JPH108031A - 生分解性徐放性製剤 - Google Patents

生分解性徐放性製剤

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JPH108031A
JPH108031A JP16889896A JP16889896A JPH108031A JP H108031 A JPH108031 A JP H108031A JP 16889896 A JP16889896 A JP 16889896A JP 16889896 A JP16889896 A JP 16889896A JP H108031 A JPH108031 A JP H108031A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放出表面積を大きくしたり多数のものを使用
することなく、使用中は活性物質を長期間にわたり安定
して、かつ任意の放出量で徐放することができ、使用後
は土中に埋蔵しても微生物により分解され土壌に残留し
ない分解性徐放性製剤を提供する。 【解決手段】 脂肪族ポリエステル99〜10重量部
と、活性物質の徐放性を調整するための改質剤1〜90
重量部とを含む混合物及び該混合物によって保持される
活性物質を含む生分解性徐放性製剤とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性徐放性製
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、様々な分野で活性物質の徐放化が
注目されている。例えば、室内の空気に清涼感を持たせ
るための芳香剤や、害虫防除手段として性フェロモンを
用いた交信攪乱剤や殺虫剤と組み合わせた誘殺剤などが
ある。
【0003】これらは長期間の効果の持続が必要であ
り、優れた徐放化の技術が要求される。さらに、最近で
は生分解性であることが望まれている。例えば、交信攪
乱剤や誘殺剤など農業分野で用いられるものは、使用後
回収されることは殆どない。畑などの圃場に放置されて
いるのが現状である。大量に散布したこれらの薬剤を、
使用後に回収することは多くの人手を要し、実質的には
不可能だからである。また、室内で使用される芳香剤な
どはゴミとして処分されるが、プラスチック廃棄物は焼
却熱が大きく焼却炉を傷めることから埋め立てられるケ
ースも多い。このようなことから、土中に埋蔵された際
に微生物により分解され、土壌に残留することがない生
分解タイプの徐放性製剤が望まれている。
【0004】一方、近年、生分解性を有する各種材料が
提案され、一部のものが実用化されている。これらの材
料を構成する素材から見ると幾つかに分類され、例えば
セルロース系のもの、澱粉添加系のもの、脂肪族ポリエ
ステル系のもの、ポリビニルアルコール系のものなどが
例示される。これらは、用途や価格などそれぞれの特徴
に応じ利用が図られているが、活性物質の徐放に関して
は脂肪族ポリエステル系のものが好適に用いられる。
【0005】例えば、使用後圃場に放置されることの多
い農業分野では、特開平6−116103号公報に生分
解性脂肪族ポリエステルと活性物質とからなる害生物防
徐材が記載されている。また、本出願人は既に、生分解
性を有する徐放性フェロモン製剤として、3−ヒドロキ
シ酪酸を主成分とする重合体を放出制御層として用いた
徐放性フェロモン製剤を開発した(特開平5−1631
10号公報)。
【0006】このように生分解性を有する徐放性製剤は
脂肪族ポリエステル系のものが好適に用いられるが、脂
肪族ポリエステルはその構造中にあるエステル結合が静
電気的結合により分子鎖同士を強固に結びつけ合ってい
るため、活性物質はポリマーセグメントの間隙を拡散す
ることが難しくなり、結果的に脂肪族ポリエステルに対
する活性物質の透過は小さいものとなっている。このた
め、活性物質の蒸散量を多くするためには放出表面積を
大きくしなければならなかったり、一定濃度を確保する
ために多数の徐放性製剤を設置しなければならないなど
の問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、放出表面積を大きくしたり多数のものを使用す
ることなく、使用中は活性物質を長期間にわたり安定し
て、かつ任意の放出量で徐放することができ、使用後は
土中に埋蔵しても微生物により分解され土壌に残留しな
い分解性徐放性製剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、活性物質
の透過性が小さい脂肪族ポリエステル99〜10重量部
に、内蔵する活性物質の徐放性を調整するための改質剤
を1〜90重量部混合することにより、活性物質を容易
に放出制御でき、上記問題点をことごとく解決できるこ
とを見出し本発明を完成した。すなわち、上記目的を達
成するため、請求項1の発明は、生分解性徐放性製剤で
あって、脂肪族ポリエステル99〜10重量部と、活性
物質の徐放性を調整するための改質剤1〜90重量部と
を含む混合物及び該混合物によって保持される活性物質
を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にかかる徐放性製剤の活性
物質を保持する混合物(以下この混合物を特に保持用混
合物という)としては、脂肪族ポリエステル99〜10
重量部と、保持する活性物質の徐放性を調整するための
改質剤1〜90重量部(他に成分がないときは、これら
重量部を重量%と置き換えることができる)を含む混合
物を用いる。改質剤が、脂肪族ポリエステル99〜10
重量部に対して1重量部未満では改質剤の添加効果が発
揮されないし、脂肪族ポリエステルが、改質剤1〜90
重量部に対して10重量部未満では生分解の効果が期待
できなくなる。これら保持用混合物の組成としては改質
剤濃度が5〜60重量%の範囲であることがより望まし
い。
【0010】上記脂肪族ポリエステルは、生分解性を有
するものであれば良く、特に限定されるものではない
が、具体的にはマロン酸、琥珀酸、無水琥珀酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、無水アジピン酸、セバシン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、ドデカン二酸、リンゴ酸、酒石酸、
クエン酸等で例示される炭素数20までの多価カルボン
酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デ
カンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン等で例示される炭素数20
までの多価アルコール体との縮重合物、乳酸の環状二量
体であるラクチド等の環状エステルの開環重合物、乳酸
やヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸のようなヒドロキ
シ酸の縮重合物を例示することができる。これら脂肪族
ポリエステルは一種のみを用いても良いが、これらの二
種以上の混合物として用いても良い。
【0011】活性物質の徐放性を調整するための改質剤
としては、活性物質に対する40℃での平衡膨潤率を2
重量%以上有するものであればどのようなものでも用い
ることができる。ここで平衡膨潤率とは、 で表される40℃での平衡膨潤率である。
【0012】このような改質剤としては、セルロース、
キチン、キトサン、プルラン、ポリアミノ酸などの天然
高分子及びそれらの誘導体あるいはポリビニルアルコー
ルや、ポリエチレングルコール、ポリウレタン、ポリア
ミド、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ポリスチレンなどの合成高分子及びそれらの誘導体
等が挙げられるが、脂肪族ポリエステルとの混和性及び
活性物質の徐放性改質効果の点で、ポリ−ε−カプロラ
クトン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリメタクリル酸エステル、セルローストリア
セテートやセルロースアセテートブチレートなどのセル
ロース誘導体、またはこれらの混合物が望ましい。ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体については酢酸ビニ
ル含有率4〜90%のものが好適に用いられる。
【0013】本発明で用いられる活性物質は、誘引活性
や忌避活性、芳香活性等の生理的活性を有するものや殺
虫活性などの農薬活性を有する全ての物質を特に限定す
ることなく用いることができる。
【0014】具体的には、例えば誘引活性を有するもの
としてZ−7−ドデセニルアセテート、Z−8−ドデセ
ニルアセテート、Z−9−ドデセニルアセテート、E,
Z−7,9−ドデカジエニルアセテート、Z,Z−7,
9−ドデカジエニルアセテート、E,E−8,10−ド
デカジエノール、E−4−トリデセニルアセテート、Z
−9−テトラデセニルアセテート、Z−9−テトラデセ
ナール、Z−11−テトラデセニルアセテート、Z−1
1−テトラデセナール、Z−9−ヘキサデセナール、Z
−11−ヘキサデセナール、Z,E−9,11−テトラ
デカジエニルアセテート、Z,E−9,12−テトラデ
カジエニルアセテート、Z−11−ヘキサデセニルアセ
テート、Z,Z−7,11−ヘキサデカジエニルアセテ
ート、Z,E−7,11−ヘキサデカジエニルアセテー
ト、E,E,Z−4,6,10−ヘキサデカトリエニル
アセテート、E,E−10,12−ヘキサデカジエナー
ル、Z,Z−3,13−オクタデカジエニルアセテー
ト、E,Z−3,13−オクタデカジエニルアセテー
ト、Z−7,8−エポキシ−2−メチル−オクタデセ
ン、Z−13−イコセン−10−オン、E,E,Z−1
0,12,14−ヘキサデカトリエニルアセテート、
E,E,Z−10,12,14−ヘキサデカトリエナー
ル、Z−10−テトラデセニルアセテート、E,Z−
4,10−テトラデカジエニルアセテート、14−メチ
ル−1−オクタデセン、(R,Z)−5−(1−オクテ
ニル)オキサシクロペンタン−2−オン、(R,Z)−
5−(1−デセニル)オキサシクロペンタン−2−オン
等を例示することができる。これらはフェロモンとして
知られているもので、炭素原子数10〜20の不飽和脂
肪族の炭化水素、アセテート、アルデヒド、アルコー
ル、ケトン又はエポキシ化合物からなるものであり、こ
れらの1種又は2種以上の混和物を好適に用いることが
できる。
【0015】また、忌避活性を有するものとしてはトリ
エチレングルコールモノヘキシルエーテル、N,Nジエ
チル−m−トリアミド等が例示される。さらに、芳香活
性のあるものとしてはゲラニオールやリモネン、ベンジ
ルアルコール等、炭素原子数6〜20の炭化水素のエス
テル、エーテル、アルデヒド、アルコール化合物等を例
示することができる。さらに、農薬活性を有するものと
してサリチオンやダイアジオン、クロルピリホスなどの
殺虫剤やチオファネートメチルやキャプタン等の殺菌剤
などを例示することができる。
【0016】活性物質を保持するための形態は、どのよ
うなものでも良く、特に限定されるものではない。すな
わち、保持用混合物によって活性物質を保持する形態に
は種々のものを含む。具体的には、活性物質の表面を保
持用混合物で被覆したマイクロカプセルや、保持用混合
物に活性物質を練り込みあるいは保持用混合物と活性物
質との均一溶液とした後、溶媒を除去するなどして保持
用混合物中に活性物質を分散させ、これらのものを球
状、板状、フィルム状、棒状、パイプ状、糸状、テープ
状、チップ状などの任意の形に加工したものを例示する
ことができる。さらに、これら加工成型品表面に活性物
質の放出を制御するためのバリヤー層を被覆したもの
や、施用性を向上させるための粘着剤などでコーティン
グしたものを例示することができる。また、毛細管状に
加工した保持用混合物に活性物質を充填し、両端をヒー
トシールし、活性物質を封入したものや、さらに中央で
切断し片端を開口部とした保持用混合物の成形体等を例
示することができる。
【0017】しかしながら、長期間にわたる均一放出性
を確保するためには、保持用混合物からなる容器に活性
物質を液相として封入したものであることがより望まし
い。このような形態のものとしては、チューブ状、ボト
ル状、又は袋状からなる容器が好適に用いられる。
【0018】このような容器に液相として保持された活
性物質は、製剤を構成する放出制御層を透過し放出され
る。放出制御層とは、保持用混合物を容器状に形成し、
これに活性物質を封入した場合には、この容器の壁その
ものである。ここで、安定した放出制御を行うために
は、容器状とした場合、その放出制御層の厚みは少なく
とも0.02mm以上のものであることが望ましい。
0.02mm未満の厚みではピンホールを生じたり、フ
ェロモン等の活性物質の過剰放出を引き起こしたりする
ため好ましくない。放出制御層の厚みは0.02mm以
上であれば特に問題はないが、より好ましくは0.05
mm〜5mmの範囲である。5mmを越えるとフェロモ
ンの放出が少なくなり過ぎる傾向がある。
【0019】さらに、このような容器からなる徐放性製
剤の放出表面積は1cm2 以上であることが望ましく、
1cm2 未満では充分な放出量を確保することが難しく
なり不適である。放出表面積は1cm2 以上であれば特
に問題はないが、より好ましくは2cm2 〜2m2 であ
る。2m2 を越えると設置が大変になるため実用的でな
い。
【0020】また、徐放性製剤の保持用混合物から成る
容器に活性物質を内蔵して保持する場合、分割して封入
しても良いが、少なくとも1mg以上の量で封入するこ
とが望ましく、より好ましくは5mg以上である。1m
g未満の封入量では充填することが困難である。
【0021】保持用混合物から成る容器の形態としては
チューブ状、ボトル状、袋状からなるものが好適である
が、チューブ状の場合は、内径0.4mm〜10mmの
ものが好適である。0.4mmより小さいと活性物質を
充填することが困難であり、10mmより大きいもので
は封止することが困難である。ボトル状のものはブロー
成形や射出成形により製造されるが、内容積0.1〜2
00mlのものが望ましく0.1ml未満のものは成形
が難しい。また200mlより大きいものは充填された
活性物質の量と内容積のずれが大きく経済的に無駄であ
る。袋状のものは充填された活性物質の量を1mg〜1
00gとすることが望ましく、1mg未満あるいは20
0gを越えると充填することが困難であり製造上好まし
くない。
【0022】また、本発明の生分解性徐放性製剤は、使
用期間中は本来の性能を保持することが必要であり、耐
候性を向上させるための顔料や染料、紫外線吸収剤や酸
化防止剤などの各種安定剤を保持用混合物に添加しても
良く、保持用混合物の容器内に内蔵される活性物質にこ
のような添加剤を加えることもできる。以下、本発明を
実施例により説明するが、これに限定されるものではな
い。
【0023】
【実施例】
実施例1 2本ロールを用い100℃で、1,4−ブタンジオール
と、琥珀酸とアジピン酸の4:1の混合物からなる重縮
合物(昭和高分子製)にポリ−ε−カプロラクトン(ユ
ニオンカーバイド製)を60重量%混合した。得られた
サンプルを130℃で5分間ヒートプレスすることによ
り厚さ0.2mmのシートを作製した。このシートを幅
20mm、長さ25mmの袋状とし、この中にコナガの
性フェロモンであるZ−11−ヘキサデセナールを10
0mg充填した。得られた徐放性製剤からのZ−11−
ヘキサデセナールの放出速度を30℃、1m/sの条件
下で測定したところ、2.1mg/日で約40日間均一
な放出をし、長期間の安定放出性に優れるものであっ
た。さらに、この徐放性製剤を4月〜10月までの間、
土中に埋蔵したところ、かなりボロボロとなっており、
一部消失するまで分解が進んでいた。また、改質剤とし
て用いたポリ−ε−カプロラクトン(ユニオンカーバイ
ト製)の、Z−11−ヘキサデセナールに対する40℃
での平衡膨潤率は8.3重量%であった。
【0024】比較例1 1,4−ブタンジオールと、琥珀酸とアジピン酸の4:
1の混合物からなる重縮合物(昭和高分子製)を用いた
他は、実施例1と同様にして徐放性製剤を作製し放出速
度を評価したところ、0.9mg/日で約100日間均
一な放出をしたが、実施例1と同程度の放出速度を確保
するためには2倍以上の徐放性製剤が必要であり、また
放出速度が小さいために必要期間を過ぎても残存してし
まう活性物質の量が多く実用的ではなかった。
【0025】実施例2 2本ロールを用い120℃で、1,4−ブタンジオール
と琥珀酸からなる重縮合物(昭和高分子製)にポリ−ε
−カプロラクトン(ユニオンカーバイド製)を30重量
%混合した。得られたサンプルを150℃で5分間ヒー
トプレスすることにより厚さ0.2mmのシートを作製
した。このシートを幅25mm、長さ30mmの袋状と
し、この中にコドリンガの性フェロモンであるE,E−
8,10−ドデカジエノールを100mg充填した。得
られた徐放性製剤からのE,E−8,10−ドデカジエ
ノールの放出速度を30℃、1m/sの条件下で測定し
たところ、1.7mg/日で約50日間均一な放出を
し、長期間の安定放出性に優れるものであった。さら
に、この徐放性製剤を4月〜10月までの間、土中に埋
蔵したところ、部分的に消失し、殆ど原形を留めないほ
ど分解が進んでいた。また、改質剤として用いたポリ−
ε−カプロラクトン(ユニオンカーバイド製)の、E,
E−8,10−ドデカジエノールに対する40℃での平
衡膨潤率は8.9重量%であった。
【0026】比較例2 1,4−ブタンジオールと琥珀酸からなる重縮合物(昭
和高分子製)を用いた以外は実施例2と同様にして徐放
性製剤を作製し放出速度を評価したところ、0.6mg
/日で約150日間均一な放出をしたが、実施例2と同
程度の放出速度を確保するためには約3倍の徐放性製剤
が必要であり、また放出速度が小さいために必要期間を
過ぎても残存してしまう活性物質の量が多く実用的では
なかった。
【0027】実施例3 2本ロールを用いて150℃で、ポリ乳酸(カーギル
製)にポリ−ε−カプロラクトン(ユニオンカーバイド
製)を40重量%混合した。得られたサンプルを160
℃で5分間ヒートプレスすることにより厚さ0.3mm
のシートを作製した。このシートを幅20mm、長さ2
5mmの袋状とし、この中にハマキムシ類の性フェロモ
ンであるZ−11−テトラデセニルアセテートを90m
g充填した。得られた徐放性製剤からのZ−11−テト
ラデセニルアセテートの放出速度を30℃、1m/sの
条件下で測定したところ、1.9mg/日で約40日間
均一な放出をし、長期間の安定放出性に優れるものであ
った。さらに、この徐放性製剤を4月〜10月までの
間、土中に埋蔵したところ、端部などが消失し、徐放性
製剤そのものもかなり脆く容易に砕ける程度に分解して
いた。また、改質剤として用いたポリ−ε−カプロラク
トン(ユニオンカーバイド製)の、Z−11−テトラデ
セニルアセテートに対する40℃での平衡膨潤率は7.
1重量%であった。
【0028】比較例3 ポリ乳酸(カーギル製)を用いた以外は実施例3と同様
にして徐放性製剤を作製し放出速度を評価したところ、
0.01mg/日の放出速度しか示さず実用性のないも
のであった。
【0029】比較例4 ポリ−ε−カプロラクトン(ユニオンカーバイド製)を
0.5重量%混合した以外は、実施例3と同様にして徐
放性製剤を作製し放出速度を評価したところ、0.01
mg/日の放出速度しか示さず改質効果は見られなかっ
た。
【0030】比較例5 ポリ乳酸(カーギル製)に、1,4−ブタンジオール
と、琥珀酸とアジピン酸の4:1の混合物からなる重縮
合物(昭和高分子製)30重量%を添加し、2本ロール
を用い150℃で混合することによりサンプルを調整し
た。得られたサンプルを用い、実施例3と同様にして徐
放性製剤を作製し放出速度を評価したところ、0.04
mg/日の放出速度しか示さず改質効果は見られなかっ
た。なお、1,4−ブタンジオールと、琥珀酸とアジピ
ン酸の4:1の混合物からなる重縮合(昭和高分子製)
の、Z−11−テトラデセニルアセテートに対する40
℃での平衡膨潤率は0.8重量%であった。
【0031】実施例4 実施例1で用いた1,4−ブタンジオールと、琥珀酸と
アジピン酸の4:1の混合物からなる重縮合物(昭和高
分子製)にエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含有量15wt%:三菱化学製)を40重量%添加し、
2本ロールを用い100℃で混合した。得られたサンプ
ルを130℃でヒートプレスし、厚さ0.2mmのシー
トを作製した。このシートを幅20mm、長さ20mm
の袋状とし、実施例3と同様にZ−11−テトラデセニ
ルアセテートを90mg充填した。得られた徐放性製剤
からのZ−11−テトラデセニルアセテートの放出速度
を30℃、1m/sの条件下で測定したところ、2.0
mg/日で約40日間均一な放出をし、長期間の安定放
出性に優れるものであった。さらに、この徐放性製剤を
4月〜10月までの間、土中に埋蔵したところ、部分的
に消失し、かなりボロボロになっていた。また、改質剤
として用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニ
ル含有量15wt%:三菱油化製)の、Z−11−テト
ラデセニルアセテートに対する40℃での平衡膨潤率は
29.1重量%であった。
【0032】比較例6 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15
wt%:三菱化学製)を91重量%添加した他は実施例
4と同様にして徐放性製剤を作製し、放出速度を評価し
たところ、3.1mg/日で約20日間均一な放出を示
したが、徐放性製剤表面にフェロモンが滲み出しベタベ
タするなど不都合が見られた。また、この徐放性製剤を
4月〜10月までの間、土中に埋蔵したところ、外見上
も全く変化が見られず、生分解はなされていなかった。
【0033】比較例7 ハマキムシ類の交信攪乱剤であるハマキコン(商品名:
信越化学工業製)を実施例4と同様にして放出速度を評
価したところ、1.9mg/日で約35日間均一放出を
した後放出速度が漸減した。さらに、この製剤を4月〜
10月までの間、土中に埋蔵したが、全く変化は見られ
なかった。
【0034】実施例5 実施例1で用いた1,4−ブタンジオールと、琥珀酸と
アジピン酸の4:1の混合物からなる重縮合物(昭和高
分子製)にエチレン−エチレンアクリレート共重合体
(エチルアクリレート含有量10%:日本ユニカー製)
を30重量%添加し、2本ロールを用い100℃で混合
した。得られたサンプルをシートペレタイザーでペレッ
ト化した後、押し出し機で内径0.8mm、肉厚0.5
mmの細管を作製し、この中にワタアカミムシの性フェ
ロモンであるZ,Z/E−7,11−ヘキサデカジエニ
ルアセテートを充填し、さらに20cm毎にヒートシー
ルをすることにより徐放性製剤を作製した。得られた徐
放性製剤の放出速度を30℃、1m/sの条件下で測定
したところ、0.8mg/日で約70日間放出し、長期
間の安定放出に優れるものであった。得られた徐放性製
剤を4月〜10月までの間、土中に埋蔵したところ、形
状は保持しているものの表面にはカビが生え、容易にち
ぎれるなど生分解が進んでいた。また、改質剤として用
いたエチレン−エチルアクリレート共重合体(エチルア
クリレート含有量10%:日本ユニカー製)の、Z,Z
/E−7,11−ヘキサデカジエニルアセテートに対す
る40℃での平衡膨潤率は18.4重量%であった。
【0035】比較例8 ワタアカミムシ用の交信攪乱剤であるPB−Rope
(商品名:信越化学工業製)を実施例5と同様にして評
価したところ、放出速度は0.8mg/日で約70日間
均一放出し実施例5と同等であった。さらに、この徐放
性製剤を4月〜10月までの間、土中に埋蔵したとこ
ろ、外見にも全く変化は見られず、また、手で引っ張っ
てもちぎれることはなく生分解はなされていなかった。
【0036】実施例6 3−ヒドロキシ酢酸とヒドロキシ吉草酸の重縮合物(ゼ
ネカ製)にポリ−ε−カプロラクトン(ユニオンカーバ
イド製)を30重量%添加し、2本ロールを用い140
℃で混合した。得られたサンプルをシートペレタイザー
でペレット化した後、押し出し機で内径0.8mm、肉
厚0.5mmの細管を作製し、この中にナシヒメシンク
イの性フェロモンであるZ−8−ドデセニルアセテート
を充填し、20cm毎にヒートシール及び切断すること
により徐放性製剤を作製した。得られた徐放性製剤の放
出速度を30℃、1m/s条件下で測定したところ、
1.6mg/日で約40日間均一放出し長期間の安定放
出に優れるものであった。さらに、この徐放性製剤を4
月〜10月までの間、土中に埋蔵したところ、かろうじ
て形状を保持している程度で、かなり脆く手で容易に細
かくすることができる程に分解していた。また、改質剤
として用いたポリ−ε−カプロラクトン(ユニオンカー
バイド製)の、Z−8−ドデセニルアセテートに対する
40℃での平衡膨潤率は9.9重量%であった。
【0037】実施例7 ポリ−ε−カプロラクトン(ユニオンカーバイド製)に
ポリ酢酸ビニル(Aldrich 製)を10重量%添加し、2
本ロールを用い90℃で混合した。得られたサンプルを
シートペレタイザーでペレット化した後、ブロー成形機
で厚み2mm、内容積5ml、外表面積約25cm2 の
ボトルを作製した。このボトルに薔薇臭のゲラニオール
1gを充填した後注入口を溶封し、徐放性製剤を作製し
た。この徐放性製剤を室内に置いたところ、約2ヵ月間
にわたり薔薇の芳香を漂わせ満足できるものであった。
さらに、この徐放性製剤を4月〜10月までの間土中に
埋蔵したところ、形状は保持しているものの、表面には
カビが生え、重量も9%減少し、微生物による生分解が
進んでいた。また、改質剤として用いたポリ酢酸ビニル
(Aldrich 製)の、ゲラニオールに対する40℃での平
衡膨潤率は12.9重量%であった。
【0038】
【発明の効果】上記したところから明かなように、本発
明の徐放性製剤を用いることにより、活性物質を長期間
にわたり安定放出できることから長期間の効果持続が可
能である。また、活性物質の大きな放出速度を確保する
ことができるので、製剤の小型化や設置数の削減が可能
となりコスト低減できる。また生分解が可能であること
から、農業用途に用いても使用後回収する必要が無く省
力的である。さらに、微生物により分解されてしまうた
め土壌に製品がそのまま残留することもなく環状保護の
点でも有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 1/00 LAP C08L 1/00 LAP 23/08 LCT 23/08 LCT 27/06 LFK 27/06 LFK 31/04 LHJ 31/04 LHJ 33/08 LJE 33/08 LJE 67/00 LNZ 67/00 LNZ 67/04 ZAB 67/04 ZAB

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリエステル99〜10重量部
    と、活性物質の徐放性を調整するための改質剤1〜90
    重量部とを含む混合物及び該混合物によって保持される
    活性物質を含む生分解性徐放性製剤。
  2. 【請求項2】 活性物質の徐放性を調整するための改質
    剤の、活性物質に対する40℃での平衡膨潤率が2重量
    %以上であることを特徴とする請求項1の生分解性徐放
    性製剤。
  3. 【請求項3】 活性物質がフェロモンであることを特徴
    とする請求項1又は2の生分解性徐放性製剤。
  4. 【請求項4】 改質剤が、ポリ−ε−カプロラクトン、
    ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
    レン−エチルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、
    ポリメタクリル酸エステル及びセルロース誘導体から成
    る群から選ばれた少なくとも一種又はこれらうちの二種
    以上の混合物であることを特徴とする請求項1から3の
    いずれか一の生分解性徐放性製剤。
  5. 【請求項5】 活性物質を請求項1の混合物からなる容
    器に封入したもので、その混合物が活性物質の放出を制
    御するものであることを特徴とする生分解性徐放性製
    剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000198702A (ja) * 1999-01-07 2000-07-18 Fumakilla Ltd 通気性容器収納型殺虫剤
JP2002517380A (ja) * 1998-04-30 2002-06-18 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 作物保護に使用するための活性物質の遅延性調製物
JP2006316172A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Toyota Motor Corp 樹脂組成物
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JP2019019071A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 信越化学工業株式会社 徐放性フェロモン製剤及びこれを用いた害虫の防除方法

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