JPH1060314A - 黒色描画材 - Google Patents

黒色描画材

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JPH1060314A JP8234681A JP23468196A JPH1060314A JP H1060314 A JPH1060314 A JP H1060314A JP 8234681 A JP8234681 A JP 8234681A JP 23468196 A JP23468196 A JP 23468196A JP H1060314 A JPH1060314 A JP H1060314A
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桂子 廣田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックを顔料とした描画材よりも
明度が低く、且つ毒性も少ない黒色描画材を提供する。 【解決手段】 カーボンブラックをエポキシ樹脂、アク
リル樹脂等の水に不溶性の樹脂で被覆した着色材を使用
する。他は、通常のポスターカラー等と同様にアラビア
ゴム等の固着剤、乾燥防止剤、分散剤等を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒色の描画材に関
するものであり、特に黒色のポスターカラー、水彩絵の
具、エマルジョン系絵の具等の水性描画材として適する
ものである。
【0002】
【従来の技術】黒色は、絵を引き締めたり、有彩色を引
き立てる効果があり、絵画やデザインの分野で最も重要
な色の一つであると言える。黒を描くための黒色描画材
としては、カーボンブラックを着色剤とした描画材やア
ニリンブラックを配合したものが広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】黒色の描画材の分野で
は、より黒いもの、言い換えればより明度が低く光沢の
無いものが良質の描画材であるといえる。そして明度と
光沢の二点において、前記したカーボンブラックを着色
剤とした描画材とアニリンブラックを着色剤とした描画
材を比較すると、アニリンブラックの方が明度が低く、
且つ光沢が無く、より黒い。そのためカーボンブラック
を着色剤とした描画材では、黒さが不十分である場合に
は、アニリンブラックを配合した描画材が使用される。
【0004】しかしながら、アニリンブラックを着色剤
とした描画材は、毒性があるという重大な欠点がある。
すなわちカーボンブラックを着色剤とする黒色描画材
は、安全であるものの、光沢があり、る黒さが不十分で
ある。他方のアニリンブラックを着色剤とした描画材
は、黒さという点では満足できるものの、毒性があって
危険である。そこで本発明は、カーボンブラックを顔料
とした描画材よりも明度が低く、光沢も少なく、且つ毒
性も少ない黒色描画材を提供することを課題とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして上記の目的を達成
するため、本発明者らが研究を重ねたところ、黒色顔料
と樹脂との複合物を着色剤として黒色描画材を生成する
と、黒色顔料そのものを着色剤として配合した場合に比
べて、光沢が無く、明度がより低下することを発見し
た。この発見に基づく、請求項1記載の発明は、一種又
は二種以上の黒色顔料と、樹脂との複合物を着色剤とす
ることを特徴とする黒色描画材である。
【0006】また上記した発明を具体化した請求項2記
載の発明は、着色剤が、カーボンブラックと樹脂との複
合物であることを特徴とする請求項1記載の黒色描画材
である。
【0007】さらに上記した発明を具体化した請求項3
記載の発明は、黒色描画材は水性であり、樹脂は水に対
して不溶性であることを特徴とする請求項1又は2に記
載の黒色描画材である。
【0008】また上記した発明を具体化した請求項4記
載の発明は、黒色顔料と、樹脂との複合の形態は、黒色
顔料を樹脂が被覆した形態、黒色顔料の表面及び/又は
内部に樹脂が結合した形態、黒色顔料の表面及び/又は
内部に樹脂が付着した形態のいずれかあるいはこれらの
複合形態であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
れかに記載の黒色描画材である。。
【0009】また上記した発明を具体化した請求項5記
載の発明は、樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、スチレン樹脂、エチレン樹脂、フェノール
樹脂、尿素樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂から選ばれる1又はそれ以上の樹脂である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の黒
色描画材である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施の形態に
ついて説明する。本発明の黒色描画材は、一種又は二種
以上の黒色顔料と、樹脂との複合物を着色剤とする。ま
た着色剤以外の成分は、通常のポスターカラーやエマル
ジョン絵の具と同等であり、公知の固着剤、乾燥防止
剤、分散剤、体質顔料等が必要に応じて配合される。
【0011】黒色描画材の具体的成分を説明すると、着
色剤の元となる黒色顔料としては、カーボンブラックが
最も適する。カーボンブラックの製造方法や、原料は特
に限定するものではない。具体的なカーボンブラックの
製造方法を列記すると、サーマルブラック法、アセチレ
ンブラック法、チャンネルブラック法、ガスファーネス
ブラック法、オイルファーネスブラック法、松煙法、ラ
ンプブラック法等の公知の方法によって製造されたカー
ボンブラックが本発明に使用可能である。またカーボン
ブラックの原料を列記すると、天然ガス、アセチレン、
芳香族油、松脂、動植物油等を原料とするカーボンブラ
ックが本発明に使用可能である。
【0012】他に本発明に採用可能な顔料の例として
は、鉄黒、ボーンブラック、チタンブラック等があげら
れる。また毒性の問題は残るものの、より明度が低い黒
色描画材を得るための顔料として、アニリンブラックの
本発明への採用も可能である。
【0013】顔料等と複合物を構成する樹脂は、水に対
して不溶性であることが望ましい。この様な樹脂の例と
しては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、
スチレン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂
その他が挙げられ、これらの樹脂を単独あるいは選択的
に配合して利用可能である。
【0014】黒色顔料等と、樹脂との複合の形態は、黒
色顔料等を樹脂が被覆した形態、黒色顔料の表面や内部
に樹脂が結合した形態、黒色顔料の表面や内部に樹脂が
付着した形態のいずれかあるいはこれらの複合形態であ
ることが望ましい。ここで黒色顔料の表面を樹脂によっ
て被覆する手段としては、マイクロカプセル法、より具
体的には界面重合法、insitu重合法、液中硬化被覆法
(オリフィス法)、水溶液からの相分離法、液中乾燥法
等が採用可能である。その他、マイクロカプセル法以外
にも、分散された黒色顔料に樹脂を結合させたり、付着
させる方法もある。その例として、顔料を核として、こ
の表面を多数のコロイド状の樹脂粒子で覆ったものもあ
る。前記した黒色顔料の核にコロイド状の樹脂粒子で覆
った着色剤を採用する場合には、顔料の核に対して、周
囲の樹脂粒子は、十分に小さいことが望ましい。さらに
コロイド状の樹脂粒子は、顔料の核をほぼ隙間無く被覆
したものであることが望ましい。ただし勿論、本発明
は、顔料の核が直接外部に露出したものを除外するもの
ではない。さらに本発明で採用する着色剤は、顔料に、
該顔料の粒子と同等程度の大きさの樹脂を結合させたも
のであってもよい。その他熱可塑性樹脂あるいは熱硬化
性樹脂に黒色顔料や黒色染料を練り込み粉砕することに
より、黒色顔料等と樹脂とを複合させることもできる。
【0015】描画材中に配合される固着剤は、水溶性の
ものが望ましく、例えばアラビアガム、ローカストビー
ンガム、トラガカントガム、グァーガム、アルギン酸、
ゼラチン、カラギーナン、カゼイン、キサンタンガム、
デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、デンプングリコール酸ナ
トリウム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナ
トリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、カル
ボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸
ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹
脂のアルカリ金属塩等が単独あるいは適宜混合して採用
可能である。
【0016】また溶媒たる水に加えて、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレ
ングリコール等を適宜混合しても良い。
【0017】また体質顔料としては、炭酸カルシウム
や、シリカ、アルミナシリケート等が挙げられ、増粘剤
としてベントナイトやチクソ性付与剤等が挙げられる
が、これらは必ずしも必要ではない。
【0018】さらに分散剤として、ノニオン系のもの、
あるいはアニオン系のものを単独あるいは併用して配合
することが望ましい。ここでノニオン系分散剤には、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレン誘導体、あるいはソルビタン系誘導体等があ
る。またアニオン系分散剤には、ナフタレンスルフォン
酸ソーダホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系分散剤等
が挙げられる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の描画材の実施例および本発明
の効果を確認するために行った実験について説明する。
本発明の実施例として、後述の着色剤を配合した
ポスターカラー及びエマルジョン絵の具を生成した。順
次説明すると、下記の表1の内、「エピキュアU」以外
のものを予備混合し、この混合物を三本ロールミルに3
回通過させ、黒色の顔料ベースを作成した。そしてこの
顔料ベースに「エピキュアU」を表1の量だけ添加し、
60°C、5%のゼラチン溶液300cc中でホモミキサ
ーによって分散させ、さらにデゾルバーによって3時間
攪拌した。そして得られた分散体を濾過し、乾燥させて
黒色顔料たるカーボンブラックの表面にエポキシ樹脂の
被覆がなされた着色剤を作成した。
【0020】
【表1】
【0021】そして、この着色剤を含む表2の配合に
よって、黒色のポスターカラーを生成した。また同じく
着色剤を含む表3の配合によって、黒色のエマルジョ
ン絵の具を生成した。エマルジョン絵の具の配合におい
ては、モビニール700とノプコ8034L以外のもの
を予備混合し、その後モビニール700とノプコ803
4Lを添加した。なお、表2および表3の配合の混合
は、三本ロールミルを3回通過させることによって行っ
た。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】同様に、下記の表4の内、「ユロネートE
H」以外のものを予備混合した後、三本ロールミルを3
回通過させ、顔料ベースを作成した。そしてこの顔料ベ
ースに「ユロネートEH」を表4の量だけ添加し、60
°C、5%のゼラチン溶液300cc中でホモミキサーに
よって分散させ、さらにデゾルバーによって3時間攪拌
した。そして得られた分散体を濾過し、乾燥させて黒色
顔料たるカーボンブラックの表面にウレタン樹脂の被覆
がなされた黒色の着色剤を作成した。
【0025】
【表4】
【0026】そして、この着色剤を含む前記表2の配
合によって、黒色のポスターカラーを生成した。また同
じく着色剤を含む表3の配合によって、黒色のエマル
ジョン絵の具を生成した。
【0027】さらに、ラブコロール220(M)ブラッ
クを着色剤とし、着色剤を含む前記表2の配合によ
って、黒色のポスターカラーを生成した。本実験資料に
使用した着色剤は、顔料の表面にアクリル樹脂の被覆
がなされたものであり、粒子の形状は真球状をしてい
る。また同様に着色剤を含む前記表3の配合によっ
て、黒色のエマルジョン絵の具を生成した。
【0028】次に比較例について説明する。比較例とし
て、カーボンブラックそのものを着色剤として、表5の
成分を三本ロールミルを3回通過させることによって混
合し、黒色のポスターカラーを生成した。表5の配合
は、カーボンブラックNo.25の配合量を除き、前記
した表2の実施例のポスターカラーの配合と同一であ
る。比較例の配合におけるカーボンブラックの絶対量
は、実施例の配合におけるカーボンブラックの絶対量よ
りも少ない。さらに表5の配合から着色剤だけをカーボ
ンブラックNo.25から三菱化学株式会社製カーボン
ブラック#45に変更して黒色のポスターカラーを生成
した。加えて表5の配合から着色剤だけをカーボンブラ
ックNo.25からテグサジャパン株式会社製のカーボ
ンブラック、プリンテックス300に変更して黒色のポ
スターカラーを生成した。
【0029】
【表5】
【0030】さらにもう一つの比較例として、カーボン
ブラックそのものを着色剤として、表6の成分を三本ロ
ールミルを3回通過させることによって混合し、黒色の
エマルジョン絵の具を生成した。表6の配合は、カーボ
ンブラックNo.25の配合量を除き、前記した表3の
実施例のエマルジョン絵の具と同一である。なおモビニ
ール700とノプコ8034Lは、後添加した。この比
較例の配合においても、カーボンブラックの絶対量は、
実施例の配合におけるカーボンブラックの絶対量よりも
少ない。
【0031】
【表6】
【0032】またもう一つの比較例として、アニリンブ
ラックを着色剤として、表7の成分を三本ロールミルを
3回通過させることによって混合し、黒色のポスターカ
ラーを生成した。表7の配合は、アニリンブラックの配
合量を除き、前記した表2の実施例のポスターカラーの
配合と同一である。
【0033】
【表7】
【0034】以上によって生成されたポスターカラー及
びエマルジョン絵の具と水を重量比5:1で混合し、そ
の0.6gを5cm×8cmの画用紙(白系ケント15
5gJIS P−3301)に画筆によって均一に塗布
した。そしてその試験片を分光光度計にかけ、明度を測
定した。その結果は、下記の表8及び表9の通りであっ
た。
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】すなわち本発明の実施例たる着色剤
を配合したポスターカラー及びエマルジョン絵の具は、
比較例たるカーボンブラックそのものを着色剤としたポ
スターカラー等よりも明度が低く、黒いものであった。
また目視による観察の結果、本発明の実施例たる着色剤
を配合したポスターカラー及びエマルジョン絵の
具は、比較例たるカーボンブラックそのものを着色剤と
したポスターカラー等よりも光沢が少ないものであっ
た。そして本発明の実施例たる着色剤を配合した
ポスターカラーは、アニリンブラックを配合した絵の具
にも匹敵する黒さを発現するものであった。
【0038】
【発明の効果】本発明の黒色描画材は、一般に使用され
ているカーボンブラックそのものを着色剤とする黒色描
画材よりも明度が低く、光沢が少なく、アニリンブラッ
クを配合した黒色描画材にも匹敵する黒さを発現する。
また本発明の黒色描画材は、毒性が低い効果がある。従
って本発明の黒色描画材は、黒く、且つ安全であるとい
う優れた効果を持つ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種又は二種以上の黒色顔料と、樹脂と
    の複合物を着色剤とすることを特徴とする黒色描画材。
  2. 【請求項2】 着色剤は、カーボンブラックと樹脂との
    複合物であることを特徴とする請求項1記載の黒色描画
    材。
  3. 【請求項3】 黒色描画材は水性であり、樹脂は水に対
    して不溶性であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の黒色描画材。
  4. 【請求項4】 黒色顔料と、樹脂との複合の形態は、黒
    色顔料を樹脂が被覆した形態、黒色顔料の表面及び/又
    は内部に樹脂が結合した形態、黒色顔料の表面及び/又
    は内部に樹脂が付着した形態のいずれかあるいはこれら
    の複合形態であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の黒色描画材。
  5. 【請求項5】 樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、
    ウレタン樹脂、スチレン樹脂、エチレン樹脂、フェノー
    ル樹脂、尿素樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾ
    グアナミン樹脂から選ばれる1又はそれ以上の樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    黒色描画材。
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