の壁面吸着力F)を保持する。
【0036】 FS=(F1 −α)+(F2 +α)=F1 +F2 そして、さらに、装置が前進して、前側のマグネット2
aがこの段差31を越えて高段側の走行面32上に差し
掛かり、前側のマグネット2aがこの高段側の走行面3
2との間で磁力(吸着力)を発生するようになると前側
のマグネット2aでの吸着力が大きくなるので、図4
(C)に示すように、再び、各走行面30,32に対し
て、各マグネット2a,2bがほぼ等距離h0 に離隔す
るように、制御装置20が各吸着機構40a,40bの
マグネット駆動機構1a,1bを通じてマグネット2
a,2bの位置を調整して、各吸着機構40a,40b
の吸着力F1 ,F2 の合計FS(=F1 +F2 )が、所
要の壁面吸着力Fとなるように制御する。
【0037】そして、装置がさらに前進して後側のマグ
ネット2bがこの段差31に近づくと、図4(D)に示
すように、後側のマグネット2bの直前に配置された前
部障害物センサ18aが、この段差31に反応する。つ
まり、前部障害物センサ18aで検出された走行面30
側までの距離がそれまでよりも短くなることで、制御装
置20では、後側のマグネット2bが段差31に接近し
たものと判定することができる。
【0038】制御装置20では、この判定と同時に、こ
の後部障害物センサ18aで検出された障害物までの距
離から障害物(ここでは、段差31)の高さHを演算す
るとともに、位置センサ19bで検出されたマグネット
2bの現在位置(走行面30との距離h0 )とこの段差
31の高さHにクリアランス余裕長δhを加算した距離
(=H+δh)とを比較し、マグネット2bの現在位置
(走行面30との距離h0 )が距離(H+δh)よりも
小さければ、制御装置20は、マグネット2bの位置が
走行面30から距離(H+δh)だけ離隔するように、
マグネット駆動機構1bを通じて前側のマグネット2b
を後退調整する。
【0039】このマグネット2bの後退調整によって、
吸着機構40bの吸着力が減少するので、制御装置20
では、このマグネット2bの後退調整と共に、この吸着
機構40bの吸着力減少量α分だけ、マグネット2aを
前進調整することによって、吸着機構40aの吸着力を
増加させる。これにより、吸着機構40aの吸着力はF
1 から(F1 +α)となり、吸着機構40bの吸着力は
2 から(F2 −α)となって、両吸着機構40a,4
0bの合計吸着力FSは、次式のように、やはり一定値
(所要の壁面吸着力F)を保持する。
【0040】 FS=(F1 +α)+(F2 −α)=F1 +F2 そして、さらに、装置が前進して、後側のマグネット2
bがこの段差31を越えて高段側の走行面32上に差し
掛かり、後側のマグネット2bがこの高段側の走行面3
2との間で磁力(吸着力)を発生するようになると後側
のマグネット2bでの吸着力が大きくなるので、図4
(e)に示すように、再び、各走行面30,32に対し
て、各マグネット2a,2bがほぼ等距離h0 に離隔す
るように、制御装置20が各吸着機構40a,40bの
マグネット駆動機構1a,1bを通じてマグネット2
a,2bの位置を調整して、各吸着機構40a,40b
の吸着力F1 ,F2 の合計FS(=F1 +F2 )が、所
要の壁面吸着力Fとなるように制御する。
【0041】このようにして、各吸着機構40a,40
bの吸着力F1 ,F2 の合計FS(=F1 +F2 )が、
常に所要の壁面吸着力Fとなるように制御することで、
装置を走行面30〜32に確実に接地させながら、マグ
ネット2a,2bの干渉を招くことなく段差31を乗り
越えさせることができ、壁面吸着式移動装置としての移
動性能向上に寄与する。
【0042】また、走行面30上に存在する下り段差を
乗り越える場合には、図示しないが、前部障害物センサ
17a,18aが、検出した走行面30側までの距離が
それまでよりも長くなることで、制御装置20では、後
側のマグネット2bが下り段差に接近したものと判定す
ることができ、この場合にも、上述の上り段差の場合と
同様に、各吸着機構40a,40bの吸着力F1 ,F2
の合計FS(=F1 +F2 )が、常に所要の壁面吸着力
Fとなるように制御することで、装置を走行面30〜3
2に確実に接地させながら、マグネット2a,2bの干
渉を招くことなく下り段差を乗り越えることができる。
【0043】一方、例えば本装置が、鉛直方向に向いた
走行面(鉛直面)30を移動(走行)する際に、走行面
30上に存在する突起33を乗り越える場合には、図5
に示すように、制御装置20により各マグネット2a,
2bが位置調整される。つまり、装置が突起33に差し
掛かり、前輪が突起33を乗り越え、前側のマグネット
2aがこの突起33に近づくと、まず、図5(A)に示
すように、前側のマグネット2aの直前に配置された前
部障害物センサ17aが、この段差33に反応する。
【0044】つまり、前部障害物センサ17aで検出さ
れた走行面30側までの距離がそれまでよりも短くなる
ことで、制御装置20では、走行面30よりも近い距離
に何か(障害物)が或るものと判定することができる。
制御装置20では、この判定と同時に、この前部障害物
センサ17aで検出された障害物までの距離から障害物
(ここでは、突起33)の高さHを演算するとともに、
位置センサ19aで検出されたマグネット2aの現在位
置(走行面30との距離h0 )とこの障害物(突起3
3)の高さHにクリアランス余裕長δhを加算した距離
(=H+δh)とを比較する。
【0045】そして、マグネット2aの現在位置(走行
面30との距離h0 )が距離(H+δh)よりも小さけ
れば、制御装置20は、マグネット2aの位置が走行面
30から距離(H+δh)だけ離隔するように、マグネ
ット駆動機構1aを通じて前側のマグネット2aを後退
調整する。このマグネット2aの後退調整によって、吸
着機構40aの吸着力が減少するので、制御装置20で
は、このマグネット2aの後退調整と共に、この吸着機
構40aの吸着力減少量α分だけ、マグネット2bを前
進調整することによって、吸着機構40bの吸着力を増
加させる。これにより、吸着機構40aの吸着力はF1
から(F1 −α)となり、吸着機構40bの吸着力はF
2 から(F2 +α)となって、両吸着機構40a,40
bの合計吸着力FSは、次式のように、やはり一定値
(所要の壁面吸着力F)を保持する。
【0046】 FS=(F1 −α)+(F2 +α)=F1 +F2 そして、さらに、装置が前進して、図5(B)に示すよ
うに、前側のマグネット2aがこの突起33上に位置し
て、前側のマグネット2aがこの突起33との間で磁力
(吸着力)を発生するようになると、今度は前側のマグ
ネット2aでの吸着力が大きくなるが、突起33の面積
が小さい場合にはマグネット2aが突起33に近くても
十分な吸着力(例えばF1 )が得られずに、例えば不足
する吸着力をβとすると(F1 −β)の吸着力しか得ら
れない。
【0047】そこで、後部の吸着機構40bでこの不足
を補うように、制御装置20では、マグネット2bを前
進調整することによって、この吸着機構40aの吸着力
減少量β分だけ吸着機構40bの吸着力を増加させる。
これにより、吸着機構40aの吸着力が(F1 −β)と
なるのに対して、吸着機構40bの吸着力は(F2
β)となって、両吸着機構40a,40bの合計吸着力
FSは、次式のように、やはり一定値(所要の壁面吸着
力F)を保持する。
【0048】 FS=(F1 −β)+(F2 +β)=F1 +F2 そして、装置がさらに前進して後側のマグネット2bが
この突起33に近づくと、図5(C)に示すように、後
側のマグネット2bの直前に配置された前部障害物セン
サ18aが、この突起33に反応する。つまり、前部障
害物センサ18aで検出された走行面30側までの距離
がそれまでよりも短くなることで、制御装置20では、
後側のマグネット2bが突起33に接近したものと判定
することができる。
【0049】制御装置20では、この判定と同時に、こ
の後部障害物センサ18aで検出された障害物までの距
離から障害物(ここでは、突起33)の高さHを演算す
るとともに、位置センサ19bで検出されたマグネット
2bの現在位置(走行面30との距離h0 )とこの突起
33の高さHにクリアランス余裕長δhを加算した距離
(=H+δh)とを比較し、マグネット2bの現在位置
(走行面30との距離h0 )が距離(H+δh)よりも
小さければ、制御装置20は、マグネット2bの位置が
走行面30から距離(H+δh)だけ離隔するように、
マグネット駆動機構1bを通じて前側のマグネット2b
を後退調整する。
【0050】このマグネット2bの後退調整によって、
吸着機構40bの吸着力が減少するので、制御装置20
では、このマグネット2bの後退調整と共に、この吸着
機構40bの吸着力減少量α分だけ、マグネット2aを
前進調整することによって、吸着機構40aの吸着力を
増加させる。これにより、吸着機構40aの吸着力はF
1 から(F1 +α)となり、吸着機構40bの吸着力は
2 から(F2 −α)となって、両吸着機構40a,4
0bの合計吸着力FSは、次式のように、やはり一定値
(所要の壁面吸着力F)を保持する。
【0051】 FS=(F1 +α)+(F2 −α)=F1 +F2 そして、さらに、装置が前進して、図5(D)に示すよ
うに、後側のマグネット2bがこの突起33上に位置し
て、後側のマグネット2bがこの突起33との間で磁力
(吸着力)を発生するようになると、後側のマグネット
2bでの吸着力が大きくなるが、突起33の面積が小さ
い場合にはマグネット2bが突起33に近くても十分な
吸着力(例えばF2 )が得られずに、例えば不足する吸
着力をβとすると(F2 −β)の吸着力しか得られな
い。
【0052】そこで、後部の吸着機構40aでこの不足
を補うように、制御装置20では、この吸着機構40b
の吸着力減少量β分だけ、マグネット2aを前進調整す
ることによって、吸着機構40aの吸着力を増加させ
る。これにより、吸着機構40bの吸着力が(F2
β)となるのに対して、吸着機構40aの吸着力は(F
1+β)となって、両吸着機構40a,40bの合計吸
着力FSは、次式のように、やはり一定値(所要の壁面
吸着力F)を保持する。
【0053】 FS=(F1 +β)+(F2 −β)=F1 +F2 後側のマグネット2bがこの突起33を越えると、後側
のマグネット2bが走行面30との間で磁力(吸着力)
を発生するようになり、この後側のマグネット2bでの
吸着力が大きくなるので、図5(e)に示すように、再
び、走行面30に対して、各マグネット2a,2bがほ
ぼ等距離h0 に離隔するように、制御装置20が各吸着
機構40a,40bのマグネット駆動機構1a,1bを
通じてマグネット2a,2bの位置を調整して、各吸着
機構40a,40bの吸着力F1,F2 の合計FS(=
1 +F2 )が、所要の壁面吸着力Fとなるように制御
する。
【0054】このようにして、各吸着機構40a,40
bの吸着力F1 ,F2 の合計FS(=F1 +F2 )が、
常に所要の壁面吸着力Fとなるように制御することで、
装置を走行面30に確実に接地させながら、マグネット
2a,2bの干渉を招くことなく突起33を乗り越えさ
せることができ、壁面吸着式移動装置としての移動性能
向上に寄与する。
【0055】また、走行面30上に存在する下溝を乗り
越える場合には、図示しないが、前部障害物センサ17
a,18aが、検出した走行面30側までの距離がそれ
までよりも長くなることで、制御装置20では、後側の
マグネット2bが溝に接近したものと判定することがで
き、この場合にも、上述の突起の場合と同様に、各吸着
機構40a,40bの吸着力F1 ,F2 の合計FS(=
1 +F2 )が、常に所要の壁面吸着力Fとなるように
制御することで、装置を走行面30に確実に接地させな
がら、マグネット2a,2bの干渉を招くことなく溝を
乗り越えることができる。
【0056】ところで、このように、段差31や突起3
3等の障害物を乗り越える際に、各吸着機構40a,4
0bの吸着力F1 ,F2 の合計FS(=F1 +F2
が、常に所要の壁面吸着力Fとなるので、壁面吸着力F
が過大となることがなく、この点でも、装置の移動性能
向上に寄与する。つまり、例えば図6に示すように、車
輪に加わる荷重をW、車輪を押す力(駆動力)をQ、前
輪9又は後輪7a,7bの車輪直径をD、段差31の高
さをs、段差31に車輪が接触した際に車輪が段差31
を乗り越えようとするときの段差31の角度をθ、車輪
の接地中心線と段差31との接触点との水平距離をLと
すると、次式を満たせば、段差31の乗り越えが可能と
なる。
【0057】 Q>W・tanθ=W・〔2(s/L)/{1−(s/L)2 }〕 ≒W・2(s/L) 本装置では、壁面吸着力Fが過大となならないので、上
式の荷重Wを低減することができるようになり、荷重W
が小さくなれば、θを大きくすることができ、さらに換
言すれば、乗り越え可能な段差31の高さsを大きくす
ることができるので、装置の移動性能向上に寄与するの
である。
【0058】なお、本実施形態では、吸着機構を前後に
2組そなえているが、これは2組に限るものではなく、
吸着機構を3組以上を設置してもよい。この場合も、い
ずれかの吸着機構は他の吸着機構よりも前方又は後方に
設置して、各吸着機構の永久磁石が、上記移動体の移動
方向に対して前後に位置をずらせるようにして配設する
ことで、いずれかの永久磁石が段差や突起等の障害物と
の干渉を避けるために後退しても、他の永久磁石の中に
常に段差や突起等の障害物と干渉しないものが存在し
て、この永久磁石を前進調整することで、常に所要の壁
面吸着力Fとなるように制御することが可能となり、上
述のような効果を確実に得ることができるのである。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の壁面吸着式移動装置によれば、吸着機構が複数そ
なえられており、移動体が壁面上を移動する際に、いず
れかの吸着機構の永久磁石が例えば段差や突起等の障害
物と干渉するおそれがある場合には、この永久磁石を壁
面から離隔調整するなどして障害物との干渉を回避する
一方で、この回避した永久磁石の壁面吸着力が弱まるの
に応じて他の吸着機構が位置調整されて、各永久磁石の
壁面吸着力の合計が所要の壁面吸着力とされるので、永
久磁石の障害物との干渉を確実に回避しながら移動体を
壁面に確実に保持させて、壁面上を移動させることがで
きるようになる。
【0060】また、このように、複数の吸着機構の各永
久磁石を位置調整しながら、各永久磁石の壁面吸着力の
合計が所要の壁面吸着力となるようにする制御は、干渉
回避のために壁面吸着力が過大となるようなことも回避
できるため、移動体が例えば段差や突起等の障害物を乗
り越える場合にも、移動にかかる負荷が軽減されて、移
動機能が向上する効果もある。
【0061】請求項2記載の本発明の壁面吸着式移動装
置によれば、複数の吸着機構のうちのいずれかにおいて
永久磁石が障害物と干渉するおそれのある場合にも、永
久磁石が上記障害物と干渉するおそれのない他の吸着機
構が存在するため、障害物と干渉するおそれのある永久
磁石については壁面に対して後退調整し、かかる干渉を
回避できる一方で、干渉するおそれのない他の吸着機構
の永久磁石を壁面に対して適宜前進調整することで、各
吸着機構における該永久磁石の壁面吸着力の合計が所要
の壁面吸着力に達するような制御を確実に行なえ、永久
磁石の障害物との干渉を確実に回避しながら移動体を壁
面に確実に保持させ壁面上を移動させることができるよ
うになる。もちろん、上述のように、壁面吸着力が過大
となるようなことも回避でき、移動機能が向上する効果
もある。
【0062】請求項3記載の本発明の壁面吸着式移動装
置によれば、前部障害物センサ及び後部障害物センサを
通じて永久磁石の障害物との干渉する直前に永久磁石を
確実に後退調整して無駄なく干渉を回避することがで
き、短時間でしかも効率的で確実に永久磁石の障害物の
干渉制御を行なうことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移動装
置を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移動装
置を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移動装
置を示す正面図であり、一部な破断部分は図2のA−A
矢視断面を示している。
【図4】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移動装
置の障害物(段差)乗り越え時の動作を示す模式図であ
り、(A)〜(E)の順序でその動作を示している。
【図5】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移動装
置の障害物(突起)乗り越え時の動作を示す模式図であ
り、(A)〜(E)の順序でその動作を示している。
【図6】本発明の一実施形態としての壁面吸着式移動装
置の効果を説明する模式図である。
【図7】従来の壁面吸着式移動装置を示す模式的な側面
図である。
【図8】従来の壁面吸着式移動装置に関する課題を説明
する模式図である。
【図9】従来の壁面吸着式移動装置に関する課題を説明
する模式図である。
【符号の説明】
1a,1b マグネット駆動機構 2a,2b マグネット(永久磁石) 3a,3b 力センサ(吸着力センサ) 4a,4b マグネット駆動機構の軸 5 移動体(本体) 7a,7b 後輪 8a,8b 駆動機構 9 前輪 10 駆動機構 11 軸受 12 ステアリング軸 13,14,15 歯車 16 操舵用駆動機構 17a,18a 前部障害物センサ 17b,18b 後部障害物センサ 19a,19b 位置センサ 20 制御装置(電送装置) 30 走行面(磁性体製の壁面) 40a,40b 吸着機構
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】各センサのうち、位置センサ19a,19
bは、各マグネット2a,2bの進退ストロークを検出
するストロークセンサで構成されている。また、力セン
サ3a,3bは、例えば歪みゲージをそなえた円盤から
なり、各軸4a,4bの先端部と各マグネット2a,2
bとの間に介装され、マグネット2a,2bにより発生
する磁力(吸着力)が大きくなるほど各マグネット2
a,2bが各軸4a,4bから離隔しようとする力に応
じた歪み、逆に言えば、マグネット2a,2bにより発
生する磁力(吸着力)が小さくなるほど各マグネット2
a,2bと各軸4a,4bとの間で増大する挟み付けよ
うとする力(換言すれば、減少する引張力)に応じた歪
みを測定することで、各マグネット2a,2bの吸着力
(壁面吸着力)を検出するようになっている。したがっ
て、例えば各マグネット2a,2bが各軸4a,4bか
ら離隔しようとする力に応じた歪みを測定する場合、歪
みが大きいほど、吸着力(壁面吸着力)も大きくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】また、走行面30上に存在する下り段差を
乗り越える場合には、図示しないが、前部障害物センサ
17a,18aが、検出した走行面30側までの距離が
それまでよりも長くなることで、制御装置20では、
グネットが下り段差に接近したものと判定することがで
き、この場合にも、上述の上り段差の場合と同様に、各
吸着機構40a,40bの吸着力F1 ,F2 の合計FS
(=F1 +F2 )が、常に所要の壁面吸着力Fとなるよ
うに制御することで、装置を走行面30〜32に確実に
接地させながら、マグネット2a,2bの干渉を招くこ
となく下り段差を乗り越えることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】また、走行面30上に存在する下溝を乗り
越える場合には、図示しないが、前部障害物センサ17
a,18aが、検出した走行面30側までの距離がそれ
までよりも長くなることで、制御装置20では、マグネ
ットが溝に接近したものと判定することができ、この場
合にも、上述の突起の場合と同様に、各吸着機構40
a,40bの吸着力F1 ,F2 の合計FS(=F1 +F
2 )が、常に所要の壁面吸着力Fとなるように制御する
ことで、装置を走行面30に確実に接地させながら、マ
グネット2a,2bの干渉を招くことなく溝を乗り越え
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体製の壁面上を移動する移動体と、
    該移動体にそなえられた吸着機構と、該吸着機構を制御
    する制御装置とをそなえた壁面吸着式移動装置であっ
    て、 上記吸着機構が、該移動体に設置された永久磁石と、該
    永久磁石を該壁面に対して離接する方向に進退させる駆
    動機構と、該永久磁石の該壁面に対する離接方向位置を
    検出する位置センサと、該永久磁石の該壁面への吸着力
    を検出する吸着力センサと、該壁面上に存在する障害物
    の該永久磁石への接近を検出する障害物センサとをそな
    えるとともに、 該制御装置が、上記の位置センサ,吸着力センサ,障害
    物センサからの検出情報に基づいて、該永久磁石が該移
    動体を該壁面に保持させうる所要の壁面吸着力を発揮す
    る位置となるように該駆動機構を制御するとともに、該
    永久磁石が該障害物と干渉するおそれがある場合にはこ
    の干渉を回避するように該駆動機構を制御する壁面吸着
    式移動装置において、 上記吸着機構が複数組設けられて、上記制御装置が、各
    吸着機構における該永久磁石の壁面吸着力の合計により
    上記の所要の壁面吸着力が発生するように、各吸着機構
    における該駆動機構を制御することを特徴とする、壁面
    吸着式移動装置。
  2. 【請求項2】 上記の各吸着機構の永久磁石が、上記移
    動体の移動方向に対して前後に位置をずらせるようにし
    て配設され、 上記制御装置が、上記障害物センサからの検出情報に基
    づいて、上記の複数の吸着機構のうち上記永久磁石が上
    記障害物と干渉するおそれのある吸着機構についてはこ
    の干渉を回避するように上記駆動機構を通じて該永久磁
    石を該壁面に対して後退調整すると同時に、上記の複数
    の吸着機構のうち該永久磁石が上記障害物と干渉するお
    それのない吸着機構については上記の各吸着機構におけ
    る該永久磁石の壁面吸着力の合計により上記の所要の壁
    面吸着力が発生するように上記駆動機構を通じて該永久
    磁石を該壁面に対して前進調整することを特徴とする、
    請求項1記載の壁面吸着式移動装置。
  3. 【請求項3】 上記障害物センサが、上記移動体の真下
    の上記壁面上に検出方向を向けて該検出方向上の対象物
    との距離を検出することで該壁面上に存在する上記障害
    物を検出するように構成されるとともに、上記の各永久
    磁石における上記移動方向直前にそれぞれ設置された前
    部障害物センサをそなえ、 上記制御装置が、上記の複数の前部障害物センサのうち
    のいずれかが上記障害物の存在を検出したら、該前部障
    害物センサで検出された該障害物までの距離と、対応す
    る永久磁石に関して上記位置センサで検出された上記離
    接方向位置とに基づいて、該永久磁石が該障害物と干渉
    するおそれのある場合には該干渉を回避しうる量だけ上
    記駆動機構を通じて該永久磁石を後退調整することを特
    徴とする、請求項2記載の壁面吸着式移動装置。
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