JPH1097910A - 微結晶析出型の磁性薄膜、それを利用した磁気ヘッドおよび磁気記録装置 - Google Patents
微結晶析出型の磁性薄膜、それを利用した磁気ヘッドおよび磁気記録装置Info
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- JPH1097910A JPH1097910A JP8249592A JP24959296A JPH1097910A JP H1097910 A JPH1097910 A JP H1097910A JP 8249592 A JP8249592 A JP 8249592A JP 24959296 A JP24959296 A JP 24959296A JP H1097910 A JPH1097910 A JP H1097910A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軟磁気特性、熱安定性、および、耐食性の向
上を同時に行う。 【解決手段】 少なくともHfとNを含み残部がFeから構
成される磁性薄膜が少なくともFeの結晶粒子を有し、そ
の他に、HfとNの化合物粒子のみ、或いは、それに加え
てHf金属を含む多結晶構造であり、しかも、そのHfとN
の化合物粒子の組成比が、1.2以上1.7以下であり、か
つ、軟磁気特性を有する微結晶析出型の磁性薄膜。 【効果】 Bs≧1.5T以上の高飽和磁束密度を有し、且
つ、良好な軟磁気特性を示し、しかも、高熱安定性及び
高耐食性を有する軟磁性膜を得ることができる。これに
より、高性能でしかも高信頼性を有する磁気ヘッド及び
それを用いた磁気記録装置が得られる。
上を同時に行う。 【解決手段】 少なくともHfとNを含み残部がFeから構
成される磁性薄膜が少なくともFeの結晶粒子を有し、そ
の他に、HfとNの化合物粒子のみ、或いは、それに加え
てHf金属を含む多結晶構造であり、しかも、そのHfとN
の化合物粒子の組成比が、1.2以上1.7以下であり、か
つ、軟磁気特性を有する微結晶析出型の磁性薄膜。 【効果】 Bs≧1.5T以上の高飽和磁束密度を有し、且
つ、良好な軟磁気特性を示し、しかも、高熱安定性及び
高耐食性を有する軟磁性膜を得ることができる。これに
より、高性能でしかも高信頼性を有する磁気ヘッド及び
それを用いた磁気記録装置が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高飽和磁束密度を
有する微結晶析出型のFe系の軟磁性薄膜に係り、特に、
高性能でしかも高信頼性を有する軟磁性薄膜、及び、そ
の磁性膜を用いて作製した磁気ヘッド、磁気記録装置に
関する。
有する微結晶析出型のFe系の軟磁性薄膜に係り、特に、
高性能でしかも高信頼性を有する軟磁性薄膜、及び、そ
の磁性膜を用いて作製した磁気ヘッド、磁気記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にともな
い、小型でしかも高密度な情報記憶装置へのニーズが高
まっている。この中で、磁気記録装置は、高密度記録、
ダウンサイジングへの研究が急速に進められている。高
密度記録を実現するために、記録した微小磁区が安定に
存在するように高保磁力を有する媒体と、この媒体に記
録できる高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒
体を十分に磁化して信号を記録するためには、強い磁界
が発生できる高飽和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が
必要となる。現在、提案されている高飽和磁束密度を有
する材料は、Fe-C系やFe-N系 等が知られている。これ
らの材料は、軟磁気特性を発現させるために、一定の温
度で熱処理を行っている。この熱処理温度は、軟磁気特
性を発現させるために必要な温度(結晶化温度)により決
定される。この温度は、用いる材料系及びその組成に依
存している。この他に、この材料を用いた磁気ヘッドを
作製する場合、特に、そのヘッドがメタル・イン・ギャ
ップ(MIG)型ヘッドでは、ヘッド製造工程にガラスボン
ディング工程を含むために、一定温度以上でのアニール
が必要である。その場合のボンディング温度は、用いる
溶着ガラスの材質により決定される。この温度は溶着ガ
ラスの融解温度で決定され、一般に、ボンディング温度
は結晶化温度より高くするのが普通である。それは、ボ
ンディング温度が高いとガラスの強度は優れ、逆に低い
温度ではガラスは十分な強度を有していないからであ
る。そのために、通常用いられているガラスでは、軟磁
気特性が発現する温度より高い場合が多い。その結果、
少なくともガラスの融解温度で耐えるだけの熱安定性を
磁性膜は有していなければならない。特に、軟磁気特性
は析出してくる微結晶粒子サイズに依存していることか
ら、良好な軟磁気特性を有する磁性膜を得るためには、
この結晶粒子サイズを制御しなければならない。
い、小型でしかも高密度な情報記憶装置へのニーズが高
まっている。この中で、磁気記録装置は、高密度記録、
ダウンサイジングへの研究が急速に進められている。高
密度記録を実現するために、記録した微小磁区が安定に
存在するように高保磁力を有する媒体と、この媒体に記
録できる高性能な磁気ヘッドが必要となる。高保磁力媒
体を十分に磁化して信号を記録するためには、強い磁界
が発生できる高飽和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が
必要となる。現在、提案されている高飽和磁束密度を有
する材料は、Fe-C系やFe-N系 等が知られている。これ
らの材料は、軟磁気特性を発現させるために、一定の温
度で熱処理を行っている。この熱処理温度は、軟磁気特
性を発現させるために必要な温度(結晶化温度)により決
定される。この温度は、用いる材料系及びその組成に依
存している。この他に、この材料を用いた磁気ヘッドを
作製する場合、特に、そのヘッドがメタル・イン・ギャ
ップ(MIG)型ヘッドでは、ヘッド製造工程にガラスボン
ディング工程を含むために、一定温度以上でのアニール
が必要である。その場合のボンディング温度は、用いる
溶着ガラスの材質により決定される。この温度は溶着ガ
ラスの融解温度で決定され、一般に、ボンディング温度
は結晶化温度より高くするのが普通である。それは、ボ
ンディング温度が高いとガラスの強度は優れ、逆に低い
温度ではガラスは十分な強度を有していないからであ
る。そのために、通常用いられているガラスでは、軟磁
気特性が発現する温度より高い場合が多い。その結果、
少なくともガラスの融解温度で耐えるだけの熱安定性を
磁性膜は有していなければならない。特に、軟磁気特性
は析出してくる微結晶粒子サイズに依存していることか
ら、良好な軟磁気特性を有する磁性膜を得るためには、
この結晶粒子サイズを制御しなければならない。
【0003】さらに、これらの材料は、Feを主体として
いるために、大気中の酸素や水と反応して水酸化物や酸
化物を生成し、磁気特性、特に、保磁力や飽和磁束密度
の変動を生じるために、磁気ヘッドの性能が低下する場
合があった。そこで、この材料を用いた磁気ヘッドを実
用化するのに当り、磁性膜を使用環境中へ放置したとき
の腐食による磁気特性の変動を抑制するとともに、ガラ
スボンディング工程を経ても磁気特性の変動をなくする
ことが課題であった。
いるために、大気中の酸素や水と反応して水酸化物や酸
化物を生成し、磁気特性、特に、保磁力や飽和磁束密度
の変動を生じるために、磁気ヘッドの性能が低下する場
合があった。そこで、この材料を用いた磁気ヘッドを実
用化するのに当り、磁性膜を使用環境中へ放置したとき
の腐食による磁気特性の変動を抑制するとともに、ガラ
スボンディング工程を経ても磁気特性の変動をなくする
ことが課題であった。
【0004】これらの課題を解決するために、磁性元素
以外に、耐食性を向上させるための元素を添加すること
が提案されている。その場合、軟磁気特性と耐食性を両
立させることは困難であった。これらの点について検討
した公知例として、特開平03-20444号公報をあげること
ができる。
以外に、耐食性を向上させるための元素を添加すること
が提案されている。その場合、軟磁気特性と耐食性を両
立させることは困難であった。これらの点について検討
した公知例として、特開平03-20444号公報をあげること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公知例では、軟磁
気特性の向上、熱安定性の向上、或いは、耐食性の向上
のいずれか1つの特性を向上させるには有効な方法が開
示されていた。しかしながら、これらの特性を同時に向
上させる方法については、十分な開示はなされていなか
った。特に、飽和磁束密度が1.5 T 以上の軟磁性膜につ
いては、皆無と言っても良い。
気特性の向上、熱安定性の向上、或いは、耐食性の向上
のいずれか1つの特性を向上させるには有効な方法が開
示されていた。しかしながら、これらの特性を同時に向
上させる方法については、十分な開示はなされていなか
った。特に、飽和磁束密度が1.5 T 以上の軟磁性膜につ
いては、皆無と言っても良い。
【0006】そこで本発明の目的とする点は、高周波領
域で良好な軟磁気特性を有すると同時に、高熱安定性を
有し、かつ、さらに高信頼性を有する磁性薄膜を提供す
ることにある。
域で良好な軟磁気特性を有すると同時に、高熱安定性を
有し、かつ、さらに高信頼性を有する磁性薄膜を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、微結晶析出
型Fe系磁性薄膜において、少なくともHfとNを含み残部
がFeから構成され、さらに詳しくは、その磁性薄膜が少
なくともFeの結晶粒子を有し、その他に、HfとNの化合
物粒子のみ、或いは、それに加えてHf金属を含む多結晶
構造であり、しかも、そのHfとNの化合物粒子の組成比
が、1.2以上1.7以下であることにより実現できる。さら
に、その磁性薄膜が軟磁気特性を有することが好まし
い。より具体的には、HfとNの化合物粒子が、Hf4N3, Hf
3N2の内より選ばれる少なくとも1種類の化合物であるこ
とが良い。2種類の混合物や不定非化合物であっても良
いことは言うまでもない。先の量論化合物では、HfとN
の化合物粒子であるHf4N3或いは Hf3N2が、生成におい
て化学量論組成からずれるのが普通であり、そのずれが
±10 % であることことが好ましい。その結果、得られ
た少なくともHfとNを含み残部がFeから構成される微結
晶析出型Fe系磁性薄膜において、該Feの結晶粒子のサイ
ズが15 nm 以下であり、該HfとNの化合物粒子のサイズ
が3 nm 以下であることが磁気特性及び耐食性の観点か
ら好ましい。また、先の微結晶析出型Fe系磁性薄膜にお
ける、Hf成分のうちで金属Hfは、結晶相として析出して
いるか、或いは、Feの結晶粒界に析出しているか、その
両方が同時に存在しているかのいずれかである。また、
窒素分の1部分は、Nの1部分がFe中に固溶しており、さ
らに優位には、Fe中に固溶したNの1部分がFeとの間で化
合物を形成していることが、磁気特性及び耐食性の観点
から好ましい。このようにして作製した軟磁性膜の磁気
特性は、飽和磁束密度が1.5 T 以上であり、保磁力が1
Oe 以下であり、しかも50 MHzにおける透磁率が1000以
上である。
型Fe系磁性薄膜において、少なくともHfとNを含み残部
がFeから構成され、さらに詳しくは、その磁性薄膜が少
なくともFeの結晶粒子を有し、その他に、HfとNの化合
物粒子のみ、或いは、それに加えてHf金属を含む多結晶
構造であり、しかも、そのHfとNの化合物粒子の組成比
が、1.2以上1.7以下であることにより実現できる。さら
に、その磁性薄膜が軟磁気特性を有することが好まし
い。より具体的には、HfとNの化合物粒子が、Hf4N3, Hf
3N2の内より選ばれる少なくとも1種類の化合物であるこ
とが良い。2種類の混合物や不定非化合物であっても良
いことは言うまでもない。先の量論化合物では、HfとN
の化合物粒子であるHf4N3或いは Hf3N2が、生成におい
て化学量論組成からずれるのが普通であり、そのずれが
±10 % であることことが好ましい。その結果、得られ
た少なくともHfとNを含み残部がFeから構成される微結
晶析出型Fe系磁性薄膜において、該Feの結晶粒子のサイ
ズが15 nm 以下であり、該HfとNの化合物粒子のサイズ
が3 nm 以下であることが磁気特性及び耐食性の観点か
ら好ましい。また、先の微結晶析出型Fe系磁性薄膜にお
ける、Hf成分のうちで金属Hfは、結晶相として析出して
いるか、或いは、Feの結晶粒界に析出しているか、その
両方が同時に存在しているかのいずれかである。また、
窒素分の1部分は、Nの1部分がFe中に固溶しており、さ
らに優位には、Fe中に固溶したNの1部分がFeとの間で化
合物を形成していることが、磁気特性及び耐食性の観点
から好ましい。このようにして作製した軟磁性膜の磁気
特性は、飽和磁束密度が1.5 T 以上であり、保磁力が1
Oe 以下であり、しかも50 MHzにおける透磁率が1000以
上である。
【0008】磁性膜の組成は、少なくともHfとNを含み
残部がFeから構成される微結晶析出型Fe系磁性薄膜にお
いて、該磁性薄膜の組成が、HfとNの合計が15 at% から
25at% の範囲であり、HfとNの比:〔Hf〕/〔N〕が0.5か
ら1.5の範囲にあることが、磁気特性的にも耐食性的に
も好ましい。
残部がFeから構成される微結晶析出型Fe系磁性薄膜にお
いて、該磁性薄膜の組成が、HfとNの合計が15 at% から
25at% の範囲であり、HfとNの比:〔Hf〕/〔N〕が0.5か
ら1.5の範囲にあることが、磁気特性的にも耐食性的に
も好ましい。
【0009】ところで、上述の磁性膜を磁気ヘッド用の
軟磁性膜として用いることが最も好ましい。特に、先の
軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッドとしては、メタル・イン・
ギャップ型の磁気ヘッドが最も好適である。さらに、こ
の磁気ヘッドを用いて、移動する情報記録媒体に磁気的
性質を用いて情報を記録するのに最も適している。そし
て、記録する情報が画像情報或いは/及び音声情報であ
ることが最も好ましい。そして、移動する情報記録媒体
として、テープもしくは円板上に磁気記録媒体層が形成
されたものを用いるのが最も好ましい。
軟磁性膜として用いることが最も好ましい。特に、先の
軟磁性薄膜を用いた磁気ヘッドとしては、メタル・イン・
ギャップ型の磁気ヘッドが最も好適である。さらに、こ
の磁気ヘッドを用いて、移動する情報記録媒体に磁気的
性質を用いて情報を記録するのに最も適している。そし
て、記録する情報が画像情報或いは/及び音声情報であ
ることが最も好ましい。そして、移動する情報記録媒体
として、テープもしくは円板上に磁気記録媒体層が形成
されたものを用いるのが最も好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を実施例を用いて、さらに
詳しく説明する。スパッタリング法により磁性薄膜を作
製した。ターゲットには、Fe円板上にHfチップを均一に
配置した複合体ターゲットを用い、放電ガスには、Ar/N
2標準混合ガス(混合比:92/8)をそれぞれ用いた。基板に
は、Mn・Znフェライト基板を用いた。結晶方位は(332)
面、基板位置は#4である。基板は、これに限られるので
はなく、本発明の効果は、その種類によるものではな
い。スパッタの条件は、放電ガス圧力が6 mTorr、投入R
F電力密度が400 W/150mmφである。成膜した磁性薄膜の
膜厚は、2 μm である。この磁性膜の組成は、EDX分
析によれば、Fe77Hf9N14である。成膜後の磁性膜を600
℃で30分の熱処理を行った。この温度は、磁性膜の組成
や構造などにより決まるもので、絶対的なあものではな
い。
詳しく説明する。スパッタリング法により磁性薄膜を作
製した。ターゲットには、Fe円板上にHfチップを均一に
配置した複合体ターゲットを用い、放電ガスには、Ar/N
2標準混合ガス(混合比:92/8)をそれぞれ用いた。基板に
は、Mn・Znフェライト基板を用いた。結晶方位は(332)
面、基板位置は#4である。基板は、これに限られるので
はなく、本発明の効果は、その種類によるものではな
い。スパッタの条件は、放電ガス圧力が6 mTorr、投入R
F電力密度が400 W/150mmφである。成膜した磁性薄膜の
膜厚は、2 μm である。この磁性膜の組成は、EDX分
析によれば、Fe77Hf9N14である。成膜後の磁性膜を600
℃で30分の熱処理を行った。この温度は、磁性膜の組成
や構造などにより決まるもので、絶対的なあものではな
い。
【0011】この磁性薄膜の磁気特性を測定した。飽和
磁束密度が1.55 T、保磁力が0.10Oe、透磁率が1 MHz で
は7500、50MHzでは1800であった。磁歪定数は4×10~7で
あった。また、比抵抗は 95.8×10~8(Ω・m)であった。
磁束密度が1.55 T、保磁力が0.10Oe、透磁率が1 MHz で
は7500、50MHzでは1800であった。磁歪定数は4×10~7で
あった。また、比抵抗は 95.8×10~8(Ω・m)であった。
【0012】この磁性薄膜を0.5N NaClaq中へ浸漬した
ときの飽和磁束密度の経時変化により磁性膜の耐食性を
評価した。その結果、200時間の浸漬では、飽和磁束密
度の劣化は見られなかった。また、比較のために、磁性
膜中の〔Hf〕/〔N〕比及びHfとNの総濃度を変化させた
ときの磁性薄膜の磁気特性及び耐食性について調べた結
果を図1にまとめて示す。この図の上図から、〔Hf〕/
〔N〕比が1.5より大きくても、また、0.5より小さくて
も耐食性が劣化することがわかる。この結果から、組成
範囲としては、0.5から1.5のあいだが好適の組成である
ことがわかる。また、HfとNの総濃度と耐食性との関係
については、その濃度が低いほど飽和磁束密度は大きく
なるが、15 at% 未満の濃度では成膜初期に結晶化して
おり、熱処理すると、保磁力が10 Oe 以上になるので、
磁気ヘッド用の磁性膜としては適していないことがわか
る。逆に、総濃度が25 at% を超えると、軟磁気特性は
劣化しないが、飽和磁束密度が1.5 T より小さくなるの
で、高密度記録用の磁気ヘッドとして適さなくなる。以
上の検討より、総濃度は15 at% 以上で、かつ、25at%
以下の濃度が適している。これまで検討してきたことを
まとめると、〔Hf〕/〔N〕比は0.5≦〔Hf〕/〔N〕≦1.5
が良く、また、HfとNの総濃度(〔Hf〕+〔N〕)は、15≦
(〔Hf〕+〔N〕)≦25 の範囲が好適であることがわか
る。
ときの飽和磁束密度の経時変化により磁性膜の耐食性を
評価した。その結果、200時間の浸漬では、飽和磁束密
度の劣化は見られなかった。また、比較のために、磁性
膜中の〔Hf〕/〔N〕比及びHfとNの総濃度を変化させた
ときの磁性薄膜の磁気特性及び耐食性について調べた結
果を図1にまとめて示す。この図の上図から、〔Hf〕/
〔N〕比が1.5より大きくても、また、0.5より小さくて
も耐食性が劣化することがわかる。この結果から、組成
範囲としては、0.5から1.5のあいだが好適の組成である
ことがわかる。また、HfとNの総濃度と耐食性との関係
については、その濃度が低いほど飽和磁束密度は大きく
なるが、15 at% 未満の濃度では成膜初期に結晶化して
おり、熱処理すると、保磁力が10 Oe 以上になるので、
磁気ヘッド用の磁性膜としては適していないことがわか
る。逆に、総濃度が25 at% を超えると、軟磁気特性は
劣化しないが、飽和磁束密度が1.5 T より小さくなるの
で、高密度記録用の磁気ヘッドとして適さなくなる。以
上の検討より、総濃度は15 at% 以上で、かつ、25at%
以下の濃度が適している。これまで検討してきたことを
まとめると、〔Hf〕/〔N〕比は0.5≦〔Hf〕/〔N〕≦1.5
が良く、また、HfとNの総濃度(〔Hf〕+〔N〕)は、15≦
(〔Hf〕+〔N〕)≦25 の範囲が好適であることがわか
る。
【0013】次に、上述の磁気特性及び耐食性に優れた
Fe77Hf9N14 磁性薄膜の構造を透過型電子顕微鏡を用い
て構造解析を行った。その結果を図2に示す。この図
は、Fe77Hf9N14 の格子像観察結果をもとに、格子像と
電子線回折とがフーリエ変換の関係にあることを用い
て、格子像の解析を行い、結晶相との対応について調べ
た結果を示している。それによると、Feの結晶粒子のサ
イズはほぼ8 nm であり、同一の磁気特性を有するFe-Ta
-C膜の8 nm 〜15 nm より分布が小さくなっているとと
もに、結晶粒子サイズも小さい。また、Hf-N結晶粒子
は、そのサイズは2nmであり、先のFe-Ta-C膜では、TaC
粒子の3 nm 〜5 nm に比べて、Fe-Hf-N 系とすることに
よりHf-N粒子が微細化していることがわかる。この時の
形成されているHf-N系の化合物は、電子線回折の結果か
ら求めた格子面間隔から、Hf, Hf4N3,或いは Hf3N2が形
成していることがわかる。また、Hfの1部は、マイクロ
オージェ分光法により分析したところ、Feの結晶粒子の
粒界に析出し、Fe結晶相の成長を抑制していることがわ
かる。そこで、次に、このFe-Hf-N 系において、成膜後
の熱処理条件や成膜時の窒素濃度を変化させてHf-N粒子
サイズ及び量論比を変化させた。それによると、Hf-N粒
子サイズは変化させないで、HfとNの量論比を変化させ
てHfNとした場合は、磁気特性は変化しないが、先のNaC
laq浸漬試験の結果、飽和磁束密度が200時間の浸漬で、
初期値の約15%が減少し、耐食性が劣化した。また、窒
素濃度を低くして、〔Hf〕/〔N〕比を1.7より大きくす
る(Hfリッチ)と、磁気特性が劣化した。これは、結晶化
反応が十分生じていないためである。このことから、Hf
-N化合物における〔Hf〕/〔N〕比は、1.2から1.7の間が
適当である。また、Feの結晶粒子サイズは、磁気特性的
には5 nm 以上で、20 nm が好適であり、耐食性的には1
5 nm 以下であることが好ましく、この結果から、良好
なFeの結晶粒子サイズは、5 nmから15 nm の範囲にある
必要がある。
Fe77Hf9N14 磁性薄膜の構造を透過型電子顕微鏡を用い
て構造解析を行った。その結果を図2に示す。この図
は、Fe77Hf9N14 の格子像観察結果をもとに、格子像と
電子線回折とがフーリエ変換の関係にあることを用い
て、格子像の解析を行い、結晶相との対応について調べ
た結果を示している。それによると、Feの結晶粒子のサ
イズはほぼ8 nm であり、同一の磁気特性を有するFe-Ta
-C膜の8 nm 〜15 nm より分布が小さくなっているとと
もに、結晶粒子サイズも小さい。また、Hf-N結晶粒子
は、そのサイズは2nmであり、先のFe-Ta-C膜では、TaC
粒子の3 nm 〜5 nm に比べて、Fe-Hf-N 系とすることに
よりHf-N粒子が微細化していることがわかる。この時の
形成されているHf-N系の化合物は、電子線回折の結果か
ら求めた格子面間隔から、Hf, Hf4N3,或いは Hf3N2が形
成していることがわかる。また、Hfの1部は、マイクロ
オージェ分光法により分析したところ、Feの結晶粒子の
粒界に析出し、Fe結晶相の成長を抑制していることがわ
かる。そこで、次に、このFe-Hf-N 系において、成膜後
の熱処理条件や成膜時の窒素濃度を変化させてHf-N粒子
サイズ及び量論比を変化させた。それによると、Hf-N粒
子サイズは変化させないで、HfとNの量論比を変化させ
てHfNとした場合は、磁気特性は変化しないが、先のNaC
laq浸漬試験の結果、飽和磁束密度が200時間の浸漬で、
初期値の約15%が減少し、耐食性が劣化した。また、窒
素濃度を低くして、〔Hf〕/〔N〕比を1.7より大きくす
る(Hfリッチ)と、磁気特性が劣化した。これは、結晶化
反応が十分生じていないためである。このことから、Hf
-N化合物における〔Hf〕/〔N〕比は、1.2から1.7の間が
適当である。また、Feの結晶粒子サイズは、磁気特性的
には5 nm 以上で、20 nm が好適であり、耐食性的には1
5 nm 以下であることが好ましく、この結果から、良好
なFeの結晶粒子サイズは、5 nmから15 nm の範囲にある
必要がある。
【0014】上記の磁性膜を用いて、MIG(メタルインギ
ャップ)型ヘッドを作製した。その構造を示す概略図を
図3に示す。磁気ヘッドの作製はこの軟磁性薄膜(1)を
単結晶のフェライト基板(2)上に形成した。ここで、用
いた磁性膜の組成は、Fe80Hf8N12 である。ギャップ部
(3)は、先のフェライト基板(2)上に形成した軟磁性薄膜
(1)上に、SiO2を200nmの膜厚に形成した後にCrを10 nm
の膜厚に形成した。これを窒素気流中にて600℃で30分
間熱処理し、同一形状のヘッド基板を低融点ガラス(4)
によりボンディングした。ここで、熱処理温度は、この
ガラスボンディング工程におけるガラス融着温度等のガ
ラスの物性に支配されるもので、この温度に限定される
ものではない。さらに、基板と磁性膜の間に両者の接着
性の向上のための接合層を設けても良い。この下地膜を
磁性を有するものとすると、磁気ヘッドの性能をより向
上させることができる。このようにして作製した磁気ヘ
ッドにおいては、膜剥離などは生じなかった。
ャップ)型ヘッドを作製した。その構造を示す概略図を
図3に示す。磁気ヘッドの作製はこの軟磁性薄膜(1)を
単結晶のフェライト基板(2)上に形成した。ここで、用
いた磁性膜の組成は、Fe80Hf8N12 である。ギャップ部
(3)は、先のフェライト基板(2)上に形成した軟磁性薄膜
(1)上に、SiO2を200nmの膜厚に形成した後にCrを10 nm
の膜厚に形成した。これを窒素気流中にて600℃で30分
間熱処理し、同一形状のヘッド基板を低融点ガラス(4)
によりボンディングした。ここで、熱処理温度は、この
ガラスボンディング工程におけるガラス融着温度等のガ
ラスの物性に支配されるもので、この温度に限定される
ものではない。さらに、基板と磁性膜の間に両者の接着
性の向上のための接合層を設けても良い。この下地膜を
磁性を有するものとすると、磁気ヘッドの性能をより向
上させることができる。このようにして作製した磁気ヘ
ッドにおいては、膜剥離などは生じなかった。
【0015】この磁気ヘッドを用いて、VTR装置を作製
し、テープを走行させ画像情報を記録した。ハイビジョ
ンのディジタル情報を記録したところ、S/Nは40dB 以上
が得られた。ここで、相対速度は 36 m/s、データ転送
レートは 46.1 Mbps、トラック幅は40μm である。この
ヘッドの耐食性を0.5規定塩化ナトリウム水溶液中への
浸漬試験法、及び、高温高湿度環境(60℃、相対湿度:95
%)中での結露試験法により評価した。まず、MIG型ヘッ
ドチップを0.5規定塩化ナトリウム水溶液中へ500時間浸
漬させた。その後、このヘッドを再び装置にセットして
記録再生特性を測定した。その結果、浸漬前となんら記
録再生特性に違いは見られなかった。また、高温高湿度
環境(60℃、相対湿度:95%)中での結露試験法による評価
は、先のMIGヘッドをペルチェ素子上に固定して10℃に
保ち、全体を60℃、相対湿度:95%環境中へ放置した。そ
の結果、ヘッド全体に、結露が生じた。この状態で2000
時間以上この環境中へ放置したが、腐食の発生や記録特
性や再生信号の劣化は見られなかった。これまでVTR用
の磁気ヘッドを例に説明してきたが、本発明の効果は磁
気ディスクやヘリカルスキャンを用いた磁気テープ装置
等に対しても適用でき、装置等に左右されるものではな
い。
し、テープを走行させ画像情報を記録した。ハイビジョ
ンのディジタル情報を記録したところ、S/Nは40dB 以上
が得られた。ここで、相対速度は 36 m/s、データ転送
レートは 46.1 Mbps、トラック幅は40μm である。この
ヘッドの耐食性を0.5規定塩化ナトリウム水溶液中への
浸漬試験法、及び、高温高湿度環境(60℃、相対湿度:95
%)中での結露試験法により評価した。まず、MIG型ヘッ
ドチップを0.5規定塩化ナトリウム水溶液中へ500時間浸
漬させた。その後、このヘッドを再び装置にセットして
記録再生特性を測定した。その結果、浸漬前となんら記
録再生特性に違いは見られなかった。また、高温高湿度
環境(60℃、相対湿度:95%)中での結露試験法による評価
は、先のMIGヘッドをペルチェ素子上に固定して10℃に
保ち、全体を60℃、相対湿度:95%環境中へ放置した。そ
の結果、ヘッド全体に、結露が生じた。この状態で2000
時間以上この環境中へ放置したが、腐食の発生や記録特
性や再生信号の劣化は見られなかった。これまでVTR用
の磁気ヘッドを例に説明してきたが、本発明の効果は磁
気ディスクやヘリカルスキャンを用いた磁気テープ装置
等に対しても適用でき、装置等に左右されるものではな
い。
【0016】図4に磁気テープ装置の一例を示す。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、Bs≧1.5T以上の高飽和
磁束密度を有し、且つ、良好な軟磁気特性を示し、しか
も、高熱安定性及び高耐食性を有する軟磁性膜を得るこ
とができる。これにより、高性能でしかも高信頼性を有
する磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録装置が得られ
る。特に、VTR装置、磁気テープ装置や磁気ディスク
装置 等の各種磁気記録装置において、高保磁力を有す
る磁気記録媒体を十分に磁化できるので、高密度記録が
可能になる。
磁束密度を有し、且つ、良好な軟磁気特性を示し、しか
も、高熱安定性及び高耐食性を有する軟磁性膜を得るこ
とができる。これにより、高性能でしかも高信頼性を有
する磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録装置が得られ
る。特に、VTR装置、磁気テープ装置や磁気ディスク
装置 等の各種磁気記録装置において、高保磁力を有す
る磁気記録媒体を十分に磁化できるので、高密度記録が
可能になる。
【図1】本発明の磁性膜の組成と耐食性の関係を示す
図。
図。
【図2】本発明の磁性膜の構造を示す図。
【図3】本発明の磁気ヘッドの構造を示す図。
【図4】本発明の磁気記録装置を適用した磁気テープ装
置の一例を示すブロック図。
置の一例を示すブロック図。
1・・・軟磁性薄膜、2・・・フェライト基板、3・・・ギャッ
プ部、4・・・低融点ガラス。
プ部、4・・・低融点ガラス。
Claims (13)
- 【請求項1】少なくともHfとNを含み残部がFeから構成
される磁性薄膜が、Feの結晶粒子と、HfとNの化合物粒
子および/またはHf金属からなる多結晶構造であり、し
かも、該HfとNの化合物粒子の組成比が、1.2以上、1.7
以下であり、かつ、該磁性薄膜が軟磁気特性を有するこ
とを特徴とする微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項2】上記HfとNの化合物粒子が、Hf4N3, Hf3N2
の内より選ばれる少なくとも1種類の化合物であること
を特徴とする請求項1記載の微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項3】上記HfとNの化合物粒子であるHf4N3, Hf3N
2が、化学量論組成からのずれが±10 % であることを特
徴とする請求項2記載の微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項4】上記HfとNの化合物粒子が、HfとNの不定比
化合物であることを特徴とする請求項1記載の微結晶析
出型の磁性薄膜。 - 【請求項5】Feの結晶粒子のサイズが15 nm 以下であ
り、HfとNの化合物粒子のサイズが3 nm 以下であること
を特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の微
結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項6】Hf成分のうちで金属Hfが結晶相として析出
しているか、および/または、Feの結晶粒界に析出して
いることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに
記載の微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項7】Nの1部分がFe中に固溶しており、かつ、Fe
中に固溶したNの1部分がFeとの間で化合物を形成してい
ることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記
載の微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項8】Fe相についてはFe中へNを固溶させるこ
と、および/または、結晶粒界にHfを析出させることに
より、また、HfとNの化合物相についてはHfとNの化学量
論比を制御することにより結晶粒子サイズを制御したこ
とを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の
微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項9】磁性薄膜の組成が、HfとNの合計が15 at%
から25 at% の範囲であり、HfとNの比:〔Hf〕/〔N〕が
0.5から1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1から
8までのいずれかに記載の微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項10】軟磁性膜の飽和磁束密度が1.5 T 以上で
あり、保磁力が1 Oe 以下であり、しかも50 MHzにおけ
る透磁率が1000以上であることを特徴とする請求項1か
ら9までのいずれかに記載の微結晶析出型の磁性薄膜。 - 【請求項11】請求項1から10記載の軟磁性膜を磁気ヘ
ッド用の軟磁性膜として用いたことを特徴とする磁気ヘ
ッド。 - 【請求項12】請求項1から10記載の軟磁性膜を用いた
磁気ヘッドがメタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドであ
ることを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項13】請求項11または12記載の磁気ヘッドを用
いて、移動する情報記録媒体に磁気的性質を用いて情報
を記録したことを特徴とする磁気記録装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8249592A JPH1097910A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 微結晶析出型の磁性薄膜、それを利用した磁気ヘッドおよび磁気記録装置 |
| US08/831,537 US5962153A (en) | 1996-04-12 | 1997-04-08 | Soft magnetic thin film, and magnetic head and magnetic recording apparatus using the film |
| KR1019970013278A KR100279786B1 (ko) | 1996-04-12 | 1997-04-10 | 연자성 박막과 그것을 사용한 자기헤드 및 자기기록장치 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8249592A JPH1097910A (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 微結晶析出型の磁性薄膜、それを利用した磁気ヘッドおよび磁気記録装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1097910A true JPH1097910A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=17195317
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8249592A Pending JPH1097910A (ja) | 1996-04-12 | 1996-09-20 | 微結晶析出型の磁性薄膜、それを利用した磁気ヘッドおよび磁気記録装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1097910A (ja) |
-
1996
- 1996-09-20 JP JP8249592A patent/JPH1097910A/ja active Pending
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Legal Events
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