JPH10324735A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板

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JPH10324735A
JPH10324735A JP13415497A JP13415497A JPH10324735A JP H10324735 A JPH10324735 A JP H10324735A JP 13415497 A JP13415497 A JP 13415497A JP 13415497 A JP13415497 A JP 13415497A JP H10324735 A JPH10324735 A JP H10324735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性
化合物を反応開始剤の存在下で反応させてなる変成フェ
ノール生成物を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた積
層板であって、難燃性、誘電率、誘電正接及びはんだ耐
熱性が優れると共に、その表面に有する金属箔とボンデ
ィングワイヤーを接合した場合に、金属箔とボンディン
グワイヤーとの接着強度が優れた金属箔張りの積層板を
提供する。また、この積層板が得られるエポキシ樹脂組
成物及びプリプレグを提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂組成物に、式(a)で表さ
れるエポキシ樹脂を含有する。なお、式(a)中R1
6は、炭素数1〜5の一価の炭化水素基、水酸基及び
グリシジルエーテル基からなる群の中から選ばれたいず
れかの官能基、又は水素原子を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば高周波領
域で使用されるプリント配線板に用いられる積層板、こ
の積層板の製造に用いられるプリプレグ、及びこのプリ
プレグの製造に用いられるエポキシ樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】衛星通信などに用いられるXバンド(8
〜12GHz)領域、いわゆる超高周波領域で使用する
プリント配線板の製造に用いられる積層板には、広い高
周波範囲、温度範囲及び湿度範囲で誘電率及び誘電正接
がいずれも一定で、かつ、好ましくは誘電正接が小さい
ことが望まれており、このような用途にエポキシ樹脂及
びポリフェニレンエーテル樹脂(以下、PPEと記す)
を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた積層板が使用さ
れている。
【0003】従来、このエポキシ樹脂及びPPEを含有
するエポキシ樹脂組成物を用いた積層板としては、エポ
キシ樹脂とPPEを単に配合したエポキシ樹脂組成物を
用いた、エポキシ樹脂とPPEの硬化物が化学的に独立
して存在する積層板や、エポキシ樹脂のエポキシ基とP
PEの末端水酸基とを反応させることにより、PPEと
エポキシ樹脂が架橋した硬化物よりなる積層板が検討さ
れている。
【0004】これらのうち前者の積層板は、アルカリや
クロロホルムに浸漬して耐アルカリ性試験や耐溶剤性試
験を行うと、エポキシ樹脂とPPEの結合が不十分なた
めに層間剥離が発生する場合があるという問題があり、
また、後者の積層板は、用いたPPEが高分子量の場
合、PPEの末端フェノール性水酸基とエポキシ樹脂の
エポキシ基との反応性が低く、硬化物中に架橋構造に関
与しない未反応のPPEが多量存在するため、層間接着
強度が低いという問題や、前者の積層板と同様に耐溶剤
性試験を行うと、前者の積層板と比較すると優れるが、
依然として層間剥離が発生する場合があるという問題が
あった。
【0005】そのため、高分子量のPPEとフェノール
性化合物を、過酸化物等の反応開始剤存在下で反応させ
ることにより、用いたPPEの数平均分子量より低分子
量の、PPEで変成した変成フェノール生成物を製造
し、その変成フェノール生成物とエポキシ樹脂を配合し
たエポキシ樹脂組成物を用いて、耐溶剤性が優れた積層
板を製造することが検討されている。この積層板の場
合、変成フェノール生成物のフェノール性水酸基とエポ
キシ樹脂のエポキシ基との反応により、PPEが硬化物
中の架橋構造に取り込まれるため、耐溶剤性が優れると
考えられている。
【0006】しかし、この変成フェノール生成物とエポ
キシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて表面に
銅箔等の層を有する積層板を製造した後、半導体チップ
と接続するために、金線等のボンディングワイヤーを積
層板表面の金属箔と接合した場合、加熱時のボンディン
グワイヤーと金属箔の接着強度の評価において、ボンデ
ィングワイヤーと金属箔の接合部が剥がれる場合があ
り、改良の余地があった。
【0007】そのため、高周波領域で使用する積層板に
要求される特性である、誘電率、誘電正接及びはんだ耐
熱性を低下することなしに、その表面に有する金属箔に
ボンディングワイヤーを接合した場合に、その接合部の
接着強度が優れる積層板が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、PPEとフェノール性化合物を反応開始剤の存在
下で反応させてなる変成フェノール生成物及びエポキシ
樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物であって、誘電率、
誘電正接及びはんだ耐熱性を低下することなしに、その
表面に有する金属箔にボンディングワイヤーを接合した
場合に、金属箔とボンディングワイヤーとの接着強度が
優れた金属箔張りの積層板が得られるエポキシ樹脂組成
物を提供することにある。
【0009】また、誘電率、誘電正接及びはんだ耐熱性
を低下することなしに、その表面に有する金属箔にボン
ディングワイヤーを接合した場合に、金属箔とボンディ
ングワイヤーとの接着強度が優れた金属箔張りの積層板
が得られるプリプレグを提供することにある。
【0010】また、誘電率、誘電正接及びはんだ耐熱性
が優れると共に、その表面に有する金属箔にボンディン
グワイヤーを接合した場合に、金属箔とボンディングワ
イヤーとの接着強度が優れた積層板を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エポキシ樹脂組成物は、数平均分子量が10000〜3
0000のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性
化合物を反応開始剤の存在下で再分配反応させて、数平
均分子量が用いたポリフェニレンエーテル樹脂の数平均
分子量の5〜70%になるように反応させた変成フェノ
ール生成物、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤と
を含有するエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂
として、下記式(a)で表されるエポキシ樹脂を含有す
ることを特徴とする。なお、式(a)中R1〜R6は、炭
素数1〜5の一価の炭化水素基、水酸基及びグリシジル
エーテル基からなる群の中から選ばれたいずれかの官能
基、又は水素原子を表す。
【0012】
【化3】
【0013】本発明の請求項2に係るエポキシ樹脂組成
物は、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物において、上
記式(a)で表されるエポキシ樹脂として、下記式
(b)で表されるエポキシ樹脂を含有することを特徴と
する。
【0014】
【化4】
【0015】本発明の請求項3に係るエポキシ樹脂組成
物は、請求項1又は請求項2記載のエポキシ樹脂組成物
において、上記式(a)で表されるエポキシ樹脂を、全
エポキシ樹脂100重量部中に1〜40重量部含有する
ことを特徴とする。
【0016】本発明の請求項4に係るエポキシ樹脂組成
物は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のエポキ
シ樹脂組成物において、変成フェノール生成物の数平均
分子量が、1000〜3000であることを特徴とす
る。
【0017】本発明の請求項5に係るエポキシ樹脂組成
物は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のエポキ
シ樹脂組成物において、反応開始剤が、過酸化ベンゾイ
ルであることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項6に係るエポキシ樹脂組成
物は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のエポキ
シ樹脂組成物において、フェノール性化合物が、分子内
に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール性
化合物であることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項7に係るプリプレグは、請
求項1から請求項6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組
成物を、基材に含浸・乾燥してなる。
【0020】本発明の請求項8に係る積層板は、請求項
7記載のプリプレグに金属箔を重ねて加熱・加圧してな
る。
【0021】本発明によると、エポキシ樹脂組成物に、
上記式(a)で表されるエポキシ樹脂を含有するため、
樹脂の硬化物の高温特性が向上すると考えられ、その表
面に有する金属箔とボンディングワイヤーとの、加熱時
の接着強度が優れた積層板が得られる。また、上記式
(a)で表されるエポキシ樹脂は、上記変成フェノール
生成物と架橋して両者が架橋構造に取り込まれるため、
エポキシ樹脂とPPEとの特性が損なわれず、誘電率、
誘電正接及びはんだ耐熱性等も優れた積層板が得られ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1から請求項6に
係るエポキシ樹脂組成物は、数平均分子量が10000
〜30000のPPEとフェノール性化合物を反応開始
剤の存在下で再分配反応させて、その数平均分子量が用
いたPPEの数平均分子量の5〜70%の数平均分子量
になるように反応させてなる変成フェノール生成物、エ
ポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を、少なくとも含
有する。
【0023】変成フェノール生成物の製造に用いられる
PPEは、別名ポリフェニレンオキサイド樹脂とも呼ば
れる樹脂であり、その一例としては、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンオキサイド)が挙げられ
る。このようなPPEは、例えば、USP405956
8号明細書に開示されている方法で合成することができ
る。
【0024】変成フェノール生成物の製造に用いられる
フェノール性化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェノ−ルノボラック、クレゾ
ールノボラック等が挙げられる。なお、フェノール性水
酸基を分子内に2個以上有するフェノール類を用いると
好ましい。このフェノール類のフェノール性水酸基数の
上限は特に限定するものではないが、分子内に30個以
下のものが一般に用いられる。なお、フェノール性化合
物の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部
が適量であり、反応開始剤と同程度の量が一般的であ
る。
【0025】変成フェノール生成物の製造に用いられる
反応開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ジクミルパー
オキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
ピル)ベンゼンなどの過酸化物があげられる。また過酸
化物ではないが、市販の反応開始剤である日本油脂株式
会社製の商品名「ビスクミル」(1分半減温度330
℃)を使用することもできる。なお、過酸化ベンゾイル
を用いると、反応性が優れ好ましい。なお、反応開始剤
の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部が
適量である。
【0026】そして変成フェノール生成物を製造する場
合には、有機溶媒中で、上記のPPEとフェノール性化
合物を反応開始剤の存在下で再分配反応させて、用いた
PPEの数平均分子量より低分子量の変成フェノール生
成物を製造する。再分配反応の条件としては、例えば、
上記のPPEとフェノール性化合物と反応開始剤を撹拌
しながら、80〜120℃で10〜100分程度加熱し
て行う。なお、用いる有機溶媒としては、トルエン、ベ
ンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられ
る。
【0027】反応開始剤の存在下で数平均分子量が10
000〜30000のPPEとフェノール性化合物を反
応させると、先ずPPEがラジカル化されると考えら
れ、直鎖が切断される再分配反応が進行してPPEが低
分子量化し、この低分子量化したPPEでフェノール性
化合物が変成される。
【0028】そして得られる変成フェノール生成物の構
造は、低分子化したPPEの一方又は両方の末端部にフ
ェノール性化合物が結合して、PPEの一方又は両末端
にフェノール性水酸基を有する構造となると考えられ
る。そのため、この末端のフェノール性水酸基がエポキ
シ樹脂のエポキシ基と反応し、PPEとエポキシ樹脂が
強固に架橋すると考えられる。
【0029】なお、再分配反応して得られる変成フェノ
ール生成物の数平均分子量は、用いたPPEの数平均分
子量の5〜70%の数平均分子量であることが重要であ
る。70%を越える場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が
高くなって、基材に含浸するときの含浸性が低下し、得
られるプリプレグの樹脂付着量がばらついたり、プリプ
レグの取り扱い時に樹脂が剥がれて樹脂付着量がばらつ
き、電気特性のばらつきが発生する場合があるという問
題や、エポキシ樹脂組成物の保存性が低下して粘度が短
期間で高くなりやすく、エポキシ樹脂組成物の使用可能
な時間が短くなって、生産に支障を来しやすいという問
題が発生しやすくなる。また、5%未満の場合、得られ
る積層板の機械的強度や耐熱性が低下する場合がある。
【0030】なお、変成フェノール生成物の数平均分子
量が、用いたPPEの数平均分子量の5〜70%の数平
均分子量であり、かつ、1000〜3000の範囲内で
あると、得られるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸する
ときの含浸性が特に優れ好ましい。
【0031】なお、用いたPPEが複数の数平均分子量
のPPEの混合物の場合には、その混合物の平均値に対
して、5〜70%の数平均分子量となるように反応させ
る。また、得ようとする変成フェノール生成物の数平均
分子量の調整は、反応開始剤の量を増やすと数平均分子
量が低下する傾向があるため、反応開始剤の量で調整す
ると調整しやすく好ましい。
【0032】エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹
脂には、上記式(a)で表されるエポキシ樹脂(以下、
式(a)樹脂と記す)を含有することが重要である。式
(a)樹脂を含有しない場合は、このエポキシ樹脂組成
物を用いて表面に金属箔の層を有する積層板を製造し、
ボンディングワイヤーを積層板表面の金属箔と接合した
後、ボンディングワイヤーと金属箔との接着強度の評価
を行うと、ボンディングワイヤーと金属箔の接合部で剥
がれる場合がある。なお、式(a)樹脂として、上記式
(b)で表されるエポキシ樹脂を含有すると、特に、ボ
ンディングワイヤーと金属箔の接合部の接着強度が優れ
好ましい。この式(b)で表されるエポキシ樹脂は、
1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレ
ンと一般に命名される。
【0033】なお、エポキシ樹脂組成物に含有するエポ
キシ樹脂は、式(a)樹脂のみに限定するものではな
く、式(a)樹脂以外の、分子内にエポキシ基を2個以
上有するエポキシ樹脂等をも含有することにより、式
(a)樹脂を、全エポキシ樹脂100重量部中に1〜4
0重量部含有するようにすると、金属箔とボンディング
ワイヤーとの接着強度が優れると共に、耐熱性が優れた
積層板が得られ好ましい。1重量部未満の場合は、金属
箔とボンディングワイヤーとの接着強度を向上させる効
果が小さく、40重量部を越えると吸湿率が高くなって
はんだ耐熱性が低下する場合がある。
【0034】含有することができるエポキシ樹脂として
は、例えば、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノ−ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルS型エポキ
シ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びこれらの樹脂を
ハロゲン化したエポキシ樹脂等の分子内にエポキシ基を
2個有するエポキシ樹脂や、ノボラック型エポキシ樹脂
等の分子内にエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂
が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。なお、分子
内にエポキシ基を1個有するエポキシ樹脂をも併用する
こともできる。
【0035】エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹
脂の硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、脂肪族
ポリアミド等のアミド系硬化剤や、ジアミノジフェニル
メタン、メタフェニレンジアミン、アンモニア、トリエ
チルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬化剤や、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−キシレン−
ノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤や、酸無水物類
等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0036】なお、エポキシ樹脂組成物には硬化反応を
促進するために、硬化促進剤の添加が現実的である。含
有することができる硬化促進剤としては、例えば、2−
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、
1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−
7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等
の三級アミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニル
ホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホス
ホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフ
ィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン
塩等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0037】なお、エポキシ樹脂組成物には、必要に応
じて無機充填材や、溶剤等を含有することができる。含
有することができる無機充填材としては、二酸化チタン
系セラミック、チタン酸バリウム系セラミック、チタン
酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチウム系セラミッ
ク、チタン酸カルシウム系セラミック、チタン酸ビスマ
ス系セラミック、チタン酸マグネシウム系セラミック、
ジルコン酸鉛系セラミック等の、誘電率が100以上の
無機充填材や、シリカ粉体、ガラス繊維、タルク等が挙
げられ、2種類以上を併用してもよい。誘電率が100
以上の無機充填材を含有すると、高周波特性が特に優れ
好ましい。また、含有することができる溶剤としては、
トルエン、キシレン、ベンゼン、ケトン、アルコール類
等の有機系溶媒が挙げられる。
【0038】得られたエポキシ樹脂組成物を、基材に含
浸・乾燥してプリプレグを製造する。エポキシ樹脂組成
物を、基材に含浸・乾燥する方法としては特に限定する
ものではなく、例えばエポキシ樹脂組成物中に基材を浸
漬して含浸させた後、加熱して溶剤の除去や、エポキシ
樹脂組成物を半硬化させてプリプレグを製造する。基材
に含浸する樹脂量は特に限定しないが、乾燥後の樹脂含
有量が、プリプレグの重量に対して30〜70重量%と
なるように含浸すると、特に電気特性が優れた積層板が
得られ好ましい。
【0039】なお、含浸時にエポキシ樹脂組成物を25
〜35℃に保つと、基材への含浸性を安定させることが
でき、積層板の特性を良好にすることができる。また、
エポキシ樹脂組成物を含浸後、乾燥するに当たっては、
80〜180℃の温度が好ましい。この乾燥が不十分で
あると、プリプレグ表面部分のみの乾燥に止まり、溶媒
が内部に残留する為にプリプレグの表面と内部との間で
樹脂の濃度差に起因する歪が生じ、プリプレグ表面に微
細なクラックが発生する場合がある。また、過度の乾燥
を行うと、プリプレグ表面では乾燥過程で急激な粘度変
化が起こるためにプリプレグ表面に筋むらや樹脂垂れが
発生し、金属箔とプリプレグとの密着性にばらつきが生
じ、その結果金属箔の引き剥がし強さや誘電特性等にば
らつきが発生する場合がある。
【0040】なお、エポキシ樹脂組成物を含浸する基材
としては、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステ
ルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステ
ル不織布、パルプ紙、リンター紙等が挙げられる。な
お、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板
が得られ好ましい。なお、基材の厚みとしては0.04
〜0.3mmのものが一般的に使用される。
【0041】得られたプリプレグの所定枚数と金属箔を
重ねて被圧体とし、この被圧体を加熱・加圧して積層板
を製造する。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等
が使用され、厚みとしては、0.012〜0.070m
mのものが一般的に使用される。なお、銅箔を用いる
と、電気特性が優れた積層板が得られ好ましい。
【0042】被圧体を加熱・加圧する条件としては、P
PEで変成した変成フェノール生成物とエポキシ樹脂と
エポキシ樹脂の硬化剤の架橋反応は、主としてエポキシ
樹脂の硬化剤の反応温度に依存するため、エポキシ樹脂
の硬化剤の種類に応じて加熱温度、加熱時間を選ぶとよ
い。また加圧は、得られる積層板中に気泡が残留しない
程度の圧力に適宜調整して加圧する。なお一般には、温
度150〜300℃、圧力1〜6MPa、時間10〜1
20分程度の条件で加熱・加圧する。
【0043】このようにして得られた積層板は、エポキ
シ樹脂とPPEの特性が損なわれないため、誘電特性等
の高周波特性や、はんだ耐熱性、接着強度等が優れると
共に、その表面に有する金属箔にボンディングワイヤー
を接合した場合に、金属箔とボンディングワイヤーとの
接着強度が優れた積層板となる。
【0044】なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の使用
形態は、基材に含浸・乾燥してプリプレグを製造する形
態に限るものではなく、たとえばキャスティング法によ
り基材を含まないシートを作成し、このシートをプリプ
レグに代用することもできる。このキャステング法によ
る方法は、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルムなどの、エポキシ樹脂組成物が含有する溶媒に不
溶のシートに、エポキシ樹脂組成物を5〜700μmの
厚みに塗布し、乾燥した後、シートを剥離して製造した
り、エポキシ樹脂組成物を熱溶融して押出成形により製
造する。シートに塗布して製造する方法の場合、押出成
形の方法と比較すると比較的低温でより容易にシー卜を
作ることができ好ましい。なお、エポキシ樹脂組成物を
塗布するシートは、離型剤で表面処理したシートを用い
ると剥離が容易になるため生産性が優れ好ましい。
【0045】
【実施例】
(変成フェノール生成物の調整)数平均分子量2000
0のPPE[日本G.E.プラスチック株式会社製、品
番640−111]、フェノール性化合物としてビスフ
ェノ−ルA、反応開始剤として過酸化ベンゾイル及び溶
剤としてトルエンを表1に示す割合(単位:重量部)で
配合し、90℃で60分間攪拌しながら再分配反応させ
て、液状の変成フェノール生成物(A)〜(G)を得
た。この変成フェノール生成物(A)〜(G)をゲル浸
透クロマトグラフ[カラム構成:東ソー株式会社製、S
uperHM−M(1本)+SuperHM−H(1
本)]にて分子量分布を測定し、数平均分子量を求め
た。その結果を表1に示す。なお、表1中、分子量比率
は、用いたPPEの数平均分子量に対する、得られた変
成フェノール生成物の数平均分子量の比率を表す。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例1〜10、比較例1〜5)上記変
成フェノール生成物(A)〜(G)と、下記3種類のエ
ポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の硬化剤としてジアミノジ
フェニルメタンと、硬化促進剤として2−エチル−4−
メチルイミダゾールと、溶剤としてトルエンとを表2に
示す割合(単位:重量部)でセパラブルフラスコに配合
し、室温で30分間攪拌して空冷を行い25℃のエポキ
シ樹脂組成物を得た。
【0048】なお表2中、変成フェノール生成物の配合
重量は固形分としての重量を表す。また式(a)樹脂比
率は、全エポキシ樹脂100重量部中の式(a)樹脂の
重量部を表す。
【0049】用いたエポキシ樹脂としては、 ・エポキシ樹脂1:臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂[東都化成株式会社製、商品名YDB500](エ
ポキシ当量500)と、 ・エポキシ樹脂2:臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂[東都化成株式会社製、商品名YDB400](エ
ポキシ当量400)と、 ・エポキシ樹脂3:式(a)樹脂として、1,6−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン[大日本イ
ンキ化学工業株式会社製、商品名HP4032](エポ
キシ当量272)と、を用いた。
【0050】
【表2】
【0051】次いで、得られたエポキシ樹脂組成物を室
温で24時間保管した後、厚み0.1mmのガラスクロ
ス[旭シュエーベル株式会社製、商品名216L]に含
浸し、140℃で4分間乾燥して樹脂含有率65重量%
のプリプレグを得た。
【0052】得られたプリプレグの両面に18μmの銅
箔[日鉱グールドフォイル株式会社製、商品名JTC]
を配置して被圧体とし、温度190℃、圧力2MPaの
条件で100分加熱・加圧して両面に銅箔が接着された
積層板を得た。
【0053】(評価、結果)得られたエポキシ樹脂組成
物の、初期粘度及び保存性を評価した。初期粘度の測定
は、B型粘度計を用いて25℃で測定し、500cps
以下の場合を良好(○)とし、500cpsを越える場
合を不良(×)とした。また、保存性の測定は、25℃
で24時間保存した後、初期粘度と同様にして測定及び
判定を行った。
【0054】その結果は表2に示したように、各実施例
及び比較例1,3,5で得られたエポキシ樹脂組成物
は、初期粘度も小さく、析出現象もなく保存性に優れて
いたが、数平均分子量17000の変成フェノール生成
物(F)を用いた比較例2及び4は、初期粘度、保存性
とも劣ることが確認された。
【0055】また、得られたプリプレグの、外観、取り
扱い性及び含浸性を評価した。外観は、スジ状や垂れた
形状の外観不具合部の有無を目視で観察し、無しの場合
を良好(○)、有りの場合を不良(×)とした。また、
取り扱い性は、プリプレグを180度折り曲げ、樹脂の
脱離の有無を目視で観察し、無しの場合を良好(○)、
有りの場合を不良(×)とした。また、含浸性は、切断
面を1000倍でSEM観察し、内部に気泡が無い場合
を良好(○)、わずかに有る場合を△、多数有る場合を
不良(×)とした。
【0056】その結果は表2に示したように、各実施例
及び比較例1,3,5で得られたプリプレグは、数平均
分子量17000の変成フェノール生成物(F)を用い
た比較例2及び4と比較して、外観、取り扱い性及び含
浸性が優れることが確認された。また、変成フェノール
生成物の数平均分子量が、1000〜3000の範囲内
である実施例1〜8は、実施例9,10と比較して、含
浸性が特に優れることが確認された。
【0057】また、得られた積層板の、誘電率、誘電正
接、はんだ耐熱性、銅箔の引きはがし強さ、及び、銅箔
とボンディングワイヤーとの接着強度の評価としてワイ
ヤープル強度を測定した。誘電率及び誘電正接の測定
は、MIL規格に基づき測定した。はんだ耐熱性及び引
きはがし強さは、JIS規格C6481に基づき測定し
た。
【0058】ワイヤープル強度は、カイジョー社製のワ
イヤーボンダー[商品名FB−118A]を用いて、φ
30μmの金線[田中貴金属工業株式会社製]を積層板
表面の銅箔に接合した後、デイジ(Dage)社製のボ
ンドテスター[商品名BT22]を用いて、温度180
℃、ヘッドスピード0.3mm/秒の条件で、金線が剥
がれる強度を測定した。
【0059】その結果は表2に示したように、各実施例
で得られた積層板は、式(a)樹脂を含有しない比較例
1〜3と比較して、ワイヤープル強度が優れることが確
認された。
【0060】また、各実施例で得られた積層板は、変成
フェノール生成物の数平均分子量が用いたPPEの数平
均分子量の10〜70%の範囲外である比較例2〜5と
比較して、はんだ耐熱性が優れることが確認された。ま
た、各実施例で得られた積層板は、誘電率及び誘電正接
も優れていることが確認された。
【0061】以上の評価結果より、各実施例は、エポキ
シ樹脂組成物特性、プリプレグ特性、積層板特性の全て
が良好であるが、各比較例は、これらの特性のうち少な
くとも1つの特性が劣ることが確認された。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1から請求項6に係るエ
ポキシ樹脂組成物を用いると、誘電率、誘電正接及びは
んだ耐熱性を低下することなしに、その表面に有する金
属箔とボンディングワイヤーを接合した場合に、金属箔
とボンディングワイヤーとの接着強度が優れた積層板が
得られる。
【0063】本発明の請求項4に係るエポキシ樹脂組成
物を用いると、上記の効果に加え、含浸性の優れたプリ
プレグが得られる。
【0064】本発明の請求項7に係るプリプレグを用い
ると、誘電率、誘電正接及びはんだ耐熱性を低下するこ
となしに、その表面に有する金属箔とボンディングワイ
ヤーを接合した場合に、金属箔とボンディングワイヤー
との接着強度が優れた積層板が得られる。
【0065】本発明の請求項8に係る積層板は、誘電
率、誘電正接及びはんだ耐熱性が優れると共に、その表
面に有する金属箔とボンディングワイヤーを接合した場
合に、金属箔とボンディングワイヤーとの接着強度が優
れた積層板となる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が10000〜30000
    のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物を
    反応開始剤の存在下で再分配反応させて、数平均分子量
    が用いたポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量の
    5〜70%になるように反応させた変成フェノール生成
    物、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤とを含有す
    るエポキシ樹脂組成物において、 エポキシ樹脂として、下記式(a)で表されるエポキシ
    樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    なお、式(a)中R1〜R6は、炭素数1〜5の一価の炭
    化水素基、水酸基及びグリシジルエーテル基からなる群
    の中から選ばれたいずれかの官能基、又は水素原子を表
    す。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記式(a)で表されるエポキシ樹脂と
    して、下記式(b)で表されるエポキシ樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 上記式(a)で表されるエポキシ樹脂
    を、全エポキシ樹脂100重量部中に1〜40重量部含
    有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 変成フェノール生成物の数平均分子量
    が、1000〜3000であることを特徴とする請求項
    1から請求項3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 反応開始剤が、過酸化ベンゾイルである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記
    載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 フェノール性化合物が、分子内に2個以
    上のフェノール性水酸基を有するフェノール性化合物で
    あることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    のエポキシ樹脂組成物を、基材に含浸・乾燥してなるプ
    リプレグ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のプリプレグに金属箔を重
    ね、加熱・加圧してなる積層板。
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