JPH10278515A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10278515A
JPH10278515A JP9092318A JP9231897A JPH10278515A JP H10278515 A JPH10278515 A JP H10278515A JP 9092318 A JP9092318 A JP 9092318A JP 9231897 A JP9231897 A JP 9231897A JP H10278515 A JPH10278515 A JP H10278515A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜溝パターンのトレッド端部側のブロック
の偏摩耗を改善し、摩耗時のパターンノイズを改善する
ことのできる空気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 傾斜主溝14の溝壁面の傾斜角度を、ト
レッド中央域TCMにおいては、ブロック踏み込み端側の
溝壁面の傾斜角度θ1 <ブロック蹴り出し端側の溝壁面
の傾斜角度θ2 とし、トレッド側域TS においては、ブ
ロック踏み込み端側の溝壁面の傾斜角度θ1 >ブロック
蹴り出し端側の溝壁面の傾斜角度θ2 とする。トレッド
中央域TCMにおいて、ブロック20の踏み込み端の剛性
が小さくなるので、打音が低減され、パターンノイズが
低減される。偏摩耗の生じやすいトレッド側域TS にお
いては、ブロック24の蹴り出し端の剛性が小さくなる
ので偏摩耗が抑制され、偏摩耗に起因するパターンノイ
ズの悪化が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトレッドに傾斜溝を
有した空気入りタイヤに係り、特に、ウエット性能の向
上とパターンノイズの低減を両立させた空気入りタイヤ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの分野において、ウエッ
ト性能とパターンノイズとを両立するため、傾斜主溝パ
ターンを採用する例が増えてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種
の空気入りタイヤにおいては、傾斜主溝で区画されたブ
ロックのトレッド端部付近で偏摩耗が生じ易く、新品時
にはウエット性能とパターンノイズとが両立している
が、偏摩耗が生ずるとパターンノイズが悪化する問題が
ある。また、パターンノイズについてだけ見ると、摩耗
後は、従来のストレート系パターンとの優位差がなくな
るか、逆転する場合もある。
【0004】本発明は上記事実を考慮し、ウエット性能
とパターンノイズとの両立を図り、かつ、傾斜溝パター
ンのトレッド端部側のブロックの偏摩耗を改善し、摩耗
時のパターンノイズも改善することのできる空気入りタ
イヤを提供することが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、タイヤ赤道面の両側に隔てたそれぞれの位置からト
レッド端側へ、タイヤ周方向に対して傾斜して相互に逆
向きに延びる各傾斜主溝をタイヤ周方向に多数配置した
空気入りタイヤであって、上記各傾斜主溝は、タイヤ周
方向に対して15〜45°の傾斜角度で延びかつ、トレ
ッド端側の端末近傍でタイヤ周方向に対して75〜10
5°の傾斜角度で延びてトレッド端に狭い幅で開口する
一方、タイヤ赤道面側の端末近傍でこれとタイヤ周方向
で隣接する傾斜主溝の中間部に向かって、タイヤ赤道面
側に凸となる円弧状に延びて隣接する傾斜主溝に開口
し、トレッドの側域にて、タイヤ周方向に並列する各傾
斜主溝間を傾斜主溝に比して狭い幅の補助溝で連通し、
タイヤ赤道面上にタイヤ周方向に連続するリブ及び該リ
ブの両側でタイヤ周方向に並列する複数のブロックを区
画し、開口端を通りかつトレッド踏面に対して垂直にた
てた法線に対する前記各傾斜主溝のブロック踏み込み端
側の溝壁面の傾斜角度をθ1 、ブロック蹴り出し端側の
溝壁面の傾斜角度をθ2 としたときに、トレッドセンタ
ーから前記補助溝まではθ1 <θ2 とし、前記補助溝か
らトレッド端まではθ1 >θ2 としたことを特徴として
いる。
【0006】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。まず、排水性能に付いての作用を説明
する。
【0007】濡れた路面でのトレッド踏面内での水の挙
動は、トレッド踏面の踏み込み付近において、トレッド
中心域近傍ではタイヤ周方向または周方向に対して20
°未満で前方へ流れ、次いでトレッド中間域ではタイヤ
周方向に対して20〜40°で前方へ流れ、そしてトレ
ッド側域ではタイヤ周方向に対して40°をこえるタイ
ヤの外側方向へと流れる。
【0008】この空気入りタイヤでは、トレッド中間域
では、タイヤ周方向に対して15〜45°の傾斜角度で
延び、かつ、トレッド中心域に延びる端末で円弧状に、
即ち、タイヤ周方向に対する傾きを小さくする一方、ト
レッド側域に延びる端末でほぼトレッド幅方向、即ち、
タイヤ周方向に対する傾きを大きくして、上記のトレッ
ド踏面内での水の挙動に合致する向きに延びる傾斜主溝
にてトレッド踏面を区画したので、優れた排水性能が確
保される。
【0009】次に、パターンノイズに付いての作用を説
明する。タイヤのパターンノイズとして、ブロックの踏
み込み時の打音を上げることができる。
【0010】この空気入りタイヤでは、トレッドセンタ
ーから補助溝までの傾斜主溝は、ブロック踏み込み端側
の溝壁面の傾斜角度θ1 がブロック蹴り出し端側の溝壁
面の傾斜角度θ2 よりも小さく設定されているので、こ
の傾斜主溝で区画されたブロックは、トレッドセンター
から補助溝までの間において踏み込み端側の剛性が蹴り
出し端側の剛性よりも低くなる。
【0011】このように、ブロックの踏み込み端の剛性
を低くしたので、空気入りタイヤが転動回転したときの
ブロック踏み込み時の衝撃を緩和でき、打音を低減でき
る。
【0012】トレッドを、トレッドセンター側のトレッ
ド中央域と、この中央域の両側に位置するトレッド側域
とに分けた場合、トレッド中央域(おおよそ、トレッド
センターから補助溝までの間と同じ)は、ブロックに偏
摩耗を発生しない領域であるので、上記踏み込み時の打
音低減によってタイヤ寿命末期までパターンノイズを低
減できる。
【0013】一方、補助溝からトレッド端までのブロッ
ク踏み込み端側溝壁面の傾斜角度θ1 がブロック蹴り出
し端側溝壁面の傾斜角度θ2 よりも大きいため、この傾
斜主溝で区画されたブロックは、補助溝からトレッド端
までの間において蹴り出し端側の剛性が踏み込み端側の
剛性よりも低くなる。
【0014】トレッドのトレッド端側の領域、即ち、ト
レッド側域は、ブロックに偏摩耗(ブロックの蹴り出し
端側が摩耗する摩耗で、ヒール・アンド・トー摩耗と呼
ばれる。)を生じ易く、この偏摩耗を生ずるとパターン
ノイズが増加することが知られている。
【0015】タイヤ転動中に、ブロックは路面に接地す
ると変形し、路面から離れて元の形状に戻る。ヒール・
アンド・トー摩耗は、ブロックが路面から離れる時、即
ち、路面を蹴りだす時の滑りによって生ずる摩耗であ
る。
【0016】この空気入りタイヤでは、補助溝からトレ
ッド端までの傾斜主溝で区画されたブロックの蹴り出し
端側の剛性が低く設定されている。このため、蹴り出し
端の変形時のエネルギーを小さくでき、この結果、蹴り
出し時の滑りが小さくなって偏摩耗を抑制でき、偏摩耗
に起因するパターンノイズの増加を抑えることができ
る。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りタイヤにおいて、トレッドセンターから前記
補助溝まではブロック踏み込み端側の溝壁面の傾斜角度
θ1を0〜5°、ブロック蹴り出し端側の溝壁面の傾斜
角度θ2 を8〜20°とし、前記補助溝からトレッド端
まではブロック踏み込み端側の溝壁面の傾斜角度θ1を
8〜15°、ブロック蹴り出し端側の溝壁面の傾斜角度
θ2 を0〜5°としたことを特徴としている。
【0018】請求項2に記載の空気入りタイヤでは、ト
レッドセンターから補助溝までの傾斜主溝のブロック踏
み込み端側の溝壁面の傾斜角度θ1 を0°〜5°に設定
したことにより、この部分の傾斜主溝で区画されたブロ
ックは踏み込み端側の剛性を小さく保つことができ、打
音を十分に、かつ確実に低減することができる。
【0019】ここで、トレッドセンターから補助溝まで
の傾斜主溝において、ブロック踏み込み端側の傾斜角度
θ1 が0°未満になると(−側に大きくなり、逆テーパ
となると)、傾斜主溝を形成する金型の凸部分が引っ掛
かり、タイヤを金型から抜き出すのが困難となる。一
方、トレッドセンターから補助溝までの傾斜主溝におい
て、ブロック踏み込み端側の傾斜角度θ1 が5°を越え
ると、ブロックの剛性が高くなるため打音の低減が十分
でなくなる。
【0020】トレッドセンターから補助溝までの傾斜主
溝において、蹴りだし側の溝壁面の傾斜角度θ2 が8°
未満になると、ブロックの蹴り出し端側の剛性が低下
し、操縦安定性が低下するため好ましくない。また、補
助溝からトレッド端までの傾斜主溝において、蹴りだし
側の溝壁面の傾斜角度θ2 が20°を越えると、溝断面
積が小さくなり、排水性が低下するため好ましくない。
【0021】一方、補助溝からトレッド端までの傾斜主
溝において、ブロック踏み込み端側の傾斜角度θ1 が8
°未満になると、踏み込み側の剛性が低くなり、踏み込
み時の摩耗が少なくなることから相対的に蹴り出し側が
多く摩耗して偏摩耗し易くなるため好ましくない。ま
た、補助溝からトレッド端までの傾斜主溝において、ブ
ロック踏み込み端側の傾斜角度θ1 が15°を越える
と、溝断面積が小さくなり、排水性が低下するため好ま
しくない。
【0022】補助溝からトレッド端までの傾斜主溝にお
いて、ブロック蹴り出し端側の傾斜角度θ2 が0°未満
になると(−側に大きくなり、逆テーパとなると)、傾
斜主溝を形成する金型の凸部分が引っ掛かり、タイヤを
金型から抜き出すのが困難となる。一方、補助溝からト
レッド端までの傾斜主溝において、ブロック蹴り出し端
側の傾斜角度θ2 が5°以上になると、剛性が大となっ
て偏摩耗し易くなり、その結果、となり合うブロック間
の段差が大きくなり、踏み込み時の打音が大きくなるた
め好ましくない。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りタイヤの一実施
形態を図1乃至図3にしたがって説明する。
【0024】本発明の空気入りタイヤ10の基本構成
は、1対のサイドウォール部と、それらのサイドウォー
ル部を相互連結するクラウン部とを、サイドウォール部
内周縁のビード部に埋設されるビードコアの回りに巻返
して固着したコードのプライからなるラジアル構造のカ
ーカスによって補強し、またクラウン部の周りに、周方
向に対して小さい角度で交わる、相互に平行配列のコー
ドの複数層の交差積層体からなるベルトを配設して、ク
ラウン部に配置したトレッドを補強したものである。
【0025】図1は、空気入りタイヤ10のトレッド1
2の平面図であり、Eはトレッド端を示し、TC はタイ
ヤ赤道面CLを中心にその両側にトレッド踏面幅Wの5
〜15%で広がるトレッド中心域、TM はトレッド中心
域TC の両側にトレッド踏面幅Wの20〜40%で広が
るトレッド中間域、そしてTS はトレッド中間域TMと
トレッド端Eとの間に広がるトレッド側域である。
【0026】なお、以後、トレッド中心域TC とトレッ
ド中間域TM とを合わせた領域をトレッド中央域TCMと
呼ぶ。
【0027】トレッド12には、タイヤ赤道面CLの両
側で交互に配置された傾斜主溝14がタイヤ周方向(矢
印A方向及び矢印B方向)に沿って多数並列されてい
る。
【0028】これらの傾斜主溝14は、矢印B方向側へ
向かうに従ってタイヤ赤道面CLから除々に離れるよう
に傾斜している。
【0029】傾斜主溝14は、タイヤ赤道面CLの両側
で所定距離を隔てたそれぞれの位置からそれぞれのトレ
ッド端E側へ、タイヤ周方向に対して15〜45°、よ
り好ましくは20〜40°の傾斜角度αで相互に逆向き
に延び、かつトレッド端E側の端末近傍、具体的にはト
レッド側域TS で延びる端末域14Aがタイヤ周方向に
対して75〜105°の傾斜角度βで延びてトレッド端
Eに狭い幅で開口する一方、タイヤ赤道面CL側の端末
近傍、具体的にはトレッド中心域TC で延びる端末域1
4Bがこれとタイヤ周方向で隣接する傾斜主溝14のト
レッド中間域TM に向かって、タイヤ赤道面CL側に凸
となる円弧状に延びて隣接する傾斜主溝14に開口する
ことによって、タイヤ赤道面CL上に、タイヤ周方向に
連続するリブ16を区画している。
【0030】さらに、タイヤ周方向に並列した傾斜主溝
14は、その端末域14A側において、傾斜主溝14に
比して狭い幅でタイヤ周方向に対して25°以下の傾斜
角度γで延びる補助溝18で連通することによって、リ
ブ16の両側でタイヤ周方向に並列する複数のブロック
20を区画する。図示例では、補助溝18をトレッド中
間域TM とトレッド側域TS との境界付近に配置した。
【0031】このブロック20は、それと隣接する補助
溝18と同じ向き、好ましくは傾斜主溝14とほぼ直交
する向きに延びるサイプ22にて複数区画に、図示例で
は3本のサイプ22にて4区画に分割してなる。
【0032】また、各トレッド側域TS には、タイヤ周
方向に並列する傾斜主溝14の端末域14A、補助溝1
8及びトレッド端Eにて、側部ブロック24を区画し、
この側部ブロック24はトレッド端Eから延びる切欠き
溝26を有する。
【0033】ここで、傾斜主溝14は、5〜10mmの深
さで、トレッド中間域TM において幅W0 がトレッド踏
面幅Wの3〜7%で延び、端末域14Aにおいてトレッ
ド端Eでの端末の開口幅W1 がトレッド踏面幅Wの1〜
4%となるまで漸減する一方、端末域14Bにおいて隣
接する傾斜主溝14での端末の開口幅W2 がトレッド踏
面幅Wの1〜4%となるまで漸減することが好ましい。
【0034】さらに、タイヤ赤道面CL側で円弧状をな
す端末14Bの曲率半径Rは、30〜150mmが好適で
あり、これら端末域14Bに挟まれて区画されるリブ1
6は、最大幅W4 がトレッド踏面幅Wの5〜15%およ
び最小幅W5 が同Wの3〜12%でタイヤ周方向へジグ
ザグ状に延びる陸部となる。
【0035】また、補助溝18は、幅W3 が踏面幅Wの
1〜3%及び深さ4〜7mmで、そしてトレッド端E付近
の剛性を最適化するために形成する切欠き溝26は、端
末域14Aの開口に準じた幅で、それぞれ形成すること
が好ましい。
【0036】さらに、サイプ22は負荷転動に伴う接地
中に閉じ合わさる程度の幅、具体的には、0.5〜3mm
程度とする。
【0037】図1及び図2に示すように、タイヤ赤道面
CLから補助溝18までの間の傾斜主溝14において
は、傾斜主溝14を溝中心線に対して直角に断面にした
ときに、接地面12Aに対して90°とされ、かつ傾斜
主溝14の開口端を通る垂線Sに対する溝壁面の傾斜角
度θは、ブロック20の矢印A方向側の溝壁面21Aが
矢印B方向側の溝壁面21Bよりも小さく設定されてい
る。
【0038】タイヤ赤道面CLから補助溝18までの間
の傾斜主溝14においては、溝壁面21Aの傾斜角度θ
1 は0°〜5°が好ましく、溝壁面21Bの傾斜角度θ
2 は8°〜20°が好ましい。
【0039】また、補助溝18からトレッド端Eまでの
間の傾斜主溝14においては、図3に示すように、溝壁
面21Bの傾斜角度θ2 が溝壁面21Aの傾斜角度θ1
よりも小さく設定されており、溝壁面21Aの傾斜角度
θ1 は8°〜15°が好ましく、溝壁面21Bの傾斜角
度θ2 は0°〜5°が好ましい。
【0040】以上のような溝配列の下でトレッド12を
区画したこの空気入りタイヤ10では、トレッド踏面部
全体のネガティブ比を25〜35%とするとともに、ト
レッド踏面部の、幅方向の各位置でのネガティブ比を、
リブ16に隣接する区域で最大とし、そこからトレッド
端E側に向けて傾向的に減少させ、より好ましくは、ト
レッド踏面全体のネガティブ比の70%以上が存在する
領域、たとえば、トレッド中央部側でトレッド踏面幅W
の70〜90%を占める領域では、その領域内のトレッ
ド側域TS のネガティブ比を最大ネガティブ比の50〜
80%とし、また、その領域よりトレッド端E側の部分
のネガティブ比を最大ネガティブ比の15〜30%とす
る。 (作用)次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用
を説明する。
【0041】この空気入りタイヤ10は、図1の矢印A
方向に回転するように車両に装着する。
【0042】先ず、濡れた路面でのトレッド踏面内での
水の挙動は、トレッド踏面の踏み込み付近においてはト
レッド中心域TC 近傍では、タイヤ周方向または周方向
に対して20°未満で前方へ流れ、次いでトレッド中間
域TM では、タイヤ周方向に対して20〜40°で前方
へ流れ、そしてトレッド側域TS では、タイヤ周方向に
対して40°をこえるタイヤの外側方向へと流れる。
【0043】したがって、この空気入りタイヤ10で
は、トレッド中間域TM では、タイヤ周方向に対して1
5〜45°の傾斜角度で延び、かつ、トレッド中心域T
C に延びる端末14Bで円弧状に、即ち、タイヤ周方向
に対する傾きを小さくする一方、トレッド側域TS に延
びる端末14Aでほぼトレッド幅方向、即ち、タイヤ周
方向に対する傾きを大きくして、上記のトレッド踏面内
での水の挙動に合致する向きに延びる、傾斜主溝14に
てトレッド踏面を区画したので、優れた排水性能が確保
される。
【0044】ここで、トレッド中間域TM における傾斜
主溝14のタイヤ周方向に対す傾斜角度αを15°未満
とすると、傾斜主溝14間のブロック20に必要とさる
剛性を付与できずに操縦安定性の悪化や偏摩耗の発生を
招き、一方、傾斜角度αが45°を越えると、上記した
排水性能を確保できない。
【0045】同様に、トレッド側域TS に於ける傾斜主
溝14の端末14Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度β
を75°〜105°としたのは、75°未満ではトラク
ションが不足し、一方、105°を越えると偏摩耗が発
生するからである。
【0046】なお、傾斜主溝14の幅をトレッド中間域
TM で広く、その両側の端末に向けて漸減したのは、ネ
ガティブ比を変化させるためであり、詳しくは後述す
る。
【0047】また、トレッド中心域TC に形成されたリ
ブ16によって、パターンノイズへの影響の大きいトレ
ッド中心域TC のインパクト成分が抑えられ、低ノイズ
化が実現される。
【0048】ここで、端末14B域での円弧の曲率半径
が大きすぎると、傾斜主溝14が周方向に延びるストレ
ート溝と同様に気柱共鳴の発生を招き、一方、小さすぎ
ると、傾斜主溝14の端末付近でのリブ16の剛性が極
端に低下して偏摩耗が発生し易くなる。そこで、端末1
4B域での円弧の曲率半径は、30〜150mmとするこ
とが好ましい。
【0049】特に、この実施形態のトレッドパターンで
は、トレッド中心域TC に於ける傾斜主溝14の円弧状
をなす端末14Bの連なり、そしてトレッド側域TS に
おける補助溝18の傾斜主溝14の一部を介在させた連
なりが、それぞれ実質上タイヤ周方向にジグザグ状に連
続してのびる溝を構成するところに特徴がある。
【0050】まず、実質上タイヤ周方向に溝を連続させ
ることによって、排水性能の一層の向上が図られる。ま
た、タイヤ周方向にジグザグ状に延ばすことによって、
タイヤの転動時のブロック踏み込み端側における路面と
の衝突による振動エネルギーは溝の側壁で吸収されるた
め、ノイズ低減に有効である。さらに、これらの溝に区
画されるリブ16およびブロック20の剛性を最適化
し、操縦安定性を向上し偏摩耗を回避することができ
る。
【0051】すなわち、溝の介在によって剛性が小さく
なる部分のトレッド幅方向における位置が周上で変化す
るため、ストレート溝のように剛性の小さい部分が同一
周上にある場合と比較して、幅方向において低剛性部分
にトレッド変形が集中するのが抑制されて接地圧の均一
化を図ることができる。また、溝をストレート状にした
場合には、ブロック隅部がより鋭角になって偏摩耗が促
進されるが、溝をジグザグ状にすることによって、この
偏摩耗を回避することができる。
【0052】ここで、トレッド側域TS における補助溝
18は、その開口位置をタイヤ赤道面CL側からトレッ
ド端Eへ、トレッド踏面部の1/2幅の50〜85%の
範囲にすることが好ましい。なぜなら、85%を越える
と、側部ブロック24の剛性が低下し、トラクションの
不足及び運動性能の不足を招いて操縦安定性が損なわ
れ、一方、50%未満では、所望の接地圧分布が得られ
ない。より好ましくは60〜75%である。この補助溝
18は、傾斜主溝14間のブロックを、トレッド中央域
T側のブロック20と、トレッド側域TS 側の側部ブロ
ック24とに分断し、ブロック端部の摩耗が互いに影響
し合わないようにしている。
【0053】同様に、トレッド中心域TC における傾斜
主溝14のタイヤ赤道面CLを挟んだ円弧状をなす端末
14Bの間隔、つまりリブ16の最大幅は、トレッド踏
面部の1/2幅の10〜30%であることが好ましい。
なぜなら、10%未満では、トレッド中心域TC のネガ
ティブ比が極端に大きくなるから操縦安定性や操舵時の
リニアリティ(操舵角と操舵力との関係が線形に変化す
ること)が悪化し、一方、30%を越えると、排水性能
の向上が望めないためである。より好ましくは7〜13
%である。
【0054】さらに、トレッド踏面部のネガティブ比が
トレッド中央部からトレッド端E向けて漸減されてい
る。すなわち、ハイドロプレーニング現象を観察する
と、トレッド踏面部のトレッド中心域TC からトレッド
中間域TM に水膜が発生していることから、ここでは、
トレッド中心域TC からトレッド中間域TM にかけて形
成した傾斜主溝14によるネガティブ比の、踏面全体の
ネガティブ比に対する比率を十分に大きくして排水性に
寄与させることとし、リブ16の両側部分におけるネガ
ティブ比を最も大きくすると共に、そのネガティブ比を
トレッド端E側へ漸減している。
【0055】ここで、トレッド踏面部全体のネガティブ
比の70%以上を占めるトレッド踏面幅の例えば70〜
90%のトレッド中心域TC 及びトレッド中間域TM に
おいて、その領域内のトレッド端E側部分のネガティブ
比をリブ16に隣接する部分の最大ネガティブ率の50
〜80%とすることにより排水性が良くなり、また、そ
のトレッド中間域TM 側の領域よりトレッド端E側の部
分は、排水性より操縦安定性に影響が大きい部分である
ので、その部分のネガティブ比をトレッド剛性を確保す
るために、最大ネガティブ比の15〜30%に設定する
ことにより操縦安定性が良くなる。
【0056】次に、この空気入りタイヤ10の騒音低減
作用について説明する。トレッド12のトレッド中央域
Tは、偏摩耗を発生しない領域である。したがって、本
実施形態のように、タイヤ赤道面CLから補助溝18ま
での間の傾斜主溝14において、ブロック踏み込み端側
の溝壁面21Aの傾斜角度θ1 を0°〜5°とし、ブロ
ック20の踏み込み側端部の剛性を低下させることによ
り、ブロック20の踏み込み側端部が路面に当接する際
の打音をタイヤの寿命末期まで低減できる。
【0057】次に、トレッド側域TS 側、即ち、本実施
形態の側部ブロック24は、偏摩耗を発生し易い領域で
ある。
【0058】しかし、本実施形態の空気入りタイヤ10
では、補助溝18からトレッド端Eまでの間の傾斜主溝
14において、ブロック蹴り出し端側の溝壁面21Bの
傾斜角度θ2 を0°〜5°とし、ブロック24の蹴り出
し側端部の剛性を低下させるとにより、ブロック24の
蹴り出し端に生じ易い偏摩耗を抑制することができ、偏
摩耗に起因するパターンノイズの悪化を抑制することが
できる。 (試験例)試験タイヤに内圧2.5kg/cm2を充填し、実
車(欧州ミドルクラスセダン)に装着し、2名乗車荷重
で排水性、パターンノイズ、摩耗品のパターンノイズ及
び操縦安定性の試験を実施した。
【0059】比較例1,2及び実施例に用いたタイヤ
(タイヤサイズ225/45ZR17)は、何れも同一
のトレッドパターン(図1のトレッドパターン)である
が、それぞれ傾斜主溝の溝壁面の傾斜角度が表1に示す
ように異なっている。
【0060】以下に試験方法を説明する。 排水性:推進10mmのウエット路面を走行し、ハイド
ロプレーニング発生速度を測定した。 パターンノイズ:ドライバーの耳の位置にマイクを設
置に、直線平滑路を60km/hで走行時のノイズを測定し
た。 摩耗品のパターンノイズ:一般路を5000km走行
後に、前記パターンノイズ測定方法と同一の条件で測定
した。 操縦安定性:半径50mのドライサーキットを各種走
行モードで走行したときのテストドライバーのフィーリ
ングで評価した。
【0061】なお、評価は何れも比較例1を100とす
る指数表示で表しており、数値が大きいほど性能に優れ
ていることを表す。
【0062】
【表1】
【0063】試験の結果、本発明の適用された実施例タ
イヤでは、比較例タイヤ1,2に対して摩耗後のパター
ンノイズが小さく、パターンノイズの悪化が抑制されて
いることが分かる。また、実施例タイヤは、他性能の低
下もないことが分かる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
空気入りタイヤは上記の構成としたので、ウエット性能
とパターンノイズとの両立を図り、かつ、傾斜溝パター
ンのトレッド端部側のブロックの偏摩耗を改善し、摩耗
時のパターンノイズを改善できる、という優れた効果を
有する。
【0065】また、請求項2に記載の空気入りタイヤは
上記の構成としたので、摩耗時のパターンノイズを確実
に改善できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのト
レッドパターンである。
【図2】トレッド中央域における傾斜主溝部分の断面図
(図1の2−2線断面図)である。
【図3】トレッド側域における傾斜主溝部分の断面図
(図1の3−3線断面図)である。
【符号の説明】 10 空気入りタイヤ 12 トレッド CL タイヤ赤道面 14 傾斜主溝 18 補助溝 20 ブロック 24 側部ブロック 21A 溝壁面 21B 溝壁面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ赤道面の両側に隔てたそれぞれの
    位置からトレッド端側へ、タイヤ周方向に対して傾斜し
    て相互に逆向きに延びる各傾斜主溝をタイヤ周方向に多
    数配置した空気入りタイヤであって、 上記各傾斜主溝は、タイヤ周方向に対して15〜45°
    の傾斜角度で延びかつ、トレッド端側の端末近傍でタイ
    ヤ周方向に対して75〜105°の傾斜角度で延びてト
    レッド端に狭い幅で開口する一方、タイヤ赤道面側の端
    末近傍でこれとタイヤ周方向で隣接する傾斜主溝の中間
    部に向かって、タイヤ赤道面側に凸となる円弧状に延び
    て隣接する傾斜主溝に開口し、トレッドの側域にて、タ
    イヤ周方向に並列する各傾斜主溝間を傾斜主溝に比して
    狭い幅の補助溝で連通し、タイヤ赤道面上にタイヤ周方
    向に連続するリブ及び該リブの両側でタイヤ周方向に並
    列する複数のブロックを区画し、 開口端を通りかつトレッド踏面に対して垂直にたてた法
    線に対する前記各傾斜主溝のブロック踏み込み端側の溝
    壁面の傾斜角度をθ1 、ブロック蹴り出し端側の溝壁面
    の傾斜角度をθ2 としたときに、 トレッドセンターから前記補助溝まではθ1 <θ2 と
    し、前記補助溝からトレッド端まではθ1 >θ2 とした
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 トレッドセンターから前記補助溝までは
    ブロック踏み込み端側の溝壁面の傾斜角度θ1 を0〜5
    °、ブロック蹴り出し端側の溝壁面の傾斜角度θ2 を8
    〜20°とし、 前記補助溝からトレッド端まではブロック踏み込み端側
    の溝壁面の傾斜角度θ1 を8〜15°、ブロック蹴り出
    し端側の溝壁面の傾斜角度θ2 を0〜5°、としたこと
    を特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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