JPH10162359A - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents
磁気記録媒体の製造装置Info
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- JPH10162359A JPH10162359A JP33164896A JP33164896A JPH10162359A JP H10162359 A JPH10162359 A JP H10162359A JP 33164896 A JP33164896 A JP 33164896A JP 33164896 A JP33164896 A JP 33164896A JP H10162359 A JPH10162359 A JP H10162359A
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- rolls
- roll
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 斜方蒸着法を使用した成膜装置の、蒸着開口
部の広さに限界があるため蒸着効率が低い。又、最大入
射角を規制するマスクに材料が付着して寸法変化が生じ
るため、所定の磁気特性のテープを長時間にわたり製造
するには、定期的な装置内のクリーニングが必要である
ため、生産効率が低下する。 【解決手段】 2本の非磁性基体23、24をそれぞれ
走行させる2個の冷却キャンロール21、22を備える
とともに、これらの冷却キャンロール21、22がそれ
ぞれの回転軸が互いに平行で、かつ、微小な間隙Lをも
って並置されており、また、磁性材料蒸発源25が前記
2個の冷却キャンロール間の中央下部に配設され、この
蒸発源からの蒸気流の第1の非磁性基体23への最大入
射角θmax1が第2の非磁性基体24により規制され、か
つ、第2の非磁性基体24への最大入射角θmax2が第1
の非磁性基体23により規制される構成とした。
部の広さに限界があるため蒸着効率が低い。又、最大入
射角を規制するマスクに材料が付着して寸法変化が生じ
るため、所定の磁気特性のテープを長時間にわたり製造
するには、定期的な装置内のクリーニングが必要である
ため、生産効率が低下する。 【解決手段】 2本の非磁性基体23、24をそれぞれ
走行させる2個の冷却キャンロール21、22を備える
とともに、これらの冷却キャンロール21、22がそれ
ぞれの回転軸が互いに平行で、かつ、微小な間隙Lをも
って並置されており、また、磁性材料蒸発源25が前記
2個の冷却キャンロール間の中央下部に配設され、この
蒸発源からの蒸気流の第1の非磁性基体23への最大入
射角θmax1が第2の非磁性基体24により規制され、か
つ、第2の非磁性基体24への最大入射角θmax2が第1
の非磁性基体23により規制される構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
装置に関し、詳しくは、斜方蒸着法により非磁性基体上
に磁性材料を成膜するための装置に関する。
装置に関し、詳しくは、斜方蒸着法により非磁性基体上
に磁性材料を成膜するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープの記録密度は近年急速に高密
度化が図られている。この過程で、磁気テープは高抗磁
力、高磁束密度を有する酸化鉄テープ、メタルテープ及
び薄膜テープへと高性能なものに移行している。この磁
気テープの応用として、VTR分野では、今後、デジタ
ル化、高精細化を達成するために特に薄膜テープが注目
されている。
度化が図られている。この過程で、磁気テープは高抗磁
力、高磁束密度を有する酸化鉄テープ、メタルテープ及
び薄膜テープへと高性能なものに移行している。この磁
気テープの応用として、VTR分野では、今後、デジタ
ル化、高精細化を達成するために特に薄膜テープが注目
されている。
【0003】この薄膜テープとしては、磁性膜が斜方蒸
着法により形成された、いわゆる蒸着テープが実用化さ
れている。これは、具体的にはピアス型電子銃を用い
て、真空中で電子ビームをルツボ内のCo、CoNiな
どの磁性材料に照射して、これらの材料を溶融、蒸発さ
せ、酸素を導入しながら、PET、PEN、PI(ポリ
イミド)、PA(ポリアミド)などのベースフィルム上
にCoO、CoNiOよりなる薄膜を形成することによ
り製造される。
着法により形成された、いわゆる蒸着テープが実用化さ
れている。これは、具体的にはピアス型電子銃を用い
て、真空中で電子ビームをルツボ内のCo、CoNiな
どの磁性材料に照射して、これらの材料を溶融、蒸発さ
せ、酸素を導入しながら、PET、PEN、PI(ポリ
イミド)、PA(ポリアミド)などのベースフィルム上
にCoO、CoNiOよりなる薄膜を形成することによ
り製造される。
【0004】この斜方蒸着法を使用した、一般的な成膜
装置を図2に示す。図2において、真空槽1内に、巻出
しロール2、巻取りロール3、ガイドロール4、5及び
冷却キャンロール7がそれぞれ配置されており、これら
のロール間に非磁性基体、すなわちベースフィルム6が
巻回され、巻出しロール2から巻取りロール3に至るま
で、図中矢印方向に走行する。冷却キャンロール7の内
部には、図示しない冷却装置が設けられ、上記ベースフ
ィルム6への蒸着時に、温度上昇によるベースフィルム
6の変形などを防止している。
装置を図2に示す。図2において、真空槽1内に、巻出
しロール2、巻取りロール3、ガイドロール4、5及び
冷却キャンロール7がそれぞれ配置されており、これら
のロール間に非磁性基体、すなわちベースフィルム6が
巻回され、巻出しロール2から巻取りロール3に至るま
で、図中矢印方向に走行する。冷却キャンロール7の内
部には、図示しない冷却装置が設けられ、上記ベースフ
ィルム6への蒸着時に、温度上昇によるベースフィルム
6の変形などを防止している。
【0005】また、冷却キャンロール7の下方には、磁
性材料11を収容したルツボ8が配置され、真空槽1の
側壁には、この磁性材料11を溶融、蒸発させるための
加熱装置として、例えば、ピアス型電子銃12が配設さ
れている。さらに、冷却キャンロール7に外周面近傍に
は、マスク9、10が配設され、マスク9により磁性材
料の蒸気流のベースフィルム6に対する最大入射角θ
maxが規制され、マスク10により同じく最小入射角θ
minが規制されている。そして、ベースフィルム6が冷
却キャンロール7の外周面を走行している間に、所定の
角度に設定された最大及び最小入射角の範囲(この範囲
を、蒸着開口部という)で蒸発磁性材料がベースフィル
ム6の表面に付着し、磁性膜が形成される。このとき、
得られる磁性膜の磁気特性は、磁性材料の蒸気流の最大
入射角θmax及び最小入射角θminにより決定される。一
般には、最大入射角θmax=90°、最小入射角θmin=
40°に設定されている。
性材料11を収容したルツボ8が配置され、真空槽1の
側壁には、この磁性材料11を溶融、蒸発させるための
加熱装置として、例えば、ピアス型電子銃12が配設さ
れている。さらに、冷却キャンロール7に外周面近傍に
は、マスク9、10が配設され、マスク9により磁性材
料の蒸気流のベースフィルム6に対する最大入射角θ
maxが規制され、マスク10により同じく最小入射角θ
minが規制されている。そして、ベースフィルム6が冷
却キャンロール7の外周面を走行している間に、所定の
角度に設定された最大及び最小入射角の範囲(この範囲
を、蒸着開口部という)で蒸発磁性材料がベースフィル
ム6の表面に付着し、磁性膜が形成される。このとき、
得られる磁性膜の磁気特性は、磁性材料の蒸気流の最大
入射角θmax及び最小入射角θminにより決定される。一
般には、最大入射角θmax=90°、最小入射角θmin=
40°に設定されている。
【0006】ピアス型電子銃12から放出される電子ビ
ーム13の制御は、ルツボ8に近接して配置され電子ビ
ーム13の軌道で偏向磁界を印加する偏向マグネット1
4と、電子銃12内の偏向マグネット15により行われ
る。電子ビーム13の照射位置はルツボ8の中央部で、
ベースフィルム6の幅方向に所定の周期で走査され、ル
ツボ8内の磁性材料11を溶解し、蒸発させる。また、
ルツボ8に近接した偏向マグネットを設置せずに、電子
銃12から放出された直進電子ビームを、電子銃12内
の偏向マグネット15のみを用いてルツボ8内で走査さ
せる方法もある。
ーム13の制御は、ルツボ8に近接して配置され電子ビ
ーム13の軌道で偏向磁界を印加する偏向マグネット1
4と、電子銃12内の偏向マグネット15により行われ
る。電子ビーム13の照射位置はルツボ8の中央部で、
ベースフィルム6の幅方向に所定の周期で走査され、ル
ツボ8内の磁性材料11を溶解し、蒸発させる。また、
ルツボ8に近接した偏向マグネットを設置せずに、電子
銃12から放出された直進電子ビームを、電子銃12内
の偏向マグネット15のみを用いてルツボ8内で走査さ
せる方法もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
斜方蒸着法においては、形成された磁性膜の磁気特性は
入射角依存性が大きく、蒸着開口部を広くすると、磁気
特性が大幅に劣化するため蒸着開口部の広さには限界が
ある。このため、磁性材料の全使用量に対するベースフ
ィルム上に付着する磁性材料の量、いわゆる、蒸着効率
が低く、生産性が非常に悪いという問題が生じる。さら
に、長時間蒸着を行うと、マスク9、10に蒸発磁性材
料が堆積し、マスク9、10の寸法を変化させることに
より、入射角が変化してしまう。上述したように、入射
角が変化すると磁性膜の磁気特性も変化するため、所定
の磁気特性の磁気記録媒体を長時間にわたり生産するこ
とができない。
斜方蒸着法においては、形成された磁性膜の磁気特性は
入射角依存性が大きく、蒸着開口部を広くすると、磁気
特性が大幅に劣化するため蒸着開口部の広さには限界が
ある。このため、磁性材料の全使用量に対するベースフ
ィルム上に付着する磁性材料の量、いわゆる、蒸着効率
が低く、生産性が非常に悪いという問題が生じる。さら
に、長時間蒸着を行うと、マスク9、10に蒸発磁性材
料が堆積し、マスク9、10の寸法を変化させることに
より、入射角が変化してしまう。上述したように、入射
角が変化すると磁性膜の磁気特性も変化するため、所定
の磁気特性の磁気記録媒体を長時間にわたり生産するこ
とができない。
【0008】特に、最大入射角θmaxを規制するマスク
9の寸法変化は磁気特性に与える影響が大きいだけに深
刻である。これを防ぐために、従来は、定期的にマスク
9の堆積物を除去しているが、これには、装置内の真空
を一旦解除し、また、ルツボの加熱も中断して作業を行
うため、生産効率が著しく低下するという問題があり、
改善が強く望まれている。また、蒸気流が例えばマスク
9の後方へ回り込むことにより装置内の内壁や防着板に
付着し、それらの付着膜の剥離により装置内に粉塵が飛
散し、それによってテープのドロップアウトが生じるた
め、同様に、工程を中断しての装置内のクリーニングが
必要であった。
9の寸法変化は磁気特性に与える影響が大きいだけに深
刻である。これを防ぐために、従来は、定期的にマスク
9の堆積物を除去しているが、これには、装置内の真空
を一旦解除し、また、ルツボの加熱も中断して作業を行
うため、生産効率が著しく低下するという問題があり、
改善が強く望まれている。また、蒸気流が例えばマスク
9の後方へ回り込むことにより装置内の内壁や防着板に
付着し、それらの付着膜の剥離により装置内に粉塵が飛
散し、それによってテープのドロップアウトが生じるた
め、同様に、工程を中断しての装置内のクリーニングが
必要であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を解消すべく種々検討を重ねた結果、従来の装置のよう
に1個の冷却キャンロールを設置するのではなく、2個
の冷却キャンロールを極めて近接させて配置し、その中
央下部に蒸発源を置けば、蒸発開口部が実質的に2倍に
拡張されることとなり、しかも2本の非磁性基体に同時
に、かつ、同一度条件で蒸着を行えるため蒸着効率及び
生産効率がともに向上するとの着想を得た。
を解消すべく種々検討を重ねた結果、従来の装置のよう
に1個の冷却キャンロールを設置するのではなく、2個
の冷却キャンロールを極めて近接させて配置し、その中
央下部に蒸発源を置けば、蒸発開口部が実質的に2倍に
拡張されることとなり、しかも2本の非磁性基体に同時
に、かつ、同一度条件で蒸着を行えるため蒸着効率及び
生産効率がともに向上するとの着想を得た。
【0010】すなわち、本発明によれば、磁性材料の蒸
発源からの蒸気流を斜方蒸着法により非磁性基体上に堆
積させることにより磁性膜を形成する磁気記録媒体の製
造装置において、第1及び第2の非磁性基体をそれぞれ
走行させる2個の冷却キャンロールを備えるとともに、
これらの冷却キャンロールをそれぞれの回転軸が互いに
平行になるように、かつ、微小な間隙をもって並置され
ており、前記蒸発源が前記2個の冷却キャンロール間の
中央下部に配設され、前記蒸発源からの蒸気流の第1の
非磁性基体への最大入射角が前記第2の非磁性基体によ
り規制され、かつ、前記蒸発源からの蒸気流の前記第2
の非磁性基体への最大入射角が前記第1の非磁性基体に
より規制されるように構成したものが提供される。ま
た、上記の構成において、2個の冷却キャンロール間の
微小な間隙は、3mm以下であることが好ましい。
発源からの蒸気流を斜方蒸着法により非磁性基体上に堆
積させることにより磁性膜を形成する磁気記録媒体の製
造装置において、第1及び第2の非磁性基体をそれぞれ
走行させる2個の冷却キャンロールを備えるとともに、
これらの冷却キャンロールをそれぞれの回転軸が互いに
平行になるように、かつ、微小な間隙をもって並置され
ており、前記蒸発源が前記2個の冷却キャンロール間の
中央下部に配設され、前記蒸発源からの蒸気流の第1の
非磁性基体への最大入射角が前記第2の非磁性基体によ
り規制され、かつ、前記蒸発源からの蒸気流の前記第2
の非磁性基体への最大入射角が前記第1の非磁性基体に
より規制されるように構成したものが提供される。ま
た、上記の構成において、2個の冷却キャンロール間の
微小な間隙は、3mm以下であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の磁気記録媒体の製造装置と
しての成膜装置の構成の一例を図1に示す。なお、図
中、図2と同一の構成要素には同一の符号を付してあ
る。真空槽1’内には2個の冷却キャンロール21、2
2が、互いの回転軸が平行で、かつ、各々の端面が面一
になるように並置されており、2個の冷却キャンロール
21、22の外周面が最も近接する箇所では極めて微小
な間隙即ち距離Lが設けられている。冷却キャンロール
21の上部には巻出しロール31、巻取りロール32、
ガイドロール41、42が配設され、これらの各ロール
間に非磁性基体、例えばベースフィルム23が巻回さ
れ、図に矢印で示す方向に走行する。一方、冷却キャン
ロール22の上部にも同様に、巻出しロール33、巻取
りロール34、ガイドロール43、44が配設され、こ
れらの各ロール間に非磁性基体、例えば、ベースフィル
ム24が巻回され、図に矢印で示す方向に走行する。す
なわち、冷却キャンロール21においては、ベースフィ
ルム23は時計回りに走行し、冷却キャンロール22に
おいては、ベースフィルム24は反時計回りに走行す
る。
しての成膜装置の構成の一例を図1に示す。なお、図
中、図2と同一の構成要素には同一の符号を付してあ
る。真空槽1’内には2個の冷却キャンロール21、2
2が、互いの回転軸が平行で、かつ、各々の端面が面一
になるように並置されており、2個の冷却キャンロール
21、22の外周面が最も近接する箇所では極めて微小
な間隙即ち距離Lが設けられている。冷却キャンロール
21の上部には巻出しロール31、巻取りロール32、
ガイドロール41、42が配設され、これらの各ロール
間に非磁性基体、例えばベースフィルム23が巻回さ
れ、図に矢印で示す方向に走行する。一方、冷却キャン
ロール22の上部にも同様に、巻出しロール33、巻取
りロール34、ガイドロール43、44が配設され、こ
れらの各ロール間に非磁性基体、例えば、ベースフィル
ム24が巻回され、図に矢印で示す方向に走行する。す
なわち、冷却キャンロール21においては、ベースフィ
ルム23は時計回りに走行し、冷却キャンロール22に
おいては、ベースフィルム24は反時計回りに走行す
る。
【0012】冷却キャンロール21、22の下方には、
それぞれ、マスク51、52が配設され、磁性材料蒸発
源25からの蒸気流のベースフィルム23、24への最
小入射角θmin1及びθmin2を規制している。そして、冷
却キャンロール21と22との間の中央下部には磁性材
料の磁性材料蒸発源25が収容されている。この構成に
おいて、電子銃12からの電子ビーム13のルツボ8内
の磁性材料蒸発源25に照射することにより、磁性材料
を蒸発させる。このとき、ルツボ8からの蒸気流の密度
は蒸気流の進行方向に依存し、具体的には、ルツボ法線
方向(ルツボ直上方向)が最も大きく、法線方向から離
れる程小さくなる。一般に、蒸気流密度の角度分布Φ
(θ)は、次式(1)で示される。
それぞれ、マスク51、52が配設され、磁性材料蒸発
源25からの蒸気流のベースフィルム23、24への最
小入射角θmin1及びθmin2を規制している。そして、冷
却キャンロール21と22との間の中央下部には磁性材
料の磁性材料蒸発源25が収容されている。この構成に
おいて、電子銃12からの電子ビーム13のルツボ8内
の磁性材料蒸発源25に照射することにより、磁性材料
を蒸発させる。このとき、ルツボ8からの蒸気流の密度
は蒸気流の進行方向に依存し、具体的には、ルツボ法線
方向(ルツボ直上方向)が最も大きく、法線方向から離
れる程小さくなる。一般に、蒸気流密度の角度分布Φ
(θ)は、次式(1)で示される。
【0013】
【数1】Φ(θ)=Φ(0)cosnθ (1) ここで、Φ(0):法線方向の蒸気流密度 θ :法線方向に対する角度(°) n=1〜3の整数
【0014】したがって、図1に示した装置において、
蒸着効率を向上させるためにはルツボ法線方向へ向かう
蒸気流を有効に非磁性基体23、24に付着させればよ
い。そのため、蒸気流が2個の冷却キャンロール21、
22の間隙を抜けることを防止する必要があり、この間
隙の距離Lは微小であればあるほどよい。具体的には、
製造する磁気記録媒体に対する要求特性の程度にもよる
が、L=3mm以下であることが好ましい。Lが3mm
を超えると、蒸気が走行室に侵入し、内壁やガイドロー
ルに付着して、クリーニングを必要としたり、あるい
は、走行障害の原因となる場合がある。また、このルツ
ボ法線方向の蒸気流が各々の冷却ロール21、22を走
行するベースフィルム23、24に対する最大入射角の
蒸気流となるため、この最大入射角の蒸気流がベースフ
ィルム23、24に付着する以前に、これらのベースフ
ィルム23、24に冷却キャンロール21、22の間隙
を抜けて走行室へ侵入した蒸気が既に付着していると、
目的の磁気特性が得られない場合がある。
蒸着効率を向上させるためにはルツボ法線方向へ向かう
蒸気流を有効に非磁性基体23、24に付着させればよ
い。そのため、蒸気流が2個の冷却キャンロール21、
22の間隙を抜けることを防止する必要があり、この間
隙の距離Lは微小であればあるほどよい。具体的には、
製造する磁気記録媒体に対する要求特性の程度にもよる
が、L=3mm以下であることが好ましい。Lが3mm
を超えると、蒸気が走行室に侵入し、内壁やガイドロー
ルに付着して、クリーニングを必要としたり、あるい
は、走行障害の原因となる場合がある。また、このルツ
ボ法線方向の蒸気流が各々の冷却ロール21、22を走
行するベースフィルム23、24に対する最大入射角の
蒸気流となるため、この最大入射角の蒸気流がベースフ
ィルム23、24に付着する以前に、これらのベースフ
ィルム23、24に冷却キャンロール21、22の間隙
を抜けて走行室へ侵入した蒸気が既に付着していると、
目的の磁気特性が得られない場合がある。
【0015】そして、冷却キャンロール21への蒸気流
の最大入射角θmax1は隣接する冷却キャンロール22を
走行するベースフィルム24により規制され、逆に、冷
却キャンロール22への蒸気流の最大入射角θmax2は隣
接する冷却キャンロール21を走行するベースフィルム
23により規制されている。すなわち、磁気記録媒体の
磁気特性に多大な影響を与える最大入射角の規制を、固
定マスクではなく、走行するベースフィルムで行うた
め、従来のように蒸発磁性材料が固定マスクに堆積して
マスクの寸法変化が生じることがない。したがって、マ
スクの寸法変化に起因する入射角の変化が生じることが
なく、結果として、所定の特性の磁気記録媒体を長時間
にわたって生産することが可能となる。
の最大入射角θmax1は隣接する冷却キャンロール22を
走行するベースフィルム24により規制され、逆に、冷
却キャンロール22への蒸気流の最大入射角θmax2は隣
接する冷却キャンロール21を走行するベースフィルム
23により規制されている。すなわち、磁気記録媒体の
磁気特性に多大な影響を与える最大入射角の規制を、固
定マスクではなく、走行するベースフィルムで行うた
め、従来のように蒸発磁性材料が固定マスクに堆積して
マスクの寸法変化が生じることがない。したがって、マ
スクの寸法変化に起因する入射角の変化が生じることが
なく、結果として、所定の特性の磁気記録媒体を長時間
にわたって生産することが可能となる。
【0016】さらに、生産効率をあげるには、2個の冷
却キャンロール21、22をそれぞれ走行するベースフ
ィルム23、24への成膜を同時に開始し、かつ、同時
に終了することが必要である。このためには、各々の冷
却キャンロールへの蒸発量が同一でなければならず、具
体的には2個の冷却キャンロール21、22のルツボ8
に対する幾何学的配置が同一でなければならない。すな
わち、θmin1=θmin2、θmax1=θmax2であり、これは
ルツボ8を2個の冷却キャンロール21、22の中央下
部に配置することにより達成される。
却キャンロール21、22をそれぞれ走行するベースフ
ィルム23、24への成膜を同時に開始し、かつ、同時
に終了することが必要である。このためには、各々の冷
却キャンロールへの蒸発量が同一でなければならず、具
体的には2個の冷却キャンロール21、22のルツボ8
に対する幾何学的配置が同一でなければならない。すな
わち、θmin1=θmin2、θmax1=θmax2であり、これは
ルツボ8を2個の冷却キャンロール21、22の中央下
部に配置することにより達成される。
【0017】
【実施例】以下に示す実施例により、本発明を具体的に
説明する。 <実施例>図1に示した装置を使用し、直径1,000
mmの2個の冷却キャンロール21、22を用いて、図
に示したルツボ8の位置(X、Y)(mm)及び冷却キ
ャンロール21、22間の距離L(mm)を様々に変化
させて、酸素を導入しながら長さ1,000m、幅30
0mmのPETフィルムを各冷却キャンロールに走行さ
せて、フィルム上にCoOの磁性膜を0.2μmの厚さ
となるように蒸着した。又、蒸気流の入射角は各冷却キ
ャンロール共同一条件で、最大入射角は90°、最小入
射角40°とした。
説明する。 <実施例>図1に示した装置を使用し、直径1,000
mmの2個の冷却キャンロール21、22を用いて、図
に示したルツボ8の位置(X、Y)(mm)及び冷却キ
ャンロール21、22間の距離L(mm)を様々に変化
させて、酸素を導入しながら長さ1,000m、幅30
0mmのPETフィルムを各冷却キャンロールに走行さ
せて、フィルム上にCoOの磁性膜を0.2μmの厚さ
となるように蒸着した。又、蒸気流の入射角は各冷却キ
ャンロール共同一条件で、最大入射角は90°、最小入
射角40°とした。
【0018】このときの蒸着効率の変化、成膜されたC
oO磁性膜のHc、及び走行室のガイドロールや内壁へ
の付着状態を調べ、結果を表1に示した。Hcは成膜開
始からフィルム送り100m、900mにおける値を測
定した。また、蒸着効率は、(フィルム上に付着したC
oOの全量/Coの全使用量)×100(%)として示
し、各量は下記のようにして求めた。
oO磁性膜のHc、及び走行室のガイドロールや内壁へ
の付着状態を調べ、結果を表1に示した。Hcは成膜開
始からフィルム送り100m、900mにおける値を測
定した。また、蒸着効率は、(フィルム上に付着したC
oOの全量/Coの全使用量)×100(%)として示
し、各量は下記のようにして求めた。
【0019】
【数2】 フィルム上に付着したCoOの全量: 1,000m ×300mm ×0.2 μm×8.9g/cm3(Coの密度)
×2 =10.6kg Coの全使用量: 供給Co量−(成膜開始時のルツボ重量−終了時のルツ
ボ重量)
×2 =10.6kg Coの全使用量: 供給Co量−(成膜開始時のルツボ重量−終了時のルツ
ボ重量)
【0020】
【表1】
【0021】<比較例>図2に示した従来の装置を使用
し、直径1,000mmの冷却キャンロール7を用い
て、ルツボの位置(X、Y)(mm)及び最大入射角θ
max=90°を規制するマスク9と冷却キャンロール7
との距離t(mm)を様々に変化させて、酸素を導入し
ながら、長さ1,000m、幅300mmのPETフィ
ルムにCoOの磁性膜が0.2μmの厚さとなるように
蒸着した。蒸気流の成膜時の最大入射角θmax=90
°、最小入射角θmin=40°とした。
し、直径1,000mmの冷却キャンロール7を用い
て、ルツボの位置(X、Y)(mm)及び最大入射角θ
max=90°を規制するマスク9と冷却キャンロール7
との距離t(mm)を様々に変化させて、酸素を導入し
ながら、長さ1,000m、幅300mmのPETフィ
ルムにCoOの磁性膜が0.2μmの厚さとなるように
蒸着した。蒸気流の成膜時の最大入射角θmax=90
°、最小入射角θmin=40°とした。
【0022】マスク9と冷却キャンロール7との距離t
を1、3、5mmと変化させて、成膜を行ったが、tが
1、3mmの場合は、成膜途中でマスク9と冷却キャン
ロール7との間に蒸発材料が堆積し、その堆積物が冷却
キャンロール7に接触したため、その時点で成膜を中止
した。したがって、距離tが5mmの場合の蒸着効率、
Hcを表2に示した。Hcは2個の冷却キャンロールの
一方からのルツボ距離が実施例と一致する、(X、Y)
=(500、200)、(500、300)及び(50
0、400)の場合につき、実施例と同様に、成膜開始
からフィルム送り100m、900mにおける値を測定
した。また、蒸着効率も実施例と同様に算出した。
を1、3、5mmと変化させて、成膜を行ったが、tが
1、3mmの場合は、成膜途中でマスク9と冷却キャン
ロール7との間に蒸発材料が堆積し、その堆積物が冷却
キャンロール7に接触したため、その時点で成膜を中止
した。したがって、距離tが5mmの場合の蒸着効率、
Hcを表2に示した。Hcは2個の冷却キャンロールの
一方からのルツボ距離が実施例と一致する、(X、Y)
=(500、200)、(500、300)及び(50
0、400)の場合につき、実施例と同様に、成膜開始
からフィルム送り100m、900mにおける値を測定
した。また、蒸着効率も実施例と同様に算出した。
【0023】
【表2】
【0024】表1及び表2の結果から明らかなように、
本発明の装置と従来の装置とをルツボの位置Yが同一の
場合について比較すると、従来装置で蒸着効率が最も大
きいXの位置における蒸着効率よりも、本発明の装置で
はXの位置に関わらず常に大きい値となっている。すな
わち、例えば、Y=200の場合、従来装置ではX=3
00のときに蒸着効率が最大で12.2%であるが、本
発明の装置では、最も小さくても17.2%であり、最
大では20.3%である。
本発明の装置と従来の装置とをルツボの位置Yが同一の
場合について比較すると、従来装置で蒸着効率が最も大
きいXの位置における蒸着効率よりも、本発明の装置で
はXの位置に関わらず常に大きい値となっている。すな
わち、例えば、Y=200の場合、従来装置ではX=3
00のときに蒸着効率が最大で12.2%であるが、本
発明の装置では、最も小さくても17.2%であり、最
大では20.3%である。
【0025】しかも、本発明の装置においては、最大入
射角を規制するマスクとして、走行するベースフィルム
を利用しているため、従来の固定マスクのように蒸気流
が堆積することがなく、最大入射角の変化を防止できる
ため、安定した磁気特性を長時間にわたり維持すること
が可能となる。
射角を規制するマスクとして、走行するベースフィルム
を利用しているため、従来の固定マスクのように蒸気流
が堆積することがなく、最大入射角の変化を防止できる
ため、安定した磁気特性を長時間にわたり維持すること
が可能となる。
【0026】また、表1において、2個の冷却キャンロ
ール21、22間の距離Lについての評価結果を比較す
ると、各Yの値について、距離Lが3mm以下の場合
は、走行室のガイドロールや内壁への付着が見られず、
最大入射角の蒸気流が非磁性基体に付着する以前に、走
行室へ侵入した蒸気が非磁性基体に付着してしまうこと
がないため、良好な磁気特性が得られる。したがって、
磁気記録媒体に要求される磁気特性がそれ程厳密なもの
ではない場合には、冷却キャンロール間の距離Lが3m
mを超えても実用上問題はないが、要求特性が厳密な場
合は3mm以下に設定することが望ましいことが確認さ
れた。
ール21、22間の距離Lについての評価結果を比較す
ると、各Yの値について、距離Lが3mm以下の場合
は、走行室のガイドロールや内壁への付着が見られず、
最大入射角の蒸気流が非磁性基体に付着する以前に、走
行室へ侵入した蒸気が非磁性基体に付着してしまうこと
がないため、良好な磁気特性が得られる。したがって、
磁気記録媒体に要求される磁気特性がそれ程厳密なもの
ではない場合には、冷却キャンロール間の距離Lが3m
mを超えても実用上問題はないが、要求特性が厳密な場
合は3mm以下に設定することが望ましいことが確認さ
れた。
【0027】以上のことから本発明の製造装置の利点を
まとめると、 (1)蒸着効率を大幅に向上させることが可能で、これ
により製造コストを大幅に低減することができる。 (2)真空装置内の内壁や防着板に材料が付着する量が
少なくなるため、付着膜の剥離により生じる装置内の粉
塵を低減し、粉塵に起因するテープのドロップアウトを
少なくすることができる。さらに、装置内のクリーニン
グ回数が少なくなり、生産性が向上する。 (3)マスク寸法の変化による最大入射角の変化がな
く、所定の特性の磁気記録媒体を長時間にわたり確実に
生産することができる。更に、2個の冷却キャンロール
の間隔Lを3mm以下にすることにより、厳密な要求特
性にも十分に対応することが可能となる。
まとめると、 (1)蒸着効率を大幅に向上させることが可能で、これ
により製造コストを大幅に低減することができる。 (2)真空装置内の内壁や防着板に材料が付着する量が
少なくなるため、付着膜の剥離により生じる装置内の粉
塵を低減し、粉塵に起因するテープのドロップアウトを
少なくすることができる。さらに、装置内のクリーニン
グ回数が少なくなり、生産性が向上する。 (3)マスク寸法の変化による最大入射角の変化がな
く、所定の特性の磁気記録媒体を長時間にわたり確実に
生産することができる。更に、2個の冷却キャンロール
の間隔Lを3mm以下にすることにより、厳密な要求特
性にも十分に対応することが可能となる。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明によ
れば、2個の冷却キャンロールを極めて微小な間隔で並
置し、1個のルツボから同一条件で同時に蒸着を行う構
成としたので、材料の蒸着効率が高く、真空装置内の粉
塵を低減し、装置内のクリーニング回数を少なくするこ
とができ、更には、マスク寸法の変化がないため、磁気
特性に優れた磁気記録媒体の生産性を大幅に向上させる
ことができる。
れば、2個の冷却キャンロールを極めて微小な間隔で並
置し、1個のルツボから同一条件で同時に蒸着を行う構
成としたので、材料の蒸着効率が高く、真空装置内の粉
塵を低減し、装置内のクリーニング回数を少なくするこ
とができ、更には、マスク寸法の変化がないため、磁気
特性に優れた磁気記録媒体の生産性を大幅に向上させる
ことができる。
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造装置の主要部をな
す成膜装置の構成の一例を示す概念図である。
す成膜装置の構成の一例を示す概念図である。
【図2】従来の成膜装置の構成を示す概念図である。
1’ 真空槽 8 ルツボ 12 電子銃 13 電子ビーム 21、22 冷却キャンロール 23、24 非磁性基体(ベースフィルム) 25 磁性材料蒸発源 31、33 巻出しロール 32、34 巻取りロール 41、42、43、44 ガイドロール 51、52 マスク
Claims (2)
- 【請求項1】 磁性材料の蒸発源からの蒸気流を斜方蒸
着法により非磁性基体上に堆積させることにより磁性膜
を形成する磁気記録媒体の製造装置において、 第1及び第2の非磁性基体をそれぞれ走行させる2個の
冷却キャンロールを備えるとともに、これらの冷却キャ
ンロールがそれぞれの回転軸が互いに平行になるよう
に、かつ、微小な間隙をもって並置されており、前記蒸
発源が前記2個の冷却キャンロール間の中央下部に配設
され、前記蒸発源からの蒸気流の第1の非磁性基体への
最大入射角が前記第2の非磁性基体により規制され、か
つ、前記蒸発源からの蒸気流の前記第2の非磁性基体へ
の最大入射角が前記第1の非磁性基体により規制される
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項2】 前記2個の冷却キャンロール間の微小な
間隙が、3mm以下である請求項1記載の製造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33164896A JPH10162359A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 磁気記録媒体の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33164896A JPH10162359A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 磁気記録媒体の製造装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10162359A true JPH10162359A (ja) | 1998-06-19 |
Family
ID=18246023
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33164896A Pending JPH10162359A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 磁気記録媒体の製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10162359A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008111160A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 真空蒸着装置 |
-
1996
- 1996-11-27 JP JP33164896A patent/JPH10162359A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008111160A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 真空蒸着装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011204 |