JPH10168030A - カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

カルボン酸エステルの製造方法

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JPH10168030A
JPH10168030A JP8324027A JP32402796A JPH10168030A JP H10168030 A JPH10168030 A JP H10168030A JP 8324027 A JP8324027 A JP 8324027A JP 32402796 A JP32402796 A JP 32402796A JP H10168030 A JPH10168030 A JP H10168030A
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carboxylic acid
catalyst
titanium
acid ester
silica titania
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JP8324027A
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Masamichi Onuki
正道 大貫
Yasuyuki Sasaki
康之 佐々木
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エステルの収率が良く、触媒からのチタン溶
出が少なく、かつ触媒の回収・再使用が可能な、カルボ
ン酸エステルの製造方法の提供。 【解決手段】 カルボン酸またはその無水物とアルコー
ルとを反応させてカルボン酸エステルを製造するにあた
り、正四面体配位構造のチタンを含有した無定形のシリ
カチタニアであって、親水性官能基を0.6個/nm2
以上の表面密度で有するシリカチタニア触媒を用いるカ
ルボン酸エステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸エステ
ルの製造方法に関するものである。詳しくは、塩化ビニ
ル系樹脂等の可塑剤として用いられるカルボン酸エステ
ルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フタル酸ジアルキルなどの可塑剤を(無
水)フタル酸と脂肪族アルコールとをエステル化して工
業的に製造する場合、エステル化反応用触媒として、硫
酸、パラトルエンスルホン酸などの強酸類やテトライソ
プロピルチタネートやテトラブチルチタネート等のテト
ラアルキルチタネート類が知られている。特にテトラア
ルキルチタネート触媒は、強酸触媒に比べてアルコール
の脱水などの副反応が少なく、着色の少ない高品質のカ
ルボン酸エステルが得られることから、広く用いられて
いる。
【0003】しかしながら、テトラアルキルチタネート
は均一系触媒であるために、反応生成物であるエステル
との分離が難しいという問題がある。すなわち、フタル
酸ジアルキルなどの高沸点カルボン酸エステルを蒸留分
離することは困難なため、反応終了後に触媒を加水分解
して析出させた上で、濾過分離する方法が一般に用いら
れており、結果的に触媒の回収・再使用は行われておら
ず、また、テトラアルキルチタネートは加水分解される
と粘稠なゲル状となるために、濾過分離に長時間を要す
るという問題があった。
【0004】この様な問題点を解決するために、担持ア
ルキルチタネート触媒、チタン含有金属酸化物触媒など
の不均一系チタン触媒が種々提案されている。担持アル
キルチタネート触媒は、表面に水酸基を有する無機化合
物を担体としてアルキルチタネートを担持させたもので
あり、例えば特開昭52−75684号公報には、シリ
カ、アルミナにテトラアルキルチタネートを担持させた
触媒が開示されている。また、特開平2−62849号
公報には、シリカマグネシアに担持れたメチルチタネー
ト触媒が開示されている。これらの触媒は均一系チタネ
ート触媒に匹敵する活性を発現するが、担体とチタネー
トとの結合が弱いため、チタンが溶出するという問題が
あった。特に主にプラスチック製品の可塑剤として使用
されるフタル酸ジエステルの製造に使用する場合、チタ
ンの溶出はエステルの体積固有抵抗値の低下を招き、絶
縁性不良など最終製品の品質に悪影響を与えることがあ
るので好ましくない。
【0005】一方、チタン含有金属酸化物触媒によるエ
ステル化反応については主にチタニアやシリカチタニア
を中心として種々の検討がなされているが、一般的には
活性が不十分であり、一方、水和チタニアなどのエステ
ル化活性が高い触媒の場合には、Collect.Cz
ech.Chem.Commun.(1984)、49
(1)、253に報告されているように、担持アルキル
チタネート触媒の場合と同様に、チタンが多量に溶出し
てしまうという問題があった。また特開平7−2757
01号公報には、高い酸濃度下でチタン化合物とシリコ
ン化合物を共沈させる方法によって得られたシリカチタ
ニア触媒が、高いエステル化活性を示すことが示されて
いるが、経時的に活性の低下が起こる点で問題がある。
【0006】このように不均一系チタン触媒の場合は、
触媒活性(エステル化活性、エステルの収率)と触媒の
安定性(チタンの溶出量)との両立が不十分であり工業
的に実施できるレベルには未だ到達していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エス
テルの収率が良く、触媒からのチタン溶出が少なく、か
つ触媒の回収・再使用が可能な、カルボン酸エステルの
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、カルボン酸またはそ
の無水物とアルコールとを反応させてカルボン酸エステ
ルを製造するに際し、触媒として特定の特性を有するシ
リカチタニア触媒を使用することにより目的が達成され
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、カルボン酸ま
たはその無水物とアルコールとを反応させてカルボン酸
エステルを製造するにあたり、正四面体配位構造のチタ
ンを含有した無定形のシリカチタニアであって、親水性
官能基を0.6個/nm2以上の表面密度で有するシリ
カチタニア触媒を用いることを特徴とするカルボン酸エ
ステルの製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては正四面体配位構
造のチタンを含有した無定形のシリカチタニア触媒を使
用するが、その調製方法の一例について以下に詳述す
る。本発明におけるシリカチタニア触媒は、アルコキシ
シラン類またはハロゲン化珪素類を部分的に加水分解す
る第一工程、及び、次いで加水分解性のチタン化合物を
加え、塩基性触媒の存在下で加水分解する第二工程から
なる2段階の加水分解工程により調製される。該触媒の
調製は、空気中の水分による加水分解を極力避けるた
め、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うのが好まし
い。
【0011】アルコキシシラン類としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラキ
ス(2−エトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−
メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブ
トキシ)シラン、テトラフェノキシシラン、ジ−t−ブ
トキシジアセトキシシランなどが例示できる。ハロゲン
化珪素類としては、テトラクロロシラン、テトラフルオ
ロシラン、トリ−n−ブトキシクロロシラン、トリ−i
−プロポキシクロロシランなどが例示できる。特にテト
ラエトキシシランは入手が容易であることから、好適に
使用される。
【0012】アルコキシシラン類またはハロゲン化珪素
類(以下、「アルコキシシラン類等」と記す)の部分加
水分解工程(第一工程)においては、不均一に加水分解
が進行することを防ぐために、通常アルコキシシラン類
等をエタノール、2−プロパノールなどのアルコールで
希釈してから加水分解を行う。加水分解触媒としては、
塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などの酸性触媒またはアンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸アンモニウム、尿素などの塩基性触媒を用い
る。均一な加水分解を行うためには酸性触媒を用いるの
が良い。加水分解触媒の使用量は特に制限はないが、通
常アルコキシシラン類等に対して0.01〜1倍当量好
ましくは0.05〜0.5倍当量である。
【0013】添加する水の量はアルコキシシラン類等に
対して4倍当量未満、通常0.5〜3.5倍当量、好ま
しくは1〜2.5倍当量である。水が少なすぎても多す
ぎても、シリカチタニア中でチタンとシリコンの原子レ
ベルでの分散が不均一となりやすく安定性の良い(チタ
ン溶出量の少ない)シリカチタニア触媒は得られにくく
なる。添加する水の量をこのように調節することによ
り、アルコキシシラン類等の部分加水分解物が得られ
る。部分加水分解の程度は好ましくは10〜90%であ
り、更に好ましくは25〜65%である。加水分解が過
度に進行すると、その結果得られた加水分解生成物が重
合し、シリカのオリゴマーが生成するので、前記したよ
うに安定性の良いシリカチタニア触媒は得られない。
【0014】加水分解性のチタン化合物(以下、単に
「チタン化合物」と記す)としては、例えば、テトラメ
チルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラ−n
−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチ
ルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート
などのアルキルチタネート類及びチタンジ−n−ブトキ
サイドビス(2、4−ペンタンジオネート)、チタンオ
キシドビス(2、4−ペンタンジオネート)などのチタ
ンジケトネート類及び四塩化チタン、三塩化チタンなど
のハロゲン化チタン類が例示できる。好適には、取り扱
いが容易で安価である炭素原子数4〜8のアルキル基を
有するテトラアルキルチタネート類が用いられる。
【0015】チタン化合物とアルコキシシラン類等との
モル比は「チタン化合物/アルコキシシラン類等」で表
して、通常0.1/99.9〜50/50、好ましくは
1/99〜10/90の範囲が適当である。チタン化合
物の割合が少ないとシリカチタニアの活性が低下し、ま
た多すぎるとシリカチタニア中のチタンの分散が不均一
となり安定性が低下するので好ましくない。
【0016】チタン化合物は通常エタノール、2−プロ
パノールなどのアルコールに分散させた後、部分加水分
解したアルコキシシラン類等と混合する。混合方法につ
いては特に制限はないが、シリカチタニア中でチタンと
シリコンとを均一に分散させるために、アルコキシシラ
ン類等に対して、チタン化合物を徐々に添加する方法が
好ましい。
【0017】チタン化合物を添加した後で行う加水分解
(第二工程)は、塩基性触媒の存在下で進行させること
が高いエステル化活性を有するシリカチタニア触媒を得
るために必要である。
【0018】塩基性触媒としては、アンモニア、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸アン
モニウム、尿素などが例示できるが、乾燥及び焼成によ
って容易に除去できるので、アンモニアが好適である。
塩基性触媒の量は前記の部分加水分解において酸性触媒
を用いた場合には、通常その触媒の1.1〜5倍当量好
ましくは1.5〜3倍当量とすればよく、塩基性触媒を
用いた場合には、反応系が塩基性になっているので、新
たに塩基性触媒を添加しなくてもよい。加水分解に用い
る水の量は、通常チタン化合物とアルコキシシラン類等
の総量に対して0.25〜100倍当量、好ましくは2
〜10倍当量である。水の量が少ないと加水分解による
シリカチタニアの架橋構造の生成が不十分となり、シリ
カチタニア触媒の安定性が低下する。また水を多量に用
いても、後の濾過工程の負荷が増加するだけで特に利点
はない。前記の量の水を添加することにより、加水分解
(第二工程)の程度は理論的には100%となるが、実
際は、架橋構造の生成の過程で該構造の内部に取り込ま
れてしまい、加水分解を受けにくい部位も存在するの
で、通常は95%〜99%程度である。塩基性触媒は通
常、水溶液の状態で系に添加するのが簡便でよいが、さ
らにその水溶液がエタノール、2−プロパノールなどの
アルコールで希釈されていてもよい。
【0019】塩基性触媒の存在下での加水分解及び続い
て起こる脱水縮合等により、ゾル状のシリカチタニアは
徐々にゲル化する。ゲルの熟成のためには、通常15〜
50℃の温度で、1〜14日の間静置するのが良い。こ
うして生成したゲルを常法によりろ過、洗浄、乾燥した
後焼成してシリカチタニア触媒を調製する。得られたシ
リカチタニア触媒は、無定形であり、主として正四面体
配位構造のチタンを含有している。チタンが正八面体配
位構造でなく、正四面体配位構造をとっていると優れた
エステル化活性を与える。このような正四面体配位構造
のチタンは、XANES(X−ray Absorpt
ion Near EdgeStructure:X線
吸収端近傍構造)スペクトルにおいてプレエッジ部(X
線の吸収が大きく変化する部分の直前の部分)のピーク
として検出される。
【0020】本発明においては前述の正四面体配位構造
のチタンを含有した無定形のシリカチタニアであって、
親水性官能基を0.6個/nm2以上、好ましくは0.
6個/nm2以上7個/nm2以下、更に好ましくは1個
/nm2以上5個/nm2以下の表面密度で有するシリカ
チタニア触媒を使用する。なお、本発明においては、単
位面積当りの親水性官能基の数を「表面密度」といい、
「個/nm2」で表す。親水性官能基がシリカチタニア
中に0.6個/nm2以上の表面密度で存在すると、ア
ルコールによるチタンへの求核攻撃が起こりにくくなる
ために、チタンの溶出が抑制され、安定した高いエステ
ル化活性を維持できる。親水性官能基の表面密度が7個
/nm2を超えると、カルボン酸エステルの製造におい
て副反応が起こりやすくなるため好ましくない。
【0021】親水性官能基としては、水酸基、炭素原子
数1〜5のアルコキシ基、アミノ基、アミド基、エステ
ル基、ハロゲン原子などが例示でき、これらが混在して
いてもかまわないが、調製が容易であることまた、副反
応を引き起こし難いという理由などから、水酸基が適当
である。親水性官能基の表面密度は、シリカチタニア触
媒の調製において、乾燥後に行われる焼成工程に大きく
依存する。以下、水酸基を例にとり説明する。
【0022】水酸基の表面密度を0.6個/nm2以上
にするには、常法により乾燥させたシリカチタニアを空
気または窒素、アルゴンなどの不活性ガスを流通させな
がら、通常150〜600℃好ましくは300〜600
℃で焼成させる。流通させるガスは十分乾燥させること
が望ましい。水蒸気を含んでいると生成するシリカチタ
ニアの水酸基の表面密度が小さくなり好ましくない。水
酸基を定量するには、アルキルアルミニウムを用いる方
法やトリメチルシリル化処理する方法などが例示できま
た、水酸基以外の親水性官能基についても類似の方法に
よって定量できる。なお、水酸基の定量は、日本工業規
格(JIS K 1150ー1994)記載の強熱減量
より算出する方法によって行うのが簡便である。この方
法によれば水酸基の表面密度は、強熱減量及び比表面積
の値より次の式により算出できる。
【0023】水酸基の表面密度(個/nm2)=2*
6.02*1000*I/18/S I:強熱減量(%)、S:比表面積(m2/g)
【0024】次に本発明のシリカチタニア触媒を用いた
カルボン酸エステルの製造方法について述べる。カルボ
ン酸またはその無水物とアルコールとを不活性ガス雰囲
気下で混合し、さらに上述のようにして得られたシリカ
チタニア触媒を添加し、通常はアルコールが還流する条
件で60〜250℃の温度、好ましくは100〜220
℃の温度、100〜760mmHgの絶対圧(用いるア
ルコールの蒸気圧に応じ設定する)でエステル化反応を
行う。生成する水はアルコールとの共沸により反応系か
ら除去される。この際トルエンなどの共沸剤を用いるこ
とも可能である。
【0025】本発明におけるカルボン酸としては、安息
香酸、トルイル酸、α−及びβ−ナフトエ酸、o−、m
−及びp−エチル安息香酸、o−、m−及びp−フェニ
ル安息香酸などの炭素原子数7〜30の芳香族一価カル
ボン酸類や、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸な
どの脂肪族二価カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸などの芳香族多価カルボン酸が例示できる。特
に(無水)フタル酸、(無水)トリメリット酸、アジピ
ン酸は可塑剤の原料として有用であり、本発明において
好適に用いられる。なお、カルボン酸は、そのまま使用
しても、酸無水物の形で使用しても、もしくは両者を混
合して使用しても構わない。
【0026】アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、t−ブタノール、イソアミルアルコール、n−ヘキ
サノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノー
ル、n−デカノール、イソデカノール、2−オクタノー
ル、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなどの
脂肪族飽和一価アルコール及びエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、
ソルビトール、グリセロール、ペンタエリスリトールな
どの脂肪族多価アルコール及びフェノール、エチルフェ
ノール、ベンジルアルコールなどのフェニル基含有アル
コールなどが例示できる。またこれらのアルコールの2
種以上の混合物を用いてもよい。中でも炭素原子数4〜
10の脂肪族飽和一価アルコールは、可塑剤の原料とし
て有用である。特に、上記した(無水)フタル酸、(無
水)トリメリット酸またはアジピン酸と前記のアルコー
ルから得られたカルボン酸エステルは、可塑剤として好
適に使用されるので好ましい。
【0027】このような場合のアルコールとカルボン酸
(その無水物も含む)とのモル比は「アルコール/カル
ボン酸」で表して、通常1/1〜10/1、好ましくは
2/1〜5/1の範囲が適当である。モル比の値が小さ
すぎるとカルボン酸またはその無水物のエステルへの転
化率が高くなりにくく、一方、この値が大きすぎると未
反応アルコールの量が増加し、その循環・回収系の負担
が増加し、好ましくない。
【0028】シリカチタニア触媒は濾過により容易に生
成物と分離でき、濾別した触媒はそのまま再使用が可能
である。したがってバッチ法のみならず連続法でもエス
テル化反応を実施することが出来る。
【0029】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの
実施例により限定されるものではない。なお、本実施例
においては「重量%」を単に「%」と記す。
【0030】実施例1 (シリカチタニア触媒の調製)窒素雰囲気下でテトラエ
トキシシラン60.6g(291ミリモル)及びエタノ
ール150ミリリットルをセパラブルフラスコ(1リッ
トル)に秤取し室温下300rpmで攪拌した。ついで
あらかじめ調製しておいたアルコール性希塩酸溶液(3
5%塩酸3.03g、脱塩水10g、エタノール20ミ
リリットル)をシリンジポンプにより30分間かけて添
加し部分加水分解を行った。さらに30分間攪拌した
後、テトラ−n−ブチルチタネート3.06g(9ミリ
モル)とエタノール20ミリリットルとの混合物を30
分間かけて添加した。さらに30分間攪拌を継続した
後、28%アンモニア水3ミリリットルと脱塩水20ミ
リリットルとの混合液を30分間かけて添加しゲル化さ
せた。この反応液を7日間静置しゲルを熟成させた。
【0031】得られた沈殿物をろ別し、ろ液中に塩素イ
オン及びアンモニウムイオンが検出されなくなるまで水
で洗浄した後、100℃で減圧乾燥した。得られた固体
をJIS50メッシュ篩を全て通過する粒径となるまで
乳鉢を用いて粉砕した上、空気流通下400℃で3時間
焼成し、シリカチタニア18.3gを得た。このシリカ
チタニアのXANESスペクトル(Ti K−edg
e)(チタン原子がX線を吸収して、K殻の電子を放出
する状況)を測定したところ、図−1に示すようにプレ
エッジ部(4.962keV付近)にピークが検出さ
れ、正四面体配位構造のチタンを含有していることが判
明した。また、窒素吸着法によりこの触媒の比表面積を
測定(大倉理研(株)製AMS−8000使用)したと
ころ、647m2/gであった。更に、このシリカチタ
ニアを熱分析装置(セイコー製TG−DTA320)を
用いて、110℃から1100℃まで昇温(速度:20
℃/分)した際の重量減少量(強熱減量)を測定したと
ころ、1.19%であった。強熱減量及び比表面積の値
より水酸基の表面密度を求めたところ1.23個/nm
2であった。
【0032】(カルボン酸エステルの合成)撹拌棒、温
度計、還流管、エステル管を備えたフラスコに、無水フ
タル酸37g(0.25モル)と2−エチルヘキサノー
ル81.4g(0.625モル)を加え常圧、窒素雰囲
気下で210℃に保ち、生成水を系外に除去しつつ0.
5時間反応を行った。この時点でNMR(核磁気共鳴ス
ペクトル分析:(株)バリアン製UNITY−300使
用)、酸価及び液体クロマトグラフィー(島津製作所製
LC−6A使用)により反応率を測定したところ、無水
フタル酸の転化率は100%、ジオクチルフタレート
(DOP)の収率は68%であった。次いで、前記のよ
うにして得られたシリカチタニアを触媒として4g加
え、再び210℃に保ち、1時間常圧で反応をさせた
後、徐々に減圧度を上げて(560Torrで0.5時
間、460Torrで0.5時間、さらに360Tor
rで0.5時間)反応を行った。酸価測定及び液体クロ
マトグラフィーによりジオクチルフタレート(DOP)
の生成量を求めた結果、収率は99.7%であった。ま
た、反応液を誘導結合プラズマ原子発光分析装置(IC
P−AES:JOBINYVON社製JY−38S型)
により測定したところ、チタンの溶出量は、1.7pp
mであった。
【0033】実施例2 シリカチタニアを焼成する際に、空気流通下で行う代わ
りに窒素流通下400℃で焼成したこと以外は実施例1
と同様にしてシリカチタニア18.2gを得た。このシ
リカチタニアの水酸基の表面密度を求めたところ、1.
00個/nm2であった。これを触媒として用い、実施
例1と同様にしてエステル化反応を行ったところ、DO
Pの収率は99.8%であった。また反応液中のチタン
の溶出量は5.3ppmであった。
【0034】実施例3 空気流通下600℃でシリカチタニアを焼成したこと以
外は実施例1と同様にしてシリカチタニア18.1gを
得た。このシリカチタニアの水酸基の表面密度を求めた
ところ、0.64個/nm2であった。これを触媒とし
て用い、実施例1と同様にしてエステル化反応を行った
ところ、DOPの収率は99.9%であった。また反応
液中のチタンの溶出量は10.6ppmであった。
【0035】比較例1 窒素流通下650℃でシリカチタニアを焼成したこと以
外は実施例1と同様にしてシリカチタニア18.1gを
得た。このシリカチタニアの水酸基の表面密度を求めた
ところ、0.57個/nm2であった。これを触媒とし
て用い、実施例1と同様にしてエステル化反応を行った
ところ、DOPの収率は99.9%であった。また反応
液中のチタンの溶出量は29.5ppmであった。
【0036】比較例2 空気流通下800℃でシリカチタニアを焼成したこと以
外は実施例1と同様にしてシリカチタニア18.0gを
得た。このシリカチタニアの水酸基の表面密度を求めた
ところ、0.10個/nm2であった。これを触媒とし
て用い、実施例1と同様にしてエステル化反応を行った
ところ、DOPの収率は99.9%であった。また反応
液中のチタンの溶出量は55.1ppmであった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、高収率で、チタン混入
が少ない高品質なカルボン酸エステルが得られ、また、
使用した触媒の再使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1において得られたシリカチタニ
アのXANESスペクトルの図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸またはその無水物とアルコー
    ルとを反応させてカルボン酸エステルを製造するにあた
    り、正四面体配位構造のチタンを含有した無定形のシリ
    カチタニアであって、親水性官能基を0.6個/nm2
    以上の表面密度で有するシリカチタニア触媒を用いるこ
    とを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 親水性官能基が水酸基である請求項1に
    記載のカルボン酸エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸がフタル酸である請求項1ま
    たは2に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコールが炭素原子数1〜18の脂肪
    族一価アルコールである請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のカルボン酸エステルの製造方法。
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