JPH1046010A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH1046010A
JPH1046010A JP22435196A JP22435196A JPH1046010A JP H1046010 A JPH1046010 A JP H1046010A JP 22435196 A JP22435196 A JP 22435196A JP 22435196 A JP22435196 A JP 22435196A JP H1046010 A JPH1046010 A JP H1046010A
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Yoshitomo Nakada
善知 中田
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和親 藤岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の熱可塑性樹脂を混合することによっ
て、染色性、耐熱水性、および寸法安定性に優れ、か
つ、吸水による機械的な性質の低下が抑制されると共
に、混合される複数の熱可塑性樹脂が互いに非相溶なこ
とによる、脆さなどの機械的強度の低下も回避できる熱
可塑性樹脂組成物とする。 【解決手段】 オキサゾリン基と反応する官能基を有
し、実質的に互いに非相溶な複数の熱可塑性樹脂と、オ
キサゾリン基を含有する共重合体とを含む熱可塑性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維やフィルムに
好適に用いられ、染色性、耐熱水性、機械的性質、寸法
安定性および弾力性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド樹脂、および熱可塑性
ポリエステル樹脂は、それぞれ優れた物理的、化学的性
質を有しているため、繊維、フィルムをはじめ成型品用
途に広く用いられている。
【0003】しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂
を単独で用いると、染色性の不足、耐熱水性の不足など
の欠点がある一方、ポリアミド樹脂を単独で用いた場合
には、吸水による機械的性質の低下や、寸法変化が大き
いこと、また、繊維として用いた場合には弾力性に劣
る、いわゆる腰がないなどの欠点がある。
【0004】そこで、近年、これらの欠点を克服するた
めに、熱可塑性ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂とを
互いに溶融混合した熱可塑性樹脂組成物を用いることが
種々検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来公報の熱可塑性樹脂組成物では、これらの公知の熱可
塑性ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との混合物は、
熱可塑性ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との間に実
質的に相溶性がないことから、上記混合物を成型品とし
た場合、機械的強度が劣った、脆い成型品しか得られな
いという問題が、また、繊維として用いようとする際
は、上記繊維の紡糸性が悪いなどの問題が生じている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明者ら
は、上記の問題を解決するため、鋭意検討した結果、オ
キサゾリン基を含有する共重合体を反応性相溶化剤とし
て用いると、オキサゾリン基と反応する官能基(酸基や
アミノ基)を有し、実質的に互いに非相溶な各熱可塑性
樹脂、例えば熱可塑性ポリエステル樹脂とポリアミド樹
脂とを互いに相溶させることができて、上記両者の有す
る物性の優れた点をそれぞれ維持した熱可塑性樹脂組成
物が得られることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以上の課
題を解決するために、オキサゾリン基と反応する官能基
を有し、実質的に互いに非相溶な複数の熱可塑性樹脂
と、オキサゾリン基を含有する共重合体とを含むもので
ある。
【0008】上記熱可塑性樹脂組成物での配合量として
は、例えば、複数の熱可塑性樹脂として、官能基として
酸基を有する熱可塑性ポリエステル樹脂と、官能基とし
てアミノ基を有するポリアミド樹脂とを用いた場合、熱
可塑性ポリエステル樹脂を5〜95重量部、ポリアミド
樹脂を95〜5重量部、およびオキサゾリン基を含有す
る共重合体を0.1〜30重量部含むことが望ましい。
【0009】また、上記熱可塑性樹脂組成物では、オキ
サゾリン基を含有する共重合体は、オキサゾリン基含有
単量体単位を0.1〜25重量%含むものであることが
好ましく、また、芳香族ビニル系単量体単位を50重量
%以上含むものであることが望ましい。
【0010】上記の熱可塑性樹脂組成物によれば、機械
的性質、加工性などの成形上の性質が改善されて、得ら
れた成型品における脆さ等の機械的強度の低下が抑制さ
れると共に、繊維として用いた際は、紡糸性が良好なも
のとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
オキサゾリン基と反応する官能基を有し、実質的に互い
に非相溶な複数の熱可塑性樹脂と、オキサゾリン基を含
有する共重合体とを含むものである。
【0012】オキサゾリン基と反応する官能基として
は、例えば、酸基、酸無水物基、フェノール基、水酸
基、アミノ基、アミド基、チオール基などが挙げられ
る。そのような官能基を有する熱可塑性樹脂としては、
酸基(カルボキシル基)を有する酸変性ポリエチレン等
の各種酸変性樹脂、酸基(カルボキシル基)を有する熱
可塑性ポリエステル樹脂、アミノ基を有する単量体を共
重合して得られた共重合体、酸基およびアミノ基を有す
るポリアミド樹脂等が挙げられる。複数の熱可塑性樹脂
における各官能基は互いに異なっていてもよいし、ま
た、互いに同一であってもよい。
【0013】上記熱可塑性樹脂組成物での配合量として
は、熱可塑性樹脂を2種類用いた場合、一方の熱可塑性
樹脂を5〜95重量部、他方の熱可塑性樹脂を95〜5
重量部、およびオキサゾリン基を含有する共重合体を
0.1〜30重量部含むことが望ましい。
【0014】オキサゾリン基を含有する共重合体として
は、オキサゾリン基含有単量体0.1〜25重量%を含
むことが好ましい。0.1重量%より少ないと、相溶化
の効果が十分ではなく、25重量%を越えて多いと流動
性の極端な低下を招来するおそれがあり好ましくない。
【0015】オキサゾリン基を含有する共重合体では、
その他の成分として、芳香族ビニル系単量体50重量%
以上、および、必要に応じて、さらに他の単量体0〜3
0重量%を含むことが、得られる熱可塑性樹脂組成物に
対して、優れた耐熱性や剛性などを付与できる点で好ま
しい。または、オキサゾリン基を含有する共重合体とし
ては、オキサゾリン基含有単量体0.1〜25重量%、
および(メタ)アクリル酸エステルを共重合してなる共
重合体も好ましい。
【0016】上記オキサゾリン基含有単量体としては、
具体的には、2-ビニル−2-オキサゾリン、5-メチル−2-
ビニル−2-オキサゾリン、4,4-ジメチル−2-ビニル−2-
オキサゾリン、2-iso-プロペニル−2-オキサゾリン、4,
4-ジメチル−2-iso-プロペニル−2-オキサゾリン等のビ
ニルオキサゾリンが挙げられるが、特にこれらに限定さ
れるものではないが、これらオキサゾリン基を有する単
量体のなかでも、2-iso-プロペニル−2-オキサゾリン
が、入手が容易であり、また、反応性が良好であるため
好ましい。
【0017】芳香族ビニル系単量体としては、特に限定
されるものではないが、具体的には、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、t−メチルスチレ
ン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、ク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジ
ブロモスチレン等が挙げられる。
【0018】これら芳香族ビニル系単量体は、一種類の
みを用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用いて
もよい。これら芳香族ビニル系単量体のなかでも、スチ
レン、α−メチルスチレンが特に好適に用いられる。
【0019】前記の他の単量体としては、オキサゾリン
基含有単量体および芳香族ビニル系単量体と共重合する
ものであれば、特に限定されるものではないが、具体的
には、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル系単量体;メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエ
ステルが挙げられる。これら他の単量体は、一種類のみ
を用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。これら他の単量体の中でも、アクリロニトリル、
メチルメタクリレートが特に好適に用いられる。
【0020】前記の共重合体の製造方法における重合法
としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化
重合法など公知の方法で行うことができ、特に限定され
るものではない。
【0021】また、単量体成分を共重合させる際には、
重合開始剤を用いることができ、上記重合開始剤として
は、具体的には、例えば、アゾビスiso-ブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t−ブチルパーオキ
サイド等のラジカル重合開始剤等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。また、重合開始剤の使用量
は、特に限定されるものではない。
【0022】さらに、反応系には、熱分解の抑制や固有
粘度を調節する目的で、オクチルメルカプタンやドデシ
ルメルカプタン等のアルキルメルカプタン等のメルカプ
タン類やα−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤
や、重合調節剤を用いてもよい。また、固有粘度を調整
する目的で、重合反応後、得られた共重合体を熱処理し
ても構わない。
【0023】上記の反応を行う際の反応温度や反応時間
は、特に限定されるものではなく、用いる単量体や重合
開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように、
適宜設定すればよい。
【0024】このようにして得られたオキサゾリン基を
含有する共重合体の、DMF(ジメチルホルムアミド)
中、30℃における固有粘度としては、好ましくは、
0.08〜0.45、さらに好ましくは、0.1〜0.
35のものが望ましい。
【0025】上記固有粘度〔η〕とは、濃度の異なる溶
液の各粘度を測定し、それぞれの溶液の(ηsp/c)あ
るいは(lnηr /c)と容積濃度との関係式において、
適当な方法でcを0に外挿することによって求められる
値を示す。なお、溶液の粘度をη、溶媒の粘度をη0
するとき、相対粘度を示すηr は、η/η0 であり、比
粘度を示すηspは、{ηsp=(η−η0 )/η0 =ηr
−1}により求められる。また、cは溶液の容積濃度
(溶質重量/溶媒容積)を示す。
【0026】上記固有粘度は、具体的には、上記共重合
体を、DMFに溶解させて、例えば濃度1g/100ml 、
0.5 g/100ml 、0.3 g/100ml の濃度の異なる3種類
の溶液を作製し、これらの溶液を30℃に調製した後、ウ
ベローデ粘度計により粘度をそれぞれ測定して濃度と粘
度との間の関係式を求め、その関係式に対し濃度0を外
挿することによって求められる。
【0027】上記共重合体の固有粘度が上記の範囲内に
あることで、得られる熱可塑性樹脂組成物は、染色性や
加工性や、耐熱水性等の各種物性を低下させることな
く、吸水による機械的性質の低下や、寸法安定性の劣化
を回避でき、かつ、繊維として用いた場合には弾力性に
劣る、いわゆる腰がないなどの欠点が改善されたものと
することが可能となる。
【0028】また、本願のような、30℃における固有
粘度0.08〜0.45を示す高分子となる、オキサゾ
リン基を含有する共重合体を、反応性相溶化剤として用
いることにより、官能基を有する各熱可塑性樹脂と上記
共重合体との混合時における、各官能基と上記共重合体
との反応が制御しやすくなる。
【0029】これは、低分子の相溶化剤は、溶融混練す
る成分の内、特定の成分に偏って存在しやすく、反応の
制御が困難となることがあるが、高分子の相溶化剤は各
成分と非相溶であるため、うまく界面に相溶化剤が遍在
して反応の制御が容易となるからである。
【0030】さらに、本願のような、高分子となる、オ
キサゾリン基を含有する共重合体を、反応性相溶化剤と
して用いた場合、混合させ反応させて熱可塑性樹脂組成
物を調製する際の安全性を向上させることが可能とな
る。
【0031】つまり、低分子の反応性化合物を相溶化剤
として用いると、該反応性化合物は、その反応性によっ
て毒性と、低分子による揮発性とにより作業環境の劣化
を生じやすいという危険性を示すことがしばしばある
が、高分子とすることで、上記危険性が低減されて、安
全性が改善される。
【0032】その上、本願のような、高分子となる、オ
キサゾリン基を含有する共重合体を、反応性相溶化剤と
して用いると、上記共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物
からの成形品の外観の劣化を防止できる。
【0033】すなわち、低分子の相溶化剤を用いた場合
では、上記相溶化剤の融点が低いことから上記相溶化剤
が溶融中に揮発するなどして、金型の表面に析出して上
記金型の表面の平滑性を低下させ、上記金型から得られ
る成形品の表面の平滑性も低下させるから上記成形品の
外観不良という不都合を招来することがあるが、本願発
明のように、高分子の相溶化剤を用いると、融点が低分
子のものより高くなることから、上記不都合を回避でき
る。
【0034】前述のような官能基を有する熱可塑性樹脂
としては、酸基(カルボキシル基)を有する酸変性ポリ
エチレン等の各種酸変性樹脂や、熱可塑性ポリエステル
樹脂、アミノ基を有する単量体を共重合して得られた共
重合体、酸基およびアミノ基を有するポリアミド樹脂等
が挙げられる。
【0035】熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート、ポリオキシエトキシベンゾ
エート、ポリエチレンナフタレートなどの他、上記熱可
塑性ポリエステル樹脂構成成分と他の酸成分および/ま
たはグリコール成分、例えばイソフタル酸、p−オキシ
安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタール酸、ジ
フェニルメタンジカルボン酸、ダイマー酸のような酸成
分、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ネオ
ペンチルグリコールアルキレンオキシド負荷体のような
グリコール成分を共重合したポリエステル、芳香族ポリ
エステル・ポリエーテルブロック共重合体、芳香族ポリ
エステル・ポリラクトンブロック共重合体などが挙げら
れる。
【0036】前記酸変性樹脂についてさらに具体的に挙
げるならば、酸基を有する単量体(例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、2−ノルボルネン−5,6 −ジカルボン酸等の不飽
和モノおよびジカルボン酸等)を共重合性成分として共
重合した重合体(例えば、エチレン−アクリル酸共重合
体、酸変性AS(Acrylonitrile-Styrene )樹脂等)、
上記酸基を有する単量体をグラフト共重合することによ
り酸変性した変性ポリオレフィン、および、酸変性PP
E(Polyphenylene ether)樹脂等が挙げられる。
【0037】前記のポリアミド樹脂として、6-ナイロ
ン、6,6-ナイロン、4,6-ナイロン、11−ナイロン、12−
ナイロン、6,10−ナイロン等の脂肪族ナイロンがより好
ましいものとして挙げられる。
【0038】本発明において、用いられる実質的に互い
に非相溶な各熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、互い
に非相溶な熱可塑性ポリエステル樹脂同士の組み合わ
せ、互いに非相溶な熱可塑性ポリエステル樹脂とポリア
ミド樹脂の組み合わせ、互いに非相溶な熱可塑性ポリエ
ステル樹脂と変性ポリオレフィンの組み合わせ、変性ポ
リオレフィンとポリアミド樹脂の組み合わせ等、種々挙
げることができる。
【0039】その中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂と
ポリアミド樹脂の組み合わせが好ましく、熱可塑性ポリ
エステル樹脂と脂肪族ポリアミド樹脂の組み合わせがさ
らに好ましい。
【0040】複数の熱可塑性樹脂が実質的に互いに非相
溶とは、少なくとも一種の熱可塑性樹脂5重量%以上配
合されて、各熱可塑性樹脂が互いに混合、溶融させ、室
温まで冷却して熱可塑性樹脂組成物を調製した場合、上
記熱可塑性樹脂組成物内において、5重量%以上配合し
た熱可塑性樹脂が大きな粒子として析出して、上記熱可
塑性樹脂組成物が、その物性の劣化、特に強度の低下に
より脆いものとなることである。
【0041】本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、オ
キサゾリン基と反応する酸基を有する熱可塑性ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂と、オキサゾリン基と反応す
る酸基およびアミノ基を有し、かつ、上記熱可塑性樹脂
と実質的に非相溶なポリアミド樹脂などの他の熱可塑性
樹脂と、オキサゾリン基を有する共重合体とを溶融し、
互いに混合することによって、容易に得ることができ
る。
【0042】上記各熱可塑性樹脂と、オキサゾリン基を
有する共重合体との混合方法は、特に限定されるもので
はなく、上記各熱可塑性樹脂と、オキサゾリン基を有す
る共重合体とを同時に混合してもよく、また、上記各熱
可塑性樹脂、およびオキサゾリン基を有する共重合体と
のうち、予め2成分を混合した後、残る1成分を混合し
てもよい。また、上記各熱可塑性樹脂、およびオキサゾ
リン基を有する共重合体の混合順序も特に限定されるも
のではない。
【0043】さらに、混合時における上記各成分として
の各熱可塑性樹脂、およびオキサゾリン基を有する共重
合体の形状などの各状態は、特に限定されるものではな
く、ペレット、ビーズ、パウダー等、種々の状態で混合
することができる。上記各成分の混合には、具体的に
は、例えば、バンバリーミキサー等の高速攪拌機、ロー
ル、1軸あるいは多軸の押出機等、従来公知の混練機を
用いることができるが、特に限定されるものではない。
【0044】また、上記各樹脂組成物には、必要に応じ
て、顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、金
属フレーク等の補強材や充填材、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑
剤、難燃剤等の従来公知の種々の添加剤を添加してもよ
い。これら添加剤は、一種類のみを用いてもよいし、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、これら添
加剤の添加量は、特に限定されるものではない。また、
所望する物性に応じて、上記樹脂組成物に、ポリアセタ
ール、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル等の、他
の熱可塑性樹脂を適宜配合してもよい。
【0045】以上のような本発明にかかる熱可塑性樹脂
組成物は、例えば、合成繊維や、フィルムや、ボトル
等、耐熱水性、成形性、加工性等の物性と共に、良好な
染色性による外観の美麗さや、繊維等における腰の強さ
となる弾力性も必要とする広範な用途に利用され得るも
のとなっている。
【0046】
【実施例】以下、各実施例および比較例により、本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何
ら限定されるものではない。なお、本明細書では、記載
の「部」および「%」は、重量基準にて表したものであ
る。
【0047】熱可塑性樹脂組成物は、オキサゾリン基と
反応する官能基としての酸基を有する熱可塑性樹脂とし
てのPBT樹脂(PolyButyreneTerephthalate )と、オ
キサゾリン基と反応する官能基としての酸基およびアミ
ノ基を有する熱可塑性樹脂としてのポリアミドと、反応
性相溶化剤としての、オキサゾリン基を含有する共重合
体とを含むものである。
【0048】次に、上記共重合体の例についてそれぞれ
以下に説明すると、まず、還流管、温度センサ、ガス導
入管、モノマーおよび開始剤滴下各装置、並びに攪拌装
置を取り付けた反応容器内を窒素ガスで十分に置換し
た。続いて、この反応容器に対し、溶媒として100部
のトルエン、6.25部のアクリロニトリルと、17.
5部のスチレンと、1.25部の2-iso-プロペニル−2-
オキサゾリン(以下、IPOという)との混合物を仕込
んだ。
【0049】一方、モノマー滴下装置に対し、18.7
5部のアクリロニトリルと、52.5部のスチレンと、
3.75部のIPOとの混合物を仕込んだ。また、開始
剤滴下装置に対し、重合開始剤として、1部のt-ブチル
パーオキシ−2-エチルヘキサノエートを仕込んだ。
【0050】次に、上記反応容器内の反応溶液を、10
0℃に昇温した後、攪拌下で、滴下装置内の混合物、お
よび重合開始剤を徐々に上記反応溶液に滴下した。滴下
終了後、上記反応溶液を100〜110℃にてさらに所
定時間攪拌することによって溶液重合反応を完了させ
た。その結果、上記反応容器内にて透明で粘稠なポリマ
ー溶液を得た。
【0051】続いて、このポリマー溶液を所定の方法で
減圧脱揮し、ペレット化することにより、共重合体
(1)を得た。得られた共重合体(1)は、30℃にお
ける固有粘度が0.27であった。
【0052】次に、上記の共重合体(1)を用いて、本
発明の熱可塑性樹脂組成物を調製した。まず、10部の
PBT樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社
製、商品名:ノバドゥール5008)と、10部の6−
ナイロン(東洋紡績株式会社製、商品名:アミランCM
1017)と、1部の上記共重合体(1)を、ペレット
状態ドライブレンドしたのち、混練機(東洋精機株式会
社製、商品名:ラボプラストミル)により、240℃、
100rpmで5分間溶融混練して、本発明の熱可塑性
樹脂組成物を調製した。
【0053】取り出した熱可塑性樹脂組成物をサンプル
として液体窒素で冷却した後、ハンマーにより破砕し、
その破砕面を走査型電子顕微鏡で、上記熱可塑性樹脂組
成物におけるPBT樹脂や6−ナイロンの分散状態を、
それらの粒子構造として観察した。その結果を、図1お
よび図2に示した。
【0054】〔比較例〕上記実施例における、1部の共
重合体(1)の添加を省いた以外は、上記実施例と同様
にして比較熱可塑性樹脂組成物を調製し、その破砕面を
観察した。その結果を、図3および図4に示した。
【0055】本発明の熱可塑性樹脂組成物では、図1な
いし図4に示すように、上記熱可塑性樹脂組成物の破断
面におけるPBT樹脂粒子1や、破断時に抜けたPBT
樹脂粒子のホール2の大きさが、比較熱可塑性樹脂組成
物の破断面におけるPBT樹脂粒子3や、破断時に抜け
たPBT樹脂粒子のホール4の大きさと比べて小さく、
かつ、上記熱可塑性樹脂組成物中におけるPBT樹脂粒
子1が比較熱可塑性樹脂組成物のPBT樹脂粒子3と比
べてより均一に分散していることが判る。
【0056】これらのことから、本発明の熱可塑性樹脂
組成物では、PBT樹脂とポリアミド樹脂との相溶性
が、比較熱可塑性樹脂組成物より向上しており、よっ
て、成型品としたときの脆さなどの機械的強度の劣化が
回避されて、弾力性が維持されていることが判る。
【0057】よって、本発明の熱可塑性樹脂組成物で
は、前記共重合体(1)を含むことにより、実質的に互
いに非相溶なPBT樹脂と、ポリアミド樹脂とを互いに
より均一に混合することができて、上記両者が互いに非
相溶なことによる、脆さ等の機械的強度の劣化を回避で
きる。
【0058】これにより、上記熱可塑性樹脂組成物は、
ポリアミド樹脂が有する、例えば吸水による機械的性質
の低下や寸法安定性の劣化を回避し、かつ、熱可塑性ポ
リエステルとしてのPBT樹脂が有する、例えば染色性
の不足や耐熱水性の不足を防止しながら、前述の機械的
強度の劣化を回避できて優れた物性を備えるものとなっ
ている。
【0059】この結果、上記熱可塑性樹脂組成物は、染
色性、耐熱水性、寸法安定性、弾力性等の機械的性質、
および機械的強度の劣化が回避されたものとなるので、
繊維やフィルムやボトル等の工業的に有用な成型品に関
する好適な材料として用いることが可能なものとなる。
【0060】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以上の
ように、オキサゾリン基と反応する官能基を有し、実質
的に互いに非相溶な複数の熱可塑性樹脂と、オキサゾリ
ン基を含有する共重合体とを含む構成である。
【0061】それゆえ、上記構成は、上記共重合体を含
むことにより、実質的に互いに非相溶な各熱可塑性樹脂
とを互いに混合することができて、上記両者が互いに非
相溶なことによる、脆さ等の機械的強度の劣化を回避で
きるものとすることが可能となる。
【0062】したがって、上記構成は、一方の熱可塑性
樹脂に、例えば熱可塑性ポリエステル樹脂を用い、他方
の熱可塑性樹脂に、例えばポリアミド樹脂を用いたとき
のように、熱可塑性ポリエステル樹脂が有する染色性の
不足や耐熱水性の不足を防止しながら、かつ、ポリアミ
ド樹脂が有する吸水による機械的性質の低下や寸法安定
性の劣化を回避し、その上、前述の脆さ等の機械的強度
の劣化も回避できて、優れた物性を備えるものとなって
いる。
【0063】この結果、上記熱可塑性樹脂組成物は、染
色性、耐熱水性、寸法安定性、弾力性等の機械的性質、
および機械的強度の劣化が回避されたものとなるので、
繊維やフィルムやボトル等の工業的に有用な成型品に関
する好適な材料として用いることが可能なものとなると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂組成物における粒子構造
を、走査型電子顕微鏡写真にて示す図面代用写真であ
る。
【図2】上記図面代用写真の模式図である。
【図3】比較のための比較熱可塑性樹脂組成物における
粒子構造を、走査型電子顕微鏡写真にて示す図面代用写
真である。
【図4】上記図面代用写真の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQS C08L 77/00 LQS LQU LQU 101/02 LTA 101/02 LTA //(C08F 212/04 226:06)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキサゾリン基と反応する官能基を有し、
    実質的に互いに非相溶な複数の熱可塑性樹脂と、 オキサゾリン基を含有する共重合体とを含むことを特徴
    とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性ポリエステル樹脂と、 ポリアミド樹脂と、 オキサゾリン基を含有する共重合体とを含むことを特徴
    とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】オキサゾリン基を含有する共重合体は、オ
    キサゾリン基含有単量体単位を0.1〜25重量%含む
    ものであることを特徴とする請求項1または2記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】オキサゾリン基を含有する共重合体は、芳
    香族ビニル系単量体単位を50重量%以上含むものであ
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012102231A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Kohjin Co Ltd ポリオキサゾリンからなる樹脂の相溶化剤
KR20180123386A (ko) * 2017-05-08 2018-11-16 (주)엘지하우시스 섬유 강화 복합재 및 이의 제조방법

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