JPH10258453A - アルカリ可溶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

アルカリ可溶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JPH10258453A
JPH10258453A JP8469897A JP8469897A JPH10258453A JP H10258453 A JPH10258453 A JP H10258453A JP 8469897 A JP8469897 A JP 8469897A JP 8469897 A JP8469897 A JP 8469897A JP H10258453 A JPH10258453 A JP H10258453A
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JP
Japan
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alkali
resin
film
polyolefin
soluble resin
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JP8469897A
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Inventor
Yukinobu Yamaguchi
幸伸 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ可溶性樹脂を用いて、フィルムを製
造する際に前記樹脂が熱分解することなく、安定して製
膜することのできる技術を提供する。 【解決手段】 アルカリ水溶液に対して溶解性であるア
ルカリ可溶性熱可塑性樹脂を製膜する際に、共押出し製
膜機を用い、ポリオレフィン系樹脂と共押出し法により
製膜することを特徴とするアルカリ可溶性熱可塑性樹脂
フィルムの製造方法であって、前記ポリオレフィン系樹
脂が、170 ℃以下において溶融するポリオレフィン系樹
脂であること、前記アルカリ可溶性熱可塑性樹脂と前記
ポリオレフィン系樹脂との間に接着性樹脂を介在させる
こと、アルカリ可溶性熱可塑性樹脂とポリオレフィン系
樹脂とを共押出し法により製膜後に、前記ポリオレフィ
ン系樹脂フィルムを剥離除去することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】アルカリ可溶性熱可塑性樹脂
フィルムの製膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ水溶液に可溶性を示す熱可塑性
樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂と記載する)として、
種々のものが知られている。そして、アルカリ可溶性樹
脂を用いて、例えば、積層構造の包装材料の構成要素と
して前記積層の中に組み込み、包装材として内容物を包
装して販売される。内容物を取り出し不用となった包装
材料を処理、或いは再生する際に、前記アルカリ可溶性
樹脂をその構成に組み込んだ包装材料は、アルカリ水溶
液に浸漬することにより、アルカリ可溶性樹脂層がアル
カリ水溶液に溶解するために、前記アルカリ可溶性樹脂
層に接する他の素材が分離した状態となり、このような
複合化された材料から素材別の回収に一歩近づくのであ
るが、前記アルカリ可溶性樹脂は、単体で製膜すると、
フィルムを製造する際の加熱により、前記樹脂そのもの
が分解し易く、さらに加工の適性作業条件巾が狭いこ
と、また、単体フィルムとして巻き取った場合には保存
中にブロッキングのトラブルを発生することがあったり
して、常に安定した製品を得ることが難しかった。そこ
で、アルカリ可溶性樹脂の安定した製膜加工方法が求め
られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルカリ可溶性樹脂を
用いて、フィルムを製造する際に前記樹脂が熱分解する
ことなく、安定して製膜することのできる技術を提供す
る。
【0004】
【課題を解決する手段】アルカリ水溶液に対して溶解性
であるアルカリ可溶性熱可塑性樹脂を製膜する際に、共
押出し製膜機を用い、ポリオレフィン系樹脂と共押出し
法により製膜することを特徴とするアルカリ可溶性熱可
塑性樹脂フィルムの製造方法であって、前記ポリオレフ
ィン系樹脂が、170 ℃以下において溶融するポリオレフ
ィン系樹脂であること、前記アルカリ可溶性熱可塑性樹
脂と前記ポリオレフィン系樹脂との間に接着性樹脂を介
在させること、アルカリ可溶性熱可塑性樹脂とポリオレ
フィン系樹脂とを共押出し法により製膜後に、前記ポリ
オレフィン系樹脂フィルムを剥離除去することを含む。
【0005】
【発明の実施の形態】アルカリ水溶液に可溶性を示す熱
可塑性樹脂とポリオレフィン系樹脂を共押出しすること
によって安定してアルカリ可溶性樹脂フィルムを得るこ
とができる。図1は、本発明のアルカリ可溶性樹脂フィ
ルムの製造方法の実施例について図式的に示した図
(a)およびこの実施例により得られるフィルムの断面
図(b)である。図2は、本発明のアルカリ可溶性樹脂
フィルムの製造方法の別の実施例について図式的に示し
た図(a)およびこの実施例により得られるフィルムの
断面図(b)である。図3は、本発明により製造された
アルカリ可溶性樹脂フィルムを用いて積層された包装材
料を用いて成形した包装形態の実施例の斜視図(a)と
そこに用いられる包装材料の使用時の断面図(b)、で
ある。図4は、本発明により製造されたアルカリ可溶性
樹脂フィルムを用いて積層された包装材料を用いて成形
した包装形態の実施例の斜視図(a)とそこに用いられ
る包装部材の構造を示す説明図(b)および(c)、図
4(a)のX1 −X1部の断面図(d)である。図5
は、基材にアルカリ可溶性樹脂フィルムの単層を設ける
際の方法を示す説明図で、アルカリ可溶性樹脂フィルム
とポリオレフィン系樹脂フィルムとを基材に形成する時
点の説明図(a)、担持フィルムを除去する時点の説明
図(b)である。図6は、図4における部材の材質を説
明する平面図(a)(b)、X2 −X2の断面図
(c)、X3 −X3 の断面図(d)である。
【0006】アルカリ可溶性樹脂1は、アルカリ水溶液
に浸漬した場合にのみ溶解する特性を有した樹脂であっ
て、酸性の水あるいは中性の水に浸漬しても溶解しない
ものであり、本発明において用いるアルカリ可溶性樹脂
1としては、その酸価が 100mgKOH/g 〜 500mgKOH/g が
望ましい。酸価が 100mgKOH/g 未満では溶解が遅くなっ
て剥離が困難となる。また、酸価が 500mgKOH/g を超え
ると、成形加工において、当該樹脂を溶融する際に樹脂
が分解したり、加工機に腐食を生じたりして問題とな
る。本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂1と
しては、アルカリ水溶液に浸漬して、溶解するか、該ア
ルカリ可溶性樹脂1が接着している他の材質との境界が
剥離可能であれば特に限定しないが、アクリル酸樹脂、
エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アクリル酸エステ
ル樹脂、アクリル酸エステルーアクリル酸共重合体樹脂
等が挙げられる。前記酸価が、 100 mg/KOH/g 未満の場
合には、アルカリ水溶液に対する溶解が遅くなり剥離が
困難となる。また、酸価が 500mg/KOH/gを超えると、樹
脂の溶融加工の際に樹脂が分解したり、また、製膜加工
機の、特に当該樹脂の接触部分に腐食を生じたりするこ
とがある。アルカリ可溶性樹脂1を単層で押出ラミネー
トしたり、Tダイ方式の製膜、インフレーション方式の
製膜における加工においては前記樹脂の分解が起こり易
く、その結果、品質の安定したアルカリ可溶性フィルム
を得るのが難しかった。また幸いにして、製品が巻取と
して得られても、保存中に、フィルムがブロッキングす
るトラブルが起こりやすく、扱い難いフィルムであっ
た。そこで、安定した加工とするために、種々の検討を
した結果、共押出し方式の加工機を用い、共押出しの材
料として、ポリオレフィン系樹脂2を用いて製膜するこ
とにより、安定してアルカリ可溶性樹脂1を積層し、ま
たは、アルカリ可溶性樹脂フィルム1Fとして加工でき
た。
【0007】本発明におけるポリオレフィン系樹脂2
は、アルカリ可溶性樹脂1を押し出すための担持フィル
ム(CF:キャリヤーフィルム)としての機能を示す。
そのために、前記アルカリ可溶性樹脂1と共押出しが可
能であれば特に限定はしないが、前記アルカリ可溶性樹
脂1を安定して製膜させるために、該ポリオレフィン系
樹脂2そのものも、押出機において、熱分解をしないこ
と、アルカリ可溶性樹脂1の加工のための溶融温度域に
おいて、前記ポリオレフィン系樹脂2も押し出し可能な
溶融状態を呈するものである必要であり、少なくとも17
0 ℃において、溶融する性質のポリオレフィンとする。
これらの条件を充たす樹脂としては、具体的には、低密
度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖
状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−メタクリル酸共
重合体(EMAA)等を挙げることができる。
【0008】本発明において共押出しするアルカリ可溶
性樹脂1とポリオレフィン系樹脂2との厚みとしては、
好適に製膜できる範囲としてアルカリ可溶性樹脂1が10
〜60μm、ポリオレフィン系樹脂2が15μm以上であ
り、さらに好適な機能性、コストパフォーマンスをえる
範囲としては、アルカリ可溶性樹脂1が20〜30μmの範
囲である。アルカリ可溶性樹脂1が10μm未満である
と、安定した製膜ができず、膜切れ等のトラブルが多か
った。60μmを超えると製膜した後、樹脂層が固化しフ
ィルムの延展性が極端に悪くなり、曲げ加工の際にひび
が多数発生し好ましくない。ポリオレフィン系樹脂2が
15μm未満であると熱容量が少なく、紙基材への接着が
ほとんどされない。また、押し出し特性が悪く、安定し
た製膜ができず、膜切れ等が発生し巻取時の皺、ブロッ
キングの原因となる。さらに、アルカリ可溶性樹脂1が
20μm未満であると、アルカリで容器を処分する際、層
の面方向への溶解伝播速度が遅く容器処分の能率が上が
らない。30μmを超えなければラミネートした材料の腰
が失われず、容器の加工特性に優れた材料になる。
【0009】本発明によって、アルカリ可溶性樹脂フィ
ルム1Fを製造するに用いる機械としては、少なくとも
2台以上の押出装置Kと共押出しダイDから構成される
押出ラミネート機、Tダイ式製膜機またはインフレーシ
ョン式製膜機等である。前記押出ラミネート機( 押出ラ
ミネーター) は、樹脂を加熱溶解して押し出す押し出し
装置と溶融した前記樹脂を膜状にして吐出するTダイ部
と、チルロールとニップロールとのセットを含む巻きだ
し装置と巻取り部から構成されている機械である。Tダ
イから押し出してカーテン状にした溶融樹脂をチルロー
ルとニップロールの加圧部に流下させ、前記巻きだし部
から繰り出された基材のラミネート面に圧着される。本
発明においては、共押出し可能な押出ラミネート機械を
用いる。また、前記Tダイ式製膜機、インフレーション
式製膜機は、通常の共押出し方式の製膜機を用いること
ができる。本発明のアルカリ可溶性樹脂フィルム1Fの
製造方法は、アルカリ可溶性樹脂1とポリオレフィン系
樹脂2とを共押出し法により製膜するものである。図1
に示すように、押出装置K1 にアルカリ可溶性樹脂1を
投入し、押出装置K2 にポリオレフィン系樹脂2を投入
して加熱加圧して共押出しダイDにおいて前記両樹脂を
融合し積層膜状にして製膜する。
【0010】アルカリ可溶性樹脂フィルム1Fを共押出
し法により、加工する際に、両材質の層間の接着性が充
分でないことがある。アルカリ可溶性樹脂フィルム1F
を単体として用いる場合には、むしろ、共押出しにより
製膜後に、前記ポリオレフィンフィルム2F部分をアル
カリ可溶性樹脂フィルム1Fから剥離して、アルカリ可
溶性樹脂フィルム単体として巻き取ることによって、ラ
ミネート素材とすることができる。この場合のポリオレ
フィンフィルムはアルカリ可溶性樹脂1の膜を担持する
フィルムCFであって、アルカリ可溶性樹脂フィルム1
Fが形成された後には剥離されることになる。アルカリ
可溶性樹脂単体フィルムで巻取保存すると、前述のよう
にブロッキングのトラブルを起こす危険があるが、本発
明により得られたポリオレフィン系樹脂3との仮着状態
で保存すれば、前記のブロッキングの危険はない。アル
カリ可溶性樹脂フィルム1Fとして、使用する直前に、
ポリオレフィンフィルム2Fを分離すればよい。
【0011】前記剥離されたポリオレフィンフィルム
は、そのままポリオレフィンフィルムとして利用する
か、または細かく断裁して押出機に投入してもよく、こ
のように再利用可能であり無駄になることはない。例え
ば、図5に示すように押出ラミネート機を用いて、基材
11の上に前記アルカリ可溶性樹脂1を押出ラミネート
法により積層する場合に、前記基材11にアルカリ可溶
性樹脂1をより強く接着させるためのアンカーコート剤
を塗布後、前記アルカリ可溶性樹脂1をポリオレフィン
系樹脂2と共押出し法により、前記アンカーコート剤塗
布面にアルカリ可溶性樹脂1が接着するようにラミネー
トし{図5(a)}、前記アルカリ可溶性樹脂1が前記
アンカーコート面に接着した後に、共押出しによりフィ
ルム化した前記ポリオレフィン系樹脂フィルム2Fを、
アルカリ可溶性樹脂面から剥離する{図5(b)}こと
により、基材11とアルカリ可溶性樹脂1との積層体を
得ることができる。
【0012】共押出しするポリオレフィン層も含めてラ
ミネート素材とする場合には、前記両者の層間の接着は
強固であることが必要である。すなわち、アルカリ可溶
性樹脂1とポリオレフィン系樹脂2との共押出しにおい
て、両素材間の接着性を高めるために接着性樹脂3を含
めた3層共押出しとすることが好ましい。図2に示すよ
うに、3台の押出装置K1 、K2 、K3 にそれぞれアル
カリ可溶性樹脂1、ポリオレフィン系樹脂2および接着
性樹脂3を投入して、加熱加圧して共押出しダイDにお
いて前記両樹脂を融合し積層膜状にして製膜する。接着
性樹脂3を介在させることにより、アルカリ可溶性樹脂
1とポリオレフィン系樹脂2の接着が強固なものとな
る。
【0013】本発明において使用出来る前記接着性樹脂
3としては、押出ラミネーターにおいて、加熱、加圧が
可能であり、共押出し機におけるダイD内においてアル
カリ可溶性樹脂1およびポリオレフィン系樹脂2の溶融
樹脂と一体に融着し、得られる多層フィルムの層におけ
る接着強度が充分であれば特に限定しないが、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンエチルア
クリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、エチレンメ
タクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンアクリル
酸メチル樹脂等を挙げることができる。
【0014】本発明によって得られるアルカリ可溶性樹
脂フィルム1Fの用途としては、特に複合材料により構
成される包装材料等で、かつ使用後に前記複合材料を各
素材別に分別回収する用途に用いられる。具体的な例と
しては、ゲーベルトップ型紙容器10として用いる積層
材料であって、その材質は次のような構成である。 ASR / 紙/ASR/SiO2 ・PET/LDPE {略号説明 LDPE: 低密度ポリエチレン、紙: 板紙、AS
R:アルカリ可溶性熱可塑性樹脂、SiO2・PET:シリカ蒸着
ポリエステルフィルム} スープ、ジュース、コーヒー飲料あるいは清酒等を包装
する紙容器として用い、使用後の前記紙容器を切断によ
って細片化して、アルカリ水溶液中に浸漬して、前記積
層材料中のASR 層、すなわち、アルカリ可溶性樹脂1を
アルカリ水溶液に溶解することによって、前記積層材料
の<LDPE/紙> 層と<SiO2 ・PET/LDPE> 層とが剥離され
る。そして、 <LDPE/ 紙> 層は、紙の回収のシステムに
原料として供給し得るものとなる。
【0015】本発明によって得られたアルカリ可溶性樹
脂フィルム1Fを各種素材と積層した包装材料をその使
用後に、アルカリ水溶液中に浸漬することによって、前
記アルカリ可溶性樹脂1が溶解して、その結果、前記積
層した包装材料のアルカリ可溶性樹脂1以外の素材は溶
解しないで、前記アルカリ可溶性樹脂層部分を境界とし
て剥離した状態で回収される。溶解に用いるアルカリ水
溶液の濃度は、0.1〜3%程度が好ましい。そして溶
解時の前記アルカリ水溶液の液温を高くすることにより
アルカリ可溶性樹脂1の溶解の速度を早める。一般的な
積層体の場合には、30〜70℃程度の温度が好ましい。ア
ルカリ水溶液のアルカリ濃度が0.1%以下では、アル
カリ可溶性樹脂1の溶解速度が遅くなり効率が悪く、ま
た3%を超えた濃度にしても溶解効率がよくなることも
ない。また、液温としては、30℃以下では溶解効率が
悪く、70℃を超えると、作業時の安全性が危惧され
る。またアルカリ水溶液を攪拌することは、溶解を促進
する効果があり、前記アルカリ濃度、液温の設定ととも
に併用することが好ましい。
【0016】以上説明した通り、本発明のアルカリ可溶
性樹脂フィルム1Fの製造方法により、従来、フィルム
化が不安定であったアルカリ可溶性樹脂フィルム1Fを
容易に製造することができるようになった。製膜機にお
いて、熱分解することがなく、均質なフィルムとして加
工可能である。得られるアルカリ可溶性樹脂フィルム1
Fは、複合包装材料の素材の層として、積層体に組み込
むことにより、包装材料として使用後にアルカリ水溶液
に浸漬することにより、該アルカリ可溶性樹脂1部分が
溶解して、接着している他の素材を剥離または分離し
て、材質別回収が可能となり、廃棄物からの資源回収の
ための技術として利用できるものである。
【0017】
【実施例】実施例1と比較例1とは、アルカリ可溶性樹
脂単体フィルムとしての用途に対する製膜法の比較であ
る。また、実施例2および3は、本発明の製膜法によ
り、最終の包装形態に応用した例である。それぞれの例
において、アルカリ可溶性樹脂1を単体で、押出ラミネ
ートする場合は、接着が弱く、フィルム単体として巻き
取る場合は、フィルムとして安定しない状態は比較例1
と同じである。
【0018】〔実施例1〕インフレーション法による共
押出製膜機を用い、アルカリ可溶性樹脂と低密度ポリエ
チレン樹脂とを20μm: 20μmの等厚に押し出し製膜を
した( 巻取った長さは 500メートル) 。
【0019】〔比較例1〕インフレーション法による単
層の製膜機を用い、アルカリ可溶性樹脂の30μmの厚さ
のフィルムを巻取りを得た( 巻取った長さは 500メート
ル) 。
【0020】<保存試験及び結果>上記、実施例1と比
較例1のそれぞれの巻取フィルムを25℃の恒温室(湿
度は、60%RH)に3ケ月間保存した後にそれぞれの
巻取りを巻き戻したところ、実施例の巻取はブロッキン
グもなく、また、低密度ポリエチレンフィルムもスムー
ズに剥離できて、アルカリ可溶性樹脂の単体フィルムを
得ることができた。一方、比較例1の巻取は、巻取の両
端部の多くの部分にブロッキングが発生しており、フィ
ルムとして使用できる状態ではなかった。
【0021】〔実施例2〕インフレーション法による3
層共押出し製膜機械を用い、3台の各押出機にそれぞ
れ、アルカリ可溶性樹脂1、接着性ポリオレフィン樹脂
アドマー(三井石油化学工業株式会社製 商品名)、L-
LDPEをそれぞれ供給し、加熱加圧して、共押出し用ダイ
の融着部にて、合体し、相互に接着させた。冷却後の各
側層の厚みは、アルカリ可溶性樹脂15μm/ アドマー10
μm/L-LDPE を25μmである3層積層体を安定して得る
ことができた。前記3層共押出フィルムを、図3(a)
に示すようなゲーベルトップ型液体紙容器10用の積層
材としてテストした。
【0022】その積層包材の材質構成は以下の通りであ
る{図3(b)}。 ASR / 紙/EMAA/ASR/AD-L/L-LDPE {略号説明 LDPE: 低密度ポリオレフィン、紙:ミルク
カートン原紙、EMAA: エチレンメタクリル酸、AD-L: 接
着層、L-LDPE: 直鎖状低密度ポリエチレン}。外面に低
密度ポリエチレンの外面層15を設けた紙11の前記外
面層と反対の紙の露出面と、前記3層の積層体のアルカ
リ可溶性樹脂1Fの面とを、メチレンメタクリル酸樹脂
ニュークレル 15 μm(三井石油化学工業株式会社製
商品名)を溶融して接着層14とするサンドイッチラ
ミネーション方式により積層し、6層の積層体を得た。
得られた積層体を用い、図3(a)に示すような内容量
1リットルのゲーベル型液体紙容器を成形した。成形と
同時に、みかんジュースを充填し密封した。内容物を使
用して、空となった前記ゲーベルトップ型紙容器10を
解体切断し、おおよそ20〜30cm2 の細片とし、3 %
のNaOH水溶液( 液温 60 ℃) に浸漬したところ、約30分
でアルカリ可溶性樹脂層1Fが溶解し、LDPE/ 紙とアド
マー/L-LDPE 層に剥離して回収できた。 〔比較例2〕アルカリ可溶性樹脂単体での製膜は、不安
定で使用に耐えるフィルムを得ることができなかった。
【0023】〔実施例3〕実施例3は図4(a)〜
(d)に示すような複合容器20に用いる場合のアルカ
リ可溶性樹脂フィルム1Fである。前記複合容器20
は、紙等を基材11とする積層体により構成されるブラ
ンク板20Bと、樹脂成形部20Rからなる容器であ
る。前記複合容器20の成形方法は、前記ブランク板2
0Bを射出成形のキャビティ内に配設し、熱可塑性樹脂
20Rを射出注入することによって、ブランク板20B
の内面( または外面)に設けた樹脂と前記射出樹脂20
Rとが融着して、容器を形成する。すなわち、ブランク
板20Bの内面層22と射出樹脂20Rとは射出成形に
おいて融着可能な組合わせであることが条件である。両
者は同一の材質であることが好ましいが、前記融着がで
きれば、異質の組み合わせでも可能である。複合容器2
0をその構成するブランク板20Bと樹脂成形部20R
とを別体として図示すれば、図4(b)および(c)の
如くである。
【0024】ブランク板20Bの構成は LDPE/ 紙/ASR//L-LDPE (i) LDPE/ 紙 /ASR/EVA(PC) (ii) {略号説明 紙: 耐酸紙、ASR:アルカリ可溶性樹脂1、
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、PC: パートコ
ート} ブランク板20Bとしては、基材21として坪量230g/m
2 の耐酸紙を用い、その外面層23として低密度ポリエ
チレンを15μmの厚さで設け、前記外面層23と反対の
紙面層にイソシアネート系のアンカーコート層を設け
る。本発明の方法により、酸価 80 mgKOH/g のアルカリ
可溶性樹脂1と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂2とを共
押出しして、前記アンカーコート層を設けた面にアルカ
リ可溶性樹脂1が接着するように押出して冷却すること
により、アルカリ可溶性樹脂層を形成する(i) 。前記ア
ルカリ可溶性樹脂層が形成された後に、フィルム化され
た直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層を剥離除去し、低密
度ポリエチレン/耐酸紙/アルカリ可溶性樹脂層の3層
積層体を得た。前記3層積層体の外面に印刷を施し、さ
らに、前記印刷を施した面の裏側の全面に複合容器とし
て樹脂成形部20と熱融着可能な熱融着層24を設けて
もよい{図6(a)および(c)}が、本紙容器実施例
においては、エチレン−酢酸ビニル系樹脂をビヒクルの
主成分とする熱融着層24を部分的に塗布した{図6
(b)および(d)}。射出樹脂20Rとしては、ポリ
プロピレン樹脂を用い、射出成形を行い、図3(a)に
示されるような内容積220cc の丸形の複合容器を得た。
【0025】本発明では、ブランク板20Bの内面に前
記のアルカリ可溶性樹脂1を設け、さらに、エチレン−
酢酸ビニル共重合体を主成分とする熱融着層24を部分
的に設けて、射出金型に配設して、前記と同様に成形す
る際、射出樹脂としては、前記熱融着層24に熱接着可
能なポリオレフィン系樹脂2を用いることができるが本
実施例ではポリプロピレンを用いた。
【0026】得られた複合容器20を、容器として使用
した後、そのまま、2%のNaOH溶液(液温50℃)
に浸漬し、攪拌機により液を攪拌してアルカリ可溶性樹
脂1を溶解し、25分後に、ブランク板20B部分と、
樹脂成形部20Rとが分離した。ポリプロピレン樹脂か
らなる樹脂成形部20Rは、立体形状のまま回収でき、
ブランク板20Bは成形前のフラット状態にして回収し
た。このようにして、アルカリ水溶液に浸漬することに
より、本発明の複合容器20はブランク板20Bが樹脂
成形部20Rと分離してフラット状態に戻り、また、樹
脂成形部20Rは前記アルカリ水溶液に溶解する部分
と、立体形状のままで回収された部分とになるが、立体
形状のまま回収した部分、物理的な破砕や細断あるいは
加熱加圧により減容化できた。すなわち、使用後の複合
容器20は、理想的な減容が可能となり、また、回収さ
れたそれぞれの材料は、再生原料として再度利用ができ
る段階に近いものとなる。
【0027】〔比較例3〕耐酸紙面にアルカリ可溶性樹
脂単体を押出ラミネートしたが、フィルム化が可能な溶
融温度では、前記耐酸紙面への接着力が弱く、溶融温度
を高くすると樹脂が分解してしまった。すなわち、必要
とする耐酸紙への接着強度が得られなかった。
【0028】
【発明の効果】製膜の工程において、分解しやすいアル
カリ可溶性樹脂1をポリオレフィン樹脂2と共押出しす
ることによって、アルカリ可溶性樹脂フィルム1Fが安
定して製膜できるようになり積層材としての構成要素と
して前記フィルムを組み入れ易くなった。また、従来、
単体で巻き取るとブロッキングすることがあったが、本
発明の共押出し法によれば、アルカリ可溶性樹脂層とポ
リオレフィン系樹脂層との仮着状態として保存すること
により、ブロッキングの心配がなくなった。本発明の方
法により得られたアルカリ可溶性樹脂1を積層した包装
材料によ成形された包装容器や袋等をその使用後に、各
材質別に分離する工程において、アルカリ水溶液槽に浸
漬することにより、前記アルカリ可溶性樹脂1が前記水
溶液に溶解して、その他の構成要素が、分離して回収す
ることができるため、資源の回収と再利用が容易にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルカリ可溶性樹脂フィルムの製造方
法の実施例について図式的に示した図(a)およびこの
実施例により得られるフィルムの断面図(b)
【図2】本発明のアルカリ可溶性樹脂フィルムの製造方
法の別の実施例について図式的に示した図(a)および
この実施例により得られるフィルムの断面図(b)
【図3】本発明により製造されたアルカリ可溶性樹脂フ
ィルムを用いて積層された包装材料を用いて成形した包
装形態の実施例の斜視図(a)とそこに用いられる包装
材料の使用時の断面図(b)である。
【図4】本発明により製造されたアルカリ可溶性樹脂フ
ィルムを用いて積層された包装材料を用いて成形した包
装形態の実施例の斜視図(a)とそこに用いられる包装
部材の構造を示す説明図(b)および(c)、図4
(a)のX1 −X1 部の断面図(d)である。
【図5】基材にアルカリ可溶性樹脂フィルムの単層を設
ける際の方法を示す説明図で、アルカリ可溶性樹脂フィ
ルムとポリオレフィン系樹脂フィルム2Fとを基材に形
成する時点の説明図(a)、担持フィルムを除去する時
点の説明図(b)
【図6】図4(b)の部材の材質を説明する平面図
(a)および(b)、X2 −X2 の断面図(c)、X3
−X3 の断面図(d)
【符号の説明】
1 アルカリ可溶性樹脂(アルカリ可溶性樹脂) 1F アルカリ可溶性性樹脂フィルム(アルカリ可溶性
フィルム) 2 ポリオレフィン系樹脂 2F ポリオレフィン系樹脂フィルム 3 接着性樹脂 10 ゲーベルトップ型紙容器 11 基材 12 内面層 13 中間層 14 接着層 15 外面層 20 複合容器 20B 複合容器のブランク板 20R 複合容器の樹脂成形部(射出樹脂) CF 担持フィルム 21 基材 22 内面層 23 外面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 7:00 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ水溶液に対して溶解性であるア
    ルカリ可溶性熱可塑性樹脂を製膜する際に、共押出し製
    膜機を用いて、ポリオレフィン系樹脂と共押出し法によ
    り製膜することを特徴とするアルカリ可溶性熱可塑性樹
    脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂が、170 ℃以
    下において溶融するポリオレフィン系樹脂であることを
    特徴とする請求項1に記載のアルカリ可溶性熱可塑性樹
    脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ可溶性熱可塑性樹脂と前記
    ポリオレフィン系樹脂との間に接着性樹脂を介在させる
    ことを特徴とする請求項1および請求項2に記載のアル
    カリ可溶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ可溶性熱可塑性樹脂とポリオレ
    フィン系樹脂とを共押出し法により製膜後に、前記ポリ
    オレフィン系樹脂フィルムを剥離除去することを特徴と
    する請求項1及び請求項2記載のアルカリ可溶性熱可塑
    性樹脂フィルムの製造方法。
JP8469897A 1997-03-19 1997-03-19 アルカリ可溶性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 Withdrawn JPH10258453A (ja)

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