JPH10280108A - 耐摩耗性鉄基焼結合金 - Google Patents

耐摩耗性鉄基焼結合金

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JPH10280108A
JPH10280108A JP8669297A JP8669297A JPH10280108A JP H10280108 A JPH10280108 A JP H10280108A JP 8669297 A JP8669297 A JP 8669297A JP 8669297 A JP8669297 A JP 8669297A JP H10280108 A JPH10280108 A JP H10280108A
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JP
Japan
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iron
sintered alloy
balance
based sintered
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JP8669297A
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Hiroyuki Murase
博之 村瀬
Yoshihiko Ito
与志彦 伊藤
Naomichi Akimoto
直道 秋元
Yoshio Fuwa
良雄 不破
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厳しい使用環境に対応でき、耐摩耗性をより一
層向上させ、Pbの溶浸を低減または廃止できる耐摩耗
性鉄基焼結合金を提供すること。 【解決手段】この焼結合金は、重量比で全体組成が、C
o;1.4〜15%、Mo;1.5〜16%、Mn;
0.4〜10.0%、Cr;0.4〜12%、W;0.
2〜6.0%、C;0.4〜3.2%、Ni;0.2〜
9.0%を含有し、残部が不可避不純物とFeからな
る。Co;2〜15%、Mo;2〜10%、Mn;0.
4〜10%、C;0.2〜2%、Ni;10%以下を含
有し残部が不可避不純物とFeからなる基地組織に、M
o;5〜20%、Cr;20〜40%、W;5〜20
%、C;0.5〜5%、Fe;5〜30%を含有し、残
部が不可避不純物とNiからなる硬質粒子が2〜30%
分散した焼結体で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩耗性に優れた鉄基焼
結合金に関する。本発明は、例えば、自動車等の車両の
内燃機関に使用されるバルブシート、ピストンリング或
いは排気系のカラー等の焼結部品に有用である。
【0002】
【従来の技術】耐摩耗性をもつ鉄基焼結合金の従来技術
について、車両の内燃機関に使用されるバルブシート用
焼結合金を例にとって説明する。従来より、バルブシー
ト用焼結合金としては、Fe−C−Co−Ni基材料、
Fe−C基材料に耐摩耗性の向上を狙ってフェロモリブ
デン(Fe−Mo)、フェロクロム(Fe−Cr)等の
金属間化合物またはFe−C−Cr−Mo−V合金等を
添加したものが使用されている(特開昭56−1541
10号公報)。
【0003】さらに、CrおよびMoを含有するFe−
C基地組織中に、Cr、Mo、V等からなる鉄系硬質粒
子を分散させ耐摩耗性と相手攻撃性を改善した焼結合金
(特開昭60−224762号公報)、またFe−C−
Co−Ni系基地組織中にFeMoおよびFeWからな
る硬質粒子を分散させ、さらにPb合金等を溶浸させて
耐摩耗性を改善した焼結合金(特開昭62−20205
8号公報)が開示されている。
【0004】バルブシート材に要求される特性として
は、耐摩耗性の他に耐腐食性および耐熱性が挙げられ
る。ここで耐摩耗性は主として硬質粒子が受持ち、耐腐
食性および耐熱性は主として基地組織が受持ち、両者が
相まって耐久性を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近、耐摩耗
性鉄基焼結合金を用いる分野においては、その鉄基焼結
合金の性質の改善要求が一段と高まっている。例えば、
自動車等の車両の内燃機関においては、長寿命化、高出
力、高回転化、排出ガス浄化対策、あるいは燃費向上対
策に対する改善要求が一段と高まっている。このため、
車両の内燃機関におけるエンジンバルブ、バルブシート
に対しては、従来にも増して厳しい使用環境に耐えるこ
とが不可避となってきており、耐摩耗性、耐熱性をより
一層向上させると共に、高温での耐腐食性を向上させる
必要が生じてきている。
【0006】また潤滑成分として溶浸していたPbは、
環境に与えると考えられる影響のため、他の要素で代替
することが、近年要請されている。本発明は上記した従
来の鉄基焼結合金における問題点を解決すべくなされた
ものであり、厳しい使用環境に対応でき、耐摩耗性、特
に高温における耐摩耗性をより一層向上させた耐摩耗性
鉄基焼結合金を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、耐摩耗性、耐腐食性、耐酸化性を向上さ
せるために、鉄基焼結合金の基地の化学成分、硬質粒子
の種類と添加量、基地組織等々について、鋭意研究を重
ねた。その結果、請求項1〜3に係る組成に規定すれ
ば、第1の特徴として、Mo、Cr、W、Feの炭化物
あるいはSiの炭化物を有するNi基の硬質粒子が鉄基
の基地組織に分散していること、第2の特徴として、N
i基の硬質粒子に含まれるNiを、硬質粒子の周りの基
地に拡散させることにより、基地の硬質粒子付近の高温
強度、耐熱性、耐食性が向上し、基地からの硬質粒子の
浮きだしを抑制し、硬質粒子の脱落を抑制できること、
第3の特徴として、Cr、Mnという酸化し易い元素を
基地組織に積極的に添加し、鉄基焼結合金の摺動面にお
ける酸化膜の生成を期待することにより、基地を構成す
る金属の直接接触を抑制し、上記3つの主な特徴によ
り、鉄基焼結合金の良好な耐摩耗性を長期にわたり保持
しうることを知見し、試験で確認し、請求項1〜3に係
る耐摩耗性鉄基焼結合金を完成した。
【0008】請求項1に係る耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で全体組成が、Co;1.4〜15%、M
o;1.5〜16%、Mn;0.38〜9.5%、C
r;0.4〜12%、W;0.2〜6.0%、C;0.
4〜3.2%、Ni;0.2〜9.0%を含有し、残部
が不可避不純物とFeからなり、Co;2〜15%、M
o;2〜10%、Mn;0.4〜10%、C;0.2〜
2%、Ni;10%以下を含有し残部が不可避不純物と
Feからなる基地組織に、Mo;5〜20%、Cr;2
0〜40%、W;5〜20%、C;0.5〜5%、F
e;5〜30%を含有し、残部が不可避不純物とNiか
らなる硬質粒子を2〜30%分散した焼結体からなるこ
とを特徴とするものである。
【0009】請求項2に係る耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で全体組成が、Co;1.4〜15%、M
o;1.5〜16%、Mn;10%以下、Cr;0.6
〜20%、W;0.2〜6.0%、C;0.4〜3.2
%、Ni;0.2〜9.0%を含有し、残部が不可避不
純物とFeからなり、Co;2〜15%、Mo;2〜1
0%、Cr及びMnの少なくとも一方;0.4〜10
%、C;0.2〜2%、Ni;10%以下を含有し残部
が不可避不純物とFeからなる基地組織に、Mo;5〜
20%、Cr;20〜40%、W;5〜20%、C;
0.5〜5%、Fe;5〜30%を含有し、残部が不可
避不純物とNiからなる硬質粒子を2〜30%分散した
焼結体からなることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に係る耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で全体組成が、Co;1.4〜15%、M
o;1.5〜16%、Mn;9.5%以下、Cr;0.
4〜20%、W;0.2〜6.0%、C;0.4〜4.
0%、Ni;0.2〜9.0%、Si;0.6%以下を
含有し、残部が不可避不純物とFeからなり、Co;2
〜15%、Mo;2〜10%、Cr及びMnの少なくと
も一方;0.4〜10%、C;0.2〜2%、Ni;1
0%以下を含有し残部が不可避不純物とFeからなる基
地組織に、Mo;5〜20%、Cr;20〜40%、
W;10〜20%、C;0.5〜4%、Fe;5〜30
%、Si;2%以下を含有し、残部が不可避不純物とN
iからなる硬質粒子を2〜30%分散した焼結体からな
ることを特徴とするものである。
【0011】なお本明細書では体積%と断らないかぎ
り、重量%を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明に係る耐摩耗性鉄基焼結合金によれば、Ni基
の硬質粒子はCの他にMo、Cr、W、FeあるいはS
iを有する。そのためNi基の硬質粒子は炭化物を有
し、硬質となる。このようなNi基の硬質粒子が鉄基の
基地組織に分散しているため、鉄基焼結合金の耐摩耗性
が確保される。
【0013】基地からの硬質粒子の浮きだしは、相手材
の摩耗や硬質粒子の脱落を誘発するため好ましくない。
この点本発明に係る耐摩耗性鉄基焼結合金によれば、N
i基の硬質粒子のNiが、硬質粒子の周りの基地に拡散
するため、基地の硬質粒子付近において高温強度、耐熱
性、耐酸化性、耐食性が向上し、硬質粒子の浮きだしが
抑制される。これにより相手材の過剰摩耗が低減され
る。更に基地からの硬質粒子の浮きだしが抑制されるた
め、鉄基焼結合金からの硬質粒子の脱落が抑制される。
【0014】本発明に係る耐摩耗性鉄基焼結合金によれ
ば、Cr、Mnという酸化し易い元素が基地組織に積極
的に添加されており、鉄基焼結合金の摺動面における適
度な酸化膜の生成が期待される。これにより、基地を構
成する金属と相手材との直接接触が抑制され、基地を構
成する金属の凝着が抑制される。 基地 基地は、基地を100%としたとき、重量比でCo;2
〜15%、Mo;2〜10%、Mn及び/またはCr;
0.4〜10%、C;0.2〜2%、Ni;10%以下
を含有する。
【0015】Co;2〜15% Coは基地に固溶してこれを強化するとともに、高温強
度、耐熱性および耐腐食性を向上させる効果があるが、
基地においてCo含有量が2%未満ではその効果が不足
し、一方15%を越えて含有すると、効果のさらなる向
上は見られるものの経済性に欠ける。そのため、この点
を考慮してその含有量を2〜15%と規定した。
【0016】Mo;2〜10% Moは、基地に固溶してこれを強化するとともに、高温
域における強度の改善に効果を示し、炭素を含む焼結体
においては一部が炭化物を生成し耐摩耗性の改善に効果
を示す。これらの効果は、基地において含有量が2%未
満では不十分であり、さらに好ましくは3%を越えるこ
とであり、10%を越えても効果の向上は認められるも
のの、基地を構成する鉄基合金粉末の圧縮性低下を招く
ため、その含有量を2〜10%に規定した。
【0017】Mn及び/またはCr;0.4〜10% Mn、Crは酸化し易い金属元素である。そのため酸素
量が少ない環境でも酸化膜を生成し易い。酸化膜によ
り、基地を構成する金属と相手材との直接接触は、抑制
される。故に、基地の凝着が抑制され、基地の耐摩耗性
が向上する。更にMn、Crは炭化物を生成し易いた
め、この意味においても基地の耐摩耗性の向上に貢献で
きる。Mn及び/またはCrが0.4%未満では、上記
効果が不足する。10%を越えると、効果の向上は認め
られるものの、経済性が低下するため、0.4〜10%
に規定した。
【0018】C;0.2〜2% 基地を100%としたとき、基地には重量比でCが0.
2〜2%含まれている。Cは前記したように炭化物形成
に寄与し、耐摩耗性の向上に寄与する。Cが0.2%未
満では基地のフェライト化が促進され、Cが2%を越え
ると黒鉛が遊離し易くなる。
【0019】Ni;10%以下 基地を100%としたとき、基地にはNi基の硬質粒子
から拡散したNiが重量比で10%以下含まれている。
これにより基地の高温強度、耐腐食性が向上する。基地
中のNiが10%を越える場合には、硬質粒子中のNi
が拡散しすぎているため、硬質粒子がやせ気味となり、
硬質粒子の密着度が弱くなる。
【0020】Ni基の硬質粒子 請求項1に係る硬質粒子は、硬質粒子を100%とした
とき、重量比でMo;5〜20%、Cr;20〜40
%、W;5〜20%、C;0.5〜5%、Fe;5〜3
0%を含有し、残部が不可避不純物とNiからなる。請
求項2に係る硬質粒子は、硬質粒子を100%としたと
き、重量比でMo;5〜20%、Cr;20〜40%、
W;5〜20%、C;0.5〜5%、Fe;5〜30%
を含有し、残部が不可避不純物とNiからなる。
【0021】請求項3に係る硬質粒子は、硬質粒子を1
00%としたとき、重量比でMo;5〜20%、Cr;
20〜40%、W;10〜20%、C;0.5〜4%、
Fe;5〜30%、Si;2%以下を含有し、残部が不
可避不純物とNiからなる。硬質粒子は基地よりも硬質
であり、鉄基焼結合金の耐摩耗性の向上に寄与する。こ
れらのNi基の硬質粒子は本発明者等が開発した硬質粒
子であり、各請求項に記載のようなC、Mo、Cr、
W、FeあるいはSiを含む。Mo、Cr、W、Feあ
るいはSiはCと結合し炭化物を形成することにより、
硬質粒子の硬度を高め、鉄基焼結合金の耐摩耗性の向上
に寄与する。
【0022】硬質粒子はFeを5〜30%含み、特に1
2〜22%なかでも15〜20%にできる。Ni基の硬
質粒子中のFeは、鉄基焼結合金の相手攻撃性を規制す
ることを主として意図している。その理由はFeの炭化
物は他の炭化物等に比較して硬度が低いためである。N
i基の硬質粒子のNiおよびFeの一部は、焼結により
基地中に拡散し、基地における耐酸化性の向上および硬
質粒子の基地への保持力向上に作用する。
【0023】Ni基の硬質粒子の割合は、鉄基焼結合金
を100%としたとき、重量比で100%のうちの2〜
30%が好ましい。従って硬質粒子は鉄基焼結合金全体
を100%としたとき2〜30%に規定されている。こ
こでNi基の硬質粒子が2%未満では、耐摩耗性の向上
が不十分であり、30%を越えても、改善効果の向上が
少なく、また成形性の低下を招くため、Ni基の硬質粒
子は2〜30%が妥当である。
【0024】以上において基地およびNi基の硬質粒子
の組成の限定理由を述べたが、鉄基焼結合金中の基地組
織や硬質粒子の組成限定理由も基本的にはこれに対応す
るものである。 C 鉄基焼結合金にはこれを100%としたとき重量比でC
が0.4〜3.2%あるいは0.4〜4.0%含まれて
いる。Cは基地に固溶し基地を強化するとともに、一部
はNi基の硬質粒子に拡散し、Ni基の硬質粒子中のM
o、Cr、W等と結合して炭化物を生成し、Ni基の硬
質粒子の硬度を高め、耐摩耗性の向上に効果を示す。C
は原料粉末としての黒鉛粉末から供給できる。
【0025】本発明に係る鉄基焼結合金は、耐摩耗性
が要請される部材、殊に、高温において耐摩耗性が要請
される部材、具体的には、内燃機関の排気系や吸気系の
バルブシートに適する。 代表的な製法 本発明に係る鉄基焼結合金は、鉄基合金粉末(一般的に
はFe−Co−Mo合金)、Mn要素粉、Cr要素粉、
Ni基の硬質粒子の粉末、黒鉛粉とを混合した混合粉末
を用い、混合粉末を圧縮した圧粉体を焼結して形成でき
る。Fe−Co−Mo合金粉末は圧縮性に優れているた
め、圧粉体ひいては鉄基焼結合金の高密度化に有利であ
る。Mn要素粉のMn、Cr要素粉のCrが焼結時に基
地に拡散し易くなる。
【0026】本発明の鉄基焼結合金の焼結温度は適宜選
択できるものの、1323KからNi基の硬質粒子の融
点未満の温度が好ましい。焼結温度が1323K未満で
は、焼結進行が不十分であり耐摩耗性及び強度が不足す
るからであり、焼結温度がNi基の硬質粒子の融点未満
の温度を越えると、結晶粒の粗大化のため好ましくない
からである。
【0027】
【実施例】本発明の好適な実施例を比較例と対比して説
明し、本発明の特徴を明らかにする。 (実施例1〜7)実施例1〜7は、Pbを溶浸しない焼
結合金を意図するものである。これらの例では、鉄基噴
霧合金粉末A、D、E、Fを用いる。鉄基噴霧合金粉末
Aは、鉄基噴霧合金粉末Aを100%としたとき、重量
比でMo;4.9%、Co;4.6%、残部が実質的に
Feである。鉄基噴霧合金粉末Dは、鉄基噴霧合金粉末
Dを100%としたとき、重量比でMo;1.2%、C
o;4.7%、残部が実質的にFeである。鉄基噴霧合
金粉末Eは、鉄基噴霧合金粉末Eを100%としたと
き、重量比でMo;2.2%、Co;4.6%、残部が
実質的にFeである。鉄基噴霧合金粉末Fは、鉄基噴霧
合金粉末Fを100%としたとき、重量比でMo;3.
1%、Co;4.5%、残部が実質的にFeである。上
記した鉄基噴霧合金粉末A、D、E、Fはいずれも粒径
177μm以下である。
【0028】更にMnの要素粉、Crの要素粉を用い
る。これらの要素粉はそれぞれ粒径が177μm以下で
ある。更にまたNi基の硬質粒子Bの粉末(噴霧合金粉
末、粒径149μm以下)、Ni基の硬質粒子Cの粉末
(噴霧合金粉末、粒径149μm以下)を用いる。硬質
粒子Bは、硬質粒子Bを100%としたとき、重量比で
Cr;35.2%、W;12.5%、Mo;8.7%、
Fe;18.7%、C;2.6%、Si;0.6%、残
部が実質的にNiである。硬質粒子Cは、硬質粒子Cを
100%したとき、重量比でCr;26.7%、W;1
6.2%、Mo;13.3%、Fe;17.0%、S
i;0.6%、C;2.7%、残部が実質的にNiであ
る。
【0029】そして上記した合金粉末(A、D、E、F
のいずれか)、Mnの要素粉、Crの要素粉、硬質粒
子、黒鉛粉を、表1に示す配合組成になるように適宜秤
量する。これらをV型混合機で混合し、混合粉末を得
た。なお表1は、混合粉末〔焼結に伴い蒸散する潤滑剤
をのぞく、即ち、合金粉末(A、D、E、Fのいずれ
か)+(Mnの要素粉及び/またはCrの要素粉)+硬
質粒子+黒鉛粉〕を重量比で100%としたときの配合
割合を示す。
【0030】表1に示すように、潤滑剤として潤滑ステ
アリン酸亜鉛は、潤滑剤を除く混合粉末に対して重量比
で0.8%添加されている。
【0031】
【表1】 その後、混合粉末を成形圧力7tonf/cm2 にて圧
縮し、圧粉体を成形した。得られた圧粉体を分解アンモ
ニアガス雰囲気中で、1393Kの温度で30分間焼結
し、これにより各実施例1〜7と比較例1、2を製造し
た。
【0032】各実施例1〜7の試験片では、基地組織に
炭化物が分散し、更に、炭化物が生成したNi基の硬質
粒子が基地組織に分散している。本実施例に係る鉄基焼
結合金の基地の代表的な金属組織は、パーライト、オー
ステナイト、ベイナイトが混在する組織であると判定さ
れる。表2は、製造した鉄基焼結合金の合金組成を示す
ものである。表2の割合は、鉄基焼結合金を重量比で1
00%としたときの割合である。
【0033】
【表2】 上記実施例1〜7及び比較例1〜2の試験片について、
実機を模したバルブ−バルブシート試験機を用い、各試
験片の高温における耐摩耗性の評価を行った。この試験
では、図1に示すように、各試験片をリング状のバルブ
シート10とした。この試験装置はプロパンガスの燃焼
によってバルブ20とバルブシート10とを加熱し、カ
ムの駆動によってバルブ20を開閉する機構により、バ
ルブ20のバルブフェース20cとバルブシート10の
叩き摩耗状況を再現するものである。
【0034】上記試験では,相手材であるバルブ20の
材質をJIS−SUH35とし、バルブ20の温度を1
120K、バルブシート10の温度を670Kに保つよ
う制御し、カムの回転数を2200rpmにし、運転時
間20時間の条件で行い、試験片であるバルブ20にお
いて、図1に示す試験前における閉弁時の基体40から
のバルブ端20eまでの寸法Tと、試験後における閉弁
時の基体40からのバルブ端20eまでの寸法tとの差
である(t−T)を求め、これをバルブ沈み量とし、バ
ルブ沈み量に基づいてバルブシート10の摩耗量を評価
した。
【0035】試験結果を図2に示す。バルブ沈み量が大
きな程、摩耗量が多い。図2から理解できるように、比
較例1、2ではバルブ沈み量がかなり多い。殊に比較例
1ではかなり多い。更に比較例1、2ではバルブシート
10の当たり面は、凝着により面が荒れていた。比較例
1、2では基地にCrやMnがないためと推察される。
これに対して実施例1〜7では、バルブ沈み量が少な
い。更に実施例1〜7ではバルブシート10の当たり面
は滑らかな状態であった。この試験結果から、本実施例
に係る鉄基焼結合金では、Pbを溶浸せずとも耐摩耗性
が確保される。
【0036】
【発明の効果】各請求項に係る耐摩耗性鉄基焼結合金に
よれば、Ni基の硬質粒子はCの他にMo、Cr、W、
FeまたはSiを有する。そのためNi基の硬質粒子は
炭化物を有する。このようなNi基の硬質粒子が鉄基の
基地組織に分散しているため、耐摩耗性が確保される。
【0037】各請求項に係る耐摩耗性鉄基焼結合金によ
れば、Ni基の硬質粒子のNiが、硬質粒子の周りの基
地に拡散するため、基地の硬質粒子付近において高温強
度、耐熱性、耐酸化性、耐食性が向上し、基地に対する
硬質粒子の浮きだしが抑制される。これにより相手材の
過剰摩耗が低減される。更に硬質粒子の浮きだしが抑制
されるため、鉄基焼結合金からの硬質粒子の脱落が抑制
される。この意味においても鉄基焼結合金の耐摩耗性が
向上する。
【0038】各請求項に係る耐摩耗性鉄基焼結合金によ
れば、Cr、Mnという酸化し易い元素を基地組織に積
極的に添加し、鉄基焼結合金の摺動面における適度な酸
化膜の生成が期待される。これにより、基地を構成する
金属と相手材との直接接触が抑制され、基地を構成する
金属の凝着が抑制される。従って鉄基焼結合金の耐摩耗
性が向上する。
【0039】上記のように各請求項に係る耐摩耗性鉄基
焼結合金によれば、Pbを溶浸せずとも、耐摩耗性が向
上するため、Pbを溶浸する方式を軽減または廃止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブ沈み量を示す構成図である。
【図2】摩耗試験における本発明の実施例と比較例のバ
ルブ沈み量を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で全体組成が、Co;1.4〜15
    %、Mo;1.5〜16%、Mn;0.38〜9.5
    %、Cr;0.4〜12%、W;0.2〜6.0%、
    C;0.4〜3.2%、Ni;0.2〜9.0%を含有
    し、残部が不可避不純物とFeからなり、 Co;2〜15%、Mo;2〜10%、Mn;0.4〜
    10%、C;0.2〜2%、Ni;10%以下を含有し
    残部が不可避不純物とFeからなる基地組織に、 Mo;5〜20%、Cr;20〜40%、W;5〜20
    %、C;0.5〜5%、Fe;5〜30%を含有し、残
    部が不可避不純物とNiからなる硬質粒子を2〜30%
    分散した焼結体からなることを特徴とする耐摩耗性鉄基
    焼結合金。
  2. 【請求項2】重量比で全体組成が、Co;1.4〜15
    %、Mo;1.5〜16%、Mn;10%以下、Cr;
    0.6〜20%、W;0.2〜6.0%、C;0.4〜
    3.2%、Ni;0.2〜9.0%を含有し、残部が不
    可避不純物とFeからなり、 Co;2〜15%、Mo;2〜10%、Cr及びMnの
    少なくとも一方;0.4〜10%、C;0.2〜2%、
    Ni;10%以下を含有し残部が不可避不純物とFeか
    らなる基地組織に、 Mo;5〜20%、Cr;20〜40%、W;5〜20
    %、C;0.5〜5%、Fe;5〜30%を含有し、残
    部が不可避不純物とNiからなる硬質粒子を2〜30%
    分散した焼結体からなることを特徴とする耐摩耗性鉄基
    焼結合金。
  3. 【請求項3】重量比で全体組成が、Co;1.4〜15
    %、Mo;1.5〜16%、Mn;9.5%以下、C
    r;0.4〜20%、W;0.2〜6.0%、C;0.
    4〜4.0%、Ni;0.2〜9.0%、Si;0.6
    %以下を含有し、残部が不可避不純物とFeからなり、 Co;2〜15%、Mo;2〜10%、Cr及びMnの
    少なくとも一方;0.4〜10%、C;0.2〜2%、
    Ni;10%以下を含有し残部が不可避不純物とFeか
    らなる基地組織に、 Mo;5〜20%、Cr;20〜40%、W;10〜2
    0%、C;0.5〜4%、Fe;5〜30%、Si;2
    %以下を含有し、残部が不可避不純物とNiからなる硬
    質粒子を2〜30%分散した焼結体からなることを特徴
    とする耐摩耗性鉄基焼結合金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102994917A (zh) * 2012-12-11 2013-03-27 奇瑞汽车股份有限公司 合金材料、气门座圈及其制备方法、气门座圈的安装方法

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