JPH1037075A - シートベルト用低摩擦化処理剤 - Google Patents

シートベルト用低摩擦化処理剤

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JPH1037075A
JPH1037075A JP18981596A JP18981596A JPH1037075A JP H1037075 A JPH1037075 A JP H1037075A JP 18981596 A JP18981596 A JP 18981596A JP 18981596 A JP18981596 A JP 18981596A JP H1037075 A JPH1037075 A JP H1037075A
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秀夫 長原
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裕之 寺澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートベルトウェビングに付与することに
よって、格納性もその耐久性も優れさらに耐摩耗保持率
にも優れたシートベルトとすることができるシートベル
トウェビング処理用の低摩擦化処理剤を提供する。 【解決手段】 平均分子量が600〜6000のポリ
テトラメチレングリコールと、二塩基酸と一価脂肪酸と
からのエステル化物であって、平均分子量が2000〜
15000であるポリエーテルポリエステルを含有する
シートベルト用低摩擦化処理剤を、シートベルトウェビ
ングに付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルトウェ
ビングに付与される低摩擦化処理剤に関するものであ
る。さらに詳しくは、シートベルト格納性が良好で、且
つ、摩耗後も格納性を良好に保持でき、格納耐久性に優
れたシートベルトを得るために有効な低摩擦化処理剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シートベルト用原糸を製織してウ
ェビングとし染色した後、シートベルトの引き出しと格
納を円滑にするため、即ち格納性向上のために、樹脂コ
ートを施すことが一般に行われている。また、シートベ
ルト用原糸には、その紡糸・延伸工程において紡糸油剤
などの種々の処理剤が付与されている。
【0003】例えば、シートベルトの耐摩耗性改善のた
めのコート樹脂としては、ウレタンプレポリマーブロッ
ク化合物を主成分とする樹脂が知られている(特公平4
−66948号公報)。この場合、ウレタンプレポリマ
ーブロック化合物を主成分とする樹脂をシートベルトウ
ェビングに付与し、加熱処理を施すことによって架橋を
生じさせて初期の滑り性の絶対値を大きく向上させ、こ
れによって長期間の使用によって滑り性が低下した後も
所望水準の滑り性を得ることを意図している。
【0004】また、従来のシートベルト原糸用の処理剤
としては、分岐アルコールと高級脂肪酸のエステルと非
イオン活性剤との組成物を主成分とする処理剤(例えば
特開平2−175966号公報)が知られている。即
ち、このシートベルト原糸用処理剤は、分岐アルコール
と高級脂肪酸のエステルを平滑剤として用い、プロピレ
ンオキサイドを含有しない非イオン活性剤を用いること
によって、耐光性を改善しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、樹脂コート
されたシートベルトの場合、特に前者のような架橋タイ
プの樹脂でコートされたシートベルトの場合は、ベルト
表面が硬くなるので長期間使用していると、シートベル
トの出し入れ補助用ガイドであるスルー(ナイロン樹脂
製)との繰り返し擦過により、表面にコートされた樹脂
が徐々に削り取られて脱落していく。さらに、ベルト表
面に汚れ物が徐々に付着していく。これらの結果、経時
的に、ベルトの格納や引き出しがスムースにいかなくな
り、格納性が経時的に著しく低下していくという大きな
問題があった。
【0006】また、後者のような従来の原糸付与処理剤
の場合、樹脂コートなしのノンコートベルトとして用い
ると樹脂の脱落等による急激な滑り性の低下はないもの
の、繊維−繊維間摩擦や繊維−金属間摩擦を十分に低下
させることができず、初期の滑り性が劣り、しかも耐摩
耗性も劣るという大きな問題があり、実用化に至ってい
ない。
【0007】そこで、本発明は、上述した従来技術にお
ける問題点を解決し、シートベルトウェビングに付与す
ることによって、それを構成する繊維の摩擦特性を十分
に低下させることができ、シートベルト初期の滑り性が
十分に高いとともに、その滑り性等の特性を長期間の使
用後も良好に維持することができるシートベルト、即
ち、格納性もその耐久性も優れさらに耐摩耗保持率にも
優れたシートベルトを得ることができるシートベルト用
低摩擦化処理剤の提供を主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のシートベルト用低摩擦化処理剤は、シート
ベルトウェビング付与用の低摩擦化処理剤であって、か
つ、平均分子量が600〜6000のポリテトラメチレ
ングリコールと、二塩基酸と一価脂肪酸とからのエステ
ル化物で、平均分子量が2000〜15000であるポ
リエーテルポリエステルを含有することを特徴とする。
【0009】前記ポリエーテルポリエステルは処理剤全
体の30重量%以上を占めることが好ましい。また、ポ
リエステル繊維製シートベルトウェビングに付与される
処理剤であることが好ましい。さらにまた、その処理剤
を有効成分とする1〜20重量%濃度の水系エマルジョ
ン液であって、25℃における表面張力が35ダイン/
cm以下、かつ、25℃におけるキャンパス法浸透性が
15秒以下であるシートベルト用低摩擦化処理液とする
ことが好ましい。
【0010】このような本発明の処理剤は、ウェビング
内部への浸透性が大きいので、処理剤をシートベルトウ
ェビングの表面にも、それを構成するベルト内部のフィ
ラメントの表面にも均一にコートさせることができる。
従って、表面が樹脂コートされた従来のシートベルトの
ように樹脂層とベルト(繊維)層との2層構造とはなら
ないから、長期間の使用によって表面部の繊維が削り取
られても、内部の繊維にも処理剤が付着していて低摩擦
性であるので、格納性およびその耐摩耗保持率の高いシ
ートベルトとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の処理剤で使用するポリエ
ーテルポリエステルは、平均分子量が2000〜150
00であり、かつ、平均分子量が600〜6000のポ
リテトラメチレングリコールと、二塩基酸と一価脂肪酸
とからのエステル化物であることを要する。そのポリエ
ーテルポリエステルとしては、二塩基酸の両末端がポリ
テトラメチレングリコールによってエステル化され、さ
らにその両末端が一価脂肪酸によってエステル化されて
なる化合物のように、一価脂肪酸によるエステル化によ
って両末端が封鎖されてなるポリエーテルポリエステル
が好ましい。
【0012】そのポリエーテルポリエステルの平均分子
量は、滑り性やウェビング内部への浸透性のために前記
範囲が必要である。その平均分子量が2000未満と小
さ過ぎる場合には油膜の強さが不十分となり摩耗後の滑
り性が悪くなるので、所望の効果が得られない。また、
分子量が15000を越える場合には摩擦特性を十分に
改善できないので、滑り性が悪くなり、所望の効果が得
られない。好ましい平均分子量は3000〜10000
である。
【0013】さらにそのポリエーテルポリエステルを構
成するポリエーテル成分は、平均分子量が600〜60
00のポリテトラメチレングリコールである。その平均
分子量が600未満と小さ過ぎる場合には油膜の強さが
不十分となり滑り性が悪くなる。また、分子量が600
0を越える場合では摩擦が大きくなりすぎて滑り性が悪
くなる。好ましい平均分子量は800〜4000であ
る。
【0014】なお本発明でいう平均分子量はGPC(ゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィー)等で測定され
る数平均分子量である。
【0015】また、そのポリエーテルポリエステルを構
成する二塩基酸成分としては、マレイン酸、アジピン
酸、チオジプロピオン酸、セバチン酸などがあげられ
る。好ましくはアジピン酸、チオジプロピオン酸、セバ
チン酸がよい。なお、芳香環のような環状構造を持つ二
塩基酸は摩擦低減効果の点から好ましく、脂肪族カルボ
ン酸が好ましい。
【0016】さらにまた、一価脂肪酸成分としては、オ
クチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リシノ
ール酸、リノール酸、リノレン酸などがあげられる。好
ましくは、ラウリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸
がよい。
【0017】さらに、ポリエーテルポリエステルは、常
温(20〜25℃)において液状を保つことができる物
であることが好ましい。これは、処理剤が付与されたシ
ートベルトが日常的に使用される常温条件下でもペース
ト状とならずに液状を保持できるので、低摩擦性という
所期の機能が使用時に十分に発揮できるからである。
【0018】上記ポリエーテルポリエステルは、処理剤
全体の30〜100重量%を占めることが好ましく、そ
の1種のみの使用でもよいし2種以上の併用でもよい。
その含有量が30重量%未満ではそのポリエーテルポリ
エステルによる所期の効果が十分に発揮され難く、シー
トベルトの滑り性や摩耗後の滑り性の点から好ましくな
い。好ましくは40〜100重量%がよい。
【0019】本発明の低摩擦化処理剤は、上記ポリエー
テルポリエステル以外の平滑剤成分(B)や極圧剤成分
(C)や界面活性剤成分(D)等を含んでいてもよく、
それらの含有量の合計は、多くとも70重量%とするこ
とがよい。
【0020】その平滑剤成分(B)としては、鉱物油
(精製スピンドル油、流動パラフィン)、動植物油(ヤ
シ油、ヒマシ油など)、脂肪酸エステル(イソステアリ
ルラウレート、オレイルオレート、ジオレイルアジペー
トなど)、アルキルエーテルエステル(ラウリルアルコ
ールのエチレンオキサイド2モル付加物ラウレート、ト
リデシルアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物
ラウレートなど)及びワックスなどがあげられ、これら
のうちで好ましいものは、脂肪酸エステルおよびアルキ
ルエーテルエステルである。
【0021】その平滑剤成分(B)を配合する場合に
は、その割合は5〜30重量%、特に10〜20重量%
の範囲がよい。
【0022】極圧剤成分(C)は、処理剤の油膜強度を
高める作用を有する成分であり、例えば、オレイン酸石
鹸、エルシン酸石鹸などの脂肪酸石鹸、ラウリルホスフ
ェ−トカリウム塩、オレイルホスフェ−トナトリウム塩
などの有機ホスフェ−ト塩、ラウリルスルフォネ−トナ
トリウム塩、及び、ドデシルベンゼンスルフォネ−トナ
トリウム塩などの有機スルフォネ−ト塩などがあげられ
る。
【0023】その極圧剤成分(B)を配合する場合に
は、その割合は0.02〜10重量%、特に1〜5重量
%の範囲がよい。0.02重量%未満では油膜強度を高
めるという作用が十分に発揮され難く好ましくない。ま
た、10重量%を越えると粘度上昇が大きくなって滑り
性が悪化してくるので好ましくない。
【0024】また、界面活性剤(D)としては、高級ア
ルコールのアルキレンオキサイド付加物(オクチルアル
コールのエチレン・プロピオンオキサイド付加物、ステ
アリルアルコールのエチレン・プロピオンオキサイド付
加物、オレイルアルコールのエチレンオキサイド付加物
など)、多価アルコールエステルのアルキレンオキサイ
ド付加物(硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド25モル
付加物、ソルビタントリオレートのエチレンオキサイド
20モル付加物など)があげられる。
【0025】その界面活性剤成分(D)を配合する場合
には、その割合は5〜20重量%、特に10〜15重量
%の範囲がよい。
【0026】さらに、本発明の低摩擦化処理剤には、前
記ポリエーテルポリエステル、それ以外の平滑剤成分
(B)、極圧剤成分(C)及び界面活性剤成分(D)の
他に、アルカリ金属、アルキルアミンのアルキレンオキ
サイド付加物などのPH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤およびフッ素化合物などのその他の添加剤を必要に
応じて配合してもよい。
【0027】上記PH調整剤を配合する場合には、その
割合は0.02〜10重量%、特に0.03〜8重量%
の範囲がよい。それ以外の添加剤を配合する場合には、
それらの割合は、0.02〜10重量%、特に0.03
〜5重量%の範囲がよい。
【0028】本発明の低摩擦化処理剤は、1〜20重量
%濃度の水系エマルジョン液としてシートベルトウェビ
ングの処理に用いることが好ましいが、シートベルトウ
ェビングへの付着性や浸透性が損われないならば、さら
に高濃度の水系エマルジョン液で用いてもよいし、実質
的に希釈なしの原液状態で用いてもよいし、また、有機
溶媒で希釈した処理液として用いてもよい。特に好まし
くは、2〜10重量%濃度の水系エマルジョン液がよ
い。
【0029】1〜20重量%濃度の水系エマルジョンの
処理液にして用いる場合、その処理液の25℃における
表面張力は35ダイン/cm以下、25℃におけるキャ
ンパス浸透性が15秒以下であることが、シートベルト
ウェビングへの付着及びウェビング内部への浸透のため
に好ましい。その表面張力が35ダイン/cmを超える
場合はウェビングへの付着性が不十分となり易い。ま
た、キャンパス浸透性が15秒を超える場合には、処理
剤の浸透性が悪くなり易いので、格納性の耐久性を高め
るために好ましくない。
【0030】本発明の低摩擦化処理剤は、処理剤を乳化
させた水系エマルジョン処理液のような処理液にして、
シートベルト用原糸を製織してウェビングとした後の任
意の段階で、ウェビングを液中に浸漬する方法や、ウェ
ビング表面に液を吹付ける方法等の任意の方法でもって
付与すればよい。ウェビングを染色する場合には、その
染色の後に低摩擦化処理剤を付与することが好ましい。
【0031】処理剤の付着量は、ウェビングを構成する
繊維に対する処理剤有効成分の量で、0.05〜5.0
重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%であればよ
い。
【0032】このような本発明の低摩擦化処理剤は、ウ
ェビングに付与することによってシートベルトに要求さ
れる所望の低摩擦特性を満足させることができるので、
処理されたシートベルトウェビングは従来のような樹脂
コートを施すことなくシートベルトに用いることができ
る。
【0033】さらに、本発明の低摩擦化処理剤は、従来
の樹脂コートに比較して浸透性が格段にすぐれているの
で、ウェビング内部への浸透性が大きく、処理剤をシー
トベルトウェビングの表面にも、それを構成するベルト
内部のフィラメントの表面にも均一にコートさせること
ができる。従って、ベルト表面のみが樹脂コートされた
従来のシートベルトのような樹脂層とベルト(繊維)層
との2層構造とはならないから、長期間の使用によって
ベルト表面部の繊維が削り取られても、内部の繊維にも
処理剤が付着していて低摩擦性であるので、高い格納性
を維持することができ、格納性の耐摩耗保持率が高いシ
ートベルトとできるのである。
【0034】本発明の低摩擦化処理剤が付与されるシー
トベルトウェビングとしては、ポリエステル繊維等の合
成繊維で構成されるシートベルトウェビングが挙げられ
る。
【0035】本発明のシートベルト用低摩擦化処理剤を
付与してなるシートベルトウェビングが、従来のシート
ベルトに比べ、特に長期間使用した後の滑り性において
格段に優れる、即ち格納耐久性に優れるという理由は、
以下の作用メカニズムによるものと考えられる。
【0036】従来のシートベルトでは、例えばウレタン
プレポリマーブロック化合物を主成分とする樹脂をベル
トに塗布する(特公平4−66948号公報)ことによ
って滑り性を改良しているが、前記した通り、ベルト表
面に被覆された樹脂層が長期間のベルトの繰り返し脱着
時の摩耗によって剥離し、滑り性が著しく悪化していく
という問題点を有していた。場合によっては、摩耗して
剥離した樹脂がスカム状となってかたまったり、摩耗し
た部分に汚れ物が付着して、滑り性の異常を生じること
もあった。そのため、より耐摩耗性の優れた樹脂の開発
や、樹脂層を比較的厚く塗布する方法等の多くの試みが
なされてきたが、十分満足するものは得られていなかっ
た。
【0037】一方、本発明ではベルトの滑り性をコート
樹脂層に依存せずに、ベルトを構成する糸条の個々のフ
ィラメントの表層に滑り性を付与し、それによって所望
の滑り性を得ようとするものである。
【0038】従来のシートベルトにコートされた樹脂層
はベルト表面を被覆しており、通常、樹脂はベルトの内
部にはその一部が浸透しているにすぎない。即ち、ベル
トの最内層部に位置するフィラメントの表面にはコート
樹脂が達しておらず、これは、ベルトを分解した繊維の
表面物質を分析することにより確認できる。
【0039】ところが、本発明の処理剤を付与するとベ
ルト表面だけでなく、ベルトの最内層部にも処理剤が十
分に浸透し、ベルト最内層を構成する糸条の各々のフィ
ラメントの表面にも付着しているのであり、この点にお
いて、従来のシートベルトと大きく異なる。
【0040】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明についてさらに
詳述する。以下の実施例及び比較例における評価は、次
の方法で行い、表示したものである。
【0041】繊維−繊維間の摩擦: 処理剤が付与され
たシートベルトウェビングを分解して得られた経糸及び
緯糸について、レーダ式摩擦測定器を用いて繊維同士間
の摩擦係数を測定する。この摩擦の値が小さいほど、繊
維同士の擦過が小さくて柔軟性が高いので、滑り性に優
れている。
【0042】繊維−金属間の摩擦: 上記と同様、シー
トベルトウェビングの分解糸について、東レ(株)式高
荷重ミクロン装置を用いて繊維と金属との間の摩擦係数
を測定する。その測定時の繊維と金属との間の滑り速度
は0.5m/分又は300m/分とする。滑り速度が
0.5m/分の場合の摩擦は、油膜強度の水準を表し、
その値が小さいほど油膜強度が強いことを意味する。ま
た、滑り速度が300m/分の場合の摩擦は平滑性の水
準を表し、その値が小さいほど滑りが優れていることを
意味する。
【0043】処理液の表面張力(ダイン/cm): 2
5℃の条件下で処理液の表面張力を協和界面科学(株)
製のCBVP−A3型自動表面張力計を用いて測定す
る。 処理液のキャンパス浸透性(秒): 100ccビーカ
ーに処理液を入れ、25℃の恒温槽で15分間温度調整
した後に、液表面に2cm×2cmの大きさで3mmの
厚みのウールフェルトを静かに浮かべ、液中に沈降する
までの時間(秒)を測定する。5回の測定を行ない平均
値を算出する。
【0044】スルーとの滑り摩擦(%): シートベル
トの一方の端に500gの荷重をセットし、その中間部
をスルーに挿通し、他方の端に角度20°で10kgロ
ードセルをセットする。そのロードセルで荷重を引上げ
る際の強力(F1)及び荷重を基に戻す際の強力(F
2)を測定し、(F2/F1)の平方根×100 の値
を滑り摩擦(%)とする。その滑り摩擦の値が高い程、
摩擦特性が小さく格納性に優れる。
【0045】摩耗後の滑り摩擦(%): シートベルト
を、サンドペーパー(No.500)を摩擦体にして4
00gの荷重をかけて往復500回摩擦させてベルト表
面を摩耗させる。摩耗後にスルーとの滑り摩擦を上記と
同様の方法で測定し、摩耗後の滑り摩擦(%)とする。
【0046】六角棒摩耗保持率(%): 耐摩耗性試験
(JIS−4604法)に準じて、5000回摩耗後の
シートベルトの強力を測定し、摩耗前の強力から強力保
持率を算出する。
【0047】[実施例1〜4及び比較例1〜5]ポリエ
チレンテレフタレートを溶融紡糸し、紡糸速度500m
/分で引取り、巻取ることなく引続いて、245℃のホ
ットローラーを用いる2段延伸により、全延伸倍率5倍
に熱延伸し、次いで、3000m/分で巻き取り、15
00デニール144フィラメントのポリエステルフィラ
メント糸を製造した。
【0048】得られたポリエステルフィラメント糸を用
いて通常の方法で製織してシートベルトウエビングを製
造し、通常の方法で黒色に染色し、さらに、表1の組成
からなる処理剤の5重量%濃度の水エマルジョン溶液に
侵漬し、ウェビングの繊維総重量に対する処理剤有効成
分量で0.5重量%の処理剤を付着させた後、110℃
で3分間予備乾燥し、次いで150℃で3分間加熱処理
した。
【0049】表1における処理剤成分の各記号は下記に
示す化合物を表わすものである。A1〜A3はポリエー
テルポリエステルであり、B1はそれ以外の平滑剤成分
(B)であり、C1〜C2は極圧剤成分(C)であり、
D1〜D3は界面活性剤成分(C)であり、また、E1
〜E2はその他の添加剤である。また、R1〜R2は、
従来の樹脂コートにおいて用いられている樹脂成分であ
る。
【0050】A1・・ポリテトラメチレングリコール
(1700)とアジピン酸とオレイン酸とのエステル
(分子量4000) A2・・ポリテトラメチレングリコールとチオジプロピ
オン酸とイソステアリン酸とのエステル(分子量100
0) A3・・ポリテトラメチレングリコールとセバチン酸と
イソステアリン酸とのエステル(分子量20000) B1・・オレイルオレート
【0051】 C1・・ラウリル(EO)2ホスフェートK塩 C2・・オレイン酸石鹸 D1・・ラウリルアルコールPO・EO付加物(分子量
1500) D2・・オレイルアルコールEO付加物(分子量90
0) D3・・硬化ヒマシ油(EO)10モル付加物 E1・・“IRGANOX”245(チバガイギー社
製) E2・・ステアリルアミン(EO)10モル付加物 R1・・ヒドロキシ含有シリコン、ウレタンプレポリマ
ーブロック化物が主成分の樹脂 R2・・メチロールメラミン樹脂
【0052】
【表1】 注) 表中の数字は重量%を示す。
【0053】処理剤を付着させて得られたシートベルト
について、その特性を評価した結果は、表2に示すとお
りであった。
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、本発明による実
施例1〜4の場合は、シートベルトを構成する繊維の摩
擦特性が低く、シートベルトとスルーとの滑り性が良好
であり、しかも、摩耗させた後でもシートベルトとスル
ーとの滑り性は殆ど低下せず、格納性及びその耐久性に
優れていた。さらに六角棒摩耗による耐久性にも優れて
いた。
【0056】これに対し、ポリエーテルポリエステルの
平均分子量が本発明外である比較例1、2の場合、本発
明のポリエーテルポリエステルを含まない処理剤を付与
した比較例3の場合、及び、従来のコート樹脂を付与し
た比較例4、5の場合は、スルーとの滑り性が良好なも
のほど摩耗による滑りの悪化が大きく、いずれも、摩耗
後の滑り性は不満足なものであった。さらに、六角棒摩
耗による耐久性も劣っていた。
【0057】
【発明の効果】本発明のシートベルト用低摩擦化処理剤
を、シートベルトウェビングに付与させると、それを構
成する繊維の摩擦特性を十分に低下させて初期の滑り性
を十分な水準まで高めることができ、しかも、その滑り
性等の特性を長期間の使用後も良好に維持することがで
きる。従って、格納性もその耐久性も優れさらに耐摩耗
保持率にも優れたシートベルトとすることができる。
【0058】特にポリエステル繊維製シートベルトウェ
ビングに対する低摩擦化処理剤として有効であり、滑り
性、耐摩耗性、格納性がともに優れたポリエステル繊維
製シートベルトを得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルトウェビング付与用の低摩
    擦化処理剤であって、かつ、平均分子量が600〜60
    00のポリテトラメチレングリコールと、二塩基酸と一
    価脂肪酸とからのエステル化物で、平均分子量が200
    0〜15000であるポリエーテルポリエステルを含有
    することを特徴とするシートベルト用低摩擦化処理剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリエーテルポリエステルが処理
    剤全体の30重量%以上を占めることを特徴とする請求
    項1記載のシートベルト用低摩擦化処理剤。
  3. 【請求項3】 シートベルトウェビング付与用の低摩
    擦化処理剤であって、かつ、平均分子量が600〜60
    00のポリテトラメチレングリコールと、二塩基酸と一
    価脂肪酸とからのエステル化物で、平均分子量が200
    0〜15000であるポリエーテルポリエステルと、極
    圧剤成分とを含有することを特徴とするシートベルト用
    低摩擦化処理剤。
  4. 【請求項4】 ポリエステル繊維製シートベルトウェ
    ビングに付与される低摩擦化処理剤であることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載のシートベルト用低摩擦化
    処理剤。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の低摩擦
    化処理剤を有効成分とする1〜20重量%濃度の水系エ
    マルジョン液であって、25℃における表面張力が35
    ダイン/cm以下、かつ、25℃におけるキャンパス法
    浸透性が15秒以下であることを特徴とするシートベル
    ト用低摩擦化処理液。
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