JPH1025218A - 抗菌性フィラー - Google Patents

抗菌性フィラー

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JPH1025218A
JPH1025218A JP8182874A JP18287496A JPH1025218A JP H1025218 A JPH1025218 A JP H1025218A JP 8182874 A JP8182874 A JP 8182874A JP 18287496 A JP18287496 A JP 18287496A JP H1025218 A JPH1025218 A JP H1025218A
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JP
Japan
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antibacterial
filler
polymerizable monomer
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test
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JP8182874A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yamada
秀明 山田
Nobuyuki Udagawa
宣行 宇多川
Kenichi Hino
憲一 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラー含有の抗菌性歯科用組成物におい
て、成形後の硬化物を研磨すると、表面の抗菌性を有す
るマトリックスポリマーが除かれ、抗菌性のないフィラ
ーが露出することにより、研磨後の硬化物表面の抗菌性
は著しく低下する問題があり、フィラーに抗菌性を付与
することによりこの問題を解決する。 【解決手段】 無機フィラーの表面が、特定の構造式で
示される化合物から選ばれる少なくとも1つの抗菌性重
合性単量体を含む重合性単量体を重合した重合体で被覆
される抗菌性フィラー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌成分が溶出しな
い非溶出型抗菌性を有する抗菌性フィラーに関する。さ
らに詳しくは、各種樹脂製品、特に成形材料、歯科用充
填剤などへの配合に適した抗菌性フィラーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、樹脂、成型材料などの表面に抗菌
性を付与することを目的として、種々の抗菌剤を配合す
る試みが数多くなされているが、その抗菌性は抗菌剤の
溶出によるものであり、抗菌剤が全て溶出した後は抗菌
性が失なわれるという問題点を有していた。抗菌剤の代
わりに、抗菌性金属イオンを配合する試みも数多くなさ
れているが、これらも抗菌性金属イオンの溶出による効
果と考えられており、抗菌性金属イオンが全て溶出した
後には抗菌性は失われるという問題点を有していた。さ
らに、抗菌性金属イオンの溶出速度をコントロールする
ために、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、ガラスな
どの担体に抗菌性金属イオンを担持したものを配合する
ことも検討されているが、溶出期間を延長させる効果は
認められるものの、遅かれ早かれ抗菌性金属イオンは全
て溶出されてしまうため、永久的な効果は望めなかっ
た。
【0003】歯科材料の分野においても、コンポジット
レジンなどの表面には細菌の付着に基づく歯垢が形成さ
れやすいために、これらの材料でう蝕部分の充填修復や
欠損部の補綴処置(例えば義歯)を行うと、二次う蝕や
歯周炎の原因になりやすいことが問題となっている。そ
こで、特開平1−238508号公報には、抗菌性銀イ
オンを配合したガラスフィラーやゼオライト、ヒドロキ
シアパタイトなどを配合した歯科用材料が開示されてい
るが、これらの抗菌性も全て銀イオンの溶出による抗菌
性であり、抗菌性の持続性、口腔内の細菌叢の破壊など
の問題を有するものであった。
【0004】これらの問題を解決するために、本出願人
は、特願平4−274577号の発明において、抗菌性
重合性単量体を配合した抗菌性歯科用組成物を開示し、
この組成物を重合硬化させた後の表面には、非溶出型の
抗菌性が発現することを示した。
【0005】しかし、上記の抗菌性歯科用組成物の重合
硬化後の表面の抗菌性は、マトリックスポリマー部分に
限局される。歯科用組成物には、その機械的強度の向上
を目的としてフィラーが配合されることが多く、成形後
の硬化物に研磨を行うと表面の抗菌性を有するマトリッ
クスポリマー部分は除かれ、抗菌性のないフィラーが露
出する。コンポジットレジンなどの場合には、フィラー
の配合率が非常に高いため、研磨後の表面はマトリック
スポリマーよりもフィラーが露出した面積の方が広くな
る。従って、研磨後のコンポジットレジン表面の抗菌性
は研磨前に比べて著しく低下し、細菌付着防止効果が減
弱するという問題があった。
【0006】歯科用コンポジットレジンに配合されるフ
ィラーとしては、無機フィラーが多く用いられている
が、特開昭56−20066号公報、特開昭59−10
1409号公報、特開昭60−71621号公報、特開
昭60−119270号公報、特開昭62−11927
0号公報には、コンポジットレジンの研磨性の改善、機
械的強度の向上などを目的として、無機フィラーを有機
物質で被覆した有機複合フィラーの技術が開示されてい
る。しかし、これらの有機複合フィラーに抗菌性を付与
する方法に関しては全く記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】本発明が解決しよ
うとしている課題は、上記問題点を解決し、表面の抗菌
性がより優れた樹脂製品、特に成形材料、歯科用材料を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するための手段を鋭意検討した結果、樹脂製品の
研磨面の中に大きな面積を占めるフィラー成分に抗菌性
を付与し、抗菌性を有する表面積の割合を増加させるこ
とにより、上記課題を達成しうることを見出した。すな
わち、本発明は、無機フィラーの表面が、下記一般式
(1)ないし(4)で示される化合物から選ばれる少な
くとも1つの抗菌性重合性単量体を含む重合性単量体を
重合した重合体で被覆されることを特徴とする抗菌性フ
ィラーである。
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】本発明の抗菌性フィラーは、抗菌性重合性
単量体と無機フィラーの混合物に重合開始剤を添加し
て、加熱あるいは光照射などにより重合させた硬化物を
粉砕することにより製造することができる。または、抗
菌性重合性単量体と無機フィラーに重合開始剤を添加し
て懸濁させた状態で重合させることにより、粉末状のフ
ィラーの形で製造することもできる。さらに、抗菌性重
合性単量体と無機フィラーの混合物に重合開始剤を添加
したものを噴霧、分散させた状態で重合させることによ
り、粉末状のフィラーを製造することもできる。
【0014】本発明の抗菌性フィラーは、必要に応じて
上記の抗菌性を有する重合性単量体に加えて、抗菌性を
有しない重合性単量体を配合して製造しても構わない。
この場合、重合後の抗菌性フィラーの強度を高めること
を目的として、1分子中に重合性基を2個以上有する多
官能性重合性単量体を加えることが望ましい。
【0015】本発明の抗菌性フィラーの抗菌性を十分な
ものとするためには、抗菌性を有する重合性単量体の配
合量は、抗菌性を有する重合性単量体の含有量が、組成
物中の重合性単量体重量の総和に対して、1重量%以上
80重量%以下が必要であり、より好ましくは5重量%
以上60重量%以下である。
【0016】抗菌性を有する重合性単量体の含有量が、
組成物中の重合性単量体の総和に対して1重量%未満の
場合は、目的とする抗菌性が得られない。
【0017】抗菌性の発現だけを目的とするならば、抗
菌性を有する重合性単量体の含有量は、多ければ多いほ
ど効果が大きい。しかし、これらの化合物の含有量が多
くなると、得られたフィラーの強度が低下し、それらを
配合した歯科用組成物を硬化させた場合の機械的強度が
低下するため、抗菌性を有する重合性単量体の含有量
を、組成物中の重合性単量体の総和に対して80重量%
以下に抑える必要がある。
【0018】本発明の抗菌性フィラーは、無機フィラー
50〜85重量%(より好ましくは60〜70重量%)
と、重合性単量体50〜15重量%の割合で重合させて
製造される。重合性単量体の配合比が高いほど、粉砕後
のフィラー表面に露出する抗菌性重合性単量体の割合が
増加するため、抗菌性が高いフィラーを得ることができ
るが、無機フィラーの配合量が低下するため、熱膨張係
数が増加するという問題を生じる。これらの性能を考慮
して、望ましい配合比を決定する。
【0019】本発明の抗菌性フィラーは、樹脂、成形材
料などの原料モノマーに添加して用いられる。特に、歯
科用コンポジットレジン、歯科用接着材、小窩裂溝填塞
材、義歯床用レジン、歯科用コート材、暫間修復用レジ
ン、歯科用レジン系セメント等に配合して用いるのが好
適である。歯科用コンポジットレジンにフィラーを配合
する場合には、フィラーとマトリックスポリマー部分と
の結合を強固にするためにフィラーの表面をシランカッ
プリング剤で処理することが行われているが、本発明の
フィラーも、無機フィラーが露出する部分があるため、
シラン処理を行うのが好ましい。シラン処理剤としては
各種のものが使用できるが、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリエトシキシランが好適である。
【0020】本発明において用いられる抗菌性重合性単
量体としては、下記一般式(1)〜(4)で示される化
合物が挙げられる。
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】一般式(1)で表される化合物として具体
的には、下記の構造式の化合物が挙げられる。
【化13】
【0026】一般式(2)で表される化合物として具体
的には、下記の構造式の化合物が挙げられる。
【化14】
【0027】一般式(3)で表される化合物として具体
的には、下記の構造式の化合物が挙げられる。
【化15】
【0028】一般式(4)で表される化合物として具体
的には、下記の構造式の化合物が挙げられる。
【化16】
【0029】本発明において必要に応じて用いられる重
合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、α−シアノ
アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸と、1価又は
2価アルコールとのエステル類さらに、N−イソブチル
アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、酢
酸ビニルなどのようなカルボン酸のビニルエステル類、
ブチルビニルエーテルのようなビニルエーテル類、N−
ビニルピロリドンのようなモノ−N−ビニル化合物、ス
チレン誘導体などが挙げられるが、特に下記のような
(メタ)アクリル酸エステル類およびウレタン(メタ)
アクリル酸エステル類が好適である。
【0030】(i)一官能性 (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−も
しくはi−プロピル、(メタ)アクリル酸n−、i−も
しくはt−ブチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートなど。
【0031】(ii)二官能性 一般式が
【化17】 (ここでnは3〜20の整数、Rは水素またはメチル基
を表わす。)で示される化合物。例えばプロパンジオー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオ
ール、ノナンジオール、デカンジオール、エイコサンジ
オールなどのジ(メタ)アクリレート類。
【0032】一般式が
【化18】 (ここでnは1〜14の整数、Rは水素またはメチル基
を表わす。)で示される化合物。例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ドデカエチレングリコ
ール、テトラデカエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、テトラデカプロピレ
ングリコールなどのジ(メタ)アクリレート類の他、グ
リセリンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−
(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル〕プロパン(Bis−GMA)、ビスフェ
ノールAジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ジ(4−メタクリロキ
シポリエトキシフェニル)プロパン(1分子中にエトキ
シ基2〜10)、1,2−ビス(3−メタクリロキシ−
2−ヒドロキシプロポキシ)ブタンなど。
【0033】(iii)三官能性以上 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど。
【0034】(iv)ウレタン(メタ)アクリレート系 ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート単量体2
モルとジイソシアネート1モルの反応生成物、両末端N
COのウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有する
(メタ)アクリレート単量体の反応生成物などが挙げら
れ、かかる反応生成物の構造は次式に示すものが挙げら
れる。
【化19】 (ここでR1は水素またはメチル基、R2はアルキレン
基、R3は有機残基である。)
【0035】具体的なものとして特公昭51−3696
0号に記載されている2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネートとメタクリル酸オキシプロピル
との反応生成物、特公昭55−33687号に記載され
ている両末端イソシアネートのウレタンプレポリマーと
メタクリル酸−2−オキシエチルとの反応生成物が挙げ
られる。また、特開昭56−162408号に開示され
ているような四官能性のモノマーも用いられる。
【0036】本発明において用いられる無機フィラーと
しては、α−石英、シリカゲル、合成球状シリカ、超微
粒子シリカ、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、炭酸カ
ルシウム、フルオロアルミノシリケートガラス、硫酸バ
リウム、酸化チタン、ジルコニア、各種ガラスなどを用
いることができる。かかるガラスとしては、シリカガラ
ス、ソーダ石灰ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリ
ウムガラス、ストロンチウムガラス、亜鉛ガラス、ラン
タンガラス、イットリアガラス、バリウムボロアルミノ
シリケートガラス、アルミナケイ酸ガラス、ストロンチ
ウムボロアルミノシリケートガラス、チタニウムシリケ
ートガラスなどが挙げられる。
【0037】上記の無機フィラーは、重合性単量体との
結合を強固なものとするために、あらかじめシランカッ
プリング材で表面処理を施しておくのが好ましいが、未
処理で使用することも可能である。シラン処理材として
は、γ−メタクリロキシプロピルトリエトシキシランが
好適である。
【0038】本発明において用いられるラジカル重合開
始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイドなどの過酸化物系の熱重合開始剤、
トリブチルボラン、ベンゾイルパーオキサイド−芳香族
第3級アミン系、芳香族スルフィン酸(またはその塩)
−芳香族第2級または第3級アミン−アシルパーオキサ
イド系などの常温重合開始剤が挙げられる。更にまた必
要に応じて、カンファーキノン、カンファーキノン−第
3級アミン系、カンファーキノン−過酸化物、カンファ
ーキノン−アルデヒド系、カンファーキノン−メルカプ
タン系、アシルフォスフィンオキサイドなどの光重合開
始剤を挙げることができる。また、紫外線照射による光
重合を行う場合には、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、2−メチルチ
オキサントン、ジアセチル、ベンジル、アゾビスイソブ
チロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィドなど
が好適である。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】(試験片の調製方法)組成物を、直径20
mm、厚さ0.5mmの金型に填入、両面を1分間ずつ
光照射して重合硬化させ、円盤状の試験片を作成した。
得られた試験片の表面をシリコンカーバイト研磨紙(#
1000)で研磨した後、アセトン、メタノールで洗浄
し表面の未重合モノマーを除去し、エチレンオキサイド
ガス滅菌を行った。
【0041】(抗菌性試験方法)S.mutans(I
FO13955)を、BHI(ブレインハートインフー
ジョン)培地中で一夜培養した後、細菌濃度が5×10
3(CFU/ml)になるように生理食塩水で希釈し
た。この希釈液10μlを試験片の上にマイクロピペッ
ターを用いて滴下し、そのまま15分間静置した後、試
験片をさかさまにして、試験片上の液をBHI寒天培地
に押しつけて残存細菌を回収した。さらに、試験片をB
HI寒天培地の異なる部分に押しつけて、細菌を残らず
寒天培地に回収した。その後、37℃で48時間好気培
養を行った後、寒天培地に形成されるコロニー数を計測
した。各サンプルについて、形成コロニー数と、接種し
た全細菌数をもとに、下記の計算式に従って、細菌死滅
率を求めた。
【数1】
【0042】同じようにして、細菌濃度が5×10
4(CFU/ml)、5×105(CFU/ml)になる
ように希釈した細菌希釈液を用いて、全く同じ試験を行
った。さらに、S.mutansの代わりに、枯草菌
(B.subtilis、IFO13721)、ブドウ
球菌(S.aureus、IFO12732)、大腸菌
(E.coli.、IFO12734)を用いて、上記
と全く同じ試験を行った。
【0043】上記の細菌死滅率が100%の場合には、
サンプル上に接種した細菌がすべて死滅したことを示
し、サンプル表面に非常に強い抗菌性が発現しているこ
とを示すものである。逆に細菌死滅率が0%の場合に
は、接種した細菌がすべて生存していることを示し、サ
ンプル表面には抗菌性がないことを示すものである。さ
らに、細菌死滅率が0%から100%の間の場合には、
細菌を完全に死滅させることはできないものの、ある程
度の抗菌性を有していることを示すものである。
【0044】(溶出試験方法)S.mutans(IF
O13955)を、BHI(ブレインハートインフージ
ョン)培地中で一夜培養した後、細菌濃度が1×106
(CFU/ml)になるように生理食塩水で希釈した。
この希釈液を、BHI寒天プレートに塗布した後乾燥し
た。その上に試験片を置き、37℃で48時間好気培養
を行った後、試験片の周辺に形成される阻止斑の有無を
観察し、以下の判定基準により判定した。 (+):サンプルの周囲に細菌の増殖が抑制された阻止
斑が形成された。 (−):サンプルの周囲に阻止斑が全く形成されなかっ
た。
【0045】さらに、S.mutansの代わりに、枯
草菌(B.subtilis、IFO13721)、ブ
ドウ球菌(S.aureus、IFO12732)、大
腸菌(E.coli.、IFO12734)を用いて、
上記と全く同じ試験を行った。
【0046】上記の判定の結果、(+)のものは、サン
プル表面から抗菌性物質が溶出されたことを示してお
り、本発明の目的のひとつである非溶出型抗菌性の発現
という要求を満たしていないことになる。前述の抗菌性
試験の結果、100%の死滅率を示したサンプルであっ
ても、この溶出試験で阻止斑が形成されたものは、本発
明の目的を達成することはできないと判断される。
【0047】(曲げ強度の測定)組成物を、長さ30m
m、厚さ2mm、深さ2mmの金型に填入、両面を1分
間ずつ光照射して重合硬化させ、柱状の試験片を作成し
た。得られた試験片の曲げ強度をインストロン万能試験
機を用いて測定した。
【0048】実施例1〜7 抗菌性モノマーA(メタクリロイルオキシドデシルピリ
ジニウムブロマイド、以下MDPBと略記する)、N,
N’−(1,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス
(2−アミノカルボキシ)プロパン−1,2−ジオー
ル)テトラメタクリレート(以下U−4THと略記す
る)、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下
3Gと略記する)、過酸化ベンゾイル(以下BPOと略
記する)を表1に示した割合で溶解した後、この溶液6
0gに対して、軽質無水ケイ酸(アエロジルOX−5
0)40gを加え、乳鉢で混練りした後、減圧脱泡を行
ないペースト状の組成物を得た。この組成物を厚さ3m
mの板状に伸延し、真空下で120℃、5時間加熱し、
重合硬化物を得た後、乳鉢で粉砕し、150メッシュの
ふるいを通過したものを集めた。γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトシキシラン(以下γ−MPSと略記す
る)5gを0.1%酢酸水溶液150mlに加え、室温
で15分間撹拌し、上記の粉砕物100gを加え、室温
で2時間反応させた後、凍結乾燥を行った。さらに、9
0℃で3時間加熱処理を行った後、40℃で16時間真
空乾燥を行ない、フィラーを得た。
【0049】このフィラー5g、γ−MPSで表面処理
した石英粉3g、3G10g、2,2−ビス〔4−(3
−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)
フェニル〕プロパン(以下Bis−GMAと略記する)
10g、カンファーキノン(以下CQと略記する)1
g、ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMA
EMAと略記する)2gを混合した後、乳鉢で混練り
し、コンポジットレジンペーストを調製した。このコン
ポジットレジンペーストを用いて前述の方法により試験
片を作製し、前述の表面抗菌性試験方法に従い、4種の
細菌に対する抗菌性を評価した。結果を表1に示す。ま
た、同じ方法で調製した試験片を用いて、前述の溶出試
験方法に従い、4種の細菌に対する阻止斑形成の有無を
観察した。結果を表1に示す。さらに、前述の曲げ強度
試験法に従い、曲げ強度の測定を行った。
【0050】実施例8〜14 MDPB、U−4TH、CQ、DMAEMAを表2に示
した割合で溶解した。この溶液60gに対して、軽質無
水ケイ酸(アエロジルOX−50)40gを加え、乳鉢
で混練りした後、減圧脱泡を行ないペースト状の組成物
を得た。この組成物を厚さ3mmの板状に伸延し、スラ
イドプロジェクター(HILUX−H130、理科学精
機(株)製)で両面から5分間ずつ光照射し重合硬化物
を得た後、乳鉢で粉砕し、150メッシュのふるいを通
過したものを集めた。γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトシキシラン(以下γ−MPSと略記する)5gを
0.1%酢酸水溶液150mlに加え、室温で15分間
撹拌し、上記の粉砕物100gを加え、室温で2時間反
応させた後、凍結乾燥を行った。さらに、90℃で3時
間加熱処理を行った後、40℃で16時間真空乾燥を行
ない、フィラーを得た。さらに、実施例1と同様の操作
により、該フィラーを配合したコンポジットレジンペー
ストを調製し、重合硬化させた後、表面抗菌性試験、阻
止斑形成試験および曲げ強度の測定を行った。結果を表
2に示す。
【0051】実施例15〜24 実施例5の抗菌性重合性単量体MDPBの代わりに、抗
菌性モノマーB〜Kを用いて、U−4TH、3G、BP
Oを表3に示した割合で溶解した。以下、実施例5と同
様の操作により、実施例15〜24のフィラーを得た。
さらに、実施例5と同様の操作により、該フィラーを配
合したコンポジットレジンペーストを調製し、重合硬化
させた後、表面抗菌性試験、阻止斑形成試験および曲げ
強度の測定を行った。結果を表3に示す。
【0052】比較例1〜3 MDPB、3G、U−4TH、BPOを表1に示した割
合で溶解した。以下実施例1と同様の操作により、OX
−50と混合後、重合、粉砕を行い、フィラーを得た。
さらに、実施例1と同様の操作により、該フィラーを配
合したコンポジットレジンペーストを調製し、重合硬化
させた後、表面抗菌性試験および阻止斑形成試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0053】比較例4〜6 MDPB、3G、U−4TH、CQ、DMAEMAを表
2に示した割合で溶解した。以下実施例8と同様の操作
により、OX−50と混合後、重合、粉砕を行い、フィ
ラーを得た。さらに、実施例1と同様の操作により、該
フィラーを配合したコンポジットレジンペーストを調製
し、重合硬化させた後、表面抗菌性試験および阻止斑形
成試験を行った。結果を表2に示す。
【0054】表1〜3から明らかなように、実施例1〜
24のフィラーを用いたコンポジットレジンの場合に
は、重合硬化後の研磨面に付着した4種類の細菌を全て
死滅させる強い抗菌性が確認された。さらに、重合硬化
後のコンポジットレジンの周囲に阻止斑が全く形成され
なかったことから、コンポジットレジンの表面からは抗
菌性成分が全く溶出していないことが確認された。これ
に対して、比較例1、4のフィラーを用いた場合には、
重合硬化後の研磨面には強い抗菌性が確認されたもの
の、コンポジットレジンの曲げ強度が非常に弱いことが
確認された。また、比較例2、3のフィラーを用いた場
合には、コンポジットレジンの曲げ強度は高いものの、
コンポジットレジンの表面に付着した細菌を死滅させる
ことはできなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、非溶出型の抗菌性を有
する抗菌性フィラーが提供される。本発明の抗菌性フィ
ラーを、歯科用コンポジットレジンのフィラーとして配
合することにより、重合硬化後の研磨面に強い抗菌性を
発現させることが可能となり、充填後のコンポジットレ
ジン表面への細菌プラーク形成を半永久的に防止するこ
とが可能となった。また、コンポジットレジン以外の歯
冠用硬質レジン、義歯、義歯床材料、レジンセメントな
どのフィラーを配合して用いられる歯科用材料に配合す
ることにより、表面に強い抗菌性を付与することが可能
となった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機フィラーの表面が、下記一般式
    (1)ないし(4)で示される化合物から選ばれる少な
    くとも1つの抗菌性重合性単量体を含む重合性単量体を
    重合した重合体で被覆されることを特徴とする抗菌性フ
    ィラー。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
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