JPH11116550A - ジチオジプロピオン酸の製造方法 - Google Patents
ジチオジプロピオン酸の製造方法Info
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- JPH11116550A JPH11116550A JP28926897A JP28926897A JPH11116550A JP H11116550 A JPH11116550 A JP H11116550A JP 28926897 A JP28926897 A JP 28926897A JP 28926897 A JP28926897 A JP 28926897A JP H11116550 A JPH11116550 A JP H11116550A
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Abstract
環境的に問題となる薬剤を一切使用せずに、高収率で高
純度のジチオジプロピオン酸を効率的に得る方法を見出
す。 【解決手段】 メルカプトプロピオン酸と過酸化水素を
反応させるに際し、過酸化水素をメルカプトプロピオン
酸に対して0.55〜0.70倍モル使用し、45〜6
5℃の温度で反応を行い、メルカプトプロピオン酸の残
存率が0.2〜3.0%の範囲になった時点で反応を終
了する。
Description
ン酸、さらに詳しくは、3,3’−ジチオジプロピオン
酸、HOOCCH2CH2SSCH2CH2COOH
(以下、DTDIPとも呼ぶ)の製造方法に関するもの
である。ジチオジプロピオン酸は、医薬品原料、酸化防
止剤原料、ヘアーコンディショナー原料として工業的に
重要な物質である。
般的に3−メルカプトプロピオン酸(以下、メルカプト
プロピオン酸、あるいはMPAと呼ぶ)を酸化して二量
化することによって得られる。このとき用いられる酸化
剤としては、例えば、ジメチルジチオビス(チオフォル
メイト)(USP73-393253)、塩化チオニル(Izv.Akad. Na
uk SSSR,Ser.Khim.,[9],2111)、トリメチル塩化珪素と
無水クロム酸(Tetrahedron,41[14],2903(1985))、及び
ジエチルブロモマロエイト(Chem.Pharm.Bull.,34[2],48
6(1986))等種々のものがある。これらの酸化剤を使用し
た場合には、酸化剤自体あるいは酸化剤としての働きを
終えた後の物質のコンタミネーションが製品中に起こる
問題であり、特に医薬品原料として、ジチオジプロピオ
ン酸を使用する場合には、大きな問題となる。また、反
応終了後には多大な廃液が出現し、その中にはクロムや
臭化物、有機塩素化合物のような地球環境的に問題のあ
る物質が含まれている。このようなことから、生命環境
及び地球環境的に安全な酸化剤を用いて、ジチオジプロ
ピオン酸を得ることできれば理想的であることから、本
発明者らは酸化剤として酸素を与えた後には、水に変化
する過酸化水素に注目した。
化し、ジチオジプロピオン酸を得る方法は、Biochem.
J.,Vol.66,538(1957)に既に述べられているが、そこに
記載されている方法は、「メルカプトプロピオン酸を水
に溶解し、0℃に冷却する。少量の硫酸鉄と62mlの
0.3N過酸化水素(対メルカプトプロピオン酸1倍モ
ル)を加え、0℃を保つ。反応混合物の温度を室温まで
上げた後、一夜放置する。析出した結晶をろ別し、熱水
で再結晶し、ジチオジプロピオン酸を得る。」というも
のである。その時の収率は80%である。この方法にお
いても、硫酸鉄を触媒として使用することから生じる製
品へのコンタミネーションは避けられない。また、反応
温度を0℃に保つことは工業的には極めて不経済であ
り、冷凍機及び電力、冷媒等に多大な費用が掛かる。さ
らに、一度得た粗結晶を再度溶解し、冷却、ろ過する必
要があり、工程的に負担が多い。ジチオジプロピオン酸
の水に対する溶解度は小さいので、熱水に溶解するには
大量の水とそれに対応出来る大容量の容器が必要であ
り、極めて効率の悪いプロセスとなる。さらには、収率
も満足の行くものではない。
する課題は、硫酸鉄等の重金属触媒を使用することな
く、過酸化水素によってメルカプトプロピオン酸を酸化
し、ジチオジプロピオン酸を効率良く得る方法を見いだ
すことにある。
トプロピオン酸と過酸化水素によってジチオジプロピオ
ン酸を得る反応について鋭意研究した結果、この二つの
物質を特定のモル比、特定の温度で反応させ、メルカプ
トプロピオン酸が特定の残存率になった時点で反応を終
了させることによって、収率良く、しかも純度の高いジ
チオジプロピオン酸が得られることを発見し、本発明を
完成するに至った。
ン酸と過酸化水素を反応させ、ジチオジプロピオン酸を
得る方法において、過酸化水素をメルカプトプロピオン
酸に対して0.55〜0.70倍モル使用し、45〜6
5℃の温度で反応を行い、メルカプトプロピオン酸の残
存率が0.2〜3.0%の範囲になった時点で反応を終
了し、冷却後結晶をろ別して取り出す事を特徴とするジ
チオジプロピオン酸の製造方法である。さらに、この方
法によって得られたろ液を次回の反応の際の反応溶剤と
して使用する事を特徴とする方法である。
ピオン酸と過酸化水素を特定のモル比で反応させる必要
がある。メルカプトプロピオン酸1モルに対する過酸化
水素のモル比は、0.55〜0.70倍の範囲である必
要があり、さらには0.58〜0.65の範囲が好まし
い。0.55未満のモル比ではメルカプトプロピオン酸
の残存率が多くなり、収率の低下をきたす。さらには、
得られる湿潤ケーキ中に未反応のメルカプトプロピオン
酸が存在するため、乾燥時に臭気が発生し、作業環境
上、大きな問題となる。また、製品自体にも異臭が残
る。0.70倍モルを越える過酸化水素を使用した場合
には、一旦得られたジチオジプロピオン酸がさらに過酸
化水素によって酸化されてしまうため、収率の低下を招
く。また製品の純度も低下する。
しては45〜65℃の範囲の温度が良く、さらには50
〜60℃の範囲が良い。45℃未満の温度で反応させた
場合には、反応の完結に長時間を要するのみならず、得
られる湿潤ケーキの含水率が高く、乾燥工程においてよ
り多くの時間とエネルギーを要する。湿潤ケーキ中の水
分が多いことは純度の低下を招く要因ともなる。65℃
を越えて反応させた場合には、副反応が多くなり、収率
の低下を招く。
(20℃における水への溶解性は、0.076重量%で
ある。)は低いため、反応途中でジチオジプロピオン酸
の結晶が出現してしまうが、反応温度は、析出するジチ
オジプロピオン酸の結晶形に影響を与える。反応温度が
高い程、丸みをおびた形のろ過性の良い結晶になり、反
応温度が低い程、水切れの悪い針状形の結晶となる。反
応時間、収率、及びろ過性等の問題に対応できる反応温
度は、45〜65℃という狭い範囲でのみである。ここ
で述べる温度範囲は、反応工程における平均的な温度範
囲であり、一時的に本発明で述べる温度範囲から逸脱す
ることがあっても、本発明の範囲に入るものである。
の方法においてはまた重要である。反応時間は、反応薬
剤の濃度、反応温度、過酸化水素のモル比と添加時間等
によって変化するが、メルカプトプロピオン酸の残存率
がある特定の範囲に入った時点で反応を終了する必要が
あり、その時点のメルカプトプロピオン酸の残存率は、
0.2〜3.0%の範囲が良く、さらには0.5〜2.
0%の範囲が好ましい。0.2%未満の残存率にするた
めには長時間を要し不経済であるとともに、製品の収率
低下を招く。3.0%を越えた残存率で反応を終了する
と、製品の収率低下、純度の低下、さらには製品に異臭
が残るという問題が起こる。
ピオン酸と過酸化水素を特定のモル比で反応させるこ
と、この二つの物質を特定の温度で反応させること、メ
ルカプトプロピオン酸が特定の残存率になった時点で該
反応を終了させることが必要があり、その何れか一つの
要件が満たされない場合には、収率の低下、純度の低
下、製品の異臭の問題、反応時間の問題、あるいはケー
キのろ過性の問題等が生じる。
しては0〜40℃の範囲が良いが、さらには10〜30
℃の範囲が良い。
反応させた方が良い。希釈液としての濃度は、広い範囲
のものが使用可能であるが、10〜60%さらには、2
0〜50%の範囲が好ましい。希釈液としては、純水を
使用するが、前回の処理で得られたろ液を使用する事が
出来る。
酸は、一般の工業原料が使用されるが、純度95%以上
で、重金属含有量の少ないものが望ましい。
般工業製品が使用可能である。濃度としては、30〜7
0%、さらには35〜60%のものを使用するのが良
い。特には60%品を使用する方が、廃液量が少なくな
るという利点もある。
行うことが出来る。連続式の場合、ろ過工程から発生す
るろ液を連続的にメルカプトプロピオン酸の希釈工程に
戻すことが望ましい。
るジチオジプロピオン酸の湿潤ケーキが得られる。ろ過
の際、出来るだけ絞ったほうが望ましく、そのためには
遠心分離器で高速回転にてろ過するのが好ましい。一度
絞ったあと、純水をケーキにかけて洗浄した方が製品の
純度が高くなるので、好ましい。
して使用出きる。その際、ろ液中の過酸化水素濃度を測
定しておき、ろ液中に存在する過酸化水素と新たに使用
する過酸化水素の合計値が所定量のモル比となるように
する事が必要である。
いはハロゲン系反応薬剤等、生命環境及び地球環境的に
問題となる薬剤を一切使用せずに、しかも高収率で高純
度のジチオジプロピオン酸を効率的に得ることが出来
る。さらに発生する廃液量は極めてわずかであり、本発
明が持つ工業的意義は多大なものがある。
ンデンサーを取り付け、メルカプトプロピオン酸10
6.2g(1.0モル)と純水247.8g(前回のろ
液がある場合には、ろ液を使用することもある。)を入
れる。所定の温度を保ちながら、所定量の60%過酸化
水素水を2hrで添加する。(ろ液を希釈水として使用
する場合には、ろ液中に含まれる過酸化水素も考慮し、
新たに使用する過酸化水素との合計値が所定量のモル比
となるようにする。)添加開始後、約45min経過す
ると液が白濁し、ジチオジプロピオン酸の結晶が析出し
始める。そのまま、反応させ所定量のMPA残存率とな
ったら20℃まで冷却し、ヌッチェでろ過する。60g
の純水で洗浄し、良く絞ってから真空乾燥する。(80
℃、20mmHg、5hr)得られたジチオジプロピオ
ン酸の純度は、市販の試薬特級品を標準サンプルとして
液体クロマトグラフィーで分析した。水分は、カールフ
ィッシャー法による。得られた乾燥品にMPAの臭気が
あるかどうかを鼻でかいで調べた。得られた結果を表1
に示す。
えた他は、実施例1と同様に行った。得られた結果を表
1に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 メルカプトプロピオン酸と過酸化水素を
反応させ、ジチオジプロピオン酸を得る方法において、
過酸化水素をメルカプトプロピオン酸に対して0.55
〜0.70倍モル使用し、45〜65℃の温度で反応を
行い、メルカプトプロピオン酸の残存率が0.2〜3.
0%の範囲になった時点で反応を終了し、冷却後結晶を
ろ別して取り出す事を特徴とするジチオジプロピオン酸
の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の方法によって得られたろ液を
回収し、反応溶剤として使用する事を特徴とする請求項
1記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28926897A JPH11116550A (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | ジチオジプロピオン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28926897A JPH11116550A (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | ジチオジプロピオン酸の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11116550A true JPH11116550A (ja) | 1999-04-27 |
| JPH11116550A5 JPH11116550A5 (ja) | 2005-04-07 |
Family
ID=17740967
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28926897A Pending JPH11116550A (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | ジチオジプロピオン酸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11116550A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117209408A (zh) * | 2023-08-29 | 2023-12-12 | 原平市同利化工有限责任公司 | 一种制备3-巯基丙酸过程中提取3,3′-二硫代二丙酸的方法 |
-
1997
- 1997-10-07 JP JP28926897A patent/JPH11116550A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117209408A (zh) * | 2023-08-29 | 2023-12-12 | 原平市同利化工有限责任公司 | 一种制备3-巯基丙酸过程中提取3,3′-二硫代二丙酸的方法 |
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